おしん

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おしん
ジャンル テレビドラマ
原作 橋田壽賀子
脚本 橋田壽賀子
出演者 #キャスト
時代設定 明治40年代〜現代
製作
プロデューサー 岡本由紀子(小林由紀子)
制作 NHK
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1983年4月4日 - 1984年3月31日
放送時間月曜〜土曜 08:15 - 08:30
放送枠連続テレビ小説
放送分15分
回数297

特記事項:
撮影=4:3 SDTV
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おしん』とは、1983年昭和58年)4月4日から1984年(昭和59年)3月31日まで放送されたNHK連続テレビ小説第31作である。

8月15日から8月20日までの6日間は、『もうひとりのおしん』放送につき中断。連続テレビ小説では、『鳩子の海』以来の1年間放送となった。全297話。NHKテレビ放送開始30周年記念作品。

ドラマ

概要

  • 平均視聴率52.6%、最高視聴率は1983年(昭和58年)11月12日放送(第186回「戦争編・東京の加代」)の62.9%ビデオリサーチ調べ、関東地区)。これは2024年5月現在、ビデオリサーチの統計史上、テレビドラマの最高視聴率記録である。
  • 後にスリランカインドネシアフィリピン台湾香港ベトナムアフガニスタンシンガポールエジプトイランなど世界66か国や地域で放送され、苦難に遭いつつも決してあきらめず、明治大正昭和を生きた主人公・おしんの姿が、日本だけでなく世界各国で人々の共感を呼び、「おしんドローム」という言葉を生み出した。2011年現在、「世界で最もヒットした日本のテレビドラマ」とされ今もなおファンが多く根強い人気がある。
  • 2003年4月からは、放送20周年記念で1年間に渡って通常放送と同様、毎週月曜日~土曜日の夜7時30分からNHK衛星第2テレビジョンで全話再放送され、放送終了後の7時45分からは藤原勝也が司会進行で『BSおしんだいすき』という次回の話の予告や視聴者からのお便りなどを紹介した5分間のミニコーナーがあり、小林綾子丸山裕子今福將雄がゲストで登場することがあった。なお、当番組が放送されていたため、2000年から12月1日に放送されている『デジタルドリームライブ』は、この年に限って15分遅い放送開始となっている。
  • 朝日新聞2010年9月25日付のbeランキング「心に残る朝ドラヒロイン」アンケート結果では、本作の田中裕子が第2位だった(第1位は樫山文枝おはなはん』、第3位は国仲涼子ちゅらさん』)。
  • 作品では、おしんの幼年期の苦労を描いただけではなく、義理や周りを見ることなく他人を押しのけてまで銭儲けをしてもいずれ自分を追いやってしまう、人として本当に大切な物は何かというメッセージが、おしんが人生の歩みの中で出会ってきたたくさんの恩人の言葉を通してちりばめられている。
  • 総集編がBSと地上波で放送された。
放送日:BS2 1999/10/25~1999/10/28、20:00-21:30
     地上波 2000/03/20~2000/03/23、21:35-23:05
  • 連続テレビ小説の放送50周年を記念し「おしん総集編」が2011年11月25日にNHKよりDVDリリースされた。
【収録内容】
・DISC.1 第一話「最上川・ふるさと」 第二話「結婚・大震災」
・DISC.2 第三話「流転」 最終話「最上川・時の流れ」
・DVD2枚組
・収録時間354分/画面サイズ4:3/モノラル/カラー/日本語字幕
  • 裏番組にTBS系列で「おゆう」(放映期間:1983年4月4日 - 9月30日(全130話)、放映時間:毎週月曜日 - 金曜日、12:40 - 13:00)が放送されたが視聴率は「おしん」にはかなわず苦戦を強いられた。そのためヒロイン(おゆう浜尾朱美)の相手役の幸吉を演じた陣内孝則は「こちらがだいこん飯を食べるハメになった」と述べている。神山ひさを演じた赤木春恵はこの「おゆう」にも出演している。

『おしん』誕生

  • 『おしん』誕生のきっかけは、原作者・橋田壽賀子の元に寄せられた一通の匿名の手紙であった。「ある明治生まれの女性が、人に言えない過去を病床で綴ったものでした。子守り奉公したり、“女郎屋”に売られたりね」。
  • 明治の人の苦労を伝えるのは、自分たちの世代の義務だと感じた。「でもテーマが地味すぎて、どのテレビ局にも断られました。NHKでも、かなり反対があったんですよ。“明治物は当たらない”と言われてましたし……。川口幹夫放送総局長(当時)の賛成でやっと決まったんです」[1]
  • 橋田は「おしんの幼少期の苦労や創業当時の行商などは、ダイエーを興した中内功をモデルにしている」としている。ヤオハンを興した和田カツをモデルにしたという説もある。

ドラマ撮影

  • 後年、作造役の伊東四朗が、娘のおしんを奉公に出す川下りのシーン(窮乏と悲惨さを象徴し、本ドラマで必ず引き合いに出されるほど有名なシーン)は別撮りで、おしんの姿を見ずに演じることが大変であったことを明かした。

注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


あらすじ

  • 1983年(昭和58年)、北へ向かう列車の中である老婦人が座っていた。彼女の名は田倉(たのくら)しん。三重県志摩半島のとある町に構えるスーパーの経営者である彼女は、新舗開店という記念すべき日に行方をくらましてしまった。一族が騒然とする中、しんとは血こそ繫がらないものの、孫同然の間柄である八代圭(やしろ けい)は昔、祖母が語ってくれた思い出話を頼りに山形県銀山温泉へ当ても無く旅に出た。その地で思いがけなくしんと出会い、山形県が祖母の故郷であることを知る。そして、この家出が自分のことだけしか考えない経営方針に突き進む息子・仁(ひとし)に悩んだしんが、どこでそういう息子にしてしまったのか。そして、80年以上の人生で自分は一体何を失ってしまったかを辿る旅だと打ち明かしたのだった。物語は1907年(明治40年)の春、明治も終わりにさしかかった山形の貧しい農村で生まれた「おしん」の少女時代から始まる。

キャスト

主人公

オープニングの登場者名としては名字はなく全放送を通して、そのまま、「おしん」と画面に表示される。
谷村しん(少女期) / 演 - 小林綾子
第1部ヒロイン。1901年明治34年)生とされている。利発で心の優しい少女。家の貧しさと口減らしのため7歳で奉公に出される。しかし奉公先の厳しさに耐えかね、抜け出し遭難しかけた所を脱走兵・俊作に助けてもらい様々なことを教わる。その後、酒田の米問屋「加賀屋」に奉公に出ることになり、当家の跡取り娘・八代加代のかけがえの無い友と共に、大奥様・くにの教えを一身に受け、立派に成長していく。
谷村しん→田倉しん(少女〜成年期)/ 演 - 田中裕子
第2部ヒロイン。16歳になったおしんは、くにの薦めで結婚することとなったが、農業運動を指導する浩太と出会い、一目惚れする。そして、結婚は相手への強い抵抗によって破綻し、責任を感じたおしんは加賀屋を出ることになってしまった。家に戻ったおしんは、死んだ姉・はるの夢であった髪結いの見習いとなるため上京し「長谷川」の女主人・たかの下で、洋髪を主とした天才的な髪結いとして活躍することとなる。そして、ふとしたきっかけで羅紗問屋「田倉商店」の主人・田倉竜三と出会い、親の反対を押し切って結婚。商売にも類稀な才能を発揮し、子供服の製造業で工場を構えるまでになったが、東京大震災で全てを失う。後に竜三の故郷佐賀に移るが、姑の清の辛い仕打ちを受け、遂には流産を経験してしまう。心身ともに疲れ、耐えかねたおしんは佐賀を出る決心をし、雄を連れながらも持ち前の度胸と順応の速さにより新しく仕事を覚えては、その土地ごとで生活するようになる。東京、酒田、そして浩太の紹介で三重で魚の行商をはじめることになる。
田倉しん(中年〜老年期)/演 - 乙羽信子
第3部ヒロイン。戦争で夫・竜三と長男・雄やすべての財産を失うが、魚の行商で一からやり直す。次男の仁ら残された家族の支えもあり再び自分の店を構えるまでに立ち直るが、商売のことや子どもたちの結婚など苦労は絶えず、子どもたちを諫めようとしても「もう時代が変わったのだ」と言いくるめられてしまうこともしばしば。自らの商売方針を堅持していたが、仁が持ち込んできた新しい商売をめぐり、大きな決断を下す…。

谷村家

谷村ふじ / 演 - 泉ピン子
おしんの母。貧しい小作人農家に嫁いできた働き者の嫁。普段は、家の炊事洗濯から朝から夕方まで田畑を耕す小作人の仕事をしていた。それ以外にも銀山温泉や酒田の街で出稼ぎをすることもあった。何かとおしんを気にかけ家族想いな性格で何度かおしんが住む場所を訪ねてはおしんの支えになった。
谷村作造(さくぞう) / 演 - 伊東四朗
おしんの父。貧しい小作人農家で働き者。厳しい性格だが、貧しい大家族を養うために辛い気持ちを人前では見せず、7歳のおしんを奉公に出すが、根は悪い人ではない。
谷村なか / 演 - 大路三千緒
おしんの祖母。働き者だったが、おしんが物心つく頃にはリウマチにかかっており、かろうじて子守りやご飯の支度ができる程度の体になっていた。おしんのことをいつも気遣っていた。
谷村庄治(しょうじ) /佐野大輔→吉岡祐一
おしんの兄。成人してからは父譲りの粗暴な面を見せるが、小作の長男として生まれてきたことを憾んでいる。
谷村とら / 演 - 渡辺えり子
庄治の妻。庄司と自分の子供たちとは普通の妻、母親として接するが姑のふじや時折実家に帰ってくるおしんのことは、口やかましいと思っており冷たい態度を取る。
谷村はる / 演 - 仙道敦子千野弘美
おしんの姉。貧しい家の家計を少しでも支えようと若い時から製糸工場で働くが、過酷な労働環境により肺結核で死亡。髪結になる夢をおしんに託す。
谷村みつ / 演 - 長谷川真由美→古坂るみ子
おしんの姉
谷村正助 / 演 - 住吉真沙樹→小林徹也
おしんの弟
谷村こう / 演 - 片桐尚美→鍵本景子
おしんの妹
谷村すみ / 演 - 柳美帆
おしんの妹で谷村家の末娘。貧しさのため母親ふじが銀山温泉へ働きに出ることになり、養育出来なくなり乳飲み子のうちに他家へ貰われていった。

田倉家(佐賀)

~おしんの夫と義理の家族~

田倉竜三(りゅうぞう) / 演 - 並木史朗
おしんの夫。明治28年(1895年)生まれ。佐賀の旧家の三男。跡継ぎではないため独立し、東京で羅紗問屋を開業していた。苦労しらずのお坊ちゃんだが、おしんや育ての親である源右衛門のことを誰よりも大切に思っている。また、おしんが髪結いや商売を営むことに反対しがちだが、次第にその力を認め、共に事業の拡大に全力を注ぐ。しかし関東大震災により事業財産の全てを失ってしまい、おしんと長男の雄を連れ佐賀の実家に戻る。おしんが雄を連れて佐賀を離れた後も親子3人で暮らすため干拓事業に精を出していたが事業は台風によって失敗し、今度は満州開拓に乗り出そうとするが、別れのために訪れた伊勢で魚の行商をしていたおしんと再会。夫婦共に伊勢で働くことを決心し、店を構え一家を養えるまでになる。戦時下には軍の仕事を引き受け羽振りが良く、戦争を嫌うおしんに対し積極的に戦争協力を行う。敗戦後、己のしてきたことを悔やみ自決する。
田倉清(きよ) / 演 - 高森和子
おしんの姑。神経質かつ昔気質の性格で、小作の娘ということからおしんと竜三の結婚に反対しており、佐賀ではおしんに辛く当たる。働き者のおしんに対し、「家のことは、恒子(長兄の嫁)の仕事だから」と言い、髪結いをしたことがあったが「田倉家の恥だ!」として辞めさせ、おしんを嫁として認めなかった。しかし、おしんが流産した時はさすがにやりすぎたと反省し、一時的に和解するがおしんの家出で破綻。おしんからの手紙も竜三たちに見せないようにしてしまうほど。しかし、伊勢で竜三と共に魚の行商をし始めたころから、二人の仲を考えて、おしんを妻として認めるようになる。竜三の死後に伊勢のおしんを訪ね、再び和解しあう。そして、竜三の骨を持って佐賀に帰っていった。なお、おしんが初子を探しに東京を訪ねて来た頃には、既にこの世の人ではないことがおしんの会話で分かる。
田倉大五郎(だいごろう) / 演 - 北村和夫
おしんの舅。源右衛門とは共に育った間で、その源右衛門のとりなしもあって結婚には賛成していた。おしんに辛く当たる清をたびたび諫める。
田倉福太郎(ふくたろう) / 演 - 北村総一朗
竜三の長兄。家庭内の揉め事には「見ざる、言わざる、聞かざる」の態度を取る。
田倉恒子(つねこ) / 演 - 観世葉子
福太郎の妻。長兄の嫁と言えども清の厳しい態度の下、何年も田倉家で身を粉にして働いて耐えてきた。大五郎とともにおしんを陰ながら庇う。
佐太郎 / 演 - 木内聡
千代 / 演 - 藤田亜里早
千賀 / 演 - 金子成美
平吉 / 演 - なし
福太郎、恒子夫妻の子。
田倉亀次郎(かめじろう) / 演 - 成瀬正
竜三の次兄。陸軍中佐。妻(ひろ子)と子もあるが登場はしていない。伊勢で竜三に軍の仕事を紹介し、雄に陸軍士官学校進学を勧める。
田倉篤子(あつこ) / 演 - 長谷直美
竜三の妹。おしんが田倉家に来る前に嫁に行っており、時々田倉家に戻っては清から手厚いもてなしを受けていた。
今村源右衛門(いまむら げんえもん) / 演 - 今福将雄
竜三の家の手伝い。元々は田倉の本家に仕えていたが、竜三のお目付け役として上京。当初は、貧しい小作人の娘ということでおしんのことを快く思っていなかったが、おしんが家事全般はもちろん読み書きそろばん、着物の仕立て、お茶や生け花などもでき、気立てが良く優しい人柄に加え威勢の良さもあって彼女を認めるようになり、大五郎に竜三とおしんの結婚に太鼓判を押すほどになる。その後、関東大震災にて雄を庇って死亡。
つぎ / 演 - 有明祥子
田倉家(佐賀)の奉公人。

田倉家(三重)

~おしんの子供たちとその家族~

田倉雄(ゆう) / 演 - 伊藤毅→萩堂譲ニ→山野礼央→槇浩→松田洋治冨家規政
おしんの長男。大正12年(1923年)1月14日生。伊勢での行商時代にも母子ともに過ごし、誰よりも母を想う青年に成長。一時は陸軍士官学校進学を志すが、戦争を嫌う母のことを思い断念する。県立中学から三高そして京都帝大文科へ進む。初子とは両思いの仲であったが、出征後に戦死する。
田倉愛(あい) / 演 - なし
おしんの長女。大正13年(1924年)秋、佐賀で出生後、間もなく死亡。
田倉仁(ひとし) / 演 - 望月匡貴→内田慎一→山下真司高橋悦史
おしんの次男。昭和4年(1929年)10月生まれ。雄や希望とは異なり、粗暴な一面もあり戦時中には特攻隊へ志願するが、終戦によって一命を取り留める。しかし、雄と同様に母や家族を想う優しい一面もあるものの、それが他人を思いやらない自己中心的な心に繋がり、おしんを悩ましてきた。戦後には田倉家の跡取りとしての意識を強く持ち、戦後は進学せずにおしんと商売に精を出していたが、いつまで経っても儲からない商売に行き詰まっており、やがてセルフサービスの新しい商売の話を持ち出す。
田倉剛(たけし) / 演 - 宮本宗明
仁の長男。スーパー田倉の営業部長。
田倉幸子(ゆきこ) / 演 - 景山真弓
剛の嫁。
田倉進 / 演 - 永山純一
剛の長男。おしんの曾孫。
田倉道子(みちこ) / 演 - 田中美佐子浅茅陽子
仁の妻。裕福な家庭で育った現代的な女性で、一人娘として甘やかされて育ったため家事があまり得意でなく、貧しい小作人の娘という境遇や人一倍働き者のおしんとはたびたび確執を起こす。結婚してもしばらくはおしんたちと暮らすことに耐えられず事あるごとに実家に帰っていた。
田倉あかね / 演 - 鈴木美江
仁の長女。彼氏がいたが、ある事情で別れを告げられるが、なんとか立ち直る。
田倉みどり:川上麻衣子
仁の次女。名古屋の大学に通っている女子大生。
田倉禎→崎田禎(てい→さきた てい) / 演 -野竹和子→山下陽子→浅沼友紀子吉野佳子
おしんの次女。昭和11年(1936年)2月26日生まれ。誕生日が明らかでない登場人物が多い中、禎は2.26事件当日に生まれたとドラマ中に描写されている。一時は田倉家の家事をこなしていたが、自分の子どもには学問をさせたかったおしんの願いから名古屋の大学へ進学する。大学では青春の日々を過ごしていたが、帰省した際に新しい商売に踏み切ったおしん達が身を粉にして働いている姿を見て大学での日々に違和感を覚え、遂には大学を辞めておしんの商売を手伝い、仁に勧められていた辰則との結婚も真剣に考えるようになる。
崎田辰則(さきた たつのり) / 演 - 渡辺寛二→桐原史雄
禎の夫。仁の戦友で、アメリカのスーパーで働いていた経験を持つことから田倉商店の従業員として仁に招かれる。気さくな性格で商売の成功のため精力的に働く。
田倉初子(はつこ)/ 演 - 上中はるか→長島裕子→田中好子佐々木愛
おしんの養女。大正15年(1926年)生まれ、千人針の話しから初子の生年がわかる。山形の小作の娘で、中沢健の遠縁。おしんと似た境遇で、幼くして死んだ娘の愛と年が近いため、おしんは娘同様に育て、仁や希望にとっては優しい姉、雄とは相思相愛の仲になる。雄の戦死後はおしんの元を去り、東京でアメリカ兵相手に商売を行うほど身を落としていたが、おしんの説得で伊勢へ戻る。田倉家へ戻ると再び田倉家の家事と仁の商売を支えながら、その後も独身を通して実の母のように慕い、おしんの面倒を見る。

加賀屋(八代家)

八代加代(やしろ かよ) / 演 - 志喜屋文(少女期)→東てる美
おしんの二度目の奉公先である酒田の米問屋・加賀屋の娘で、おしんとは同い年で実の姉妹のように育った。画家になることにあこがれ、高倉浩太とともに青春を過ごした間柄でおしんに大きな影響を与える。後に加賀屋が凋落し女郎屋へ身を落とし、一人息子の希望をおしんに託して胃病のため昭和6年(1931年)に果てる。
八代政男 / 演 - 森篤夫
加代の夫。加賀屋の婿養子で八代希望の実父。東京帝国大学卒。昭和恐慌で米問屋の経営、株取引などうまく行かず商品先物の取り引きでも失敗し、加賀屋の破産の責任を取り昭和5年(1930年)春に自殺した。
八代くに / 演 - 長岡輝子
加代の祖母。加賀屋の「大奥様」。おしんの理解者。広い心で、幼いが向学心のあるおしんを見守る。おしんの奉公人としての働きぶりや簡単な読み書きができ、向学心があることを知って、信頼を置くようになり、加代と一緒に勉強を教え、帳簿の見方や花嫁修業としてお茶や生け花も身につけさせ、おしんがこれから生活していく術を教えてくれた大恩人でもある。
八代みの / 演 - 小林千登勢
加代の母。当初、おしんにも優しかったが、娘の加代と奉公人のおしんに対するくにの考えにズレが生じ一時冷たくなる。しかし、おしんが加代の命を助けたことで改心し、加代と同様に自分の娘のように愛情を持って接するようになる。
八代清太郎(せいたろう) / 演 - 石田太郎
加代の父。母親であり加賀屋の経営を取り仕切っているくにには頭が下がる若干頼りない性格。しかし、娘の加代のことになると強気に。上記のみのと同じく途中からおしんを優しく接するようになる。
八代小夜(さよ) / 演 - 大塚ちか
おしんが子守をした加代の妹。おしんが加賀屋を去った2年後に肺炎で亡くなる。
八代希望(のぞみ)/ 演 - 大渕貴人→萩原等司→塩屋智章 (現:塩屋俊)→野村万之丞
加代の一人息子。加代の死後、おしん夫婦に養育され、仁とは年の同じ兄弟として育つ。希望に加賀屋を再興させることが恩返しであると考えるおしんは希望に早くからそのことを伝え、希望も戦後の再出発においては進学せずに商売を手伝っていた。やがて自身が商売に向いていないことを悟り、田倉の家を出て陶芸家の道を志す。
八代百合(ゆり) / 演 - 丘山未央→寺田路恵
田倉商店の使用人。良く働き控えめな性格で、おしんや初子からも可愛がられている。仁と関係を持ち、仁の結婚に際してことが露見したため田倉家にいられなくなり、希望の陶匠で働く。おしんは百合を不憫に思っていたが、後に希望の妻となる。
八代圭(けい) / 演 - 岩淵健大橋吾郎
希望の息子。旅に出たおしんの後を追い、おしんが過去に過ごした土地を一緒に訪れ、おしんが今までひた隠しにしてきた人生を知ることとなる。子供の頃にある事情で一時おしんと一緒に生活したことがあり、他の孫たちよりもおしんを慕っていて、おしんからも可愛がられている。

山形の人々

りき / 演 - 渡辺富美子
山形の谷村家の近所の住人。おしんが子供の頃に奉公先の口利きをしてくれたり、字が読めないふじたちの代わりに手紙を読んで聞かせるなどおしんたちを何かと助ける。
源助 / 演 - 小倉馨
口入れ屋。おしんの最初の奉公先の中川材木店を世話した。
中川軍次 / 演 - 平泉征(現:平泉成
おしんの最初の奉公先である中川材木店の主人。
中川きん / 演 - 今出川西紀
中川軍治の妻。
つね / 演 - 丸山裕子(声優)
おしんの最初の奉公先、中川材木店の使用人。おしんの躾け係。おしんに対して厳しく辛く当たる。しかし、この時の厳しいしつけによりその後のおしんの辛抱強さと働き者の性格を身につけることができた。
定次 / 演 - 光石研
おしんの最初の奉公先、中川材木店の見習い。おしんの世話係。おしんを気にかけている。
松田 / 演 - 三上寛
おしんの最初の奉公先の小学校の教師。中川家を説得して小学校に通わせた。
俊作(しゅんさく) / 演 - 中村雅俊
最初の奉公先から逃げ出したおしんを山中で助けた脱走兵。東京出身。日露戦争の203高地で受けた傷を持つ。おしんに読み書きや算数、ハーモニカ、与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」を教え、戦争の愚かさや命の尊さを説く。その後、おしんの里帰りに同行したが憲兵に見つかり、射殺されてしまう。
松造 / 演 - 大久保正信
俊作と共に暮らす炭焼き職人。息子を203高地で亡くしており、同じくそこで傷を負った俊作を懇意にしている。最初、自身らの存在を知られたおしんを煙たがっていたが、次第に孫娘のようにかわいがる。
番頭 / 演 - 小野泰次郎
加賀屋の番頭
きく / 演 - 吉宮君子
うめ / 演 - 佐藤仁美
加賀屋の奉公人。おしんの少女編に登場。
さく / 演 - 今野博美
たま / 演 - 井沢明子
加賀屋の奉公人。おしんの青春編に登場。
桜木徳男 / 演 - 津村鷹志(津村隆)
おしんの元婚約者。
勝次 / 演 - 江幡高志
おしんが加賀屋を辞めた後の次の奉公先を斡旋した。料理屋の酌婦という名目での斡旋だが実質は女郎であり勝次はいわゆる女衒である。
宿の仲居 /演 - 芝田陽子
おしんが銀山温泉に回想の旅に出た時に宿泊した宿の仲居

東京の人々

長谷川たか(はせがわ-)/ 演 - 渡辺美佐子
おしんの髪結いの師匠。日本髪専門の髪結い「長谷川」の女主人だが、おしんが洋髪で独り立ちできるよう育ててくれる。江戸っ子気質の義理人情の深い、人生の師匠でもある。
りつ / 演 - 名川忍
髪結い「長谷川」の奉公人。千葉の小作出身。最初、飛び込んできたおしんを厄介者と嫌っていたが、次第におしんを姉のように慕う。洋髪主流の影響でほとんどの奉公人が辞めてしまった中、たかのために一人「長谷川」に残って奉公していた。震災直後、田舎に戻り髪結いの店を持つ。
豊 / 演 - 田中世津子
その / 演 - 真野ゆうこ
袖 / 演 - 木瓜みらい
けい / 演 - 島村美紀
夏 / 演 - 富沢美智江
髪結い「長谷川」の奉公人。
つる / 演 - 此島愛子
おしんの出髪の競争相手。
中沢健(なかざわ けん) / 演 - ガッツ石松
露天商の元締。彼の手下が無許可で露天をしていたおしんを傷つけるが、度胸の良さに感心し、おしんが落とした売上金を返しにやって来たところ、山形出身ということでおしんと意気投合。気前良く露天の出店許可を出し、おしんの商売に貢献する。亡くなった妹と似ていると、密かにおしんを慕う。おしんの人生の局面で重要な役割を果たす。
ロク / 演 - おぼん
サブ /演 - こぼん
中沢健の子分。
染子(そめこ) / 演 - 日向明子
神田のカフェ「アテネ」の女給。おしんにとって最初の髪結い客で、最初結った髪が気に入らず怒って帰ってしまったが、店で好評だったため贔屓の客になった。おしんの独立や結婚を仲間たちと共に暖かく見守り、ある時は田倉商店の危機に一人豪遊する竜三を叱ったこともあった。震災直後、おしんとは離れ離れになってしまい、消息は不明。
波子(なみこ) / 演 - 浦谷ひづる
八重子(やえこ) / 演 - 谷川みゆき
茂子 / 演 - 古館ゆき
神田のカフェ「アテネ」の女給たち。染子に影響されて、おしんの髪結いの常連客となる。
徳造 / 演 - 神田正夫
かね / 演 - 橋本菊子
おしんが髪結いとして初めて独立した時の最初の下宿先の大家夫婦。
留吉 / 演 - 中島元
大工、田倉商会を子供服縫製所への改造を請け負った。
中本 / 演 - 小池栄
婦人服の仕立屋。おしんは型紙の制作を依頼したり技術指導を受けたりした。
立原 / 演 - 大矢兼臣
長野 / 演 - 加賀谷純一
大野屋の仕入れ担当者
山口ミサ / 演 - 渡辺康子
ミシンの技術指導員
梅子 / 演 - 大畑ゆかり
糸子 / 演 - 中尾和子
敏子 / 演 - 百瀬邦子
弓枝 / 演 - 西沢正代
勝子 / 演 - 野沢由香里
久代 / 演 - 大越章子
ミシンの縫い子

その他

高倉浩太→並木浩太(たかくら こうた→なみき こうた) / 演 - 渡瀬恒彦
農民運動の活動家。おしんの初恋相手で、竜三との結婚後も、伊勢での商売を紹介するなど生涯にわたっておしんを援助する。戦時下には特高警察による拷問を受け、脚に障害を残し心身ともに荒廃する。転向した後は運動から離れ、結婚して商売に精を出し成功し、戦後には楽隠居の身となる。未亡人となったおしんが店を出す際や加代の子である希望が独立する際も支援した。さらに、大型店に賭けたスーパーたのくらが倒産の危機にあった際、不採算の大型店を引き取ってスーパーたのくらの窮地を救った。
並木香子 / 演 - 片岡静香
浩太の妻。造り酒屋の一人娘。
耕造(こうぞう) / 演 - 隈本吉成
竜三の幼馴染で、田倉家の小作。居候になった竜三・おしんと一緒に畑仕事をする。
佐和(さわ) / 演 - 香野百合子
田倉家の小作・耕造の妻。元天草の女郎で近所から距離を置かれているがおしんと懇意にする。
神山(かみやま)ひさ / 演 - 赤木春恵
伊勢に住む浩太の親類で、特高警察に追われる浩太の身を案じる。浩太の紹介でおしんと雄を預かり、おしんが魚の行商人として独り立ちする手助けをし、戦後には未亡人となり家を追われたおしんが再起するため再び行商の手助けをする。
川村清一 / 斉藤洋介
雄の戦友。戦時中におしんと初子が雄に面会した時におしんが持ってきたおはぎを食べさせてもらった。戦後、戦死した雄の遺品を届けに田倉家を訪れ、さらに数年後、裏の仕事で大金を儲けて、初子に結婚を申し込む。雄の代わりに親孝行の意味も込めて駅前の土地をおしんに譲渡する。しかしその直後、営んでいた高利貸しの債務者に襲われて28歳の若さで生涯を閉じる。
栄造 / 演 - 大友柳太朗
希望の陶芸の師匠。
平野 / 演- 金田明夫
おしんの姉・はるが働いていた製糸工場の監督員。
川部仙造 / 演 - 長門裕之
道子の父。名古屋の衣類問屋の主人で、商売拡大のため道子と仁の結婚を進める。スーパー創業の際に自分の商売への介入を嫌い出資を断るおしんの態度にはじめ反感を持つ。やがて同じ時代を生きたもの同士として共感を示し、甘える道子や批判する波江よりもおしんの考え方を認めるようになる。
川部波江 / 演 - 今井和子
道子の母。若い頃に嫁姑問題で苦い経験をしたため、一人娘の道子にはそういう思いはさせたくないとの考えから、結婚には当初から否定的で、結婚後も姑のおしんに冷たい態度をとることが多かった。
文子 / 演 - 伊藤公子
田倉家のお手伝い。
語り / 演 - 奈良岡朋子
最終回に顔出し出演し、おしん・浩太と話す。

スタッフ

  • 脚本:橋田壽賀子
  • 音楽:坂田晃一
  • 制作:岡本由紀子
  • 演出:江口浩之、小林平八郎、竹本稔、望月良雄、一柳邦久、吉村文孝、江端二郎、大木一史、秋山茂樹
  • 山形ことば指導:芝田陽子
  • 酒田ことば指導:大久保正信
  • 佐賀ことば指導:吉岡節子
  • 島原ことば指導:山田孝子
  • 書道指導:星富恵子
  • 殺陣指導:林邦史朗
  • 茶道指導:戸田宗安

「おしん」の反響

日本での反響

  • 本放送の人気ぶりから『おしんシンドローム』と呼ばれるほどの社会現象を巻き起こし、中曽根康弘首相が自らとおしんを準え「おしん、康弘、隆の里」と表現し混迷する政局を耐え忍ぶ姿を自戒した他、田中角栄は自らの人生とおしんを照らし合わせて、涙ながらに「俺は男おしんだ」と語った。ただし橋田は後のインタビューで「教科書のような話を書いたつもりはないので政治家や財界人が訓示に引用するのには違和感を覚えた」と述べている。
  • 「おしんのしんは辛抱のしん」と辛抱を呼びかける現象までも発生したが、橋田は「あれは辛抱を描いたドラマではありません」と自粛を呼びかけていた。また、同年に放送されたNHK大河ドラマ徳川家康』における家康の忍耐心、苦難を越えて三十一歳で横綱に昇進し全勝優勝を遂げた力士・隆の里とを合わせ、「おしん、家康、隆の里」という流行語も生まれた。[2]
  • 本放送時、札幌市水道局の水道使用量が急速に減少して警告が鳴り、ラジオドラマ『君の名は』の再来か、というエピソードが当時の北海道新聞に掲載された。
  • 嫁姑戦争の舞台となった佐賀県では、「県のイメージダウンになる」とNHK佐賀放送局に抗議の電話が殺到し、NHKが「もう少し見てもらえれば真意を汲み取ってもらえる」と釈明を出す必要に迫られた。この時、姑を演じた高森和子はテレビのトーク番組に出演し「あれは演技の上ですよ」と苦笑しながら釈明している。
  • ドラマと現実の区別がつかなくなった熱狂的な視聴者が、おしん役の小林や母ふじを演じた泉ピン子宛てに米を送ったり、「おしんに渡してほしい」と、NHKに多額の金銭を送ってきたこともあった。おしんの父作造がおしんやふじに厳しく接するため、作造役の伊東四朗宅に「お宅のご主人は娘に厳しすぎる」と視聴者が抗議に訪れ、家人が「あれはそういう役」「うちには娘はいない」と応対するも最後には庭先で口論になったこともあったという。おしんと対立した姑を演じた高森和子は町中でにらみつけられたり、苦情を言われたこともあった。
  • おしんの奉公地に設定された山形県酒田市の出身である評論家佐高信は、「酒田周辺では、おしんよりもっと苦難を強いられた女性がたくさんいる」として、作品に批判的である。ただし、おしん自身の述懐にも「奉公ならまだいいほうだよ。男相手に身売りさせられたなんてのは当たり前のことだったんだから。そのこと考えたら、畑や家のことや杉苗植えなんて、寝る暇もないぐらいこき使われたって、ありがたいと思わなきゃね」とある(第23回より)。
  • 当時の「おしんブーム」にあやかろうと演歌歌手・金沢明子が「おしんの子守唄」をリリースしている。なおB面曲の「おしん音頭」は、歌詞がユーモラスだったことから「笑っていいとも!」で取り上げられたことがある。シングルレコードのジャケット柄は宗美智子による漫画版『おしん』のイラストであり、1983年11月末までに6万枚を売り上げた[3]
  • 「おしんブーム」で山形県を訪れる観光客が増加、県内観光名所の飲食店のメニューに「大根めし」も登場し話題となった。
  • おしんの幼年期については非常に反響が大きかったため、1984年夏にNHK総合テレビで幼年期のみ再放送されている。
  • 必殺仕事人IV』22話「主水、大根めしを食べる」において、中村主水がお灸に辛抱できない中で、上司の田中熊五郎が小説を読みながら、本作を連想させる発言をする。主水から毒づかれるが、ムキになっていた。
  • 1983年5月26日に発生した「日本海中部地震」を描いた矢口高雄のコミック「激濤 Magnitude 7.7」に、夫婦で出漁していた猟師が「おしん」のお昼の再放送を見ようと急いで港に戻るシーンが描かれている。なお、実際の当日の昼の放送は臨時ニュース放送のため休止された。

外国での反響

  • 『おしん』は日本国外、とりわけアジア圏で人気が高く、『おしん』を観て日本や日本女性に好意的な印象を抱いたという人々も数多い。少女時代を演じた小林綾子が放送された国を訪れると、今でも「オシン!」、泉ピン子は「オシンマザー!」と呼ばれ、様々な歓待を受けるという。一方、西欧諸国などで放送された時、国によってはあまり人気が出なかった。
  • 当時の中曽根首相と親密な関係にあったアメリカ大統領ロナルド・レーガンが1983年に来日した際に国会で「日本にはおしんの精神がある」と日本人をおしんに喩え、称賛している。
  • 中華人民共和国では非常に人気があり、初回放送から20年以上経った2007年でも、湖南テレビにて、『阿信』(アーシン)として再放送されている(中国語の「阿」が日本語の「お」に相当。「信」の方は当て字)。
  • 香港では、1985年に無綫電視で『阿信的故事』(アッソンデクースィー)として放送された。広東語のオリジナル主題歌「信」をジュディ・オングが歌い、香港を含む東南アジアの広東語圏全域で大ヒットしている。
  • 台湾では、1994年に中視で中国同様『阿信』として放送された。オープニング曲「永遠相信」はジュディ・オングが、エンディング曲「感恩的心」は欧陽菲菲が歌い、どちらも大ヒットした。なお、エンディング曲「感恩的心」は、中視の放送休止時間中のフィラーとしても使用されている。2008年3月25日20時から再放送(なお、再放送版、フィラーではエンディング曲の歌手がロジャー・ヤンとなっている)。
  • ベトナムでは、「おしん」がメイド家政婦を指す代名詞になっている。
  • エジプトカイロでは、『おしん』放映時間に停電が発生、放送を観られないことに怒った視聴者が電力会社やテレビ局に大挙押し掛け、投石や放火等の暴動を起こすという事件があった。その後、政府が該当話の再放送を約束する声明を出し、事態はようやく収束した。
  • アフガニスタンイランではペルシャ語吹き替えにて放送されたが、イラン国営テレビでの放映が最高視聴率90%超を記録する爆発的人気となり、長きに亘り「Oshin(ウーシン)」は日本を表す代名詞となった。なおイスラム教国では、男女が自然に触れ合う場面などが放映時に削除されたため、逆に「オリジナルにはわいせつシーンがある」との憶測を呼んだことがある。
  • 1989年1月28日、ムハンマドの娘ファーティマの誕生日兼婦人デーであるこの日には「イスラム女性の象徴はだれか」という質問形式のラジオ番組が放送されたが、ある女性が質問に「おしん」と回答しその後の受け答えでファーティマを古い女性だと形容した。ホメイニ師が責任者の処罰を要求した結果、件のラジオ局の責任者4人に対し反イスラム的であるとして科刑、解雇という判決が下されるが、当のホメイニ師が恩赦として判決を撤回させている[4]
  • ジャマイカでは、おしんブームが到来し、男女に限らず、名前に「オシン」をつけるのが流行した。
  • 立命館大学の学生・卒業生などが外国人に対して、学校を説明する際「『おしん』の卒業した大学」と説明することも少なくない。

番外編『もうひとりのおしん』

終戦記念日である8月15日からの6日間、ドラマ『おしん』を中断して放送された。これは田中裕子が疲労で倒れ、絶対安静を余儀なくされてドラマ撮影に支障が生じた事で急遽制作されたものである。

出演者

大橋吾郎小林綾子橋田壽賀子小木新造 ほか

スタッフ

放送日・サブタイトル

  1. 1983年8月15日(月) 「いろりのまわりに家族がいた」
  2. 1983年8月16日(火) 「めしはいつも大根めし」
  3. 1983年8月17日(水) 「女は一生働きづめ」
  4. 1983年8月18日(木) 「夏も冬も着たきりすずめ」
  5. 1983年8月19日(金) 「ことばは国の手形」
  6. 1983年8月20日(土) 「日本中のおしんたちへ」

舞台

映画

テレビドラマの第1部をアニメーション映画化したもの。1984年3月17日公開。高視聴率を挙げたドラマとは裏腹に上映打ち切りが相次ぎ、興行的には失敗に終わる。制作費3億円に対し配給収入は約2億円。失敗の原因に関してサンリオは「サンリオのファミリー映画はいつも子供が親を引っぱってきた。今回は子供にソッポを向かれたのが原因」としている。2006年、ポニーキャニオンから発売された『サンリオ映画シリーズ』の1作としてDVD化された。

主題歌
  • 「小さな願い」 歌:小林綾子
  • 「雪割草のように」 歌:上條恒彦
    作詞:山上路夫
    作曲:坂田晃一
  • アニメ版ではおしんの年齢や年号がはっきりと描写されている。
    • 物語の始まりは明治40年春、おしんは数えで7歳、満で5歳であった。
    • 俊作、松造とで雪山に篭っている時に明治40年暮れ明治41年となった。この2年前に日露戦争が終わっていた。
    • 加賀屋に奉公に来て最初の年に明治41年から明治42年になり加代と共に新年を祝った。
  • エンディングクレジットには「お豊」という登場人物がおり声を芝田陽子が担当している。芝田陽子はテレビドラマ版では銀山温泉の仲居として登場しているがアニメ版では存在を確認できない。
  • アニメ版ではおしんの家と中川材木店の場所が最上川との位置関係で図示されている。2011年現在の地図で近いと思われる地名は下記の通りでありテレビ版の撮影地とは異なる。
    • おしんの家:山形県西置賜郡白鷹町、中川材木店:山形県西村山郡大江町
    • アニメ版の設定通りなら、おしんの家から母親の出稼ぎ先の銀山温泉まで約75kmほどある。

声の出演

 (●はこざとへんに孝)


スタッフ

漫画

関連項目

脚注

  1. ^ 参考資料:ザテレビジョン編集部[編]『TVの出来事まるごと10年!別冊ザテレビジョン』角川書店・1992、146ページ
  2. ^ 参考・出典 大原誠・著「NHK大河ドラマの歳月」日本放送出版協会
  3. ^ 『週刊日録20世紀 1983(昭和58年)』講談社、1998年、39頁。
  4. ^ 朝日新聞1989年2月3日 朝刊 2外◆「おしん」賛美、ホメイニ師「許さぬ」 責任者、一時は禁固刑

外部リンク

NHK 連続テレビ小説
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おしん
NHK BS2 連続テレビ小説・アンコール
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おしん