今はまだ人生を語らず
『今はまだ人生を語らず』 | ||||
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よしだたくろう の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
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ジャンル | ||||
レーベル | Odyssey/CBS Sony | |||
プロデュース | 吉田拓郎 | |||
チャート最高順位 | ||||
よしだたくろう アルバム 年表 | ||||
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『今はまだ人生を語らず』収録のシングル | ||||
『今はまだ人生を語らず』(いまはまだじんせいをかたらず)は、1974年12月10日に吉田拓郎(当時はよしだたくろう)がリリースしたオリジナル・アルバムである。
背景[編集]
アルバムタイトルは、収録曲である「人生を語らず」の歌詞に由来し、森進一に提供した「襟裳岬」をはじめ、猫に提供した「戻ってきた恋人」、かまやつひろしとデュエットした「シンシア[注釈 2]」などが収録されている。
アルバムリリースは1974年末で、翌1975年にはツアーを行っていない。そのためアルバムリリースに合わせてライブツアーを行うという従来のパターンからは外れている。一方で、1975年夏の「吉田拓郎・かぐや姫 コンサート インつま恋」ではこのアルバムからの全12曲が演奏されている。
音楽性[編集]
ペニーレインでバーボン[編集]
当時拓郎はバーボンに凝っており[3]、ペニーレインは、1974年にビートルズの楽曲である「ペニー・レイン」から店名を取ってオープンした原宿のジャズ喫茶で、拓郎が「ペニーレインでバーボン」と唄ったことで一躍脚光を浴び、"フォークの聖地"、"1970年代原宿の象徴"などといわれた[4][5][6]。フォーク、ニューミュージック系のミュージシャンやファッション関係者などの業界人が集い修学旅行のコースにもなった[4][6]。1990年に閉店したが、2006年に復活し、2014年現在も営業している[4][7]。
2014年、拓郎ファンの重松清が初めて舞台の原作となる「あの頃僕らはペニーレインで」を書き下ろし、朗読劇として5月上演される[4][6][7]。
拓郎は1984年のアルバム『FOREVER YOUNG』で、アンサーソングである「ペニーレインは行かない」という曲を発表している。
再発売[編集]
1986年にCD化され、1990年にはCD選書で再発売されたが、「ペニーレインでバーボン」の歌詞に「つんぼ桟敷[注釈 3]」という部分的に差別用語とも受け取れる言葉が含まれていることから、いずれも生産が中止された。
2006年に行われた『吉田拓郎 & かぐや姫 Concert in つま恋 2006』では、該当部分を「蚊帳の外」と歌い換え、この曲が披露された。また、2009年10月7日に完全生産限定で発売されたデビュー40周年記念CD-BOX『Takuro Premium 1971 - 1975』に収納された紙ジャケット盤には「ペニーレインでバーボン」は収録されておらず、タイトルも『今はまだ人生を語らず-1』となっている[9]。
CDの発売中止が続き、実質廃盤状態だったが、2022年12月21日にSony Music Directから「ペニーレインでバーボン」を収録して復刻することが発表された[10]。2022年11月現在では、音楽配信でも『今はまだ人生を語らず-1』として発売されており、「ペニーレインでバーボン」以外の楽曲は正式音源で聴くことができる。
収録曲[編集]
- 全作詞・作曲:吉田拓郎(特記以外)
- ペニーレインでバーボン
- 人生を語らず
- 世捨人唄
- 作詞:岡本おさみ
- おはよう
- 作詞:岡本おさみ
- シンシア
- 三軒目の店ごと
- 襟裳岬
- 作詞:岡本おさみ
- 知識
- 暮らし
- 戻ってきた恋人
- 作詞:安井かずみ
- 僕の唄はサヨナラだけ
- 贈り物
参加ミュージシャン[編集]
- Vocal:よしだたくろう
- Vocal:かまやつひろし[注釈 4]
- Ac.Guitar, E.Bass, Ac.Piano, E.Guitar, “Blues Harp”:吉田拓郎
- Ac.Piano, Hammond Organ, E.Piano, Strings Ensemble:松任谷正隆
- E.Guitar:石川鷹彦
- E.Guitar, Chorus, F.Mandolin:常富喜雄
- E.Guitar, Chorus:矢島健
- T.Saxophone:村岡建
- Drums, E.Bass:平野肇
- Drums:村上秀一
- Drums:内山修
- E.Bass:後藤次利, 石山恵三
- Chorus:陣山俊一, 前田仁
- String Part Arrangement:瀬尾一三
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ “今はまだ人生を語らず(完全生産限定盤) | よしだたくろう”. ORICON STYLE. 株式会社oricon ME. 2022年12月30日閲覧。
- ^ 帆苅智之 (2022年12月21日). “これだけはおさえたい邦楽名盤! 『今はまだ人生を語らず』で確信するアーティスト・吉田拓郎の桁違いの風格”. OKMusic. OKWAVE. 2022年12月27日閲覧。
- ^ 「よしだたくろうと10人の仲間たち」『深夜放送ファン』自由国民社、1973年9月号、p12-13
- ^ a b c d pennylane | あの頃僕らはペニーレインで公式サイト ペニーレインとは
- ^ 70年代原宿の象徴 「ペニー・レイン」が復活 - 原宿新聞、原宿ペニーレインを舞台化!! - 文化通信.com、拓郎名曲の舞台 主演に“インディーズの歌姫”抜てき
- ^ a b c 『Vol.14 フォークソング+朗読劇 レコード会社の新しい試み』
- ^ a b 若者が憧れた 重松清「あの頃僕らはペニーレインで」:朝日新聞
- ^ “聾桟敷とは”. コトバンク. VOYAGE GROUP. 2022年6月18日閲覧。
- ^ Sony Music Shop : Takuro Premium 1971 - 1975 - 参考リンク
- ^ “吉田拓郎、『今はまだ人生を語らず』など2作品が完全復刻 名曲「ペニーレインでバーボン」も収録”. CDジャーナル (音楽出版社). (2022年10月31日) 2022年11月1日閲覧。