「大陸」の版間の差分

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[[ファイル:Whole world - land and oceans_12000.jpg|right|300px|thumb|大陸と海洋]]
[[ファイル:Whole world - land and oceans_12000.jpg|right|300px|thumb|大陸と海洋]]
[[Image:Continental models.gif|thumb|300px|大陸を色分けで表した動画。様々な考え方を反映するために一部が統合または分割される。例として、ヨーロッパとアジアを合わせてユーラシアとして表した赤系統部分、南北アメリカを一つの大陸と考える緑系統部分がある。]]
[[ファイル:Tectonic plates-ja.png|right|300px|thumb|プレート]]
[[Image:Dymaxion map unfolded-no-ocean.png|thumb|300px|right|[[ダイマクション地図]]では、少ないひずみで各大陸の形状が表現できる。]]
'''大陸'''(たいりく、{{Lang-en-short|continent}})は、[[地球]]上の[[陸]]の中で特に[[面積]]の広いものをいう。これに対して面積の小さな陸を[[島]]という。大陸の定義は、文化や学問により異なる。
'''大陸'''(たいりく、英:continent)は、[[地球]]の[[地殻]]上に存在する陸塊である。一般的には[[アジア大陸]]・[[アフリカ大陸]]・[[ヨーロッパ大陸]]・[[北アメリカ大陸]]・[[南アメリカ大陸]]・[[オーストラリア大陸]]・[[南極大陸]]の7つの[[陸上]]部分を指すが、これは相対的な判断によるもので厳格な基準は設けられていない<ref>[http://www.britannica.com/EBchecked/topic/134805/continent Continent] (2009年). In ''Encyclopædia Britannica''. Retrieved 12 December 2009.</ref><ref name="NatlGeo">{{cite web|url=http://travel.nationalgeographic.com/places/continents/|title=Continents: What is a Continent?|publisher=[[ナショナルジオグラフィック協会]]|language=英語|accessdate=2010-04-29}} "Most people recognize seven continents—Asia, Africa, North America, South America, Antarctica, Europe, and Australia, from largest to smallest—although sometimes Europe and Asia are considered a single continent, Eurasia."</ref>。衝突や分裂など大陸の動きは、かつては[[大陸移動説]]として説明された[[プレートテクトニクス]]で理論化され、[[地質学]]の研究課題となっている。


== 現在大陸 ==
== 定義とそ適用 ==
慣習的に、「大陸とは有意な水域で切り離された、充分に広く、連続的で、おのおのが独立していると認識される陸地」と言える<ref>{{cite book|last=Lewis |first=Martin W. |authorlink= |coauthors=Kären E. Wigen |title=The Myth of Continents: a Critique of Metageography |year=1997年 |publisher=University of California Press |location=Berkeley |id=ISBN 0-520-20742-4, ISBN 0-520-20743-2 |pages=21 |chapter= |quote= }}</ref>。しかし、一般に言われる7つの大陸は必ずしも[[海]]で分断された離散的な状態にある訳ではない。広さも恣意的な判断に基づき、最大の島[[グリーンランド]]の面積は2,166,086km<sup>2</sup>であり、大陸に分類されるオーストラリアの面積7,617,930 km<sup>2</sup>と比較した際に大陸とはみなされない理由は明確に説明されていない。また、おのおのの独立という点では理想的な基準を満たすために[[大陸棚]]や[[島弧]]の存在は考慮されず、南北アメリカは[[パナマ地峡]]でつながっているために合わせて一つの大陸とする考えがあるなど、定義上の矛盾もある。アジア・ヨーロッパ・アフリカも自然な地形では分断されておらず、このうちアジアとヨーロッパは地峡さえ無い状態でつながっており、定義から大きく逸脱している。[[海洋]]と大陸の関係では、大陸は一つ以上の主要な大洋[[:en:World Ocean|(en)]]と接しており、逆に大洋は大陸やさまざまな地理的基準によっておのおのが区分されている。<ref>"[http://www.answers.com/Ocean#Encyclopedia Ocean]". ''[[コロンビア百科事典]]'' (2006年). New York: Columbia University Press. Retrieved 20 February 2007.</ref><ref name="UNAoO">"[http://www.oceansatlas.com/unatlas/about/physicalandchemicalproperties/background/seemore1.html Distribution of land and water on the planet]." ''[http://www.oceansatlas.com/ UN Atlas of the Oceans]'' (2004年). Retrieved 20 February 2007.</ref>
現在の[[日本]]では、以下の六大陸を指す<ref>{{ citation
| contribution=大陸
| title=マルチ辞書
| publisher=三省堂
| contribution-url=http://dictionary.www.infoseek.co.jp/?ii=0&lp=0&sm=3&sc=1&gr=ml&qt=%C2%E7%CE%A6&sv=KO&se=on
| accessdate=2008-02-17
}}</ref>。
* [[ユーラシア大陸]]
* [[アフリカ大陸]]
* [[北アメリカ大陸]]
* [[南アメリカ大陸]]
* [[南極大陸]]
* [[オーストラリア大陸]]


=== 大陸の範囲 ===
[[西洋]]ではユーラシア大陸を[[ヨーロッパ]]と[[アジア]]に分けるのが一般的である。これには[[地質学]]的、[[地理学]]的な根拠はなく、歴史的に大陸という語がヨーロッパ、アジア、アフリカを指していたためである。
大陸を指す最も狭義の概念は切れ目が無い<ref>"continent n. 5. a." (1989年) ''[[オックスフォード英語辞典]]'', 2nd edition. [[オックスフォード大学出版局]] ; "continent<sup>1</sup> n." (2006年) ''The Concise Oxford English Dictionary'', 11th edition revised. (Ed.) Catherine Soanes and Angus Stevenson. Oxford University Press; "continent<sup>1</sup> n." (2005年) ''The New Oxford American Dictionary'', 2nd edition. (Ed.) Erin McKean. Oxford University Press; "continent [2, n] 4 a" (1996) ''Webster's Third New International Dictionary, Unabridged''. ProQuest Information and Learning ; "continent" (2007年) ''[[ブリタニカ百科事典]]''. Retrieved 14 January 2007, from Encyclopædia Britannica Online.</ref>主要な陸地ということになる。この考え方では、海岸線が大陸の淵となり、[[イギリス]]や[[アイルランド]]が自国と対して使う「大陸(the Continent)」は[[大陸ヨーロッパ]]を意味する<ref>{{cite web |url=http://encarta.msn.com/dictionary_/continent.html |title=Encarta World English Dictionary |accessdate=2008-08-05 |year=2007年|language=英語|publisher=Bloomsbury Publishing Plc.|archiveurl=http://www.webcitation.org/5kwRKDyZ6|archivedate=2009-10-31|deadurl=yes}}</ref>が、[[アイスランド]]などの島を含まないこと、同様な意味で[[日本]]などから見た[[中国大陸]]<ref>{{cite web |url=http://www.hue.ac.jp/exam/images/sen2tiri.pdf|format=PDF |title=平成21年度 地理B入試問題 問6|accessdate=2010-04-24 |year=2010年|language=日本語|publisher=[[広島経済大学]]}}</ref>や、[[オーストラリア]]の[[タスマニア]]が「オーストラリア大陸」に加えない事象が例になる。また[[太平洋]]の[[ハワイ諸島]]や[[カナダ]]領土を挟む[[アラスカ]]を除いた[[アメリカ合衆国]]の48[[アメリカ合衆国の州|州]]を「[[アメリカ合衆国本土]]」(continental United States)と呼称する事もこの用法に当たる。


[[地質学]]や[[自然地理学]]の見地からは、海面下の水深が浅い領域である大陸棚<ref>"continent [2, n] 6" (1996) ''Webster's Third New International Dictionary, Unabridged''. ProQuest Information and Learning. "a large segment of the earth's outer shell including a terrestrial continent and the adjacent continental shelf"</ref>とそこにある島々(大陸島)も連続した陸地として扱われ、構造的に大陸の境界内に入る<ref>{{cite book |last=Monkhouse |first=F. J. |coauthors=John Small |title=A Dictionary of the Natural Environment |year=1978年 |publisher=Edward Arnold |location=London |id= |pages= 67–68 |quote=structurally it includes shallowly submerged adjacent areas (continental shelf) and neighbouring islands }}</ref>。この視点では、大陸の境界は海岸線に関わらず大陸棚の縁となり<ref name=Ollier>Ollier, Cliff D. (1996年). Planet Earth. In Ian Douglas (Ed.), ''Companion Encyclopedia of Geography: The Environment and Humankind''. London: Routledge, p. 30. "Ocean waters extend onto continental rocks at continental shelves, and the true edges of the continents are the steeper continental slopes. The actual shorelines are rather accidental, depending on the height of sea-level on the sloping shelves."</ref>、イギリス諸島やアイルランドはヨーロッパ大陸の一部となり、[[ニューギニア]]はオーストラリア大陸と一体となって[[サフル大陸]](またはオーストラリア‐ニューギニア)を形成する。
[[人類学]]、[[歴史]]の観点から、より大きな大陸を定義することがある。
* [[アフロ・ユーラシア大陸]] - アフリカ大陸とユーラシア大陸は[[スエズ地峡]]でつながっている。
* [[アメリカ大陸]] - 北アメリカ大陸と南アメリカ大陸は[[パナマ地峡]]でつながっている。
アフロ・ユーラシア大陸はアメリカ大陸ほど一般的ではない。これらは「[[超大陸]]」と呼ばれることのほうが多い。


[[文化]]的な構図から勘案すると、大陸という概念は大陸棚にような地形的境界を越える可能性がある。例えば、この考え方では[[アイスランド]]はヨーロッパ大陸の、[[マダガスカル]]はアフリカ大陸の一部と受け取ることができる。これをさらに拡大すると、オーストラリア大陸が[[ニュージーランド]]など全[[オセアニア]]諸島を含み込んだ[[オーストララシア]]までに至る。その結果、地球上のすべての地域はもれなくいずれかの大陸に含まれることになる。<ref>{{cite book |last=Lewis |first=Martin W. |authorlink= |coauthors=Kären E. Wigen |title=The Myth of Continents: a Critique of Metageography |year=1997年 |publisher=University of California Press |location=Berkeley |id=ISBN 0-520-20742-4, ISBN 0-520-20743-2 |pages=40 |chapter= |quote=The joining of Australia with various Pacific islands to form the quasi continent of Oceania ... }}</ref>
以上から、上記の[[六大陸]]とは異なる数え方が生じる。
* 四大陸:アフロ・ユーラシア、アメリカ、南極、オーストラリア
* 五大陸:アフリカ、ユーラシア、アメリカ、南極、オーストラリア
* [[六大州]]:アフリカ、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、南極、オーストラリア
* [[七大州]]:アフリカ、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、南極、オーストラリア


=== 大陸の区分 ===
[[日本]]と[[ロシア]]では六大陸が普通だが、[[アメリカ合衆国]]では上記の七大州、[[ラテンアメリカ]]では上記の六大州を一般に大陸と呼ぶ。[[近代オリンピック|オリンピック]]の旗の五輪は六大州から南極を除いたものを表す。[[太平洋]]の島々は、オーストラリア大陸と共に[[オセアニア]]州と呼ばれることが多い。
各大陸が水域によって区分されているという理想的な基準は、歴史的そして現実的には当てはまっていないと見なされている。この基準に合致するものは、かろうじてオーストラリア大陸と南極大陸のみである。いくつかの大陸は完全に独立した陸塊ではなく「そこそこの大きさの地面」<ref>{{cite book |last=Lewis |first=Martin W. |authorlink= |coauthors=Kären E. Wigen |title=The Myth of Continents: a Critique of Metageography |year=1997年 |publisher=University of California Press |location=Berkeley |id=ISBN 0-520-20742-4, ISBN 0-520-20743-2 |pages=35 |chapter= |quote= }}</ref>と認識されている。アジアとアフリカは[[シナイ半島]]でつながり、南北アメリカの間にはパナマ地峡がある。どちらの[[地峡]]も大陸と比べれば非常に狭いもので、しかも人工の[[運河]]([[スエズ運河]]と[[パナマ運河]])によって両大陸は切り離されていると言うこともできる。


一方、ユーラシア大陸をアジアとヨーロッパに分ける考えは異例であり、そこには水域は何も無い。この点からユーラシア大陸を含む6大陸という数え方が生まれている。この地理的な考えはヨーロッパとアジアをまたぐ[[ロシア]]ではユーラシア主義思想とも結びつけられ<ref>{{cite web|url=http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/publictn/51/hama.pdf|format=PDF|title=N.S.トゥルベツコイのユーラシア思想|author=浜由樹子 |publisher=[[北海道大学]]スラブ研究センター|language=日本語|accessdate=2010-04-24}}</ref>、[[日本]]でもこの考えが主流である<ref>{{citation|contribution=大陸| title=マルチ辞書| publisher=三省堂|contribution-url=http://dictionary.www.infoseek.co.jp/?ii=0&lp=0&sm=3&sc=1&gr=ml&qt=%C2%E7%CE%A6&sv=KO&se=on| accessdate=2008-02-17}}</ref><ref name="koujien">{{Cite book|和書|year=1999|title=広辞苑|edition=第五版第一刷|publisher=岩波書店|pages=1622|chapter=【大陸】|id=4-00-080113-9}}</ref>。それに対し2つの大陸に分ける考えは[[ヨーロッパ中心主義]]の残滓もあり、「物理的、文化的そして歴史的な多様性では、[[中国]]や[[インド]]はヨーロッパの個別国ではなく全体に匹敵する。もし[[フランス]]と比類するならば、インド全体ではなくその中の一州、例えば[[ウッタル・プラデーシュ州]]を並べる方が完全ではないとしてもより適切である。」<ref>{{cite book |last=Lewis |first=Martin W. |authorlink= |coauthors=Kären E. Wigen |title=The Myth of Continents: a Critique of Metageography |year=1997年 |publisher=University of California Press |location=Berkeley |id=ISBN 0-520-20742-4, ISBN 0-520-20743-2 |pages=? |chapter= |quote= }}</ref><!-- 英語版にはここに要出典:November 2009があるが、れは「フランスとインドの州を比較する文章がここにつく理由がわからない」というコメントとともにつけられたもので、出典についての疑義ではないためコメントアウトする。    -->という意見もあるが、歴史的また文化的な理由からヨーロッパではユーラシアを2大陸に分ける考えが本流である。
[[地質学]]や[[プレートテクトニクス]]では[[大陸棚]]までを大陸と見なす。このため[[ニュージーランド]]と[[ニューカレドニア]]を含む大陸棚を[[ジーランディア大陸]] ([[:en:Zealandia (continent)|Zealandia]]) と呼ぶ。


陸峡を挟む南北アメリカ大陸はユーラシアよりも明瞭に区分されるが、それでも以前はまとめて一つの大陸として認識されており、[[第二次世界大戦]]以前のアメリカ合衆国でも支配的だった<ref>{{cite book |last=Lewis |first=Martin W. |authorlink= |coauthors=Kären E. Wigen |title=The Myth of Continents: a Critique of Metageography |year=1997年 |publisher=University of California Press |location=Berkeley |id=ISBN 0-520-20742-4, ISBN 0-520-20743-2 |pages= |chapter=1 |quote=While it might seem surprising to find North and South America still joined into a single continent in a book published in the United States in 1937, such a notion remained fairly common until World War II. [...] By the 1950s, however, virtually all American geographers had come to insist that the visually distinct landmasses of North and South America deserved separate designations.}}</ref>。現在でも[[米州機構]]にこの概念が残っている。この、アメリカ大陸をひとつとみなす考えは、[[スペイン]]や[[ポルトガル]]および[[ラテンアメリカ]]諸国の概念から来ている。しかし19世紀頃、アメリカ合衆国との混同を避けるために使われ始めた[[アメリカ州]]( Americas)という言葉に見られる複数形から示唆されるように、この頃には[[新世界]]は2つの大陸で成り立っているという認識が広まった。この区分は[[近代オリンピック]]の[[オリンピックシンボル|シンボルマーク]]に使われており、大陸を表す環は南極を除き5つがデザインされている<ref name=OU /><ref name=LCC /><ref name=IOC>[http://multimedia.olympic.org/pdf/en_report_1303.pdf ''The Olympic symbols.''] [[国際オリンピック委員会]]. 2002. Lausanne: Olympic Museum and Studies Centre. The five rings of the [[オリンピックシンボル]] represent the five inhabited, participating continents ([http://moscow2001.olympic.org/en/pdf/members_by_continent.pdf Africa, America, Asia, Europe, and Oceania]); thus, Antarctica is excluded from the flag. Also see [http://www.acnolympic.org Association of National Olympic Committees]: [http://www.acnoa.info] [http://www.ocasia.org] [http://www.eurolympic.org] [http://www.crwflags.com/fotw/flags/int@paso.html] [http://www.oceaniasport.com]</ref>
[[氷河期]]は海面が低下し、[[ベーリング海峡]]が干上がった[[ベーリンジア]]によってアフロ・ユーラシア大陸とアメリカ大陸がつながっていた。またオーストラリア大陸と[[ニューギニア]]もつながり、[[サフル大陸]]と呼ばれる大陸になった。このため氷河期は、アフロ・ユーラシア・アメリカ、サフル、南極の三大陸であったといえる。


もし大陸の定義を離散的な陸塊とし、接触する場所がある陸地はまとめて考えるとするならば、アジア・アフリカ・ヨーロッパは[[アフロ・ユーラシア大陸]]という呼称のように1つの大陸と見なさなければならなくなる。この場合、南北アメリカもひとつと数えられ、地球の大陸は4つとなる。さらに、[[更新世]]の[[氷河期]]によって[[海水準変動]]が起こっていた時期を考えれば、より広い範囲で[[大陸棚]]を介した[[陸橋 (生物地理)|陸峡]]で大陸は繋がっていた。この時期、ニューギニアはオーストラリア大陸の一部であり、アメリカ大陸とアフロ・ユーラシア大陸は[[ベーリング海峡]]を通じて連なっていた。[[グレートブリテン島]]など大陸周辺の島もことごとく大陸と一体化していた。この時代に冒頭の大陸と定義できる陸地は3つだけだった。
大陸の中でも特に面積の広いまとまりの部分([[インド]]や[[アラビア半島]]など)を「[[亜大陸]]」と呼ぶことがあるが、大陸ほどはっきりした定義があるわけではない。


== 大陸の数 ==
その他、以下のような用法もある。
大陸をどう数えるかについては複数の方法がある。
* ヨーロッパ大陸 - 特に[[島国]][[イギリス]]から見てヨーロッパを単に「大陸」と呼ぶことがある。地球科学上は[[半島]]である。
<center>
* [[中国大陸]] - 特に島国日本などから見て[[中国]]を単に「大陸」と呼ぶことがある。地球科学上は大陸の一部である。
{| class="wikitable" align="center"
* [[シベリア大陸]] - 同上。
! colspan="9" | 区分法
|-
|style="background-color:#FFFFFF" colspan="9"|[[Image:Continents vide couleurs.png|center|300px]]<center><small>様々な大陸の色分け図。同系統の色で示された地域は統合または分割される領域を示す。</small>
|-
|'''7大陸'''<br><ref name=NatlGeo>[http://www.nationalgeographic.com/xpeditions/atlas/index.html?Parent=world&Mode=d&SubMode=w World], ''[[ナショナルジオグラフィック協会]] - [http://www.nationalgeographic.com/xpeditions/ Xpeditions Atlas].'' 2006. Washington, DC: National Geographic Society.</ref><ref name = AoCA/><ref name=EB>"[http://www.britannica.com/ebc/article-9361501 Continent]". ''ブリタニカ百科事典''. 2006. Chicago: Encyclopædia Britannica, Inc.</ref><ref name=Oxford1>''The New Oxford Dictionary of English.'' 2001. New York: Oxford University Press.</ref><ref name=Encarta>"[http://encarta.msn.com/encyclopedia_761553387/Continent.html Continent]". ''[[エンカルタ|MSN Encarta Online Encyclopedia 2006]].''. [http://www.webcitation.org/5kwRKkaEZ Archived] 2009-10-31.</ref><ref name=Oxford2>"Continent". McArthur, Tom, ed. 1992. ''The Oxford Companion to the English Language''. New York: Oxford University Press; p. 260.</ref>
||<center><small><span style="background: #00cc00;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;[[北アメリカ大陸]]
||<center><small><span style="background: #008000;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;[[南アメリカ大陸]]
||<center><small><span style="background: #0040ff;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;[[南極大陸]]
||<center><small><span style="background: #fed52e;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;[[アフリカ大陸]]
||<center><small><span style="background: #c10000;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;[[ヨーロッパ大陸]]
||<center><small><span style="background: #f33e01;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;[[アジア大陸]]
||<center><small><span style="background: #c04080;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;[[オーストラリア大陸]]
|-
|'''6大陸'''<br><ref name=EB /><ref name=Columbia>"[http://www.bartleby.com/65/co/continent.html Continent]". ''[http://www.bartleby.com/65/ The Columbia Encyclopedia]''. 2001. New York: Columbia University Press - Bartleby.</ref>
||<center><small><span style="background: #00cc00;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;北アメリカ大陸
||<center><small><span style="background: #008000;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;南アメリカ大陸
||<center><small><span style="background: #0040ff;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;南極大陸
||<center><small><span style="background: #fed52e;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;アフリカ大陸
|colspan="2" |<center><small><span style="background: #c10000;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span><span style="background: #f33e01;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;[[ユーラシア大陸]]
||<center><small><span style="background: #c04080;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;オーストラリア大陸
|-
|'''6大陸'''<br><ref name=OU>Océano Uno, Diccionario Enciclopédico y Atlas Mundial, "Continente", page 392, 1730. ISBN 84-494-0188-7</ref><ref name=LCC>Los Cinco Continentes (The Five Continents), Planeta-De Agostini Editions, 1997. ISBN 84-395-6054-0</ref><!-- NOTE: Both references mention ''Oceanía'' instead of ''Australia''. -->
|colspan="2" |<center><small><span style="background: #00cc00;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span><span style="background: #008000;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;[[アメリカ大陸]]
||<center><small><span style="background: #0040ff;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;南極大陸
||<center><small><span style="background: #fed52e;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;アフリカ大陸
||<center><small><span style="background: #c10000;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;ヨーロッパ大陸
||<center><small><span style="background: #f33e01;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;アジア大陸
||<center><small><span style="background: #c04080;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;オーストラリア大陸
|-
|'''5大陸'''<br><ref name="Columbia"/><ref name="OU"/><ref name="LCC"/><!-- NOTE: Both references mention ''Oceanía'' instead of ''Australia''. -->
|colspan="2" |<center><small><span style="background: #00cc00;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span><span style="background: #008000;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;アメリカ大陸
||<center><small><span style="background: #0040ff;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;南極大陸
||<center><small><span style="background: #fed52e;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;アフリカ大陸
|colspan="2" |<center><small><span style="background: #c10000;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span><span style="background: #f33e01;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;ユーラシア大陸
||<center><small><span style="background: #c04080;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;オーストラリア大陸
|-
|'''4大陸'''<br><ref name="Columbia"/><ref name="OU"/><ref name="LCC"/><!-- NOTE: Both references mention ''Oceanía'' instead of ''Australia''. -->
|colspan="2" |<center><small><span style="background: #00cc00;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span><span style="background: #008000;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;アメリカ大陸
||<center><small><span style="background: #0040ff;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;南極大陸
|colspan="3" |<center><small><span style="background: #fed52e;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span><span
style="background: #c10000;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span><span style="background: #f33e01;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;[[アフロ・ユーラシア大陸]]
||<center><small><span style="background: #c04080;">&nbsp;&nbsp;&nbsp;</span></small>&nbsp;オーストラリア大陸
|}
</center>
「[[オセアニア]]」や「[[オーストララシア]]」はオーストラリアを示す名称としてしばしば用いられ、[[カナダ]]の地図帳『Atlas of Canada』もオセアニア表記である<ref name=AoCA>[http://atlas.gc.ca/site/english/maps/reference/international/world/referencemap_image_view The World - Continents], [http://atlas.nrcan.gc.ca/site/english/index.html ''Atlas of Canada'']</ref>。中南米と[[イベリア半島]]を指し[[イベロアメリカ]]という用語も使われる<ref>{{cite web |url=http://www.oei.es/index.php |title=Official Web-site for the Organization of Ibero-American States |accessdate=2010-04-25 |language=スペイン語|publisher=OEI}}</ref>。


== 太古の大陸 ==
== 面積と人口 ==
[[Image:ContinentStatistics.svg|thumb|500px|各大陸の面積と人口の比較]]
プレートテクトニクスや[[地質学]]の成果により、太古には大陸は今とは別の形をしていたことが分かっており、その段階や大陸ごとに名称が付けられている。大陸が合体して巨大な大陸を形成した場合、「[[超大陸]]」とも呼ぶ。
以下の表で、7大陸法で区分したそれぞれの大陸の面積と人口についての統計を示す。
{| class="wikitable sortable" style="text-align:right"
|-
! 大陸
! 面積 (km<sup>2</sup>)
! 全陸地に<br />占める割合
! 人口<br />2008年
! 全人口に<br />占める割合
! 人口密度<br />人/km<sup>2</sup>
|-
! [[アジア大陸]]
| 43,820,000 || 29.5% || 3,879,000,000 || 60% || 86.70
|-
! [[アフリカ大陸]]
| 30,370,000 || 20.4% || 922,011,000 || 14% || 29.30
|-
! [[アメリカ大陸]]
| 42,330,000 || 28.5% || 910,720,588 || 14% || 21.0
|-
! [[北アメリカ大陸]]
| 24,490,000 || 16.5% || 528,720,588 || 8% || 21.0
|-
! [[南アメリカ大陸]]
| 17,840,000 || 12.0% || 382,000,000 || 6% || 20.8
|-
! [[南極大陸]]
| 13,720,000 || 9.2% || 1,000 || 0.00002% || 0.00007
|-
! [[ヨーロッパ大陸]]
| 10,180,000 || 6.8% || 731,000,000 || 11% || 69.7
|-
! [[オーストラリア大陸]]
| 9,008,500 || 5.9% || 22,000,000 || 0.5% || 3.6
|}
全大陸の面積は総計148,647,000km<sup>2</sup>であり、地球表面(510,065,600 km<sup>2</sup>)の29.1%を占める。


== 最高地点と最低地点 ==
* [[ウル大陸]]
{{See also|七大陸最高峰}}
* [[アークティカ大陸]]
以下の表で、7大陸法で区分したそれぞれの大陸の最高標高地点(最高峰)と最低標高地点を示す。
* [[ケノーランド大陸]]
{| class="wikitable sortable"
* [[アトランティカ大陸]]
! Continent !! 最高標高地点 !! 標高(m) !! 国または地域 !! 最低標高地点 !! 標高(m) !! 国または地域
|-
| [[アジア大陸]] || [[エベレスト]] || 8,848 || {{NPL}}<br />{{CHN}} || [[死海]] || -422 || {{ISR}}<br />{{PLE}}<br />{{JOR}}
|-
| [[南アメリカ大陸]] || [[アコンカグア]] || 6,960 || {{ARG}} || カルボン海岸[[:en:Laguna del Carbón|(en)]] || -105 || {{ARG}}
|-
| [[北アメリカ大陸]] || [[マッキンリー]] || 6,198 || {{USA}} || [[ヤコブスハブン氷河]]の[[圏谷]]下部 † || -1512<ref>Plummer, Joel. [https://www.cresis.ku.edu/~plummer/jakob.html#Bed_1 Jakobshavn Bed Elevation], Center for the Remote Sensing of the Ice Sheets, Dept of Geography, University of Kansas.</ref> || {{GRL}}
|-
| [[アフリカ大陸]] || [[キリマンジャロ]] || 5,895 || {{TAN}} || [[アッサル湖]] || -155 || {{DJI}}
|-
| [[ヨーロッパ大陸]] || [[エルブルス山]] || 5,633 || {{RUS}} || [[カスピ海]] || -28 || {{AZE}}<br />{{KAZ}}<br />{{RUS}}<br />(+{{IRN}}<br />{{TKM}})
|-
| [[南極大陸]] || [[ヴィンソン・マシフ]] || 4,892 || {{ATA}} || ベントレー氷河溝[[:en:Bentley Subglacial Trench|(en)]] † || -2540 || {{ATA}}
|-
| [[オセアニア]] || [[プンチャック・ジャヤ]] || 4,884 || {{INA}} || [[エーア湖]] || -15 || {{AUS}}
|-
|}
† 北アメリカ大陸と南極大陸の最低標高地点は厚さ数キロメートルの氷河に覆われている。露出した地点に限れば、北アメリカの場合[[デスヴァレー (カリフォルニア州)| デスヴァレー]] (-86&nbsp;m)、南極大陸ではベストフォードヒルズ[[:en:Vestfold Hills|(en)]] (-50&nbsp;m)の湖が該当する。

ヨーロッパとアジアの地質学的境界をパラテーチス海[[:en:Paratethys|(en)]]の名残りである[[クマ=マヌィチ窪地]]に求める意見もある。これに則るとエルブルス山がある[[コーカサス山脈]]はアジアの領域に入り、そのためヨーロッパ最高標高地点はグライアンアルプス[[:en:Graian Alps|(en)]]の[[モンブラン]] (4810&nbsp;m)となる。

== その他の大陸 ==
現在知られている大陸とは別に、別な観点に立った大陸と呼ぶ対象もある。地質学的記録を遡れば、[[超大陸]]と呼ばれる単一の[[クラトン]]や大陸塊をしのぐ大きさを誇った陸地が存在した。これらには、[[ローラシア大陸]]、[[ゴンドワナ大陸]] <ref name="GifuChouTairiku">{{cite web|url=http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/rika-b/htmls/supconti/index.html|title=超大陸|publisher=[[岐阜大学]]教育学部|language=日本語|accessdate=2010-04-24}}</ref>、バールバラ大陸[[:en:Vaalbara|(en)]]<ref>{{cite web|url=http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/rika-b/htmls/supconti/vaal.html|title=太古代の大陸バールバラ|publisher=[[岐阜大学]]教育学部|language=日本語|accessdate=2010-04-24}}</ref>、ケノーランド大陸[[:en:Kenorland|(en)]]、[[コロンビア大陸]]、[[ロディニア大陸]]<ref name="GifuChouTairiku" />そして[[パンゲア大陸]]<ref>{{cite web|url=http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/rika-b/htmls/supconti/pangea.html|title=超大陸パンゲア|publisher=[[岐阜大学]]教育学部|language=日本語|accessdate=2010-04-24}}</ref>などがこれに当たる。理論上、現在のユーラシア大陸もこれに該当する。
;主な太古の大陸
<div style="float: left; vertical-align: top; white-space: nowrap; margin-right: 1em">
* [[ウル大陸]][[:en:Ur (continent)|(en)]]
* [[アークティカ大陸]][[:en:Arctica|(en)]]
* [[ケノーランド大陸]][[:en:Kenorland|(en)]]
* [[アトランティカ大陸]][[:en:Atlantica|(en)]]
* [[ヌーナ大陸]]
* [[ヌーナ大陸]]
* [[ローレンシア大陸]]
* [[ローレンシア大陸]]
* [[ウクライナ大陸]]
* {{要出典範囲|[[ウクライナ大陸]]|2010年4月28日 (水) 10:40 (UTC)}}
</div>
* [[コンゴ大陸]]
<div style="float: left; vertical-align: top; white-space: nowrap; margin-right: 1em">
* [[カラハリ大陸]]
* [[アマゾニア大陸]]
* [[コンゴ大陸]][[:en:Congo craton|(en)]]
* [[カラハリ大陸]][[:en:Kalahari craton|(en)]]
<!--
* {{要出典範囲|[[アマゾニア大陸]]|2010年4月28日 (水) 10:40 (UTC)}}
* [[北チャイナ大陸]]
* [[南チャイナ大陸]]
-->
* [[シベリア大陸]]
* [[シベリア大陸]]
* [[コロンビア大陸]]
* [[コロンビア大陸]]
* [[パノティア大陸]]
* [[パノティア大陸]]
* [[ロディニア大陸]]
* [[ロディニア大陸]]
</div>
* [[アヴァロニア大陸]]
<div style="float: left; vertical-align: top; white-space: nowrap; margin-right: 1em">
* [[アーモリカ大陸]]
* [[アヴァロニア大陸]][[:en: Avalonia|(en)]]
* {{要出典範囲| [[アーモリカ大陸]]|2010年4月28日 (水) 10:40 (UTC)}}
* [[バルティカ大陸]]
* [[バルティカ大陸]]
* [[ゴンドワナ大陸]]
* [[ゴンドワナ大陸]]
72行目: 165行目:
* [[ユーラメリカ大陸]]
* [[ユーラメリカ大陸]]
* [[パンゲア大陸]]
* [[パンゲア大陸]]
</div><br style="clear: left"/>

== 未来大陸 ==
;未来に予想される超大陸
現在も大陸移動は続いており、2億年後には再び一つになると予想されている。
* [[アメイジア大陸]]
* [[アメイジア大陸]]
* [[パンゲア・ウルティマ大陸]]
* [[パンゲア・ウルティマ大陸]]
大陸の一部を指して[[亜大陸]]と呼称する用例もある。特に、異なるプレートに乗る陸地が大陸と接続しているような場合にもちいられ、[[インド亜大陸]]や[[アラビア半島]]が顕著な例に当たる。[[北アメリカプレート]]北東部にあるグリーンランドは、大陸と接続こそしていないが亜大陸と認識される場合もある。南北アメリカ大陸を単一の大陸と見なす場合、ふたつの亜大陸が繋がっているという見方もある。<ref>[[:Image:MapaAméricaJonghe.JPG|English map of 1770 by Jonghe]]</ref><ref>[http://buscon.rae.es/dpdI/ DPD]: [http://buscon.rae.es/dpdI/América América]</ref><ref>[http://www.priberam.pt/dlpo/dlpo.aspx Dicionário da língua portuguesa]: Contiente</ref><ref>In Ibero-America, North America usually designates a region (''subcontinente'' in Spanish) of the Americas containing Canada, the U.S., and Mexico, and often Greenland, Saint Pierre and Miquelon, and Bermuda; the land bridge of Central America is generally considered a subregion of North America.[http://mx.encarta.msn.com/encyclopedia_761562468/Norteam%C3%A9rica.html Norteamérica (Mexican version)]/[http://es.encarta.msn.com/encyclopedia_761562468/Norteam%C3%A9rica.html (Spaniard version)]. ''Encarta Online Encyclopedia.''. [http://www.webcitation.org/5kwRLFsmt Archived] 2009-10-31.</ref>


大陸地殻の中には水深が低い広い面積の領域があり、これを単純に水没した大陸とする見方もある。ニュージーランドから[[ニューカレドニア]]付近の海域にあるジーランディア[[:en:Zealandia (continent)|(en)]]は典型的な例で、他に[[インド洋]]南部の[[ケルゲレン海台]]もこれらに当たる。


大陸断片([[:en:continental fragment|continental fragment]])とは、かつては大陸と一体だった大地が断裂して島状になった地形を指し、これを比較的小さな大陸と捉えた用語である。[[マダガスカル島]]はこの例に当たる最大の島で、「第8の大陸」と呼称されることもある。
== 伝説上の大陸 ==
{{Main|伝説上の大陸}}


[[伝説上の大陸]]というものもある。[[アトランティス]]、[[ヒュペルボレイオス]]の伝説や[[トゥーレ]]、[[レムリア]]・[[ムー大陸]]などが例に挙げられる。
[[伝説]]や一部の人の説では、比較的近年に大陸が存在し、その後消滅したとされるが、[[科学]]的には否定されている。ただし伝説が大陸ではなく[[島]]などの何らかの土地の[[歴史]]を物語っている可能性はある。


== 大陸と島国 ==
== 概念の歴史 ==
=== 初期の大陸概念 ===
そもそも島国である日本にとって単に「大陸」と言えばアジア・中国大陸を指す。同様に島国イギリスでも、単に「大陸」といえばヨーロッパ大陸を指す。島国では一番近くにあり、影響力の高い大陸をただ単に「大陸」と呼称する場合が多い。
[[Image:Strabo.jpg|thumb|right|240px|古代ギリシアの地理学者[[ストラボン]]の肖像。手する地球儀にはヨーロッパ(Europa)とアジア(Asia)が見られる。]]
[[Image:T and O map Guntherus Ziner 1472.jpg|thumb|200px|中世ヨーロッパの[[TO図]]。[[ノア (聖書)|ノア]]の3人の息子たちが治めた3つの大陸が記されている。]]
最初の大陸区分は、[[古代ギリシア]]の船員たちが名づけた「アジア」と「ヨーロッパ」だった。ただしこれは単純に[[エーゲ海]]、[[ダーダネルス海峡]]、[[マルマラ海]]、[[ボスポラス海峡]]および[[黒海]]の両岸のことを指していた<ref name=Toynbee>[[アーノルド・J・トインビー]] (1954年). ''A Study of History''. London: Oxford University Press, v. 8, pp. 711-12.</ref>。当初は海岸のみを指していたこれらの言葉は、後に広大な背景地にまで及ぶようになった.<ref>{{cite book |last=Tozer |first=H. F. |title=A History of Ancient Geography |year=1897年 |publisher=University Press |location=Cambridge |pages= 69}}</ref>。しかし、これらの区分はせいぜい航海によってたどりつけた土地までの範囲に留まり、「その限界を超えて、決して分割が叶わないユーラシアを仕切るためのいかなる説得力を持つ地理的な特徴を内陸部に見出すことは、ギリシアの地理学者たちの手に余った」と評されている"<ref name=Toynbee/>。

次に古代ギリシアの思想家たちは、アフリカ(当時はリビアと呼ばれていた)が果たしてアジアの一部なのか、それとも異なる場所なのかを議論し、そこが異なる3番目の土地だという考えが優勢となった<ref>{{cite book |last=Tozer |first=H. F. |title=A History of Ancient Geography |year=1897年 |publisher=University Press |location=Cambridge |pages= 67}}</ref>。ギリシア的観点に立つと、エーゲ海は世界の中心であり、東にアジア、西と北にヨーロッパ、そして南にアフリカが位置した<ref>{{cite book |last=Lewis |first=Martin W. |authorlink= |coauthors=Kären E. Wigen |title=The Myth of Continents: a Critique of Metageography |year=1997年 |publisher=University of California Press |location=Berkeley |id=ISBN 0-520-20742-4, ISBN 0-520-20743-2 |pages=21–22 |chapter= |quote = }}</ref>。大陸間の境界は明瞭されなかった。早くから、ヨーロッパとアジアは黒海から[[グルジア]]を流れるリオニ川[[:en:Rioni River|(en)]](当時はパシス河と呼ばれた)に沿って分けられた。その後、この線は黒海を起点に[[ケルチ海峡]]、[[アゾフ海]]を通って[[ロシア]]の[[ドン川]]を遡上する形と変化した<ref>{{cite book |last=Tozer |first=H. F. |title=A History of Ancient Geography |year=1897年 |publisher=University Press |location=Cambridge |pages= 68}}</ref>。アジアとアフリカの境界は[[ナイル川]]に置かれた。しかし紀元前5世紀の[[ヘロドトス]] <ref>[[ヘロドトス]]. Translated by George Rawlinson (2000年). ''[[歴史 (ヘロドトス)|The Histories of Herodotus of Halicarnassus]]'' [http://www.omphaloskepsis.com/ebooks/pdf/hrdts.pdf]. Ames, Iowa: Omphaloskepsis, book 2, p. 18.</ref>は、これでは[[エジプト]]がアジアとリビア(アフリカ)に分断されてしまうため反対し、同地はあくまでアジアだとの主張の元に境界をエジプトの西側国境線に置いた。また彼は、実質的に陸続きのこの3地域をわざわざ分けることに疑問を呈し<ref>[[ヘロドトス]]. Translated by George Rawlinson (2000年). ''[[歴史 (ヘロドトス)|The Histories of Herodotus of Halicarnassus]]'' [http://www.omphaloskepsis.com/ebooks/pdf/hrdts.pdf]. Ames, Iowa: Omphaloskepsis, book 4, p. 38. "I cannot conceive why three names ... should ever have been given to a tract which is in reality one"</ref>、この論争は2500年後の現在でも取り沙汰される。

紀元前3世紀の[[エラトステネス]]は、地理学者たちが主張するナイル川やドン川で区分される大陸部分に着目し、川で区分される大陸を「島」、地峡で分けられる大陸を「半島」と考えた。彼以後の地理学者たちは、アジアをヨーロッパの区分をカスピ海と黒海の間の地峡に、アジアとアフリカの区分を地中海沿岸のバルダビル湖([[:en:Lake Bardawil|(en)]])河口から[[紅海]]の間に置いた<ref>[[ストラボン]]、訳:Horace Leonard Jones (1917年). 『地理書』[[:en:Geographica|(en)]]''.[http://penelope.uchicago.edu/Thayer/E/Roman/Texts/Strabo/] Harvard University Press, book 1, ch. 4.[http://penelope.uchicago.edu/Thayer/E/Roman/Texts/Strabo/1D*.html]</ref>。

[[古代ローマ]]から[[中世]]の間、[[シナイ半島]]をアジアとアフリカの境界に置く地理学者はわずかで、ほとんどは依然としてナイル川もしくはエジプトの西境を基準に置いていた。中世には世界は[[TO図]]の形式で描かれ、Tが3つの大陸を分割する水域として表現されるようになったが、18世紀中ごろまで境界をエジプトとリビアの間(Great Catabathmus)に求める流儀はしぶとく残っていた<ref>Goddard, Farley Brewer (1884年). "Researches in the Cyrenaica". ''The American Journal of Philology'', 5 (1) p. 38.</ref>。

=== ヨーロッパのアメリカ大陸到達 ===
[[クリストファー・コロンブス]]が[[大西洋]]を航海し[[西インド諸島]]に到達した1492年は、ヨーロッパ人のアメリカ大陸探査の口火となった。ただし、コロンブス自身は4度アメリカへ渡ったにも関わらず、彼はそこがアジアの一部だと生涯信じていた。

1501年、[[アメリゴ・ヴェスプッチ]]とゴンサロ・コエーリョ[[:en:Gonçalo Coelho|(en)]]が、彼らがインディアスと考えていた地を南下し[[インド洋]]へ抜ける海路を目指していた。[[ブラジル]]海岸を航海する一行は、この地が当時考えられていたアジアよりも遥かに南に伸び、その広さも大陸と呼ぶにふさわしい規模であることを確認した<ref name=OGorman>{{cite book | last = O'Gorman | first = Edmundo | authorlink = Edmundo O'Gorman | title = The Invention of America | publisher = Indiana University Press | year= 1961年 | pages = 106–112}}</ref>。ヨーロッパへの帰路、探検の報告はヴェスプッチの名前で『Mundus Novus』(「新世界」の意)という名で1502年または1503年に出版された<ref name=formisano1>Formisano, Luciano (Ed.) (1992年). ''Letters from a New World: Amerigo Vespucci's Discovery of America''. New York: Marsilio, pp. xx-xxi. ISBN 0-941419-62-2.</ref>。これには別人の加筆も疑われている<ref name=Zerubavel1>Zerubavel, Eviatar (2003年). ''Terra Cognita: The Mental Discovery of America''. New Brunswick: Transaction Publishers, pp. 77–79. ISBN 0-7658-0987-7.</ref>が、ヴェスプッチの言葉「私は南の地に大陸を発見した。そこには、私たちのヨーロッパやアジア、アフリカと比べてもよりたくさんの人々や動物たちが息づいている」<ref name=formisano2>Formisano, Luciano (Ed.) (1992年). ''Letters from a New World: Amerigo Vespucci's Discovery of America''. New York: Marsilio, p. 45. ISBN 0-941419-62-2.</ref>という言葉で明白な通り、彼はその大陸を既知の3大陸と区別している。

[[Image:Waldseemuller map 2.jpg|thumb|300px|[[マルティーン・ヴァルトゼーミュラー]]1507年作の世界地図『Universalis Cosmographia』。初めてアメリカ大陸をアジアと分けて示した。]]
数年後にはオリヴェリアーナ([[ペーサロ]])の地図(1504-1505年頃)のように「新世界」を南アメリカと名づけた地図は作成されたが、まだ北アメリカはアジアと繋がっていた<ref name=Zerubavel1/>。しかし1507年に[[マルティーン・ヴァルトゼーミュラー]]が出版した地図『Universalis Cosmographia[[:en:Waldseemüller map|(en)]]』では、新大陸が水域でアジアと分けられた。この地図に添えられた付録冊子『宇宙誌入門([[:en:Cosmographiae Introductio|Cosmographiae Introductio]])』でヴァルトゼーミュラーは、地球の陸地は4つに分けられ、ヨーロッパ、アジア、アフリカに次ぐ4番目の大陸をヴェスプッチのファーストネームにちなんで「アメリカ」と名づけたと記している<ref name=Zerubavel2>Zerubavel, Eviatar (2003). ''Terra Cognita: The Mental Discovery of America''. New Brunswick: Transaction Publishers, pp. 80–82. ISBN 0-7658-0987-7.</ref>。

=== 英語continent ===
1500年代から、名詞「continent」は[[ラテン語]] ''terra continens''を語源とし<ref>"continent<sup>1</sup> n." (2006年) ''The Concise Oxford English Dictionary'', 11th edition revised. (Ed.) Catherine Soanes and Angus Stevenson. Oxford University Press.</ref>、連続している大地(continent land)の意味から派生する形で生まれた<ref name=oed>"continent n." (1989) ''オックスフォード英語辞典'', 2nd edition. オックスフォード大学出版局.</ref>。しかし当初は「接続または連続した土地」以外にも「本土」の意味にも使われ<ref name=oed/>、必ずしも広大な陸地を意味していなかった。1600年代、[[マン島]]・[[アイルランド]]・[[ウェールズ]]に対する「本土」また1745年には[[スマトラ島]]を指して「本土」として使われた例がある<ref name=oed/>。[[ギリシア語]]やラテン語の翻訳では「continent」は世界を3分したパーツとして訳されたが、この本来の意味に忠実な形で用いられることは無かった<ref>{{cite book |last=Lewis |first=Martin W. |authorlink= |coauthors=Kären E. Wigen |title=The Myth of Continents: a Critique of Metageography |year=1997年 |publisher=University of California Press |location=Berkeley |id=ISBN 0-520-20742-4, ISBN 0-520-20743-2 |pages=29 |chapter= |quote= }}</ref>。

一方で「continent」は連続する大地の一部を指して用いられることもあり、他方ではヘロドトスの提言を再評価する地理学者たちは、実質的に一つの広大な陸地をわざわざ別の大陸に分ける必要が無いと主張した。1600年代中ごろ、ピーター・ヘイリン[[:en:Peter Heylin|(en)]]は著書『Cosmographie』にて「大陸は広大な面積を持つ陸地を指し、必ずしも他の土地と海で隔てられなければならないわけではない。ヨーロッパ、アジア、アフリカは完全に大陸だ」と筆した。1727年に[[イーフレイム・チェンバーズ]]が書いた『サイクロペディア、または諸芸諸学の百科事典』[[:en:Cyclopaedia, or an Universal Dictionary of Arts and Sciences|(Cyclopaedia, or an Universal Dictionary of Arts and Sciences)]]には、「世界は基本的に2つの超大陸に分けることができる。[[旧大陸]]と[[新大陸]]だ。」という記述がある。エマニュエル・ボーエン(Emanuel Bowen)は1752年製作の地図において、大陸を「広く乾燥した充分な面積を持つ土地であり、多くの国が国境を接してつながり、水域によって分断されない」と定義し、ヨーロッパ・アジア・アフリカは合わせて一つの大陸であり、また別にアメリカがあるとした<ref>Bowen, Emanuel. (1752年). ''A Complete Atlas, or Distinct View of the Known World''. London, p. 3.</ref>。しかし、ヨーロッパの伝統的な考えから、ヨーロッパとアジア・アフリカは世界を構成するパーツでありながらそれぞれが大陸とする見方に固執した。

=== 複数の大陸概念 ===
18世紀末ころには、地理学者の中に南北アメリカを別な大陸と見なし、世界を5つに区分する考えを持つ者が現れだしたが、19世紀にも依然4大陸の概念が一般的だった<ref name=lewis30>{{cite book |last=Lewis |first=Martin W. |authorlink= |coauthors=Kären E. Wigen |title=The Myth of Continents: a Critique of Metageography |year=1997年 |publisher=University of California Press |location=Berkeley |id=ISBN 0-520-20742-4, ISBN 0-520-20743-2 |pages=30 |chapter= |quote= }}</ref>。

ヨーロッパ人によるオーストラリア発見は1606年だったが、当初そこはアジアの一部と見なされていた。これを独立した大陸とし世界を6大陸(アメリカを纏める場合は5大陸)とする考えが一部の地理学者から提案されたのは18世紀末の事であった<ref name=lewis30/>。[[オックスフォード英語辞典]]も依然あいまいな表現に止まる<ref>"continent n. 5. a." (1989) ''オックスフォード英語辞典'', 2nd edition. [[Oxford University Press]]. "the great island of Australia is sometimes reckoned as another [continent]"</ref>中、1813年にサミュエル・バトラー[[:en:Samuel Butler (schoolmaster)|(en)]]がオーストラリアを「地理学者の中には別な大陸名をつけて権威づけている、広大な面積を持つ島[[ニューホランド (オーストラリア)|ニューホランド]]」と記した。

[[メガラニカ]]と名づけられた[[対蹠地]]として千年以上前から存在を予言されていた南極大陸は1820年に発見され、1838年に行われたアメリカ合衆国の探検調査[[:en:United States Exploring Expedition|(en)]]にてチャールス・ウィルクス[[:en:Charles Wilkes|(en)]]が最後の大陸と特定した。1849年には大陸として確認されたが、ほとんどの地図には記載されず、これは[[第二次世界大戦]]以後にようやく反映された<ref>{{cite book |last=Lewis |first=Martin W. |authorlink= |coauthors=Kären E. Wigen |title=The Myth of Continents: a Critique of Metageography |year=1997年 |publisher=University of California Press |location=Berkeley |id=ISBN 0-520-20742-4, ISBN 0-520-2074 220 |chapter= |quote= }}</ref>。

19世紀中ごろから、アメリカ合衆国で発行される地図はヨーロッパのそれと異なり、南北アメリカを別の大陸と扱うものが段々と増え、二次世界大戦以降の1950年代にはほとんどがそのようになり<ref name=lewis32>{{cite book |last=Lewis |first=Martin W. |authorlink= |coauthors=Kären E. Wigen |title=The Myth of Continents: a Critique of Metageography |year=1997年 |publisher=University of California Press |location=Berkeley |id=ISBN 0-520-20742-4, ISBN 0-520-20743-2 |pages=32 |chapter= |quote= }}</ref>、現代的な[[地質学]]や[[プレートテクトニクス]]の理解と一致した。これに南極が加わり7大陸の概念が確立した。

ただし、[[ラテンアメリカ]]には南北アメリカ大陸を纏める考えが根強く、またアジアをヨーロッパをユーラシア大陸とみなす概念も依然残っている。

== 地質学 ==
{{further|[[プレートテクトニクス]]}}
{{未検証|date=2007年9月}}
地質学は、地理学と異なる「大陸」の定義下でこの用語を使う。それによれば、[[変成岩]]や[[火成岩]]、広くは[[花崗岩]]の岩盤で構成された部分を大陸[[地殻]]とする。より厳密に定義されたものでは、15億年から38億年前の[[先カンブリア時代]]に安定した「盾」状の地殻部分である[[クラトン]](安定陸塊)を指す意見もある。クラトンそのものは、古代の山岳帯が初期の[[沈み込み帯]]や大陸衝突帯[[:en:continental collision|(en)]]またはプレートテクトニクスの上昇部分での活動帯で造られ、これが集まったものであり、その表面は形成されたばかりの薄い[[堆積岩]]が覆っている。地質学で言う大陸は、その周辺をある程度活発な造山帯・海溝または[[三角州]]や海底プレートに形成された[[珊瑚礁]]や積もった[[堆積物]]などが付着した「付加体」<ref>{{cite web|url=http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~spg/mountain.pdf|format=PDF|title=日本の高山の特徴|author=田村茂樹|publisher=[[京都大学]] Jambo Africa!|language=日本語|accessdate=2010-04-24}}</ref>で周辺を覆われている。縁辺部の外側は地球のプレート配置によって、大陸棚や[[玄武岩]]質の[[海盆]]が広がるか、もしくは他の大陸地殻と隣り合っている状態にある。大陸地殻の周辺は必ずしも水域ではない。地質学的な時間スケールで見れば、大陸地殻はやがて海洋地殻の下にもぐりこむか、大陸地殻同士が衝突するかの結末を迎える。現在の地球地殻は、他の時代に比べて陸地部分が多く「(標高が)高く乾いた」変則的な状態にあると言える。

[[Image:Plates tect2 en.svg|thumb|250px|大陸や海洋の下に潜む地球のプレート群]]
大陸を例えて、より重い玄武岩質の海洋地殻とは異なり、大陸地殻にへばりついた「いかだ」のようなもので、プレートテクトニクスが起こす沈み込みで破壊されることを免れているという言及もある。この仮説は、大陸クラトンを構成する岩石の年代が非常に古いことを説明できる。この定義では、東ヨーロッパやインドなどといった地域は、古代の独立した箇所([[東ヨーロッパ・クラトン]]やインドクラトンなど)であった事から他のユーラシア大陸とは異なる大陸塊と言える。これらの大陸塊とユーラシアの境界が、[[ウラル山脈]]や[[ヒマラヤ]]などの新しい造山帯である。

大陸地殻には、クラトンに至らない多くの微小大陸がある。ゴンドワナやジーランドなど古の大陸の断片に当たるニュージーランドや[[ニューカレドニア]]・マダガスカルなど、またはマスカレン海台[[:en:Mascarene Plateau|(en)]]北部や[[セーシェル]]等がこれに当たる。[[カリブ海]]の諸島は花崗岩質だが、ほとんどの大陸は花崗岩と玄武岩質の表層を持っている。ただし、このような線引きで島と微小大陸を区別できない。例えば、ケルゲレン海台はゴンドワナ大陸の分裂に関与したと考えられるため微小大陸に相当するが、その地質は主に火成岩であり<ref>[http://www.utexas.edu/opa/news/99newsreleases/nr_199905/nr_continent990528.html UT Austin scientist plays major rule in study of underwater "micro-continent".] Retrieved on 2007-07-03</ref><ref>http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/353277.stm Retrieved on 2007-07-03</ref>微小大陸ではないアイスランドやハワイ諸島と同じである。ブリテン諸島、[[スカンジナビア半島]]の一部、[[ニューファンドランド島]]は過去同じ大陸の一部部であり、内海(イアペタス海)が広がって分断された。これらも大陸断片に当たる<ref>{{cite web|url=http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/rika-b/htmls/supconti/wilson.html |title=ウィルソンサイクルとイアペタス海|publisher=[[岐阜大学]]|language=日本語|accessdate=2010-04-24}}</ref>。

[[プレートテクトニクス]]は、大陸を定義する別の方法を提案する。今日、ヨーロッパをアジアの大部分を合わせユーラシア大陸としているが、これを[[ユーラシアプレート]]を基準に見るとインド、アラビア半島、そしてロシア東部は除外される。インドは[[楯状地]]を中央に含み[[ヒマラヤ山脈]]を北端とする単独のプレートである。南北アメリカは比較的近年の火山活動によって形成された陸峡で繋がった、プレート的には別々の大陸となる。そして北米は[[カナダ楯状地]]の端にグリーンランドを、そして西の境界でアジア(ロシア)東部を含むことになる。ただし、地質学者たちはこのプレート配置を取り上げてアジア東部の一部を北アメリカに加えるといったような主張はしていない。通常「大陸」は地理的な意味にて用いられ、大陸岩石やプレート境界といった定義はあくまで補充的に適宜用いられるに過ぎない。


== 金星の大陸 ==
== 金星の大陸 ==
[[金星]]の、地球の大陸に匹敵する大きさの高地は、大陸 ([[ラテン語|la]]: terra) と呼ばれる。面積順に、アフロディーテ大陸、イシュタール大陸、ラダ大陸の3つがある。地球の大陸と同じメカニズムで生まれたものかどうかは不明である。
[[金星]]の地形において、地球の大陸に匹敵する大きさの高地も「大陸 ([[ラテン語|la]]: terra) と呼ばれる。面積順に、アフロディーテ大陸<ref name=gifuNASA>{{cite web|url=http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/html/kyo/tenmon/venus/nasa/03.html |title=金星画像集(NASA)|publisher=[[岐阜大学]]教育学部|language=日本語|accessdate=2010-04-24}}</ref>、イシュタール大陸<ref name=gifuNASA />、ラダ大陸の3つがある。金星では少なくともプレートテクトニクスは機能しておらず<ref>{{cite web|url=http://www.eps.s.u-tokyo.ac.jp/jp/gakubu/geoph/solid/plate.html |title=プレート・テクトニクス|publisher=[[東京大学]]大学院理学系研究科地球惑星科学専攻|language=日本語|accessdate=2010-04-24}}</ref>、どようなメカニズムで高地が生まれたものかは今後の研究に委ねられている。

== 関連項目 ==
{{Commons category|Continents}}
*[[国の一覧 (大陸別)]]


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
{{Commonscat|Continents}}
* [[超大陸]]
* [[亜大陸]]
* [[大州]] - [[六大州]]・[[七大州]]
* [[パンサラッサ]]
* [[イアペタス海]]
* [[パレオ・テチス海]]
* [[テチス海]]
* [[クラトン]]
* [[プレート]]
* [[黒潮古陸]]

== 参考文献 ==
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2010年4月28日 (水) 10:40時点における版

大陸と海洋
大陸を色分けで表した動画。様々な考え方を反映するために一部が統合または分割される。例として、ヨーロッパとアジアを合わせてユーラシアとして表した赤系統部分、南北アメリカを一つの大陸と考える緑系統部分がある。
ファイル:Dymaxion map unfolded-no-ocean.png
ダイマクション地図では、少ないひずみで各大陸の形状が表現できる。

大陸(たいりく、英:continent)は、地球地殻上に存在する陸塊である。一般的にはアジア大陸アフリカ大陸ヨーロッパ大陸北アメリカ大陸南アメリカ大陸オーストラリア大陸南極大陸の7つの陸上部分を指すが、これは相対的な判断によるもので厳格な基準は設けられていない[1][2]。衝突や分裂など大陸の動きは、かつては大陸移動説として説明されたプレートテクトニクスで理論化され、地質学の研究課題となっている。

定義とその適用

慣習的に、「大陸とは有意な水域で切り離された、充分に広く、連続的で、おのおのが独立していると認識される陸地」と言える[3]。しかし、一般に言われる7つの大陸は必ずしもで分断された離散的な状態にある訳ではない。広さも恣意的な判断に基づき、最大の島グリーンランドの面積は2,166,086km2であり、大陸に分類されるオーストラリアの面積7,617,930 km2と比較した際に大陸とはみなされない理由は明確に説明されていない。また、おのおのの独立という点では理想的な基準を満たすために大陸棚島弧の存在は考慮されず、南北アメリカはパナマ地峡でつながっているために合わせて一つの大陸とする考えがあるなど、定義上の矛盾もある。アジア・ヨーロッパ・アフリカも自然な地形では分断されておらず、このうちアジアとヨーロッパは地峡さえ無い状態でつながっており、定義から大きく逸脱している。海洋と大陸の関係では、大陸は一つ以上の主要な大洋(en)と接しており、逆に大洋は大陸やさまざまな地理的基準によっておのおのが区分されている。[4][5]

大陸の範囲

大陸を指す最も狭義の概念は切れ目が無い[6]主要な陸地ということになる。この考え方では、海岸線が大陸の淵となり、イギリスアイルランドが自国と対して使う「大陸(the Continent)」は大陸ヨーロッパを意味する[7]が、アイスランドなどの島を含まないこと、同様な意味で日本などから見た中国大陸[8]や、オーストラリアタスマニアが「オーストラリア大陸」に加えない事象が例になる。また太平洋ハワイ諸島カナダ領土を挟むアラスカを除いたアメリカ合衆国の48を「アメリカ合衆国本土」(continental United States)と呼称する事もこの用法に当たる。

地質学自然地理学の見地からは、海面下の水深が浅い領域である大陸棚[9]とそこにある島々(大陸島)も連続した陸地として扱われ、構造的に大陸の境界内に入る[10]。この視点では、大陸の境界は海岸線に関わらず大陸棚の縁となり[11]、イギリス諸島やアイルランドはヨーロッパ大陸の一部となり、ニューギニアはオーストラリア大陸と一体となってサフル大陸(またはオーストラリア‐ニューギニア)を形成する。

文化的な構図から勘案すると、大陸という概念は大陸棚にような地形的境界を越える可能性がある。例えば、この考え方ではアイスランドはヨーロッパ大陸の、マダガスカルはアフリカ大陸の一部と受け取ることができる。これをさらに拡大すると、オーストラリア大陸がニュージーランドなど全オセアニア諸島を含み込んだオーストララシアまでに至る。その結果、地球上のすべての地域はもれなくいずれかの大陸に含まれることになる。[12]

大陸の区分

各大陸が水域によって区分されているという理想的な基準は、歴史的そして現実的には当てはまっていないと見なされている。この基準に合致するものは、かろうじてオーストラリア大陸と南極大陸のみである。いくつかの大陸は完全に独立した陸塊ではなく「そこそこの大きさの地面」[13]と認識されている。アジアとアフリカはシナイ半島でつながり、南北アメリカの間にはパナマ地峡がある。どちらの地峡も大陸と比べれば非常に狭いもので、しかも人工の運河スエズ運河パナマ運河)によって両大陸は切り離されていると言うこともできる。

一方、ユーラシア大陸をアジアとヨーロッパに分ける考えは異例であり、そこには水域は何も無い。この点からユーラシア大陸を含む6大陸という数え方が生まれている。この地理的な考えはヨーロッパとアジアをまたぐロシアではユーラシア主義思想とも結びつけられ[14]日本でもこの考えが主流である[15][16]。それに対し2つの大陸に分ける考えはヨーロッパ中心主義の残滓もあり、「物理的、文化的そして歴史的な多様性では、中国インドはヨーロッパの個別国ではなく全体に匹敵する。もしフランスと比類するならば、インド全体ではなくその中の一州、例えばウッタル・プラデーシュ州を並べる方が完全ではないとしてもより適切である。」[17]という意見もあるが、歴史的また文化的な理由からヨーロッパではユーラシアを2大陸に分ける考えが本流である。

陸峡を挟む南北アメリカ大陸はユーラシアよりも明瞭に区分されるが、それでも以前はまとめて一つの大陸として認識されており、第二次世界大戦以前のアメリカ合衆国でも支配的だった[18]。現在でも米州機構にこの概念が残っている。この、アメリカ大陸をひとつとみなす考えは、スペインポルトガルおよびラテンアメリカ諸国の概念から来ている。しかし19世紀頃、アメリカ合衆国との混同を避けるために使われ始めたアメリカ州( Americas)という言葉に見られる複数形から示唆されるように、この頃には新世界は2つの大陸で成り立っているという認識が広まった。この区分は近代オリンピックシンボルマークに使われており、大陸を表す環は南極を除き5つがデザインされている[19][20][21]

もし大陸の定義を離散的な陸塊とし、接触する場所がある陸地はまとめて考えるとするならば、アジア・アフリカ・ヨーロッパはアフロ・ユーラシア大陸という呼称のように1つの大陸と見なさなければならなくなる。この場合、南北アメリカもひとつと数えられ、地球の大陸は4つとなる。さらに、更新世氷河期によって海水準変動が起こっていた時期を考えれば、より広い範囲で大陸棚を介した陸峡で大陸は繋がっていた。この時期、ニューギニアはオーストラリア大陸の一部であり、アメリカ大陸とアフロ・ユーラシア大陸はベーリング海峡を通じて連なっていた。グレートブリテン島など大陸周辺の島もことごとく大陸と一体化していた。この時代に冒頭の大陸と定義できる陸地は3つだけだった。

大陸の数

大陸をどう数えるかについては複数の方法がある。

区分法
様々な大陸の色分け図。同系統の色で示された地域は統合または分割される領域を示す。
7大陸
[2][22][23][24][25][26]
    北アメリカ大陸
    南アメリカ大陸
    南極大陸
    アフリカ大陸
    ヨーロッパ大陸
    アジア大陸
    オーストラリア大陸
6大陸
[23][27]
    北アメリカ大陸
    南アメリカ大陸
    南極大陸
    アフリカ大陸
       ユーラシア大陸
    オーストラリア大陸
6大陸
[19][20]
       アメリカ大陸
    南極大陸
    アフリカ大陸
    ヨーロッパ大陸
    アジア大陸
    オーストラリア大陸
5大陸
[27][19][20]
       アメリカ大陸
    南極大陸
    アフリカ大陸
       ユーラシア大陸
    オーストラリア大陸
4大陸
[27][19][20]
       アメリカ大陸
    南極大陸
          アフロ・ユーラシア大陸
    オーストラリア大陸

オセアニア」や「オーストララシア」はオーストラリアを示す名称としてしばしば用いられ、カナダの地図帳『Atlas of Canada』もオセアニア表記である[22]。中南米とイベリア半島を指しイベロアメリカという用語も使われる[28]

面積と人口

各大陸の面積と人口の比較

以下の表で、7大陸法で区分したそれぞれの大陸の面積と人口についての統計を示す。

大陸 面積 (km2) 全陸地に
占める割合
人口
2008年
全人口に
占める割合
人口密度
人/km2
アジア大陸 43,820,000 29.5% 3,879,000,000 60% 86.70
アフリカ大陸 30,370,000 20.4% 922,011,000 14% 29.30
アメリカ大陸 42,330,000 28.5% 910,720,588 14% 21.0
北アメリカ大陸 24,490,000 16.5% 528,720,588 8% 21.0
南アメリカ大陸 17,840,000 12.0% 382,000,000 6% 20.8
南極大陸 13,720,000 9.2% 1,000 0.00002% 0.00007
ヨーロッパ大陸 10,180,000 6.8% 731,000,000 11% 69.7
オーストラリア大陸 9,008,500 5.9% 22,000,000 0.5% 3.6

全大陸の面積は総計148,647,000km2であり、地球表面(510,065,600 km2)の29.1%を占める。

最高地点と最低地点

以下の表で、7大陸法で区分したそれぞれの大陸の最高標高地点(最高峰)と最低標高地点を示す。

Continent 最高標高地点 標高(m) 国または地域 最低標高地点 標高(m) 国または地域
アジア大陸 エベレスト 8,848 ネパールの旗 ネパール
中華人民共和国の旗 中国
死海 -422 イスラエルの旗 イスラエル
パレスチナ国の旗 パレスチナ
ヨルダンの旗 ヨルダン
南アメリカ大陸 アコンカグア 6,960 アルゼンチンの旗 アルゼンチン カルボン海岸(en) -105 アルゼンチンの旗 アルゼンチン
北アメリカ大陸 マッキンリー 6,198 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ヤコブスハブン氷河圏谷下部 † -1512[29] グリーンランドの旗 グリーンランド
アフリカ大陸 キリマンジャロ 5,895 タンザニアの旗 タンザニア アッサル湖 -155 ジブチの旗 ジブチ
ヨーロッパ大陸 エルブルス山 5,633 ロシアの旗 ロシア カスピ海 -28 アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン
カザフスタンの旗 カザフスタン
ロシアの旗 ロシア
(+イランの旗 イラン
トルクメニスタンの旗 トルクメニスタン)
南極大陸 ヴィンソン・マシフ 4,892 南極の旗 南極 ベントレー氷河溝(en) -2540 南極の旗 南極
オセアニア プンチャック・ジャヤ 4,884 インドネシアの旗 インドネシア エーア湖 -15 オーストラリアの旗 オーストラリア

† 北アメリカ大陸と南極大陸の最低標高地点は厚さ数キロメートルの氷河に覆われている。露出した地点に限れば、北アメリカの場合 デスヴァレー (-86 m)、南極大陸ではベストフォードヒルズ(en) (-50 m)の湖が該当する。

ヨーロッパとアジアの地質学的境界をパラテーチス海(en)の名残りであるクマ=マヌィチ窪地に求める意見もある。これに則るとエルブルス山があるコーカサス山脈はアジアの領域に入り、そのためヨーロッパ最高標高地点はグライアンアルプス(en)モンブラン (4810 m)となる。

その他の大陸

現在知られている大陸とは別に、別な観点に立った大陸と呼ぶ対象もある。地質学的記録を遡れば、超大陸と呼ばれる単一のクラトンや大陸塊をしのぐ大きさを誇った陸地が存在した。これらには、ローラシア大陸ゴンドワナ大陸 [30]、バールバラ大陸(en)[31]、ケノーランド大陸(en)コロンビア大陸ロディニア大陸[30]そしてパンゲア大陸[32]などがこれに当たる。理論上、現在のユーラシア大陸もこれに該当する。

主な太古の大陸


未来に予想される超大陸

大陸の一部を指して亜大陸と呼称する用例もある。特に、異なるプレートに乗る陸地が大陸と接続しているような場合にもちいられ、インド亜大陸アラビア半島が顕著な例に当たる。北アメリカプレート北東部にあるグリーンランドは、大陸と接続こそしていないが亜大陸と認識される場合もある。南北アメリカ大陸を単一の大陸と見なす場合、ふたつの亜大陸が繋がっているという見方もある。[33][34][35][36]

大陸地殻の中には水深が低い広い面積の領域があり、これを単純に水没した大陸とする見方もある。ニュージーランドからニューカレドニア付近の海域にあるジーランディア(en)は典型的な例で、他にインド洋南部のケルゲレン海台もこれらに当たる。

大陸断片(continental fragment)とは、かつては大陸と一体だった大地が断裂して島状になった地形を指し、これを比較的小さな大陸と捉えた用語である。マダガスカル島はこの例に当たる最大の島で、「第8の大陸」と呼称されることもある。

伝説上の大陸というものもある。アトランティスヒュペルボレイオスの伝説やトゥーレレムリアムー大陸などが例に挙げられる。

概念の歴史

初期の大陸概念

古代ギリシアの地理学者ストラボンの肖像。手する地球儀にはヨーロッパ(Europa)とアジア(Asia)が見られる。
中世ヨーロッパのTO図ノアの3人の息子たちが治めた3つの大陸が記されている。

最初の大陸区分は、古代ギリシアの船員たちが名づけた「アジア」と「ヨーロッパ」だった。ただしこれは単純にエーゲ海ダーダネルス海峡マルマラ海ボスポラス海峡および黒海の両岸のことを指していた[37]。当初は海岸のみを指していたこれらの言葉は、後に広大な背景地にまで及ぶようになった.[38]。しかし、これらの区分はせいぜい航海によってたどりつけた土地までの範囲に留まり、「その限界を超えて、決して分割が叶わないユーラシアを仕切るためのいかなる説得力を持つ地理的な特徴を内陸部に見出すことは、ギリシアの地理学者たちの手に余った」と評されている"[37]

次に古代ギリシアの思想家たちは、アフリカ(当時はリビアと呼ばれていた)が果たしてアジアの一部なのか、それとも異なる場所なのかを議論し、そこが異なる3番目の土地だという考えが優勢となった[39]。ギリシア的観点に立つと、エーゲ海は世界の中心であり、東にアジア、西と北にヨーロッパ、そして南にアフリカが位置した[40]。大陸間の境界は明瞭されなかった。早くから、ヨーロッパとアジアは黒海からグルジアを流れるリオニ川(en)(当時はパシス河と呼ばれた)に沿って分けられた。その後、この線は黒海を起点にケルチ海峡アゾフ海を通ってロシアドン川を遡上する形と変化した[41]。アジアとアフリカの境界はナイル川に置かれた。しかし紀元前5世紀のヘロドトス [42]は、これではエジプトがアジアとリビア(アフリカ)に分断されてしまうため反対し、同地はあくまでアジアだとの主張の元に境界をエジプトの西側国境線に置いた。また彼は、実質的に陸続きのこの3地域をわざわざ分けることに疑問を呈し[43]、この論争は2500年後の現在でも取り沙汰される。

紀元前3世紀のエラトステネスは、地理学者たちが主張するナイル川やドン川で区分される大陸部分に着目し、川で区分される大陸を「島」、地峡で分けられる大陸を「半島」と考えた。彼以後の地理学者たちは、アジアをヨーロッパの区分をカスピ海と黒海の間の地峡に、アジアとアフリカの区分を地中海沿岸のバルダビル湖((en))河口から紅海の間に置いた[44]

古代ローマから中世の間、シナイ半島をアジアとアフリカの境界に置く地理学者はわずかで、ほとんどは依然としてナイル川もしくはエジプトの西境を基準に置いていた。中世には世界はTO図の形式で描かれ、Tが3つの大陸を分割する水域として表現されるようになったが、18世紀中ごろまで境界をエジプトとリビアの間(Great Catabathmus)に求める流儀はしぶとく残っていた[45]

ヨーロッパのアメリカ大陸到達

クリストファー・コロンブス大西洋を航海し西インド諸島に到達した1492年は、ヨーロッパ人のアメリカ大陸探査の口火となった。ただし、コロンブス自身は4度アメリカへ渡ったにも関わらず、彼はそこがアジアの一部だと生涯信じていた。

1501年、アメリゴ・ヴェスプッチとゴンサロ・コエーリョ(en)が、彼らがインディアスと考えていた地を南下しインド洋へ抜ける海路を目指していた。ブラジル海岸を航海する一行は、この地が当時考えられていたアジアよりも遥かに南に伸び、その広さも大陸と呼ぶにふさわしい規模であることを確認した[46]。ヨーロッパへの帰路、探検の報告はヴェスプッチの名前で『Mundus Novus』(「新世界」の意)という名で1502年または1503年に出版された[47]。これには別人の加筆も疑われている[48]が、ヴェスプッチの言葉「私は南の地に大陸を発見した。そこには、私たちのヨーロッパやアジア、アフリカと比べてもよりたくさんの人々や動物たちが息づいている」[49]という言葉で明白な通り、彼はその大陸を既知の3大陸と区別している。

マルティーン・ヴァルトゼーミュラー1507年作の世界地図『Universalis Cosmographia』。初めてアメリカ大陸をアジアと分けて示した。

数年後にはオリヴェリアーナ(ペーサロ)の地図(1504-1505年頃)のように「新世界」を南アメリカと名づけた地図は作成されたが、まだ北アメリカはアジアと繋がっていた[48]。しかし1507年にマルティーン・ヴァルトゼーミュラーが出版した地図『Universalis Cosmographia(en)』では、新大陸が水域でアジアと分けられた。この地図に添えられた付録冊子『宇宙誌入門(Cosmographiae Introductio)』でヴァルトゼーミュラーは、地球の陸地は4つに分けられ、ヨーロッパ、アジア、アフリカに次ぐ4番目の大陸をヴェスプッチのファーストネームにちなんで「アメリカ」と名づけたと記している[50]

英語continent

1500年代から、名詞「continent」はラテン語 terra continensを語源とし[51]、連続している大地(continent land)の意味から派生する形で生まれた[52]。しかし当初は「接続または連続した土地」以外にも「本土」の意味にも使われ[52]、必ずしも広大な陸地を意味していなかった。1600年代、マン島アイルランドウェールズに対する「本土」また1745年にはスマトラ島を指して「本土」として使われた例がある[52]ギリシア語やラテン語の翻訳では「continent」は世界を3分したパーツとして訳されたが、この本来の意味に忠実な形で用いられることは無かった[53]

一方で「continent」は連続する大地の一部を指して用いられることもあり、他方ではヘロドトスの提言を再評価する地理学者たちは、実質的に一つの広大な陸地をわざわざ別の大陸に分ける必要が無いと主張した。1600年代中ごろ、ピーター・ヘイリン(en)は著書『Cosmographie』にて「大陸は広大な面積を持つ陸地を指し、必ずしも他の土地と海で隔てられなければならないわけではない。ヨーロッパ、アジア、アフリカは完全に大陸だ」と筆した。1727年にイーフレイム・チェンバーズが書いた『サイクロペディア、または諸芸諸学の百科事典』(Cyclopaedia, or an Universal Dictionary of Arts and Sciences)には、「世界は基本的に2つの超大陸に分けることができる。旧大陸新大陸だ。」という記述がある。エマニュエル・ボーエン(Emanuel Bowen)は1752年製作の地図において、大陸を「広く乾燥した充分な面積を持つ土地であり、多くの国が国境を接してつながり、水域によって分断されない」と定義し、ヨーロッパ・アジア・アフリカは合わせて一つの大陸であり、また別にアメリカがあるとした[54]。しかし、ヨーロッパの伝統的な考えから、ヨーロッパとアジア・アフリカは世界を構成するパーツでありながらそれぞれが大陸とする見方に固執した。

複数の大陸概念

18世紀末ころには、地理学者の中に南北アメリカを別な大陸と見なし、世界を5つに区分する考えを持つ者が現れだしたが、19世紀にも依然4大陸の概念が一般的だった[55]

ヨーロッパ人によるオーストラリア発見は1606年だったが、当初そこはアジアの一部と見なされていた。これを独立した大陸とし世界を6大陸(アメリカを纏める場合は5大陸)とする考えが一部の地理学者から提案されたのは18世紀末の事であった[55]オックスフォード英語辞典も依然あいまいな表現に止まる[56]中、1813年にサミュエル・バトラー(en)がオーストラリアを「地理学者の中には別な大陸名をつけて権威づけている、広大な面積を持つ島ニューホランド」と記した。

メガラニカと名づけられた対蹠地として千年以上前から存在を予言されていた南極大陸は1820年に発見され、1838年に行われたアメリカ合衆国の探検調査(en)にてチャールス・ウィルクス(en)が最後の大陸と特定した。1849年には大陸として確認されたが、ほとんどの地図には記載されず、これは第二次世界大戦以後にようやく反映された[57]

19世紀中ごろから、アメリカ合衆国で発行される地図はヨーロッパのそれと異なり、南北アメリカを別の大陸と扱うものが段々と増え、二次世界大戦以降の1950年代にはほとんどがそのようになり[58]、現代的な地質学プレートテクトニクスの理解と一致した。これに南極が加わり7大陸の概念が確立した。

ただし、ラテンアメリカには南北アメリカ大陸を纏める考えが根強く、またアジアをヨーロッパをユーラシア大陸とみなす概念も依然残っている。

地質学

地質学は、地理学と異なる「大陸」の定義下でこの用語を使う。それによれば、変成岩火成岩、広くは花崗岩の岩盤で構成された部分を大陸地殻とする。より厳密に定義されたものでは、15億年から38億年前の先カンブリア時代に安定した「盾」状の地殻部分であるクラトン(安定陸塊)を指す意見もある。クラトンそのものは、古代の山岳帯が初期の沈み込み帯や大陸衝突帯(en)またはプレートテクトニクスの上昇部分での活動帯で造られ、これが集まったものであり、その表面は形成されたばかりの薄い堆積岩が覆っている。地質学で言う大陸は、その周辺をある程度活発な造山帯・海溝または三角州や海底プレートに形成された珊瑚礁や積もった堆積物などが付着した「付加体」[59]で周辺を覆われている。縁辺部の外側は地球のプレート配置によって、大陸棚や玄武岩質の海盆が広がるか、もしくは他の大陸地殻と隣り合っている状態にある。大陸地殻の周辺は必ずしも水域ではない。地質学的な時間スケールで見れば、大陸地殻はやがて海洋地殻の下にもぐりこむか、大陸地殻同士が衝突するかの結末を迎える。現在の地球地殻は、他の時代に比べて陸地部分が多く「(標高が)高く乾いた」変則的な状態にあると言える。

大陸や海洋の下に潜む地球のプレート群

大陸を例えて、より重い玄武岩質の海洋地殻とは異なり、大陸地殻にへばりついた「いかだ」のようなもので、プレートテクトニクスが起こす沈み込みで破壊されることを免れているという言及もある。この仮説は、大陸クラトンを構成する岩石の年代が非常に古いことを説明できる。この定義では、東ヨーロッパやインドなどといった地域は、古代の独立した箇所(東ヨーロッパ・クラトンやインドクラトンなど)であった事から他のユーラシア大陸とは異なる大陸塊と言える。これらの大陸塊とユーラシアの境界が、ウラル山脈ヒマラヤなどの新しい造山帯である。

大陸地殻には、クラトンに至らない多くの微小大陸がある。ゴンドワナやジーランドなど古の大陸の断片に当たるニュージーランドやニューカレドニア・マダガスカルなど、またはマスカレン海台(en)北部やセーシェル等がこれに当たる。カリブ海の諸島は花崗岩質だが、ほとんどの大陸は花崗岩と玄武岩質の表層を持っている。ただし、このような線引きで島と微小大陸を区別できない。例えば、ケルゲレン海台はゴンドワナ大陸の分裂に関与したと考えられるため微小大陸に相当するが、その地質は主に火成岩であり[60][61]微小大陸ではないアイスランドやハワイ諸島と同じである。ブリテン諸島、スカンジナビア半島の一部、ニューファンドランド島は過去同じ大陸の一部部であり、内海(イアペタス海)が広がって分断された。これらも大陸断片に当たる[62]

プレートテクトニクスは、大陸を定義する別の方法を提案する。今日、ヨーロッパをアジアの大部分を合わせユーラシア大陸としているが、これをユーラシアプレートを基準に見るとインド、アラビア半島、そしてロシア東部は除外される。インドは楯状地を中央に含みヒマラヤ山脈を北端とする単独のプレートである。南北アメリカは比較的近年の火山活動によって形成された陸峡で繋がった、プレート的には別々の大陸となる。そして北米はカナダ楯状地の端にグリーンランドを、そして西の境界でアジア(ロシア)東部を含むことになる。ただし、地質学者たちはこのプレート配置を取り上げてアジア東部の一部を北アメリカに加えるといったような主張はしていない。通常「大陸」は地理的な意味にて用いられ、大陸岩石やプレート境界といった定義はあくまで補充的に適宜用いられるに過ぎない。

金星の大陸

金星の地形において、地球の大陸に匹敵する大きさの高地も「大陸 (la: terra)」 と呼ばれる。面積順に、アフロディーテ大陸[63]、イシュタール大陸[63]、ラダ大陸の3つがある。金星では少なくともプレートテクトニクスは機能しておらず[64]、どのようなメカニズムで高地が生まれたものかは今後の研究に委ねられている。

関連項目

脚注

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