十津川村
とつかわむら 十津川村 | |||
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国 | 日本 | ||
地方 | 近畿地方 | ||
都道府県 | 奈良県 | ||
郡 | 吉野郡 | ||
市町村コード | 29449-7 | ||
法人番号 | 9000020294497 | ||
面積 |
672.38km2 | ||
総人口 |
2,719人 [編集] (推計人口、2024年4月1日) | ||
人口密度 | 4.04人/km2 | ||
隣接自治体 |
五條市、 吉野郡上北山村、下北山村、野迫川村 三重県熊野市 和歌山県:新宮市、田辺市、東牟婁郡北山村 | ||
村の木 | スギ | ||
村の花 | シャクナゲ | ||
他のシンボル | ウグイス | ||
十津川村役場 | |||
村長 | 小山手修造 | ||
所在地 |
〒637-1333 奈良県吉野郡十津川村大字小原225-1 北緯33度59分18.4秒 東経135度47分33.2秒 / 北緯33.988444度 東経135.792556度 | ||
外部リンク | 村公式サイト | ||
ウィキプロジェクト |
概要
北方領土である留別村・紗那村・留夜別村・蘂取村に次いで日本で5番目に大きな面積を持つ村であり、東京23区全体の面積(621.98km²)よりも大きい。この村よりも面積の大きい村はいずれもロシアが実効支配する北方領土に存在するため、日本の施政権が及んでいる地域ではこの村が“日本一の面積を持つ村”ということになる。鉄線つり橋の長さや路線バスの距離でも日本一を誇る。
実質公債費比率が奈良県内で最も低い市町村でもある。
地理
- 東西幅33.4km、南北幅32.8km。
- 村の中央部を十津川が南流する。
隣接する自治体
歴史
山間の農耕に適さぬ地形のため、古来免租の集落としてその時々の権力者の支配を受けずに半ば独立した村落共同体として存在し続けた。免租の特権を保証してくれる実力者側に常に出兵し、古くは壬申の乱以来幕末までこの政策は変わらなかったが、明治維新後ついに免租特権が廃止された。また、建武の新政の際には楠木正勝がここを拠点とし、以来尊王の姿勢を明治維新まで貫いた。周囲とは隔絶した地域だったため、独特の文化・気風があり、十津川郷士を輩出した。
- 1863年
- 1889年、十津川大水害により168人が死亡、村落の大部分が壊滅状態になり、約2500人が北海道へ移住。新十津川村を開拓[2]。
- 1890年6月18日、北十津川村、十津川花園村、中十津川村、西十津川村、南十津川村、東十津川村が合併して、十津川村が誕生。
- 2004年7月1日、『紀伊山地の霊場と参詣道』が、ユネスコの世界遺産委員会により「世界遺産一覧表」(文化遺産)に登録された。十津川村には熊野古道小辺路と大峯奥駈道が通り玉置神社がある。
- 2011年9月3日、台風12号による集中豪雨により、野尻地区をはじめ広範囲で土砂崩れおよび河川の氾濫が発生。同月29日時点で5人が死亡、7人が行方不明[3]。
村域の変遷
明治22年 | 明治23年 | 現在 |
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奈良県 | ||
吉野郡 | ||
北十津川村 | 十津川村 | |
十津川花園村 | ||
中十津川村 | ||
西十津川村 | ||
南十津川村 | ||
東十津川村 |
行政
県の機関
経済
産業
林業、農業、鮎など川魚の養殖・加工が主たる産業になっている。主な特産物は鮎の加工品、山菜、ゆうべし等。
- なお、十津川第二発電所は村内ではなく、十津川村に隣接する新宮市にある。
金融機関
農業協同組合
- 奈良県農業協同組合(JAならけん)
- 十津川支店(武蔵)
なお、村内にはJAバンクATMは設置されていない。
日本郵政グループ
2014年6月現在。
- 日本郵便株式会社
- 上野地(うえのじ)郵便局(上野地)
- 風屋(かぜや)郵便局(風屋)
- 小原(おはら)郵便局(武蔵)
- 折立(おりたち)郵便局(折立)
- 平谷郵便局(平谷)
- 重里郵便局(重里)
- 瀞(どろ)郵便局(神下=こうか)
これらの郵便局はすべて集配局となっている。また各郵便局にはゆうちょ銀行のATMが設置されており、小原郵便局ではホリデーサービスを実施。
十津川村の郵便番号は以下の通り(番号右隣の括弧内は集配担当の郵便局)。
- 「637-11xx」(上野地)=沼田原(ぬたのはら)、長殿(ながとの)、旭、上野地、宇宮原(うぐはら)、谷瀬(たにぜ)、林、高津(たこうつ)。
- 「637-12xx」(風屋)=内原(ないばら)、滝川、風屋、野尻、山崎(やまさき)、池穴、川津、内野、三浦、五百瀬(いもぜ)、山天(やまてん)、杉清(すぎせ)。
- 「637-13xx」(小原)=大野、小井、小森、湯之原、小原、武蔵。
- 「637-14xx」(折立)=小川、高滝、樫原(かしわら)、込之上(こみのうえ)、折立、山手谷。
- 「637-15xx」(平谷)=那知合(なちあい)、谷垣内(たにがいと)、山手、平谷、猿飼(さるかい)、桑畑、七色、出谷(でたに)、上湯川。
- 「637-16xx」(重里)=重里、永井、玉垣内(たまがいと)、西中、今西、小山手(こやまて)、小坪瀬(こつぼせ)、迫西川(せにしがわ)。
- 「647-15xx」(瀞)=上葛川(かみくずがわ)、東中、玉置川(たまいがわ)、神下。
- また、竹筒(たけとう、647-1271)は日足(ひたり)郵便局(和歌山県新宮市熊野川町日足)の集配担当となっている。
なお十津川村の大字としてその他「大谷」もあるが、大字単位での郵便番号が設定されていない。同じ村内で「63」「64」の2つの地域区分が混在している。
姉妹都市・提携都市
国内
地域
村内は55の大字に分かれる。
人口
十津川村(に相当する地域)の人口の推移 | |||
総務省統計局 国勢調査より |
- 人口増加率(2002年→2007年):-10.8%
教育
高等学校
中学校
小学校
交通
鉄道
- なし
バス
道路
- 奈良県道235号篠原宇井線 - 北端部をかすめるように通る。
- 奈良県道・和歌山県道733号川津高野線
- 和歌山県道・奈良県道735号龍神十津川線
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
レジャー
観光
- 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」
- 谷瀬の吊り橋
- 笹の滝
- 瀞峡
- 釈迦ヶ岳
- 玉置山
- 野猿 - 十津川村は紀伊山地の深い山奥に位置し、急峻な峡谷と急流により、古来河川両岸の相互交通が非常に困難だった。そのため河川の両側に綱を渡し、野猿(やえん)を設置する事で独自の交通事情を形成してきた歴史がある。
祭り
十津川村出身の有名人
- 東武(農林次官、衆議院議員、北海タイムス創業者)
- 前田正男(科学技術庁長官・衆議院議員)
- 前田武志(参議院議員・国土交通大臣)
- 野長瀬正夫(詩人)
- 宝みつ子(女優)
- 濱矢廣大(プロ野球選手・東北楽天ゴールデンイーグルス)
その他
- 奥吉野は紀伊山地によって周囲との交通が隔絶されてきた地域であり、近畿地方にあって東京式アクセントを用いる。詳細は奥吉野方言を参照。
- 西村京太郎の推理小説に多く登場する十津川省三警部の名前は、十津川村に由来している。西村がたまたま見ていた日本地図でこの地名を見かけたことから。ただし、十津川村の読みは「とつかわ」と濁らないのに対し、十津川警部の名前は「とつがわ」と濁る。
- 北海道の新十津川町は、1889年8月に十津川村を襲った豪雨を機に村民が集団移住し開拓した。十津川村と新十津川町は同じ村(町)章を用いている。新十津川町は十津川村を「母村」と呼び、2011年の台風12号で十津川村が被災した際には町で緊急支援対策会議を開いて義援金や職員の派遣などの支援活動を行っている[5]。人口や人口密度は新十津川町が上回っている。
- 『水曜どうでしょう』に出演しているCREATIVE OFFICE CUEの会長・鈴井貴之(ミスター)は同番組内で「俺の祖先は十津川村なんだ」と公表している。
- 松田忠徳、さだまさし、西村京太郎が十津川村の観光大使を委嘱されている[6]。
参考文献
- 小学館辞典編集部 編『図典 日本の市町村章』(初版第1刷)小学館、2007年1月10日。ISBN 4095263113。
脚注
- ^ 図典 日本の市町村章 p165
- ^ 読売新聞 2011年9月6日34面 新十津川町「十津川村救え」奈良から北海道 120年前に移住
- ^ “台風12号及び15号に関する被害情報等について”. 奈良県 防災統括室 (2011年9月29日). 2011年9月30日閲覧。
- ^ II-6 姉妹都市提携の状況(北海道空知総合振興局 PDF)
- ^ 新十津川町、「母村」支援へ義援金や職員派遣決める(2011年9月10日 北海道新聞 2011年9月24日閲覧)
- ^ さだまさしさんが十津川村観光大使に!!(十津川村観光協会のサイトより)