シラカシ

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シラカシ
Quercus myrsinaefolia.JPG
シラカシ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ブナ目 Fagales
: ブナ科 Fagaceae
: コナラ属 Quercus
亜属 : アカガシ亜属 subgen. Cyclobalanopsi
: シラカシ Q. myrsinifolia
学名
Quercus myrsinaefolia Blume[1]
シノニム

シラカシ(白樫[3]・白橿、学名Quercus myrsinifolia)は、ブナ科コナラ属の常緑高木、いわゆるカシ類の一種である。和名の由来は、材が白色であることから名付けられている[4]。別名、カシ、ホソバカシともよばれ、樹皮の黒さからクロカシの名もある[5]

分布・生育地[編集]

日本の福島県新潟県以西の本州四国九州[4][5]朝鮮半島南部(済州島)、中国に分布する[4]。山地に自生するが[4]、主に関東地方照葉樹林帯に多い。照葉樹林の構成種ではあるが、この森林帯の北限付近で多く見られる。本州南岸以南では数が少ない。

特徴[編集]

常緑広葉樹の高木で[4]、樹高は20メートル (m) ほどに生長する。樹皮は緑色を帯びた黒色や暗灰色、表面は割れ目がなくなめらかであるが、皮目は縦に並び、次第に荒れてざらつくようになる[4][3]。若枝は暗緑色[3]

互生し、4 - 13センチメートル (cm) の長楕円形から狭長楕円形で、葉身は革質で厚い[4][3]。上半部の縁には鋸歯があり、表面は濃い緑色でつやがあり、裏面は白っぽい薄い緑[4]ウラジロガシのように白いわけではない。芽吹きはじめの葉は赤味を帯びている[3]

花期は4 - 5月[4]雌雄同株[4]。雄花は6 - 9 cmの尾状花序で黄褐色、雌花は数花を上向きにつける。果実堅果(いわゆるどんぐり)で、下部は殻斗に包まれ、その年の10月 - 11月頃に熟す[5]

冬芽は長卵形で細い毛があり、葉の付け根につき、頂芽は頂側芽を伴ってつく[3]。芽鱗は多数あり、芽鱗の先端は暗褐色に色づいている[3]。葉痕は半円形や楕円形で、維管束痕は3 - 5個つくか不明瞭である[3]。また杔葉痕がある[3]

利用[編集]

1年を通して緑が楽しめ、防風林生垣公園樹街路樹、庭木などの植栽によく使われる[4]。常緑広葉樹の中でも高さに比べて幹は細く、狭い空間で使用した場合圧迫感を与えない[6]。 材は固くて重く、弾力に富む性質がある。器具、薪にするほか、木刀の材料になる。 葉は、ウラジロガシと同様の結石溶解作用があるとして、民間薬として服用される。

天然記念物[編集]

都道府県指定
  • 広島県:井永のシラカシ - 広島県府中市上下町井 永井永八幡神社境内
  • 兵庫県:男坂神社のシラカシ林 - 兵庫県養父市大屋町宮垣 男坂神社境内
  • 兵庫県:上森神社のシラカシ大木 - 兵庫県養父市大屋町蔵垣 麓の神社境内(2011年1月倒木)
  • 鳥取県:熊野神社の社叢 - 鳥取県西伯郡南部町 金華山 熊野神社境内
  • 広島県:熊野神社のシラカシ - 広島県三次市畠敷町628 熊野神社境内
  • 神奈川県:東高根のシラカシ林 - 神奈川県川崎市宮前区神木本町2 東高根森林公園
  • 広島県:仁賀のシラカシ群 - 広島県三次市三良坂町仁賀
  • 愛媛県:三嶋神社のシラカシ - 愛媛県大洲市河辺町三嶋2460 三嶋神社境内
  • 長野県:南羽場のシラカシ - 長野県上伊那郡飯島町本郷279
  • 神奈川県:大和のシラカシ林 - 神奈川県大和市上草柳1728 泉の森内
  • 栃木県:龍興寺のシラカシ - 栃木県下野市薬師寺1416 龍興寺境内
  • 広島県:領家八幡神社の社叢 - 広島県庄原市総領町下領家 領家八幡神社境内
市町村指定
  • つるぎ町:天日神社のシラカシ - 徳島県美馬郡つるぎ町一宇字久藪 天日神社境内
  • 大鹿村:鹿塩西の樫の木 - 長野県下伊那郡大鹿村鹿塩西
  • 山梨市:上神内川のシラカシ - 山梨県山梨市上神内川
  • たつの市:河内神社のシラカシ林 - 兵庫県たつの市新宮町宮内16 河内神社境内
  • 座間市:栗原神社のシラカシ - 神奈川県座間市栗原中央4-4-10 栗原神社境内
  • 庄原市:慶雲寺のシラカシ林 - 広島県庄原市比和町三河内 慶雲寺境内
  • 邑楽町:五位堂のシラカシ - 群馬県邑楽郡邑楽町篠塚615
  • 萩市:弘法堂のシラカシ - 山口県萩市川上野戸呂
  • 甲府市:塩沢寺のシラカシ林 - 山梨県甲府市湯村3-17-2 塩沢寺境内
  • 桐生市:白髭神社のシラカシ - 群馬県桐生市織姫町1-1 白髭神社境内
  • さいたま市:瀬ヶ崎のシラカシ - 埼玉県さいたま市浦和区瀬ヶ崎3丁目
  • 久万高原町:大元神社のシラカシ - 愛媛県上浮穴郡久万高原町露峰 大元八幡神社境内
  • 北杜市:東漸寺のシラカシ - 山梨県北杜市須玉町若神子 東漸寺境内
  • 鏡野町:古川のシラカシ - 岡山県苫田郡鏡野町古川1317 古川神社境内
  • さいたま市:満福寺のシラカシ - 埼玉県さいたま市北区日進町2-1003 満福寺境内

脚注[編集]

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Quercus myrsinifolia Blume” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月12日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cyclobalanopsis myrsinifolia (Blume) Oerst.” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月12日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 146.
  4. ^ a b c d e f g h i j k 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 102.
  5. ^ a b c 山﨑誠子 2019, p. 58.
  6. ^ 山﨑誠子 2019, p. 59.

参考文献[編集]

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、148頁。ISBN 978-4-416-61438-9
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、103頁。ISBN 4-522-21557-6
  • 山﨑誠子『植栽大図鑑[改訂版]』エクスナレッジ、2019年6月7日、58 - 59頁。ISBN 978-4-7678-2625-7

関連項目[編集]

外部リンク[編集]