永岡弘行
永岡 弘行(ながおか ひろゆき、1938年〈昭和13年〉 - )は、日本の団体役員。日本脱カルト協会理事、「オウム真理教家族の会」代表[1]。
概要[編集]
一般企業に勤務していたが、長男永岡辰哉がオウムに入信したことをきっかけに、1989年より信者家族との交流をはじめ、1989年10月に「オウム真理教被害者の会」(現「オウム真理教家族の会」)を立ち上げ、会長に就任した[1]。
被害者の会会長就任によりオウムから様々な嫌がらせをされるようになり、同じく被害者の会の坂本堤、滝本太郎と同じく命を狙われ、1995年1月に山形明、高橋克也からVXによる襲撃に遭う(オウム真理教被害者の会会長VX襲撃事件)。生死の境をさまよい、一命を取りとめたものの右半身麻痺になり、現在でも通院生活を送っている[1][2]。
オウム事件後[編集]
- 地下鉄サリン事件以降、法廷での傍聴や東京拘置所での幹部信者との面会を続けた。VX事件や坂本弁護士事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件などの加害者であり麻原信仰を貫いている新実智光にも面会を重ね、新実について「とても礼儀正しい男」であるとしている[3]。またVXを製造した土谷正実の両親とも交友がある。永岡はオウムの信者を見て、かつて会社のセミナーでホテルに缶詰めにされ研修させられた自分と似ていると感じたという[4]。
- 2011年11月に、オウム真理教被害対策弁護団、日本脱カルト協会およびオウム真理教家族の会が、オウム真理教事件で死刑判決を受けた13人のうち松本智津夫死刑囚以外の12人は死刑に処すべきでないとする声明を発表した際には「死んでしまいたいという信者もいるが、おまえたちにはまだ義務があるといいたい」と語った[5]。対して松本智津夫に関しては「繰り返し死刑にしたい」と語る[6]。
- 2017年2月24日のNHKニュースにてインタビューを受け、同年2月13日の金正男の殺害がVXによるものと断定されたことについて「自分と症状が似ていると思った」と話した[7]。
出演[編集]
脚注[編集]
- ^ a b c “永岡弘行”. 日本脱カルト協会. 2013年7月5日閲覧。
- ^ 柿田睦夫 (2010年3月19日). “地下鉄サリン事件から15年 オウム犯罪 防げた ぬぐえぬ警察不信 今も通院「家族の会」会長 永岡弘行さんが語る”. しんぶん赤旗 (日本共産党) 2013年7月5日閲覧。
- ^ 森達也 『A3 下』集英社、2012年12月、117-119頁。ISBN 978-4-08-745016-3。
- ^ 降幡賢一『オウム法廷5』 p.173-183
- ^ “「松本死刑囚以外の執行やめるべき」被害者弁護団が声明”. 日本経済新聞 電子版 (日本経済新聞社). (2011年11月21日) 2013年7月5日閲覧。
- ^ 降幡賢一『オウム法廷13』 p.330
- ^ “VXの被害者 永岡弘行さん「症状が似ている」”. NHK. (2017年2月24日). オリジナルの2017年2月24日時点におけるアーカイブ。 2021年5月19日閲覧。
- ^ 地下鉄サリン事件20週年の日