すずらん (テレビドラマ)

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すずらん
ジャンル テレビドラマ
放送時間 15分
放送期間 1999年4月5日 - 10月2日
放送国 日本の旗 日本
制作局 NHK
脚本 清水有生
出演者 #キャスト
時代設定 1923年1月-1999年
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物語の中心であった冬の明日萌駅 改札口
ロケ地の恵比島駅ホームに隣接して置かれている。(2008年撮影)
初夏の明日萌驛(正面側 2009年6月撮影)

すずらん』は、1999年4月5日から10月2日まで放送された、NHK連続テレビ小説の60作目。

概要[編集]

  • 放送日:1999年4月5日 - 10月2日
  • 放送時間
  • 放送回数:全156回
  • 視聴率(1999年):平均視聴率26.2%、初回視聴率23.1%、最高視聴率30.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)[1]
  • ひまわり』以降実施されていたサブタイトル導入や週末の次週予告が今作では実施されなかった(「ひまわり」以後、朝ドラでは基本的に1つの作品を連続した物語としてとらえつつも、1つのエピソードを1週間程度(「ひまわり」は2週間)で完結できるように配慮されているが、「すずらん」は連続性を重視していた。)。

放送された1999年度前半は映画『鉄道員(ぽっぽや)』が公開されるなど、北海道を舞台とした鉄道員の生き様を描く作品の当たり年であった。本作の制作記者発表は鉄道にちなんだドラマとして、1998年10月14日鉄道の日)に交通博物館で行われた。なお、連続テレビ小説のヒロイン役で、子役時代からテレビドラマの出演実績がある若手女優が起用されたのは1990年代後半の作品では異例であった。

晩年の主人公がルーツとなった地に降り立ち、激動の半生を回顧するという物語の構成は「おしん」と類似しており、同作へのオマージュと受け取れる。

全体的にシリアスな作風だが、単発のゲストでバラエティ系のタレントを登場させるなどコミカルな演出を出した回もあった。また、エピローグにて現代の明日萌駅の来訪者の殆どは、主人公の第一および第二の人生でカギとなる人物役のキャストが再登板する形で演じている。

スタッフ[編集]

作詞 - 大村のぞみ、歌 - Non、作曲 - 服部隆之、編曲 - 小西貴雄
  • 語り - 倍賞千恵子
  • 副音声解説 - 関根信昭
  • 資料提供 - 松田鐵也
  • 風俗考証 - 小野一成、天野隆子(本編にも出演)
  • 鉄道考証 - 松澤正ニ、大石和太郎
  • 所作指導 - 橘芳慧
  • 木彫制作指導 - 加藤栄次
  • 三味線指導 - 澤田勝成
  • 空手指導 - 東孝
  • 取材協力 - 新生活研究会
  • 撮影協力 - 北海道沼田町深川市夕張市留萌市北海道開拓の村JR北海道JR東日本真岡鐵道
  • 制作統括 - 一井久司
  • 制作 - 安原裕人
  • 美術 - 稲葉寿一、斉藤健治、西村薫
  • 技術 - 川崎和彦、渡辺秀男、田中満
  • 音響効果 - 林幸夫、浜口淳二、小野寺茂樹
  • 編集 - 久松伊織、藤原智子、福寿香里
  • 撮影 - 清水昇一郎、白井政治、小笠原洋一
  • 照明 - 岡本昌弘、福田晋
  • 音声 - 小林清、浜川健治、嶋岡智子、谷島一樹
  • 映像技術 - 倉又信久、野村誠、中寺貴史、吉田賢治
  • 美術進行 - 塩野邦男、大野輝男、川崎裕一
  • 演出 - 黛りんたろう/吉川邦夫、大橋守、渡邊良雄、野田雄介、勝田夏子

あらすじ[編集]

プロローグ[編集]

1983年(昭和58年)冬、年老いた女性と幼い孫娘の二人がタクシーで北海道のある廃駅に降り立ち、自分の生涯を孫娘に語りかけるように幼少期から回想することで物語が始まる。

出生・少女期[編集]

1923年(大正12年)。北海道留萌地方にある財閥系の「三丸炭坑」で栄える町明日萌(アシモイ)。人々の往来で賑わう「明日萌駅」の待合室の片隅に、生まれて間もない赤ん坊と木彫りの人形・手紙が入った籠を、母親と思しき女性が周囲が気づかぬうちに置き去りにして逃げてしまう。置き手紙を見た駅長である常盤次郎はその子を亡妻の生まれ変わりと信じ、萌(もえ)と名付けて育てることを決意する。
次郎や兄姉の愛情を注がれて10歳に成長した萌は、自分と次郎や亡母は血縁関係が無く、義姉・明子の婚姻に支障が出るなど迷惑がかかると察し、自らの意志で孤児院「幸福学園」へ入園するが、満足な食事が与えられずに労働を強いる環境と、友人さわが医者に診て貰えずに病死するといった悲劇から死に物狂いで次郎の許へ詫びつつ帰って来た。その後、三丸財閥の社長である橘龍蔵の妾の子・二宮勇介と淡い初恋などを経て、萌は今まで以上に次郎や明日萌の人々の暖かい愛情を受けながら成長していく。

母親探し[編集]

数年後、幼馴染みの竹次郎・しのと共に高等小学校を卒業してから平穏に暮らしていた萌は、母親の手がかりを探すために単身上京を決意する。明日萌を発つ汽車に乗り、次郎に見送られつつ、生まれて初めて故郷を離れる(漫画版はここで終了)。
上野駅に降り立った萌は、次郎に手渡されたメモに下宿先が書かれていたものの土地勘が無く、人に尋ねている合間に生活費をスリに遭い途方に暮れる。その晩、駅の近くにある「猫又食堂」で手持ち僅かな全財産で食事をするが、お茶のお替わり分の代金を払えなくなり、店主で女将のとしに無銭飲食だと言いがかりをつけられるが、萌はとしの計らいから住み込みで働くようになる。ここで永年の友人となる民子らと知り合い、駅舎などの設計建築に携わっている鉄道省技術職員の日高正憲と結婚するに至り、光太郎をもうけたが、正憲は用務先の満州で戦乱に巻き込まれ帰らぬ人となった。
1945年3月10日東京大空襲で「猫又食堂」が焼けてしまったのを機に萌は光太郎を連れて明日萌へ疎開し、若い男子が出征したことで人手不足となっていた明日萌駅や中村旅館を手伝う仕事をする。しかし、明日萌の近くの留萌でも空襲が有り、出張中の次郎が巻き込まれたのではと案じる一幕もあった。

終戦後、東京に戻った萌と光太郎は、しのがいる台東区芸者置屋「鶴廼屋」へ住み込んでお手伝いとして働き始め、その片手間に、北海道にいる竹次郎の助けを得ながら母親の手がかりを探す。初恋相手・勇介との運命的な再会ののち婚約するが、勇介が暴漢に襲われてしまい帰らぬ人となってしまう。結局勇介とは結ばれぬままであった。
勇介の遺骨を明日萌に届けるため、明日萌に帰った萌は、偶然、幸福学園の山岡と再会する。山岡は萌に過去を詫びるが、萌は許すことができなかった。しかし、そんな萌に次郎から電話が入る。それは、勇介が次郎に宛てた最後の手紙について伝える電話だった。その手紙には、父・橘を憎む心を捨てるという内容であった。その手紙を聞いた萌は、山岡に対する憎しみを解き、幸福学園に向かう。山岡の過去の謝罪を受け入れ和解する。これがきっかけとなり、萌は幸福学園で先生として働くことになった。
昭和27年、橘が萌の母親を知っていたことを突き止める。萌は橘の鎌倉の別荘で匿われていた母親・川本富貴と念願の再会を果たす。
萌は余命僅かとなった富貴と一緒に明日萌に向かい、長い汽車の旅の中でそれぞれの生い立ちを語り合う。萌の実の父親は、かつて橘が手掛けていた別の炭坑の坑夫で、富貴と駆け落ちした後に死亡。炭坑の処遇などの恨みから、富貴は橘を刺して逃げ去ってしまう。その頃、妊娠していることに富貴は気づいたという。ようやく蟠り解けるもつかの間、富貴は出身地でもある青森で力尽きてしまう。

昭和30年代[編集]

幸福学園で萌は教師として時を過ごし、光太郎も幸福学園へ進学した。
その後、石炭の衰退に伴う鉱山の閉鎖により昭和38年12月に路線は存続するものの明日萌駅は廃止となることが決まり、駅最後の日に町ゆかりの人物が集い、最終列車を見送ったが、実は町の手違いで、歴代駅長には廃止のことや式典の招待を伝えずにおり、定年退職後は富山の路夫の家で暮らしていた次郎が事実を知ったのは当日であったことから萌や中村家は式典出席をボイコットする。
次郎は明日萌に出向くのを諦めかけたが、路夫の勧めで富山から航空機の国内線を乗り継いで、札幌からの最終列車で明日萌に降り立ち、駅の最期を見送ることができた。そして灯りが消えた駅舎に向かい皆で「ありがとう」と感謝の気持ちと思いをぶつける。集った人々は、萌と光太郎や横田を除いてやがて明日萌の町を離れたり、次郎らは天寿を全うし、幸福学園も光太郎が高校を卒業する時に山岡の高齢化から閉園となった。

第2の人生[編集]

1982年(昭和57年)。萌は年初に幸福学園を閉じ、光太郎が勤める建設会社の東京にある社宅に身を寄せ、光太郎夫婦と孫娘の遙との一家団欒の暮らしを始める。民子が萌の自叙伝作りのためインタビューをしつつ、引きこもりがちで退屈な日々を過ごしていた。偶然立ち寄った弁当屋「おふくろ亭」で、子供をおぶったまま働くシングルマザーを見かねたことから保育園を探すようにと諭して、萌はその代わりに働き出し、アパートに部屋を借りて一人暮らしをはじめる。旭川で駅弁屋の事業が成功し東京の老人ホームで隠居生活をしていた竹次郎と意気投合し、次々と開発した弁当のおかげで「おふくろ亭」は商売繁盛となったが、保育園はどこも入所待ちで簡単には入れてくれないという。
一方、幸福学園での教え子で医師となった大作が勤める大学病院健康診断を受けた折、橘が同じ病院に入院していることを民子から聞き、大作に頼み、意識が無く余命僅かな橘に対面し、30年前に母親と再会できて感謝している旨を伝えた。
その後、橘の遺言に基づいて30億円相当の現金預金・三丸商事株式を萌に相続させる旨を弁護士が伝えに来た。受け取る理由は無いと一旦は固辞したが、民子に「夢の実現のために」と諭され、萌は働いている親が安心して子供が預けられる保育園を作りたいと決意し、相続した。

萌が働き出したことと巨額の相続を自分達へ寄越さないことに対する不満と、小学校のお受験を控えていた遙への影響、それに世間体を気にする光太郎の妻・由美子は光太郎との間で溝が深まり、由美子は遙を連れ出して友人宅へ別居してしまう。

一方、保育園開設に反対する住民グループが現れるも、萌は理解が得られるまで時間をかけることを信念とした。しかし光太郎は賄賂で収束を納めようとしたことから、反対住民との関係が悪化してしまう。どうして急ぐのかと萌の問いに、光太郎は「時間がないんだ」と泣きながら言う。先頃、大策から光太郎へ、萌は末期癌で余命1年程度しか無いと宣告を受けたのであったが、萌はそれでも癌のことは理由にせず、自分の生い立ちを話すことで住民の理解を得て、1983年(昭和58年)、「すずらん保育園」は竣工した。
その後、光太郎・遙・関係が修復した由美子と竹次郎が揃ったクリスマスパーティーの折、皆で明日萌に出かける事を提案する。やがて深川旅館に着くが、体調を崩して寝込んでしまう。翌朝、遙だけを連れてタクシーで明日萌駅へと向かう。(第一話の回想した萌の場面に戻る)
自分が生まれ育った待合室の古ぼけた椅子の隅に遙を連れて座り、飾られたままとなっている50年近く前の自分が写った写真を眺め、昔を振り返りながら、次郎の姿と入線する汽車の幻を見る。光太郎らが後追いで来た時には、萌は59年の生涯を閉じて永遠の眠りについていた。幼少の遙はそれを理解できずにいた(総集編はここで終了)。

エピローグ[編集]

1999年(平成11年)、明日萌駅舎の内装を改築した喫茶店「明日萌駅」がオープンしていた。店を切り盛りするのは20歳の遙で、店内には「Automatic」など現代のJ-POPのBGMが流れ、100歳になる横田が撮ってきた明日萌の人々の写真が飾られているが、客足はさっぱり。その矢先に同世代の青年が転がり込んで来た。彼は竹次郎の孫の中村健太で、親に反発して家出したのだが、遙と意気投合する。
やがて民子が店に訪れ、萌の一生を記した著書「萌」の売れ行きが好調であると報され、少しずつ来訪者が増えていく。その後、路線も廃止となっている線路側から汽笛の音がする。3人はホームに入ると、遠くから光を放ち走って来る汽車が―。

キャスト[編集]

常盤・日高家[編集]

常盤(日高) 萌(ときわ(ひだか) もえ) - 柊瑠美(少女期)→遠野凪子(青年期)→倍賞千恵子(老年期、エピローグを除く全編のナレーション兼任)
主人公。実の母を捜しながら激動の人生を歩む。芯が強い半面、涙もろい一面も。紙芝居作りが得意。
常盤 次郎(ときわ じろう) - 橋爪功
明日萌駅長。萌の養父。穏やかな性格で、責任感が強く、明日萌の住人からの信頼も厚い。結婚して明日萌を離れる花嫁のために、手製の木彫りの人形を作っている。
川本 富貴(かわもと ふき) - 倍賞美津子(劇場版は黒木瞳
萌の実母。萌の青年期の重要人物。三味線の名手。
日高 正憲(ひだか まさのり) - 前田耕陽
萌の夫、読書好きの鉄道省職員。いつも忘れ物ばかりしている。猫又食堂の常連客で、としの仲介で萌と知り合い結婚。光太郎の誕生直後、満州に従軍するが、家族の写真を忘れて宿舎に戻ったところ爆撃に遭って死亡。
日高 加代子(ひだか かよこ) - 加茂さくら
正憲の母。
日高 光太郎(ひだか こうたろう) - 藤原義大(幼年期)→東海孝之助(少年期)→大根田良樹(青年期)→川野太郎(壮年期)
萌と正憲の息子。物心つく前に父を失い、母に女手ひとつで育てられる。萌から国鉄に入り父親と同じ道を歩んでほしいと思われるが、建築関係の仕事を志し、勤労学生として夜間大学へ進学。結婚して建設会社のサラリーマンになるが、後に母の意志を受け継ぎ「すずらん保育園」の園長となる。
日高 由美子(ひだか ゆみこ) - 伊藤かずえ
光太郎の妻。お受験に必死な教育ママだったが、夫と共に「すずらん保育園」を経営する道を選ぶ。
日高 遥(ひだか はるか) - 野村知沙(少女期)→遠野凪子(青年期、二役、エピローグのナレーション兼任)
萌の孫、光太郎と由美子の娘。萌の死を見取った。エピローグで1999年(平成11年)、廃駅の明日萌駅に喫茶店「明日萌駅」を開く。ちなみに、初回にも野村演じる幼少期の遥は、倍賞演じる晩年の萌とともに登場するが、その際のテロップは「橘 はるか」となっている。当初の予定では萌と勇介が結ばれる予定であったのかは不明。
亀田 安代(かめだ やすよ) - 冨士眞奈美
次郎の姉。根は悪くないのだが、しばしば萌に辛く当たる。しかしながら明子が萌と和解してからは当り散らすことはほとんど無くなった。
常盤(葛木) 明子(ときわ(かつらぎ) あきこ) - 内山理名(少女期)→渡辺典子(青年期)
次郎の長女。萌の出生が原因で見合いが破綻しかけるも無事に結婚。しかし、太平洋戦争で夫を失い、明日萌に疎開。精神的に荒んで萌に辛く当たるが、夫の死で泣き崩れる萌を目の当たりにして和解した。
葛木 信夫(かづらぎ のぶお) - 和田圭市
明子の夫。太平洋戦争で死亡。
常盤 義雄(ときわ よしお) - いしいすぐる
明子と信夫の息子。
常盤 鉄夫(ときわ てつお) - 笠原秀幸(少年期)→蟹江一平(青年期)
次郎の長男。家族の反対を押し切って海軍に入隊し、太平洋戦争で戦死する。
常盤 路夫(ときわ みちお) - 奈良本浩樹(少年期)→山下徹大(青年期)
次郎の次男。幼い頃から病弱で、父の影響を受けて木彫り職人を目指す。一時挫折して萌に迷惑をかけるが、一人前の木彫り職人として大成し、駅長を退職した後の次郎は彼の家で余生を送る。
常盤 春子(ときわ はるこ) - 島崎和歌子
路夫の妻。多くの子宝に恵まれる。
常盤 町子(ときわ まちこ) - 金谷彩紀
路夫と春子の娘。

中村・池田家[編集]

中村 幸子(なかむら さちこ) - 萬田久子
中村旅館女将。しっかり者で頼りない夫を尻に敷く。次郎を慕っている。
中村 松吉(なかむら まつきち) - 石倉三郎
中村旅館主人、幸子の夫。箸置き亭主で女好き。弁当屋を開業して成功するが、真冬にもかかわらず屋外で泥酔して凍死してしまう。
中村 千吉(なかむら せんきち) - 三木のり平(第1週のみ)→今福将雄(第2週以降、代役
松吉の父。隠居の身で、悠々自適の生活を送る。冒険好き。子の松吉に先立たれ、徐々に記憶が不鮮明になっていく。
中村 竹次郎(なかむら たけじろう) - 山田一統(少年期)→大柴邦彦(青年期)→尾藤イサオ(老年期)
萌の幼馴染。松吉と幸子の息子。裏表の無い明るい性格で、萌に片想いする。戦時中に出征したが生還し、自分を慕う幼なじみでもある池田しのと結婚した。松吉の跡を継ぎ弁当屋を営むが、息子夫婦に後を継がせた後は東京で萌の相談役となる。エピローグでは既に故人となっている。
池田(中村) しの(いけだ(なかむら) - ) - 高橋裕月(少女期)→山田まりや(青年期)
萌の親友。竹次郎に思いを寄せるが、両親の事故で芸者になり上京。後に竹次郎と結婚する。晩年編の時点では既に病で他界している。
池田 三男(いけだ みつお) - 江良潤
しのの父。三丸炭鉱の鉱夫。落盤事故で重傷を負う。
池田 しげ(いけだ - ) - 田中綾子
しのの母。事故で重労働ができなくなった夫に代わって炭鉱で働くが、落盤事故で生き埋めとなったあげく、上部から見殺しにされて死亡。
中村 健太(なかむら けんた)- 大柴邦彦(二役)
竹次郎としのの孫。エピローグに登場し、喫茶店「明日萌駅」に立ち寄る。

明日萌の人々[編集]

岩波 尚助(いわなみ なおすけ) - 小野武彦
明日萌町長。松吉とは古くからの喧嘩友達。お調子者だが憎めない。後に府会議員・国会議員までに出世。
阿部 和雄(あべ かずお) - 大森博
岩波の曾孫。エピローグに登場。
横田 康雄(よこた やすお) - うじきつよし
横田写真館のカメラマン。通称“横田のボン”。終盤では100歳の老人となって登場し、明日萌の生き字引となる。遥を萌と間違えて「おお、萌。」と呼び遥は「遥です。」と返すのがお決まりだった。
横田 達郎(よこた たつろう) - 畠中洋
横田の孫。明日萌在住。エピローグに登場。
北澤 みね(きたざわ - ) - 三原じゅん子
北澤理髪店主、明日萌のマドンナ。横田や松吉・岩波ら憧れの的だったが、後に過去に何か訳ありの渡世人(演:鶴見辰吾)と駆け落ちして、明日萌を去る。
木村 県一(きむら けんいち) - 渡部雄作
明日萌駅のベテラン駅員。次郎の相棒。
橋岡 勝太郎(はしおか かつたろう) - 木村壮平
明日萌駅の新人駅員。

三丸財閥[編集]

橘 龍蔵(たちばな りゅうぞう) - 夏八木勲
三丸炭坑社長・三丸商事・三丸財閥代表。萌の人生の節目節目に影響を及ぼす。
二宮 富子(にのみや とみこ) - 東てる美
龍蔵の妾、勇介の母。夫と息子の骨肉の争いに心を痛める。
二宮(橘) 勇介(にのみや(たちばな) ゆうすけ) - 小谷幸弘(少年期)→唐渡亮(青年期)
龍蔵と富子の息子。私生児。萌の初恋相手だが、龍蔵によって引き裂かれる。後に家を飛び出し、高利貸しとなって父と対立。再会した萌の恋が再燃して婚約を交わすが、その直後に怨みを買った暴漢に襲われ非業の死を遂げる。
清城 和子(きよしろ かずこ) - 七森美江
勇介の婚約者。華族の令嬢で、萌も見下す。
石澤 勝彦(いしざわ かつひこ) - 田口トモロヲ
三丸炭鉱の幹部。龍蔵の腹心。

幸福学園[編集]

山岡 千代(やまおか ちよ) - 山下容莉枝
孤児院・幸福学園の教師、後に園長。園児の製作物を秘かに売り捌いて懐に入れており、それを目撃したさわを徹底的に虐待して死に至らせる。さわを庇った萌にまで矛先を向け、納屋に押し込めて凍死寸前にまで追い詰めた。その後さわの死を悔いて改心、クリスチャンとなって過去の贖罪のため、別人のように生徒に優しく接するようになり、竹次郎の説得もあって約20年の時を経て萌と再会し和解した。山下容莉枝の当たり役。
田所 平蔵(たどころ へいぞう) - 草薙幸二郎
幸福学園の園長。私腹を肥やす俗物。
佐々木 すみ(ささき - ) - 絵沢萌子
幸福学園の炊事係。山岡に痛めつけられた萌を助け、密かに脱出の手伝いをする。
子爵夫妻(ししゃくふさい) - 浅沼晋平、天野隆子(風俗考証を兼任)
幸福学園の出資者。
石森 さわ(いしもり - ) - 小此木麻里
幸福学園の生徒。萌と親しくなるが栄養失調による高熱・衰弱で病死。萩原朔太郎の詩『竹』を暗誦できる。
石森 吉江(いしもり よしえ) - 長坂しいほり
さわの母。男と駆け落ちしたことから娘を預けた。
藤川 大策(ふじかわ だいさく) - 萩野嘉一郎(少年期)→高山広(青年期)
幸福学園の生徒。萌の教え子で、光太郎の親友。のちに大学病院の勤務医となる。成長後も恩師の萌を厚く慕っている。
斉藤 範子(さいとう のりこ) - 児玉真菜
幸福学園の生徒。萌の教え子で、光太郎の初恋相手。

猫又食堂の人々[編集]

川村 とし(かわむら - ) - 中村玉緒
萌の住み込み先・猫又食堂の女将。「安くてまずい」をモットーに徹底的に倹約した料理を出す。過去の経歴から、萌から実母と思われていた。
松崎 雪子(まつざき ゆきこ) - 酒井美紀
としの娘。自分を捨てた母を恨んでいるが、萌と啓太郎の説得でわだかまりを解く。
高橋 影虎(たかはし かげとら) - 日下武史
猫又食堂の従業員。としの内縁の夫的存在。食材となる野草探しが得意で、周りから“先生”と呼ばれている。東京大空襲で死亡。
木島 里子(きじま さとこ) - 宮地雅子
猫又食堂の従業員。空襲で店を失った後は、勝利を頼る。
戸田 隆一(とだ りゅういち) - 多々良純
猫又食堂の常連客。
本城 啓太郎(ほんじょう けいたろう) - 岸本祐二
猫又食堂の常連客。映画俳優。貧乏だった頃のツケを払うため、いつも2倍の料金を払っている。萌に一目惚れするが、日高に託す。出征し、太平洋戦争で死亡。
佐伯 勝利(さえき かつとし) - 清水アキラ
猫又食堂の常連客。相場師
大町 広子(おおまち ひろこ) - 青山知可子
猫又食堂の常連客。カフェの女給。
お千代様 - 美輪明宏
猫又食堂近くの拝み屋。萌の子(光太郎)が生まれたとき、としはその子の名前についてお千代様に相談した。

東京の人々[編集]

富高 民子(とみたか たみこ) - 中島ひろ子(青年期)→佐藤友美(老年期)
萌の親友。出版社勤務で、上京後の萌を生涯にわたって助ける。萌の死後、彼女の自伝「萌」を発表する。
なお、放送当時のステラのすずらん特集によると当初は「司書A」という名もない端役であったという。ただ、物語が展開するにつれて、萌の母親探しになくてはならない人物になったという記述がある。
また、彼女が萌に言った「いつの時代も子供たちの未来は輝いていなくてはならない」という言葉は、晩年の萌の保育園設立のための支えになっていく。
森川 秀治(もりかわ ひではる) - 岡本富士太
東京の駅職員。次郎の後輩。
きよ子 - 松原智恵子
鶴廼家女将。しのやあやめの主人で、萌の面倒も見る。泣ける話にとても弱い。
あやめ - 鈴木砂羽
芸者、しのの仲間。瓦割りが得意技だが、客にドン引きされてしまうため受けが悪い。
小梅(こうめ) - 犬山犬子
芸者、しのの仲間。
小夏(こなつ) - 山川恵里佳
芸者、しのの仲間。
豊子(とよこ) - 宮下順子
小料理「かない」の店主。富貴の情報を萌に教える。
小林 正嘉(こばやし まさよし) - 斉藤暁
萌のパート先の弁当屋主人。
畑野 真理(はたの まり) - 西尾まり
萌のパート先の弁当屋店員。
広瀬 みどり(ひろせ - ) - 花井紫
萌のパート先の弁当屋店員。

その他[編集]

進藤 光子(しんどう みつこ) - 川中美幸
次郎の見合い相手。
内藤 浩士(ないとう こうじ) - 吹越満
自称作家。共産主義者のテロリスト。
関(せき) - 河野洋一郎
内藤の仲間、橘の暗殺を企てる。なお、河野はヒロインのオーディションで相手役を担当した。
大川 雪之丞(おおかわ ゆきのじょう) - 鏡味小仙
幼い頃の萌が見物した新劇「雪之丞一座」の座長。
ケイ、小笠原 友子(おがさわら ともこ) - 小林恵(二役)

総集編[編集]

  • 第一章「少女編」
  • 第二章「激動編」
  • 第三章「運命編」
  • 最終章「完結編」

メディアミックス[編集]

本作は他の連続テレビ小説作品と同じく、NHK出版よりドラマノベライズ版が上・中・下の3巻で発売されているが、さらに「天うらら」「やんちゃくれ」に次いでコミカライズ版が本放送期間中にNHK出版コミrックスとして2巻発売された(作画:いがらしゆみこ。物語前半部分のみ採譜)。翌2000年には平成期に放送された連続テレビ小説としては現在唯一の劇場版も制作・公開され、ドラマ本放送開始から映画版公開終了までのおよそ14か月近くに亘り、NHKによる本作のメディアミックスが展開された。

NHKによるものではないが、ドラマ・映画版の影響からJR北海道で「SLすずらん号」が1998年から2005年までの長期に及んで運行された(→#明日萌駅参照)。

劇場版[編集]

概要[編集]

『すずらん 〜少女萌の物語〜』の題名で、2000年6月17日に公開。テレビ版では明かされなかった萌の少女期と青年期の間に起こった話を描くサイドストーリー

連続テレビ小説の映画化は、1973年の『藍より青く』以来27年ぶり。テレビ版のチーフ演出だった黛りんたろうが監督を務めた。音楽が服部隆之から岩代太郎に交代したほか、鈴木砂羽・蟹江一平・蒲池宏・江良潤がテレビ版とは別の役で出演。テレビ版では倍賞美津子が演じた萌の実母・富貴役は、黒木瞳に変更されている。テレビドラマが終了した2000年1月から4月にかけて撮影が行われた。

制作プロダクションNHKエンタープライズ21、配給は松竹

キャッチコピーは「おとうさん、萌は、おかあさんに逢えますか」

あらすじ[編集]

1934年(昭和9年)。11歳になった萌は、汽車に轢かれそうになったところを中村旅館に泊まっている青年・勝俣秀次に助けられる。しかし勝俣は特高に付け狙われている共産主義者で、過酷な漁業に従事させる代わりにどんなお尋ね者でも受け入れる番屋に身を潜めることとなる。同行した萌は、1年前に会う約束をしながら遂に姿を見せなかった生き別れの母・富貴の情報を耳にするが―。

キャスト[編集]

テレビ版からの続投出演者[編集]

劇場版の新出演者[編集]

川本 富貴(かわもと ふき) - 黒木瞳
萌の実母。
勝俣 秀次(かつまた しゅうじ) - 池内博之
特高に追われる謎の青年。本名は内山 三男(うちやま みつお)。
岩崎 陽介(いわさき ようすけ) - 中村梅之助
番屋の親方。秀次を匿う。
菊江(きくえ) - 鈴木砂羽
陽介の愛人。

スタッフ[編集]

  • 製作総指揮:大谷信義、酒井治盛
  • 制作・エグゼクティブプロデューサー:田中浩三、高橋康夫
  • 監督:黛りんたろう
  • 脚本:清水有生
  • 音楽:岩代太郎
  • チーフプロデューサー:野村芳樹、田代勝四郎
  • プロデューサー:田沢連二、吉岡和彦、坂美佐子
  • ラインプロデューサー:貝原正行
  • 撮影:中堀正夫J.S.C.
  • 照明:丸山文雄
  • 美術:中澤克巳
  • 録音:北村峰晴
  • 編集:奥原好幸
  • 記録:牧野千恵子
  • 助監督:佐々部清
  • 製作担当:芳川透
  • 美術製作:橋口修侍
  • 時代考証:小野一成
  • 風俗考証:天野隆子
  • 津軽三味線指導:澤田勝成
  • 木彫制作指導:加藤栄次
  • 鉄道考証:松澤正ニ
  • 駅員指導:柏倉正男
  • 脚本協力:清水進生
  • 制作デスク:武笠麻友、鈴木美佐子
  • 制作進行:清水博、甲斐聖太郎
  • 音楽プロデューサー:金子恒彦、小野寺重之
  • 主題歌:『すずらんのうた』
  • イメージソング:『母に捧げる歌』
作詞:阿久悠、作曲:浜圭介、編曲:萩田光雄、歌:柊瑠美灘麻太郎日本クラウン

明日萌駅[編集]

留萌本線恵比島駅(北海道雨竜郡沼田町)前に、数々のオープンセットが建設され、実際に栃木県の真岡鐵道から蒸気機関車を借り、臨時列車を運転してロケーションが行なわれるなど大がかりな撮影が話題を呼んだ。
この蒸気機関車の運行によってJR北海道で蒸気機関車の動態保存が復活するきっかけとなり、「SLすずらん号」として実際のロケ地沿線の留萌本線で運行し、恵比島駅にも停車していたが、ブームが去り乗客が減ったため2006年を最後に休止している。

ドラマでの明日萌駅は、当初無機質な鉄道車両(車掌車)を利用した恵比島駅舎を覆う形のオープンセットで設営されたが、大半のシーン撮影終了後の1998年初夏に沼田町によって、既存の恵比島駅舎の隣接に「明日萌驛(昭和初期の設定)」が建設され、駅向かいの旧旅館を撮影時に用いた「中村旅館」へ改修した。積雪がある11月末 - 4月下旬以外のシーズン期間の昼間はそれぞれ中に立ち入り見学することが可能である。
1998年夏から当初3年間の予定で設置されるつもりだったが、観光スポット化したため明日萌驛と中村旅館は沼田町管理の施設として所在しており、クランクインから13年を経過した2013年も公開が行われている。

なお、この恵比島駅からは実際に炭鉱鉄道である「留萠鉄道」が分岐し、旅客営業も行っていたが1960年代に廃止されている(作品上はターミナル駅として描かれていない)。1986年までは現在の明日萌驛舎の所に旧駅舎が存在していた。旧駅舎のコンクリート土台をそのまま再利用して明日萌驛舎は建てられた。

「あしもい」は北海道のアイヌ語由来地名に似せて創作された架空の地名である。

その他[編集]

脚注[編集]

NHK 連続テレビ小説
前番組 番組名 次番組
すずらん