タブノキ
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タブノキ | |||||||||||||||||||||
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タブノキ
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Machilus thunbergii Siebold et Zucc. (1846) | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
Persera thunbergii (Siebold et Zucc.) Kosterm. (1957) | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
タブノキ |
タブノキ(椨 Machilus thunbergii)とはクスノキ科タブノキ属の常緑高木である。イヌグス・タマグス・ヤマグス・ツママとも称される。単にタブとも。ワニナシ属(Persea、アボカドと同属、熱帯アメリカなどに分布)とする場合もある(学名:Persea thunbergii)。
特徴[編集]
高さは20メートルほど。太さも1メートルに達する場合がある。
若い枝は緑色で、赤みを帯びる。芽は丸くふくらむ。葉は枝先に集まる傾向があり、葉は長さ8 - 15センチメートル、倒卵形。革質で硬く、表面はつやがあって深緑。
花期は4 - 6月。黄緑色であまり目立たない花を咲かせる。8 - 9月ごろ球形で黒い果実が熟す。果実は直径1センチメートルほどで、同じクスノキ科のアボカドに近い味がする。
日本では東北地方から九州・沖縄の森林に分布し、とくに海岸近くに多い。照葉樹林の代表的樹種のひとつで、各地の神社の「鎮守の森」によく大木として育っている。また横浜開港資料館の中庭の木は「玉楠」と呼ばれ有名である。
利用[編集]
防風の機能を有する樹種(防風樹)として知られる[1]。
枝葉には粘液が多く、乾かして粉にするとタブ粉が得られる。タブ粉は線香や蚊取線香の材料の1つ(粘結材)として用いる。樹皮や葉は染料に用いられる。材は、建築、家具などに使われる。
万葉集の歌[編集]
「万葉集」も参照
- 磯の上の都万麻を見れば根を延へて年深からし神さびにけり 大伴家持 巻十九4159
この歌の「都万麻」をツママと読み、本種を指すとも言われる。しかし他文献でツママという語が使われている例が見つかっておらず、確証はない。
出典[編集]
- ^ 藤山宏『プロが教える住宅の植栽』学芸出版社、2010年、9頁。
参考文献[編集]
- 北村四郎・村田源、『原色日本植物図鑑・木本編II』、1979年、保育社、ISBN 4-586-30050-7
- 山形健介『タブノキ』(ものと人間の文化史) 2014年、法政大学出版局