スナップ写真

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スナップ写真の一例

スナップ写真(スナップしゃしん)は、下準備その他特にせず、日常のできごとあるいは出会った光景を一瞬の下に撮影する写真スナップショットとも。

概要[編集]

撮影される人物が身構えている写真スタジオでの撮影や記念撮影などに対し、日常の緊張が取れた姿(カメラを意識しない姿)から撮影される人物の自然さ(による魅力)を引き出し、記録するものである。

スナップ写真と肖像権[編集]

日本[編集]

人には、みだりに肖像を撮影されない権利[1]、勝手に肖像を公開されない権利[2]があり、肖像の利用について財産権があると認められているので、勝手に他人を写してはいけない、というのが肖像権の考え方である。いっぽう、スナップ写真の魅力・命は、撮影される人物の自然な様子なので、許可を取ってから撮影するのでは、その魅力・命が失われてしまう。撮影してから許諾を取るという方法もあるが、簡単ではないので、スナップ写真の撮影は、(2010年からみて)ここ10年ほどの間に、困難をともなうものになってきている[3]。 この趨勢のなかで、写真家のなかには、「見ていいものは撮ってもいい」旨の主張を提示してみる動きが起こっている[3]。 しかし一方で、テジタルカメラや携帯電話に付いているカメラ、インターネットの普及により、誰でも簡単に撮影でき、誰でも簡単に広く公開できるようになったことから、撮影・公開が、出来る人が限られていた時代にくらべて、モラルを欠いた者が、心ない行為も行えるようになり、マナーが問われるケースが増えているという事実もあると日本写真家協会専務理事 松本徳彦は言及した[3]2010年頭時点では、人物を撮影するにあたって、「どこまでがみだりな撮影か」について定着した解釈はない。写真に写った群集の一人一人に許諾を得る必要はないが、個人を特定できる写真には許諾を取った方がより安全である、と考えられている[3]

米国[編集]

「表現の自由および言論の自由」は、個人の肖像権よりも何よりも民主主義の絶対的な条件として最優先されるという、権利章典 (アメリカ)の修正第1条[4]により、撮影者および写真加工者の権利が優先されている。 フィリップ=ロルカ・ディコルシアによる公道を歩く一般人に遠方からフラッシュを当て、さらに望遠で撮影した写真を発表したHeadsシリーズの場合では、販売を伴っていても芸術作品であることから勝訴した[5]

脚注[編集]

  1. ^ 「何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有し、警察官が、正当な理由もないのに、個人の容ぼう等を撮影することは、憲法一三条の趣旨に反し許されない。」最高裁昭和44年12月24日大法廷判決・最高裁判所刑事判例集23巻12号1625頁 ただし刑事事件かつ警察官の撮影についての言及。
  2. ^ 「人はみだりに自己の容ぼう,姿態を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有し,ある者の容ぼう,姿態をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは,被撮影者の社会的地位,撮影された被撮影者の活動内容,撮影の場所,撮影の目的,撮影の態様,撮影の必要性等を総合考慮して,被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍すべき限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである。」 損害賠償請求事件 平成15(受)281 平成17年11月10日判決
  3. ^ a b c d 朝日新聞 2010年2月13日 文化欄
  4. ^ 合衆国議会は、国教を樹立、または宗教上の行為を自由に行なうことを禁止する法律、言論または報道の自由を制限する法律、ならびに、市民が平穏に集会しまた苦情の処理を求めて政府に対し請願する権利を侵害する法律を制定してはならない。
  5. ^ ニューヨーク近代美術館よりフィリップ=ロルカ・ディコルシアによる作品と訴訟の事例(英文)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]