千葉県立中央博物館

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Japanese Map symbol (Museum) w.svg 千葉県立中央博物館
NATURAL HISTORY MUSEUM AND INSTITUTE,CHIBA
千葉県立中央博物館02.jpg
施設情報
専門分野 自然科学・歴史[1]
事業主体 千葉県
開館 1989年平成元年)2月6日[2][注釈 1]
所在地 260-8682
千葉市中央区青葉町955-2
位置 北緯35度35分59秒
東経140度8分18秒
プロジェクト:GLAM

千葉県立中央博物館(ちばけんりつちゅうおうはくぶつかん)は、千葉県千葉市中央区の県立青葉の森公園内にある房総自然誌と歴史に関する総合博物館である[1]1989年(平成元年)2月6日に開館した[2][注釈 1]

常設展示のテーマは、「房総自然人間」である。

野外に設けられた「生態園」は当施設の主要施設で[4]房総の代表的な自然を再現しており[5]、様々な動植物を身近に観察することができる。

1999年(平成11年)3月12日に分館として勝浦市海の博物館が開館[6]。同様に山の分館も計画されたが、千葉県の財政悪化などもあり建設は延期されるに至った。また千葉県の県立博物館の再編によって、2006年(平成18年)には香取市の県立大利根博物館が中央博物館大利根分館に、大多喜町の県立総南博物館が中央博物館大多喜城分館に改組された。

概要[編集]

開館当初、館長は、初代は沼田眞(植物生態学・1989年(平成元年)[4]-1998年(平成10年)[7])、千原光雄(海藻学・1998年(平成10年)[7]-2002年(平成14年))と学者が就任。

この館は、それまでに建設されていた千葉県の県立博物館群の中枢的機関として構築された。また、日本の植物生態学の草分け的学者であった千葉大学理学部名誉教授沼田眞を準備室段階から初代館長として迎え、当時日本の生態学や分類学の分野で際立った研究をしていた大学院博士課程修士課程を修了直後の若手研究者を、学芸員技師として多数採用した[注釈 2]

1992年(平成4年)には「房総の生物相の起源を調査すること」を目的として北マリアナ諸島へ調査団を派遣し[8]、新種の動植物を多数発見して房総との関連を裏付ける資料を得るなどの成果を得た[9]。また、同年には当館の研究員が日本産のハネカクシに1000の新種が存在することを明らかにしたほか[10]2008年(平成20年)には当館の館学芸員の朝倉彰がアジア人としては初めて国際甲殻類学会会長に選ばれる[11]など研究活動が展示と並行して進められている。

また、「分類学の父」とされるカール・フォン・リンネの直筆の学位論文などの資料5,397点を1993年(平成5年)に購入して収蔵し[12]、それらを用いて翌年の1994年(平成6年)10月から「リンネと博物学」展を開催する[13]など資料の収集や研究を展覧会などに反映させている[注釈 3]

総合博物館ではあるものの、常設展示は設立の前史の経緯もあり、自然史的展示の比重が大きい。ナウマンゾウの骨格標本、清澄山の照葉樹林東京湾の干潟のジオラマ、などが目立った展示物であるが、景観生態学的観点に立った谷津田の生態系や伝統的な農村生活の展示、千葉県産の主要な昆虫標本を収めた標本箱を壁一面にはめ込むなど、膨大な主要分類群の標本を一室に集めた生物の分類展示などにこの館の特色を見出せる。純人文分野の展示では千葉県の通史が解説されており、重要文化財銚子市常灯寺の木造薬師如来座像の複製など各地で現地管理されている県内主要文化財のレプリカが多く展示されている。

施設[編集]

施設概要[編集]

  • 設計者 : 日本設計
  • 敷地面積 : 13,178m²
  • 延床面積 : 15,253m²
  • 所在地 : 〒260-0852 千葉市中央区青葉町955-2

館内[編集]

1階
  • 講堂
  • 研修室
  • 学習情報センター
  • 閲覧コーナー
2階
  • 受付
  • 房総の地学展示室
  • 房総の生物展示室
  • 海洋展示室
  • 生物の分類展示室
  • 小動物展示室
  • 房総の歴史展示室
  • 自然と人間のかかわり展示室
  • 体験学習室
  • 企画展示室
  • ミュージアムショップ
  • 軽食喫茶「あおば」

野外[編集]

  • 生態園

分館[編集]

利用情報[編集]

  • 開館時間 : 午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
  • 休館日 : 毎週月曜日(月曜日が休日の場合は翌日火曜日)、年末年始、その他臨時休館日
  • 入館料 : 常設展: 一般 300円、高・大学生 150円、企画展開催中: 一般 500円、高・大学生 250円 *生態園は無料
中学生以下、65歳以上、身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳所持者及び介護者は無料

アクセス[編集]

電車・バス[編集]

  • JR千葉駅東口7番乗り場から京成バス(「大学病院」行き、「大学病院南矢作」行き、「川戸都苑」行き)で約15分、「中央博物館」下車、徒歩7分
  • JR千葉駅東口2番乗り場から千葉中央バス(「中央博物館」行き)で約20分、終点「博物館・文化ホール」下車、徒歩1分
  • JR蘇我駅東口の2番乗り場から千葉中央バス小湊鉄道バス(「大学病院」行き)で約15分、「中央博物館」下車、徒歩約5分
  • 京成千葉寺駅から徒歩約20分

自動車[編集]

青葉の森公園北口駐車場普通車127台、大型車8台)が近くにある。料金は普通車が4時間までは300円で4時間を超えると600円、大型車は1日2400円。利用時間は8:30~17:30。

周辺情報[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ a b 1989年(平成元年)2月7日から一般公開[3]
  2. ^ こうしたいわゆる「役人の論理」とは異なる「学問の論理」に基づく博物館建設は、日本の行政機構上は困難であるというのが当時の常識であったが、当時の千葉県知事が日本の生態学界や千葉県の自然保護に関して大きな力を持っていた沼田眞の実弟沼田武であったという奇貨ともいえる組み合わせにより、当時としては常識はずれのこの事業が可能になったと言われている[要出典]。これにより千葉県内では「沼田記念館」などと揶揄されている[誰?]ただし、実際には沼田眞が1948年に設立し、彼自身が40年間に渡り会長を勤めて育て上げた千葉県生物学会の研究活動がこの博物館建設の前史としてあり、この学会から1965年以来千葉県当局に出されてきた自然史博物館建設の要望と、会員による研究活動、資料収集活動が四半世紀近くの地道な活動を経て結実したものであることが、この博物館の設立の根底にあることを見逃してはならない[要出典]。 こうした、初動体制から実績ある学界の主導的立場にある学者を権限ある館長職に迎えて統率をとらせ、先端部分で注目されている若手研究者を大量採用して実働部隊とする手法は、豊富な研究成果と活発な社会教育活動につながり、先進事例として1980年代末から1990年代前半にかけて日本の各県で建設された多くの大型県立博物館に踏襲された。こうした例は、兵庫県立人と自然の博物館霊長類学河合雅雄館長、滋賀県立琵琶湖博物館と動物生態学の川那部浩哉館長の組み合わせに、その典型例を見ることができる。
  3. ^ 当館の「リンネと博物学」展を生物学者でもある天皇陛下が皇后陛下と共に観覧した。

出典[編集]

  1. ^ a b “夏休みに訪ねたい県都の文化施設 6 県立中央博物館 房総の自然や歴史紹介”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 12. (2004年8月12日) 
  2. ^ a b “歴史、風土、自然の今昔ひと目で 千葉県立中央博物館 きょう開館”. 千葉日報 (千葉日報社): pp. 5-7. (1989年2月6日) 
  3. ^ “房総の自然詳しく紹介 「県立中央博物館」 きょうから一般公開”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 1. (1989年2月7日) 
  4. ^ a b “新しい顔 “目玉”は「生態園」 県立中央博物館初代館長 沼田真氏”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 1. (1989年1月16日) 
  5. ^ “房総の代表的な森や草地を再現 中央博物館 6月に生態園が完成”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 12. (1990年1月6日) 
  6. ^ “体験で房総の海学ぼう 勝浦 海の博物館 きょうオープン 開館式典に200人”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 15. (1999年3月12日) 
  7. ^ a b “新館長に千原氏 県立中央博物館”. 千葉日報 (千葉日報社): p. [要ページ番号]. (1998年4月4日) 
  8. ^ “忙人寸語”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 1. (1992年5月5日) 
  9. ^ “北マリアナ諸島調査団 新種の動植物多数発見 房総との関連明らか”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 19. (1992年7月8日) 
  10. ^ “日本産ハネカクシ 1000の新種が判明 千葉・中央博物館直海研究員”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 11. (1992年8月25日) 
  11. ^ “アジア人初 国際甲殻類学会次期会長に 県中央博物館学芸員 朝倉彰さん(50) 「国際化促進」へ意欲 来秋東京大会、準備に奔走”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 14. (2008年7月21日) 
  12. ^ “スウェーデンの生物学者 リンネの資料、県が購入 学位論文など5397点”. 毎日新聞 (毎日新聞社): p. 19. (1993年1月19日) 
  13. ^ “博物分類学の父 リンネ 国内初のコレクション展 県立中央博物館”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 12. (1994年10月2日) 

外部リンク[編集]