フェラーリ・643
2006年グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて。No.27はアラン・プロストの車番。 | |||||||||
カテゴリー | F1 | ||||||||
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コンストラクター | フェラーリ | ||||||||
デザイナー |
スティーブ・ニコルズ ジャン=クロード・ミジョー | ||||||||
先代 | フェラーリ・642 | ||||||||
後継 | フェラーリ・F92A | ||||||||
主要諸元[1] | |||||||||
シャシー | カーボンファイバーコンポジット モノコック | ||||||||
サスペンション(前) | ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド トーションバー・スプリング テレスコピック・ショックアブソーバー, アンチロールバー | ||||||||
サスペンション(後) | ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド コイルスプリング テレスコピック・ショックアブソーバー, アンチロールバー | ||||||||
エンジン | フェラーリ Tipo 037, 3499cc, 65度 V12, NA, ミッドエンジン, 縦置き | ||||||||
トランスミッション | フェラーリ製 643 7速 セミAT | ||||||||
燃料 | アジップ | ||||||||
タイヤ | グッドイヤー | ||||||||
主要成績 | |||||||||
チーム | スクーデリア・フェラーリ SpA | ||||||||
ドライバー |
27. アラン・プロスト 28. ジャン・アレジ 27. ジャンニ・モルビデリ | ||||||||
コンストラクターズタイトル | 0 | ||||||||
ドライバーズタイトル | 0 | ||||||||
初戦 | 1991年フランスグランプリ | ||||||||
最終戦 | 1991年オーストラリアグランプリ | ||||||||
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フェラーリ643 (Ferrari 643) は、スクーデリア・フェラーリが1991年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カーで、スティーブ・ニコルスとジャン=クロード・ミジョーが設計した。1991年の第7戦から最終戦まで実戦投入された。
643
1991年シーズン第7戦フランスGPに投入されたのが643である。モノコック側面部をカーボン地のままにするなど、マクラーレン風のデザインになっている。モノコック先端が持ち上げられたハイノーズが導入されてノーズ自体も細くなった他、サイドポンツーン自体が642とは違って短くされた伝統的な形状となっており、従来のジョン・バーナードがデザインした639、640と、その発展型である641、641/2、642とはまったく違ったデザインとなっている。
カーデザイナーの由良拓也はフィオラノサーキットで643を初めて見た際、F1雑誌のインタビューで「ノーズの形状など、随分とウィリアムズ・FW14に影響を受けた印象があります。FW14のフロントに642/2のリア部分をくっつけた、みたいな。美しいフォルムと仕上がりはさすがフェラーリ、というところですが、個人的にはフェラーリのマシンが個性をなくしてしまったのは非常に残念です」と感想を述べていた[2]。デビュー戦のフランスGPでは2位になったが、その後のGPでは特に活躍が見られなかった。最終戦オーストラリアGPでは、プロストの代わりにテストドライバーであったジャンニ・モルビデリがドライブした。
1991年シーズン
デビュー戦のフランスGPでは地元で強さを見せるアラン・プロストが予選2位を獲得。レースでも中盤にウィリアムズのナイジェル・マンセルに抜かれるまでトップを走行し、不振脱出の手掛かりをつかんだように見えた。
しかし、低ダウンフォース時のマシンの不安定さは解消されず、エンジントラブルも頻発した。ベルギーGPではジャン・アレジがタイヤ無交換作戦でトップに立つが、エンジンブローにより初優勝を逃した。
このような散々な状況の元、チームに対して批判的な言動を行っていたプロストは、日本GP後にチームから解雇されてしまった。最終戦はプロストの代役として、テストドライバーのジャンニ・モルビデリが起用された。
スペック
シャーシ
- シャーシ名 643
- 全長 4,400 mm
- 全幅 2,130 mm
- 全高 1,004 mm
- ホイールベース 2,881 mm
- 前トレッド 1,800 mm
- 後トレッド 1,675 mm
- 重量 505 kg
- ダンパー ペンスキー/フェラーリ・ビルシュタイン
- クラッチ AP
- ブレーキキャリパー SEP
- ブレーキディスク・パッド ヒトコ
- ホイール スピードライン
- タイヤ グッドイヤー
- ギヤボックス 縦置き7速セミオートマチック
エンジン
- エンジン名 Tipo037
- 気筒数・角度 V型12気筒・65度
- 排気量 3,500cc
- スパークプラグ チャンピオン
- 燃料・潤滑油 Agip
- イグニッション マニエッティ・マレリ
- インジェクション マニエッティ・マレリ
記録(第6戦以前は642を使用)
年 | No. | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | ポイント | ランキング |
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USA |
BRA |
SMR |
MON |
CAN |
MEX |
FRA |
GBR |
GER |
HUN |
BEL |
ITA |
POR |
ESP |
JPN |
AUS | |||||
1991 | 27 | アラン・プロスト | 2 | 3 | Ret | Ret | Ret | 3 | Ret | 2 | 4 | 55.51 | 3位 | |||||||
ジャンニ・モルビデリ | 6 | |||||||||||||||||||
28 | ジャン・アレジ | 4 | Ret | 3 | 5 | Ret | Ret | 3 | 4 | Ret | Ret |
- 太字はポールポジション、斜字はファステストラップ
- コンストラクターズランキング3位
- ドライバーズランキング5位(アラン・プロスト)予選最高位2位 決勝最高位2位
- ドライバーズランキング7位(ジャン・アレジ)予選最高位4位 決勝最高位3位
- ドライバーズランキング24位(ジャンニ・モルビデリ)予選最高位7位 決勝最高位6位(最終戦にプロストの代役として出走)
- ^1 16ポイントは642での得点
脚注
- ^ http://www.statsf1.com/en/ferrari-643.aspx
- ^ 『AS+F』'91年フランスGP特集号「ベールを脱いだ“最終兵器”フェラーリ643登場!!」(三栄書房)