タントラ教

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タントラ教(タントラきょう、Tantrism、タントリズム)とは、バラモン教ヒンドゥー教)・仏教密教)を問わず、タントラと呼ばれる経典を奉じる、インド神秘主義教団の、欧米における総称。

概要[編集]

この呼称は、ちょうど古代インドヴェーダを奉じる集団を、バラモン教(Brahmanism, ブラフマニズム)と総称するのと同じ話で、類似した集団をひとまとめで分り易く呼び表すために欧米で作られた言葉であり、特定の教団を指す言葉ではない。もちろん、当人たちがこのような自称をしていたわけでもない。

また、「タントラ」自体も、紀元後のインドで徐々に広まった経典一般の新呼称であり、特定の経典を指した言葉である。

歴史[編集]

1~2世紀ごろ、北インド(いまでいうカシミール地方)のアーリア系のバラモン教から端を発している。7~8世紀以降に南インドで広がりはじめ、9~12世紀には、シヴァ派、ヴィシュヌ派、仏教の思想に大きな影響を与えた。後期インド仏教(密教)、そしてチベット仏教もタントラ哲学を基本的思想に取り入れている。

実際のところ、タントラ教という宗教集団がいたわけではなく、タントラ的な考え方(タントラ哲学、タントリック)をもつ人たちである。「大いなる意識」は「創造主」とも「宇宙」とも「神」とも解釈できるが、「自己」との繋がりは特定の人や階層によらず、すべての人に与えられた存在であり、恵みであるという考え方である。 この考えの根幹にあるのは、『あらゆる存在に、美があり、善があり、生きている存在そのものに繋がりからの恵みがある』というものである。

関連項目[編集]