村
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
村(むら、そん)とは、集落や基礎自治体の一種で、第一次産業(農林漁業)に従事する者が多く、家の数と密集度が少ない地域を指す名称である。邑や邨とも書く。社会学や地理学では村落。対義語は市(都市)。
後述の自然村は、複数の集落の統合体であることが多かった。行政区画(基礎自治体)の単位として村という語を用いる事もあり、この場合の村は、集落よりずっと広い範囲である。
なお、小さな世界・共同体を称して村ともいう(例:国会村、テント村)。
目次 |
[編集] 日本の「村」の歴史
近代化以前の「村」は自然村(しぜんそん)ともいわれ、生活の場となる共同体の単位であった。江戸時代には百姓身分の自治結集の単位であり、中世の惣村を継承していた。又、中世初期の領主が荘園公領とその下部単位である名田を領地の単位としていたのに対し、戦国時代や江戸時代の領主の領地は村や町を単位としていた。
江戸時代の百姓身分とは、主たる生業が農業・手工業・商業のいずれかであるかを問わず、村に石高を持ち、領主に年貢を納める形で権利義務を承認された身分階層を指した。都市部の自治的共同体の単位である町(ちょう)に相当するが、村か町かの認定はしばしば領主層の恣意により、実質的に都市的な共同体でも、「村」とされている箇所も多かった。
近現代の大字(おおあざ)といわれる行政区域は、ほぼかつての自然村を継承しており、現在でも地方自治法の第七章「執行機関」第四節「地域自治区」(第202条の4~第202条の9)として旧自然村に相当する単位での自治が法律上認められている。また、自治会(地区会・町内会)や消防団の地域分団の編成単位として、地域自治の最小単位としての命脈を保っている面がある。
明治に入ると、中央集権化のため、自然村の合併が推進された。こうして、かつての村がいくつか集まって新たな「村」ができたが、これを「自然村」と対比して行政村(ぎょうせいそん)ともいう。
詳細は日本の市町村の廃置分合#明治の大合併、町村制をそれぞれ参照。
[編集] 日本の行政村
日本国憲法第92条に基づく地方自治法では、村(そん、むら)は地方公共団体の一つで、都道府県と対等の関係にあり、市・町と並立する。
読み方を「そん」「むら」のどちらになるのかは各自治体で規定しており、「そん」で統一されている県、「むら」で統一されている県、「そん」「むら」が混在する県がある。なお、「そん」で統一されている県は少なく、鳥取県・岡山県・徳島県・宮崎県・沖縄県のみである(かつては広島県・山口県も「そん」で統一されていたが、合併により村が消滅した)。
[編集] 行政単位の「村」が無い都道府県
このうち、兵庫県と香川県にはいわゆる平成の大合併以前から村がない。
[編集] 村が一つだけの都道府県
[編集] 村が二つの都道府県
[編集] 村が三つの都道府県
[編集] 村が四つの都道府県
[編集] 村が5~10の都道府県
- 岩手県(6村) - 滝沢村、九戸村、野田村、川井村、田野畑村、普代村
- 山梨県(6村) - 小菅村、丹波山村、忍野村、道志村、鳴沢村、山中湖村
- 高知県(6村) - 馬路村、北川村、芸西村、日高村、大川村、三原村
- 青森県(8村) - 六ヶ所村、新郷村、風間浦村、佐井村、東通村、西目屋村、蓬田村、田舎館村
- 東京都(8村) - 檜原村、(以降は島嶼)青ヶ島村、小笠原村、神津島村、利島村、新島村、御蔵島村、三宅村
- 熊本県(8村) - 産山村、西原村、南阿蘇村、五木村、球磨村、相良村、水上村、山江村
- 群馬県(10村) - 富士見村、榛東村、上野村、南牧村、嬬恋村、六合村、高山村、片品村、川場村、昭和村
[編集] 村が十一箇所以上の都道府県
ただし、北方領土6村を含む場合は、北海道は21村で2位となる。
[編集] 地名に残る旧行政村
- 市や特別区の地名に町があるのと同じく、村がある箇所がある。以下に挙げるのは、その一例。
- 北海道岩見沢市北村 - かつての空知郡北村。
- 北海道留萌市留萌村 - かつての留萌郡留萌村。
- 北海道稚内市宗谷村 - かつての宗谷郡宗谷村。
- 北海道檜山郡上ノ国町北村 - かつての檜山郡北村。
- 宮城県石巻市北村 - かつての桃生郡北村。
- 茨城県石岡市三村 - かつての新治郡三村。
- 群馬県伊勢崎市境島村 - かつての佐波郡島村。
- 埼玉県上尾市上尾村
- 東京都板橋区志村 - かつての北豊島郡志村。
- 富山県南砺市利賀村 - かつての東礪波郡利賀村。
- 長野県松本市新村 - かつての東筑摩郡新村。
- 長野県飯田市上村 - かつての下伊那郡上村。
- 愛知県名古屋市北区杉村 - かつての西春日井郡杉村。
- 和歌山県田辺市龍神村 - かつての日高郡龍神村。
- 鳥取県鳥取市北村 - かつての高草郡北村。
- 鳥取県鳥取市中村 - かつての高草郡中村。
- 島根県鹿足郡吉賀町柿木村 - かつての鹿足郡柿木村。
- 島根県隠岐郡隠岐の島町中村 - かつての周吉郡中村。
- 山口県下関市豊浦村 - かつての豊浦郡豊浦村。
- 山口県光市室積村 - かつての熊毛郡室積村。
- 山口県熊毛郡平生町平生村 - かつての熊毛郡平生村。
- 徳島県三好市西祖谷山村 - かつての三好郡西祖谷山村。ただし、読みが「そん」から「むら」に変更された。
- 香川県小豆郡小豆島町西村 - かつての小豆郡西村。
- 愛媛県西予市野村町野村 - かつての東宇和郡野村。
- 長崎県平戸市大島村 - かつての北松浦郡大島村。
- 熊本県上天草市松島町阿村 - かつての天草郡阿村。
- 熊本県宇城市三角町中村 - かつての宇土郡中村。
- 大分県日田市中津江村 - かつての日田郡中津江村。2002 FIFAワールドカップにてカメルーン代表合宿地として有名になったため、特例で村の名称存続。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 地方公共団体コードの割り当て状況 : 全国市区町村のコード一覧。市町村合併等で廃止されたコードも確認できる。
- 「都道府県市区町村」ランキングデータ - 人口、面積、人口密度、推計人口と国勢調査人口

