狼と香辛料
狼と香辛料 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ジャンル | ファンタジー 経済 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
小説 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
著者 | 支倉凍砂 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イラスト | 文倉十 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出版社 | メディアワークス →アスキー・メディアワークス →KADOKAWA | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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レーベル | 電撃文庫 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
刊行期間 | 2006年2月10日 - | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
巻数 | 既刊24巻(2023年1月現在) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
漫画 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原作・原案など | 支倉凍砂(原作) 文倉十(キャラクターデザイン) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
作画 | 小梅けいと | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出版社 | メディアワークス →アスキー・メディアワークス →KADOKAWA | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
掲載誌 | 電撃「マ)王 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
レーベル | 電撃コミックス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
発表号 | 2007年11月号 - 2018年2月号 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
発表期間 | 2007年9月27日 - 2017年12月27日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
巻数 | 全16巻 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
話数 | 100話 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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テンプレート - ノート | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロジェクト | ライトノベル・漫画・アニメ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ポータル | アニメ・漫画・ラジオ・ゲーム |
『狼と香辛料』(おおかみとこうしんりょう)は、支倉凍砂による日本のライトノベル、および同ライトノベルを原作とする漫画・テレビアニメ・テレビゲーム・ラジオドラマなどの関連作品。ライトノベル版は文倉十がイラストを描き、電撃文庫(KADOKAWA)から刊行されている。
概要
本作は、2005年に行われた第12回電撃小説大賞の銀賞受賞作品であり、著者のデビュー作にあたる[2]。狼の化身である少女と青年行商人の道中で起こる様々な事件を、軽妙洒脱な掛け合いをちりばめつつ描くファンタジー物語であり、中世ヨーロッパ的な世界での経済活動に争いの舞台を置く異色作である[3]。
2007年9月には本作を原作として漫画化され、2008年1月にはテレビアニメ化、同年6月にコンピューターゲーム化された。また、2007年12月から2008年4月、および2009年6月からは、隔週で本作をテーマとしたインターネットラジオの配信が行われた。詳細は#漫画、#テレビアニメ、#ゲーム、#インターネットラジオの各節を参照。
2011年7月発売の第17巻をもって完結したが、2016年9月の新シリーズ『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙』の刊行開始と同時に再開されている。
2018年7月には著者が企画およびシナリオを手がけるVRアニメ作品『狼と香辛料VR』の制作開始が発表され2019年に発売、さらに2019年8月29日には『狼と香辛料VR 2』の制作が発表された。詳細は#ゲームの当該項目を参照。
2020年10月時点でシリーズ累計発行部数は500万部を記録している[4]。
あらすじ
旅の青年行商人クラフト・ロレンスは、商取引のために訪れたパスロエ村を後にした夜、荷馬車の覆いの下に眠る1人の密行者を見付ける。それは「ヨイツの賢狼」ホロと名乗る、狼の耳と尻尾を持つ少女であった。
ホロは遙か北の故郷「ヨイツ」を離れての放浪の中、パスロエ村の麦に宿った狼であった。ホロは神と呼ばれ、長年村の麦の豊作に尽くしていたが、農業技術の進歩によって、自分がないがしろにされるのを感じ、望郷の念を募らせていた。そしてついに収穫祭の日、通りかかった荷馬車の麦束に乗り移って村を脱出したのであった。
少女が狼の化身であることを知ったロレンスは、彼女を旅の供に迎えた。2人は行商の途中、様々な騒動に巻き込まれながら、ホロの故郷を目指して旅をすることになる。
なお、題名の由来は#概要のとおりだが、本作において「狼と香辛料」は主人公の2人を指しており、狼はホロ、香辛料はロレンスのことである。ロレンスを香辛料とするのは、ミローネ商会のマールハイト(第1巻に登場)が商売の節度を説くため、正教会が創作した戯曲の登場人物「肥え太った魂にたっぷりと香辛料のうまみを効かせた大金持ちの商人」を引き合いに出し、彼を大成する商人として褒めた言葉にちなんでいる。
舞台背景
本作で描かれるのは中世ヨーロッパを思わせる架空世界であり、ここでは超常的現象はいっさい生じないとされるが、唯一の例外が「知性を持つ獣」の存在で、彼らはその正体において同族をはるかに凌ぐ体躯を持つ[注 1]うえに長寿あるいは不死であり、人間へ化身することができる。
また、人間との間に子をなすこともできる。作中では、狼であるホロ以外に鳥・羊・鹿らが登場するが、教会などにとって信仰や迫害の対象となっている。彼らは人目に触れることを嫌い、迫害されることを恐れ、人間に姿を変えて人の世にまぎれるか人里から離れて暮らすため、人間の間ではその存在は伝説となりつつある。
主な登場人物
- クラフト・ロレンス
- 声 - 福山潤[5][6]
- 馬車で各地を巡りながら、様々な物品を売買する旅の行商人。20代後半の青年。パスロエ村でホロと出会い、ともに旅をする。
- 『このライトノベルがすごい!』男性キャラクター部門では2008年版・2009年版で共に9位を獲得している[7][8]。
- ホロ
- 声 - 小清水亜美[5][6]
- 先の白い尻尾と立った獣耳を持つ美少女。正体は、何百年も歳を重ね、本来の姿は人間を丸呑みにできるほど巨大な狼。麦に宿り、その収量を左右する神秘的な力を持つ。長年住み慣れた土地を離れ、北の地にある故郷への帰還を望み、ロレンスとともに旅をする。
- 『このライトノベルがすごい!』女性キャラクター部門では2007年版で1位[2]、2008年版で4位[9]、2009年版で2位[10]、2010年版で10位それぞれを獲得している[11]。
設定・用語
貨幣
商売に用いられる貨幣には、金貨、銀貨、銅貨があり、それぞれにさらなる多くの種類がある。為替レートは、各貨幣の価値により変動する。同じ貨幣であっても摩耗具合や発行時期によって相場が変動する。新しい国ができては貨幣を発行し、地方権力者や教会もどんどん独自の貨幣を発行しているため、巷には何百種類もの貨幣が流通しており、地域によって信用のある価値の高い貨幣がいくつかある。
流通している種類こそ多いものの、旅人や商人が街から移動する過程で貨幣を持ち出してしまうため、どこも深刻な貨幣不足に悩まされている。
地理
モデルは14世紀頃の北ドイツ付近が中心となっている[12]。
- パスロエ
- 大昔ホロが村の青年に頼まれて以来、麦の生育を司っていた農村。毎年収穫の頃には、ホロを祭った収穫祭が開かれている。麦の一大産地として知られている。
- ヨイツ
- 北にあるホロの故郷。大昔に、「月を狩る熊」という白く巨大で凶暴な熊の神に滅ぼされた、という話が残る。現在はトールキンと呼ばれている地方にあり、猟師や樵が滞在するために建てられた小屋が集まった小さな村がある。
- ニョッヒラ
- 北にある温泉町。各国から王侯貴族もやって来る有名な温泉地で、ホロもヨイツにいるころは、よく湯に浸かりに行った。
- リュビンハイゲン
- 教会が大きな力を持つ教会都市。教会の戦略的な物資補給拠点になっているため、武器や薬草など戦に必要な物資の需要が大きい。都市や周辺地域は聖堂参事会が治めている。
- 都市の名は、異教徒討伐のためこの地に砦を築き、異教の神々と戦って左腕を失った赤毛の聖人リュビンハイゲンに由来する。
- レスコ
- ローヌ川の支流に当たる、ロエフ川上流にある町。鉱山地帯を独占しているデバウ商会の本店があり、町は実質的にデバウ商会が取り仕切っている。主な住民は、植民のためにデバウ商会の手引きで南方から来た移民である。商人や職人が自由に活動することが推奨されており、それゆえに技量と才覚、資本さえあれば誰でも職に就けるため、腕のいい職人が数多く集まる。
- トレニー王国
- 商業の発達した国。他国と同様、中央集権が進んでおらず、国王の権力はそれほど強くない。
- ラオンディール公国
- ミローネ商会の本店がある南方の商業国。
- プロアニア王国
- 北方の王国。王族にも異教徒がいるため、錬金術師や自然学者のような教会が異端視するものに対しても比較的寛容である。
- クメルスン
- プロアニア王国の貴族によって、宗教に縛られない純粋な経済発展を願って作られた商業の盛んな町。このため宗教の束縛がゆるく、教会も存在せず布教は一切禁止されている。冬季にはラッドラ祭と呼ばれる盛大な祭と、営業時間を延長した大市が開催される。この町にもロレンスが所属するローエン商業組合の商館が存在する。
- レノス
- ローム川に面して作られた港町。上流に森と鉱山が存在するロエフ川とローム川の合流地点にあるため、交通と商業の要所となっている。遥か昔、ホロはこの町を訪れたことがあり、町の言い伝えでは「麦束尻尾のホロウ」と呼ばれていた。
- 五十人会議と呼ばれる職業組合、教会等の街の権力者による会議で街の方針を決める仕組みが存在する。
- ケルーベ
- ローム川の南北両岸にそれぞれ存在する町と、その間に横たわる三角州の町の総称。南岸には南方出身者が多く居住し、真ん中の三角州には商人向けの市場が存在し、貿易船の主な入港場所となっている。北岸には北方出身者が多く住み、市場は活気に満ちているが全体的にくたびれた建物が多い。
- かつて南の商人達がやってきて北方との貿易拠点を作るため、三角州を買い上げて市場を作ることを提案したが、地主は土地を手放すと大損をすると思い込み独自に市場を建設し、それを商人に貸すという形式を主張した。しかし、市場建設の資金を商人たちから借りることになった結果、土地を失わずに済んだものの莫大な借金が残ったため、商人からの借地料と同じ程度の利子を払うことになり、北と南で対立する原因となった。
- ウィンフィール王国
- ローム川を下り、さらに海を渡った先にある島国。冬には大量の雪が降る北国だが、それ以外の季節には雨が多く降り、肥沃な牧草地が広がっている。畜産、特に牧羊と羊毛産業が盛ん。現在は小麦と葡萄酒以外の輸入が禁止され、この国を訪れる旅行者が減り、貨幣も混ぜ物が多いものに改鋳されたため、国内経済は不況に陥っている。
- 南の大帝国
- 国名は未登場。ロレンスら商人の話題になる強大な商業国。1度の取引で金貨数千枚を稼ぐようになり、この国の皇帝御用達となることが「大商人への黄金の道」とされている。
その他
- 商人
- 農民や職人などの「その土地のみに生きる人たち」と対極をなす自由な存在。市街地に店舗を構えて顧客が来るのを待つ町商人と、各地を巡り顧客のもとへ出向いて商売をする行商人に大別される。
- 商会
- 町商人が行う商業体制の1つ。取扱い商品が厳格に決められている一般の商店と違い、扱える商品はかなり幅がある。商会の規模は世界各国に支店を持って複数の幹部による合議制から一人で切り盛りするものまでさまざま。
- 商業組合
- 同郷の行商人による互助組織。それぞれの都市に支部ともいえる会館があり、寄付金を収めることによってその庇護を受けることができる。
- 組合が取引や身分を保障するため、組合に所属していると大きな信用を後ろ盾にでき、巨額の取引でも組合が発行する証書を持っていく事で相手に舐められず、商売がやりやすくなる。
- 神の目に等しい強力な情報網、豊富な資金と権力者との結びつきもあり一国を凌ぐ力を持つ事もある。そのため組合への攻撃、裏切り、借金の踏み倒しは国を相手に戦争を仕掛けるのと同じであるとされる。
- ロレンスはローエン商業組合に所属している。
- 公証人
- 商人そのものではないが、一定規模の商取引を行うには不可欠な存在。「誰と誰が、こんな契約を交わした」ということを公式に認める人。大きな町には町の支配者が認める公証人が必ずいるとされる。
- 正教会
- 唯一神教(正教)を説き、超国家的な権力を有する排他的宗教集団。その信徒を正教徒と称する。ワインを神の血と呼び、商業を疎んじ、教皇が存在し、聖典に「蛇は人を堕落させるもの」と書かれているなど、教えや慣習はキリスト教と酷似しており、カトリックがモデルとなっている[12]。絶対王政を確立しつつある各国家権力の伸張により圧迫を受け、教会税の徴収が悪化するなど権威に陰りが見えており、異教徒討伐や悪魔憑きの取締りを強化するなど、威信回復につとめている。
- 巡礼路
- かつての聖人が巡礼のために通った道。聖人路とも呼ばれる。聖人の足跡をたどるために修行中の聖職者や市井の巡礼者が通ることが多いため、巡礼者たちが落とす金を目当てに領主が道を整備することがあり、治安も良い。商人も験担ぎなどで巡礼路を回ることが多い。
- 羊飼い
- 自前の、あるいは委託された羊を育成することを生業とする人たち。「神は信徒の羊飼いである」という教義により、羊の養育を任せている教会勢力も多い。
- 独自のコミュニティにより排他的性質をもち、町の人たちからは嫌悪される。一方で、旅の途中で羊飼いに出会い、所定の作法で祈りの言葉を捧げてもらうと大地の精霊の加護を受けて道中の安全が保証されると言われているため、旅人にとっては幸運をもたらす存在でもある。
- 北の大遠征
- 毎年真冬の時期に、リュビンハイゲンから北の異教徒の地へ行われる遠征。聖人リュビンハイゲンの誕生日に合わせて行われる記念行事的なものだが、大司教や南の大帝国の皇族、傭兵や各国の王宮騎士団も参加する大遠征であるため、周辺地域の経済に大きく関わっている。モデルはドイツ騎士団が行った異教徒討伐[12]。
- 桃の蜂蜜漬け
- ホロが求めてやまない究極の美味の1つ。冬に備えて作られる漬物の一種で梨やリンゴで作られるものもある。貴族や金持ちのために少量作られるのみで、市場に出回ることはまずないとされる。
- 月を狩る熊
- ホロの故郷を滅ぼした巨大な白い熊。正式な名前はイラワ・ウィル・ムヘッドヘンドと発音するらしい。ある書物には、凶暴な性格で逆らう者には容赦せず、各地を回って神と呼ばれているものと戦い殺していった、と記されていた。「テゥペロヴァンの大海蛇」との戦いを最後(結末は記されていない)に伝承から姿を消す。
- ルウィック同盟
- 大陸北部を勢力下に置く、世界最強と謳われる経済同盟。18の地域と23の職業組合が手を結び、30の貴族を後ろ盾にした10の大商会が統べている。緑地に月と盾の紋章旗を掲げている。
作風
本作の舞台は12世紀から15世紀のドイツ北部から北欧をイメージしているが、イタリアの雰囲気も混在していることから、見る人によっては疑問に感じる点もあると支倉は述べている[2]。作中に登場する食べ物については非常に注意しながら書いており、例えば甘いものについては史実との辻褄を合わせるために「果物のはちみつ漬け」以外は出せないと述べている[2]。
支倉は「会話を出来るだけ面白くする」ということを意識して執筆しており、キャラクターの設定についても何かの意図を持って考えたというよりも、会話ありきで書いていたら勝手に設定が出来上がっていった。また、本作ではホロの力があまりに強いために、支倉もどうすればなるべくホロに頼らずに物語を着地させることができるのかについては苦労する点であるという[2]。
本作は商売における利益と損失で勝ち負けが決まるという明確なルールがあり、読者にもわかりやすくなっている[2]。これについて支倉自身は以下のように述べている。
儲かれば勝ち、だけどそれで善とか悪とかが決まるわけではなくて、勝った側もあまり酷いことはしない、という。そのあたりはやっぱり商売のルールというものがあって、無理ができないからわかりやすいんだと思います。 — 支倉凍砂[2]
制作背景
支倉は本作の刊行開始(2006年2月)から約4年前に読んだ『金と香辛料―中世における実業家の誕生』(ジャン・ファヴィエの中世経済史書)から物語の着想を得ており[2]、『狼と香辛料』というタイトルもこの書籍に由来する[13]。以前は「哲学的」「運命的」なものに興味があり、それを題材とするために世界観が合うSFモノばかり執筆していたが、なかなか上手くいかずにSFモノの執筆は断念し、その後過去に読んだ中世ヨーロッパの資料を使ってみようと思い書き上げたのが本作であった[2]。
評価
『このライトノベルがすごい!』(宝島社)の「作品(シリーズ)部門ランキング」では、2007年版で1位[2]、2008年版・2009年版で共に5位にランクインした[14][15]。
また、本作は、ライトノベル作品としては珍しく、経済史や商取引の世界に踏み込んだ作品としても評価されている[16]。文芸評論家の榎本秋も普通のファンタジー作品では見られない社会システムや文化、経済に注目したストーリーであり非常に興味深いと述べている[17]。ゲームライター・編集者の石井ぜんじは本作が刊行される以前はライトノベルを通して知識・教養を得られる機会が殆どなく、その点言えば本作はライトノベルの新たな可能性を示す作品になったと述べている[18]。
既刊一覧
小説
- 支倉凍砂(著) / 文倉十(イラスト)、メディアワークス→アスキー・メディアワークス→KADOKAWA〈電撃文庫〉、既刊24巻(2023年1月7日現在)
巻数 | タイトル | 初版発行日 | 発売日 | ISBN |
---|---|---|---|---|
1 | 狼と香辛料 | 2006年2月25日 | 2006年2月10日[19] | 4-8402-3302-0 |
2 | 狼と香辛料II | 2006年6月25日 | 2006年6月10日[20] | 4-8402-3451-5 |
3 | 狼と香辛料III | 2006年10月25日 | 2006年10月10日[21] | 4-8402-3588-0 |
4 | 狼と香辛料IV | 2007年2月25日 | 2007年2月10日[22] | 978-4-8402-3723-9 |
5 | 狼と香辛料V | 2007年8月25日 | 2007年8月10日[23] | 978-4-8402-3933-2 |
6 | 狼と香辛料VI | 2007年12月25日 | 2007年12月10日[24] | 978-4-8402-4114-4 |
7 | 狼と香辛料VII Side Colors |
2008年2月25日 | 2008年2月10日[25] | 978-4-8402-4169-4 |
8 | 狼と香辛料VIII 対立の町(上) |
2008年5月10日[26] | 978-4-04-867068-5 | |
9 | 狼と香辛料IX 対立の町(下) |
2008年9月10日[27] | 978-4-04-867210-8 | |
10 | 狼と香辛料X | 2009年2月10日[28] | 978-4-04-867522-2 | |
11 | 狼と香辛料XI Side Colors II |
2009年5月10日[29] | 978-4-04-867809-4 | |
12 | 狼と香辛料XII | 2009年8月10日[30] | 978-4-04-867933-6 | |
13 | 狼と香辛料XIII Side Colors III |
2009年11月10日[31] | 978-4-04-868140-7 | |
14 | 狼と香辛料XIV | 2010年2月10日[32] | 978-4-04-868326-5 | |
15 | 狼と香辛料XV 太陽の金貨〈上〉 |
2010年9月10日[33] | 978-4-04-868829-1 | |
16 | 狼と香辛料XVI 太陽の金貨〈下〉 |
2011年2月10日[34] | 978-4-04-870265-2 | |
17 | 狼と香辛料XVII Epilogue |
2011年7月10日[35] | 978-4-04-870685-8 | |
18 | 狼と香辛料XVIII Spring Log |
2016年9月10日[36] | 978-4-04-892355-2 | |
19 | 狼と香辛料XIX Spring LogII |
2017年5月10日[37] | 978-4-04-892891-5 | |
20 | 狼と香辛料XX Spring LogIII |
2018年2月10日[38] | 978-4-04-893619-4 | |
21 | 狼と香辛料XXI Spring LogIV |
2019年1月10日[39] | 978-4-04-912200-8 | |
22 | 狼と香辛料XXII Spring LogV |
2019年12月10日[40] | 978-4-04-912904-5 | |
23 | 狼と香辛料XXIII Spring LogVI |
2021年9月10日[41] | 978-4-04-913942-6 | |
24 | 狼と香辛料XXIV Spring LogVII |
2023年1月7日[42] | 978-4-04-914819-0 |
漫画
- 支倉凍砂(原作) / 文倉十(キャラクターデザイン) / 小梅けいと(作画)、メディアワークス→アスキー・メディアワークス→KADOKAWA〈電撃コミックス〉、全16巻
巻数 | タイトル | 発売日 | ISBN |
---|---|---|---|
1 | 狼と香辛料 I | 2008年3月27日[43] | 978-4-8402-4254-7 |
2 | 狼と香辛料 II | 2009年1月27日[44] | 978-4-04-867559-8 |
3 | 狼と香辛料 III | 2009年7月27日[45] | 978-4-04-867963-3 |
4 | 狼と香辛料 IV | 2010年3月27日[46] | 978-4-04-868516-0 |
5 | 狼と香辛料 V | 2010年10月27日[47] | 978-4-04-868921-2 |
6 | 狼と香辛料 VI | 2011年4月4日[48] | 978-4-04-870500-4 |
7 | 狼と香辛料 VII | 2012年2月27日[49] | 978-4-04-886294-3 |
8 | 狼と香辛料 VIII | 2012年10月27日[50] | 978-4-04-891051-4 |
9 | 狼と香辛料 Ⅸ | 2013年8月27日[51] | 978-4-04-891839-8 |
10 | 狼と香辛料 X | 2014年4月26日[52] | 978-4-04-866488-2 |
11 | 狼と香辛料 XI | 2014年12月20日[53] | 978-4-04-869054-6 |
12 | 狼と香辛料 XII | 2015年8月27日[54] | 978-4-04-865172-1 |
13 | 狼と香辛料 XIII | 2016年2月27日[55] | 978-4-04-865725-9 |
14 | 狼と香辛料 XIV | 2016年9月27日[56] | 978-4-04-892341-5 |
15 | 狼と香辛料 XV | 2017年5月27日[57] | 978-4-04-892911-0 |
16 | 狼と香辛料 XVI | 2018年2月27日[58] | 978-4-04-893596-8 |
関連書籍
初版発行日 | 発売日 | ISBN | ||
---|---|---|---|---|
ガイドブック | 狼と香辛料ノ全テ | 2008年12月10日 | 2008年12月10日[59] | 978-4-04-867483-6 |
ビジュアルノベル | 狼と香辛料 狼と金の麦穂 | 2009年4月30日[60] | 978-4-04-867793-6 | |
アンソロジー | 狼と香辛料 電撃コミックアンソロジー | 2009年9月26日[61] | 978-4-04-868035-6 | |
画集 | 文倉十画集 狼と香辛料 | 2011年7月30日[62] | 978-4-04-870648-3 | |
小梅けいと画集 狼と香辛料〜十年目の林檎酒〜 | 2017年3月10日[63] | 978-4-04-892653-9 | ||
ビジネス書 | 『狼と香辛料』で面白いほどわかるお金のしくみ | 2014年12月22日[64] | 978-4-04-600222-8 |
テレビアニメ
- 第1作
- 2008年1月から3月まで第1期がテレ玉ほかにて放送された。全13話(テレビ放送分は全12話。第7話に当たる第七幕はDVDにのみ収録)。原作の第1巻から第2巻をほぼ忠実に映像化していた。
- 2009年7月から9月まで第2期『狼と香辛料II』がtvkほかにて放送された。一部を除く放送局ではハイビジョン制作。全12話(番外編を除く)。キャストと監督、脚本はそのままで、制作会社はIMAGINからブレインズ・ベースとマーヴィージャックへ、キャラクターデザイン・総作画監督は黒田和也から小林利充へと変更されている。原作の第4巻を飛ばし、第3・5巻を映像化。
- 第2作
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スタッフ
第1作 | 第2作 | ||
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第1期 | 第2期 | ||
原作 | 支倉凍砂[5][6] | ||
キャラクター原案[注 2] | 文倉十[5][6] | ||
総監督 | - | 高橋丈夫[6] | |
監督 | 高橋丈夫[5] | さんぺい聖[6] | |
脚本 | 荒川稔久[5] | ||
キャラクターデザイン ・総作画監督 |
黒田和也 | 小林利充[5] | |
美術監督 | 小濱俊裕 | ||
美術設定 | - | 塩澤良憲 | |
色彩設計 | 佐野ひとみ | ||
撮影監督 | 松井伸哉 | 館信一郎 | |
編集 | 渡辺直樹 | 内田恵 | |
音響監督 | 高桑一 | ||
音楽 | 吉野裕司 | Kevin Penkin[6] | |
音楽プロデューサー | 井上裕香子 | ||
音楽制作 | FlyingDog | ||
JVCエンタテインメント | - | ||
プロデューサー | 石黒達也、徳田直已、鈴木智子 | ||
松永裕一、あらかわまさのぶ | 藤田朋洋 | ||
エグゼクティブ プロデューサー |
福場一義、小山直子 | ||
アニメーション プロデューサー |
中塚裕治 | 小林辰与、大野雅義 | |
プロデュース | - | ENISHIYA[6] | |
アニメーション制作 | IMAGIN | ブレインズ・ベース[5] マーヴィージャック[5] |
パッショーネ[6] |
製作 | 「狼と香辛料」 製作委員会[注 3] |
「狼と香辛料II」 製作委員会[5][注 4] |
主題歌
- 第1作
-
- 「旅の途中」
- 清浦夏実による第1期オープニングテーマ。作詞は小峰公子、作曲・編曲は吉良知彦。第13話ではエンディングテーマとして使用された。
- 「リンゴ日和 〜The Wolf Whistling Song」
- ROCKY CHACKによる第1期エンディングテーマ。作詞はChris Mosdell、作曲は山下太郎&noe、編曲は保刈久明。第13話では使用されなかった。
- 「蜜の夜明け」
- 新居昭乃による第2期オープニングテーマ。作詞・作曲は新居。
- 「Perfect World」
- ROCKY CHACKによる第2期エンディングテーマ。作詞は岩里祐穂、作曲は山下太郎&noe。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 原作 |
---|---|---|---|---|---|
第1期 | |||||
第一幕 | 狼と一張羅 | 高橋丈夫 | 臼井文明 | 小堺能夫 大塚美登里 LEE SI MIN KYOUNG BACK MIN |
第1巻 |
第二幕 | 狼と遠い過去 | 古谷田順久 | 大塚美登里 | ||
第三幕 | 狼と商才 | 矢吹勉 | 岩本美香 宍戸淳 |
桂木杏 | |
第四幕 | 狼と無力な相棒 | 中山正恵 | 迫井政行 | 広田知子 KYOUNG BACK MIN | |
第五幕 | 狼と痴話喧嘩 | 高本宣弘 | 川久保圭史 | LEE SI MIN 玉井公子 | |
第六幕 | 狼と無言の別れ | 高橋丈夫 | 臼井文明 篠原誠 |
大塚美登里 清水空翔 高澤美佳 | |
第七幕 | 狼と幸福の尻尾[注 5] | 島津裕行 | 岩本美香 | 広田知子 PARK GI DEOK |
第7巻 |
第八幕 | 狼と正しき天秤 | 高木秀文 | PARK GI DEOK JOO OK YOON |
第2巻 | |
第九幕 | 狼と羊飼いの子羊 | 中山正恵 | 岩本美香 | 広田知子 KYOUNG BACK MIN | |
第十幕 | 狼と渦巻く陰謀 | 高橋丈夫 | 川久保圭史 | 清水空翔 | |
第十一幕 | 狼と最大の秘策 | 島津裕行 | 小野田雄亮 | PARK GI DEOK JOO OK YOON | |
第十二幕 | 狼と若僧の群れ | 中山正恵 | 高木秀文 | 小堺能夫 | |
第十三幕 | 狼と新たな旅立ち | 高橋丈夫 | 川久保圭史 高木秀文 高橋丈夫 |
清水空翔 小堺能夫 LEE SI MIN | |
第2期 | |||||
第0幕 (番外編) |
狼と琥珀色の憂鬱[注 6] | 高橋丈夫 | 殿勝秀樹 | 小林利充 | 第7巻 |
第一幕 | 狼とふとした亀裂 | 山門郁夫 | 吉本拓二 山門郁夫 |
第3巻 | |
第二幕 | 狼と嵐の前の静寂 | ところともかず | 泰野好紹 | ||
第三幕 | 狼と埋まらない溝 | 寺沢伸介 | 吉本拓二 長坂寛治 | ||
第四幕 | 狼と浅知恵の末路 | 殿勝秀樹 | 山門郁夫 | ||
第五幕 | 狼と希望と絶望 | ところともかず | 所俊克 | 鷲田敏弥 | |
第六幕 | 狼と信ずべき神 | 高橋丈夫 | 寺沢伸介 | 柳瀬譲二 | |
第七幕 | 狼と戯れの日々 | 島津裕行 | さんぺい聖 | 亀谷響子 | 第5巻 |
第八幕 | 狼と蠱惑的な旅人 | 渡辺正樹 | 町谷俊輔 | Nam Misun 森川均 | |
第九幕 | 狼と無謀な商談 | 寺澤伸介 | 三浦陽 | 松岡謙治 | |
第十幕 | 狼と孤独な微笑み | ところともかず | 清水久敏 | 鷲田敏弥 | |
第十一幕 | 狼と別れの決意 | 高橋丈夫 | 所俊克 | 谷口繁則 清水空翔 | |
第十二幕 | 狼ととめどなき涙 | さんぺい聖 | 尾尻進矢 谷口繁則 清水空翔 田中正之 柳孝相 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
埼玉県 | テレ玉 | 2008年1月8日 - 3月25日 | 火曜 25:30 - 26:00 | 独立UHF局 | |
千葉県 | チバテレビ | ||||
愛知県 | テレビ愛知 | 火曜 27:28 - 27:58 | テレビ東京系列 | ハイビジョン放送 | |
神奈川県 | tvk | 2008年1月9日 - 3月26日 | 水曜 25:15 - 25:45 | 独立UHF局 | |
京都府 | KBS京都 | 2008年1月10日 - 3月27日 | 木曜 25:30 - 26:00 | ||
兵庫県 | サンテレビ | 木曜 26:10 - 26:40 | |||
東京都 | TOKYO MX | 2008年1月11日 - 3月28日 | 金曜 25:30 - 26:00 | ハイビジョン放送 | |
日本全国 | AT-X | 2008年1月24日 - 4月10日 | 木曜 11:00 - 11:30 | CS放送 | リピート放送あり |
GYAO! | 2008年2月8日 - 4月25日 | 金曜 12:00 更新 | インターネット配信 | 無料配信 |
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
神奈川県 | tvk | 2009年7月8日 - 9月23日 | 水曜 25:15 - 25:45 | 独立UHF局 | ハイビジョン放送 |
愛知県 | テレビ愛知 | 水曜 26:28 - 26:58 | テレビ東京系列 | ||
千葉県 | チバテレビ | 2009年7月9日 - 9月24日 | 木曜 25:00 - 25:30 | 独立UHF局 | SD画質アプコン放送 |
兵庫県 | サンテレビ | 木曜 26:10 - 26:40 | ハイビジョン放送 | ||
京都府 | KBS京都 | 2009年7月10日 - 9月25日 | 金曜 25:00 - 25:30 | ||
埼玉県 | テレ玉 | 金曜 25:30 - 26:00 | SD画質アプコン放送 | ||
東京都 | TOKYO MX | ハイビジョン放送 | |||
日本全国 | AT-X | 2009年7月20日 - 10月5日 | 月曜 9:30 - 10:00 | CS放送 | リピート放送あり SD画質 |
ホロのショートアニメ
第1作第2期BDの第1巻と第2巻に収録された映像特典。DVDには未収録。第1巻では作中のパンと葡萄酒について解説し、第2巻ではヨイツ流ストレッチをレクチャーする。サブタイトルは以下の通り。
- わっちと”おべんきょう”
- わっちと”すとれっち”ヨイツ流
インターネットラジオ
2007年12月、アニメイトTVにてテレビアニメ(第1作第1期)の放送に先駆けて『小清水亜美・福山潤のオオカミックラジオ』として配信開始し、2008年4月25日に終了した。
2009年、テレビアニメ(第1作第2期)の放送が決定したことを受け、2009年6月10日よりラジオ第2期『小清水亜美・福山潤のオオカミックラジオII』の配信が開始され、2009年10月28日に終了した。
小清水亜美・福山潤のオオカミックラジオ
- コーナー
-
- ふつおた
- 普通のお便りを紹介する。
- コーナー募集
- やってほしいコーナーをリスナーから募集する。
- わっちを惚れさせるなや?
- ホロを口説き落とすためのシチュエーションと台詞を募集、その台詞を福山が読み、小清水が判定する。
- 第10回のみ「俺を困らせるなよ」、として2人の役割が変わった。
- 賢狼に訊け!
- リスナーが日頃疑問に思っていることや悩み事等を募集し、小清水が解答していく。
- 3分イラスト道場 オオカミの穴!
- 狼と香辛料にちなんだお題のイメージイラストを制限時間内に二人が描き、対決する。
- 狼が来るぞ〜
- 狼と香辛料の関連商品を紹介する。
- ラジオドラマ「狼と琥珀色の憂鬱」
- オリジナルドラマ。
小清水亜美・福山潤のオオカミックラジオII
- 配信期間:2009年6月10日 - 2009年10月28日(全10回)
- 配信日:第2・第4水曜日
- 配信サイト:アニメイトTV
- パーソナリティ:小清水亜美(ホロ役)、福山潤(ロレンス役)
- コーナー
- 配信前、「第1期ではできなかったこと」などをテーマに番組内で行うコーナー提案の募集が行われた。
- 今日オオカミック商会
- 第2期からの新コーナーで、各地の名産・食べ物を募集する。
- 豊作の歌
- 第2期からの新コーナー。ロレンスこと福山潤がリスナーが手に入れた凄い物の価値を判定する。
- 狼の穴II
- 第1期から引き継いだ、福山潤と小清水亜美の対決コーナー。
- 荷物はな〜に?
- 第2期からの新コーナー。何かをするとき役立つものは何かをリスナーに訊ねる。
- 賢狼に聞けII
- 曰く、第1期で人気だったコーナー。寄せられた相談を、賢狼ホロではなく小清水亜美が答える。
- ふつおた・アニメの感想も!
- 質問、相談、挑戦状などのメールを募集。
ゲーム
- 狼と香辛料 ボクとホロの一年
- 2008年6月26日にアスキー・メディアワークスより発売されたニンテンドーDS用ソフト。ジャンルは恋愛&行商シミュレーションゲーム。
- ロレンスは登場せず、プレイヤーはオリジナルの行商人として、1年間の期間限定でホロとの旅路を行く。アニス・ハイゼン(声:後藤邑子)、グスタ(声:中博史)、ランドル・シュミット(声:福山潤)、ロウメス(声:鳥海勝美)などのオリジナルキャラクターが登場する。同年には電撃モバイルにてdocomo版、SoftBank版、au版の順に本作を配信。(また、同サイトでは本作のほかにミニゲーム「ホロの峠下り」「ロレンスの宝探し」を公開。)行商路で繋がれたマップ上の町や村を行き来しながら破産しないように品物を売り買いして稼ぎつつ、同時にホロの故郷の手掛かりを探していく。本作でのホロの故郷はかつて「古狼の森」と呼ばれていたが現在は異なる呼び名に変わっていて一見それとは分からなくなっており、登場する三人の年代記作家の誰から情報を得たかによって三ヶ所の候補の中からそれぞれ異なる場所に固定される。
- 主題歌「隣にいるよ」
- 作詞 - 平野ハイジ / 作曲 - 相澤大 / 編曲 - 凸 / 歌 - ホロ(小清水亜美)
- オリジナルキャラクダー
-
- ボク
- プレイヤーが操作する主人公。憧れの荷馬車を手に入れようと徒歩の行商で金策に励んでいる若い商人。偶然に「売主の故郷を探し出し売主を無事にそこまで送り届ける」「金があっても売るかどうかは売主が人柄を見て決める」という奇妙な条件付きながら格安で売りに出されていた荷馬車を見つけ、売主の不思議な少女ホロに気に入られてこれを購入、彼女と旅をすることになる。ゲームの進行によっては、辿り着いたホロの故郷で彼女と夫婦になる場合もある。
- 狼と香辛料 ホロじっく[66]
- NTTドコモのFOMA携帯電話向けiアプリ。開発は株式会社ウインライトで、配信元 - 萌きゅあっと[67]、アニメTVモバイル[68]。原画はここまひが担当。
- プレイヤーはロレンスとして旅先で出逢うホロ、ゼーレン、クロエらによって出題されるパズルを解くことによりゲームが進行する。本編で各キャラクターが出題するパズルを全て解くとそのキャラクターは「フリーモード」に登場し、新しいパズル問題が追加される。また、キャラクターをクリアする毎にアニメの1シーンを撮影した画像が「アルバム」に出現し、それを待ち受け画像としてダウンロードできる。
- 狼と香辛料 海を渡る風
- 2009年9月17日発売アスキー・メディアワークスより発売されたニンテンドーDS用ソフト。ジャンルは恋愛&行商シミュレーションゲーム。
- プレイヤーはロレンスとしてホロともう1人のヒロインと共に北を目指して旅をする。2巻に登場したノーラの他、新ヒロインとして文倉十原案のオリジナルヒロイン、ルカ(声:斎藤千和)が登場する。
- 狼と香辛料VR / 狼と香辛料VR2
- SpicyTailsとジェムドロップによるVRアニメーション作品。2019年6月3日(北米時間)にSteam・Oculus Rift・Oculus Go・HTC Vive版が、2019年9月5日にPlayStation VR・Nintendo Switch版が発売。
- 2018年7月16日にSpicy TailsのTwitterアカウントにて制作開始が発表[69]。同年11月から翌2019年1月の期間にCAMPFIREとKickstarterを通じたクラウドファンディングが実施され、各800万円の目標金額に対し合計7000万円以上の資金が集められた[70]。
- 2019年8月29日には『狼と香辛料VR 2』の制作が発表され[71]、2020年12月10日にSteam・Oculus Store・My Nintendo™ Store、2021年2月4日にPlayStation™ Store、2021年4月15日にAppLab(Oculus Quest 1&2)から発売。
客演・コラボレーション
- 電撃学園RPG Cross of Venus
- 2009年3月19日にアスキー・メディアワークスより発売されたニンテンドーDS用ソフト。ジャンルは学園アクションRPG。
- 電撃文庫15周年記念作品。ホロとロレンスが購買部として出演し、ゲーム中に登場する消費(回復など)アイテムも本作からの出典が大半を占める。ホロは召喚カードとしても登場する。
- 絶対ヒーロー改造計画
- 2010年3月11日に日本一ソフトウェアより発売されたPlayStation Portable用ソフト。
- 電撃文庫全体とのコラボレーションで本作からはホロのコスチュームが登場する。
- 魔界戦記ディスガイア4
- 2011年2月24日に日本一ソフトウェアより発売されたPlayStation 3用ソフト。
- ホロによる魔法の演出が登場する。
- 嫁コレ
- HEROZのスマートフォン用ゲーム。2012年5月1日にホロが登場している。
- 百年戦記 ユーロ・ヒストリア
- カプコンのブラウザゲーム。
- 電撃文庫作品とのコラボの第1弾として、2014年3月13日から3月27日にかけてホロがイベントに登場した。
- 電撃文庫 FIGHTING CLIMAX
- 2014年3月18日から稼働しているセガのアーケードゲーム。ジャンルは2D対戦格闘。
- 電撃文庫のキャラクターが登場する格闘ゲームで、本作からはホロがサポートキャラクターとして登場。
- とある魔術の禁書目録 頂点決戦II
- HEROZの携帯電話用ソーシャルゲーム。
- 2016年6月13日から6月19日にかけてロレンスとホロがイベントとカードとして登場した。
- 天鏡のアルデラミン ROAD OF ROYAL KNIGHTS
- KADOKAWAのスマートフォン用ゲーム。
- 2017年8月22日から9月4日にかけてロレンスとホロがイベントとカードとして登場した。
- 三国志大戦
- セガ・インタラクティブのアーケードゲーム。
- 2018年10月より本作のホロをモデルにした盧氏が登場している。声はアニメと同じく小清水亜美。
脚注
注釈
出典
- ^ 先行エピソード第0幕「狼と琥珀色の憂鬱」(ビジュアルノベル『狼と香辛料 狼と金の麦穂』付属DVDに収録)
- ^ a b c d e f g h i j 『このライトノベルがすごい! 2007』宝島社、2006年12月6日第1刷発行、34-41頁、ISBN 4-7966-5559-X
- ^ 三村美衣 “ブック批評:狼と香辛料 支倉凍砂”. まんたんウェブ. 2007年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年11月27日閲覧。
- ^ “シリーズ累計発行部数”. ラノベニュースオンライン 2022年12月4日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 『メガミマガジン 2009年12月号』 学習研究社、2009年10月30日発売、161頁、ASIN B002SUI9KS
- ^ a b c d e f g h i j “「狼と香辛料」新作アニメは2024年放送!ロレンス役の福山潤&ホロ役の小清水亜美が続投”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年6月29日) 2023年6月29日閲覧。
- ^ 『このライトノベルがすごい!2008』宝島社、2007年12月6日第1刷発行、13頁、ISBN 978-4-7966-6140-9
- ^ 『このライトノベルがすごい!2009』宝島社、2008年12月6日第1刷発行、13頁、ISBN 978-4-7966-6695-4
- ^ 『このライトノベルがすごい!2008』宝島社、2007年12月6日第1刷発行、7頁、ISBN 978-4-7966-6140-9
- ^ 『このライトノベルがすごい!2009』宝島社、2008年12月6日第1刷発行、5頁、ISBN 978-4-7966-6695-4
- ^ 『このライトノベルがすごい!2010』宝島社、2010年12月5日第1刷発行、62頁、ISBN 978-4-7966-7490-4
- ^ a b c 『狼と香辛料ノ全テ』より
- ^ “プレセペ - 特集 狼と香辛料”. 原作者インタビューより. 2007年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年5月28日閲覧。
- ^ 『このライトノベルがすごい!2008』宝島社、2007年12月6日第1刷発行、18頁、ISBN 978-4-7966-6140-9
- ^ 『このライトノベルがすごい!2009』宝島社、2008年12月6日第1刷発行、18頁、ISBN 978-4-7966-6695-4
- ^ 2008年(平成20年)4月27日付『読売新聞』朝刊「本よみうり堂:ビジネス5分道場」。筆者は公認会計士の山田真哉。
- ^ 榎本秋『ライトノベル最強!ブックガイド 少年系』31頁
- ^ 石井ぜんじ / 太田祥暉 / 松浦恵介『ライトノベルの新・潮流 黎明期→2021』スタンダーズ、2022年1月1日、70頁。ISBN 978-4-86636-536-7。
- ^ “狼と香辛料”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 II”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 III”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 IV”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 V”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 VI”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 VII Side Colors”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 VIII 対立の町(上)”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 IX 対立の町(下)”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 X”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XI Side Colors II”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XII”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XIII Side Colors III”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XIV”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XV 太陽の金貨〈上〉”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XVI 太陽の金貨〈下〉”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XVII Epilogue”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XVIII Spring Log”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XIX Spring LogII”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XX Spring LogIII”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XXI Spring LogIV”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XXII Spring LogV”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 XXIII Spring LogVI”. KADOKAWA. 2021年9月10日閲覧。
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- ^ “狼と香辛料 1”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 2”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 3”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
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- ^ “狼と香辛料 9”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
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- ^ “狼と香辛料 11”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 12”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 13”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 14”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 15”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 16”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料ノ全テ”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 狼と金の麦穂”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “狼と香辛料 電撃コミックアンソロジー”. KADOKAWA. 2021年6月21日閲覧。
- ^ “文倉十画集 狼と香辛料”. KADOKAWA. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “小梅けいと画集 狼と香辛料〜十年目の林檎酒〜”. KADOKAWA. 2021年6月21日閲覧。
- ^ “『狼と香辛料』で面白いほどわかるお金のしくみ”. KADOKAWA. 2021年6月21日閲覧。
- ^ “「狼と香辛料」完全新作アニメ制作決定!支倉凍砂&文倉十のコメントも到着”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年2月25日) 2022年2月25日閲覧。
- ^ アプリゲット(2008年12月10日時点のアーカイブ) ‐ Spicysoft社による携帯電話向けアプリゲーム紹介サイトの「狼と香辛料 ホロじっく」案内ページ。 当該Webサイトでは「ホロジック」とされているが、アプリ自体の情報によれば正しくは「ホロじっく」。
- ^ キャラふる☆きゅあっと‐ウインライト社によるモバイルコンテンツ情報サイト。配信元のQRコードがある。
- ^ アニメTVモバイル
- ^ 「SpicyTails@ on Twitter」『Twitter』。2018年7月16日閲覧。
- ^ “ホロと出会えるVRアニメーション。「狼と香辛料VR」開発秘話や注目ポイントなどを,支倉凍砂氏らキーマンに聞いた”. 4Gamer.net (2019年4月6日). 2019年8月29日閲覧。
- ^ “ホロ&ロレンス再びVRへ!『狼と香辛料VR 2』発表―新キャラも登場?”. Game*Spark (2019年8月29日). 2019年8月29日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 小説
-
- 狼と香辛料 | 作品紹介 | 電撃文庫公式サイト
- 狼と香辛料 & 支倉凍砂 10周年公式サイト
- 第12回電撃大賞 - ウェイバックマシン(2015年10月11日アーカイブ分) - 作品紹介、選評など
- アニメ
-
- 狼と香辛料 Official web site - テレビアニメ公式サイト
- Web Radio「小清水亜美・福山潤のオオカミックラジオII」 - ウェイバックマシン(2010年5月28日アーカイブ分) - WEBラジオ公式サイト
- TOKYO MX * アニメ「狼と香辛料」[リンク切れ] - TOKYO MX内テレビアニメ公式サイト
- 狼と香辛料 - ウェイバックマシン(2014年12月4日アーカイブ分) - 「狼と香辛料-コミックINFO」
- 狼と香辛料 Official web site - テレビアニメ公式サイト
- モバイル
-
- モバイル版『狼と香辛料 ボクとホロの一年』 - 携帯公式サイト
- モバイル版『狼と香辛料 ケータイメニュー』 - ウェイバックマシン(2011年8月11日アーカイブ分) - 商品紹介
第12回電撃小説大賞・銀賞受賞作品 | ||
---|---|---|
第11回 | 狼と香辛料 (支倉凍砂) 火目の巫女 (杉井光) |
第13回 |
奇蹟の表現 (結城充考) |
なつき☆フルスイング! (樹戸英斗) |
- 放送前の番組
- 電撃文庫
- 2006年の小説
- 日本の冒険小説
- 経済小説
- 日本のファンタジー小説
- 二人組を主人公とした小説
- 経済を題材とした作品
- オオカミを主人公にした物語
- 動物を主人公にした小説
- 変身を題材としたフィクション作品
- 不老不死を題材とした作品
- 漫画作品 お
- 2007年の漫画
- 電撃マオウ
- ファンタジー漫画
- 経済を題材とした漫画作品
- 動物を主人公とした漫画作品
- 二人組を主人公とした漫画作品
- アニメ作品 お
- 2008年のテレビアニメ
- UHFアニメ
- ポニーキャニオンのアニメ作品
- 角川書店のアニメ作品
- フライングドッグのアニメ作品
- ムービックのアニメ作品
- 電撃文庫のアニメ作品
- 荒川稔久のシナリオ作品
- ファンタジーアニメ
- 動物を主人公にしたアニメ作品
- 二人組を主人公としたアニメ作品
- アニメイトTV
- 継続中の作品