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「ギャル」の版間の差分

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{{画像提供依頼|'''age嬢'''(出来れば、ヘアスタイルやメイクの一般的な参考となる画像。愛知県名古屋市の栄やプリンセス通りなどを中心に活動する'''派手目な[[名古屋嬢]]'''でも可)、'''姫ロリ'''(2008 - 2009年A/WのLIZLISAのようなフォークロアスタイルの'''姫ギャル'''などでも可。<small>(※:ジーザスディアマンテ、リズリサなどの姫ロリは顧客と店員でファッションの温度差が高い可能性がある為、出来れば'''店員'''に近いファッションスタイルが好ましい)</small>)、2000年初頭の'''お姉ギャル'''(目の太い網タイツが流行した時期のモノなら尚可)や1999年 - 2000年に流行した'''厚底ブーツ'''や'''厚底サンダル'''などのギャルに関係するアイテム|date=2011年3月}}
{{画像提供依頼|age嬢、姫ロリ|date=2009年8月}}
{{注意|加筆、編集の際には『[[Wikipedia:すぐに古くなる表現は使わない]]』にもご注意ください。}}
{{注意|加筆、編集の際には『[[Wikipedia:すぐに古くなる表現は使わない]]』にもご注意ください。}}
[[ファイル:Girls in Tokyo.jpg|thumb|right|280px|一般的な[[渋谷]]のギャル達。<br />(奥): 典型的なギャルメイク<br />(右): [[age嬢]]特有の盛り髪<br/>(左): 夏場のギャル特有の露出の高い服装<br />(※:2007年夏頃の写真)]]
[[File:Yukata girls in Japan.jpg|thumb|280px]]
{{Double image stack|right|Harajuku 1.jpg|Young Harajuku Girls.jpg|280|[[原宿]]系のギャル達(広義のギャル)<br />(上)ロック系、[[ヴィジュアル系]]に感化された原宿ギャル<br />(下)比較的ナチュラルなメイクをしている原宿ギャル<br />(※:写真は2006年 - 2007年頃)}}
'''ギャル'''([[英語]]:'''gal''')は、若い女性を意味する[[少女|ガール]]([[:en:girl|girl]])が訛った語で、日本では、活発な若い女性やピチピチした若い女性、今時の女性を意味する語。


'''ギャル'''は、[[英語]]において若い[[女性]]を指す {{lang|en|[[:en:girl|girl]]}}({{IPA-en|gəː''r''l}} '''ガ'''ール)の、[[アメリカ英語]]における[[俗語]] {{lang|en|gal}}({{IPA-en|gæl}} '''ギャ'''ル)に由来する[[外来語]]。[[日本語]]でも英語と同様の意味を持つ場合があるが、とりわけ[[ファッション]]やライフスタイルが突飛と見なされながらも、それらが同世代にある程度[[文化]]として共有されている若い女性たちを指す場合にも用いる。前者には文化的な意味あいは無いが、後者には文化的な意味合いが強く、国外では世界の最先端とみなされることがあり、日本語の[[ローマ字]]表記にあたる [[:en:gyaru|gyaru]] が[[日本語から英語への借用|英語に借用]]されている。近年、ギャル文化は新たな[[輸出]]産業として日本政府も注目しており、[[外務省]]などが[[リアル・クローズ]]の[[ファッションショー]]などを後援している。
[[1972年]]に[[ラングラー]]よりGalsという女性用ジーンズが発売された時から広まった<ref>日本語大辞典(講談社)、新版実用辞典(角川書店)</ref>。一般的に1970年代当時、ニューファッションに身を包んだ[[女性]]の総称を指す。[[バブル景気]]時代には若い活発な女性を指す語葉として使われた。

本項では後者について詳述する。


{{See also|Category:ファッションの傾向を表す言葉}}
{{See also|Category:ファッションの傾向を表す言葉}}
__TOC__
{{-}}
== 概要 ==
ギャルという言葉は、[[1972年]]([[昭和]]47年)に[[ラングラー]]よりGalsという女性用ジーンズが発売された時から広まった<ref>日本語大辞典(講談社)、新版実用辞典(角川書店)</ref>。また、[[東京]]においては[[1973年]](昭和48年)に渋谷[[PARCO]]が開店し、[[新宿]]に代わって[[渋谷]]が若者の街として流行の最先端を担うようになるという変化があった。当時、ギャルは[[ニューファッション]]に身を包んだ[[女性]]を指し、逆に若い女性向けの最先端のファッションを「'''ギャル[[ファッション]]'''」とも呼んだ。

[[渋谷系]]のギャルを「'''[[109 (商業施設)|109系]]'''」など[[ファッションビル]]の名称を使用して細分化する例が見られ、特に[[地方]]のギャルファッションを取り扱う商業施設をこのように呼称する場合も多い。代表的な例としては[[愛知県]][[名古屋市]]にある[[近鉄百貨店名古屋店|近鉄パッセ]]や、[[福岡県]][[福岡市]]にある[[天神コア]]などこうした商業施設のファッションを109系と呼ぶ。この他に商業施設の名称を使用したギャルファッションの細分化に「'''[[丸井]]・[[パルコ]]系'''」などと呼ばれるものもある。

渋谷系ファッションに限らず[[原宿系ファッション]]に対してもギャルという言葉が用いられる場合もある。この理由は原宿系ファッションも10代中盤から後半、20代前半にかけての最先端ファッションの1つとして広く認識されているのが大きな理由でもあるが、ファッションのテイストや[[メイク]]の手法が根本的に違うために厳密には彼女らのファッションはギャルではない。但し、原宿には[[ロック (音楽)|ロック系]]のファッションを取り扱う店舗も多く、又、ロック系のメイクは細部の異なりはあるもののギャルのメイクを踏襲した手法が用いられる為、こうした女性が集まる為に原宿系を「ギャル」と誤認されたともいえ、この場合のギャルの意味は広義におけるギャルに近い。


[[1990年代]]中期から末期にかけて、特に上記に該当する[[女子高生]]や[[女子中学生]]を指して'''コギャル'''、あるいは'''マゴギャル'''などという語で呼ばれることが多かったが、現在ではどの世代もギャルを使用する事で落ち着いている。尚、'''[[お姉系]]'''とは本来はギャルに該当する女性が趣味嗜好をそのまま維持して大人になった者を指し、その中間的な役割として'''お姉ギャル'''(オネギャル)という存在もあったが、ファッションの系統の分類が明確化された現在ではギャルとお姉系が完全に別物もファッションとなっている為、現在ではお姉ギャルという言葉をファッション用語としてあまり用いられない。
==歴史==
1970年代前半、[[anan]]や[[non-no]]といった女性ファッション雑誌が相次いで創刊し、ニューファッションに身を包んだ女性が出現する。
1980年代後半、バブル絶頂期にはボディコンと呼ばれるスーツに身を包んだ女性が出現
1990年代前半、70年代風のサーファーファッションやLAファッションが流行し、[[アムラー]]が出現
1990年代後半、後述するように[[ガングロ]]や[[ヤマンバ]]が出現する。
2000年代、[[お姉系]]などギャルファッションが多様化しはじめる。


「'''[[egg]]'''」や「'''[[Popteen]]'''」、「'''[[Ranzuki]]'''」、あるいはかつて発行されていた「'''[[Cawaii!]]'''」などといった[[ファッション雑誌]]がギャルに対して大きく影響を与えており、これらの雑誌内にはギャルの[[アイデンティティ]]なども色濃く書かれ、特に雑誌内に登場する[[モデル]]は他の[[ティーンズ誌]]と比較するとオープンな活動を行っている者も多い。それらに影響された読者が[[サークル]]('''[[ギャルサー]]'''とも呼ばれる)を作って活動している者も多くみられる。又、雑誌内のコラムやアイデンティティがしばしば性的描写が過度になってしまった為に問題となる場合もあった。
== 解説 ==
活発で「ギャル[[ファッション]]」をした10代-20代前半にかけての女性をいう。[[1990年代]]末期に、特にこうした[[女子高生]]や[[女子中学生]]を指して'''コギャル'''という語で呼ばれることが多かったが、現在ではこの世代の女性が嗜好を維持したまま大人になり('''[[お姉系]]''')、非女子高生も含め年代を問わず単にギャルと呼ばれるようになった。これに相当する男性は'''[[ギャル男]]'''(ギャルお)や'''[[お兄系]]'''(おにいけい)と呼ばれる。


これに相当する男性は'''[[ギャル男]]'''(ギャルお)と呼び、彼らのファッションを取り扱う雑誌「'''[[men's egg]]'''」は、前述のギャル系ファッション雑誌「'''egg'''」の兄弟誌として創刊された経緯があり、当初のコンセプトの一つとして「ギャルの理想的な彼氏(又は一緒に連れて歩く男性)」としてこの言葉を用いられた。現在ではギャル男を'''[[お兄系]]'''(おにいけい)と呼ばれるが、お兄系は本来[[ジャニーズ系]]ファッション(丸井・パルコ系)までの綺麗目なファッションを含む幅広い呼称であったが、次第に雑誌「'''[[MEN'S KNUCKLE]]'''」に登場するようなファッションを「強めのお兄」と呼ばれ始め、最終的にはお兄系という呼称に落ち着いた。前述のお姉系の経緯とは全く別の発展を遂げており、事実上「ギャル男」を後継していると言える。
「'''[[egg]]'''」や「'''[[men's egg]]'''」「'''[[Popteen]]'''」といった雑誌が大きく影響を与えている。[[サークル]]('''[[ギャルサー]]'''とも呼ばれる)を作って活動している者も多い。


== ギャルファッションの多様性と分類 ==
== 歴史 ==
=== ギャルファッションの多様性と分類 ===
{{See also|ギャル男#ファッションの多様性と分類}}
{{See also|ギャル男#ファッションの多様性と分類}}
[[ファイル:Yellow tight.jpg|160px|right|thumb|[[ボディコン]]と呼ばれるファッションに身を包む女性<br />(写真は[[2008年]])]]
==== 1970年代 - ====
[[1970年代]]は世界的にファッションの変革が強かった時代とも言える。[[ジーンズ]]もストレートボトムのものから[[ベルボトム]]が登場するようになり、よりファッションの幅や自由性が広がった期間とも言える。又、[[anan]]や[[non-no]]といった女性ファッション雑誌が相次いで創刊したのもこの時代であり、ニューファッションに身を包んだ女性が多く登場する。こうした女性の中で特に[[神戸]]を中心に発生したニューファッションを[[ニュートラ]]( ''[[和製英語|和英]]:New Traditional'' ) と呼び最先端ファッションをして位置付けされる<ref>{{citenews|url = http://www.fashion-rekishi.com/70.html| title = ≪70年代のファッション≫| publisher = ファッションの歴史| date = | accessdate = 2011-02-23}}</ref>。当時のファッションの最先端は[[女子大生]]や若手[[オフィスレディ|OL]]など現在よりも年齢層が高いのも特徴である。


=== コギャル ===
==== 1980年代 - ====
[[1980年代]]後半の、[[バブル時代|バブル絶頂期]]には[[ボディコン]]と呼ばれる非常にタイトでボディラインを強調した[[ワンピース]]、あるいは[[スーツ]]に身を包んだ女性が登場するようになる。発祥は1980年代前半のヨーロッパファッションであったが、日本経済が潤沢な時期でもあったためにこうしたファッションが受け入れられてくるようになる。この時期まではこのようなニューファッションを女子大生やOLが特に着用し、ギャルという言葉は若い世代の女性になぞられた。'''ピチピチギャル'''という言葉も1980年代前期に登場した言葉である。
[[画像:Kogal.jpg|thumb|right|コギャル]]
[[1990年代]]中期からの流行語<ref>西田善太(2009年)の18頁参照。</ref>。[[1993年]]頃から[[フライデー]]などの媒体に記述が見られ始めるが、本格的に使われ出したのは[[1996年]]頃からである。[[茶髪]]、ないし明るい[[メッシュ]]を入れた髪で[[制服]]に身を包み、[[ルーズソックス]]に[[ローファー]]を履く。[[プリント倶楽部|プリクラ]]を愛用する。


==== 1990年代 - ====
年齢層では[[1980年代]]前半生まれ([[ポスト団塊ジュニア]]世代の後半)の女性に相当する。1990年代末期には、既に高校を卒業したのに、制服を着て街にくりだす「'''なんちゃってコギャル'''」も存在した。当時はコギャルブームと言って良いほどの流行ぶりで、[[ワイドショー]]や[[週刊誌]]を初めとして、メディアでは女子中高生やコギャルの特集が連日連夜と行われ、「[[援助交際]]」などと絡めて、多様なコギャル像が構築されていた(''[[俗流若者論]]'' も参照)。しかし、[[2000年代]]に入ると、この「コギャル」という語はマスコミ媒体では殆ど聞かれなくなった。
[[1990年代]]に入っても、ギャルという言葉は使用され続けた。特に[[中尊寺ゆつこ]]が描いた[[漫画]]『スイートスポット』登場する'''オヤジギャル'''は[[流行語大賞]]を獲得するまでの知名度を得た。このオヤジギャルとは、主に当時の若いOLを風刺した題材でもあり、1980年代の末期より流行していた[[ジュリアナ族]]のように企業の就業時間の定時時刻である17時頃を迎えると挙って[[制服]]からボディコンに着替え、夜な夜な街に繰り出しては[[アバンギャルド]]な性質を見せる反面、どこか中高年男性(オヤジ)の様な性格を髣髴させる、云わば女性としてはどことなくルーズに見え、そして[[大和撫子]]的要素の欠損した女性を的確に描いていたものでもあった。この現象はギャルそのものファッションとはあまり関連はないものの、'''ギャル'''という印象を「見た目は最先端ながらも言動に秩序やマナーなどがどこか欠落している」といったもので植え付けたともいえ、後に流行するギャル、コギャルらは当時の比較対象としてオヤジギャルを引き合いに出されていた。


[[ファイル:Namie Amuro MAA.JPG|thumb|right|160px|1990年代のギャルのカリスマとなった[[安室奈美恵]]<br />(写真は[[2005年]])]]
語源については諸説ある<ref>西田善太(2009年)の18頁参照。</ref>が、本格的に使われ始めたのは[[ディスコ]]・クラブにおいてである。エントランスチェックの[[黒服]]が、本来は深夜入場が不可な女子高校生を成人女性と区別するための隠語として、「格好はギャルだけど、未だ本物のギャルに成りきれていない、格好だけのギャル」から、「カッコ(格好)・ギャル」と呼ぶようになり、その「カッコギャル」が縮まって「コギャル」となったものである{{要出典|date=2009年11月}}。後に、マスメディアが「コギャル」の「コ」を「子」ないし「小」であると誤認した結果、マスメディア主導で生まれた派生語が、「中学生のギャル」を指す'''マゴギャル'''(孫ギャル)であるが、上記の通り、これは「コギャル」という語に対する完全なミスリードから生じた、全くの誤った用法である。高校生ギャルを略してコギャルとしたとする説もあり<ref>ディスコなどにおいて「高校生ギャル」を略した隠語として「コーギャル(高ギャル)」という言葉で呼ばれていたという説もある。</ref>、実際に『[[クイズ!年の差なんて]]』([[フジテレビジョン|フジテレビ]])のヤング問題で「コギャルは何の略?」という問題が出題されたとき、「高校生ギャル」を正解としていたことがある。
===== コギャル =====
[[バブル崩壊]]後、それまで日本に専権していた[[DCブランド]]などを用いた高級なファッションが淘汰されるようになり、1990年代前期より[[ストリートファッション]]など「カジュアル」というキーワードをもったファッションが注目される。又、10代の女性の間では[[スーパーモンキーズ]]の[[安室奈美恵]]の登場により彼女の装いを特に影響された者が続出した。この現象もしくは安室に心酔した彼女らの事を[[アムラー]]と呼び、10代の女性の多くが彼女のファッションである70年代風のサーファーファッション、LAファッションなど回帰的なファッションが流行を示した。特に大きな変化が当時の日本人にはあまり馴染みがなかった[[茶髪]]に対する抵抗感がなくなった事が日本人女性の大きな変化と言える。このファッションの流れを汲むのが狭義でのギャルの原点であるというのが定説となってる。又、一般的に安室を「初代ギャルのカリスマ」とされた。


コギャルという言葉は上記のアムラーの発生とほぼ同時期の[[1990年代]]中期からの流行語<ref>西田善太(2009年)の18頁参照。</ref>、あるいは[[1993年]]頃から[[フライデー]]などの媒体に記述が見られる。但し、本格的にコギャルという言葉を使われ出したのは[[1996年]]頃からであり、特にファッションから若者の[[娯楽]]・[[風俗]]、あるいは[[経済効果]]まで既に1980年代までの女子大生・OLを中心とした女性の流行が女子高生・女子中学生を中心とした文化に変化していた事を認めざる終えないのを象徴していた。この当時のギャル・又はコギャルの年齢層は[[1980年代]]前半生まれ([[ポスト団塊ジュニア]]世代の後半)の女性に相当した。コギャルの語源についてはさまざまな諸説あるが<ref>西田善太(2009年)の18頁参照。</ref>、有力な説としては[[ディスコ]]・クラブにおいてエントランスチェックの[[黒服]]が、本来は深夜入場が不可な女子高校生を成人女性と区別するための隠語として「格好はギャルだけど、未だ本物のギャルに成りきれていない、格好だけのギャル」から、「カッコ(格好)・ギャル」と呼ぶようになり、その「カッコギャル」が縮まって「コギャル」となったものや、マスメディアが「コギャル」の「コ」を「子」ないし「小」であると誤認した結果であるとする説、あるいは「高校生ギャル」を略して「コーギャル(高ギャル)」からコギャルという言葉に派生した説もある<ref>『[[クイズ!年の差なんて]]』([[フジテレビジョン|フジテレビ]])のヤング問題で「コギャルは何の略?」という問題が出題されたとき、「高校生ギャル」を正解としていたことがある</ref>。いずれも検証は不可能ではあるが、10代の女性(特に女子高生)に対して使用された言葉であることには変わりはない。
=== ヤマンバ ===
[[Image:Yamanba_cropped.jpg|thumb|right|ヤマンバ]]
[[2000年代]]初期から中期まで流行<ref>西田善太(2009年)の19頁参照。</ref>。語源は[[山姥]](やまうば、転訛してやまんば)。日本の民話で紹介される山姥が総じて[[白髪]]で手入れをしていない長髪であったことから由来する。'''ガングロ'''の化粧に加えて髪の毛を脱色、または部分的な着色・脱色をしたメッシュを施し、乱れたように形作った髪形である。


[[ファイル:Kogal.jpg|thumb|left|200px|コギャルの一例。1990年代中期から後期にかけてのメイクやヘアスタイル。[[ガングロ]]と呼ばれる強い[[日焼け|タンニング]]を行っているのも特徴]]
=== マンバ ===
この他にマスメディア主導によって誕生した派生語に「中学生のギャル」を指す'''マゴギャル'''(孫ギャル)があった。
[[2003年]]から2010年現在まで継続しているギャルファッションの一つ。容姿はヤマンバが進化したもので顔の色は更に黒く、目の周りに白の[[アイライン (化粧)|アイライン]]を濃く幅広に引き、唇も白系のグロス等を塗る等といった化粧をしている。ファッションではパンツルックよりも極端に短いミニスカートを中心にコーディネートされており、それらは原色系や派手な柄ものといったものでまとめているのが特徴。[[バービー人形]]のようなマンバスタイルを'''バンバ'''と呼ぶ。マンバに相当するファッションの男性を'''センターGUY'''と呼んだ。


1990年代末期には、既に高校を卒業した身分でありながらも、当時のコギャルとなんら変わりない[[メッシュ]]を入れた髪で[[制服]]に身を包み、[[ルーズソックス]]に[[ローファー]]を履いて街にくりだすという「'''なんちゃってコギャル'''」という女性も存在した。当時はコギャルブームと言って良いほどの流行ぶりで、[[ワイドショー]]や[[週刊誌]]を初めとして、メディアでは女子中高生やコギャルの特集が連日連夜と書き立て報道された。但し、その影には若者の[[貞操概念]]や道徳観の欠落など様々な問題も同時に取り上げられ、特に「[[援助交際]]」に関しては[[児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律|児童買春・児童ポルノ禁止法]]が整備されていなかったり、あるいは[[青少年保護条例]]が現代ほど機能していない時代でもあって強く問題視された。その反面に先述のような黒い資金源があってこそ高校生や中学生の身分で非常に高価なファッションを装う事が出来る、あるいは目まぐるしく変化していく流行に順応に対応してゆく彼女らを絡めて、多様なコギャル像が構築されていた(''[[俗流若者論]]'' も参照)。
=== キグルミン ===
[[2004年]]限定で登場<ref>西田善太(2009年)の19頁参照。</ref>。[[ピカチュウ]]などの[[着ぐるみ]]を身にまといビニールのショッピングバッグを手に渋谷センター街を徘徊。


1990年代を賑わせたコギャルであるが、[[2000年代]]に入るとマスコミ媒体では殆ど聞かれなくなる。但し、アメリカなどの諸外国では ''"[[:en:Kogal|Kogal]]"'' として日本の若い女性を表す一般的な言葉として認識されている。但し、どちらかというと諸外国では Kogal は[[性的嗜好]]や[[フェティシズム]]の1つとして認識されている<ref>{{citenews | url = http://www.edstrong.blog-city.com/japan_sex_teenage_girls_and_consumerism.htm| title = Japan: Sex, Teenage Girls and Consumerism| publisher = ed strong| date = 2006-04-06| accessdate = 2011-02-23}}</ref>。
=== ビビンバ ===
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[[ファイル:Glam crop.jpg|thumb|left|200px|(左)初期のヤマンバ<br />(右)1990年代末期のギャル]]
===== ヤマンバ =====
1990年代後半から[[2000年代]]初期ごろまで流行した<ref>西田善太(2009年)の19頁参照。</ref>。語源は[[山姥]](やまうば、転訛してやまんば)。日本の民話で紹介される山姥が総じて[[白髪]]で手入れをしていない長髪であったことから由来する。それまでギャルやコギャルにも採用されていた'''ガングロ'''や化粧に加え、髪の毛の[[脱色]]が特に顕著であり、部分的な着色・脱色をしたメッシュを施し、乱れたように形作った髪形が特徴であった。又、ネガポジ反転をしたかのようなメイクが流行となり、自身のタンニングされた黒い肌と対照的に白い色の[[グロス]]や[[アイライン (化粧)|アイライン]]を施す事がヤマンバの間で大流行した。

又、この頃から「'''汚ギャル'''(おギャル)」と呼ばれる何日も[[風呂]]に入らず下着も替えないような、不潔にしているギャルを[[テレビ]]の[[バラエティ番組]]『[[学校へ行こう!]]』などで頻繁に取り上げられていた。特にヤマンバにあたるギャルにターゲットにされることが多かった。彼女らは化粧も上塗りを繰り返すためヤマンバや後述のマンバ以上に濃く、ショーツ([[パンティー]])の中に[[ナプキン (生理用)|ナプキン]]をあてがっておいてそれを取り替える事で必要最低限の衛生を保っていた。このような事がバラエティで紹介されていたのも、ギャルの[[社会風刺]]の1つであり特に当時のギャル・ヤマンバは[[家出]]をする事が日常的でこうした彼女らの行動パターンから「プチ家出」という流行語にも発展した。家出中は外泊を繰り返すがその間は渋谷や池袋などで[[野宿]]を行ったり、一人暮らしの男性の友達の部屋に上がっては「'''男女間の[[バーター|バーター取引]]'''」を条件に風呂や食事を提供させてもらうなどの行為もマスコミ等に取り上げられた問題となった。
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[[ファイル:Yamanba_cropped.jpg|thumb|right|160px|マンバの一例。ヤマンバで流行したヘアスタイルに新たに特徴的なメイクを施している。]]

==== 2000年代 - ====
===== マンバ =====
[[2003年]]から2010年現在まで継続しているギャルファッションの一つ。ヤマンバの進化系ファッションであり、ヤマンバにもあったガングロもさらに強くタンニングを行って'''ゴングロ'''、あるいは'''バチグロ'''と呼ばれる更に黒く焼けた肌を求めた。ヤマンバを継承している為、白い口紅やアイラインはそのまま使われるが、アイラインに関しては特に目の周りにも白の濃く幅広に引き、まるで[[フェイスペインティング]]に近い感覚で描きこむようにメイクがなされた。目自体は縁に[[マスカラ]]や黒いアイラインや[[ペンシル]]で色濃くラインを描かれた。口紅を、唇も白系のグロス等を塗る等といった化粧をしており、ヤマンバに比べると今までの常識では考えられないメイクとなった。ファッションではパンツルックよりも極端に短いミニスカートを中心にコーディネートされており、それらは原色系や派手な柄ものといったものでまとめているのが特徴。[[バービー人形]]のようなマンバスタイルを'''バンバ'''、[[セレブ]]系のファッションを取り入れたマンバを'''セレンバ'''と呼んだ。又、マンバに相当するファッションを装った男性を'''センターGUY'''と呼んだ。

===== ビビンバ =====
ギャルファッションのひとつで未成年者を中心にマンバでかつ[[B系]]の格好をしている。渋谷を中心に棲息し、一部では[[ギャルサー]]を作って活動している。
ギャルファッションのひとつで未成年者を中心にマンバでかつ[[B系]]の格好をしている。渋谷を中心に棲息し、一部では[[ギャルサー]]を作って活動している。
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[[ファイル:Ayumi Hamasaki 2007.jpg|thumb|right|160px|第2のギャルのカリスマと謳われる[[浜崎あゆみ]]<br />(写真は[[2007年]])]]
===== 白ギャル =====
この時代のギャルファッションにおける大きな変革の1つとして「白ギャル」が登場した事によって、より幅広いギャル系の派生や進化を生むようになる。それまでのギャルとは[[日焼けサロン]]に通って自身のタンニング具合を維持するなどしていた。これは前述までの流れでも分かるとおりギャルが本来は[[サーファーファッション]]やLAファッションを源流とした為であった。しかし、初代ギャルの[[カリスマ]]と謳われた安室奈美恵が[[出産]]を控えた[[産休]]でしばらく芸能界から離れる事となった為、その後に登場した[[浜崎あゆみ]]が[[2000年]]頃よりブレイクし始めてくると、その容姿や風貌から「'''第2のギャルのカリスマ'''」となった。又、時同じくして化粧業界でも[[美白]]ブームが起こっており、浜崎のような白い肌にブリーチによって金髪に近い色にした髪は年頃の近い女性に大きく支持された。一方、それまでの本流であった「黒ギャル」は様々な形で分派していった。上記のマンバの様に個性を貫いて少数派ながら残ったものもいたが、[[COCOLULU]]の様にギャルの原点に近いサーファーファッション('''[[#サーフ系|サーフ系]]''')として残ったもの、あるいは[[ヒップホップ]]や[[黒人]]に感化されていたものは'''[[B系|B-girl]]'''に流れた為に実質ガングロが禁じ手となった為に黒ギャルに分類されるギャルが激減した。その反面、2000年以降に登場するギャルは「白ギャル」と呼ばれる系派が次第に勢力を増してゆく事になる。尚、白ギャルはお姉系ファッションに比較的近い感覚を好む傾向があり、黒ギャルに比べると落ち着いた印象がある為に明確なテイストの違いを見た目に識別できる。

[[ファイル:Britneybirthday.jpg|thumb|left|200px|海外アーティストでは[[ブリトニー・スピアーズ]]もギャルの支持を集めた。目頭にハイライトを入れてより瞳を大きく見せる技術やアイラインの妙でタレ目に見せる'''タレメイク'''、さらに髪のトーン配色をする事で、より立体的な金髪を見せる等ギャルに対する貢献度は大きい]]

===== お姉ギャル(オネギャル) =====
[[S Cawaii!]]の創刊と共に特に高校を卒業したギャルをさして、[[2000年]]頃によく使われた。当時のギャル系とお姉系との間のファッションコンセプト自体に根本的な違いがあり、実際に1990年代末期当時に発売されていたお姉系の[[赤文字雑誌]]の中で最も発行部数を占めていたのは[[JJ]]の様なお姉系の中でも上品な部類に位置されるファッション雑誌であった。その為、ギャルからお姉系への移行を目的とした[[ニッチ]]的なジャンルとしてお姉ギャルが誕生した。お姉ギャルは全体的にシンプルにまとめるのが特徴的で、ファッションに原色を中心にまとめているギャルとは見た目が全く違っていた。但し、メイクに関してはギャルが好んだ「目力を強調したメイク」を踏襲しており、眉や目のラインを念入りに書き込んだ。又、お姉系への移行を兼ねていた為に肌の色は当時より登場していた「白ギャル」の系統であった。その後、しばらくはお姉ギャルという言葉を耳に出来たが、2004年頃から[[CanCam]]、[[ViVi]]などのお姉系雑誌にギャルが直接移行し始めた為、2006年頃よりお姉ギャルという言葉自体は耳にしなくなったが、S Cawaii!というギャルと他のファッション系統と繋ぐ意味の中間的な位置付けのファッション雑誌は残った。尚、当時のお姉ギャルとは2010年代での[[セレカジ]]に近い着こなし。

===== スポギャル =====
「スポーティなギャル」の略で登場した系統の一種。2000年頃に登場。[[ONE*WAY]]、[[Jassie]]、[[ラヴァーズハウス]]などのポップな印象の強いギャル系ブランドで活発な女性を強調したファッション。特に[[:en:Skechers|Skechers]]の厚底スニーカーを着用するのが定番となった。しかし、女子中学生やギャルに憧れる小学生など比較的若年者層からの支持が強かった反面、高校生以上からの評価はあまり芳しくなく、実際に数年後には女児のキッズ向けファッションとしてスポギャルのコンセプトを踏襲した為に、中高生の間からスポギャル支持層が激減してしまった。尚、ONE*WAYと同じ「ヤングファッション研究所」が展開するブランドの[[one spo]]もスポーティかつセクシーをコンセプトとしているが、当時のスポギャルとは全く性質もファッションも違うものである。
{{clear}}

===== アルバカ =====
2003年から2004年まで流行したギャルのファッション傾向の1つ。尚、アルバカとは[[中国語]]版の日本の若者用語辞典によると「全身をアルバローザで包んだ派手なギャルの事」とある<ref>{{citenews| url = http://www.kantsuu.com/Article/200407/20040725133700_6049.shtml| title = 日本年轻人用语| publisher = 贯通日本学习频道| date = 2004-07-25| accessdate = 2011-02-24}}</ref>。実際に語源はファッションブランドの[[ALBA ROSA]]の略である「'''アルバ'''」と、それを熱狂的に好むものという意味から「'''[[馬鹿]]'''」を加えて'''アルバカ'''と称した。ALBA ROSAは1980年代より続くリゾート系ブランドであり、1990年代のアムラー・コギャル世代でもカリスマ化されたブランドであった。したがって、当時の他のギャルブランドと比較して価格帯が高く、いわゆる高嶺の花状態になっていた。2003年に大判の[[ツートンカラー]]のブロックチェックに同ブランドのロゴである[[ハイビスカス]]を描いた通称「大柄ハイビ」が大流行し、これを機に全身をALBA ROSAで包み込むアルバカというファッションが流行した。アルバカの傾向は白ギャル、黒ギャルを問わない流行となり一時期は一世を風靡していたが、2004年頃より'''センターGUY'''と呼ばれるマンバファッションをした男性が登場。そして彼らもALBA ROSAを好んで着用した<ref>当然ながら、当時のALBA ROSAはレディスのみでメンズの取り扱いはなかった為、事実上の[[女装]]である。</ref>。この事からALBA ROSAというブランドが崩れ、あるいは当時より流行を見せていた[[インターネットオークション]]で前述の大柄ハイビだけが中古で出回って流通する事態にまで発展してしまい、最終的にはALBA ROSAが一時休業するまでの事態になった。

===== キグルミン =====
[[2004年]]限定で登場<ref>西田善太(2009年)の19頁参照。</ref>。但し、地域によっては2005年以降も見られた。キグルミンは主に黒ギャルに多く見られ、[[ピカチュウ]]、[[ケロロ軍曹]]などの[[着ぐるみ]]を身にまとって市街地などの賑やかな場所を徘徊していた。語源は「'''着ぐるみ + 民'''」である。

===== ロマンバ =====
[[2005年]]頃より少数派ながら現れたマンバの派生。後に'''姫ロリ'''と呼ばれるファッションの原点である'''ロマ系'''とマンバを融合させたもの。尚、ロマ系は2003年頃より誕生した言葉である。
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[[ファイル:Kumi Koda Con 2005.jpg|thumb|right|160px|第3のギャルのカリスマと謳われる[[倖田來未]]<br />(写真は[[2005年]])]]
===== サーフ系 =====
女性のサーファーファッション自体は以前より存在していたが、2005年頃より再流行しはじめる。特徴としてはこの時期になると自身のファッションに対して「ギャル」と位置付けずに'''サーフ系'''と明確な位置付けを行っているのが特徴となった。尚、1990年代末期から2000年代初期にかけて男性の間で流行った「サーファー系」とは全く別物のジャンルのファッションである。特にブランドでは[[COCOLULU]]が流行し、ミニスカートやジーンズのヒップに同ブランドのロゴがプリントされた「'''ケツルル'''」が一世を風靡した。2005年当時のサーフ系は特に[[デニム|デニム素材]]を良く用いたファッションが流行し、先述のミニスカートもデニムであった。又、ボトムは[[バギーパンツ|バギー]]を[[ヒップハング]]するような着こなしが流行していたのもあって、[[Aライン]]を意識した[[シルエット]]を構築していた。現在でもギャルの中には自身のファッションをサーフ系と明確な位置付けをするものがいる。

===== サイケギャル(ヒッピーギャル) =====
[[SLY (ファッションブランド)|SLY]]や[[moussy]]など[[バロックジャパンリミテッド]]が展開する一部のブランドで[[サイケデリック]]をコンセプトとしたギャルが登場した<ref>{{citenews | url = http://galinternational.webs.com/fashionblog.htm?blogentryid=2799518| title = サイケギャル・ヒッピイギャル - Psy Gal / Hippie Gal | publisher = Gal International| date = 2008-01-16| accessdate = 2011-02-24}}</ref>。民族的なファッションをモチーフとしたギャルで、当時の男性にも一部流行していた[[デリッカー]]と共通する部分も多い。[[サイケデリックトランス]]などの音楽を好み、[[レイブ (音楽)|レイヴ]]等の音楽[[パーティー]]によく出席する。


===== age嬢(あげじょう) =====
[[ファッション雑誌]]『[[小悪魔ageha]]』が創刊した[[2006年]]から現在まで継続するギャルファッションのひとつ<ref>西田善太(2009年)の19頁参照。</ref>。但し、'''age嬢'''という言葉自体はファッションのジャンルではなく、後述のようなメイクや[[ヘアスタイル]]に特化したギャルに対する称号的な呼称と言える。小悪魔agehaは[[キャバクラ]]や[[クラブ (接待飲食店)|クラブ]]など夜の仕事に従事する[[ホステス|キャバ嬢]](ギャル)をそのままモデルとして起用するという業界初の試みを行なった雑誌であり、誌面に登場する一般モデルを「[[age嬢]]」と呼んだことが語源となっている。尚、同誌が創刊される以前、ファッション雑誌『[[Happie nuts|nuts]]』の増刊[[ムック本]]としていた頃、前述のようなキャバ嬢を「'''小悪魔系'''」と呼ばれていた。ギャルファッションの多くは一般的な企業からの理解を得るのが難しいと言われており、自身のファッションスタイルを貫き通しながら社会人として活動する為には、そのファッション系統の[[アパレル]]販売員になるか、キャバクラなど[[風俗営業]]を行う店舗に従事するかの狭い選択肢しかなかった。したがって、ギャルファッションをする多くが社会人となった後にキャバ嬢として就業し、又、109系アパレルショップの顧客の多くにこうした職業の女性が多く、あるいはアパレルとキャバクラで表裏の関係があることが暗黙視されていた。この見方はギャルに憧れる女子高生、女子中学生、あるいは小学生などにまでキャバ嬢に対する支持を得ており<ref name="agejyo"/>、実際に小悪魔agehaが創刊される以前より「夜の仕事に従事する人のメイクやファッション」が一定の注目をされていた。

[[ファイル:Japanese summer KIMONO2.jpg|thumb|right|200px|[[浴衣]]を着た[[すすきの]]の女性。[[age嬢]]を意識した[[盛り髪]]をしているのが特徴<br />(写真は[[2010年]])]]
小悪魔agehaが創刊されると、雑誌に掲載されたage嬢のセルフメイクや私服が女子高生以下の若い年齢層の女性を中心に好評を博した<ref name="agejyo">{{citenews | url = http://www.j-cast.com/2008/05/21020404.html?p=all| title = 「キャバ嬢」は女性「憧れの職業」 ブログやテレビでアイドル扱い | publisher = J-Cast News| date = 2008-05-21| accessdate = 2011-02-24}}</ref>。ヘアスタイルに関しては基本が[[盛り髪]]、[[巻き髪]]となり、メイクは目力を強調したものであるが、それまでのギャルと根本的な違いはそのメイク技術が非常に洗練されている点であり、又、服飾よりもメイクとヘアスタイルに特化した「美」そのものを追求した構成であったことが特に若い女性の間で評価された。又、それまでギャルが行うメイクに対して懐疑的、あるいは嫌煙していた層もage嬢のメイクを取り入れることによって、他のファッションジャンルへ変化を与えた要素も少なからずあった。その他にage嬢がメディアに注目された事によって小学生が将来なりたい職業の1位にキャバクラ嬢がランクインされるなど世論の変化も見られ、さらには今までは小学生の女児はほとんど化粧をしないものであったが、age嬢の影響によって非常に濃い化粧をする女児が登場するようになるなど広い分野で美意識に対して変化が見られるようにもなった。[[着物]]、[[浴衣]]などの[[和服]]に関しても従来のギャルよりage嬢の方がより着用をするようになったともいわれる。

[[ファイル:Shibuya Gal (2).jpg|thumb|left|200px|姫ロリの一種。お姫様をイメージとした金髪の巻き髪、オフショルダーで甘めのトップスは緩く衣紋が表現される為、ゴージャスなテイストが特徴<br />(写真は2010年頃)]]

===== 姫ロリ =====
[[2007年]] - 現在まで流行<ref>西田善太(2009年)の19頁参照。</ref>。過去に'''ロマンティック系'''(「'''ロマ'''」とも)と呼ばれていたファッションが派生したもの。'''姫ギャル'''とも呼ばれる。現在は元[[ジーザスディアマンテ]]の社員であり、小悪魔agehaの登場モデルである[[三添桂子]]の兼ね合いでage嬢の一種と認識されている。他のギャルブランドのようにボディラインの強調や露出によるセクシーさを追求したものではないが、リボンやレースをあしらい、フリルやファー、刺繍、シースルー素材などふわふわした着用感はまるで[[ロリータ・ファッション|ロリータ]]そのものを連想させる。しかし、メイクやヘアスタイルがロリータと大きく異なり、特にヘアスタイルはage嬢よりも巻きが多く、比喩するならば[[お伽話]]に登場する[[姫|お姫様]]をギャル化させたような容姿となる。したがって、先述のage嬢の一種と認識されている通りに特有の強いメイクが特徴であり、[[つけまつげ]]を使用して垂れ目や、大きな瞳をとことん強調する為、まさしくギャルの系統のファッションである事が分かる。その為、姫ロリは[[ロリータ・ファッション|ロリータ]]愛好者の中ではロリータファッションと認識されない傾向が強い。ロリータ愛好者の中での姫ロリとは[[:en:Baby, The Stars Shine Bright|Baby, The Stars Shine Bright]]のような[[ブランド]]を指すが、ギャル系としての姫ロリとは先述の三添桂子が以前店長を務めていた「ジーザスディアマンテ」や「[[リズリサ|LIZ LISA]]」、そのセカンドラインである「TRALALA」などを指す為、あるいはロリータファッションをギャルと同義に扱われる事を忌避している、又はそのブランドの店員と顧客のファッションの温度差(店員は姫ロリなのに、客は似て非なる'''姫系'''である等)が大きいとも言われ、それらを合わせて批判の対象となる場合が多い。
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==== 2010年代 - ====
2000年代のような劇的な変化や、奇抜な新しいギャルの系統の誕生はまだ見られないが、新しいギャルのカリスマとして[[西野カナ]]が新しいポストとして支持されつつある。

== 海外での評価 ==
海外から見たギャルに対する評価は賛否両論である。
[[ファイル:Ganguro3.jpg|thumb|right|160px|マンバメイクの[[ガングロ]][[#コギャル|コギャル]]達に、[[ホスト]]になった[[ギャル男]]が[[キャッチセールス|キャッチ]]を行う様子<br />(2000年初頭ごろ)]]
* 日本へ来日した留学生の内、ファッション先進国の1つであるフランス人を中心とした意見を抽出すると女性に対しては『限りなく露出し、[[ハイヒール]]を履いている様が[[売春婦|コールガール]]を連想する為、男性としては見た目には嬉しいが、どこに目をやっていいか分からない。』と言われている。又、いわゆる「ギャル男」にあたるファッションをする男性に対しても『なぜ極端にやせ細っていて、しかも自身の貧弱さを強調するかのようにボディラインの薄っぺらい服を着るのか?』と評価がなされている<ref>{{citenews| url = http://www.sylvaniafamily.com/madameriri/2010/03/25/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E4%BA%BA%E3%81%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E6%9D%A5%E3%81%A6%E9%A9%9A%E3%81%8F%EF%BC%91%EF%BC%94%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8/| title = フランス人が日本に来て驚く14のこと| publisher = MadameRiri| date = 2010-03-25| accessdate = 2011-02-23}}</ref>。

* 外国人からみて日本の若者文化の中で狂っている(理解できない)と判断されるものが6つ発表された。内訳は'''[[デコトラ]]'''、'''ギャル'''、'''[[ロリータ・ファッション]]'''、'''[[ホスト]]'''、'''[[ヤンキー]]'''、'''[[ヴィジュアル系]]'''でギャルはロリータ・ファッションよりも狂った文化と評価された。外国人から見たギャルではギャルという1つのジャンルの中に複数のサブグループ(つまりは「ヤマンバ」や「ガングロ」など)があると認識しており、この派生で登場するギャルのサブグループが去年のものよりもさらに奇妙なサブグループが登場するとしている。日本人のギャルへの印象や認識に関しては『ある日、普通の女子高生が足を踏み外し、自分の髪の色を[[金髪]]にし、自分の学校の制服を信じられないほど短い[[ミニスカート]]と信じられないほど垂れ下がった[[靴下]]([[ルーズソックス]])を用いてセクシャライズに着こなし、顔を日焼けさせて自分の顔よりさらに濃い色の[[ファンデーション (化粧品)|ファンデーション]]でメイクをして、唇の色と同じ白いペイントで目にステッカーを描いている。』と、いわゆる[[学生服|制服]]の[[着崩し]]やメイクのあり方など様々なギャルというファッションに対して酷評をしている。又、マンバに関しては『[[パンダ]]の売春婦のように見える。』と評価。ヤマンバに関しては『自分の事を日本語で「山のババア」と称する女性。』と散々に書き下ろした。但し、ロリータやヤンキー、そしてお兄系にも関連するホスト、ヴィジュアル系など他のファッションにも風評をしている為、日本の若者文化の中でギャルだけが外国人に理解されていないとは限らない<ref>{{citenews| url = http://moneyzine.jp/article/detail/185843| title = 外国人が「狂っている」と驚愕した日本6つの若者文化| publisher = MONEYzine| date = 2010-06-13| accessdate = 2011-02-23}}</ref><ref>{{citenews| url = http://www.cracked.com/article_18567_6-japanese-subcultures-that-are-insane-even-japan.html| title = 6 Japanese Subcultures That Are Insane (Even for Japan)| publisher = Cracked.com| date = 2010-06-07| accessdate = 2011-02-23}}</ref>。


* 逆に評価する向きとしては[[2009年]]9月29日放送の[[フジテレビジョン|フジテレビ]]「[[めざましテレビ]]」の特集「渋谷に外国人ギャル流行」や、[[2010年]]3月20日放送の[[NHK総合テレビジョン]]「[[東京カワイイ★TV]]」の特集「続々上陸!外国人ギャル軍団」などで、日本のギャル系ファッションがインターネットなどを通じて外国の若者たちから人気を集め、各国から実際に来日して渋谷でショッピングを楽しんでいる様子などが紹介された。身体的な特徴が似ているアジア系外国人ではなく、ヨーロッパ系外国人に流行していることが大きな特徴である。
=== 汚ギャル(おギャル) ===
何日も[[風呂]]に入らず下着も替えないような、不潔にしているギャルのこと。化粧も上塗りを繰り返すためマンバ以上に濃い。ショーツ([[パンティー]])の中に[[ナプキン (生理用)|ナプキン]]をあてがっておいて、それを取り替える。家にあまり帰らず外泊を繰り返すことが多い。テレビの[[バラエティ番組]]『[[学校へ行こう!]]』において頻繁に取り上げられていた。


* 又、2010年1月14日放送のフジテレビ「めざましテレビ」の特集「英国ギャル渋谷道中」では、イギリスから初来日した一般人のギャルとギャル男の2名を、egg専属モデルの[[高橋由真 (1988年生)|高橋由真]](ゆまち)と[[田中愛奈]]が出迎えて渋谷を案内し、[[サンケイスポーツ]]も取材している。尚、このイギリス人2名はイギリス国内でも有名であり特に日本の「マンバ」ファッションの熱狂的な崇拝者であり、母国イギリスの国営テレビ放送局[[英国放送協会|BBC]]のインタビューでもマンバファッション特有のメイクやスタイルなどの魅力を伝えている<ref>{{citenews | url = http://www.sanspo.com/geino/news/100114/gnj1001141728014-n1.htm | title = British followers of Japanese fashion|publisher = [[英国放送協会|BBC]] | date = 2009-07-03 | accessdate = 2011-02-14}} </ref>。
=== オネギャル ===
高校を卒業したギャルをさして、[[2000年]]頃によく使われた語だが、その後は単に「ギャル」または「'''[[お姉系]]'''」に移行した。全体的にシンプルにまとめるのが特徴的で、原色を中心にまとめているギャルとは見た目が全く違う。


== その他のギャルの傾向 ==
=== age嬢(あげじょう) ===
=== パギャル ===
[[ファイル:Gthumb.svg|thumb|right|age嬢、姫ロリ]]
「中途半端なギャル」の略で用いられる言葉。この意味はかなり広義で使用される傾向が強く、ファッションが成長過程であることから用いられる場合もあれば、あるいは所謂「'''ダサい'''」からパギャルと呼ばれる場合もある。又、外見だけでなくギャルの精神をあまり受け継いでいない女性に対してもパギャルと呼ばれる場合もある。パギャルを決める尺度はかなり個人での開きがあり、一般的には自分が気に食わないギャルに対する否定的な呼称、あるいは侮辱する場合に用いられる。
[[ファッション雑誌]]『[[小悪魔ageha]]』が創刊した[[2006年]]から2010年現在まで継続するギャルファッションのひとつ<ref>西田善太(2009年)の19頁参照。</ref>。ヘアスタイルは[[盛り髪]]、[[巻き髪]]が基本。『小悪魔ageha』は[[キャバクラ]]や[[クラブ (接待飲食店)|クラブ]]など夜の仕事をするギャルをそのままモデルとして起用するという業界初の試みを行なった雑誌で、誌面に登場するモデルを「[[age嬢]]」と呼んだ。age嬢のセルフメイクや私服がティーンズを中心に人気を呼び、ひとつの系統として定着した。


=== 姫ロリ ===
=== ヤンギャル ===
[[ヤンキー (不良少年)|ヤンキー]]からギャルに変移する事、あるいはギャルへ発展する過程段階の事を指す言葉。先述の'''パギャル'''と違うのは「ヤンキーからギャル」という明確な意味を持っている点である。容姿や外見に対してヤンギャルという言葉が用いられる場合は、そのファッションがどこかしらヤンキーファッションを彷彿とさせる要素がある場合であり、あるいは前述のパギャルと同様に「'''ダサい'''」という事で侮辱する意味合いで呼称される場合もあった。元々、ギャルファッションが流行する過程にはヤンキー系女性がギャル系に変移した者が多かった事が起因しており、特に1990年代に同様の流れでギャルになった女性の事を「'''脱ヤン'''」とも呼ばれた。ヤンキーファッションも社会的アンチテーゼが強かった為、金髪や濃いメイクなど共通する点が多く、その為ヤンキーからギャルへ変移しやすかった事もこの言葉が誕生する切っ掛けとなった。
[[2007年]]~2010年現在まで流行<ref>西田善太(2009年)の19頁参照。</ref>。上記の'''age嬢'''から分化して派生したスタイルでage嬢の一種。リボンやレースをあしらった[[ロリータ・ファッション|ロリータ]]を似せたスタイル。アゲ嬢より巻きが多めのヘアスタイルでお伽話のお姫様をギャル化したような外見。メイクは化粧や、つけまつげで、垂れ目、または大きな目をとことん強調する。しかし、この姫ロリは[[ロリータ・ファッション|ロリータ]]愛好者の中では批判の対象となる場合が多い。


2004年頃から登場した「[[スウェット族#女子のスウェット族|女性のスウェット族]]」に対してもヤンギャルと呼ばれる傾向があった。[[スウェット族]]の女性が増えた原因の1つに[[#キグルミン|キグルミン]]の流行と衰退があり、若い女性が着ぐるみを着用して街を徘徊していた層がほぼそのままスウェット族に移った。又、キグルミンの着ぐるみも、女性のスウェット族が好んだ[[スウェット|スウェット衣料]]も共通して[[ドン・キホーテ (企業)|ドン・キホーテ]]でよく販売されていた人気商品であったのも増加の原因になったともいえる。その為、スウェット族の多くがメイクやヘアスタイルはギャル系のそれでありながらも、衣類は無地同色のスウェット素材の衣料上下([[セットアップ (ファッション)|セットアップ]])に[[ハローキティ#キティ・サンダル|キティサン]]という格好で外出するのが定番となった。こられを踏まえて、顔はギャルでありながらもファッションはヤンキーそのものであると評価された結果、あるいはその格好で深夜に駐車場などに座り込んで数人で談笑するギャルの習慣も相まって女性のスウェット族も同様にヤンギャルと呼ばれた。
=== 黒ギャル・白ギャル ===
日焼けサロンなどを利用して濃い肌色を維持しているのが「黒ギャル」、紫外線予防(UV化粧品)などに気を遣って薄い肌色を維持しているのが「白ギャル」である。当初、濃い色を好んでいたコギャルやヤマンバも、[[2000年]]頃から薄い肌色を好むお姉系ギャルやage嬢などに分派していき、相対的に肌色で区分して総称するようになった。黒ギャルは主に[[サーファーファッション|サーフ系]]ファッションで露出の多い開放的なファッションを好む傾向があり、白ギャルは主に落ち着いたお姉系ファッションを好む傾向がある。


その他の用途に、ヤンキーとギャルを大別せずに1つのジャンルに括った呼称として「ヤンギャル」と呼ばれる傾向もある。
=== 外国人ギャル ===
[[2009年]]9月29日放送の[[フジテレビジョン|フジテレビ]]「[[めざましテレビ]]」の特集「渋谷に外国人ギャル流行」や、[[2010年]]3月20日放送の[[NHK総合テレビジョン]]「[[東京カワイイ★TV]]」の特集「続々上陸!外国人ギャル軍団」などで、日本のギャル系ファッションがインターネットなどを通じて外国の若者たちから人気を集め、各国から実際に来日して渋谷でショッピングを楽しんでいる様子などが紹介された。身体的な特徴が似ているアジア系外国人ではなく、ヨーロッパ系外国人に流行していることが大きな特徴である。


[[ファイル:Gal Mikoshi 2010-2.jpg|thumb|right|200px|[[天神祭#ギャルみこし|ギャルみこし]]の様子<br />(写真は2010年7月23日)]]
なお、2010年1月14日放送のフジテレビ「めざましテレビ」の特集「英国ギャル渋谷道中」では、イギリスから初来日した一般人のギャルとギャル男の2名を、[[egg]]専属モデルのギャルユニット「ゆまち&愛奈」の2名が出迎えて渋谷を案内した。この様子は[[サンケイスポーツ]]も取材しており、同社のウェブサイトで記事と写真を見ることができる<ref>[http://www.sanspo.com/geino/news/100114/gnj1001141728014-n1.htm SNSPO.COM 芸能「ゆまち&愛奈、外国人ギャルと渋谷ギャルツアー」] [[サンケイスポーツ]]、2010年1月14日付。 </ref>。
=== ギャルみこし ===
[[大阪天満宮]]で開催される[[天神祭]]でにて毎年7月23日に行われている行事。1981年から続いており、地域文化の発展・振興と地域の活性化の一貫として天神橋筋商店街の四町会、四番街、天四北商店街、天五商店街、天六商店街の各商店街団体が中心となって企画された。このギャルみこしは毎年担ぎ手を[[オーディション]]にて募集する。オーディションでは参加者それぞれの得意とするかくし芸を面接審査で行って人選し、その中から優秀者は「ミス天神橋」(1名)「準ミス天神橋」(2名)として表彰される。尚、これら優秀者には副賞として海外旅行が贈呈される。2005年までの参加資格は満16歳~28歳の女性に限られていたが、2006年以降は年齢制限が撤廃された。また、ギャルみこしの担ぎ手に選ばれたメンバーはこの他に大阪市の各種公共イベント等に出席したり、海外姉妹都市等への招待を受けて演技することもある。2005年は第25回記念大会として、将来を担う子供たちと過去にギャルみこしを経験した母親との親子が参加する企画も行われた<ref>{{citenews | url = http://www.galmikoshi.com/| title = 天神祭ギャルみこし| publisher = 天神祭ギャルみこし 公式サイト| date = | accessdate = 2011-02-24}}</ref>。


=== ギャルママ ===
=== ギャルママ ===
母親になったギャルのことで[[日本ギャルママ協会]]に所属している人もいる。
子を出産し、育児を行う母親になったギャルのことをギャルママと呼ぶ。近年は2010年に発足した[[日本ギャルママ協会]]に所属している人もいる。

=== ノギャルプロジェクト ===
ギャルから[[実業家]]となった[[藤田志穂]]が2009年より行っているプロジェクト。都心から地方に向けて[[農業]]を行う人材を育成しようと「ノギャル」というプロジェクトを発案し、藤田は一旦代表取締役を辞任してこのプロジェクトに動いた。語源は「'''農''' + '''ギャル'''」である。この都心から地方に向けて農業や[[林業]]などに派遣を行うビジネスモデルは次第に定着しつつあり、実際に藤田の行いはギャルを含めた若者の農業に対する認識・関心が僅かずつではあるが高まりつつある<ref>{{citenews | url = http://akita.keizai.biz/headline/633/| title = 「ノギャル」藤田志穂さん、農業体験希望者募集-今月「シブヤ米」田植え| publisher = [[秋田経済新聞]]| date = 2009-05-15| accessdate = 2011-02-24}}</ref>。


== ピンポイント・ファッション ==
== ピンポイント・ファッション ==
=== ギャルファッションにおける時代毎の変移と流行 ===
;ルーズソックス

:{{main|ルーズソックス}}
{| class="wikitable" style=" font-size:100%"
;ニーソックス
|+ '''時代別ギャルファッションのキーワード及びマストアイテム'''
:{{main|ニーソックス}}
|-
;[[厚底靴]]
! style="width:5.0em"|時代 !! style="width:11.0em"|名称 !! style="width:7.0em"|分類 !! 説明
:靴底が15cm前後の厚い靴で、[[ハイヒール]]のように踵の一部ではなく、靴全体が高くなっている。
|-
:近年は冬は[[ブーツ]]、夏は[[サンダル]]や[[ミュール]]を履く傾向が強まっている。
! rowspan="15"| 1990年代
;パラオドレス
| ALBA ROSA
:[[パラオ]]で女性が着るドレスが流行したもの。1枚布を結ぶだけの簡素なもので、夏に着用する。
| [[ブランド]]
;ガングロ
| 1990年代にギャル系が登場した際にカリスマブランドとして認識された。
:[[画像:Ganguro3.jpg|thumb|right|ガングロコギャルとギャル男]]
|-
:{{main|ガングロ}}
| [[アムラー]]
:[[日焼けサロン]]などで黒く焼いた顔、若しくは黒系の[[ファンデーション]]の上に厚塗りの化粧を施したギャルファッションの一つ。「ガンガン黒い」の略称が語源とされている(顔黒から来ているという説もある)。「ゴングロ」とも呼ばれている。なお、皮膚下の[[メラニン]]色素が多い'''地黒'''(じぐろ)の人間は該当しない。頭髪は茶髪や金髪等に染色しているスタイルが多いが、部分的な色違いの毛染めである[[メッシュ]]を施したスタイルもある。[[渋谷センター街]]を発祥とし、[[1999年]]に隆盛を極め、[[2000年]]に到来した、白い肌が尊重される美白ブームによって終焉を迎えたとされる。ただし、このスタイルの流行は地域差があり、例えば[[関西地方]]においては、隆盛を極めた時期でさえも、街中でこのようなスタイルの少女を見かけることは稀であった。
| [[流行]]
| [[安室奈美恵]]のファッションスタイルを崇拝する女性の事。ギャル系の発展と'''コギャル'''の登場に大きく影響。
|-
| [[ルーズソックス]]
| [[アイテム]]
| 履いてる状態がゆるい印象を与える靴下で、主に[[ブレザー]]や[[セーラー服]]を着用の上で、[[ローファー]]と組み合わせて履かれる。コギャルから制服の'''着くずし'''という文化が変化してゆき、それまでの[[学生服|制服]]の着こなし方が大きく変化させた現在でも定番的なアイテム。<br />{{main|ルーズソックス}}
|-
| [[ロングブーツ]]
| アイテム
| コギャル初期のアイテム。特に黒のスエード風のロングブーツが流行した。ブーツの流行はバブル期以前では短命に終わっていたが、コギャルへブーツが流行したことによって2007年に[[ブーティー]]などのショートブーツ化したファッションが発生するまで10年以上も定番となった。
|-
| パレオドレス
| アイテム
| [[パレオ]]で女性が着るドレスが流行したもの。1枚布を結ぶだけの簡素なもので、夏に着用していた。
|-
| [[ビキニ]]
| アイテム
| バブル期からしばらくは水着の流行は[[ハイレグ]]であったが、ギャル系ファッションがビキニを支持していた。その後、他のファッションも海でのファッションにはビキニを着用する人が多くなった。
|-
| LOVE BOAT
| ブランド
| 1996年に創業したギャルブランドで、創業当時のこの時代は特に人気が高かった。移り変わりの激しいギャル系の流行にも定番的な地位を確立し、後にLDS(Love Drug Store<ref>初期の頃はLove Boat Drug Storeが正式な屋号であり、事実上LOVE BOATのセカンドラインであった。</ref>)LB-03、LOVE GIRL MARKETなど展開している。
|-
| [[セシルマクビー|CECIL McBEE]]
| ブランド
| 同じく1996年に創業したギャルブランドで、同じく移り変わりの激しいギャル系の流行にも常勝的な地位を確立しているブランド。現在では新ブランド「Fabulous CECIL McBEE」も展開。同ブランドの代表取締役である[[木村達央]]は1996年という年を「渋谷にセクシーカジュアルの突風が吹いた」と評しており、実際にこの年に創業したブランドも多く、さらにはギャル系ファッションがより進展し始めた時期も1996年と重なる<ref>{{citenews | url = http://www.shibuyabunka.com/keyperson2.php?id=77| title = 転機は「渋谷にセクシーカジュアルの突風が吹いた」96年渋谷の魅力は情報力。ますます若い人に魅力ある街に| publisher = 渋谷文化プロジェクト | work = 木村達央| date = 2009| accessdate = 2011-02-26|}}</ref>。
|-
| [[アイプチ]]
| アイテム
| [[二重まぶた]]にする為の[[糊]]の一種で、特にギャルメイクを行う上で「目力(めぢから)を強める」というのは一つのキーワードとなっていた。アイプチをする事によって二重まぶたにする事が出来るが、その反面にギャルが好むメイクを行うには相応の技術が必要となりギャルによってアイプチが流行したものの、中にはメイクが難しくなるという理由でアイプチを使用する事を嫌煙する者もいた。
|-
| [[日焼けサロン]]
| その他
| rowspan="2"|[[ガングロ]]になる為には[[日焼けサロン]]は必要不可欠であった。若しくは黒系の[[ファンデーション (化粧品)|ファンデーション]]を[[日焼け|タンニング]]した肌の上から厚塗りしていた。尚、ガングロの略称には諸説があり、「ガンガン黒い」の略称、あるいは「顔黒」から来ているという説もある。ガングロよりも焼いた肌を'''ゴングロ'''、さらに焼いた肌を'''バチグロ'''と呼んだ。ただし、このスタイルの流行は地域差があり、例えば[[関西地方]]においては、隆盛を極めた時期でさえも、街中でこのようなスタイルの少女を見かけることは稀であった。<br />{{main|ガングロ}}
|-
| 黒系の[[ファンデーション (化粧品)|ファンデーション]]
| アイテム
|-
| [[厚底靴|厚底ブーツ]]<br />厚底サンダル
| アイテム
| [[ソール]]全体を厚くしたブーツとサンダル。1990年代末期に流行。厚底サンダルは[[1999年]]S/Sで流行したが、厚底ブーツは[[1998年]] - 1999年A/Wと、[[1999年]] - [[2000年]]A/Wで流行した。ブーツに関しては前期と後期で種類が違い、初期は[[スエード]]調レザー用いたベージュかクリーム色のようなブーツが流行した。後期は前期のスエード調以外にレザー調の光沢感のある黒や茶色のブーツが流行った。特に後期は前期のものよりもスタイリッシュな造りが多く、[[編み上げブーツ]]が特に流行した。
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| アニマル柄
| [[色彩]]
| 1998年頃より流行。特に[[ヒョウ|ヒョウ柄]]、[[シマウマ|ゼブラ柄]]が人気を博し、特に'''ヒョウ柄'''はギャル系の代名詞的な色彩となった。当時、ギャルファッションのキーワードとして[[ワイルド]]なイメージを前面に押す、あるいは南国イメージが強いパッションな表現も多かった。この年のアニマル柄の大流行はギャルだけでなく他のファッションにも大きな影響を及ぼした。翌年以降より一旦はアニマル柄の流行は沈静化したが、ギャル系には散発的なヒットを繰り返すようになった。2005 - 2006年A/Wには再度ファッションと問わずにヒョウ柄が大流行している。
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| [[メッシュ]]
| [[ヘアスタイル]]
| ガングロからヤマンバが登場する過程で登場した、部分的な色違いの毛染めを施したスタイル。それまでは頭髪は[[茶髪]]や[[金髪]]などに染色しているスタイルが多かったが、[[渋谷センター街]]を発祥として[[1999年]]頃に隆盛を極めた。
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| [[パラパラ]]
| [[音楽]]
| 1990年代はパラパラは複数回流行したが、ギャルの間でパラパラが大きく流行したのは1990年代末期であった。特に当時はサークルを作って[[深夜徘徊]]を行っているギャル達が公園や路上などの公衆の面前でもパラパラの振り付けを行って楽しんでいる様子が伺えた。
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! rowspan="20"| 2000年代
| [[美白|美白ブーム]]
| その他
| [[2000年]]頃より流行した肌の美意識傾向の一つ。1999年頃より放映され始めた[[ポンズ (トイレタリー)|ポンズ・ダブルホワイト]]のCMによって翌年より白い肌が尊重される美白ブームに取って代わった。これによりギャルの傾向が「'''[[#白ギャル|白ギャル]]'''」や「'''[[#お姉ギャル|お姉ギャル]]'''」という新しいタイプのギャルが登場した反面、従来の黒い肌を基調としたガングロが激減し、その影響で[[#マンバ|マンバ系]]のギャルも減少傾向となった。
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| ミニ浴衣
| アイテム
| ギャルブランドの多くが夏になると浴衣を[[販売]]しており、これによりギャルの間で夏に浴衣を着る事が定着したが、2000年頃に「ミニ浴衣」というものが登場した。ミニ浴衣は通常の浴衣と比べて身頃が極端に短くなっており、ちょうどミニスカートくらいの丈となっている。ギャル浴衣以外に[[甚平]]も良く好んで着る切っ掛けになったとも言われる。
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| [[アユラー]]
| 流行
| 安室奈美恵の信者を「アムラー」と称した事から、[[浜崎あゆみ]]の熱狂的な信者を「アユラー」と称された。ギャル傾向の白ギャル化が際立って目立つ中、浜崎は多くの支持者に偶像化されていった。
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| [[ミュール|ミュールサンダル]]
| アイテム
| それまでは「ヘップバーンサンダル」と呼ばれていたものであったが、本格的に流行り始めたのは2000年代初頭からであった。当初流行ったものは非常にヒールが低いミュールが流行り、当時はヒールが低いサンダルの事をミュールと誤解する人も多かった。
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| [[メイベリン]]
| ブランド
| 日本でも知られる[[マスカラ]]ブランドの一つ。1996年に[[ロレアル]]グループの傘下となった為に1999年頃より日本でのブランド展開を一新。2000年代よりCMが盛んになるとギャルもそのブランドの認知度が大きく向上した。これを危惧した[[コーセー]]はブランド「ヴィセ」のイメージキャラクターに浜崎あゆみを起用するなどして、マスカラ市場のギャルの動向はより激しいものとなり、同時にマスカラの性能はこの時期より飛躍的に向上した。
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| [[ストレッチファイバー メザイク]]
| アイテム
| 二重まぶた矯正アイテムの一つ。2000年に登場して以来、アイプチと二極で覇を競っており、当時メザイクの登場の際にはアイプチでの問題点を解決できたアイテムであるとして好評を博した。
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| 金髪のショートヘア
| ヘアスタイル
| 浜崎あゆみの曲[[evolution (浜崎あゆみの曲)|evolution]]が発表された時期に起きたギャルの傾向。この時期に浜崎はロングヘアからショートヘアへとばっさり髪を切った為、これに感化されたギャル(特にアユラー)が一斉に髪を切ってしまい、ギャルの中でショートヘアが大流行した。
|-
| [[ヘアーエクステンション|エクステ]]
| ヘアスタイル
| 2000年代初頭より流行。特に先述の浜崎のショートカット後にエクステをつけて[[ロングヘア]]化した事が話題となって、多くのギャル(アユラー)達がマネをした。 これによりエクステをつける事が一般的となった。
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| [[トラパラ]]
| 音楽
| 2003年頃より流行。それまではパラパラが流行していたが、いつのまにかトラパラの流行に移行していた。[[ディスコ]]には連日ギャルが多く居た。
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| [[ネイルアート]]
| [[美容]]
| キャル文化の中で特にネイルアートが2003年頃より一般的となった。特にネイルチップから[[スカルプチュア]]を実施する層が増えた。当時はまだジェルネイルがないために加工に時間がかかっていたが、それでも己の美の為に待つ労力も惜しまなかった。
|-
| [[デコレーション携帯電話|デコ電]]
| その他
| ネイルアート技術の発展により、[[携帯電話]]をデコレーションする事も流行した。それまでも[[携帯アート]]というものがあったが、本格的なものになると[[エアブラシ]]などを使わなければならない為に専門的な知識や技術が必要であったが、デコ電は個人でも比較的楽しめた。又、[[ネイリスト]]がネイルアートの技術を用いて本格的なデコ電にする事も可能であった為、特に若い女性が好むデザインに仕立て上げる事も可能であった。これにより当初はギャルの間で流行し、後に一般的な女性や幼い子供でもデコ電にする傾向が広まった。
|-
| ケツルル
| アイテム
| サーフ系の復活により、2004年頃より[[COCOLULU]]の人気が高まる。同ブランドのジーンズで尻部にロゴがプリントされたものが爆発的にヒットし、これを「ケツルル」と呼んだ。
|-
| エロカワ
| 流行
| 2005年頃より[[倖田來未]]がギャルのカリスマとして人気を博すと、当時の倖田が「エロかっこいい」と形容されはじめ、又、本人も女性へのメッセージとして[[性愛]]に対してオープンになるように発言した事から、女性達が「'''[[エロティシズム|エロ]]'''」に対して非常に寛容になった。これにより、ファッションに関して「'''エロカワ'''」という要素が確立し、男性から見た[[性的興奮]]を狙ったファッションが評価されるようになり、挑発的な露出(例:[[胸の谷間]]が見える、[[太もも]]が見えるように強調した服装)をエロカワイイという位置付けとした。この現象は当初ギャル系が先行して受け入れたが、次第に[[Seventeen (雑誌)|Seventeen]]などの[[コンサバ]]なティーンズファッション雑誌や、[[ViVi]]を中心に[[CanCam]]、[[JJ]]、[[Ray]]などの[[赤文字雑誌]](いわゆる[[お姉系]])にも広がり、ファッションがより男性の視線を意識したものに変移していった。
|-
| [[ショートパンツ|ショーパン]]
| アイテム
| rowspan="2"|日本で[[1970年代]]に流行した[[ホットパンツ]]の再来。2006年頃より流行。当初の雑誌ではホットパンツと銘打ったが、次第に[[ショートパンツ]]と呼ばれ、やがては「'''ショーパン'''」と略されるようになった。従来のミニスカートよりも脚のコーディネイトの自在性が前面に出される事と、スカートと比べて活発な行動が可能であり、特に[[パンティ]]を見られる可能性が極限に低下させる事が出来る、あるいはスカートよりも防寒性があるのは大きなメリットでもあった。<br />又、同年より「'''ニーハイ丈'''」という一つのファッションキーワードが登場した。これは2006年当時の[[美脚]]ブームから派生するもので、ショートパンツで脚の露出を上げて膝上丈(ニーハイ丈)の[[ロングブーツ]]や、[[ニーソックス|ニーハイソックス]]とコーディネイトすることによって、脚を長く見せる効果があった。特にニーハイソックスに関してはギャル系だけでなく他のファッションにも大きな流行を及ぼした。
|-
| [[ニーハイ|ニーハイ丈]]
| 流行
|-
| デカ目
| 流行
| 2006年に雑誌「[[小悪魔ageha]]」が創刊されて顕著になった傾向。メイク技術によって「目を大きく見せる」というものが1つの目標となり、この傾向を「'''デカ目'''」と呼んだ。アイメイク用の[[化粧品]]も販売競争が激化し、大手化粧品メーカーの[[資生堂]]も「MAJOLICA MAJORCA(マジョリカ マジョルカ)」などの若年者向けレーベルでラッシュ・エキスパンダーネオというマスカラを発表させるなど、ギャル(age嬢)のメイクには各化粧品メーカーが注目していたといえる。<br />又、この他にも[[カラーコンタクトレンズ]]を取り扱うメーカーも注目しており、[[医療機器]]関連メーカーの[[ジョンソン・エンド・ジョンソン]]も2005年2月に[[コンタクトレンズ]]「[[アキュビュー|ワンデー アキュビュー ディファイン]]」を発売。黒目を大きくくっきり見せれるとして爆発的な人気を博した。翌年11月にはより目を大きく見せれる「VIVID STYLE」が発売された。しかし、しっかりとした医療機器として販売される商品がある中、雑貨として「おしゃれ用カラーコンタクトレンズ」が[[医師]]の[[診断]]なく販売され、特にインターネットや雑誌の広告などによって通信販売などがされた結果、購入者からその取り扱いの不備によって様々な事故(眼障害)が報告されるなどの事件が発生した。その結果[[経済産業省]]と[[厚生労働省]]が厳密に[[薬事法]]による取り扱いを行う製品にする事が発表されるなどデカ目から派生したカラーコンタクトレンズ問題は大きな物議を醸す事となった<ref>{{citenews | url = http://www.asahi.com/health/news/TKY200807100116.html| title = おしゃれ用カラーコンタクト、規制へ 事故多発受け| publisher = [[朝日新聞]]| date = 2008-07-10| accessdate = 2011-03-06}}</ref>。<br />{{see also|カラーコンタクトレンズ#製品評価技術基盤機構(NITE)の調査報告書}}
|-
| ハイブランド
| その他
| 小悪魔agehaによってキャバクラ嬢が注目されるようになると、彼女等が所持している[[ルイ・ヴィトン]](特にモノグラム・マルチカラーやダミエ・アズールなどの柄)、[[クリスチャン・ディオール]]、[[シャネル]](カンボンラインなど)、[[コーチ (企業)|コーチ]]などのバッグや財布などを社会人のギャルだけでなく高校生や中学生のギャル達も所持する事が非常に多くなった。しかし、高価なブランドである為に商品を安価に入手する為にインターネットオークションを利用して[[輸入#並行輸入|並行輸入品]]と呼ばれるものを入手する者も多く、その結果[[コピー商品]]を掴ませられるなどの問題ともなっている。
|-
| ムートンブーツ
| アイテム
| 2007年頃より流行した[[ブーツ]]。表面は[[スエード]]で起毛処理された革('''[[ムートン]]''')を使用し、内側に[[ファー]]が施されているブーツで、長さは従来のロングブーツと比較すると[[ふくらはぎ]]丈ほどしかないもの。「シープスキンブーツ」とも呼ばれる。元は[[:en:UGG Australia|アグ・オーストラリア]]が発売する[[:en:Ugg boots|アグブーツ]]と呼ばれるものがこのデザインの原点であり、[[サーフィン]]をする者が足先を冷やさぬように施されたブーツで、2006年頃[[ロサンゼルス]]で流行しサーフ系セレブファッションとして日本に伝わった。尚、日本では本物のムートンが使用されていなくても形状のみでムートンブーツと呼称される傾向がある。春先までブーツとして、特にブーツの履き口を折って中のムートン部を外に露出して使用する事もできる2通りの使い方が出来るとして定番化しつつある。
|-
| カラータイツ
| アイテム
| 2007 - 2008年に流行。ショートパンツが定番アイテムとなった結果、前年度には[[レギンス]]や[[タイツ]]と組み合わせてコーディネイトする女性が増えたが、翌年にはタイツのカラー版が登場した。様々な色や[[デニール]]の太さ細さによって透け感の演出など服飾のアクセントとして取り入れる事が出来た為流行した。前述のムートンブーツと合わせやすかったのも人気の理由となっていた。
|-
| [[ブーティー]]
| アイテム
| 2007年秋頃より流行。日本では1990年代中盤より10年以上もロングブーツが定番化してしまっていた為に、当時ブーティーはかなり画期的かつ斬新なアイテムであり、同年夏から流行の兆しがあると予測されながらも当初はこれを新しいファッションアイテムとして使いこなせる女性が少なかった。形状はブーツを[[踝]]か[[アキレス腱]]辺りで切ったような形状をしており、ショートブーツに位置付けられる。これも前述のカラータイツの登場や、ミニスカートからショートパンツへ[[ボトム]]のファッションが切り替わった事による「美脚化」の流れであった。次第にブーティーとの組み合わせが考えられた結果、翌年以降からも定番化した。
|-
|}

=== 主なブランド ===
[[ファイル:Classic-gyaru-ikebukuro2009.jpg|thumb|200px|right|ギャルモデルの撮影風景<br />
(左右)白ギャル<br />(中央)黒ギャル<br />(※:[[2009年]][[池袋]]にて)]]

;ALBA ROSA(アルバローザ)
;ALBA ROSA(アルバローザ)
:かつてのギャルのカリスマ[[ブランド]]。ロゴに[[ハイビスカス]]の花を用いている。[[宮下美恵]]がギャルのアイコンとなり、大流行<ref>ALBA ROSAは全国の店舗を閉鎖していたが、最近「大人のラグジュアリー・エイジレスファッション」をコンセプトとしたALBA ROSA JAPANとして生まれ変わって、新しい店舗をオープンさせている。</ref>
:かつてのギャルのカリスマ[[ブランド]]。ロゴに[[ハイビスカス]]の花を用いている。[[宮下美恵]]がギャルのアイコンとなり、大流行<ref>ALBA ROSAは全国の店舗を閉鎖していたが、最近「大人のラグジュアリー・エイジレスファッション」をコンセプトとしたALBA ROSA JAPANとして生まれ変わって、新しい店舗をオープンさせている。</ref>
87行目: 304行目:
:現役のギャルのカリスマブランド。[[サーファーファッション|サーフ系]]を中心としている。かつて[[丸井]]に入っていたが、すでに閉鎖をし渋谷[[109 (商業施設)|109]]に入っている。[[2004年]]頃には後ろに[[COCOLULU]]のロゴが付いてある[[ジーンズ]]が流行り、「ケツルル」と呼ばれた。
:現役のギャルのカリスマブランド。[[サーファーファッション|サーフ系]]を中心としている。かつて[[丸井]]に入っていたが、すでに閉鎖をし渋谷[[109 (商業施設)|109]]に入っている。[[2004年]]頃には後ろに[[COCOLULU]]のロゴが付いてある[[ジーンズ]]が流行り、「ケツルル」と呼ばれた。
;BLUE MOON BLUE(ブルームーンブルー)
;BLUE MOON BLUE(ブルームーンブルー)
:109や[[丸井]]に入っている[[サーファーファッション|サーフ系]]のカリスマブランド。ハイビスカスの花を用いたシャツやパーカーなどが多い。
:109や[[丸井]]に入っている[[サーファーファッション|サーフ系]]のカリスマブランド。ハイビスカスの花を用いたTシャツやパーカーなどが多い。
;ROXY(ロキシー)
;ROXY(ロキシー)
:かつて渋谷109にも入っていた[[サーファーファッション|サーフ系]]ショップ。こちらも[[宮下美恵]]がギャルのアイコンとなり、大流行丸井で取り扱ったり、渋谷109には2003年、[[4月]]に[[BLUE MOON BLUE]](ブルームーンブルー)のサーフ系ショップがオープンをした関係で、ROXY(ロキシー)のショップは渋谷109から撤退となった。
:かつて渋谷109にも入っていた[[サーファーファッション|サーフ系]]ショップ。こちらも[[宮下美恵]]がギャルのアイコンとなり、大流行丸井で取り扱ったり、渋谷109には2003年、[[4月]]に[[BLUE MOON BLUE]](ブルームーンブルー)のサーフ系ショップがオープンをした関係で、ROXY(ロキシー)のショップは渋谷109から撤退となった。
94行目: 311行目:
;JSG(ジェイエスジー)
;JSG(ジェイエスジー)
:最近になって渋谷109にオープンをしたカリスマブランド。ハデ色パーカーや[[ネコ]]の耳がフードについたパーカーなどを取り扱っている。渋谷109以外には大宮アルシェに入っている。
:最近になって渋谷109にオープンをしたカリスマブランド。ハデ色パーカーや[[ネコ]]の耳がフードについたパーカーなどを取り扱っている。渋谷109以外には大宮アルシェに入っている。
;その他
:[[厚化粧]]を施し、[[ピアス]]や[[マニキュア]]など、装身具を身につけている場合が多い。


{{Double image stack|right|Human eye - blue - without watermark.jpg|Oko Ringlight Eye Notstudio.jpg|200|ギャルのアイメイクの一例。特にギャルは「'''目力'''」を強調する為、念入りに行う。<br />[[瞼]]の粘膜にまでラインを入れてマスカラを重ね塗りして[[まつげ]]をカールさせて目を大きく見せる。[[白人]]のメイク技術に近い。}}
===「安カワブランド」===
=== ギャルのメイク ===
ギャル系のファッションアイテムを安価で販売している店。「安くてカワイイ」を略してこう呼ばれる。
ギャルになるための最低限の法則として、以下の手法が挙げられる。


* アイメイク
*[[Jam Pixy]]
* 髪盛り
*[[Honeys]]
* ファッション
*GAL FIT

*J-マクリー
ファッションに関しては前述までのギャルの派生や系統で紹介した為に割愛するが、上記のアイメイク、髪盛りはギャルファッションを行う上で必須といっても過言ではない<ref>{{citenews| url = http://www.galmake.net/c1/3.html| title = ギャルの法則| publisher = ギャルメイクやり方講座| date = | accessdate = 2011-02-26}}</ref>。ギャルメイクの手法は年代別に変化をしている。1990年代のギャルのメイクは2010年代に比べると比較的ナチュラルなメイクが流行し、1980年代のバブル期のメイクに比べるとパーツ毎に極端な色を表現するような(※:例、真っ赤な口紅やいかにも書いたような濃いブローなど)メイクが廃れ、ベージュ系など比較的柔らかい色のメイクが主流となった。又、[[チーク]]を使用したりして肌のコントラストを表現して立体的に見せるメイクが多くなり、あるいはマスカラで目の大きさを強調したり、眉毛を形状を加工し、目元のシャープさを印象付けるものが多くなった<ref>{{citenews| url = http://www.galmake.net/c1/6.html| title = ナチュラルメイクの90年代| publisher = ギャルメイクやり方講座| date = | accessdate = 2011-02-26}}</ref>。
*[[しまむら]]

*[[ユニクロ]]
2000年代に入ると、化粧品が驚異的に進化を遂げ、又、ギャルなどの若年層が好む安価な化粧品も[[ドラッグストア]]や[[コンビニエンスストア]]で販売されるようになる。又、[[資生堂]]なども大手ブランドも若年者向けレーベルが販売されるようになり、代表的なレーベルに[[マジョリカマジョルカ]]などが挙げられる。又、ギャル文化において、小悪魔agehaのようにメイクとヘアスタイルに突出したファッション雑誌の登場は必要不可欠なものであり、それまでにも各ギャル雑誌にてメイクの手法が取り上げられてはいたものの、キャバクラ嬢のメイクやヘアスタイルが[[クチコミ]]的に注目されていたのも相まって、このような雑誌の登場は自明の理であったとも言える。現在のギャルメイクはアイメイクに8割の時間と労力が掛けられているといわれる。これは1990年代のギャルの頃から「目で落とす(男を落とす)」というのもキーワードになっていた為でもあり、それから発展した現在のアイメイクは肌のコンディションも自在に操れる高等な技術といっても過言ではない<ref>{{citenews| url = http://www.galmake.net/c1/7.html| title = 2000年代のギャルメイク| publisher = ギャルメイクやり方講座| date = | accessdate = 2011-02-26}}</ref>。

=== ギャルのヘアスタイル ===
ギャルのヘアスタイルも時代と共に大きな変化を見せた。コギャルブームの1990年代では[[ストレートヘア]]に[[茶髪]]が流行し、その後[[金髪]]が目立った。中でもメッシュと呼ばれる部分的な脱色が1999年頃に隆盛したが、2000年にはいってから次第に巻き髪のギャルが増え始めた。又、頭髪を金髪に見せる技術もこの頃より進歩を見せ、それまでは単にブリーチと呼ばれる[[漂白剤]]を何度も髪になじませて頭髪の色素を落として金髪に見せていたが日本人の髪は脱色を繰り返しても黄味だけが残り黄色く仕上がってしまう為、脱色後に[[カラーリング]]として青みがかった[[ヘアカラーリング剤]]を含ませる事によってより自然な金髪に見せる。こうしたヘアカラー技術が発達し、金髪だけでなく「ミルクティ色」など甘めな印象を与えるカラーリングも登場し、次第にヘアカラーが10代や20代には一般的となり、それに伴って市販品でも新商品が続々と発売された。

前述の[[#ギャルのメイク|ギャルのメイク]]でも記した「小悪魔ageha」の影響はヘアスタイルでも大きく作用し、'''巻き髪'''、'''盛り髪'''という概念が登場する<ref>{{citenews | url = http://www.zakzak.co.jp/gei/2008_01/g2008012129_all.html| title = キャバ嬢をリスペクト「小悪魔ギャル」って何だ?!| publisher = ZAKZAK| date = 2008-01-21| accessdate = 2011-03-17}}</ref>。これは2000年頃より[[愛知県]]を中心に発祥した[[名古屋嬢]]が起因しており、他の地区よりも早くから[[中部圏]]では女性が巻き髪や盛り髪を行っており、特にロングヘアに太い縦巻きのカールがついたヘアスタイルを「'''名古屋巻き'''<ref>{{citenews | url = http://www.ghs-navi.com/Nagoya-rolling.html| title = 【名古屋巻き】美容院用語辞典・ヘアサロン用語集| publisher = 岐阜美容院Navi.| date = 2010| accessdate = 2011-03-17}}</ref>」と呼ばれ、これがキャバクラ嬢にとって必須のヘアスタイルとなった。又、小悪魔agehaが創刊されるとそれらのヘアスタイルが日本全国に流行する事になり、市販品でも'''カーリングトング'''や'''ストレーナー'''などの[[ヘアーアイロン]]が様々なメーカーから販売されるようになり、女性の間でも特にギャルにとっては必須のアイテムとなっていった。
{{multiple image
| image1 = Shibuya Gal (4).jpg
| width1 = 217
| image2 = Japanese girl smiles.jpg
| width2 = 255
| image3 = Shibuya Gal.jpg
| width3 = 352
| footer = <div style="text-align:left">(左)[[COCOLULU]]のアイテムを多用した[[アメカジ]]風のギャル。[[1960年代|60年代]] - [[1970年代|70年代]]風のヘアスタイル。 <br/>(中)アッシュ系のカラーリングを施したストレートヘアの黒ギャル。<br/>(右)姫系のギャルに良く見られる[[金髪]]の外巻きカール。(※:[[age嬢]]に良く見られるヘアスタイル)</div>
| align = center
}}
{{clear}}
{{Fashion-stub}}

===安カワブランド===
安カワブランドとは、「安くて[[可愛い]][[ブランド]](やすくてかわいいぶらんど)」の略称。ギャル系のファッションアイテムや[[化粧|メイク]]用品などを安価で販売している店や安価で可愛い商品そのものを指して単に「安カワ(やすかわ)」と呼ぶ場合もある。

[[ファイル:Shibuya_Center-Gai.jpg|thumb|280px|[[渋谷センター街]]入口。右手は[[QFRONT]]。]]

;渋谷のギャル系や渋谷系の[[ファッションビル]]
:[[東京都]][[渋谷区]]の[[渋谷駅#ハチ公口|渋谷駅ハチ公口]]前の地域に大小様々な店が集中している。主なエリアは、渋谷駅ハチ公口前の[[西]]側へ伸びる「[[渋谷マークシティ]]([[京王井の頭線]])」から時計回りに、[[道玄坂]]、[[百軒店]]、[[文化村通り]]([[東急百貨店本店]]・[[Bunkamura]]前)、[[渋谷センター街]]、[[スペイン坂]]、[[井ノ頭通り]]、[[渋谷公園通り]]、[[北]]側へ伸びる「[[JR線]]([[山手線]])」手前の[[ファイヤー通り]]([[東京消防庁第三消防方面本部#渋谷消防署|渋谷消防署]]前)あたりまで。
;[[J Machree]]
:[[ファッションビル]]。渋谷店は[[渋谷センター街]]奥にある。
;[[Jam Pixy]]
:[[ファッションビル]]。渋谷店は[[宮益坂]]の[[渋谷郵便局]]横にある。
;[[ドン・キホーテ (企業)|ドン・キホーテ]]
:[[ディスカウントストア]]。メイク用品や[[雑貨]]を扱う。略称は「ドンキ」、渋谷店は[[東急百貨店本店]]前にある。
;[[ユニクロ]]
:[[ファストファッション]]店。渋谷店は「[[渋谷駅]]中央口店」「[[道玄坂]]店」「[[スペイン坂]]店」の3店舗がある。
;[[ユザワヤ]]
:[[手芸]]や[[工芸]]用品の専門店。[[ネイルアート]]や[[デコレーション携帯電話|デコレーション携帯電話(デコ携帯)]]の素材などを扱う。渋谷店は渋谷BEAM内。
;[[マツモトキヨシ]]
:[[ドラッグストア]]。略称は「マツキヨ」、渋谷店は[[道玄坂]]下に「渋谷Part1店」「渋谷Part2店」の2店舗がある。[[薬局]]だが、[[化粧|メイク]]用品や美容関連商品などを扱う。
;[[しまむら]]
:[[ファストファッション]]店。この店を好む顧客層は「[[しまむら#しまラー|しまラー]]」と呼ばれる。


==ギャルがよく行くショップビル==
==ギャルがよく行くショップビル==
[[ファイル:Shibuya 109 Building Tokyo January 2006.jpg|thumb|280px|[[渋谷駅#ハチ公口|渋谷駅ハチ公口]]前交差点から[[道玄坂]]下交差点を望むと、[[109 (商業施設)|SHIBUYA 109]] の正面が見える。]]
*[[109 (商業施設)|109]]
*[[丸井]]
*[[パルコ]]


ギャル系や[[渋谷系]]のファッションを扱う大型の[[ファッションビル]]。[[ファッション雑誌]]や[[マスメディア]]などで取り上げられる[[ブランド]]が多く出店しており、[[カリスマ]]店員などの特集が組まれることもある。
==ギャル系雑誌==
;[[109 (商業施設)|109]]
*「'''[[egg]]'''」
:渋谷店は2店舗。[[道玄坂]]にある「SHIBUYA 109(しぶや・いちまるきゅー)」は通称「まるきゅー」。[[渋谷駅#ハチ公口|渋谷駅ハチ公口]]前にある「109-2(いちまるきゅー・つー)」は通称「きゅーつー」。
*「'''[[popteen]] '''」
;[[丸井]]
*「'''[[Ranzuki]] '''」
:渋谷店は2店舗。[[神南]]一丁目の[[交差点]]を挟んで、[[渋谷駅]]側が「マルイジャム」、渋谷神南郵便局側が「マルイシティ」。
*「'''[[小悪魔ageha]]'''」
;[[パルコ]]
*「'''[[Happie Nuts]]'''」
:渋谷店は2店舗。[[渋谷公園通り]]前の「PARCO part1」と、その裏手の「PARCO part3」。「PARCO part2」は2007年に閉鎖。
*「'''[[JELLY (雑誌)|JELLY]]'''」
;その他
*「'''[[S Cawaii!]]'''」
:*[[ラフォーレ原宿]]
*「'''[[GISELe]]'''」
:*[[アブアブ赤札堂|ABAB]]
*「'''[[BLENDA]]'''」
*「'''[[美人百花]]'''」
*「Egosystem」(休刊)


== 主なギャル系雑誌 ==
==関連人物==
ギャル系や渋谷系のファッションを扱う[[ファッション雑誌]]を挙げる。なお、記載順は[[月刊誌]]として定期刊行が開始された創刊年度に従った。詳細は各誌の項目を参照のこと。<ref>[http://www.nightscape.info/fhl/discontinuance_fashion_magazine.htm ファッション雑誌ヘッドライン「廃刊/休刊雑誌一覧」]より。</ref>
===発刊中===
;'''[[popteen]]'''
:[[1980年]]に[[角川書店]]が創刊。[[ティーンエイジャー]]の女性向け[[ファッション雑誌]]の先駆け的な存在。[[1990年代]]の「[[女子高生ブーム]]」に合わせ、編集方針を大幅に変更して現在に至っている。
;'''[[egg]]'''
:[[1995年]]に[[大洋図書]]が創刊。素人の[[読者モデル]]を積極的に採用し、[[スタジオ (映像撮影)|スタジオ撮影]]ではなく渋谷の街中で[[スナップ写真|スナップ撮影]]した[[ポラロイド]]や[[プリクラ]]の写真を多用するなど、「[[ギャル#コギャル|コギャル]]」以降のギャル系ファッションに大きな影響を与えた。読者の一人で、後に「[[小悪魔ageha]]」編集長となる[[中条寿子]]は当時の衝撃を「10代の頃いきなり出てきて(創刊されて)あれだけ売れた。(eggは)私にとって神様みたいな存在」だったと述べている。<ref>「[[日経エンタテインメント!]]」([[日経BP]]、2008年07月号)の特集記事「雑誌を面白くする3大キーワード/姫ギャル・ユニセックスマンガ・スターモデルって何?」より。</ref>[[1999年]]に同社が創刊した「[[Men's egg]]」も参照のこと。
;'''[[S Cawaii!]]'''
:[[2000年]]に[[主婦の友社]]が創刊。同社の「[[Cawaii!]]」よりも高い年齢層を対象にした。
;'''[[Ranzuki]]'''
:[[2000年]]に[[ぶんか社]]が創刊。
;'''[[BLENDA]]'''
:[[2003年]]に[[角川春樹事務所]]が創刊。
;'''[[Happie Nuts]]'''
:[[2004年]]に[[インフォレスト]]が創刊。
;'''[[GISELe]]'''
:[[2005年]]に[[主婦の友社]]が創刊。
;'''[[美人百花]]'''
:[[2005年]]に[[角川春樹事務所]]が創刊。
;'''[[小悪魔ageha]]'''
:[[2006年]]に[[インフォレスト]]が創刊。「[[ギャル#age嬢(あげじょう)|age嬢]]」以降のギャル系ファッションに大きな影響を与えた。
;'''[[JELLY (雑誌)|JELLY]]'''
:[[2006年]]に[[ぶんか社]]が創刊。
;'''[[ES POSHH!]]'''
:[[2006年]]に[[リイド社]]が創刊。同社の「[[Ego system]]」の後継。

===休刊===
;[[Cawaii!]]
:[[1996年]]に[[主婦の友社]]が創刊。2009年に[[休刊]]。
;[[Ego system]]
:[[2004年]]に[[リイド社]]が創刊。[[2006年]]に休刊。

== 関連人物 ==
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'''あ行'''
'''あ行'''
*[[青木英李]]
*[[青木英李]]
*[[AKI]]
*[[秋山未来]]
*[[秋山未来]]
*[[安倍麻美]]
*[[安部ニコル]]
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*[[AKI]]
*[[安室奈美恵]]
*[[荒木さやか]]
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*[[板野友美]]
*[[出岡美咲]]
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*[[小原優花]]
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'''か行'''
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*[[金田久美子]]
*[[鎌田安里紗]]
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*[[河西美希]]
*[[河西美希]]
*[[川端かなこ]]
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*[[菅野結以]]
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*[[木下優樹菜]]
*[[ギャル曽根]]
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'''さ行'''
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*[[坂下由真]]
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'''た行'''
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'''な行'''
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*[[西川瑞希]]
*[[西野カナ]]
*[[根本弥生]]
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'''は行'''
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*[[浜崎あゆみ]]
*[[浜田ブリトニー]]
*[[藤田志穂]]
*[[舟山久美子]]
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*[[細井宏美]]
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'''ま行'''
'''ま行'''
*[[益若つばさ]]
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*[[村田莉]]
*[[村田莉]]
*[[桃華絵里]]
*[[桃華絵里]]
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== 関連項目 ==
== 脚注 ==
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*[[SJK]]
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== 参考文献 ==
*[[西田善太]] 編集 「GIRL'S CULTURE-ギャルが日本を救う!?-」『[[BRUTUS]]』5月1日号、[[マガジンハウス]]、2009年。
*{{citenews | url = http://www.kwansei.ac.jp/s_sociology/attached/5054_42921_ref.pdf | title = 戦後ユース・サブカルチャーズをめぐって(5):コギャルと裏原系」(.pdfファイル)| work = [[難波功士]] | publisher = [[関西学院大学]] | date = 2006-03 | accessdate = 2011-03-05 }}

== 連項目 ==
=== ギャル・ファッション ===
*[[アムラー]]
*[[アムラー]]
*[[ギャル男]]
*[[ギャル男]]
*[[ギャル語]]
*[[ギャル語]]
*[[ギャル文字]]
*[[ギャル文字]]
*[[渋谷センタ]]
*[[ギャルサー]]
*[[ギャルサー (テレビドラマ)]] ⇒ [[2006年]]に[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]で放映されたテレビドラマ。「エンゼルハート」という架空のギャルサーが登場する。
*[[109 (商業施設)]]
*[[可愛い|可愛い(かわいい、Kawaii)]] ⇒ [[エロかわいい]] – [[キモかわいい]] – [[ブスかわいい]]
*[[渋谷ガールズコレクション]]
*[[GALS!]] ⇒ [[藤井みほな]]の[[少女漫画]]。連載された1999年から2002年までの当時のギャル文化やギャルファッションに傾倒する主人公達が描かれている。
*[[日本ギャルママ協会]]
*[[ギャルル]] ⇒ [[藤田志穂]]がプロデュースしたギャル系アイドルグループ。[[時東ぁみ|ぁみみ]]、[[ギャル曽根|そねね]]、[[安倍麻美|あべべ]]で構成。初代リーダーは[[つじじ]]。
*[[ファストファッション]]
*[[ファッションモデル]]
*[[ファッション雑誌]]
*[[ブランド]]


=== 地域・ショップビル ===
== 脚注 ==
*[[ファッションビル]]
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*[[渋谷センター街]] ⇒ [[東京都]][[渋谷区]][[宇田川町]]の繁華街。[http://center-gai.jp/ 渋谷センター街] Official Web Site
*[[スペイン坂]] ⇒ [[東京都]][[渋谷区]][[宇田川町]]の繁華街。[http://www.spain-zaka.com/ スペイン坂] Official Web Site
*[[109 (商業施設)]] ⇒ [http://www.shibuya109.jp/ SHIBUYA 109] Official Web Site
*[[丸井]] ⇒ [http://www.0101.co.jp/index.html マルイ] Official Web Site
*[[パルコ]] ⇒ [http://www.parco.co.jp/parco/ PARCO] Official Web Site


=== イベント・団体・番組 ===
== 参考文献 ==
*[[渋谷ガールズコレクション]] ⇒ [http://sgc.tw/ SHIBUYA GIRLS COLLECTION] Official Web Site
*[[西田善太]] 編集 「GIRL'S CULTURE-ギャルが日本を救う!?-」『[[BRUTUS]]』5月1日号、[[マガジンハウス]]、2009年。
*[[東京ガールズコレクション]] ⇒ [http://tgc.st/ TOKYO GIRLS COLLECTION] Official Web Site
*[[日本ギャルママ協会]] ⇒ [http://galmama.jp/ Japan Gal Mama Association] Official Web Site
*[[東京カワイイ★TV]] ⇒ [http://www.nhk.or.jp/kawaii/ 東京カワイイ★TV] Official Web Site ([[日本放送協会|NHK]] 放送)
*[[渋谷ギャル部]] ⇒ [http://www.linepro.tv/sjk/index.html SJK] Official Web Site 渋谷系ギャルファッションの[[読者モデル]]「[[SJK]]」による[[トーク番組]]([[ストリーミング]]放送)。
*[[電通]] ⇒ [http://www.dentsu.co.jp/marketing/gallabo/index.html DENTSU GAL LABO] Official Web Site [[2010年]]3月15日に設立された社内横断組織。プレスリリースは「[http://www.dentsu.co.jp/news/release/2010/pdf/2010029-0315.pdf “ギャル”のマインドとパワフルな行動力に着目したプランニングチーム「DENTSU GAL LABO」が発足]」(PDF書類)。


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2011年5月2日 (月) 10:55時点における版

一般的な渋谷のギャル達。
(奥): 典型的なギャルメイク
(右): age嬢特有の盛り髪
(左): 夏場のギャル特有の露出の高い服装
(※:2007年夏頃の写真)
 
原宿系のギャル達(広義のギャル)
(上)ロック系、ヴィジュアル系に感化された原宿ギャル
(下)比較的ナチュラルなメイクをしている原宿ギャル
(※:写真は2006年 - 2007年頃)

ギャルは、英語において若い女性を指す girl英語発音: [gəːrl] ール)の、アメリカ英語における俗語 gal英語発音: [gæl] ギャル)に由来する外来語日本語でも英語と同様の意味を持つ場合があるが、とりわけファッションやライフスタイルが突飛と見なされながらも、それらが同世代にある程度文化として共有されている若い女性たちを指す場合にも用いる。前者には文化的な意味あいは無いが、後者には文化的な意味合いが強く、国外では世界の最先端とみなされることがあり、日本語のローマ字表記にあたる gyaru英語に借用されている。近年、ギャル文化は新たな輸出産業として日本政府も注目しており、外務省などがリアル・クローズファッションショーなどを後援している。

本項では後者について詳述する。

概要

ギャルという言葉は、1972年昭和47年)にラングラーよりGalsという女性用ジーンズが発売された時から広まった[1]。また、東京においては1973年(昭和48年)に渋谷PARCOが開店し、新宿に代わって渋谷が若者の街として流行の最先端を担うようになるという変化があった。当時、ギャルはニューファッションに身を包んだ女性を指し、逆に若い女性向けの最先端のファッションを「ギャルファッション」とも呼んだ。

渋谷系のギャルを「109系」などファッションビルの名称を使用して細分化する例が見られ、特に地方のギャルファッションを取り扱う商業施設をこのように呼称する場合も多い。代表的な例としては愛知県名古屋市にある近鉄パッセや、福岡県福岡市にある天神コアなどこうした商業施設のファッションを109系と呼ぶ。この他に商業施設の名称を使用したギャルファッションの細分化に「丸井パルコ」などと呼ばれるものもある。

渋谷系ファッションに限らず原宿系ファッションに対してもギャルという言葉が用いられる場合もある。この理由は原宿系ファッションも10代中盤から後半、20代前半にかけての最先端ファッションの1つとして広く認識されているのが大きな理由でもあるが、ファッションのテイストやメイクの手法が根本的に違うために厳密には彼女らのファッションはギャルではない。但し、原宿にはロック系のファッションを取り扱う店舗も多く、又、ロック系のメイクは細部の異なりはあるもののギャルのメイクを踏襲した手法が用いられる為、こうした女性が集まる為に原宿系を「ギャル」と誤認されたともいえ、この場合のギャルの意味は広義におけるギャルに近い。

1990年代中期から末期にかけて、特に上記に該当する女子高生女子中学生を指してコギャル、あるいはマゴギャルなどという語で呼ばれることが多かったが、現在ではどの世代もギャルを使用する事で落ち着いている。尚、お姉系とは本来はギャルに該当する女性が趣味嗜好をそのまま維持して大人になった者を指し、その中間的な役割としてお姉ギャル(オネギャル)という存在もあったが、ファッションの系統の分類が明確化された現在ではギャルとお姉系が完全に別物もファッションとなっている為、現在ではお姉ギャルという言葉をファッション用語としてあまり用いられない。

egg」や「Popteen」、「Ranzuki」、あるいはかつて発行されていた「Cawaii!」などといったファッション雑誌がギャルに対して大きく影響を与えており、これらの雑誌内にはギャルのアイデンティティなども色濃く書かれ、特に雑誌内に登場するモデルは他のティーンズ誌と比較するとオープンな活動を行っている者も多い。それらに影響された読者がサークルギャルサーとも呼ばれる)を作って活動している者も多くみられる。又、雑誌内のコラムやアイデンティティがしばしば性的描写が過度になってしまった為に問題となる場合もあった。

これに相当する男性はギャル男(ギャルお)と呼び、彼らのファッションを取り扱う雑誌「men's egg」は、前述のギャル系ファッション雑誌「egg」の兄弟誌として創刊された経緯があり、当初のコンセプトの一つとして「ギャルの理想的な彼氏(又は一緒に連れて歩く男性)」としてこの言葉を用いられた。現在ではギャル男をお兄系(おにいけい)と呼ばれるが、お兄系は本来ジャニーズ系ファッション(丸井・パルコ系)までの綺麗目なファッションを含む幅広い呼称であったが、次第に雑誌「MEN'S KNUCKLE」に登場するようなファッションを「強めのお兄」と呼ばれ始め、最終的にはお兄系という呼称に落ち着いた。前述のお姉系の経緯とは全く別の発展を遂げており、事実上「ギャル男」を後継していると言える。

歴史

ギャルファッションの多様性と分類

ボディコンと呼ばれるファッションに身を包む女性
(写真は2008年

1970年代 -

1970年代は世界的にファッションの変革が強かった時代とも言える。ジーンズもストレートボトムのものからベルボトムが登場するようになり、よりファッションの幅や自由性が広がった期間とも言える。又、anannon-noといった女性ファッション雑誌が相次いで創刊したのもこの時代であり、ニューファッションに身を包んだ女性が多く登場する。こうした女性の中で特に神戸を中心に発生したニューファッションをニュートラ和英:New Traditional ) と呼び最先端ファッションをして位置付けされる[2]。当時のファッションの最先端は女子大生や若手OLなど現在よりも年齢層が高いのも特徴である。

1980年代 -

1980年代後半の、バブル絶頂期にはボディコンと呼ばれる非常にタイトでボディラインを強調したワンピース、あるいはスーツに身を包んだ女性が登場するようになる。発祥は1980年代前半のヨーロッパファッションであったが、日本経済が潤沢な時期でもあったためにこうしたファッションが受け入れられてくるようになる。この時期まではこのようなニューファッションを女子大生やOLが特に着用し、ギャルという言葉は若い世代の女性になぞられた。ピチピチギャルという言葉も1980年代前期に登場した言葉である。

1990年代 -

1990年代に入っても、ギャルという言葉は使用され続けた。特に中尊寺ゆつこが描いた漫画『スイートスポット』登場するオヤジギャル流行語大賞を獲得するまでの知名度を得た。このオヤジギャルとは、主に当時の若いOLを風刺した題材でもあり、1980年代の末期より流行していたジュリアナ族のように企業の就業時間の定時時刻である17時頃を迎えると挙って制服からボディコンに着替え、夜な夜な街に繰り出してはアバンギャルドな性質を見せる反面、どこか中高年男性(オヤジ)の様な性格を髣髴させる、云わば女性としてはどことなくルーズに見え、そして大和撫子的要素の欠損した女性を的確に描いていたものでもあった。この現象はギャルそのものファッションとはあまり関連はないものの、ギャルという印象を「見た目は最先端ながらも言動に秩序やマナーなどがどこか欠落している」といったもので植え付けたともいえ、後に流行するギャル、コギャルらは当時の比較対象としてオヤジギャルを引き合いに出されていた。

1990年代のギャルのカリスマとなった安室奈美恵
(写真は2005年
コギャル

バブル崩壊後、それまで日本に専権していたDCブランドなどを用いた高級なファッションが淘汰されるようになり、1990年代前期よりストリートファッションなど「カジュアル」というキーワードをもったファッションが注目される。又、10代の女性の間ではスーパーモンキーズ安室奈美恵の登場により彼女の装いを特に影響された者が続出した。この現象もしくは安室に心酔した彼女らの事をアムラーと呼び、10代の女性の多くが彼女のファッションである70年代風のサーファーファッション、LAファッションなど回帰的なファッションが流行を示した。特に大きな変化が当時の日本人にはあまり馴染みがなかった茶髪に対する抵抗感がなくなった事が日本人女性の大きな変化と言える。このファッションの流れを汲むのが狭義でのギャルの原点であるというのが定説となってる。又、一般的に安室を「初代ギャルのカリスマ」とされた。

コギャルという言葉は上記のアムラーの発生とほぼ同時期の1990年代中期からの流行語[3]、あるいは1993年頃からフライデーなどの媒体に記述が見られる。但し、本格的にコギャルという言葉を使われ出したのは1996年頃からであり、特にファッションから若者の娯楽風俗、あるいは経済効果まで既に1980年代までの女子大生・OLを中心とした女性の流行が女子高生・女子中学生を中心とした文化に変化していた事を認めざる終えないのを象徴していた。この当時のギャル・又はコギャルの年齢層は1980年代前半生まれ(ポスト団塊ジュニア世代の後半)の女性に相当した。コギャルの語源についてはさまざまな諸説あるが[4]、有力な説としてはディスコ・クラブにおいてエントランスチェックの黒服が、本来は深夜入場が不可な女子高校生を成人女性と区別するための隠語として「格好はギャルだけど、未だ本物のギャルに成りきれていない、格好だけのギャル」から、「カッコ(格好)・ギャル」と呼ぶようになり、その「カッコギャル」が縮まって「コギャル」となったものや、マスメディアが「コギャル」の「コ」を「子」ないし「小」であると誤認した結果であるとする説、あるいは「高校生ギャル」を略して「コーギャル(高ギャル)」からコギャルという言葉に派生した説もある[5]。いずれも検証は不可能ではあるが、10代の女性(特に女子高生)に対して使用された言葉であることには変わりはない。

コギャルの一例。1990年代中期から後期にかけてのメイクやヘアスタイル。ガングロと呼ばれる強いタンニングを行っているのも特徴

この他にマスメディア主導によって誕生した派生語に「中学生のギャル」を指すマゴギャル(孫ギャル)があった。

1990年代末期には、既に高校を卒業した身分でありながらも、当時のコギャルとなんら変わりないメッシュを入れた髪で制服に身を包み、ルーズソックスローファーを履いて街にくりだすという「なんちゃってコギャル」という女性も存在した。当時はコギャルブームと言って良いほどの流行ぶりで、ワイドショー週刊誌を初めとして、メディアでは女子中高生やコギャルの特集が連日連夜と書き立て報道された。但し、その影には若者の貞操概念や道徳観の欠落など様々な問題も同時に取り上げられ、特に「援助交際」に関しては児童買春・児童ポルノ禁止法が整備されていなかったり、あるいは青少年保護条例が現代ほど機能していない時代でもあって強く問題視された。その反面に先述のような黒い資金源があってこそ高校生や中学生の身分で非常に高価なファッションを装う事が出来る、あるいは目まぐるしく変化していく流行に順応に対応してゆく彼女らを絡めて、多様なコギャル像が構築されていた(俗流若者論 も参照)。

1990年代を賑わせたコギャルであるが、2000年代に入るとマスコミ媒体では殆ど聞かれなくなる。但し、アメリカなどの諸外国では "Kogal" として日本の若い女性を表す一般的な言葉として認識されている。但し、どちらかというと諸外国では Kogal は性的嗜好フェティシズムの1つとして認識されている[6]

(左)初期のヤマンバ
(右)1990年代末期のギャル
ヤマンバ

1990年代後半から2000年代初期ごろまで流行した[7]。語源は山姥(やまうば、転訛してやまんば)。日本の民話で紹介される山姥が総じて白髪で手入れをしていない長髪であったことから由来する。それまでギャルやコギャルにも採用されていたガングロや化粧に加え、髪の毛の脱色が特に顕著であり、部分的な着色・脱色をしたメッシュを施し、乱れたように形作った髪形が特徴であった。又、ネガポジ反転をしたかのようなメイクが流行となり、自身のタンニングされた黒い肌と対照的に白い色のグロスアイラインを施す事がヤマンバの間で大流行した。

又、この頃から「汚ギャル(おギャル)」と呼ばれる何日も風呂に入らず下着も替えないような、不潔にしているギャルをテレビバラエティ番組学校へ行こう!』などで頻繁に取り上げられていた。特にヤマンバにあたるギャルにターゲットにされることが多かった。彼女らは化粧も上塗りを繰り返すためヤマンバや後述のマンバ以上に濃く、ショーツ(パンティー)の中にナプキンをあてがっておいてそれを取り替える事で必要最低限の衛生を保っていた。このような事がバラエティで紹介されていたのも、ギャルの社会風刺の1つであり特に当時のギャル・ヤマンバは家出をする事が日常的でこうした彼女らの行動パターンから「プチ家出」という流行語にも発展した。家出中は外泊を繰り返すがその間は渋谷や池袋などで野宿を行ったり、一人暮らしの男性の友達の部屋に上がっては「男女間のバーター取引」を条件に風呂や食事を提供させてもらうなどの行為もマスコミ等に取り上げられた問題となった。

マンバの一例。ヤマンバで流行したヘアスタイルに新たに特徴的なメイクを施している。

2000年代 -

マンバ

2003年から2010年現在まで継続しているギャルファッションの一つ。ヤマンバの進化系ファッションであり、ヤマンバにもあったガングロもさらに強くタンニングを行ってゴングロ、あるいはバチグロと呼ばれる更に黒く焼けた肌を求めた。ヤマンバを継承している為、白い口紅やアイラインはそのまま使われるが、アイラインに関しては特に目の周りにも白の濃く幅広に引き、まるでフェイスペインティングに近い感覚で描きこむようにメイクがなされた。目自体は縁にマスカラや黒いアイラインやペンシルで色濃くラインを描かれた。口紅を、唇も白系のグロス等を塗る等といった化粧をしており、ヤマンバに比べると今までの常識では考えられないメイクとなった。ファッションではパンツルックよりも極端に短いミニスカートを中心にコーディネートされており、それらは原色系や派手な柄ものといったものでまとめているのが特徴。バービー人形のようなマンバスタイルをバンバセレブ系のファッションを取り入れたマンバをセレンバと呼んだ。又、マンバに相当するファッションを装った男性をセンターGUYと呼んだ。

ビビンバ

ギャルファッションのひとつで未成年者を中心にマンバでかつB系の格好をしている。渋谷を中心に棲息し、一部ではギャルサーを作って活動している。

第2のギャルのカリスマと謳われる浜崎あゆみ
(写真は2007年
白ギャル

この時代のギャルファッションにおける大きな変革の1つとして「白ギャル」が登場した事によって、より幅広いギャル系の派生や進化を生むようになる。それまでのギャルとは日焼けサロンに通って自身のタンニング具合を維持するなどしていた。これは前述までの流れでも分かるとおりギャルが本来はサーファーファッションやLAファッションを源流とした為であった。しかし、初代ギャルのカリスマと謳われた安室奈美恵が出産を控えた産休でしばらく芸能界から離れる事となった為、その後に登場した浜崎あゆみ2000年頃よりブレイクし始めてくると、その容姿や風貌から「第2のギャルのカリスマ」となった。又、時同じくして化粧業界でも美白ブームが起こっており、浜崎のような白い肌にブリーチによって金髪に近い色にした髪は年頃の近い女性に大きく支持された。一方、それまでの本流であった「黒ギャル」は様々な形で分派していった。上記のマンバの様に個性を貫いて少数派ながら残ったものもいたが、COCOLULUの様にギャルの原点に近いサーファーファッション(サーフ系)として残ったもの、あるいはヒップホップ黒人に感化されていたものはB-girlに流れた為に実質ガングロが禁じ手となった為に黒ギャルに分類されるギャルが激減した。その反面、2000年以降に登場するギャルは「白ギャル」と呼ばれる系派が次第に勢力を増してゆく事になる。尚、白ギャルはお姉系ファッションに比較的近い感覚を好む傾向があり、黒ギャルに比べると落ち着いた印象がある為に明確なテイストの違いを見た目に識別できる。

ファイル:Britneybirthday.jpg
海外アーティストではブリトニー・スピアーズもギャルの支持を集めた。目頭にハイライトを入れてより瞳を大きく見せる技術やアイラインの妙でタレ目に見せるタレメイク、さらに髪のトーン配色をする事で、より立体的な金髪を見せる等ギャルに対する貢献度は大きい
お姉ギャル(オネギャル)

S Cawaii!の創刊と共に特に高校を卒業したギャルをさして、2000年頃によく使われた。当時のギャル系とお姉系との間のファッションコンセプト自体に根本的な違いがあり、実際に1990年代末期当時に発売されていたお姉系の赤文字雑誌の中で最も発行部数を占めていたのはJJの様なお姉系の中でも上品な部類に位置されるファッション雑誌であった。その為、ギャルからお姉系への移行を目的としたニッチ的なジャンルとしてお姉ギャルが誕生した。お姉ギャルは全体的にシンプルにまとめるのが特徴的で、ファッションに原色を中心にまとめているギャルとは見た目が全く違っていた。但し、メイクに関してはギャルが好んだ「目力を強調したメイク」を踏襲しており、眉や目のラインを念入りに書き込んだ。又、お姉系への移行を兼ねていた為に肌の色は当時より登場していた「白ギャル」の系統であった。その後、しばらくはお姉ギャルという言葉を耳に出来たが、2004年頃からCanCamViViなどのお姉系雑誌にギャルが直接移行し始めた為、2006年頃よりお姉ギャルという言葉自体は耳にしなくなったが、S Cawaii!というギャルと他のファッション系統と繋ぐ意味の中間的な位置付けのファッション雑誌は残った。尚、当時のお姉ギャルとは2010年代でのセレカジに近い着こなし。

スポギャル

「スポーティなギャル」の略で登場した系統の一種。2000年頃に登場。ONE*WAYJassieラヴァーズハウスなどのポップな印象の強いギャル系ブランドで活発な女性を強調したファッション。特にSkechersの厚底スニーカーを着用するのが定番となった。しかし、女子中学生やギャルに憧れる小学生など比較的若年者層からの支持が強かった反面、高校生以上からの評価はあまり芳しくなく、実際に数年後には女児のキッズ向けファッションとしてスポギャルのコンセプトを踏襲した為に、中高生の間からスポギャル支持層が激減してしまった。尚、ONE*WAYと同じ「ヤングファッション研究所」が展開するブランドのone spoもスポーティかつセクシーをコンセプトとしているが、当時のスポギャルとは全く性質もファッションも違うものである。

アルバカ

2003年から2004年まで流行したギャルのファッション傾向の1つ。尚、アルバカとは中国語版の日本の若者用語辞典によると「全身をアルバローザで包んだ派手なギャルの事」とある[8]。実際に語源はファッションブランドのALBA ROSAの略である「アルバ」と、それを熱狂的に好むものという意味から「馬鹿」を加えてアルバカと称した。ALBA ROSAは1980年代より続くリゾート系ブランドであり、1990年代のアムラー・コギャル世代でもカリスマ化されたブランドであった。したがって、当時の他のギャルブランドと比較して価格帯が高く、いわゆる高嶺の花状態になっていた。2003年に大判のツートンカラーのブロックチェックに同ブランドのロゴであるハイビスカスを描いた通称「大柄ハイビ」が大流行し、これを機に全身をALBA ROSAで包み込むアルバカというファッションが流行した。アルバカの傾向は白ギャル、黒ギャルを問わない流行となり一時期は一世を風靡していたが、2004年頃よりセンターGUYと呼ばれるマンバファッションをした男性が登場。そして彼らもALBA ROSAを好んで着用した[9]。この事からALBA ROSAというブランドが崩れ、あるいは当時より流行を見せていたインターネットオークションで前述の大柄ハイビだけが中古で出回って流通する事態にまで発展してしまい、最終的にはALBA ROSAが一時休業するまでの事態になった。

キグルミン

2004年限定で登場[10]。但し、地域によっては2005年以降も見られた。キグルミンは主に黒ギャルに多く見られ、ピカチュウケロロ軍曹などの着ぐるみを身にまとって市街地などの賑やかな場所を徘徊していた。語源は「着ぐるみ + 民」である。

ロマンバ

2005年頃より少数派ながら現れたマンバの派生。後に姫ロリと呼ばれるファッションの原点であるロマ系とマンバを融合させたもの。尚、ロマ系は2003年頃より誕生した言葉である。

第3のギャルのカリスマと謳われる倖田來未
(写真は2005年
サーフ系

女性のサーファーファッション自体は以前より存在していたが、2005年頃より再流行しはじめる。特徴としてはこの時期になると自身のファッションに対して「ギャル」と位置付けずにサーフ系と明確な位置付けを行っているのが特徴となった。尚、1990年代末期から2000年代初期にかけて男性の間で流行った「サーファー系」とは全く別物のジャンルのファッションである。特にブランドではCOCOLULUが流行し、ミニスカートやジーンズのヒップに同ブランドのロゴがプリントされた「ケツルル」が一世を風靡した。2005年当時のサーフ系は特にデニム素材を良く用いたファッションが流行し、先述のミニスカートもデニムであった。又、ボトムはバギーヒップハングするような着こなしが流行していたのもあって、Aラインを意識したシルエットを構築していた。現在でもギャルの中には自身のファッションをサーフ系と明確な位置付けをするものがいる。

サイケギャル(ヒッピーギャル)

SLYmoussyなどバロックジャパンリミテッドが展開する一部のブランドでサイケデリックをコンセプトとしたギャルが登場した[11]。民族的なファッションをモチーフとしたギャルで、当時の男性にも一部流行していたデリッカーと共通する部分も多い。サイケデリックトランスなどの音楽を好み、レイヴ等の音楽パーティーによく出席する。


age嬢(あげじょう)

ファッション雑誌小悪魔ageha』が創刊した2006年から現在まで継続するギャルファッションのひとつ[12]。但し、age嬢という言葉自体はファッションのジャンルではなく、後述のようなメイクやヘアスタイルに特化したギャルに対する称号的な呼称と言える。小悪魔agehaはキャバクラクラブなど夜の仕事に従事するキャバ嬢(ギャル)をそのままモデルとして起用するという業界初の試みを行なった雑誌であり、誌面に登場する一般モデルを「age嬢」と呼んだことが語源となっている。尚、同誌が創刊される以前、ファッション雑誌『nuts』の増刊ムック本としていた頃、前述のようなキャバ嬢を「小悪魔系」と呼ばれていた。ギャルファッションの多くは一般的な企業からの理解を得るのが難しいと言われており、自身のファッションスタイルを貫き通しながら社会人として活動する為には、そのファッション系統のアパレル販売員になるか、キャバクラなど風俗営業を行う店舗に従事するかの狭い選択肢しかなかった。したがって、ギャルファッションをする多くが社会人となった後にキャバ嬢として就業し、又、109系アパレルショップの顧客の多くにこうした職業の女性が多く、あるいはアパレルとキャバクラで表裏の関係があることが暗黙視されていた。この見方はギャルに憧れる女子高生、女子中学生、あるいは小学生などにまでキャバ嬢に対する支持を得ており[13]、実際に小悪魔agehaが創刊される以前より「夜の仕事に従事する人のメイクやファッション」が一定の注目をされていた。

浴衣を着たすすきのの女性。age嬢を意識した盛り髪をしているのが特徴
(写真は2010年

小悪魔agehaが創刊されると、雑誌に掲載されたage嬢のセルフメイクや私服が女子高生以下の若い年齢層の女性を中心に好評を博した[13]。ヘアスタイルに関しては基本が盛り髪巻き髪となり、メイクは目力を強調したものであるが、それまでのギャルと根本的な違いはそのメイク技術が非常に洗練されている点であり、又、服飾よりもメイクとヘアスタイルに特化した「美」そのものを追求した構成であったことが特に若い女性の間で評価された。又、それまでギャルが行うメイクに対して懐疑的、あるいは嫌煙していた層もage嬢のメイクを取り入れることによって、他のファッションジャンルへ変化を与えた要素も少なからずあった。その他にage嬢がメディアに注目された事によって小学生が将来なりたい職業の1位にキャバクラ嬢がランクインされるなど世論の変化も見られ、さらには今までは小学生の女児はほとんど化粧をしないものであったが、age嬢の影響によって非常に濃い化粧をする女児が登場するようになるなど広い分野で美意識に対して変化が見られるようにもなった。着物浴衣などの和服に関しても従来のギャルよりage嬢の方がより着用をするようになったともいわれる。

姫ロリの一種。お姫様をイメージとした金髪の巻き髪、オフショルダーで甘めのトップスは緩く衣紋が表現される為、ゴージャスなテイストが特徴
(写真は2010年頃)
姫ロリ

2007年 - 現在まで流行[14]。過去にロマンティック系(「ロマ」とも)と呼ばれていたファッションが派生したもの。姫ギャルとも呼ばれる。現在は元ジーザスディアマンテの社員であり、小悪魔agehaの登場モデルである三添桂子の兼ね合いでage嬢の一種と認識されている。他のギャルブランドのようにボディラインの強調や露出によるセクシーさを追求したものではないが、リボンやレースをあしらい、フリルやファー、刺繍、シースルー素材などふわふわした着用感はまるでロリータそのものを連想させる。しかし、メイクやヘアスタイルがロリータと大きく異なり、特にヘアスタイルはage嬢よりも巻きが多く、比喩するならばお伽話に登場するお姫様をギャル化させたような容姿となる。したがって、先述のage嬢の一種と認識されている通りに特有の強いメイクが特徴であり、つけまつげを使用して垂れ目や、大きな瞳をとことん強調する為、まさしくギャルの系統のファッションである事が分かる。その為、姫ロリはロリータ愛好者の中ではロリータファッションと認識されない傾向が強い。ロリータ愛好者の中での姫ロリとはBaby, The Stars Shine Brightのようなブランドを指すが、ギャル系としての姫ロリとは先述の三添桂子が以前店長を務めていた「ジーザスディアマンテ」や「LIZ LISA」、そのセカンドラインである「TRALALA」などを指す為、あるいはロリータファッションをギャルと同義に扱われる事を忌避している、又はそのブランドの店員と顧客のファッションの温度差(店員は姫ロリなのに、客は似て非なる姫系である等)が大きいとも言われ、それらを合わせて批判の対象となる場合が多い。

2010年代 -

2000年代のような劇的な変化や、奇抜な新しいギャルの系統の誕生はまだ見られないが、新しいギャルのカリスマとして西野カナが新しいポストとして支持されつつある。

海外での評価

海外から見たギャルに対する評価は賛否両論である。

マンバメイクのガングロコギャル達に、ホストになったギャル男キャッチを行う様子
(2000年初頭ごろ)
  • 日本へ来日した留学生の内、ファッション先進国の1つであるフランス人を中心とした意見を抽出すると女性に対しては『限りなく露出し、ハイヒールを履いている様がコールガールを連想する為、男性としては見た目には嬉しいが、どこに目をやっていいか分からない。』と言われている。又、いわゆる「ギャル男」にあたるファッションをする男性に対しても『なぜ極端にやせ細っていて、しかも自身の貧弱さを強調するかのようにボディラインの薄っぺらい服を着るのか?』と評価がなされている[15]
  • 外国人からみて日本の若者文化の中で狂っている(理解できない)と判断されるものが6つ発表された。内訳はデコトラギャルロリータ・ファッションホストヤンキーヴィジュアル系でギャルはロリータ・ファッションよりも狂った文化と評価された。外国人から見たギャルではギャルという1つのジャンルの中に複数のサブグループ(つまりは「ヤマンバ」や「ガングロ」など)があると認識しており、この派生で登場するギャルのサブグループが去年のものよりもさらに奇妙なサブグループが登場するとしている。日本人のギャルへの印象や認識に関しては『ある日、普通の女子高生が足を踏み外し、自分の髪の色を金髪にし、自分の学校の制服を信じられないほど短いミニスカートと信じられないほど垂れ下がった靴下ルーズソックス)を用いてセクシャライズに着こなし、顔を日焼けさせて自分の顔よりさらに濃い色のファンデーションでメイクをして、唇の色と同じ白いペイントで目にステッカーを描いている。』と、いわゆる制服着崩しやメイクのあり方など様々なギャルというファッションに対して酷評をしている。又、マンバに関しては『パンダの売春婦のように見える。』と評価。ヤマンバに関しては『自分の事を日本語で「山のババア」と称する女性。』と散々に書き下ろした。但し、ロリータやヤンキー、そしてお兄系にも関連するホスト、ヴィジュアル系など他のファッションにも風評をしている為、日本の若者文化の中でギャルだけが外国人に理解されていないとは限らない[16][17]
  • 逆に評価する向きとしては2009年9月29日放送のフジテレビめざましテレビ」の特集「渋谷に外国人ギャル流行」や、2010年3月20日放送のNHK総合テレビジョン東京カワイイ★TV」の特集「続々上陸!外国人ギャル軍団」などで、日本のギャル系ファッションがインターネットなどを通じて外国の若者たちから人気を集め、各国から実際に来日して渋谷でショッピングを楽しんでいる様子などが紹介された。身体的な特徴が似ているアジア系外国人ではなく、ヨーロッパ系外国人に流行していることが大きな特徴である。
  • 又、2010年1月14日放送のフジテレビ「めざましテレビ」の特集「英国ギャル渋谷道中」では、イギリスから初来日した一般人のギャルとギャル男の2名を、egg専属モデルの高橋由真(ゆまち)と田中愛奈が出迎えて渋谷を案内し、サンケイスポーツも取材している。尚、このイギリス人2名はイギリス国内でも有名であり特に日本の「マンバ」ファッションの熱狂的な崇拝者であり、母国イギリスの国営テレビ放送局BBCのインタビューでもマンバファッション特有のメイクやスタイルなどの魅力を伝えている[18]

その他のギャルの傾向

パギャル

「中途半端なギャル」の略で用いられる言葉。この意味はかなり広義で使用される傾向が強く、ファッションが成長過程であることから用いられる場合もあれば、あるいは所謂「ダサい」からパギャルと呼ばれる場合もある。又、外見だけでなくギャルの精神をあまり受け継いでいない女性に対してもパギャルと呼ばれる場合もある。パギャルを決める尺度はかなり個人での開きがあり、一般的には自分が気に食わないギャルに対する否定的な呼称、あるいは侮辱する場合に用いられる。

ヤンギャル

ヤンキーからギャルに変移する事、あるいはギャルへ発展する過程段階の事を指す言葉。先述のパギャルと違うのは「ヤンキーからギャル」という明確な意味を持っている点である。容姿や外見に対してヤンギャルという言葉が用いられる場合は、そのファッションがどこかしらヤンキーファッションを彷彿とさせる要素がある場合であり、あるいは前述のパギャルと同様に「ダサい」という事で侮辱する意味合いで呼称される場合もあった。元々、ギャルファッションが流行する過程にはヤンキー系女性がギャル系に変移した者が多かった事が起因しており、特に1990年代に同様の流れでギャルになった女性の事を「脱ヤン」とも呼ばれた。ヤンキーファッションも社会的アンチテーゼが強かった為、金髪や濃いメイクなど共通する点が多く、その為ヤンキーからギャルへ変移しやすかった事もこの言葉が誕生する切っ掛けとなった。

2004年頃から登場した「女性のスウェット族」に対してもヤンギャルと呼ばれる傾向があった。スウェット族の女性が増えた原因の1つにキグルミンの流行と衰退があり、若い女性が着ぐるみを着用して街を徘徊していた層がほぼそのままスウェット族に移った。又、キグルミンの着ぐるみも、女性のスウェット族が好んだスウェット衣料も共通してドン・キホーテでよく販売されていた人気商品であったのも増加の原因になったともいえる。その為、スウェット族の多くがメイクやヘアスタイルはギャル系のそれでありながらも、衣類は無地同色のスウェット素材の衣料上下(セットアップ)にキティサンという格好で外出するのが定番となった。こられを踏まえて、顔はギャルでありながらもファッションはヤンキーそのものであると評価された結果、あるいはその格好で深夜に駐車場などに座り込んで数人で談笑するギャルの習慣も相まって女性のスウェット族も同様にヤンギャルと呼ばれた。

その他の用途に、ヤンキーとギャルを大別せずに1つのジャンルに括った呼称として「ヤンギャル」と呼ばれる傾向もある。

ギャルみこしの様子
(写真は2010年7月23日)

ギャルみこし

大阪天満宮で開催される天神祭でにて毎年7月23日に行われている行事。1981年から続いており、地域文化の発展・振興と地域の活性化の一貫として天神橋筋商店街の四町会、四番街、天四北商店街、天五商店街、天六商店街の各商店街団体が中心となって企画された。このギャルみこしは毎年担ぎ手をオーディションにて募集する。オーディションでは参加者それぞれの得意とするかくし芸を面接審査で行って人選し、その中から優秀者は「ミス天神橋」(1名)「準ミス天神橋」(2名)として表彰される。尚、これら優秀者には副賞として海外旅行が贈呈される。2005年までの参加資格は満16歳~28歳の女性に限られていたが、2006年以降は年齢制限が撤廃された。また、ギャルみこしの担ぎ手に選ばれたメンバーはこの他に大阪市の各種公共イベント等に出席したり、海外姉妹都市等への招待を受けて演技することもある。2005年は第25回記念大会として、将来を担う子供たちと過去にギャルみこしを経験した母親との親子が参加する企画も行われた[19]

ギャルママ

子を出産し、育児を行う母親になったギャルのことをギャルママと呼ぶ。近年では2010年に発足した日本ギャルママ協会に所属している人もいる。

ノギャルプロジェクト

ギャルから実業家となった藤田志穂が2009年より行っているプロジェクト。都心から地方に向けて農業を行う人材を育成しようと「ノギャル」というプロジェクトを発案し、藤田は一旦代表取締役を辞任してこのプロジェクトに動いた。語源は「 + ギャル」である。この都心から地方に向けて農業や林業などに派遣を行うビジネスモデルは次第に定着しつつあり、実際に藤田の行いはギャルを含めた若者の農業に対する認識・関心が僅かずつではあるが高まりつつある[20]

ピンポイント・ファッション

ギャルファッションにおける時代毎の変移と流行

時代別ギャルファッションのキーワード及びマストアイテム
時代 名称 分類 説明
1990年代 ALBA ROSA ブランド 1990年代にギャル系が登場した際にカリスマブランドとして認識された。
アムラー 流行 安室奈美恵のファッションスタイルを崇拝する女性の事。ギャル系の発展とコギャルの登場に大きく影響。
ルーズソックス アイテム 履いてる状態がゆるい印象を与える靴下で、主にブレザーセーラー服を着用の上で、ローファーと組み合わせて履かれる。コギャルから制服の着くずしという文化が変化してゆき、それまでの制服の着こなし方が大きく変化させた現在でも定番的なアイテム。
ロングブーツ アイテム コギャル初期のアイテム。特に黒のスエード風のロングブーツが流行した。ブーツの流行はバブル期以前では短命に終わっていたが、コギャルへブーツが流行したことによって2007年にブーティーなどのショートブーツ化したファッションが発生するまで10年以上も定番となった。
パレオドレス アイテム パレオで女性が着るドレスが流行したもの。1枚布を結ぶだけの簡素なもので、夏に着用していた。
ビキニ アイテム バブル期からしばらくは水着の流行はハイレグであったが、ギャル系ファッションがビキニを支持していた。その後、他のファッションも海でのファッションにはビキニを着用する人が多くなった。
LOVE BOAT ブランド 1996年に創業したギャルブランドで、創業当時のこの時代は特に人気が高かった。移り変わりの激しいギャル系の流行にも定番的な地位を確立し、後にLDS(Love Drug Store[21])LB-03、LOVE GIRL MARKETなど展開している。
CECIL McBEE ブランド 同じく1996年に創業したギャルブランドで、同じく移り変わりの激しいギャル系の流行にも常勝的な地位を確立しているブランド。現在では新ブランド「Fabulous CECIL McBEE」も展開。同ブランドの代表取締役である木村達央は1996年という年を「渋谷にセクシーカジュアルの突風が吹いた」と評しており、実際にこの年に創業したブランドも多く、さらにはギャル系ファッションがより進展し始めた時期も1996年と重なる[22]
アイプチ アイテム 二重まぶたにする為のの一種で、特にギャルメイクを行う上で「目力(めぢから)を強める」というのは一つのキーワードとなっていた。アイプチをする事によって二重まぶたにする事が出来るが、その反面にギャルが好むメイクを行うには相応の技術が必要となりギャルによってアイプチが流行したものの、中にはメイクが難しくなるという理由でアイプチを使用する事を嫌煙する者もいた。
日焼けサロン その他 ガングロになる為には日焼けサロンは必要不可欠であった。若しくは黒系のファンデーションタンニングした肌の上から厚塗りしていた。尚、ガングロの略称には諸説があり、「ガンガン黒い」の略称、あるいは「顔黒」から来ているという説もある。ガングロよりも焼いた肌をゴングロ、さらに焼いた肌をバチグロと呼んだ。ただし、このスタイルの流行は地域差があり、例えば関西地方においては、隆盛を極めた時期でさえも、街中でこのようなスタイルの少女を見かけることは稀であった。
黒系のファンデーション アイテム
厚底ブーツ
厚底サンダル
アイテム ソール全体を厚くしたブーツとサンダル。1990年代末期に流行。厚底サンダルは1999年S/Sで流行したが、厚底ブーツは1998年 - 1999年A/Wと、1999年 - 2000年A/Wで流行した。ブーツに関しては前期と後期で種類が違い、初期はスエード調レザー用いたベージュかクリーム色のようなブーツが流行した。後期は前期のスエード調以外にレザー調の光沢感のある黒や茶色のブーツが流行った。特に後期は前期のものよりもスタイリッシュな造りが多く、編み上げブーツが特に流行した。
アニマル柄 色彩 1998年頃より流行。特にヒョウ柄ゼブラ柄が人気を博し、特にヒョウ柄はギャル系の代名詞的な色彩となった。当時、ギャルファッションのキーワードとしてワイルドなイメージを前面に押す、あるいは南国イメージが強いパッションな表現も多かった。この年のアニマル柄の大流行はギャルだけでなく他のファッションにも大きな影響を及ぼした。翌年以降より一旦はアニマル柄の流行は沈静化したが、ギャル系には散発的なヒットを繰り返すようになった。2005 - 2006年A/Wには再度ファッションと問わずにヒョウ柄が大流行している。
メッシュ ヘアスタイル ガングロからヤマンバが登場する過程で登場した、部分的な色違いの毛染めを施したスタイル。それまでは頭髪は茶髪金髪などに染色しているスタイルが多かったが、渋谷センター街を発祥として1999年頃に隆盛を極めた。
パラパラ 音楽 1990年代はパラパラは複数回流行したが、ギャルの間でパラパラが大きく流行したのは1990年代末期であった。特に当時はサークルを作って深夜徘徊を行っているギャル達が公園や路上などの公衆の面前でもパラパラの振り付けを行って楽しんでいる様子が伺えた。
2000年代 美白ブーム その他 2000年頃より流行した肌の美意識傾向の一つ。1999年頃より放映され始めたポンズ・ダブルホワイトのCMによって翌年より白い肌が尊重される美白ブームに取って代わった。これによりギャルの傾向が「白ギャル」や「お姉ギャル」という新しいタイプのギャルが登場した反面、従来の黒い肌を基調としたガングロが激減し、その影響でマンバ系のギャルも減少傾向となった。
ミニ浴衣 アイテム ギャルブランドの多くが夏になると浴衣を販売しており、これによりギャルの間で夏に浴衣を着る事が定着したが、2000年頃に「ミニ浴衣」というものが登場した。ミニ浴衣は通常の浴衣と比べて身頃が極端に短くなっており、ちょうどミニスカートくらいの丈となっている。ギャル浴衣以外に甚平も良く好んで着る切っ掛けになったとも言われる。
アユラー 流行 安室奈美恵の信者を「アムラー」と称した事から、浜崎あゆみの熱狂的な信者を「アユラー」と称された。ギャル傾向の白ギャル化が際立って目立つ中、浜崎は多くの支持者に偶像化されていった。
ミュールサンダル アイテム それまでは「ヘップバーンサンダル」と呼ばれていたものであったが、本格的に流行り始めたのは2000年代初頭からであった。当初流行ったものは非常にヒールが低いミュールが流行り、当時はヒールが低いサンダルの事をミュールと誤解する人も多かった。
メイベリン ブランド 日本でも知られるマスカラブランドの一つ。1996年にロレアルグループの傘下となった為に1999年頃より日本でのブランド展開を一新。2000年代よりCMが盛んになるとギャルもそのブランドの認知度が大きく向上した。これを危惧したコーセーはブランド「ヴィセ」のイメージキャラクターに浜崎あゆみを起用するなどして、マスカラ市場のギャルの動向はより激しいものとなり、同時にマスカラの性能はこの時期より飛躍的に向上した。
ストレッチファイバー メザイク アイテム 二重まぶた矯正アイテムの一つ。2000年に登場して以来、アイプチと二極で覇を競っており、当時メザイクの登場の際にはアイプチでの問題点を解決できたアイテムであるとして好評を博した。
金髪のショートヘア ヘアスタイル 浜崎あゆみの曲evolutionが発表された時期に起きたギャルの傾向。この時期に浜崎はロングヘアからショートヘアへとばっさり髪を切った為、これに感化されたギャル(特にアユラー)が一斉に髪を切ってしまい、ギャルの中でショートヘアが大流行した。
エクステ ヘアスタイル 2000年代初頭より流行。特に先述の浜崎のショートカット後にエクステをつけてロングヘア化した事が話題となって、多くのギャル(アユラー)達がマネをした。 これによりエクステをつける事が一般的となった。
トラパラ 音楽 2003年頃より流行。それまではパラパラが流行していたが、いつのまにかトラパラの流行に移行していた。ディスコには連日ギャルが多く居た。
ネイルアート 美容 キャル文化の中で特にネイルアートが2003年頃より一般的となった。特にネイルチップからスカルプチュアを実施する層が増えた。当時はまだジェルネイルがないために加工に時間がかかっていたが、それでも己の美の為に待つ労力も惜しまなかった。
デコ電 その他 ネイルアート技術の発展により、携帯電話をデコレーションする事も流行した。それまでも携帯アートというものがあったが、本格的なものになるとエアブラシなどを使わなければならない為に専門的な知識や技術が必要であったが、デコ電は個人でも比較的楽しめた。又、ネイリストがネイルアートの技術を用いて本格的なデコ電にする事も可能であった為、特に若い女性が好むデザインに仕立て上げる事も可能であった。これにより当初はギャルの間で流行し、後に一般的な女性や幼い子供でもデコ電にする傾向が広まった。
ケツルル アイテム サーフ系の復活により、2004年頃よりCOCOLULUの人気が高まる。同ブランドのジーンズで尻部にロゴがプリントされたものが爆発的にヒットし、これを「ケツルル」と呼んだ。
エロカワ 流行 2005年頃より倖田來未がギャルのカリスマとして人気を博すと、当時の倖田が「エロかっこいい」と形容されはじめ、又、本人も女性へのメッセージとして性愛に対してオープンになるように発言した事から、女性達が「エロ」に対して非常に寛容になった。これにより、ファッションに関して「エロカワ」という要素が確立し、男性から見た性的興奮を狙ったファッションが評価されるようになり、挑発的な露出(例:胸の谷間が見える、太ももが見えるように強調した服装)をエロカワイイという位置付けとした。この現象は当初ギャル系が先行して受け入れたが、次第にSeventeenなどのコンサバなティーンズファッション雑誌や、ViViを中心にCanCamJJRayなどの赤文字雑誌(いわゆるお姉系)にも広がり、ファッションがより男性の視線を意識したものに変移していった。
ショーパン アイテム 日本で1970年代に流行したホットパンツの再来。2006年頃より流行。当初の雑誌ではホットパンツと銘打ったが、次第にショートパンツと呼ばれ、やがては「ショーパン」と略されるようになった。従来のミニスカートよりも脚のコーディネイトの自在性が前面に出される事と、スカートと比べて活発な行動が可能であり、特にパンティを見られる可能性が極限に低下させる事が出来る、あるいはスカートよりも防寒性があるのは大きなメリットでもあった。
又、同年より「ニーハイ丈」という一つのファッションキーワードが登場した。これは2006年当時の美脚ブームから派生するもので、ショートパンツで脚の露出を上げて膝上丈(ニーハイ丈)のロングブーツや、ニーハイソックスとコーディネイトすることによって、脚を長く見せる効果があった。特にニーハイソックスに関してはギャル系だけでなく他のファッションにも大きな流行を及ぼした。
ニーハイ丈 流行
デカ目 流行 2006年に雑誌「小悪魔ageha」が創刊されて顕著になった傾向。メイク技術によって「目を大きく見せる」というものが1つの目標となり、この傾向を「デカ目」と呼んだ。アイメイク用の化粧品も販売競争が激化し、大手化粧品メーカーの資生堂も「MAJOLICA MAJORCA(マジョリカ マジョルカ)」などの若年者向けレーベルでラッシュ・エキスパンダーネオというマスカラを発表させるなど、ギャル(age嬢)のメイクには各化粧品メーカーが注目していたといえる。
又、この他にもカラーコンタクトレンズを取り扱うメーカーも注目しており、医療機器関連メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソンも2005年2月にコンタクトレンズワンデー アキュビュー ディファイン」を発売。黒目を大きくくっきり見せれるとして爆発的な人気を博した。翌年11月にはより目を大きく見せれる「VIVID STYLE」が発売された。しかし、しっかりとした医療機器として販売される商品がある中、雑貨として「おしゃれ用カラーコンタクトレンズ」が医師診断なく販売され、特にインターネットや雑誌の広告などによって通信販売などがされた結果、購入者からその取り扱いの不備によって様々な事故(眼障害)が報告されるなどの事件が発生した。その結果経済産業省厚生労働省が厳密に薬事法による取り扱いを行う製品にする事が発表されるなどデカ目から派生したカラーコンタクトレンズ問題は大きな物議を醸す事となった[23]
ハイブランド その他 小悪魔agehaによってキャバクラ嬢が注目されるようになると、彼女等が所持しているルイ・ヴィトン(特にモノグラム・マルチカラーやダミエ・アズールなどの柄)、クリスチャン・ディオールシャネル(カンボンラインなど)、コーチなどのバッグや財布などを社会人のギャルだけでなく高校生や中学生のギャル達も所持する事が非常に多くなった。しかし、高価なブランドである為に商品を安価に入手する為にインターネットオークションを利用して並行輸入品と呼ばれるものを入手する者も多く、その結果コピー商品を掴ませられるなどの問題ともなっている。
ムートンブーツ アイテム 2007年頃より流行したブーツ。表面はスエードで起毛処理された革(ムートン)を使用し、内側にファーが施されているブーツで、長さは従来のロングブーツと比較するとふくらはぎ丈ほどしかないもの。「シープスキンブーツ」とも呼ばれる。元はアグ・オーストラリアが発売するアグブーツと呼ばれるものがこのデザインの原点であり、サーフィンをする者が足先を冷やさぬように施されたブーツで、2006年頃ロサンゼルスで流行しサーフ系セレブファッションとして日本に伝わった。尚、日本では本物のムートンが使用されていなくても形状のみでムートンブーツと呼称される傾向がある。春先までブーツとして、特にブーツの履き口を折って中のムートン部を外に露出して使用する事もできる2通りの使い方が出来るとして定番化しつつある。
カラータイツ アイテム 2007 - 2008年に流行。ショートパンツが定番アイテムとなった結果、前年度にはレギンスタイツと組み合わせてコーディネイトする女性が増えたが、翌年にはタイツのカラー版が登場した。様々な色やデニールの太さ細さによって透け感の演出など服飾のアクセントとして取り入れる事が出来た為流行した。前述のムートンブーツと合わせやすかったのも人気の理由となっていた。
ブーティー アイテム 2007年秋頃より流行。日本では1990年代中盤より10年以上もロングブーツが定番化してしまっていた為に、当時ブーティーはかなり画期的かつ斬新なアイテムであり、同年夏から流行の兆しがあると予測されながらも当初はこれを新しいファッションアイテムとして使いこなせる女性が少なかった。形状はブーツをアキレス腱辺りで切ったような形状をしており、ショートブーツに位置付けられる。これも前述のカラータイツの登場や、ミニスカートからショートパンツへボトムのファッションが切り替わった事による「美脚化」の流れであった。次第にブーティーとの組み合わせが考えられた結果、翌年以降からも定番化した。

主なブランド

ギャルモデルの撮影風景
(左右)白ギャル
(中央)黒ギャル
(※:2009年池袋にて)
ALBA ROSA(アルバローザ)
かつてのギャルのカリスマブランド。ロゴにハイビスカスの花を用いている。宮下美恵がギャルのアイコンとなり、大流行[24]
COCOLULU(ココルル)
現役のギャルのカリスマブランド。サーフ系を中心としている。かつて丸井に入っていたが、すでに閉鎖をし渋谷109に入っている。2004年頃には後ろにCOCOLULUのロゴが付いてあるジーンズが流行り、「ケツルル」と呼ばれた。
BLUE MOON BLUE(ブルームーンブルー)
109や丸井に入っているサーフ系のカリスマブランド。ハイビスカスの花を用いたTシャツやパーカーなどが多い。
ROXY(ロキシー)
かつて渋谷109にも入っていたサーフ系ショップ。こちらも宮下美恵がギャルのアイコンとなり、大流行丸井で取り扱ったり、渋谷109には2003年、4月BLUE MOON BLUE(ブルームーンブルー)のサーフ系ショップがオープンをした関係で、ROXY(ロキシー)のショップは渋谷109から撤退となった。
EGOIST(エゴイスト)
1999年に渋谷109にオープンをしたカリスマブランド。
JSG(ジェイエスジー)
最近になって渋谷109にオープンをしたカリスマブランド。ハデ色パーカーやネコの耳がフードについたパーカーなどを取り扱っている。渋谷109以外には大宮アルシェに入っている。
 
ギャルのアイメイクの一例。特にギャルは「目力」を強調する為、念入りに行う。
の粘膜にまでラインを入れてマスカラを重ね塗りしてまつげをカールさせて目を大きく見せる。白人のメイク技術に近い。

ギャルのメイク

ギャルになるための最低限の法則として、以下の手法が挙げられる。

  • アイメイク
  • 髪盛り
  • ファッション

ファッションに関しては前述までのギャルの派生や系統で紹介した為に割愛するが、上記のアイメイク、髪盛りはギャルファッションを行う上で必須といっても過言ではない[25]。ギャルメイクの手法は年代別に変化をしている。1990年代のギャルのメイクは2010年代に比べると比較的ナチュラルなメイクが流行し、1980年代のバブル期のメイクに比べるとパーツ毎に極端な色を表現するような(※:例、真っ赤な口紅やいかにも書いたような濃いブローなど)メイクが廃れ、ベージュ系など比較的柔らかい色のメイクが主流となった。又、チークを使用したりして肌のコントラストを表現して立体的に見せるメイクが多くなり、あるいはマスカラで目の大きさを強調したり、眉毛を形状を加工し、目元のシャープさを印象付けるものが多くなった[26]

2000年代に入ると、化粧品が驚異的に進化を遂げ、又、ギャルなどの若年層が好む安価な化粧品もドラッグストアコンビニエンスストアで販売されるようになる。又、資生堂なども大手ブランドも若年者向けレーベルが販売されるようになり、代表的なレーベルにマジョリカマジョルカなどが挙げられる。又、ギャル文化において、小悪魔agehaのようにメイクとヘアスタイルに突出したファッション雑誌の登場は必要不可欠なものであり、それまでにも各ギャル雑誌にてメイクの手法が取り上げられてはいたものの、キャバクラ嬢のメイクやヘアスタイルがクチコミ的に注目されていたのも相まって、このような雑誌の登場は自明の理であったとも言える。現在のギャルメイクはアイメイクに8割の時間と労力が掛けられているといわれる。これは1990年代のギャルの頃から「目で落とす(男を落とす)」というのもキーワードになっていた為でもあり、それから発展した現在のアイメイクは肌のコンディションも自在に操れる高等な技術といっても過言ではない[27]

ギャルのヘアスタイル

ギャルのヘアスタイルも時代と共に大きな変化を見せた。コギャルブームの1990年代ではストレートヘア茶髪が流行し、その後金髪が目立った。中でもメッシュと呼ばれる部分的な脱色が1999年頃に隆盛したが、2000年にはいってから次第に巻き髪のギャルが増え始めた。又、頭髪を金髪に見せる技術もこの頃より進歩を見せ、それまでは単にブリーチと呼ばれる漂白剤を何度も髪になじませて頭髪の色素を落として金髪に見せていたが日本人の髪は脱色を繰り返しても黄味だけが残り黄色く仕上がってしまう為、脱色後にカラーリングとして青みがかったヘアカラーリング剤を含ませる事によってより自然な金髪に見せる。こうしたヘアカラー技術が発達し、金髪だけでなく「ミルクティ色」など甘めな印象を与えるカラーリングも登場し、次第にヘアカラーが10代や20代には一般的となり、それに伴って市販品でも新商品が続々と発売された。

前述のギャルのメイクでも記した「小悪魔ageha」の影響はヘアスタイルでも大きく作用し、巻き髪盛り髪という概念が登場する[28]。これは2000年頃より愛知県を中心に発祥した名古屋嬢が起因しており、他の地区よりも早くから中部圏では女性が巻き髪や盛り髪を行っており、特にロングヘアに太い縦巻きのカールがついたヘアスタイルを「名古屋巻き[29]」と呼ばれ、これがキャバクラ嬢にとって必須のヘアスタイルとなった。又、小悪魔agehaが創刊されるとそれらのヘアスタイルが日本全国に流行する事になり、市販品でもカーリングトングストレーナーなどのヘアーアイロンが様々なメーカーから販売されるようになり、女性の間でも特にギャルにとっては必須のアイテムとなっていった。

(左)COCOLULUのアイテムを多用したアメカジ風のギャル。60年代 - 70年代風のヘアスタイル。
(中)アッシュ系のカラーリングを施したストレートヘアの黒ギャル。
(右)姫系のギャルに良く見られる金髪の外巻きカール。(※:age嬢に良く見られるヘアスタイル)

安カワブランド

安カワブランドとは、「安くて可愛いブランド(やすくてかわいいぶらんど)」の略称。ギャル系のファッションアイテムやメイク用品などを安価で販売している店や安価で可愛い商品そのものを指して単に「安カワ(やすかわ)」と呼ぶ場合もある。

渋谷センター街入口。右手はQFRONT
渋谷のギャル系や渋谷系のファッションビル
東京都渋谷区渋谷駅ハチ公口前の地域に大小様々な店が集中している。主なエリアは、渋谷駅ハチ公口前の西側へ伸びる「渋谷マークシティ京王井の頭線)」から時計回りに、道玄坂百軒店文化村通り東急百貨店本店Bunkamura前)、渋谷センター街スペイン坂井ノ頭通り渋谷公園通り側へ伸びる「JR線山手線)」手前のファイヤー通り渋谷消防署前)あたりまで。
J Machree
ファッションビル。渋谷店は渋谷センター街奥にある。
Jam Pixy
ファッションビル。渋谷店は宮益坂渋谷郵便局横にある。
ドン・キホーテ
ディスカウントストア。メイク用品や雑貨を扱う。略称は「ドンキ」、渋谷店は東急百貨店本店前にある。
ユニクロ
ファストファッション店。渋谷店は「渋谷駅中央口店」「道玄坂店」「スペイン坂店」の3店舗がある。
ユザワヤ
手芸工芸用品の専門店。ネイルアートデコレーション携帯電話(デコ携帯)の素材などを扱う。渋谷店は渋谷BEAM内。
マツモトキヨシ
ドラッグストア。略称は「マツキヨ」、渋谷店は道玄坂下に「渋谷Part1店」「渋谷Part2店」の2店舗がある。薬局だが、メイク用品や美容関連商品などを扱う。
しまむら
ファストファッション店。この店を好む顧客層は「しまラー」と呼ばれる。

ギャルがよく行くショップビル

渋谷駅ハチ公口前交差点から道玄坂下交差点を望むと、SHIBUYA 109 の正面が見える。

ギャル系や渋谷系のファッションを扱う大型のファッションビルファッション雑誌マスメディアなどで取り上げられるブランドが多く出店しており、カリスマ店員などの特集が組まれることもある。

109
渋谷店は2店舗。道玄坂にある「SHIBUYA 109(しぶや・いちまるきゅー)」は通称「まるきゅー」。渋谷駅ハチ公口前にある「109-2(いちまるきゅー・つー)」は通称「きゅーつー」。
丸井
渋谷店は2店舗。神南一丁目の交差点を挟んで、渋谷駅側が「マルイジャム」、渋谷神南郵便局側が「マルイシティ」。
パルコ
渋谷店は2店舗。渋谷公園通り前の「PARCO part1」と、その裏手の「PARCO part3」。「PARCO part2」は2007年に閉鎖。
その他

主なギャル系雑誌

ギャル系や渋谷系のファッションを扱うファッション雑誌を挙げる。なお、記載順は月刊誌として定期刊行が開始された創刊年度に従った。詳細は各誌の項目を参照のこと。[30]

発刊中

popteen
1980年角川書店が創刊。ティーンエイジャーの女性向けファッション雑誌の先駆け的な存在。1990年代の「女子高生ブーム」に合わせ、編集方針を大幅に変更して現在に至っている。
egg
1995年大洋図書が創刊。素人の読者モデルを積極的に採用し、スタジオ撮影ではなく渋谷の街中でスナップ撮影したポラロイドプリクラの写真を多用するなど、「コギャル」以降のギャル系ファッションに大きな影響を与えた。読者の一人で、後に「小悪魔ageha」編集長となる中条寿子は当時の衝撃を「10代の頃いきなり出てきて(創刊されて)あれだけ売れた。(eggは)私にとって神様みたいな存在」だったと述べている。[31]1999年に同社が創刊した「Men's egg」も参照のこと。
S Cawaii!
2000年主婦の友社が創刊。同社の「Cawaii!」よりも高い年齢層を対象にした。
Ranzuki
2000年ぶんか社が創刊。
BLENDA
2003年角川春樹事務所が創刊。
Happie Nuts
2004年インフォレストが創刊。
GISELe
2005年主婦の友社が創刊。
美人百花
2005年角川春樹事務所が創刊。
小悪魔ageha
2006年インフォレストが創刊。「age嬢」以降のギャル系ファッションに大きな影響を与えた。
JELLY
2006年ぶんか社が創刊。
ES POSHH!
2006年リイド社が創刊。同社の「Ego system」の後継。

休刊

Cawaii!
1996年主婦の友社が創刊。2009年に休刊
Ego system
2004年リイド社が創刊。2006年に休刊。

関連人物

脚注

  1. ^ 日本語大辞典(講談社)、新版実用辞典(角川書店)
  2. ^ “≪70年代のファッション≫”. ファッションの歴史. http://www.fashion-rekishi.com/70.html 2011年2月23日閲覧。 
  3. ^ 西田善太(2009年)の18頁参照。
  4. ^ 西田善太(2009年)の18頁参照。
  5. ^ クイズ!年の差なんて』(フジテレビ)のヤング問題で「コギャルは何の略?」という問題が出題されたとき、「高校生ギャル」を正解としていたことがある
  6. ^ “Japan: Sex, Teenage Girls and Consumerism”. ed strong. (2006年4月6日). http://www.edstrong.blog-city.com/japan_sex_teenage_girls_and_consumerism.htm 2011年2月23日閲覧。 
  7. ^ 西田善太(2009年)の19頁参照。
  8. ^ “日本年轻人用语”. 贯通日本学习频道. (2004年7月25日). http://www.kantsuu.com/Article/200407/20040725133700_6049.shtml 2011年2月24日閲覧。 
  9. ^ 当然ながら、当時のALBA ROSAはレディスのみでメンズの取り扱いはなかった為、事実上の女装である。
  10. ^ 西田善太(2009年)の19頁参照。
  11. ^ “サイケギャル・ヒッピイギャル - Psy Gal / Hippie Gal”. Gal International. (2008年1月16日). http://galinternational.webs.com/fashionblog.htm?blogentryid=2799518 2011年2月24日閲覧。 
  12. ^ 西田善太(2009年)の19頁参照。
  13. ^ a b “「キャバ嬢」は女性「憧れの職業」 ブログやテレビでアイドル扱い”. J-Cast News. (2008年5月21日). http://www.j-cast.com/2008/05/21020404.html?p=all 2011年2月24日閲覧。 
  14. ^ 西田善太(2009年)の19頁参照。
  15. ^ “フランス人が日本に来て驚く14のこと”. MadameRiri. (2010年3月25日). http://www.sylvaniafamily.com/madameriri/2010/03/25/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E4%BA%BA%E3%81%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E6%9D%A5%E3%81%A6%E9%A9%9A%E3%81%8F%EF%BC%91%EF%BC%94%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8/ 2011年2月23日閲覧。 
  16. ^ “外国人が「狂っている」と驚愕した日本6つの若者文化”. MONEYzine. (2010年6月13日). http://moneyzine.jp/article/detail/185843 2011年2月23日閲覧。 
  17. ^ “6 Japanese Subcultures That Are Insane (Even for Japan)”. Cracked.com. (2010年6月7日). http://www.cracked.com/article_18567_6-japanese-subcultures-that-are-insane-even-japan.html 2011年2月23日閲覧。 
  18. ^ “British followers of Japanese fashion”. BBC. (2009年7月3日). http://www.sanspo.com/geino/news/100114/gnj1001141728014-n1.htm 2011年2月14日閲覧。 
  19. ^ “天神祭ギャルみこし”. 天神祭ギャルみこし 公式サイト. http://www.galmikoshi.com/ 2011年2月24日閲覧。 
  20. ^ “「ノギャル」藤田志穂さん、農業体験希望者募集-今月「シブヤ米」田植え”. 秋田経済新聞. (2009年5月15日). http://akita.keizai.biz/headline/633/ 2011年2月24日閲覧。 
  21. ^ 初期の頃はLove Boat Drug Storeが正式な屋号であり、事実上LOVE BOATのセカンドラインであった。
  22. ^ “転機は「渋谷にセクシーカジュアルの突風が吹いた」96年渋谷の魅力は情報力。ますます若い人に魅力ある街に”. 木村達央 (渋谷文化プロジェクト). (2009年). http://www.shibuyabunka.com/keyperson2.php?id=77 2011年2月26日閲覧。 
  23. ^ “おしゃれ用カラーコンタクト、規制へ 事故多発受け”. 朝日新聞. (2008年7月10日). http://www.asahi.com/health/news/TKY200807100116.html 2011年3月6日閲覧。 
  24. ^ ALBA ROSAは全国の店舗を閉鎖していたが、最近「大人のラグジュアリー・エイジレスファッション」をコンセプトとしたALBA ROSA JAPANとして生まれ変わって、新しい店舗をオープンさせている。
  25. ^ “ギャルの法則”. ギャルメイクやり方講座. http://www.galmake.net/c1/3.html 2011年2月26日閲覧。 
  26. ^ “ナチュラルメイクの90年代”. ギャルメイクやり方講座. http://www.galmake.net/c1/6.html 2011年2月26日閲覧。 
  27. ^ “2000年代のギャルメイク”. ギャルメイクやり方講座. http://www.galmake.net/c1/7.html 2011年2月26日閲覧。 
  28. ^ “キャバ嬢をリスペクト「小悪魔ギャル」って何だ?!”. ZAKZAK. (2008年1月21日). http://www.zakzak.co.jp/gei/2008_01/g2008012129_all.html 2011年3月17日閲覧。 
  29. ^ “【名古屋巻き】美容院用語辞典・ヘアサロン用語集”. 岐阜美容院Navi.. (2010年). http://www.ghs-navi.com/Nagoya-rolling.html 2011年3月17日閲覧。 
  30. ^ ファッション雑誌ヘッドライン「廃刊/休刊雑誌一覧」より。
  31. ^ 日経エンタテインメント!」(日経BP、2008年07月号)の特集記事「雑誌を面白くする3大キーワード/姫ギャル・ユニセックスマンガ・スターモデルって何?」より。

参考文献

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