東京喰種トーキョーグール

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東京喰種トーキョーグール
ジャンル 青年漫画サスペンスホラー
ダーク・ファンタジーバトルアクション
漫画:東京喰種トーキョーグール(第1部)
東京喰種トーキョーグール:re(第2部)
作者 石田スイ
出版社 集英社
その他の出版社
フランスの旗Glénat Manga
中華民国の旗尖端出版
香港の旗玉皇朝グループ
掲載誌 週刊ヤングジャンプ
レーベル ヤングジャンプ・コミックス
発表号 第1部:2011年41号 - 2014年42号
第2部:2014年46号 - 連載中
発表期間 第1部:2011年9月8日 - 2014年9月18日
第2部:2014年10月16日 - 連載中
巻数 第1部:全14巻
第2部:既刊6巻(2016年3月現在)
話数 第1部:全143話
アニメ:東京喰種トーキョーグール(第1期)
東京喰種トーキョーグール√A(第2期)
原作 石田スイ
監督 森田修平
シリーズ構成 御笠ノ忠次
脚本 御笠ノ忠次
キャラクターデザイン 三輪和宏
音楽 やまだ豊
アニメーション制作 studioぴえろ
製作 東京喰種製作委員会
放送局 TOKYO MX
放送期間 第1期:2014年7月 - 9月
第2期:2015年1月 - 3月
話数 第1期:全12話 / 第2期:全12話
OVA:東京喰種トーキョーグール【JACK】
原作 石田スイ
監督 嶌田惣一
脚本 御笠ノ忠次
キャラクターデザイン 三輪和宏
アニメーション制作 studioぴえろ
製作 東京喰種製作委員会
発売日 2015年9月30日
OVA:東京喰種トーキョーグール【PINTO】
原作 石田スイ、十和田シン
監督 松林唯人
脚本 嶌田惣一
キャラクターデザイン 栗原学、三輪和宏
アニメーション制作 studioぴえろ
製作 東京喰種製作委員会
発売日 2015年12月25日
ゲーム:東京喰種 JAIL
対応機種 PlayStation Vita
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
メディア PS Vitaカード
発売日 2015年10月1日
レイティング CEROC(15才以上対象)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

東京喰種トーキョーグール』(トーキョーグール、Tokyo Ghoul)は、石田スイによる日本漫画作品。

概要

石田スイのデビュー作。現代の東京を舞台に、人の姿をしながら人肉を喰らうことで生きる怪人達「喰種」(グール)をテーマにした作品。コンセプトはダーク・ファンタジーとなっているが、サイエンス・ファンタジーの要素もある。

集英社の『週刊ヤングジャンプ』にて2011年41号より連載開始。2014年42号まで連載された後、新編となる『東京喰種トーキョーグール:re』(トーキョーグール アールイー)が、同誌2014年46号より連載開始された[1]キングダムテラフォーマーズに並ぶ同誌の目玉作品の1つになっている。

2013年7月と2014年6・12月には十和田シンによる小説版が発売された。また、2013年8月から同年9月までデジタル漫画雑誌『ジャンプLIVE』にて番外編(スピンオフ)コミック『東京喰種トーキョーグール [JACK]』(トーキョーグール ジャック)が連載された。

2014年からはアニメ化が行われ、テレビアニメ2作とOVA2作が制作されている。

2015年7月には舞台が上演された。また、コンピュータゲーム化も行われた。東京ジョイポリスでは期間限定イベントが実施された。

物語

東京喰種トーキョーグール

人間社会に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人「喰種」が蔓延する東京。上井大学に通う青年カネキは喰種・リゼに襲われ瀕死となるが、直後起こった鉄骨の落下により捕食を免れる。しかしその後、彼女の臓器を移植されたことで、半喰種となってしまう。それ以来、カネキは苦悩と恐怖に満ちた日々を送ることになる。

序章
読書好きの平凡な大学生・カネキは、好意を寄せていた少女・リゼに小説をきっかけに話しかけられ彼女とデートをすることになる。その際、カネキは喰種であったリゼに襲われ瀕死の重傷を負うが、直後にリゼの頭上より鉄骨が落下し、2人は病院に搬送される。カネキは一命は取り留めたものの、重傷であり嘉納という医師の判断でリゼの臓器が移植される。
手術後、カネキは今まで食べてきた食物を口に出来なくなり、代わりに人肉に食欲をそそられるようになる。喫茶店あんていくの従業員である少女トーカと同店の店長を務める芳村、二人の喰種に出会い人肉を受け取るが、腹を満たすことと人としての尊厳を守ることとの間で激しく葛藤する。カネキは精神的にも肉体的にも追い詰められていく中、同じ大学に通う喰種のニシキに目をつけられ、親友であるヒデが捕食されそうになる。赫子を用いて辛くもニシキを撃退したカネキは暴走状態となるが、トーカに救われ負傷したヒデと共にあんていくに運ばれる。「自分の居場所はどこにもない」と悲嘆にくれるカネキだったが、芳村から「人と喰種のどちらの世界にも居場所を持てる唯一の存在である」と諭され、喰種としての生き方を学ぶため、あんていくのメンバーとして勤務することになった。
アニメ版は、第1話から第3話として放送。
白鳩(ハト)の出現
カネキがあんていくに勤務し始めて間もない頃、喰種の母娘・笛口リョーコヒナミが訪れる。自分で人を狩れない彼女達は、あんていくに食料を貰いに来ていた。そんな中、喰種対策局(CCG)に所属する人間である一等捜査官・亜門とそのパートナーである上等捜査官・真戸がリョーコを追いかけて20区に現れ、彼らによってリョーコはヒナミの目の前で駆逐されてしまう。この事件を受け、トーカはリョーコの仇を討つ為、カネキは捜査官に対抗する為に行動を起こす。
真戸はバラバラにしたリョーコの死体でヒナミをおびき出し、ヒナミを探しにやってきたトーカと対峙する。笛口夫妻の赫子を用いたクインケで真戸はトーカを追い詰めるが、ヒナミの強力な赫子で手足を失い、トーカの攻撃で致命傷を負い、彼女らに対し憎悪と侮蔑の言葉を吐きながら死亡する。その一方、カネキは亜門と対峙。彼のクインケを破壊し、戦闘不能に追いやり勝利するも、辛うじて残った理性で止めを刺さず、撤退するよう促した。カネキは憔悴するヒナミにリョーコの遺志を伝え、亜門の「この世界は間違っている」という言葉を受け、自らの生き方を模索しつつ、世界を正す方法を探す決意をする。一方、亜門は深手を負いながらも真戸の援護に駆けつける。しかし、既に息絶えた彼を見つけ、その姿を前に慟哭するのだった。
アニメ版は、第6話中盤から第8話として放送。
月山登場
カネキとトーカがあんていくの勤務と訓練を行いつつ平穏に過ごしていたある日、月山があんていくに現れる。月山はそこで出会ったカネキに興味を持ち、彼との接触を試みる。
カネキはヨモの誘いを受け、イトリが経営するバーを訪れる。そこでカネキは、リゼは事故で死んだのではなく第三者によって殺されたという事実と、人間とグールのハーフである「隻眼の喰種」の存在を知る。カネキはリゼの死の真相を知るため、情報の交換条件として、月山が出入りする喰種のレストランの調査を行うこととなるが、月山に騙され喰種のレストランの「ディナー」として招かれてしまう。そこでカネキが「隻眼の喰種」であることを知った月山は、貴重な存在を独り占めするためカネキを危機から救う。
難を逃れたカネキの下に人間である貴未が恋人のニシキの容態について相談しに来る。月山は貴未をカネキをおびき寄せるために拉致し、カネキとニシキは貴未の救出のため月山と戦う。加勢に来たトーカを交え苦戦の末に月山を倒す。トーカは自分達の正体を知る貴未を口封じのために殺そうとするが、貴未の思わぬ発言に殺害を止め、その場から逃げるように立ち去り一人葛藤する。
アニメ版は、第4話から第6話序盤として放送(喰種のレストランの調査部分はカットされた)。
アオギリの騒乱 / アオギリ編
月山撃退後、カネキはイトリからリゼに関する情報を入手する。その頃アオギリの樹の襲来による11区の支部の無力化に伴い、危険区域に指定された20区に篠原ジューゾーら本局所属の有力捜査官が派遣された。
ある日、リゼの知人であった喰種・バンジョーと彼の取り巻き達がリゼを探すためにあんていくに訪れる。同じくリゼを探しに来たアヤトヤモリニコが襲撃してくる。トーカの弟だったアヤトは彼女を圧倒し、仲間と共にカネキを拉致する。アオギリのアジトに囚われたカネキは、アオギリの幹部・タタラに「戦力にならない」とアヤトに下げ渡された後、アヤトの配下になっていたバンジョーとその仲間達と共に脱出を試みるが、瓶兄弟とヤモリ、ニコに阻まれ失敗に終わる。その後ヤモリに捕まり、カネキは執拗な拷問を受け続け、生死と狂気の狭間を彷徨うが、その際に現れたリゼの幻影との対話を経て喰種の本質を受け入れ、ヤモリと戦い撃破した。また、危険を承知でカネキ救出を行ったトーカとニシキをカネキはアヤトの猛攻から助け出し、アヤトを叩きのめした。
アオギリからの脱出後、カネキはあんていくのメンバーと再会するが、敢えてあんていくに戻らず、ある目的のためにバンジョーや、打算的な理由で手を組んだ月山と共に行動を起こそうとしていた。
アニメ版は、第9話から第12話として放送。ヤモリを撃破したシーンで終わった。
それぞれの動き / 新天地6区編
アオギリの騒乱から半年後、捜査官達はその戦いでの功績が認められ昇任する中、上等捜査官となった亜門は真戸の娘・アキラをパートナーとして迎え、ジューゾーは二等捜査官となり、駆逐したヤモリの赫子を元に制作されたクインケを手に入れていた。
その頃、カネキはリゼの経緯を辿ってたどり着いた6区を拠点にすると、自らを喰種に変えた嘉納の情報を求め、嘉納と繋がりがあるとされるマダムAのいる喰種のレストランを襲撃する。そこでカネキは自分と同じ「リゼ持ち」である半喰種の少女・シロクロに出会い、彼女たちの妨害でマダムAの捕獲に失敗する。
アニメ版2期は1話から8話として放送されるが、カネキがアオギリの樹に参加するなど設定が大きく異なる。
あんていく襲撃
多くの葛藤の末、6区のアジトを解散し“ただの自分”を取り戻すため、あんていくに戻る決意をしたカネキ。だが同じ頃、SSS級駆逐対象“梟"の居場所を突き止めたCCGは、有馬も含めた歴戦のCCG捜査官をあんていくに集結させ、“10年前の戦い"を彷彿とさせる「20区隻眼の梟討伐作戦」を開始してしまう。
アニメ版2期は、9話から12話として放送。
終章
20区隻眼の梟討伐戦において多くの死傷者、行方不明者を出しながらもCCGはほぼ全ての喰種の駆逐完了を宣言。同作戦は終結した。それからしばらく後、[アマツ]の有用性を認められたアキラは一等捜査官に昇任。有馬率いる対アオギリの特別チームに配属され、彼の命を受け、指導官(メンター)としてある三等捜査官の教育を任される。彼がアキラの元を訪れ、佐々木琲世と名乗った所で物語は幕を閉じる。

東京喰種トーキョーグール [JACK]

本編開始の12年前。13区の高校に通う不良少年・富良太志は幼馴染達をカボチャの仮面を被った人物に殺傷され、彼自身も殺されそうになるがクラスメイトの転校生・有馬貴将に助けられる。幼馴染の仇討ちを誓った富良は、有馬から仇が喰種という存在で、カボチャの仮面の喰種が“ランタン”と呼ばれていることを聞き、有馬と共にランタンの行方を追う。富良と有馬は順調に喰種を狩る中、ランタンの意外な正体を突き止める。

東京喰種トーキョーグール [JOKER]

第一部終了後から第二部『:re』開始までの間、二等捜査官の阿原半兵衛を主人公とし、パートナーである上等捜査官の鈴屋什造との物語が展開する[2]。臆病な半兵衛が骸骨のマスクをした喰種達に追われ逃げ惑っているところを什造の介入で救われ、彼から軽い叱責を受ける。CCG13区支部に戻り「スカルマスク」という集団の調査・討伐の報告の最中、「スカルマスク」の犯行の報告があり、現場である暗敷通りへ向かう。死体を見た什造は、無駄のない殺し方からここでの犯行は「スカルマスク」のボスの仕業であると確信する。半兵衛が捜査中、電車内で身長や行動、香水の匂いがしたなどとプロファイリングしている最中に痴漢の現場に遭遇。助けるべきか否か葛藤している間に什造によって痴漢行為が止められるが、この際什造は"鉄臭い"という理由で痴漢を追いかける。移動中、近くに居たのになぜ止めなかったのかを什造に問われ、半兵衛は臆病であることの原因を語り、一区切りついた時に悲鳴が上がる。現場に駆けつけると、先ほどの痴漢が「スカルマスク」に襲われていた。ボスであることを什造が確認し、宣戦布告をした所で「スカルマスク」のメンバーに囲まれてしまう。腰を抜かしている半兵衛をよそに、什造はクインケ[13'sジェイソン]でメンバーを掃討、ボスにあと一歩というところでわざとらしく[13'sジェイソン]を弾き飛ばされてしまう。ボスの追撃に対して動かない什造に半兵衛が焦り、勇気を振り絞ってボスを背後から一突きの元に葬る。什造になぜ「スカルマスク」が現れるのがわかったのか問うと、電車内でした香水と血の匂いが暗敷の現場の匂いとが一致したためとのこと。ボスのマスクを外すと、そこには電車内で痴漢されていた少女が横たわっていた。

東京喰種トーキョーグール:re

トルソー捜査編
20区隻眼の梟討伐戦からしばらくたち、佐々木琲世真戸暁のもとに来てから2年。ハイセは一等捜査官に、アキラは上等捜査官に昇進していた。そんな時、CCGでクインクス計画なるものが始まり、ハイセは実験体集団クインクスのメンターに任命される。「まともな人間でない」彼らに振り回され、業績も振るわず、ハイセはCCGで肩身の狭い思いをしていた。
あるとき、ハイセ、クインクス含む真戸班は下口班とともにトルソーの調査をすることになる。ウリエシラズがトルソーの正体を突き止め、彼を追い詰めているときにオロチが乱入。2人は彼に終始圧倒されるが、そこにハイセが表れ、オロチと交戦を始める。クインケだけでは太刀打ちできず、ハイセは赫子を発現させる。彼はオロチと渡り合っていたが、オロチにあることを言われたことで苦しみ始め、アキラとオロチを追っていた平子班に暴走とみなされ動きを封じられる。結局、トルソー、オロチ共に取り逃してしまう。また、身元がCCGに発覚してしまったトルソーは以前から情報をやり取りしていたアオギリの樹に正式加入する。
『:re』単行本1巻に相当する。
ナッツクラッカー調査/オークション掃討戦編
ロゼヴァルト家関連勢力捜査/月山家殲滅戦編

登場キャラクター

本作品の登場人物は特に必要とされる場合を除き、片仮名で呼称されるのが基本である。そのため、漢字の綴りが不明の者も少なくない。
※ 舞台版の演者については、#舞台の節を参照。

主人公

金木 研(かねき けん)
声 - 花江夏樹小堀友里絵(子供時代)
本作第一部の主人公である青年。12月20日生まれのいて座。物語開始時点で18歳。血液型AB型。愛称は「カネキ」。上井大学文学部国文科一年生で、20区内のマンションで一人暮らしをしていた。喰種であるリゼに捕食されかけ瀕死の重傷を負うものの、彼女の頭上に鉄骨が落下してきたことにより九死に一生を得る。搬送された病院でリゼの臓器を移植されて生き延びるが、その代償として半喰種となり、喰種の世界に関わることになる。喰種化したことで苦悩していたが、あんていくの店長である芳村に救われ、区内に暮らす喰種の集まる場所でもある同店で働くこととなる。そこで人間と喰種双方の苦悩に触れながら自らの生き方を模索するが、アオギリの樹からの拉致とヤモリの拷問を契機に、忌避していた喰種の本質を受け入れ、大切な人々を守るために戦う道を選ぶ。元来の性格は内向的かつ温厚で、幼い頃に亡くした母の影響で自己犠牲を尊ぶ受け身な考え方を持っていたが、アオギリの騒乱による一連の事件を経て敵対者に容赦しない冷徹かつ攻撃的な一面を持つに至った。また、ヤモリによる執拗な拷問が彼の思考や人格にパラダイムシフトをもたらしたためか、彼の人格や癖を模倣し共喰いを行うようになり、特に強力な喰種を選んで喰らうことが多い。
アオギリの本拠地から脱出した後はあんていくに戻らず、バンジョーや月山、ヒナミたちと反アオギリを掲げて行動を共にする。その後、半年間共喰いのみを行い、不完全ながら赫者となる。嘉納を追い詰める際、対峙した篠原を防戦一方に追い込みSSレート認定を受けるほどの実力を発揮するが、その際に自我を失った錯乱状態となり、バンジョーを手にかけようとしたところで正気へと戻った。その後、自身の疑問からあんていくで芳村と会話。彼の過去を知り、その直後再会したトーカの叱咤から自分の間違いに気づき反アオギリを解散する。 CCGによる隻眼の梟討伐作戦が実施され、あんていくが襲撃された際には、芳村たちの救援に単身あんていくに向かう。途中、円児とカヤを助けながらも、あんていくに繋がる道にて亜門と遭遇。[クラ]を破壊し彼を追い詰めたが、[アラタ・弍<proto>]により爆発的な身体能力を得た亜門の反撃を受けたことで無意識に半赫者の力を解放。亜門の右腕を切断する[注 1]も、彼のクインケ[ドウジマ・改]の直撃を受け、自身も再生が追いつかないほどの深手を負ってしまう。逃げ込んだ地下道で極度の飢餓状態に陥り、リゼやヤモリの幻覚にうなされ錯乱するも、ヒデと再会を果たし、自身の変容を見抜いていた彼から激励を受ける。ここから先の記憶は途切れ、ルートV14にて逃げ延びた数十体の喰種を全滅させた有馬と遭遇。ヒデの助言に従い理性と狂気を総動員した持ち得る能力の全てを駆使し[IXA]の防御壁を損傷させ、有馬の頬に傷を負わせるほどの奮戦を見せるが、圧倒された末に両眼を貫かれて駆逐され、生死不明となった。
半喰種であるため食性や身体能力は喰種と同等だが、赫眼は左目だけに現れる。また、自分の意思で発現をコントロールできないため、外出時は眼帯をつけている。マスクは普段とは逆に赫眼のみを露出する構造になっている。このマスクの特徴により亜門からは「眼帯の喰種」と呼ばれている。赫子はリゼと同じ先端が鉤爪状になった鱗赫で、右の腎臓付近から発生する。当初は赫子の制御が出来ない為、赫子の使用自体を避けていたが、ヤモリとの交戦以降は完全にコントロールする事が可能になっている。半赫者となった際には、百足のような赫子に、左顔を覆って胸元に向けて尖って伸びた一つ目の面が現れた[注 2]。この赫子の特徴からCCGにより「ムカデ」の呼称が付けられる。有馬との対決時に左頭部を貫かれた後は、腹部からも赫子を発生させ、手のように変形させて貫通したクインケを自ら抜き取ったりするなど、自在に形状を変化させられるようになった。標準的な喰種に比べると体の堅牢さに劣るが、同族からも異常と見られるほどの回復力と羽赫クインケの射撃すら容易に回避する機動性を持つ。嗅覚の優れた喰種たちに言わせると喰種や人間とも違う体臭であると指摘されているが、リゼと面識のある者からは彼女の匂いを感じ取られている。生きた人間の肉を食らった後に、リゼを思わせる人格が現れることがある。当初は黒髪だったが、ヤモリの拷問による後遺症で白髪となり、爪は赤黒く変色した。幼くして父母を亡くしたことで孤児になり、伯母一家に引き取られて暮らしていたが、伯母による日常的なネグレクトに遭っていたため、親友のヒデとの交流を心の支えとしていた。読書が趣味で主にミステリーを好んで読んでおり、作家・高槻泉のファンである。その為か独白シーンでは度々小説からの引用で自身の心境が語られている。
『√A』ではヤモリを倒した後、エトの誘いを受け、アオギリに加入する。原作に比べるとより冷徹な性格となっており、感情の起伏も乏しくなっている。しかし人間の殺害については躊躇しており、捜査官との戦闘では不殺を徹底。クインケの破壊、もしくは致命傷に至らない程度の打撃のみ行っている。アオギリに加入してからはアヤトと共に行動しており、実働部隊員としてナキの護送車脱走の手引きを行い、コクリア襲撃にも参加した。原作よりも早期にアオギリの構成員として前述のような反社会的行動を行い、その存在を認識された結果か、CCGからは一貫して「眼帯の喰種」と呼称されている。コクリア襲撃時には逆上した鯱と交戦し敗北、コクリアに廃棄されていた喰種の死体を喰らい、半赫者としての覚醒を果たす。梟討伐作戦では原作同様亜門と対峙。[ドウジマ・改]の直撃を受け、一時は半赫者として暴走しかけるも、コクリアで亜門に投げかけられた言葉を思い出し、辛うじて踏み止まる。戦いの末に相討ちとなるも、あんていくでヒデと再会を果たす。最終的にヒデの死を看取り、作戦終了後のCCGの集合地点で有馬と対峙、その後の行方は不明。
『:re』ではハイセの潜在意識で彼に語りかける「前の自分」として登場。力と引き換えに自身と向き合うよう彼に要求しているが、拒絶され続けていた。オークション掃討戦で重体に陥ったハイセの混濁した意識にも現れ、自分を見るよう懇願。覚悟を決めたハイセが向き合った際には白髪の子供の姿で切実な願いを伝える。掃討戦後は以前よりも頻繁にハイセの意識に表出するようになり、自身と彼の関係を「冬虫夏草と寄生される虫」と比喩。ハイセが自身に誓った「救う」という思いに否定的な考えを持つ。月山家殲滅戦において、ハイセとの対話を経て表層化し、覚醒。カナエを圧倒した後、エトとの戦闘を開始する。
佐々木 琲世(ささき はいせ)
本作第二部『:re』の主人公である青年。4月2日生まれのおひつじ座。登場時22歳。血液型AB型。髪色は毛先が白髪、生え際は黒髪のツートンカラー。愛称は「ハイセ[注 3]。喰種捜査官であり、第一部エピローグ時は三等捜査官。『:re』では一等捜査官。オークション掃討戦後からは上等捜査官、月山家殲滅戦終結後は准特等捜査官。自身曰く「鼻赫子」を頼りに喫茶店を巡るのを二等捜査官時代からの趣味としている。隻眼の梟討伐作戦からしばらく後、一等捜査官に昇進したアキラから教育を受けることとなった。「有馬貴将を超える捜査官をつくる」という目的から、喰種の能力を持った「クインクス」と呼ばれる4人をメンターとして統率する。一筋縄ではいかない問題児の彼らに振り回される日々を送るが、自身の部下であるクインクス班への想いは深く、上官であるアキラや有馬のことも慕っている。快活で冗談好きだが責任感の強い篤実な性格でもある。また読書家であり、本で得た知識を捜査で活かすこともできるが、カネキと違い陰惨な結末を迎えることの多い高槻作品は苦手としている。
その実、嘉納による喰種化実験の被害者であり、CCGでは通常時は人間として扱われているが、暴走した場合はSSレート喰種「ハイセ」として駆逐されるということが取り決められている。また過去20年間の記憶を失っているが、過去を思い出すことを自身の死と同意義と考え、非常に恐れている。その特異な出自と喰種の即殺を良しとしない穏やかな心柄から彼を敵視する捜査官も存在する。戦闘技術は有馬から直接指導を受けており[注 4]、白単翼賞や金木犀賞を受勲していることから実力は相当のものであると伺える[注 5]。またクインケ操作のみならず体術にも優れており、武器を持ったクインクス班数名を素手であしらい、制圧した。カネキと瓜二つの風貌を持ち、体臭も良く似ている模様。使用するクインケは甲赫の[ユキムラ1/3]、喰種としての赫子は鱗赫。戦闘時は極力クインケを使用するが、格上の喰種相手には赫子を巨大な爪状に展開して併用する戦法を取ることもある。赫子を扱っているときには赫眼が左目に発現、自身の内に居る「前の自分」が表層化した際には赫子の形状は自在に変化し、性格や言動も別人のように変貌する。また、表層化するほど「前の自分」の記憶が著しく混在しやすくなり、暴走の危険性も高くなる。
オークション掃討戦ではクインクスらを率いて先行して潜入していたトオルの救出に成功。ウリエに彼女を託した後に管理棟へ向かうも付近でタキザワの奇襲を受ける。シラズやサイコらを辛うじて逃がすが、絶大な能力を有する彼に終始圧倒される。その後も蹂躙され続け、止めを刺されかけた所をヒナミに救われた。彼女の奮戦を目の当たりにしたことで自身の存在と引き換えにしてでも「前の自分」に向き合い、力を手にする決意を固めた。しかし初めて向き合った「カネキケン」は白髪の子供の姿であり、彼もまたハイセという人格に消されてしまうことを恐れていたのだと理解。彼の願いを受け入れ、カネキのことも救うために死力を振り絞りタキザワと相討ちとなるも生き残り、作戦終了後は特別功労者に認定され、上等捜査官に昇任した。なお、カネキと向き合ったことをきっかけにそれまで忌避していた自身の過去について模索し始める。その後、宇井郡率いるS1班と共に大量誘拐を繰り返すロゼヴァルト家関連勢力、通称「ロゼ」の捜査を担当。彼らを富裕層の喰種であると推察し、通常捜査だけでは限界があると判断。自身とクインクスらの特性を活かし「喰種に変装しての潜入捜査」を考案するも、宇井からの了承を得られなかった。アオギリ少数メンバーによる奇襲を受けた際は承正やホオグロら白スーツの喰種複数名を相手に戦闘を開始。彼らを惹きつける役目を担い、トオルらには先行したシラズやウリエの援護に向かわせる。白スーツに対して赫子と[ユキムラ]を同時併用した戦闘スタイルを用い、終始彼らを圧倒。承正、ホオグロ以外の白スーツを全て討伐し両名にも負傷させた。実力差ゆえの情勢不利を判断した二人の逃走を許してしまうが、クインクスらとの合流に成功。待機していたサイコの救援に駆けつけたが、突如出現した謎の喰種により彼女は既に救出されていた。後に彼女からその「恩人」の存在を知った模様であり、彼について「胸騒ぎがする」と評している。襲撃後、捜査官らの多数決により潜入捜査が許可され、それにより過去の自分が「眼帯の喰種」と呼ばれていたことを知る。また、彼を追跡していた亜門の名前に辿り着くが、故人であった上に殉職理由に閲覧規制がかけられていた為、詳細を知る事は出来なかった。
月山家殲滅戦ではクインクスらを率いてルナ・エクリプスビルに突入するも宇井の指示を受けて屋上へ索敵に向かった。その先で遭遇した月山に投降を勧めたが一蹴され、交戦を開始。彼を追い詰めるもカナエの乱入により阻まれる。序盤はエトの強化を受けたカナエの圧倒的な力に押されるが、過去の記憶がフラッシュバックしたことをきっかけに逆撃に転じ、優位に立つも、「隻眼の梟」が出現。彼女の不意討ちで態勢を崩され、再びカナエに蹂躙される中で潜在意識内のカネキと対峙。以前の自分の境遇や彼の真の願望を知り、全てを受け入れて覚醒。エトを圧倒的な実力差で叩き伏せ、上半身と下半身を分断させて撃退。エトの赫包を捕食することに成功した。作戦終了後、「隻眼の梟」を単独で撃退した功績により准特等捜査官に就任したが、クインクス班メンターの任を退いた。
オークション掃討戦においての「カネキケン」との対話以降、白髪の割合が減っており、また時折眼鏡をかけるなど視力の低下が見られていた。月山家殲滅戦後にはそれが顕著に表れ、完全な黒髪で、常時眼鏡をかけるようになる。服装は黒づくめとなり、赫子で喰種を次々と駆逐していくその姿はさながら「死神」と呼ばれる有馬貴将のようで、頭髪や服装が白い彼と対比され、喰種からは「黒い死神」と呼ばれる。赫子にも変化が見られ、エトの赫包を捕食した影響からか、彼女と同様に口を持ち言葉を話す赫子を繰り出すようになった。その時のパートナーは旧多。また、吉時の許可の元特等会議に参加し、アオギリの本拠地は流島という孤島であることを明かした。
流島上陸作戦には参加せず、有馬班のメンバーとしてコクリア防衛に配属されるが、任務途中、ハイセである[カネキ]がCCGを裏切って独房を開放、ヒナミ救出を決行する。

喰種

あんていく

霧嶋 董香(きりしま とうか)
声 - 雨宮天
本作のヒロイン。清巳高等学校普通科二年生。7月1日生まれのかに座。登場時17歳。血液型O型。羽赫。愛称は「トーカ」。右眼を前髪で隠している。あんていくでアルバイトをしており、カネキの先輩店員にあたる。ウサギのマスコットを好み、マスクもそれに合わせていることから、CCGからは「ラビット」の呼称が付けられている。親友である依子の手料理を度々口にしているため、ほとんどの場面で戦闘能力を十全に発揮できていない。それに加えて赫包の発達度もあまり高くないため、赫子は左肩からしか出せない[注 6]。また、本来の実力が発揮できる状態の場合は、左目の周りに花弁状のあざのようなものが3つ発生する。表向きはぶっきらぼうな態度と言動をとるものの、普段はか弱い者にも気遣いを忘れない心優しさを見せる。反面、感情的になると激情に駆られ、敵対した人間を躊躇なく殺害するなど凶暴な一面を持っており、カネキはこの極端な生命観を喰種としての生き方から来ていると考えている。平穏な暮らしを営める人間を羨んでおり、元人間であるカネキに対しては複雑な感情を抱いている。物語序盤は苛烈な態度をとっていたが、次第に彼の優しさに触れ仲間として認識するようになる。既に両親はおらず、弟のアヤトと同居していたが物語の数年前にアヤトが家出をし音信不通となり、後に敵対関係となる。家族を失ったヒナミを引き取って同居していたが、アオギリの騒乱の後に彼女はカネキについていくことを選んだため、元の一人暮らしに戻った。その後カネキの通っていた上井大学の理学部を目指して受験勉強をしていた。カネキが芳村に面会した際に再会するが、彼の態度に激昂。カネキを激しく叱咤し拒絶するが、そのことが彼が6区での反アオギリグループの解散を決意するきっかけになる。CCGによる梟討伐を目的としたあんていく襲撃をテレビで知り、芳村らの救援に向かおうとするが四方に止められてしまう。その後、討伐戦の後に取り壊されるあんていくを見ながら、カネキがいつか帰ってくることを信じ、四方とともに20区を脱出した。
『:re』では四方を対外的に兄とし、彼と二人で喫茶店「:re」を営んでいる。[注 7]そして薫りに惹かれて店を訪れたハイセと邂逅するが必要以上に干渉する事はなく、彼を静観する姿勢を見せる。その姿勢とは正反対の行動をとる月山の思想を「エゴ」と非難するもホリチエの頼みを受け、ヨモと共にルナ・エクリプスビルへ向かい、月山家殲滅戦終盤において捜査官に駆逐されそうになった月山と観母を救助する。
芳村(よしむら)
声 - 菅生隆之楠大典(功善時代)
あんていくの店長である初老の男性。温厚で物腰の柔らかな人物だが、感情に流されずに判断を下せる大局観を兼ね備えている。半喰種化して思い悩むカネキを人間と喰種の「二つの世界に居場所を持てる唯一人の存在」と励まし、自分たちをもっと知ってもらうためにあんていくの仲間として迎え入れる。カネキとリゼが遭遇した事故の真相を本人に隠すなどの窺い知れない一面を持つ。SSSレートと同等の実力を持つ羽赫の赫者であり、ショットガンやブレード、ランス状と多彩に展開される赫子を用いることで遠近の双方で隙の無い戦いを見せる。
かつては「功善(くぜん)」という名で、孤独感に苛まれながらもある組織の掃除屋として人間や同族すらも屠ってきた極めて強大な喰種であった。しかし正体を知りながらも自らと愛を育んだ人間の女性・憂那との出会いと死別を経て、人間と喰種の共存について考え始めている。ちなみに現在の「あんていく」という店の名は、憂那と出会った喫茶店から取っている。この過去から隻眼の梟の正体が我が子であることを確信しており、11区アオギリ戦ではCCGから庇うために自らその姿を模し、隻眼の梟に成り代わっていた。しかし、篠原と黒磐のビデオ検証により10年前とアオギリ戦とではマスクの形が微妙に異なることから隻眼の梟とは別個体であることを看破される(最も顕著な違いは口の形)。アキラをはじめ、この事情を知る一部の捜査官からは「(不殺の)梟」と区別されて呼称されている。カネキの警告からCCGがあんていく周辺を嗅ぎまわっていることを察し、他の従業員に対する追及を断つためにあんていく襲撃の際には古間、カヤらと共にCCGを迎え撃つ。多勢にも関わらず赫者としての圧倒的な力で捜査官達を倒していくが、ジューゾーや特等捜査官らの連携と攻撃を受け次第に疲弊。法寺の[赤舌]により致命傷を受け敗北するが、直後に現れた本物の隻眼の梟によって嘉納の元へ連れ去られた。彼の手によりかつてのリゼと同じように赫包の培養器の中に入れられ、喰種捜査官を素体とした半喰種化施術のドナーにされる。彼の赫包を元に生み出された半喰種はヨシムラベースと呼称されており、オークション掃討戦においてはその唯一の成功体「オウル」が投入される。彼の暗躍により、多大な人的被害がもたらされた。
『:re』において芳村自身は未登場であるが、嘉納の発言から未だ赫包のドナーとして実験に利用されている模様。
西尾 錦(にしお にしき)
声 - 浅沼晋太郎阿久津秀寿(子供時代)
眼鏡をかけた茶髪の青年。上井大学薬学部薬学科二年生。2月4日生まれのみずがめ座。血液型O型。尾赫。愛称は「ニシキ」。カネキの大学の先輩。神経質で攻撃的な性格をしており、口の悪さが目立つが、本来は情に厚い。親代わりの姉が人間の恋人に裏切られて駆逐された経験から他人を信用しておらず、徹底的な個人主義を貫いていた。
喰場に偶然居合わせたカネキをテリトリー荒らしと誤解し、報復でヒデを捕食しようとするが返り討ちにされて姿を隠す。後に再会した際、負傷のために14区で喰種の集団に共食いの餌食になりかけていたところをカネキに救われる。月山に拉致された恋人の貴未をカネキたちの協力のもとに救出し、以降はカネキの善意を受け入れ和解する。喰種である自分を受け入れてくれた貴未へのけじめから人を殺さずに食物を得る生き方を選び、その代償としてあんていくに勤務することになった。以降、不器用ながらもカネキとトーカに対し気遣いを見せる。あんていく襲撃時には、芳村たちを救出しに行こうとするカネキと言葉を交わし、月山とともに見送った。討伐戦終結後は貴未と決別し、憔悴する月山にも声をかけている。
『:re』では蛇を模したマスクを被っていることからCCGに「オロチ」と呼称され、理由は不明だが喰種狩りを繰り返している。また、アオギリとも敵対している模様でかなりの激戦を繰り返してきたのか、左目元に傷ができている。前作よりも赫子が巨大化。ハイセの赫子で破壊されても即座に再生でき、相性の悪いシラズの羽赫の射撃をものともしないなど、戦闘能力、耐久力共に格段に上昇しており、Sレート以上の喰種に認定されている。今までの身分を捨てた可能性が高いが、現在もトーカやヨモ、ウタと交流がある模様。
四方 蓮示(よも れんじ)
声 - 中村悠一
店長の右腕的な男性。7月9日生まれのかに座。血液型A型。羽赫。愛称は「ヨモ」。店の業務に関わることはなく、情報収集や自殺者の遺体集めといった実務を担当している。寡黙で無愛想だが誠実な人柄で、周囲からの信頼も厚い。トーカやカネキに格闘の手ほどきをしており、二人がかりでも軽くあしらうほど技量が高い。作中ではほとんど描写されていないが、多くの強力な喰種から警戒されるほどの実力をもつ。ウタやイトリとは4区で暮らしていた頃からの友人であるが、ウタとはかつて4区を混乱に陥れるほどの敵対関係にあった。幼少期に姉を有馬に殺されており、ウタとその仲間とともに彼に復讐しようとするが返り討ちとなる。その際に芳村に助けられたことで行動を共にするようになった。カネキのことを親族以外では唯一「研」とファーストネームで呼ぶ。嘉納のラボでカネキの前に現れ、意味深な言葉を残しリゼを連れ去る。あんていく襲撃時には、あんていくに向かおうとしたトーカを悟し、彼女と共に20区を脱出した。
『:re』ではトーカと二人で喫茶店「:re」を営んでいる。無愛想な性格ゆえ客が来ても挨拶しないことをトーカに咎められている。あんていくのメンバーとは今も交流がある模様。ホリチエの頼みを受けてトーカと共にルナ・エクリプスビルまで向かい、その道中で拘束から逃げ出した観母とビル到着後に捜査官に駆逐されそうになっていた月山を救出する。
古間 円児(こま えんじ)
声 - 勝杏里
あんていくの男性従業員。尾赫。気さくな性格で、コーヒーの淹れ方では定評を持つ。事あるごとに「魔猿」の二つ名をひけらかしているが、カヤをはじめとする従業員からは適当にあしらわれている。かつては、各区の優秀な捜査官を殺しまわっていた猿面集団のリーダーで「魔猿(まえん)」と呼ばれていた。特等捜査官とも互角に戦うことができる強力なSSレートの喰種。
あんていく襲撃時には、「魔猿」時代の仲間たちとともに捜査官たちを次々と倒していく。途中、特等捜査官の田中丸との戦闘で深手を負うもカネキによって救出されたがその後の行方は不明。
入見 カヤ(いりみ カヤ)
声 - 大浦冬華
あんていくの女性従業員。羽赫。優れた探索能力を備えており、遠隔地の建物内の様子も足音や律動、内部の反響などを聞き分けて正確に把握する。近接戦闘においても応用が利き、敵の行動を察知することで攻撃の回避に役立てることもできる。かつては、 「ブラックドーベル」という喰種集団の首領で「黒狗(くろいぬ)」と呼ばれており、鉢川の上司や同期を殺害したことから彼の怨みを買った。特等捜査官とも互角に戦うことができる強力なSSレートの喰種。
あんていく襲撃時には、「黒狗」時代の仲間たちとともに捜査官たちを次々と倒していく。途中、因縁の相手である鉢川と戦闘中に逃げ遅れた老婆を庇って負傷。消耗の激しいことから温存していた羽赫を用いて奮戦するも、平子らの連携に追い詰められ、敗北。カネキによって救出されたがその後の行方は不明。

「20区」の喰種

神代 利世(かみしろ りぜ)
声 - 花澤香菜
本作のキーパーソンとなる女性。鱗赫。愛称は「リゼ」。カネキが喰種の世界に足を踏み入れる原因を作った張本人。趣味は読書で日頃はお淑やかで理知的に振る舞っているが、本質は奔放かつ貪欲で無差別に人を襲って食欲を満たしているためCCGからは「大喰い」と呼ばれており、他の喰種からも恐れられている。レートは明言されていないが、篠原の発言や優れた戦闘能力からSレート以上と推定される。無分別な捕食が原因で以前暮らしていた11区にCCGの本格介入を招いてしまい、粛正に動いた有力喰種たちをも殺害してしまったために11区の喰種社会は混乱し、アオギリの樹を呼び寄せる遠因を作った。20区に移り住んだ後も行いを改めることはなく厄介者扱いされていたが、カネキを襲った工事現場にて落下してきた鉄骨が自身を直撃したことにより死亡したとされていた。搬送された病院で赫包を摘出され、それを移植されたカネキは半喰種となる。彼を始め、リゼの赫包を基に生み出された半喰種はリゼベースと呼称される。素性は不明で、肉親は父親の存在のみが示唆されており、同姓である神代叉栄とは何らかの関係があると思われる。[注 8]
実は嘉納によって生かされており、彼のラボで半喰種生成の為の赫包培養器として扱われていた。そしてそもそもの発端である事故とされていた鉄骨落下も人為的に起こされたものであることが複数の喰種達により示唆されている。カネキと嘉納の前に突如現れたヨモによって連れ去られ、現在はコンテナに監禁されている。無力化を図るために最低限の食事しか与えられず、極度の飢餓状態にされており、食糧以外は認識出来ない。
『:re』では現時点では名前と回想シーンのみの登場。Vから逃走し、行き倒れていた所を鯱に拾われ、彼に育てられた喰種であることが明かされた。現在Vに追われている模様。
笛口 雛実(ふえぐち ひなみ)
声 - 諸星すみれ
あんていくを度々訪れる少女。5月21日生まれのふたご座。血液型AB型。甲赫および鱗赫。愛称は「ヒナミ」。登場以前に父親を殺されており[注 9]、母親と共にあんていくから食料を受け取る生活をしていた。学校には通っていないため文字の読み書きなどはカネキに教えてもらっている。真戸に母親を殺されてからは一時あんていくに身を隠し、ほとぼりが冷めてからはトーカの家で暮らしていた。11区でのアオギリの騒乱後はカネキについていくことを選び、彼や万丈らと行動を共にしている。両親を共に喰種捜査官に殺害されたが、憎しみよりも寂しさを強く感じる心優しい性格。故に本来戦いには向かないが、真戸との戦闘では喰種としての能力の高さを見せた。腕力や身体能力は突出していないが五感が鋭く、特に聴覚と嗅覚に優れる。アオギリの騒乱ではカネキの居場所を聞き当て、カネキと行動を共にしてからは敵の進行方向や速度を把握、指示を出して敵を囲い込む参謀役に就くこともある。
『:re』ではアオギリの樹の一員として行動しており、とても大人びた雰囲気を持っている。後にSSレートに認定される。アオギリ内では「ヨツメ」と呼ばれており、ずば抜けた知覚能力を活かして回収した音声媒体を複数同時に解析し、度々情報収集を行っている。戦闘面においては同様の理由から直接的な戦闘よりも部隊の指揮役を務めることが多い。オークション掃討戦でも兵らを統率しながらCCGの動向を把握し、戦況不利と判断してアヤトやミザらに撤退を指示。自身も脱出の手筈を整えていたが、タキザワに蹂躙されるハイセの悲鳴を聞き、彼が記憶を失ったカネキであると確信。ハイセを救うために任務を放棄してタキザワと対峙した。アヤトらの援護に回るよう指示するものの、拒まれ攻撃を受けたため彼との交戦を開始。鱗赫の赫子を用いた総攻撃で追い詰めるも、タキザワが半赫者の力を解放し暴走状態となったことで形勢は逆転。窮地に陥るもハイセの介入と奮戦により救われ、その決着を見届ける。掃討戦終盤、有馬と遭遇したことで死を覚悟するも、ハイセが「彼女を追い詰めたのは自分である」として所有権を主張したことにより討伐を免れた。現在は彼の所有物となり、コクリアに収監されている。収監された後もハイセと交流があり、捜査に対しても協力的な姿勢を見せているが、ロゼ編でのカネキの意識の表層化に伴い疎遠になってしまった。更に彼女の有する情報に鮮度がないとの判断を下され、廃棄処分が決定するが、再び行われたコクリア破りの際、自身の居場所を突き止めたハイセと邂逅、彼の手で脱出する。
笛口 リョーコ(ふえぐち リョーコ)
声 - 折笠富美子
ヒナミの母親。花弁のような形状の攻防一体の甲赫を持つ。本編登場以前に夫を失い、温厚な性格から人を狩ることが出来ず、あんていくから食糧を受け取る生活をしていた。しかし、芳村の厚意に甘え続けることを良しとせず、自殺の名所を喰場とすることで人を傷つけずに自ら食糧を得る決意をする。亜門が夫の墓を暴きマスクを掘り出したことで自身も喰種であることを看破され、真戸らに包囲され追い詰められる。自身が足止めすることで辛うじてヒナミを逃がすも戦闘慣れしておらず、敗北。真戸のクインケが夫の赫子から作られたものであることに気付き、絶望の内に駆逐された。死後、その赫包は彼のクインケ[フエグチ弐]に加工された。
吉田 カズオ(よしだ カズオ)
声 - 丹沢晃之
フィットネスクラブに勤務する41歳の男性。普段は捕食を除いてごく普通の生活を送っており、芳村よりリゼの喰場を譲り受けるが、所有権を主張するニシキに殺害された。
序盤で命を落とすため、本編での登場は少ないが巻末のおまけ漫画では頻繁に登場している。小説[日々]では彼が主役の話がある。
桃池 育馬(ももち いくま)
[日々][空白]に登場。ミュージシャンを目指して田舎から上京してきた男性。甲赫。愛称は「イクマ」。元来穏和な性格であることに加えて養母が人間の医師であった為、人としての価値観を持ち、人を殺めることなく生活していた。上京したての頃は稼ぐことが出来ず、母からの仕送りだけで食い繋いでいたがそれも底をついた為、自殺の名所である崖で食料調達をしていた。その際、ヨモと遭遇するも人間性の高さを見込まれ、見逃された。その後、月山に襲われ負傷し、飢餓状態に陥っていた所を居合わせたカネキに救われる。最終的にはあんていくの協力で当初ヨモと出会った崖を喰場として提供してもらい、食糧を確保できるようになった。その後も20区でミュージシャンを目指して励んでおり、ホリチエとも親交がある。
カイン
[日々]に登場。尾赫。上井大学のオカルト研究会に度々顔を出すオカルトマニアの男性。捕食と口封じを兼ねてヒデとオカルト研究会のメンバーに襲いかかるが、ヒデの策略で返り討ちにされ、現場に駆けつけた捜査官により駆逐された。

月山家の関係者

月山家と使用人
月山 習(つきやま しゅう)
声 - 宮野真守
20区に暮らす青年。月山財閥の御曹司で、晴南学院大学人間科学部社会福祉学科四年生。3月3日生まれのうお座。血液型A型。甲赫。捕食対象の特定部位を選り好みするなど食事に対する強いこだわりを持っており、CCGからはSレートの喰種「美食家(グルメ)」と呼ばれている。その実力は他の喰種や捜査官にも一目置かれており、ゆえに駆逐対象として捜査官を20区に引き寄せてしまうため、トーカからは「20区の厄介モン」と称されている。リゼとは旧知の仲であったが、食に関するこだわりの行き違いから決別した。喰種のレストランの会員でもありレストランでは「MM」と呼ばれている。赫子は右肩甲骨から発現、右腕を螺旋状に覆うように展開し、剣に似た形状に変形する。愛用のマスクは三日月を模している。ファッションなどのコーディネートも好み、カネキに初対面でモデルと思わせた端正な美形である。言葉の端々にフランス語英語を混ぜることが多い。小説版では政財界に多大な影響を及ぼす由緒ある名家の子息であることが明かされており、眉目秀麗な財閥の御曹司として女子達の人気を集めていた。喰種でありながら人の匂いを色濃く醸しているカネキに興味を示し、彼を騙して喰種レストランで会員たちと共に喰らおうとするも、彼が「隻眼の喰種」である事を知ると独占するために解体屋のタロちゃんを身代わりにし、カネキを助け出す。その後、貴未を人質に取りカネキを捕食しようとしたが、本人とトーカ、ニシキを相手に戦う羽目になり、トーカに右腕を切断され敗北。致命傷を負ったものの、自らの血肉を喰らうことで辛うじて生存した。カネキがアオギリに拉致された際には、下心を持ちながらも芳村との利害の一致により協力関係を結び、11区のアオギリのアジトに潜入する。カネキ救出後、カネキやバンジョー一味と共に反アオギリを結成。自分を「主(カネキ)の剣」と称し、月山家の財力や後述の掘ちえからの情報で積極的にカネキをサポートする。以前誘拐事件を起こした経緯やカネキの救出を優先させるあまりに意見の別れたイチミらを殺そうとしたことから、ヒナミ以外の反アオギリメンバーからは長らく信用されていなかったが、後にあんていくに戻ることを決意したカネキには仲間として認められており、自身もまたカネキを単なる「食材」ではなく本当の意味で仲間・友人として大切に思うようになっていた。梟討伐戦におけるあんていく襲撃時には、芳村たちを助けに行こうとするカネキを赫子を用いて全力で止めようとするも、かつてとは比べ物にならない程に力を付けたカネキには敵わず敗北。行かないように懇願するも、カネキからは謝罪と「止めようとしてくれてありがとう」という言葉をかけられ、号泣しながら見送った。
『:re』ではカネキの死のショックで精神を病み、人間および喰種双方に対する無差別かつ大量の悪食を繰り返していた。血族間での近親婚を行ってきた家系から生来Rc細胞の干渉を受けやすい体質である為赫子は強化されたものの制御出来なくなり、錯乱状態に陥ることも多々あった。また、同様の理由から月山家で赫者になった者はいないとされる。しかしカナエや堀ちえの尽力により症状は劇的に回復。カネキの記憶を取り戻し、捕らわれたユウマを救出するために奮走、ハイセとの接触を図る。月山家駆逐作戦では事前に屋敷から逃がされてルナ・エクリプス屋上に逃亡した先でハイセと遭遇。新たな当主としての覚悟からハイセの投降の提案を一蹴し、対決する。一時は圧倒していたものの、記憶を断片的に取り戻したハイセによって攻撃のパターンを読まれ敗北。救出に来たカナエ共々覚醒したカネキには勝てず、乱入してきたエトの撃退後には駆逐すると称して屋上から投げ飛ばされるも、カナエの命を賭した行動により死を免れた。満身創痍の中で捜査官に見つかり駆逐されそうになるが、突如現れたヨモ・トーカによって救助され、観母との再会を果たす。
月山 観母(つきやま みるも)
『:re』から登場。月山習の父親。甲赫。息子を溺愛しており、「習くん」と呼んでいる。息子を案じ、食材を求めて単独で人間オークションに参加した。周囲から「クロックムッシュ」と呼ばれており、派手なスーツが特徴。ビッグマダムに並ぶ富豪喰種の一人。実力も高いようで、過去に松前と手合わせし軽く打倒している。月山家駆逐作戦では月山を松前に託して自身はCCGに投降した。その後拘束された車にて月山を救うためのヘリが墜落したことを知り、彼の元へ駆けつけるために自らの赫子によって車を両断、偶然遭遇したヨモ・トーカによって習との再会を果たす。
彼の赫子は月山と同様に腕に纏うようにして発現するが、各部がより尖った形状をしており、より巨大化している。実力も非常に高く、随一の使い手である松前を手合わせで圧倒している。なお、その際「重要なのは技量よりも想いである」との助言を彼女に与えており、それが月山家殲滅戦におけるハイルとの戦闘で松前の反撃のきっかけとなっている。
松前(まつまえ)
声 - 中村千絵
本編では『:re』から登場。月山家の使用人の一人である黒目がちの女性の喰種。甲赫。赫子は剣と盾のような形状を持ち、攻防一体の戦闘を可能とする。分離赫子の使い手であり、赫子の防護壁で攻撃を阻み逃走の時間稼ぎとする、逆に壁の隙間から味方の赫子の攻撃を通して連携攻撃の礎とするなど優れた汎用性を持つ。赫子の熟練度や月山家の使用人達から「室長」と呼ばれ信頼されていることから、かなりの実力者である模様。月山の身を案じ、ユウマらを引き連れ「収穫」に赴くが、それは捜査官である旧田を囮とした罠であり、待ち構えていたハイルやキジマを始めとするS1班メンバーから包囲される。赫子の分離壁で逃走を図るも即座にハイルに破壊された為、彼女との交戦を開始するもハイルの反応速度が自身の攻撃を上回るために彼女に有効打を与えることができず、逆に自身が腹部に一撃を受け負傷、敗走する。 月山家殲滅戦では、観母から月山の身を託され、ルナ・エクリプスビル屋上付近にてハイル率いる先行隊と対峙。月山が逃走する時間を稼ぐ為に彼女と激戦を繰り広げる。ハイルの隙をつき深手を負わせ、マイロの奮戦と最期の攻撃によりキジマを殺害。ユウマやアリザ、マイロの復仇を果たすも旧多の奇襲を受け、彼に駆逐された。
本編登場以前にも小説作品に登場している。
マイロ
本編では『:re』から登場。月山家の執事。甲赫。月山家殲滅戦では、ルナ・エクリプスビル屋上付近にて松前と共にハイルら先行隊と交戦。松前を庇い、ハイルの[T-human]の直撃を食らって半身を失いながらも彼女に特攻を仕掛け、その後も最期の力でキジマに対して不意討ちで負傷させる活躍を見せた。彼の最期の攻撃は松前の反撃の礎となり、アリザやユウマの復仇を果たすのに一役買う形となった。
ユウマ
本編では『:re』から登場。月山家の使用人。ハイルらS1班メンバーと交戦し、松前を庇いキジマにより捕獲される。キジマからは高い忠誠心を看破され、尋問は無意味と判断した彼により自身が拷問にかけられる様を撮影され、他の「ロゼ」構成員を炙り出す囮にされる。アリザとは恋仲であった模様で、彼女はユウマを救おうとキジマを襲撃するも、実際は動画公開直後に殺害されていた。
アリザ
本編では『:re』から登場。月山家のメイド。ユウマとは恋仲であった模様で、彼が「収穫」に赴き帰って来なかった際は激しく取り乱していた。更に彼がキジマによって捕らえられ拷問にかけられる動画が公開されたことから独断で行動し、ネット上の目撃情報を元にキジマを襲撃。しかし、その行動を予期していたキジマに捕縛され、尋問を受け「ロゼ」の正体が月山家であることを露呈してしまう。その後は[ロッテンフォロウ]で首を刎ねられ殺害され、彼女からの情報で月山家殲滅戦が決行されることとなる。
ロゼヴァルト家の関係者

10年前、和修 政が率いるCCGに壊滅させられたドイツの喰種一族。月山家の分家に当たる。

カナエ=フォン・ロゼヴァルト
『:re』から登場した月山家の使用人。登場時18歳。愛称は「叶(カナエ)」。鱗赫。
ロゼヴァルト家唯一の生き残りであり、月山家先代の孫でもあったことから観母の一存で使用人として引き取られた過去がある。日本語が堪能であるがドイツ語を織り交ぜた発言をすることが多い。月山に心酔しており、カネキの駆逐によって自宅に引きこもってしまった月山のために、カネキと同一人物と睨むハイセの私物を掘を介して集めていた。カナエ自身はハイセ及びカネキを月山の心を惑わせる者とし憎しみに近い感情を抱いている。憔悴し続ける月山の身を案じ、良質な食材を手に入れるべく人間オークションに参加。CCG突入の混乱に乗じて囮として出品されていたトオルを捕縛するが、同じくトオルを狙うトルソーに襲撃される。しかしすぐに逆襲し彼を一方的に痛めつけ、再びトオルを追跡。再度捕獲を試みるがハイセとウリエ、シラズの連携に敗れ、松前の救援を受けて戦線を離脱する。掃討戦終結後は観母、松前とともにオークション会場を脱出した。その後は月山の症状を回復させるためにホリチエの手を借りつつ尽力。月山とハイセが話す時間を作るためにアオギリの樹にクインクス襲撃を依頼し、自らもウリエ、シラズと交戦。シラズの赫子を封じるも半年間の鍛錬で急成長を遂げたウリエに圧倒されて負傷、敗走する。エトに目をつけられ、洗脳に近い何らかの強化を施されてしばらく行方をくらますも月山家殲滅戦にて姿を現し、[注 10]ルナ・エクリプスビルで遭遇した下口班を全滅させた後に屋上へ到達。月山と交戦していたハイセを襲撃する。強化を施された後は飛躍的に能力が上昇。特に再生能力はずば抜けて高くなっており、ハイセの反撃で頭部を吹き飛ばされた際には傷口から無数の赫子を発生させ、瞬時に回復している。覚醒したハイセに対してはその向上した身体能力や再生能力を以ってしても敵わずに敗北。乱入したエトをハイセが撃退した後、彼によって屋上から投げ飛ばされ落とされた月山を救わんと自らも飛び降りる。最期の力で赫子を発現、彼を上空に投げ上げて身代わりとなる形で自身は地面に激突し、その後の生死は不明。
実は「カレン=フォン・ロゼヴァルト」という名の男装の女性。家族構成は父と母であるエマ、兄のナタナエル、アルノルト。 10年前、和修政も属していたCCGドイツ支部の捜査官達による屋敷の襲撃で父や母、そして逃亡中に兄達が死亡し自力で総本家である月山家に辿りつく。そして後継ぎとして父の一族復興の願いを叶えるべく兄達の代わりになろうと性を偽り男として振る舞うようになった。しかし固い決意とは裏腹に女性として月山を愛し、衰弱して眠る彼と過ごすにつれて歪んだ独占欲を抱くようになる。その為、表では主の為に尽力してはいたが本心では回復を望んでいなかった旨をエトに指摘されている。松前曰くカナエが女性であることは月山以外周知していたそうだが、月山もその事実や彼女の本名を看破しており、その上でカナエに対して男性として接していた。
月山グループの喰種
浅田 二郎(あさだ じろう)
「アサダ貨物」の代表。月山家殲滅戦で駆逐された模様。
ティコ・ヨハネス
「ジュエリー・ティコ」の代表。ヨハネス家は月山家の分家である為、彼も月山の遠縁である可能性が高い。月山家殲滅戦で駆逐された模様。
呉井(くれい)
ルナ・エクリプスビル所有企業であるアポログループ「アポロTEC」の代表。月山家殲滅戦でキジマに駆逐される。

アオギリの樹

霧嶋 絢都(きりしま あやと)
声 - 梶裕貴高垣彩陽(子供時代)
アオギリの幹部。トーカの弟。7月4日生まれのかに座。血液型O型。羽赫。愛称は「アヤト」。姉とよく似た美形と評されている。孤児になる原因になった事件の経験から人間を嫌い、力を遵奉するようになる。極めて粗暴かつ陰険な性格をした激情家だが、拉致したカネキに忠告を与えたり、戦闘でさりげなく姉を庇うなど、本来の優しさを垣間見せる。トーカと共に生活していたが、人間との関わり方への相違から決別。都内各地で暴れ回っていた時にタタラと出会い、アオギリの樹に参加。数年後にあんていく襲撃時にトーカと再会するも、姉弟関係は敵対に至るまで悪化していた。しかし、姉への屈折した愛情を現在に至るまで抱いており、それをカネキに見抜かれていた。11区アオギリ戦でもトーカと交戦。彼女の赫子を喰らって戦闘不能に追いやったが、カネキの介入で阻まれる。彼との交戦を開始するも、圧倒され全身の骨の半分を折られて文字通りの「半殺し」にされた。カネキにやられた傷が癒えた後もアオギリの樹で活動しており、「黒ラビット」として各地で捜査官狩りや嘉納の捜索を行っていた。
羽赫特有の遠距離攻撃を中心に攻め立てる、羽根状の赫子を盾にしながら飛びかかり、そのまま赫子を開いて敵を切り裂くなど多様な攻撃方法を持つが、本人いわく最も得意なのは近接戦である。
『√A』では、主人公のカネキがアオギリに加入したため、原作よりも出番が多く、コクリア襲撃や梟討伐作戦にも登場している。カネキと共に行動する場面が多く見られるが関係は良好とは言い難い。コクリア襲撃の際、篠原と交戦し、父親の赫包から造り出されたクインケ[アラタ]を目撃する。戦いの末に敗北するも、[アラタ]に拳を当て悲痛な表情を浮かべていた。その後、隻眼の梟によってカネキと共に回収される。
『:re』ではSSレートの喰種「ラビット」と呼称されている。かなり身長も伸び、タタラに迫るほどになっている。過去のトーカによる捜査官殺しもCCGではラビット=アヤトによる犯行となっており、独自にハイセのことも追っている。SSレートの評価に違わず戦闘のバリエーションは増え、芳村と同様にブレード状に展開した赫子を用いた接近戦にも長けている。トルソーの自宅を捜索していた下口班を襲撃、ほぼ全員を殉職させ同班を壊滅させた。オークション掃討戦ではマダムの警護を担当していたが、囮として潜入していたジューゾーと対峙。潜入任務のために装備が整っていなかったジューゾーを退け、マダムの護衛に戻ろうとするが、窮地に陥っていたナキを見捨てることが出来ず、彼の救援に向かった。 その結果マダムは討伐され、オークション護衛任務は失敗。施設内に取り残されたヒナミの救出に向かおうとするが、圧倒的不利な状況下でのその判断の無謀さをナキに諌められ、撤退する。彼女がコクリアに収監された後もタタラに対して幾度もヒナミ救出を進言している模様だが、彼からは相手にされていない。月山家殲滅戦後はコクリア襲撃とヒナミ救出の協力をバンジョーに持ちかける。
アオギリでは古参のメンバーとなったため周囲から相談を受ける中間管理職的な役割も担っており、その苦労を度々ヒナミに漏らしている。
タタラ
声 - 遊佐浩二
アオギリの幹部。SS〜レート。鉄のマスクで口元を隠す中国出身の男性の喰種。隻眼の王の側近で、事実上アオギリの樹を統括するなど、他の幹部よりも中心的な立ち位置におり、CCGからは隻眼の王に次いで警戒すべき存在であると評されている。
中国の喰種集団「赤舌連」首領とは血縁関係にあり、それゆえに赤舌連の壊滅に大きく貢献した法寺とは因縁がある。滝澤が彼から譲り受けたクインケ[ドゥヒ]を構えた際には、赫子の持ち主を即座に看破していた。
リゼ持ちであるカネキを拉致してアオギリに迎え入れようとするが、戦力にならないと判断しアヤトに下げ渡す。CCGを11区に陽動させた後、エトを含む本隊と共に23区の喰種収容所を襲撃、多数の喰種を脱走させた。隻眼の梟討伐戦において亜門や彼の救援に駆けつけた滝澤、チノムツ率いる第四隊の合流地点にノロと共に突如姿を現し、第四隊を壊滅させた。その後、滝澤を始めとする多数の喰種捜査官を連れ去り、半喰種施術の素体として嘉納に提供した。
『:re』では人間オークション護衛任務と同時にクインケ鋼移送車襲撃作戦を進行。しかし、法寺を含むS3班によって阻まれ襲撃は失敗に終わった。作戦終了後、アヤトから囚われたヒナミの奪還を提案されるも以前の陽動作戦で警備が数倍に強化されたことから「コクリアは二度は破れない」と判断、彼の進言を拒絶する。
エト
声 - 坂本真綾
全身に包帯を巻いた外見の小柄な女性。羽赫の赫者。CCGを11区に陽動させた後、タタラ率いる本隊と共に23区の喰種収容所を襲撃した。高い戦闘能力を持ち、バンジョーに全く気付かれずに彼の肋骨を切断した。
Sレートに分類されている彼女だが、その正体はCCGから最高レートであるSSS級駆逐対象に位置づけられ最も恐れられている喰種「隻眼の梟」。功善(芳村)と憂那の間に生まれた半喰種で、本名は「芳村 愛支(よしむら えと)」。右目にのみ赫眼が発現する。赫者としての姿は十年前当時は梟として偽装していた芳村の姿のオリジナルであったが、現在は元が人間の形をしていた喰種であるということが疑わしいほどに巨大化した赫子で覆われ、怪獣と形容してもいい単眼異形の姿を持つ。 また、赫者としての力を使わない通常の赫子も、不規則かつそれぞれの器官が別々に言葉を発するなど通常の喰種にはない特徴が見られる。20区隻眼の梟討伐戦の際には父親である芳村の敗北後、突如出現。奇襲を仕掛け、特等捜査官らをほぼ全員戦闘不能に追い込み、襲撃を免れた宇井やジューゾーとの交戦でも彼らを終始圧倒した。増援として現れた有馬との戦闘では負傷するも、撤退間際に芳村を飲み込んで嘉納の下へと連れ去り、リゼに代わる新たな半喰種化実験のドナーとして提供した。
『:re』ではオークション掃討戦直前から登場。アヤトに対しマダムの護衛を依頼すると同時に、もしフロッピーの出現が確認できた場合は彼を始末するよう命を下した。掃討戦開始後は嘉納の提案を受けてオークション会場にタキザワを投入。管理棟に向かわせ、ハイセやクインクス班と引き合わせた。彼の言動に度々エトを彷彿とさせるものがあることから半喰種化前後に彼女の影響を少なからず受けていることが伺える。アオギリ少数メンバーによるクインクス班襲撃直後にも現れ、敗走するカナエに接触[注 11]。圧倒的な実力差で彼女を追い込み、精神的に揺さぶりをかけた上で拉致。その後洗脳に近い何らかの強化を施した上でルナ・エクリプスに投入し、自らも乱入。覚醒したカネキと激戦を繰り広げる。死闘の末、カネキの赫子に貫かれた上に身体を両断されてビルから落下し逃走するが、月山家殲滅戦が終結した後は何事も無かったかの様に回復、活動している。
エトが隻眼の梟であるという事実はアオギリ内でも知られておらず、彼女がアオギリメンバーを集めて流島で行った演説によって初めて周知のものとなる。その圧倒的な実力に加え、アオギリの樹を作ったことから「隻眼の王」と思われがちだが、本人は同演説においてそれを否定した。
高槻 泉(たかつき せん)
エトのミステリー小説家としての姿であり、小柄な体型ではねた長髪が特徴的な女性。気さくな性格でサービス精神旺盛。10代でデビューし、処女作「拝啓カフカ」は50万部のベストセラーとなった。その後の著書もいずれも高い評価を受けており、アキラからは「文壇の逸材」と評される。カネキ曰く「綺麗な女の人」であり、作品ではなく本人が好きというファンもいるほどの有名人。サイン会に来たヒナミを「ちゃんヒナ」と呼んで気にかけており、喫茶店で再会した際はアドバイスを送るとともに連絡先を教えた。CCGに単身乗り込んだ際には「喰種を題材にした作品を記したい」という理由から亜門に対し、取材を申し込む。非常に広い人脈を持ち、取材の対価として捜査官ですら知り得ないCCGの極秘事項を彼に提供した。
『:re』では、ロゼ編後にハイセらによって喰種容疑がかけられる。エトとしてアオギリで演説をしたのちに、塩野から事情聴取を受けたことで喰種である可能性が濃厚になったため、CCGに身柄を拘束された。その後も抵抗する様子は見せなかったものの、会見を開いて自らが喰種であることを明かし、最新作「王のビレイグ」を発表した。
著書は処女作の「拝啓カフカ」、カネキとリゼが出会うきっかけとなった「黒山羊の卵」[注 12]、「小夜時雨」「虹のモノクロ」「なつにっき」「ルサンチメンズ」「吊るしビトのマクガフィン」などがある。
ノロ
アオギリの幹部。SSレート以上。尾赫。鼻と巨大な口の描かれたマスクを付けた巨大な容姿をしている。隻眼の王の側近であり、他の幹部とは一線を画す。終始無言で行動している。環形動物の口のような赫子を持ち、戦闘時には大口を開けた一本の巨大な赫子で敵を丸齧りにする。一般的な喰種のそれを遥かに逸脱した再生能力を有し、胴体を吹き飛ばされても傷口から発生した無数の赫子によって即座に修復できる。常に時計を持ち歩いており、タイマーが鳴ると戦闘を中断していずこかへ姿を消す。
『:re』では月山家殲滅戦から本格的に登場し、遭遇した伊東班、クインクス班と交戦。サイコの赫子やシラズのクインケ[ナッツクラッカー]などにより何度も身体をバラバラにされながらも再生、伊東班を壊滅状態にしクインクスらも負傷させる。攻撃を免れたシラズによる羽赫の一斉射撃を受けた直後、彼に致命傷を負わせるも再生する前にウリエの一撃により身体を両断され駆逐された。死ぬ直前に初めて言葉をハッキリと発したことで、これまで明らかにされていなかったノロの正体がれっきとした喰種であることが判明した。[注 13][注 14]死後、彼の赫包は瓜江のクインケ[銀喰]として加工された。
瓶兄弟(びんきょうだい)
声 - 藤原祐規(兄)、荒井聡太(弟)
アオギリに所属する兄弟。Sレート。両者とも尾赫。2人ともマスクを付けており、メンバーの中では比較的穏健な性格をしている。喰種対策局からは「しっぽブラザーズ」の呼称がつけられており、連携攻撃を得意とする。隻眼の王に忠誠を誓っており、アオギリの思想に心酔している。両名共に11区アオギリ戦で亜門の手にかかり駆逐された。赫包は後に、亜門が梟討伐作戦でカネキと戦った際に使用したクインケ[ドウジマ・改]の材料として使われ、彼に致命傷を負わせた。
スコープ
元傭兵の喰種で、射撃の腕が高い。アオギリの騒乱のときに11区支局から奪った銃で前線の捜査官を苦戦させるが、丸手のバイクでアジトに突入したジューゾーに駆逐される。
鯱(しゃち)
声 - 梁田清之
元6区のリーダー。尾赫。本名は「神代 叉栄(かみしろ またさか)」。23区の喰種収容所に収容されていたSSレートの喰種で、アオギリの樹の収容所襲撃の際に脱走した。屈強な体格をした硬派な人物で、漢字交じりの独特な口調で話す。青年期から人間の道場で修業を積んだ武道の達人でもある。赫子はシャチの尾のような形状をしており、これを利用することで常識をはるかに超えた動作が可能。幼い頃のリゼを知っている模様。コクリア脱走後は6区に戻らず、アオギリのメンバーとして嘉納を探している。カネキとは二度に渡って交戦し、圧倒的な実力差で彼を完全敗北に追い込んだ。
『√A』では、アオギリの樹のコクリア襲撃の際にカネキと交戦する。
『:re』では、梟と並ぶ最強クラスの喰種としてその名が知られている。タタラの発言によると、既にアオギリを離反している可能性が示唆されていた。「V」によって追跡がなされ、追い詰めた有馬と対峙。命を賭して闘いに挑み、その中で彼の「弱点」を見つけるも、その攻撃全てを読まれ一切傷を与えることも叶わず敗北。生死不明となる。
笛口 雛実(ふえぐち ひなみ)
#「20区」の喰種を参照
草刈 ミザ(くさかり みざ)
『:re』から登場。高い位置で髪をまとめた小柄な女性の喰種。11月4日生まれの31歳で、年下のナキからは「ババア」と言われることもある。Sレート。尾赫。三本に分かれた赫子の形状から捜査官からは「三枚刃」の呼称で呼ばれる。かつては瓶兄弟と縄張り争いをしており、18区で「刃」という集団を率いていた。オークション掃討戦ではアキラとの交戦で負傷したナキの援護に回ったが、自身もアキラに決定打を与えられず、劣勢を強いられる。ヒナミが任務を放棄しハイセの救援に向かった際には、彼女に代わり部隊を統率。マダムが討伐され護衛任務が失敗に終わった後は全滅を避ける為に分散して逃走するよう兵らに命を下し、自身もナキやアヤトと共に撤退する。独断専行しがちなナキの扱いには手を焼いているが仲間想いな性格であり、ヒナミがコクリアに収監された際もその才能を評価し、彼女を救出せんとするアヤトの意見を支持する考えを示した。
冴木 空男(さえき からお)
『:re』から登場。タクシー運転手をしながら捕食をしている男性の喰種。Aレート。鱗赫。傷のある女性の胴体に執着することから「トルソー」と呼ばれる。アオギリの樹から依頼を受け、タクシー内での会話を録音しヒナミを介して度々彼らへ提供していた。タクシーに乗り込んで来たトオルを襲撃し、彼女が女性であることを知るが、直後にウリエとシラズの追跡を受けやむなく逃走。ハイセの手配した警察車両に行く手を阻まれ八方塞がりとなり、彼らとの交戦を開始する。一対ニであったこともあり追い詰められるが、オロチの介入に乗じて逃走に成功。その後は正体や身元がCCGに把握された為、人間社会に居場所はないと判断し、アオギリへの加入を決意した。これらの経緯からトオルに対し変質的な執着心を抱いており、アオギリへ加入した理由には「組織を利用すれば彼女への再接近が図れるのではないか」という思惑もある模様。
人間オークション開催の際、アヤトの勧めもあり自身も護衛任務に参加。彼やヒナミと行動を共にしていたが、出品された人材の中に先行して潜入していたトオルの姿を発見。彼女が世にも珍しい隻眼の喰種として高値で取引される光景に焦燥を募らせ、直後開始された掃討戦の混乱に乗じて現場を離脱。トオルの捜索を開始する。彼女がカナエから襲撃された際には単身乗り込んでこれを阻んだが、彼の逆襲を受け叩きのめされてしまう。その結果トオルの確保には失敗するものの、その後は本隊と合流できたようで、掃討戦終結後はトオルの身を案じながらも会場から撤退した。
アオギリ少数メンバーによるクインクス班襲撃にも参加。トオルと再会を果たすも、彼女の先制攻撃により負傷する。その数か月後、鉢川班の一員として流島へ調査に来たトオルを発見。タキザワらによって班が壊滅状態になり敗走、洞窟に潜伏していた彼女を拉致して自分の隠れ家へ連れ込んだ。自らの欲求を満たすためにトオルの四肢を切断し、同時に歪んだ愛情を吐露する。
オウル成功体タキザワ
#二等捜査官を参照
墓盗り(はかとり)
『:re』から登場。タタラ直属の女性の喰種で、かつては瓶兄弟の義理の妹分だった。本名は「巴 ユミツ(ともえ ゆみつ)」。A+レート。尾赫。赫子は鋭い切れ味を誇るが燃費が悪いため、捜査官から奪ったクインケを使用した戦闘スタイルを取る。ホオグロからは「小瓶」と呼ばれているが、本人はその呼び名を嫌っている。カナエに依頼されクインクス達を襲撃。トオルとトルソーの交戦に介入し、彼を援護した。トオルとの対決では、途中クインケを奪われたことから赫子を発現。態勢を立て直し彼女を追い詰めたがウリエとシラズによる援護で機を逃し、相性で不利な羽赫使いであるシラズがいたことから形勢不利と判断、撤退する。
兄貴分であった瓶兄弟を非常に尊敬しており、それ故に彼らを駆逐した亜門を憎んでいる。亜門と戦い、瓶兄弟の復讐を遂げることを望んでいるようだ。
死堪(しこらえ)
『:re』から登場。奇矯な言動の目立つ男性の喰種。Aレート以上。羽赫および尾赫。赫子の使用時に目元に格子状の痣が発現する。アオギリの樹のコクリア襲撃の際に脱走した喰種の一人。
本来クインクス班襲撃への参加は認められていなかったが、独断でホオグロらを尾行し、建物裏で待機していたサイコと遭遇。彼女を拘束し、捕食寸前まで追い詰めたが「ローブの大男」による奇襲を受け、左腕をもぎ取られるなどの深手を負い撤退する。
流島への斥候に赴いた鉢川班をタキザワと共に急襲。鉢川の鼻を食い千切り、彼を尾赫の赫子で刺殺、即座に赫子を羽赫に切り替えてトオルと穂木を追撃し、二人を撤退に追い込んだ。
凜央(りお)
『JAIL』の主人公。死堪の本作第一部時点での姿。当時15歳。プレイヤーの選択で赫子の種類が決まる。縞模様の服を好む。名前の由来は「檻(オリ)」から。 兄と共にコクリアに収監されていたが、アオギリの樹によるコクリア襲撃に乗じて脱走する。キジマによる拷問を受けていたこともあって衰弱して倒れていた所を四方に助けられ、あんていくに身を置くこととなる。後にカネキと邂逅し、彼やバンジョーらと行動を共にする。その中で自分と兄の運命を狂わせた存在として、多数の喰種捜査官を殺害し、キジマに深手を負わせた喰種「ジェイル」を追跡する。
その実、彼こそがジェイルの正体であり、赫子の使用時に目元に格子状の痣が発現することがその呼称の由来となっている。キジマと対峙し、兄の赫包から造り出されたクインケ[ロッテンフォロウ]を目撃し、暴走。ジェイルとしての覚醒を果たす。
梟討伐作戦では「カネキと共に芳村達を助けに行く」または「芳村達を助けに行こうとするカネキを止め、代わりに凜央自身があんていくに向かう[注 15]」という2つのルートが存在し、いずれの場合でも最終的に死亡する。
『JAIL』のシナリオブックに収録されているアナザーエピソードでは、コクリア脱走時に四方ではなくエトらしき人物に助けられる場面が描かれており、恐らくこれが原作本編に通ずるエピソードで、四方に助けられた事が本編と『JAIL』のストーリーとの分岐になっていると思われる。
ヤモリ一門

ヤモリ率いるアオギリの喰種一門で、部下は彼のことを「アニキ」と呼び非常に慕っている。ヤモリ亡き後はナキが率いているようであり、CCGからは「白スーツ」と呼称される。ヤモリ同様親指で他の指を鳴らしている(鳴らす指はヤモリと違う模様)。義理堅い性格の喰種が多い模様。

ヤモリ
声 - 西凜太朗
アオギリの幹部。3月15日生まれのうお座。血液型B型。Sレート。鱗赫の半赫者。本名は「大守 八雲(おおもり やくも)」。拷問が趣味で「食」より「遊」で殺しをするサディスト。相当数の共喰いを行った結果、半赫者としての覚醒を果たしており、赫子は肥大化し、複数の赫包が発達している[注 16]。愛用のホッケーマスクと残虐性、出身地の13区からCCGより「ジェイソン」の呼称で警戒されている。手の人差し指を曲げ、親指で押して鳴らす癖がある。過去に母親を亡くしたことと、コクリアで戸影から受けた残虐な拷問によって今の人格になったと述懐している。隻眼の喰種であるカネキの回復力に目をつけ執拗な拷問を行うが、覚醒した彼の反撃に遭い、交戦。半赫者の力を解放して当初は互角に渡り合うも徐々に追い詰められ敗北。逆に自身が拷問を受けた挙句、赫包を喰われて半死半生に追いやられた。直後に遭遇したジューゾーを捕食し回復を図ろうとするも、逆に返り討ちに遭い、全身を切り刻まれて止めを刺された。上述の通り性格は醜悪であるが、ニコとナキとは親しい関係にあり、ナキにはそれなりの気遣いを見せていた。そのため彼からは「神兄貴」と呼ばれ慕われていた。
[JACK]にも登場する。本編登場時とは違い黒髪で、彼も拷問により白髪になった模様。当時ランタンとは敵対していたが、利害の一致から彼女と手を組み、廃墟で有馬と別行動を取っていた富良を急襲する。しかし、天井から有馬に[ユキムラ1/3]で串刺しにされて深手を負った為、撤退する。
ナキ
声 - 下野紘
元13区の喰種。1月28日生まれのみずがめ座。血液型B型。甲赫。23区の喰種収容所に収容されていたSレートの喰種で、アオギリの樹の収容所襲撃の際に脱走した。脱走後はアオギリの樹のメンバーとして嘉納を探しつつ、ヤモリの仇敵にあたるカネキを討つことを目的にする。涙脆い性格でヤモリを「神兄貴」と呼んで慕っており、喰種収容所に収容されていた理由も彼を庇ったためである。高い実力を持つ反面、知性が非常に乏しく、日常的に用いる慣用句さえ間違えて覚えているものが多い。しかし、仲間が危機に晒された際は身を挺して守ろうとする真っ直ぐな信念の持ち主でもあり、その姿は月山に敬意を抱かせ、多くの部下から信頼される。
『√A』では、護送車でコクリアへ収容される前にカネキとアヤトの襲撃により脱走する。カネキをヤモリの仇と知らずに出会い、彼にヤモリの文字を教えてもらった事から彼を「良い奴」と認識している[注 17]。コクリア襲撃や梟討伐作戦にも部下を率いて参戦していた。第三話のEDでヤモリとの出会いが描かれており、かつて13区で暴れ回っていたが、噂を聞きつけたヤモリに完膚なきまでに叩きのめされるも、彼の強さに惹かれて慕うようになったという経緯がある。
『:re』でもヤモリを慕うその姿勢は変わっておらず、度々言動にその片鱗を見せている。
オークション掃討戦ではアキラと交戦するが予想を上回る彼女のクインケ操術により深手を負わされる。その後多数の捜査官に包囲されるも部下であるガギ、グゲが己の身体を盾としたことで攻撃を凌ぐ。彼らの最期とその他多くの部下の献身を目の当たりにしたことで我を忘れ号泣しながら奮戦するも劣勢は変わらず、部下のほとんどを失ってしまう。自身も重傷が災いし窮地に陥ったが、駆けつけたアヤトの援護により態勢を立て直した。しかしその後は護衛対象であったマダムの討伐や特等捜査官を含む別戦力の合流が重なってしまい、アオギリが敗色濃厚となった為、アヤトやミザらと撤退した。
ガギ、グゲ
ナキに付き従っている巨漢の双子。常にマスクを被っており、素顔は不明。先天的に赫子が出せない為、肉弾戦で戦う。
『:re』では、オークション掃討戦で駆逐されそうになったナキを身を挺して庇い、死亡する。両者共に潜在的に高いRc値を有していた為、嘉納の新たな実験の素材として利用される。
井寺 承正(いでら しょうせい)
『:re』から登場。大柄な男性の喰種。A+レート。ヤモリ一門。ヤモリ首領時代にナキの手で倒されたことをきっかけに加入。
カナエに依頼されクインクス達を襲撃。ホオグロや部下と共にハイセと交戦するが、彼の圧倒的な力に圧され敗走する。
ホオグロ
『:re』から登場。男性の喰種。A+レート。ヤモリ一門。承正加入後に承正と引き分けた後に加入した。
カナエに依頼されクインクス達を襲撃。承正や部下と共にハイセと交戦するが、彼の圧倒的な力に圧され、敗走する。
バンジョー一味

アオギリの騒乱以後生存者は反アオギリ側に回った模様。

万丈 数壱(ばんじょう かずいち)
声 - 伊藤健太郎
反アオギリのリーダーを務める元11区の喰種。10月11日生まれのてんびん座。血液型AB型。羽赫。愛称は「バンジョー」。屈強な体格に反して部下曰く「頑丈さだけが取り柄」であり、戦闘能力自体は極めて低く、赫子を出すことが出来ない。リゼの招いた混乱によって崩壊状態にあった11区の喰種社会を糾合するが、侵略してきたアオギリの樹に制圧される。11区の元リーダーとして不器用ながらも仲間想いで責任感のある性格からカネキや反アオギリのメンバーから慕われ、自分の弱さを嘆いている。大半の仲間を亡くしながらもアオギリから脱出した後、助けられた恩からカネキの行動に協力する。嘉納を追い詰める際、エトに肋骨をくり貫かれ瀕死に陥ったが、それがきっかけで小さいが羽赫の赫子を出せるようになり、その後、暴走したカネキに腹を貫かれた際も赫子による肉体修復が行われている。
自分の名前しか書けなかったが、カネキに文字の読み書きを教えてもらっている。リゼの自由奔放な性格に惹かれ、彼女に想いを寄せていた。
『:re』では月山家殲滅戦後に6区のリーダーとして再登場、部下が増えている模様。訪れたアヤトにヒナミ救出を目的としたコクリア襲撃を提案され、彼女の為にこれを受け入れる。コクリア破りの際にはアヤトと数多の部下を率いて参戦する。
イチミ、ジロ、サンテ
声 - 宮崎秋人(イチミ)、上田麗奈(ジロ)、 荒井聡太(サンテ)
バンジョーの取り巻き。ジロのみ女性。全員常にガスマスクをつけている。連携を生かした波状攻撃を得意とする。アオギリからの脱出に失敗した後、バンジョーらと共に囚われていたが、カネキに助けられた。その後は助けられた恩からカネキの行動に協力する。マスクを外している場面もあるが、素顔が良くわからないように描写される。
ウス
反アオギリのメンバー。アオギリからの脱出に失敗した後、バンジョーらと共に囚われていたが、カネキに助けられた。
モク、テツ
反アオギリのメンバー。アオギリからの脱出に失敗した直後、ヤモリに惨殺された。
コウト
反アオギリのメンバー。母親を守るために反アオギリに所属している。アオギリからの脱出に失敗した後、拷問を受けていたカネキの目の前でヤモリに扼殺された。
ケイ
反アオギリのメンバー。コウトの母親。アオギリからの脱出に失敗した後、拷問を受けていたカネキの目の前でヤモリに殺された。
シュウ、ハル
声 - 青山耕平(シュウ)、小堀友里絵(ハル)
アニメ版にのみ登場。バンジョーの部下。原作におけるコウト及びケイに相当する。カネキ救出のために動いていたが、ヤモリに捕らえられ、カネキにどちらを殺すか選択させるという拷問に利用される。シュウはハルを助けるためカネキに自分を選ぶよう懇願するが、カネキがどちらも選べなかった結果、ヤモリにハルは扼殺され、シュウは赫子で刺殺された。恋人同士だった模様。

道化師(ピエロ)

ウタ
声 - 櫻井孝宏
4区で「HySy ArtMask Studio」という店を営んでいるマスク職人の男性。12月2日生まれのいて座。血液型B型。マイペースな性格で、ピアスタトゥー[注 18]の出で立ちが特徴的なパンク・ファッションで装うが、攻撃的な外見とは裏腹に対応は穏やかである。常に赫眼が発現しているため外出時はサングラスを着用している。かつては4区に集う喰種のリーダー格で、ヨモと敵対していた。CCGでの呼称は「ノーフェイス」。アオギリ戦ではあんていくのメンバーにアオギリ構成員のマスクとマントを用意し、自身もカネキ救出に参加した。
『:re』では人間オークションのオークショニアとして登場。マスクは以前使用していたものとは異なり、四つの穴と嘴のように突き出た形状のものを着用している。実力者である平子との交戦では赫子を使用しないにもかかわらず終始優位に立ち、ジューゾーから[サソリ1/56]数本の投擲を顔面に喰らったり、平子から有馬を模したマスクごと頭部に斬撃を受けても即座に再生するなど戦闘能力、回復力共に非常に卓越している。また、人間オークションで囮となったトオルが隻眼で捜査官であるという情報を得ていた模様。顔面から微細な赫子を無数発現可能だが、平子の前で有馬の顔そのままのマスクを作る以外には使用せず、また平時においても滅多に使用することは無いらしい。クリスマスにハイセに対し眼帯のマスクを贈ったことにより、その製造元を割り出したハイセと邂逅する。その際ハイセからの依頼を受け、クインクス班のマスクを作った。ピエロとしての存在が公にされた現在でもかつての「あんていく」のメンバーとは交流があり、四方にピエロのボスの存在を仄めかした。
イトリ
声 - 高垣彩陽
14区で「Helter Skelter」というバーを営んでいる若い女性。ヨモやウタとは古くからの知人。くだけた性格であり巨乳の持ち主。情報網が広く、喰種の裏情報に通じている。鉄骨事故の情報に興味を持つカネキと情報提供の交換条件として喰種のレストランの調査を依頼した。その後もカネキに情報提供の協力を行っている。
『:re』では現時点では未登場。
ニコ
声 - 津田健次郎
同性愛者の男性(オカマ)。11月2日生まれのさそり座。血液型A型。嗅覚や聴覚が鋭く、非常に高い再生力を有している。ヤモリに惹かれて一時的にアオギリの樹に参加していた。ヤモリの生き方を「クール」だと絶賛しているが、子供殺しを強く諫め、死体を弔うなど母性的な一面を持つ。イトリのことを旧友と呼んでいる。カネキに「隻眼の王はエトかもしれない」と仄めかす一方で、宗太には「隻眼の王は存在しない」と述べている。
『:re』ではアオギリとしてでなくピエロの一員として生活している模様。ロマからは「ニコ姉さん」と呼ばれている。
帆糸 ロマ(ほいと ロマ)
声 - 三森すずこ
あんていくの女性従業員。皿を割ったり、喰種に人用の調味料を提供したりとそそっかしい。カネキに憧れて隣の19区から来たが、その思いは「苦しみ悶える姿が美しい」という歪んだ美意識に由来する。あんていく襲撃時にあんていくの元を離れ、以降はピエロとして活動する。
『:re』ではウタとともに人間オークションのオークショニアとして登場。傷を負った腹部から複数の赫子を出現させ、遠隔地へ巨大化させた赫子を展開させられるなど、赫子の熟練度は非常に高い。接近戦においても俊敏な動作で捜査官らを翻弄した。ハイセのことを嫌っている模様でカネキの人格が戻るのを切望している。[注 19]
宗太(そうた)
声 - 杉山大
#一等捜査官を参照
ガンボ
『:re』に登場。ウタ、ロマとともに人間オークションに参加した巨漢の喰種。武臣に首を折られ死亡した。
ボス
ピエロのメンバーからボスと呼ばれる謎の存在。佐々木(カネキ)に対し何か企みを抱いてる様子。

嘉納の関係者

マダムA
声 - 浅野まゆみ
喰種のレストランの会員。5月15日生まれのおうし座。血液型A型。本名は「阿倍 麻衣子(あべ まいこ)」。金髪はウィッグであり、本来の髪はぼさぼさの黒髪。飼い人のタロちゃんを溺愛していたが、月山の交換条件を受け入れて食材に提供した。実は嘉納と関係があり、タロちゃんは彼から提供された人工喰種の失敗作だった。度々CCGやカネキにより殺されかけるも、生き延びている。
『:re』では人間オークションに参加するも、隻眼の喰種が出品されていたことから危機感を感じ、いち早く現場を離脱。ダクトを伝ってオークション会場から脱出した模様。
タロちゃん
声 - 武虎
喰種のレストランで参加者たちを解体しようとした解体屋(スクラッパー)。マダムAの「飼いビト」。本名不明。人間を手づかみできるほどの巨体であるが、知能は高くない。幼児語を使い、マダムAを「まま」と呼ぶ。ショーの最中にカネキを独り占めしたくなった月山に食材として殺害される。実はリゼの赫包の移植によって変貌した元人間であり、嘉納によって人為的に作られた存在でもある。上記の彼の他にも複数存在している。
巻末のおまけ漫画ではカズオと共に頻繁に登場している。
安久 黒奈(やすひさ クロナ)
#フロッピーを参照
安久 奈白(やすひさ ナシロ)
#フロッピーを参照

フロッピー

カネキやタキザワ同様、嘉納の半喰種化施術を受けた元人間。赫包の定着には成功しているが、彼らと比べて戦闘能力に劣る為、失敗作の意味を込めてこう呼称される。

安久 黒奈(やすひさ クロナ)
声 - 悠木碧
カネキと同じくリゼの赫包を移植された半喰種。7月7日生まれのかに座。血液型AB型。双子の姉。鱗赫。喰種化後の呼称は「クロ」。縦縞のマスクに黒いフードという出で立ちをしており、赫眼は左目に現れる。マダムAの護衛を務めており、絶妙なコンビネーションで攻撃を行う。妹同様嘉納を「パパ」と呼んで慕っているが、嘉納自身は彼女らに対して愛情は無く、道具としか見ていなかった。安久七生という資産家の娘で、両親を喰種に殺された後はCCGに保護され施設で育ち、将来妹と共に優秀な捜査官になると期待されていた。同じ施設にいたジューゾー、施設に講演に来ていた亜門と面識がある。 嘉納のラボにてジューゾーと交戦するも、全身に[サソリ1/56]を刺されて重傷を負い、更に奈白が致命傷を負った事を受けて彼女と共に撤退する。嘉納に奈白の治療を懇願するも、修復不可能を宣告される。
その後の消息は不明だが、『:re』では名前のみ登場。嘉納からリゼベースの半喰種化施術の失敗作・フロッピーの一人であることが言及され、同じくフロッピーに属すると思われる「ローブの大男」は彼女らの名を口にしている。
安久 奈白(やすひさ ナシロ)
声 - 戸松遥
カネキと同じくリゼの赫包を移植された半喰種。7月7日生まれのかに座。血液型AB型。双子の妹。鱗赫。喰種化後の呼称は「シロ」。横縞のマスクに白いフードという出で立ちをしており、赫眼は右目に現れる。マダムAの護衛を務めており、絶妙なコンビネーションで攻撃を行う。姉同様嘉納を「パパ」と呼んで慕っているが、嘉納自身は彼女らに対して愛情は無く、道具としか見ていなかった。安久七生という資産家の娘で、両親を喰種に殺された後はCCGに保護され施設で育ち、将来姉と共に優秀な捜査官になると期待されていた。同じ施設にいたジューゾー、施設に講演に来ていた亜門と面識がある。嘉納のラボにてジューゾーと交戦するも、[13'sジェイソン]の斬撃を受けて黒奈以上の致命傷を負ってしまう。黒奈に嘉納の元へ連れられたが、赫包の激しい損傷度から修復不可能を宣告された。
その後の消息は不明だが、『:re』では名前のみ登場。嘉納からリゼベースの半喰種化施術の失敗作・フロッピーの一人であることが言及され、同じくフロッピーに属すると思われる「ローブの大男」も彼女らの名を口にしている。
ローブの大男
『:re』から登場した槍状の武器を携帯する白装束[注 20]の喰種。極めて高い身体能力を有し、一撃で喰種の四肢を捥ぎ、初撃の踏み込みは地面を陥没させる程。また、両脚に[アラタ]を彷彿とさせる装甲を纏っている。登場する際は一貫して人相が伏せられており、素性や行動原理などの詳細も明かされていない謎の多い人物だが、長身かつ屈強な体格であることから男性の可能性が高い。アオギリ構成員襲撃やサイコ救出の際にフードから僅かに覗く髪色から少なくとも黒髪の人物であるということは判断できる[注 21]。また、その佇まいや所持する武器の形状はドナートが関心を寄せるある喰種と酷似していることからこの喰種と「彼」は同個体であると思われる。
アオギリ幹部らからその存在が断片的に言及されていたが、オークション掃討戦終盤で姿を現した。クインケ鋼移送車襲撃及びオークション護衛任務に失敗したアオギリの樹に追い討ちをかけるように分散して逃走していた数グループを襲撃し、多数の構成員を殺害。彼らの屍骸を調査した結果、共喰いの痕跡が見つかっており、CCGもその存在を把握し追跡している模様。[注 22]
カナエと結託したアオギリ少数メンバーによるクインクス班襲撃の現場にも現れ、初撃で死堪を圧倒。なお、原理は不明だがこの後弾丸のようなものを投擲し、死堪の身体に穴を開けている。もしこれが赫子を用いた攻撃なら羽赫の喰種である可能性がある。またその際、右腕を死堪に向けて伸ばしているが、右手指が数本欠落しているような描写がなされている。回避する暇を与えず彼を瀕死に追いやったが、同じく現場にいたサイコには攻撃を加えず、直後ハイセらが駆けつけた時には姿を消していた。その姿から「ローブの大男」としてクインクス班にも存在を知られることになり、サイコを救った行動や高い実力からハイセに「胸騒ぎがする」と評されている。
喰種の中には赫眼を発現させた際に瞳の周りに血管が浮き出る者がいるが、「彼」はそれが右側にのみ見られた。この特性やアオギリに対する敵対行動と併せて考えるとその出自は半喰種化施術の実験体とされた元人間である可能性が高い。これを事実とするなら、梟討伐作戦の後から存在が確認されたことや前述のクインクス班襲撃の際に羽赫を彷彿とさせる遠距離攻撃を行なっていることを踏まえると「彼」のより詳細な素性は同作戦で消息不明となった喰種捜査官を素体としたヨシムラベースの半喰種化施術の失敗作[注 23]であると考えられ、右手指の欠落は喰種化以前の損傷、あるいは再生能力の低さに由来すると思われる。

V(ヴィー)

功善(くぜん)
#あんていくの芳村の項を参照
芥子(カイコ)
芳村がかつて所属していた喰種組織「V(ヴィー)」の一員。CCGに狙われる芳村を救う代償として隻眼の梟を差し出すよう要求するが、拒絶される。
『:re』ではロゼ編後に登場。有馬らにリゼの追跡とカネキやリゼの監視を命じた。その際同席していた旧多によってCCGの関連機関「白日庭」出身であることが示唆されている。

ブラックドーベル

入見 カヤ(いりみ カヤ)
#あんていくを参照
ルチ
『JAIL』に登場。18区の喰種。ガラの悪い男性の喰種で、左目に刺青がある。Aレート。羽赫。本名は「加々美 竜地(かがみ りゅうち)」。粗暴な性格で縄張り意識が強く、捜査官殺しも行っている。名前の由来は「留置(りゅうち)」から。
元ブラックドーベル所属の喰種であり、カヤの側近だったが、彼女のブラックドーベル解散の命令に納得できず、旧体制派の部下を引き連れて暴れ回っていた。のちに凛央に現在のカヤの姿を見せられ、考えを改める。
梟討伐作戦では、かつての仲間達を率いてカヤの元に現れ、CCGと交戦する。

その他の喰種

ドナート・ポルポラ
声 - 井上和彦
23区の喰種収容所に収容されているロシア人系喰種。SSレート。甲赫。CCGでの呼称は「神父」。幼少期の亜門の育ての親でもあり、収容所に入れられる以前は孤児院を営んでいた。預かった小児を好んで捕食していたが亜門だけは喰わず、過去には捜査官殺害や複数の捕食事件に関与していた。コクリアに収監されているが卓越した洞察力を持つ為、CCGからは捜査対象のプロファイラーとして生かされており、度々情報提供を行っている。亜門やハイセには(他と比較すれば多少は)好意的に接するが、他の捜査官に対しては辛辣な説教を行うことが多い。
『:re』にも登場。トルソーの人物像を分析、ハイセに情報を提供した後は、彼に対して以前の記憶の扉を開く鍵として自身が興味を抱くある喰種の存在を示唆する。
御手洗(みたらい)
喰種のレストランの会員で「TR」と呼ばれる男性。食通家として知り合った小鉢を食材として解体ショーに誘い込んだ。
笛口 アサキ(ふえぐち アサキ)[注 24]
声 - 鳥海浩輔
ヒナミの父親。鱗赫。原作では既に真戸によって駆逐されており、本編には赫子しか登場しない[注 25]
アニメ版では喰種を診る医者として登場。過去にジェイソンの仕事を手伝っていた時期があったが所帯を持ったことを期に手を引いていた。しかし再びジェイソンから拷問用の器具を作る仕事を半ば強制的に依頼され、身の危険を察知し妻と娘をあんていくに預ける。最終的にはジェイソンが彼に接触するとの情報を掴んだ真戸と亜門が彼の家を急襲。ジェイソンは取り逃がしたが、真戸により殺される。その赫子は真戸のクインケとなり、妻であるリョーコの殺傷に用いられた。
霧嶋 新(きりしま あらた)
声 - 内田夕夜
トーカとアヤトの父親。1月1日生まれのやぎ座。血液型A型。甲赫の赫者。温厚な性格で人を襲うこともなく、人間との共存を図る生き方をしていた。人間の死体を拾って喰べることからCCGではSSレート「骸拾い(ムクロひろい)」と呼称されていた。その一方で、大量の共喰いを行い、その結果完全な赫者となった。戦闘時は全身に黒色の西洋甲冑のような形状の赫子を纏う。死体を拾っている途中で篠原、真戸の捜査により発見され、死闘の末に捕獲される。その後の生死は不明だが、彼の赫包から生み出されたクインケ[アラタ]が幾度も登場している。トーカとアヤトは彼を故人だと考えている。
霧嶋 ヒカリ(きりしま ヒカリ)
トーカとアヤトの母親で、2人が幼い頃に駆逐された模様。
ヨモの姉
ヨモの年の離れた姉で親代わりとして彼の世話をしてきた。ヨモとは違い饒舌で気丈な女性だったようだが、当時16歳だった有馬に駆逐された。
ニシキの姉
声 - 内山夕実
少女期からニシキの親代わりとして世話をしてきた。人間であるアルバイト先の店長と恋愛関係になるが、彼の通報でCCGに発見、駆逐された。このことがニシキが当初人間を憎悪する要因となった。
村松 キエ(むらまつ キエ)
声 - 土井美加
亜門がCCGに入局した頃に活動していた17区の連続殺人鬼の老婆。登場時68歳。1年で50件以上の捕食殺害を起こしており、目撃情報による継ぎ接ぎだらけの丸い顔から「アップルヘッド」と呼ばれている。亜門に襲いかかったところを真戸に駆逐された。活動当時は継ぎ接ぎの顔がマスクだと思われていたが、駆逐後にそれこそが素顔であり、老婦人としての顔がマスクであったことが判明した。
ビッグマダム
声 - 斉藤貴美子
肥満体の男性(ニューハーフ)の喰種。尾赫。SSレート。戦闘力のみならず他の喰種への影響力も加味され認定されたレートではあるが、マダム界をのし上がってきた実力は本物。幼少期の鈴屋玲を飼いビトとして愛玩し同時に解体屋「什造」として育成していた。長年に渡る様々な残虐行為を彼に加え、遂には玲の少女のような魅力を永遠のものにしようと彼の睾丸をハンマーで打ち砕いている。後にCCGの介入により逃亡。その後、幾度もCCGによる追跡を受けるが、いずれも捕獲や討伐は失敗に終わっている。
『:re』では人間オークションに参加。トオルを自身の飼いビトとして落札するも、直後に始まったジューゾーの奇襲とそれを合図に開始された掃討戦により会場は混乱。護衛と共に地下大倉庫まで避難、ウリエに発見され彼との交戦を開始。終始彼を圧倒するも集結した鈴屋班の連携で追い詰められ、ジューゾーの一撃で深手を負う。ジューゾーに対し命乞いをするが最期は鈴屋班員の総攻撃を受け駆逐された。
三波 麗花(みなみ うるか)
声 - 早見沙織
[JACK]に登場。富良の高校時代の同級生。
尾赫。Aレート。捕食時にはカボチャのマスクを被るため「ランタン」と呼ばれている。富良の友人であるリョウとアキを襲撃。リョウを殺害し、アキに生涯残る深手を負わせたことと有馬の駆逐対象であったことから彼らに追跡されることになる。三波としての顔では彼らに協力する素振りを見せたが、自身の正体を看破していた有馬と交戦。致命傷を負い、最期の力で富良に飛びかかるも彼に止めを刺された。人間としての普通の生活に憧れており、リョウらを襲ったのも日常的な暴走行為でそれを脅かしたことによる苛立ちと人として平穏に暮らしていける彼らへの嫉妬からであった。
死後、その赫包はクインケ[ランタン]として加工され、富良の所有物となった。
電車の少女
[JOKER]に登場。羽赫。Aレート。電車内にて痴漢被害を受けていたところをジューゾーに助けられる。その際には少女らしい嫋やかな態度を取っていたが、その正体は鈴屋班が追跡していた喰種集団「スカルマスク」のリーダーであり自分に痴漢をしていた男性の利き腕を切断、捕食しようとしていたところをジューゾー、半兵衛に発見され、交戦を開始。アクシデントに見舞われたジューゾーに襲いかかった所を背後から半兵衛の一撃を受け、駆逐された。その後、彼女の赫包で作られたクインケは半兵衛が所有していると思われる。
小林(こばやし)
『:re』第1話に登場した男性の喰種。B+レート。トルソーと同じくタクシー運転手をしている。トルソーの捜査をしていたウリエに襲い掛かる。ウリエとシラズと戦闘をし、ハイセに拘束される。
ナッツクラッカー
『:re』から登場。お歯黒をした女性の喰種。推定Aレート以上。甲赫および尾赫。強い偏食性を持った喰種で男性の睾丸を粉砕し啜る趣味がある。金銭に執着があり喰種の富裕層「マダム」から依頼を受け、人身売買の斡旋を行うことでそれを得ていた。
二種の赫子を使い分け、上等捜査官含む班を単身で壊滅させたことからSレートに格上げとなる。尾赫は分離させトラップとして使用することが出来るが、分離した赫子は自身の意思で起爆することは出来ず、接近した物体に反応して作動する自動的なものである。トラップの一連の動きからそれを解析、仕掛けた箇所を看破したシラズの策により自滅。動きを止められた後にサイコの一撃で重傷を負い、シラズによってとどめを刺され駆逐された。死の間際の回想では幼少期からの美に対する強い憧れが描かれ、偏食や金銭欲はそれに由来するものであることが明かされた。
死後、彼女の赫包はクインケ[ナッツクラッカー]に加工され、シラズが所有することとなった。
スケアクロウ
『:re』から登場。「へのへのもへじ」と書かれた袋を頭からかぶった案山子姿の喰種。Cレート。素性、目的共に一切不明。台詞はすべて○△□のように書かれており、何を言っているのか不明である。 人間オークションに参加し、放送室で何らかの操作をしてタキザワに蹂躙されていたハイセの叫び声を館内放送で会場中に流した。これに反応したヒナミが動き、結果的にハイセを助けることとなった。
鉢川班がアオギリの本拠地とされる流島へ斥候に赴いた際に、トオルが流島から離れていく彼の姿を目撃している。
ロウ
『JAIL』に登場。妙齢の女性の喰種で、目元に格子状のメイクを施している。甲赫。喰種レストランの常連であり、自らの美貌の為に必要以上の捕食を行い、また「若さの維持には赫包の活性化が不可欠」という考えから喰種の共喰いも行っている。名前の由来は「牢(ろう)」から。
凛央に敗北してからは、彼を共喰いの対象として執着し、付きまとっている。
キンコ
『JAIL』に登場。巨漢の喰種で、顔面に格子状の傷跡が広がっている。Sレート。鱗赫。草花や動物を愛する心優しい性格だがそれらをないがしろにする相手に対して怒り狂い、暴走する激しい一面も持ち合わせている。名前の由来は「禁固(きんこ)」から。
凛央と同様、コクリアに収監されていたが、アオギリの樹の襲撃に乗じて脱走した。
最終的に複数の捜査官らの手により駆逐された。
凛央の兄
『JAIL』において凛央の回想の中で存在のみが明かされた。Sレート。鱗赫。凛央の術懐からすると、弟想いな性格であったようで、食糧調達も殆ど彼が行っていた模様。弟と共にキジマによって捕縛されコクリアに収監されていた。ジェイルであると疑われている凛央を庇い、彼ではなく自身がジェイルであると主張していたが、キジマにより駆逐された。その赫包は彼のクインケ[ロッテンフォロウ]となり、凛央の追跡の際に用いられた。
多くのエンドでは上記の結末を迎えるが、早期に勝利条件を整えてキジマを倒し殺害することで、彼が生存するエンドも存在する。
『:re』では彼の赫包から造り出されたクインケ[ロッテンフォロウ]のみ登場していることから原作の世界観においては既に駆逐されている可能性が高い。

人間

喰種対策局

各々の階級は現職の捜査官は最新巻時点で記述。殉職、あるいは事実上離脱した捜査官においては最終的な階級で記述している。
幹部
和修 常吉(わしゅう つねよし)
声 - 堀勝之祐
総議長。和修 吉時の父親、和修 政の祖父。アカデミーを卒業していない有馬やジューゾーを特例で喰種捜査官として入局させた人物。峻峭な面差しから「鬼ツネ」と呼ばれ、恐れられている。和修家はCCGに大きな影響力を持ち、批判するだけで潰されるといわれている。丸手によるとSSSレートの喰種を討伐したことがある模様。
和修 吉時(わしゅう よしとき)
声 - 咲野俊介
本局局長。和修 常吉の息子、和修 政の父親。丸手と親交がある。温和で親しみやすい性格。式典で亜門やジューゾーに昇任の辞令書を手渡した。梟討伐作戦では作戦総指揮を務める。
『:re』では本局局長に加え、クインクス計画の総責任者を務める。
特等捜査官
有馬 貴将(ありま きしょう)
声 - 浪川大輔
1区および24区担当の男性捜査官。12月20日生まれのいて座[注 26]。総議長に見出され特例でアカデミーを経ずに三等捜査官に就任、異例の早さで特等捜査官まで昇進した逸材。数多の逸話を持ち、中でも二等捜査官時代に隻眼の梟を単独で撃退、二階級特進を果たしたことでその名を馳せた。両手でそれぞれ形状や種類の全く異なるクインケを自在に扱い、装備の整わない状態でSSSレート喰種を圧倒するなど、特等捜査官の中でも別次元とも言える戦闘能力を有することから「CCGの死神」とも呼ばれる。また、彼が率いる「有馬班」に所属していた捜査官も総じて高い能力を持つ。少年期から捜査官として活躍していた天才肌であるが、面識のある者からは「天然」と評されている。梟討伐作戦では0番隊の隊長を務め、ルートV14にて地下に逃げた多数の喰種を討伐。後に遭遇したカネキも[ⅨA]を損傷させられながらも圧倒的な実力で叩き伏せた。その後、地上に上がり隻眼の梟を再び単独での撃退に成功する。
『√A』における梟討伐作戦では、カネキと対峙する前に隻眼の梟と交戦して撃退し[注 27]、ヒデの遺体を抱えたカネキと対峙する。
[JACK]時点では三等捜査官。学生時代にランタンを追って13区の富良の通う高校に潜入捜査を目的に転校してきた。
クインケは優れた防御性能を持ち遠隔起動も可能な甲赫[IXA(イグザ)]と雷のような赫子を発生させる羽赫[ナルカミ]。学生時代はギターケースに入れた甲赫[ユキムラ1/3]を使っていた。
『:re』でも特等捜査官として活躍している。本を借りたり机の上で手合わせをするなどハイセとは仲が良いが、ハイセが暴走、またはカネキの性格が表に出ている状態の時は彼に対して冷酷とも取れる態度を取っている。オークション掃討戦と同時に行われたクインケ鋼移送車護衛任務に就き、タタラ率いるアオギリの樹を撃退後はオークション会場へ合流した。月山家殲滅戦後には、旧多と共に喰種が所属する組織「V」への関連性が示唆されている。逃亡していた鯱を追跡し、交戦。その際に彼によって右目の視力が極端に悪い、あるいは失明している可能性が明かされる。
[JACK]時点では黒髪だったが、徐々に髪が白くなり、[注 28]本編では完全な白髪となっている。
篠原 幸紀(しのはら ゆきのり)
声 - 仲野裕
20区担当の男性捜査官。ジューゾーのパートナー。人当たりのよい性格の人物で、ジューゾーの問題行動にも怒ることなく諭すように指導している。ジューゾーをパートナーにした当初は彼の奇行に手を焼いていたが、後に互いに信頼関係を築くようになる。トーカとアヤトの父であるアラタを捕獲し、一等捜査官時代にSレート喰種、オニヤマダを駆逐するなど数多の功績を持つ歴戦の捜査官。真戸呉緒の初代パートナーでもあり、アカデミー時代の亜門の教官も務めていた。堅実確実に成果を残すタイプであり、「不屈のシノハラ」と呼ばれている。梟討伐作戦では第一隊の副隊長として芳村と戦うが、その直後に現れた隻眼の梟に出会い頭に吹き飛ばされ、さらにブレード状の赫子が右足を切断および腹部を貫通。大量出血のため脳への深刻なダメージを負い、植物状態となる。受けた傷の重篤さから、医師からは回復の見込みはないと宣告された。
『√A』における梟討伐作戦では、隻眼の梟の攻撃からジューゾーを庇って重傷を負う。原作とは異なり脚は切断されていないが、意識不明の重体に陥る。
討伐戦から時を経た『:re』においても意識の波を彷徨い続けている。
クインケは鉈状の尾赫[オニヤマダ壱]→[オニヤマダ]と、鎧状の甲赫[アラタproto]→[アラタβ0.8]→[アラタ]。
黒磐 巌(くろいわ いわお)
声 - 大友龍三郎
13区担当の男性捜査官。黒磐 武臣の父親。実戦経験豊富なベテラン捜査官で隻眼の梟と二度交戦、致命傷を負わせた経歴を持つ。無口で「うむ」が口癖。アオギリの11区襲撃事件に対処する11区特別対策班の副指揮官を務める。梟討伐作戦では第一隊の隊長として芳村と戦い手傷を負わせるが、その代償として左腕を失った。
『:re』でも現役捜査官として活動しており、多くの捜査官から変わらず畏敬の念を抱かれている。かつてはウリエの父率いるS3班に所属しており、幼少期のウリエとも面識があった。また、倉元の発言から武臣同様素手で喰種を駆逐した経験がある模様。
クインケは鱗赫[クロイワSpecial]と、鎧状の甲赫[アラタproto]→[アラタ]。
田中丸 望元(たなかまる もうがん)
声 - 小山剛志
2区担当の男性捜査官。2区の支部長として、捜査官の職務と2区の統括役を兼任している。「ンン…ボーイ」が口癖。戦闘時にはクインケ名を叫ぶことが多く、戦いを喜劇として捉えている。実家が寺であることから親族より住職を引き継ぐよう口うるさく言われているらしい。
梟討伐作戦では第二隊の隊長を務める。古間と交戦し、彼に致命傷を負わせるも、突如出現したカネキにクインケを破壊され、古間を取り逃がしてしまう[注 29]
クインケは衝撃波のような赫子を発生させ、モードの変更で遠近両用で対応できる羽赫[ハイアーマインド(高次元精神領域)]もしくは[天使の羽ばたき(エンジェルビート)]。
丸手 斎(まるで いつき)
声 - うえだゆうじ
対策Ⅱ課所属の男性捜査官。和修 吉時と親交がある。嫌味な性格で、自慢するために職場へハーレーで乗り付けたり、他者を見下す発言や陰口を繰り返すため、局員たちからの印象はあまりよくない。クインケを「オモチャ」と称し嫌っているが、喰種にアサルトライフルで正確な射撃を行うなど戦士としての実力は確かである模様。アオギリの11区襲撃事件に対処する11区特別対策班の指揮官を務めるが、23区の喰種収容所の襲撃を予測できなかった。梟討伐作戦では副指揮を務める。
[JACK]にも登場しており、ランタンに襲われた富良から事情聴取をした。
『:re』にも登場、和修 政を危険視している。
鈴屋 什造(すずや じゅうぞう)
声 - 釘宮理恵
20区担当の男性捜査官。6月8日生まれのふたご座。血液型AB型。愛称は「ジューゾー」。初登場時は三等捜査官で、篠原のパートナー。アカデミーに入学することなく特例として喰種捜査官に就任し、アオギリの騒乱から半年後に二等捜査官に昇進。中性的な容姿をしており、カネキと同様に喰種を惹きつける体臭を持つ。男性としては小柄で華奢な体格であるが極めて高い身体能力と動体視力を持ち、小型のクインケで重傷を負っていたとはいえSレート喰種であるジェイソンを駆逐し、クロナとナシロを同時に相手取って余裕を崩さず勝利している。天真爛漫な性格であるが常識感とモラルが欠如しており、気軽に窃盗を行い、機嫌を損ねた相手に障害が残る傷害を躊躇せずに行う残忍な一面を持っている。痛覚が鈍い故か人体を物体のように表現することがあり、クロナとナシロとの交戦で腹部を裂かれる深手を負わされるも痛がる素振りを見せず「あら、破けちゃった」と呟くに留めている。また相手が喰種と化しているとはいえ、元アカデミーメイトを「壊す」と発言している。梟討伐作戦では芳村に手傷を与えようとするが、隙を突かれて右足を切断される[注 30] 。隻眼の梟によって篠原を弄ばれた際に、かつて彼が語っていた言葉の意味を理解。欠落していた感情を取り戻し、作戦終了後は植物状態となった篠原の前で再び捜査官として働くことを誓った。
捜査官になる前の本名は「鈴屋 玲(すずや れい)」。幼少期にビッグマダムと呼ばれる喰種の飼いビトとして過ごし、サーカスでの曲芸や解体屋を行っていた。その一方で執拗な虐待をされており、痛覚の鈍化はその影響で起こったもの。「可愛いままでいてほしい」と願うビッグマダムの歪んだ愛情を受け、睾丸を潰されている。アカデミー候補生時代にクロナ、ナシロと同じ施設に居たため彼女らとは面識があり、交戦の最中には「同窓会のよう」と発言している。
クインケはナイフ状の尾赫[サソリ1/56]×56[注 31] と、赫子を出現させるギミックを持つ大鎌状の鱗赫[13's(ジューゾー's)ジェイソン]。
『:re』では登場時点で准特等捜査官として13区の班長を務める。白かった髪色も黒くなっており、白双翼賞、金木犀賞をはじめ、数多の賞を受勲している。ハイセとの関係は良好で、同い年の彼をフォローしたり、悩みを抱えるトオルを篠原の教えも使い諭し導くなど、人間的に大きく成長している。戦闘面では装備の不足した状態でSSレートのアヤトと渡り合い、喰種からも脅威の存在としてその名を知られている。失った右脚は[サソリ1/56]を収納可能な義足で補っている。
オークション編では集結した鈴屋班員と共にビッグマダムと対峙。班員らを統率し彼を追い詰め、自身の一撃で深手を負わせ、その最期を見届けた。作戦後は鈴屋班各員と共に特別功労者に認定され、特等捜査官へ就任した[注 32]。13区の完塞に成功した天才として名を馳せている。
法寺 項介(ほうじ こうすけ)
声 - 速水奨
20区担当の男性捜査官。滝澤のパートナー。第一部時点では准特等捜査官。目下にも敬語を使う穏やかで紳士的な性格だが、時折辛辣になることもある。13区のピエロマスク掃討戦だけでなく、中国の「赤舌連(チーシャーリェン)」という喰種集団を相手にして功績を残した実力者であり、武闘派として知られる。真戸呉緒の二代目パートナーだった。梟討伐作戦では第一隊の班長を務め、芳村に致命傷となる一撃を与えた。あんていく掃討戦の際には特別功労賞を得ている。
『√A』ではコクリア襲撃の際にタタラと対峙、交戦するも決着はつかなかった。梟討伐作戦では原作同様他の特等捜査官らと共に芳村を追い詰めたが、作戦終盤で血の付いた[ドゥヒ]が彼の元へ届けられたことから滝澤の殉職を悟り、悲痛な面持ちとなった。また、ヒデを運ぶカネキの姿を目撃しており、丸手へ報告した。
『:re』では特等捜査官に昇進。鍛錬を重ね、真戸を凌ぐクインケ操術を身に着けている。S3班の一員としてクインケ鋼移送車護衛任務に就き、タタラ率いるアオギリ構成員らを撃退。オークション掃討戦に合流し、作戦成功に貢献した。
クインケは羽赫[ホロウ]と甲赫[赤舌(チーシャ)]。
宇井 郡(うい こおり)
声 - 織田圭祐
4区担当の男性捜査官。一人称が「私」の中性的な青年。実家は裕福。第一部時点では准特等捜査官。准特等でありながら4区の指揮権と特等会議への参加権を持つ元・有馬班のホープ。その待遇に違わない高い戦闘能力を持ち、梟討伐作戦では第0隊の副隊長を務め、隻眼の梟が奇襲を掛けて来た時は唯一その攻撃を回避することに成功。反撃し劣勢を強いられるも、有馬を始めとする増援が到着するまで持ち堪えた。梟討伐作戦終結後は特別功労者に認定されている。
『:re』では特等捜査官に昇進しS1班の班長に就任。クインケ鋼移送車護衛任務に参加し、移送車襲撃に現れたアオギリ構成員を撃退後は同時進行していたオークション掃討戦へ合流した。突出した戦闘能力は健在であり、オークション会場では[タルヒ]のギミックを活かして一瞬で複数の喰種を駆逐する活躍を見せている。その後は富良やハイル、クインクス班と共にロゼヴァルト家関連勢力捜査を担当、同捜査の指揮を務める。かつて自身と同じ有馬班に所属していたハイセが暴走状態に陥るのを幾度も目撃している模様。その為か彼に対して警戒心を抱いており、ハイセやクインクスらが功績を挙げることも危険視している。ハイセから自身とクインクス班による喰種のマスクを用いた潜入作戦を提案されるも難色を示し、許可を出さなかった。月山家殲滅戦では指揮官に任命される。観母を確保するも、彼らが無抵抗で投降したことに不審感を抱き、月山家子息の存在と逃亡先のルナ・エクリプスビルの特定後は全喰種殲滅を目標としてハイルらを先行させる。自身もハイセ達と共にビル内へ突入、彼に屋上の索敵を指示する。旧多の要請を受けて援護に向かい、唯一の「生存者」である彼からハイルやキジマら他の捜査官の最期を知る。作戦終了後は優秀な捜査官を失ったのにも関わらず月山家当主及びその子息を取り逃がした失態から、他の捜査官からの評価が下がっている。
クインケは内蔵ギミックにより尾赫のようなしなやかな刃を作り出せる甲赫[タルヒ]。劇中未使用だが甲赫[アジテ]も所有。
和修 政(わしゅう まつり)
『:re』から登場。対策Ⅱ課所属の男性捜査官。和修吉時の息子で、和修常吉の孫に当たる。18歳でドイツのアカデミーに入学し、卒業後は捜査官として喰種一族ロゼヴァルト家の壊滅など多大な成果を挙げる。CCGの始祖である和修家こそが至上であると考えており、階級を問わず他人を見下す姿勢をとっているが、その家柄の重みに息苦しさを感じてもいる。温和な性格の父親とは違い無駄を嫌う合理的思考の持ち主であり、成果を挙げるためならば犠牲を厭わない。作戦指揮を「少し頭を使ったゲーム」と称する等、人道的にもかなり問題を抱えている為、父親の吉時と親しい丸出は政を危険視しており、「政がドイツで学んだのは兵士の犬死なせだ」と内心強く非難している。 オークション掃討戦では指揮官として、多大な被害を出しながらもビッグマダムを含む多数の喰種の掃討戦を成功させ、作戦後は特別功労者に認定。ジューゾーと共に特等捜査官に就任した。 月山家殲滅戦では指揮官補佐に任命される。同作戦において容易に投降した観母らの行動に不信感を抱き、彼らが死守せんとする月山家子息の存在を看破する。ヘリによる空中からの作戦指揮を担当していたが、隻眼の梟による急襲の余波を受けヘリを撃墜される。だが負傷しながらも一命を取り留め、捜査官達を率いて隻眼の梟討伐を目的として前線に参加する。
安浦 清子(あうら きよこ)
声 - 赤﨑千夏
1区担当の女性捜査官。女性で初めて特等捜査官に就任した人物である為、多くの同性捜査官からの羨望を集めている。真戸呉緒の亡き妻、微とは同期であった為、彼女と並んでその優秀さを讃えられることも多い。
『:re』においても特等捜査官として活動し、女性捜査官の理想として変わらず名を馳せる。彼女の甥(妹の息子)の安浦 晋三平がクインクスの新たな班員として登場している。彼とは会食に出かけるなど、交流がある模様。
灰崎 深目(はいさき しんめ)
対策Ⅱ課所属の男性捜査官。コクリア現監獄長。アオギリの樹のコクリア襲撃による前任者の失態を経て副監獄長から昇進した。過去には尋問官を務めている。
御坂 矜持(みさか きょうじ)
声 - かわのをとや
コクリア元監獄長。灰崎の前任者であり、原作では名前のみ登場。アオギリによるコクリア襲撃の際に命を落としたことが言及されている。
『√A』では存命しており、アオギリの樹のコクリア襲撃前に灰崎の代わりに特等会議に参加している。襲撃の際にはタタラと交戦。彼をクインケで捕縛するも油断して近づいた所に不意討ちを受けて殺害された。
伊庭 藤重(いば ふじしげ)
声 - かわのをとや
篠原や真戸、黒磐の元上司で尾赫使いのベテラン捜査官。過去の梟戦において利き腕を切断された為、捜査官を引退する。20区の梟討伐戦終結後には植物状態となった篠原を見舞い、彼を真戸と合わせて「上司不孝」と評する。
亜門 鋼太朗(あもん こうたろう)
声 - 小西克幸吉永拓斗(子供時代)
20区担当の男性捜査官。 本作第一部においてCCG側の狂言回しを務める人物。4月7日生まれのおひつじ座。血液型A型。極度の甘党で、辛いものが苦手。初登場時は一等捜査官で、最終階級は特等捜査官。真戸呉緒の最後のパートナー。アカデミーを首席で卒業したエリートで、喰種が歪めた世界は間違っていると考えており、この世界を変えるという信念の元に活動している。基本的に涙脆く正義感に溢れた好青年であるが、非常に強い使命感からしばし暴走し、倫理や規則を無視した行動を取ることがある。その出自は孤児であり、小児喰らいの喰種、ドナート・ポルポラの営む孤児院で生活していた。彼の捕食現場を目撃したことで今まで養親に引き取られたとされていた仲間達の末路や養父の正体を知るも、何故かドナートは亜門を捕食せず手元に置き続けた。この過去からドナートには複雑な感情を向けており、肌身離さず身に付けている十字架には孤児院暮らしの裏で繰り返されていた彼による殺戮の日々を忘れない自戒の意味を込めている。ラビットと交戦する真戸との合流を図ろうとした最中、カネキと遭遇。体術と[ドウジマ]による攻撃で彼を圧倒するも赫子を解放したカネキに[ドウジマ]を破壊され、負傷。戦闘不能に追いやられるも見逃されたことからかつてドナートが自身を殺さなかった理由を求めるためにその後も「眼帯の喰種」として彼の行方を追っている。なお、カネキに足止めを食らったことから結果的に真戸の援護に間に合わず、彼が殉職したことに悔恨と自責の念を抱き続けている。11区アオギリ戦において、瓶兄弟を始めとする多数の喰種を駆逐。半年後、その功績から上等捜査官に昇進し、真戸の娘のアキラとコンビを組む。当初は性格や捜査方法の相違から彼女と衝突するが、次第に信頼関係を築く。養親が喰種であった経緯とカネキとの接点の多さ、また嘉納の実験施設でカネキと対峙した際も半赫者で暫定SSレートの彼を追い詰めながら止めを刺さず追撃もしなかったことからエトと嘉納に興味を抱かれる。取材を申し込む為にCCGへ単身乗り込んで来た高槻から得た極秘情報からある疑念を抱くが、あくまで推察に過ぎず、確証がないことから口外はせず自身の胸の内に収めるに留めた。
身長191cm、体重94kgの偉丈夫であることに加えて日常的にトレーニングで体を鍛えており、男性捜査官の中でも卓越した格闘能力を有する。その為、能力の低い喰種であればクインケなしでも対処でき、重量級である甲赫クインケを最も得意とする。装備の整った状態での戦闘能力も非常に高く、その戦いぶりを見た他の捜査官からは感嘆と共に「特等並」と称えられた。
クインケは棍棒状の甲赫[ドウジマ1/2]→二刀に分割する能力を持った大剣状の甲赫[クラ][注 33]→[ドウジマ]に瓶兄弟の赫子を組み込み、修繕と強化を施した槍状のキメラクインケ[ドウジマ・改][注 34]と身体能力のブースト機能を備えた鎧状の甲赫[アラタ・弐<proto>]。
隻眼の梟討伐作戦では第四隊の班長を務め、カネキと再び対峙する。[クラ]を破壊されるも現場に駆けつけた地行が渡した[アラタ・弐<proto>]を纏い[ドウジマ・改]で彼に致命傷を負わせるが、自身もカネキの一撃で右腕を失う。その後、自身の救援に向かった滝澤やチノムツ率いる第四隊と合流したものの、突如現れたタタラとノロの襲撃を受け、滝澤が左腕を喰われる様に激昂。重傷を押して立ち向かうも、その後の消息は不明。後に提出された報告書にて特別功労者に認定されるが、同時に死亡扱いとなった。[注 35]
『√A』における梟討伐戦では当初から[ドウジマ]を使用。 棍棒状の通常形態でカネキと交戦したが、彼の一撃を喰らったことによりギミックを発動。巨大化、変形した[ドウジマ・改]で彼と互角に渡り合い、最終的に相討ちとなった。後にアキラが現場に駆けつけた際にはその姿はなく、破損した[ドウジマ・改]だけが残されていた為、原作同様死亡扱いとなった可能性は高いが遺体は回収されていない模様。
「眼帯の喰種」に対して思い入れがあるのか、梟討伐戦において対峙した際には彼を「捕獲」すると明言した上で交戦を開始。激闘を繰り広げる中で心中では彼の生存を願っていた。半赫者化したカネキに深手を負わされるも「彼を人殺しにさせない[注 36]」という思いから辛うじて意識を保っていた。
『:re』ではオークション掃討戦において武臣と並んで素手で喰種を討伐した経験を持つ逸材として名を挙げられた。また、生前に「眼帯の喰種」との交戦経験をまとめたレポートが遺されており、それを通じてハイセは亜門の存在を知ることとなる。後の彼の調査によると、殉職したとされる梟討伐戦の後に二階級特進を果たした為、特等捜査官となっていた。なお、この昇任が殉職によるものか特別功労者認定を受けた結果なのかは不明。また、亜門の直接的な殉職理由には何故か閲覧規制がかけられており、ハイセは彼の最期を知ることが出来なかった。序盤は名前のみが言及されていたが、CCGによる流島上陸作戦直前に登場。生存及び半喰種化していたことが判明する。梟討伐戦後、ヨシムラベースの半喰種化実験の素体とされた模様であり、赫眼は右眼に発現している。
しかし、嘉納から成功体として認められているのはタキザワのみであることから、安久姉妹同様フロッピーに該当する可能性が高い。
瓜江(うりえ)
故人。瓜江 久生の父親。黒磐の所属していたS3班の班長を務めていたが、部下達に撤退を指示し単独で隻眼の梟と対峙した結果、殉職した。この過去がウリエの出世欲の由来と考えられる。
准特等捜査官
真戸 暁(まど あきら)
声 - 瀬戸麻沙美
20区担当の女性捜査官。真戸 呉緒と真戸 微の娘。6月6日生まれのふたご座。血液型A型。愛称は「アキラ」。初登場時は二等捜査官で、上等捜査官に昇進した亜門のパートナーとなる。アカデミーでは滝澤と同期で首席卒業。傲慢とも言える一面を持ち、敬語を用いるのを「時間と体力の浪費」として考え、敬意を表すに値すると判断しない限りは上位捜査官を相手にしても対等に接する。勘の鋭さや卓越したクインケ操作など、その言動には父親を彷彿とさせるものが多い。開発局にたびたび出入りしてクインケの設計にも携わっており、アカデミー生時代からクインケをオーダー、使用していた。[ドウジマ・改]の構成、改良案を考案したのも彼女であり、地行からは研究者としての能力も絶賛される。女性らしく体重を気にする一面があり、夜の九時以降は食事をしないよう心がけているが、グラス一杯の酒を飲んだだけで泥酔してしまうほどアルコールに弱い。「マリスステラ」という猫を飼っている。
梟討伐作戦では第一隊の班長補佐を務め、滝澤や他の隊員らと共に喰種と交戦していたが、その最中亜門の危機を察知。特等らのサポートを任された立場上、現場から動くことはなかったが、同じく事態を察した滝澤は亜門の救援を目的に現場を離脱。彼を制止するも振り切られ、結局二人が戻って来ることはなかった。
『√A』における梟討伐作戦では、和修吉時からの命令と滝澤の叱咤を受け、彼女自身が亜門及び第四隊の応援に向かった。しかし、現場には亜門の姿はなく、破損した[ドウジマ・改]だけが残されていたことから、自身の援護が間に合わなかったことを悟る。
作戦終了後、キメラクインケの実用性が認められたことで一等捜査官に昇進。対アオギリの特別チームに配属され、有馬からメンターとしてハイセの教育を任された。
クインケは鞭状の尾赫と剣状の甲赫を融合させたキメラクインケ[アマツ]。
『:re』では上等捜査官に昇進。ハイセを含めた真戸班を編成しているが、[注 37]周囲からは変わり者と見られていた父や特殊な存在であるハイセ、統率の取れていないクインクスらといった曲者揃いに関わっていることや『:re』開始時点において真戸班は実績をあまり残せていなかった[注 38]ことから、一部からクインクスと共に「CCGの恥」と評されている。直属の部下であるハイセとは互いに信頼関係を築いており、その能力を高く評価し「我が班のエース」として期待を寄せる反面、彼の性格を「優しすぎる」と評し、厳しく叱責することもある。使用クインケは鱗赫[フエグチ][注 39]となり、喰種からはその形状から「背骨使い」と呼ばれ、存在を知られている。オークション掃討戦では[フエグチ]を自在に操り、多数の喰種を駆逐。ナキの不意を突き重傷を負わせ、相性で劣る尾赫のミザとも互角以上に渡り合った。作戦終了後は特別功労者に認定され、亡き母と同じ准特等捜査官に就任する。流島上陸作戦にも参戦、法寺率いる一番隊の副隊長を勤める。
千之 睦(ちの むつみ)
23区担当の男性捜査官。眼鏡をかけた中年男性で愛称は「チノムツ」。田井中のパートナー。梟討伐作戦において第四隊の隊長を務める。タタラと交戦後消息を絶ち、CCGには死亡と判断された。
クインケは尾赫[サユリ壱]。
有根(ありね)
7区担当の男性捜査官。ピエロマスク掃討戦で法寺と並ぶ成果を収めた実力者であったが、黒ウサギのマスクを被ったアヤトにクインケを展開する暇もなく殺害された。
鉢川 忠(はちかわ ちゅう)
声 - 三宅健太
梟討伐作戦から登場した男性捜査官。眼鏡をかけ、コートの襟で口元を隠している。喰種との交戦の影響か、唇の肉が無く歯茎がむき出しになっている。「先の短いババアを生かすより、黒狗(カヤ)を殺すほうが利益になる」など、ルールに縛られない自由性と独自の倫理観を持ち、かつその倫理観のまま民間人を平然と戦闘に巻き込むなど周囲を省みない性格。過去にカヤに師や同期を殺されており、復讐の機会を待っていた。
あんていく掃討戦において第三隊の隊長を務め、怨敵であるカヤと交戦。戦闘の末、班員らとの連携も相まって彼女を追い詰める。瀕死のカヤにとどめを刺そうとするも、カネキに不意打ちを喰らい、クインケを破壊された上に吹き飛ばされ、肋骨を折る深手を負う。
『:re』では鉢川班の班長として登場、トオルや穂木と共に流島の調査へ向かう。捜査官時代の滝澤や法寺とは面識があった模様で、彼が急襲してきた際にはいち早くその正体を看破。その変貌に皮肉を述べ、挑発的な態度をとるが直後に死堪の不意討ちを受け、鼻を食い千切られる。深手を負いながらも即座に逆襲に転じたがタキザワの介入で阻まれ、最終的に死堪の尾赫の赫子で刺殺された。また、彼の独自の倫理観はかつてブラックドーベルの掃討任務の際、一人の民間人を助けようとしたことで自身以外の班員全員が殉職した過去によるものであることが穂木により明かされた。
キジマ 式(きじま しき)
本編では『:re』から登場した、ツギハギの身体の男性捜査官。「削ぎ師キジマ」の二つ名を持ち、過去にはコクリアの尋問官も務めた。異様な外見に反さず目的のためなら非人道的な手段も辞さない残忍な性格であるが、相手に対し忘れず礼を尽くす律儀な一面も持つ。その為自身より低い階級や若年の捜査官にも常に敬語を用い、パートナーである旧多にも気遣いを見せている。
『:re』ではS1班、クインクス班と共にロゼヴァルト家関連勢力捜査を担当。旧多を囮に大量誘拐の主犯「ロゼ」らを誘き寄せることに成功。松前を庇ったユウマを[テトロ]で捕獲するも、彼の高い忠誠心を感じ取り本人から詳細を聞き出すのは不可能と判断。彼を拷問にかける様をネットで動画として公開し、ユウマと自身の命を賭けて他の「ロゼ」構成員を炙り出さんとする。これに加えてネット上に自作自演の目撃情報を流す工作も行なっており、この情報を基に自身を襲撃してきたアリザを捕縛。彼女を尋問し、「ロゼ」の正体が月山家であることを突き止める。月山家殲滅戦では、ハイル率いる先行隊に所属し、[ロッテンフォロウ]を用いてビル内部の喰種を多数駆逐。屋上付近にて松前らと交戦する。ハイルが殉職した後は、自身が松前と対峙。ユウマやアリザのように[ロッテンフォロウ]で彼女を屠ろうとするが、瀕死のマイロから不意討ちを受け、その隙に接近してきた松前に腕を刎ね飛ばされ、腕ごと切り離された[ロッテンフォロウ]に頭を切り裂かれた。致命傷を負いつつも辛うじて生存しており、半狂乱になりながら松前に対して攻撃を仕掛けるも軽くあしらわれ、赫子で体を貫かれ死亡した。
[JAIL]では自身を異様な外見にし、部下を数多葬ったジェイルに執拗な追跡を続ける。
クインケは捕縛に特化した尾赫[テトロ]と赫包をエンジンとして用いたチェーンソー型の鱗赫[ロッテンフォロウ]。
真戸 微(まど かすか)
故人。真戸 呉緒の妻、アキラの母親。「苗字が変わるのが嫌だ」と云う理由で呉緒を婿養子にする。安浦特等の同期であり、28歳で准特等に就任し教官職まで務めた人物。その経歴から今なお彼女と並んで称賛されることも多い。丸手[注 40]を班長としたチームで24区の捜査中に隻眼の梟と遭遇。班内で随一の実力者であったことから他のメンバーを逃がすために殿(しんがり)を務め殉職した。加えて死後、その遺体は無残に喰い散らされており、この過去が現在の呉緒の喰種に対する強烈な憎悪の根源となっている。
上等捜査官
真戸 呉緒(まど くれお)
声 - 大川透
20区担当の男性捜査官。真戸 微の夫(婿養子)、アキラの父親。1月24日生まれのみずがめ座。血液型A型。亜門のパートナー。不気味な雰囲気を漂わす中年男性で、常に手袋をはめている。喰種の駆逐を使命とし、妻の仇である隻眼の喰種への復讐を目指していた。少々風変わりではあるものの礼儀正しく部下や同僚への気遣いと思いやりに長け、家族への愛情も深い人物。一方で喰種に対する態度は一貫して残虐非道であり、心身に苦痛を与えることを至上とし反社会性の薄い個体であっても容赦なく殺害する。クインケの収集に執着する反面、数多の功績を挙げながらも昇進の意思がなかった[注 41]ことから職場内でも変わり者と見られていた。カネキを喰種として目を付け検査ゲートに連れ込むなど非常に勘が鋭く、「捜査で最終的に頼れるのは自身の勘」を信条としている。亜門に捜査官としての基礎を教えた人物でもあり、プロ意識も高い。コンビを組んだ当初は捕食事件の容疑者を勘で特定する捜査手法やクインケへの深い執着から亜門の不信を買うが、高い実力と的確な判断力から彼に深い信頼と尊敬の念を寄せられる。自身もまた亜門の熱意や能力を高く評価し、上等捜査官への昇進を幾度も上層部へ陳情していた。卓越したクインケ操術を有し、アキラが熟練までに一年を要した[フエグチ壱]や入手して間もない[フエグチ弐]を実戦で即座に使いこなしている。
笛口夫妻を駆逐した後、一家全員をクインケにすべくリョーコの遺体を餌にヒナミを誘き寄せ、トーカに深手を負わせるも二種持ちである彼女の赫子で手足を斬り飛ばされトーカに止めを刺されて殉職した。
クインケは鱗赫[フエグチ壱]や甲赫[フエグチ弐]、甲赫[クラ]、羽赫[ライ]等、多数所持していた。この内、[クラ]は亜門に、[フエグチ壱]はアキラの手に渡る。
『:re』では名前のみ登場。かつて有馬に対してもクインケの手ほどきをしており、ハイセも彼の口から真戸の名を知っていた。
平子 丈(ひらこ たけ)
声 - 近藤孝行
21区担当の男性捜査官。5月14日生まれのおうし座。血液型A型。家族構成は祖父母と柴犬。階級は上等ながら、その実力は准特等を凌いでいる。有馬とコンビを組んでいた時は彼の天才的な能力と言動に振り回されていた。梟討伐作戦では第三隊の班長を務め、カヤと交戦した。彼女曰く「なんの特徴もないクセに何故か強いタイプ」「村人その2のような顔」であり、駆けつけたカネキに対する助言の中で最も注意すべき捜査官として名を挙げられる。
クインケは鱗赫[ナゴミ1/3]であるが、過去に甲赫[ユキムラ1/3]を使用していたこともあった。
『:re』では上等捜査官に留まっているものの、平子班の班長として准特等率いる班を返り討ちにしたオロチの捜査を担当しており、上層部からも実力は認められている模様。オークション掃討戦ではかつて交戦経験のあるウタと再び対峙、左腕に深手を負う。作戦終了後、有馬班へと配属される。
富良 太志(ふら たいし)
声 - 木村良平
7区担当の男性捜査官。有馬の友人。妻子がいる。喰種レストラン突入チームに参加している。梟討伐作戦においては第二隊に所属。管轄場所の喰種殲滅が完了した旨を田中丸に報告した。
[JACK]では準主人公であり、校内で恐れられる不良だった。突如現れた喰種「ランタン」の襲撃で幼馴染であるリョウを失い、同じく親交の深いアキにも生涯残る後遺症を負わされる。[注 42]自身も襲われるが有馬の介入で一命を取り留め、二人の仇を討つべく彼と共にランタンの捜索を開始する。野球少年だった名残か、有馬と共に喰種探索に赴く際には武器として釘バットを持ち歩き、彼のサポートを行っていた。
『:re』ではS1班の一員として登場、ロゼヴァルト家関連勢力捜査を担当。囮捜査で誘き寄せた「ロゼ」をキジマやハイルらと共に迎え撃つ。若くして自身と同じ階級に就くハイルに一目置いており、彼女の戦闘を想起して「怖いほど優秀」と評するほど。トラウマに捉われ思い悩むシラズに自身の経験を交えた激励を送る。
クインケは甲赫[シュタイナー]と円柱状の尾赫[ランタン]。
田井中 寛和(たいなか ひろかず)
23区担当の男性捜査官。チノムツのパートナー。クインケは尾赫[ロク1/3]。
磯山 重司(いそやま じゅうじ)
嘉納の隠れ処への突入に参加した男性捜査官。篠原の指揮下で車谷と共に行動している。クインケは尾赫[シャク]。
下口 房(しもくち のぶ)
『:re』から登場。下口班の班長を務める男性捜査官。たらこ唇が特徴。ハイセを嫌っており、クインクスに対しても懐疑的な態度を示す。トルソーの住居捜索中にラビット(アヤト)の襲撃を受け、自身は生き延びたものの部下を全員失った。その後は新たな部下を率いてオークション掃討戦に参加、平子班と共にピエロマスクらと交戦した。月山家殲滅戦ではカナエに遭遇、直後に彼の攻撃で左腕と右手指を失う。部下の里見、戸賀に撤退を命じるが彼女らの最期を目の当たりにし、失意の中自身も首を捥がれて殉職。その首はカナエに持ち去られてしまった。死期の独白によると、幼少期は友人が少なかった模様。また、母親のことを気にかけていた。昔から自身の性格の悪さを自覚し、容姿に対してもコンプレックスを持っていたようである。
伊東 倉元(いとう くらもと)
声 - 高橋伸也
梟討伐作戦から登場した男性捜査官。初登場時は二等捜査官。11月11日生まれのさそり座。血液型O型。糸目の青年。平子班の一員であり、鉢川や平子、穂木と共にカヤと交戦。彼女からは「そこそこのパワーと機転が利く」と分析され、突如出現した隻眼の梟とも平子らと共に攻撃を仕掛け、渡り合っていたことから戦闘能力は決して低くないことが伺える。
『:re』では引き続き平子班の一員であったが一等捜査官に昇進している。ハイセやクインクスには友好的に接するが、彼が喰種として暴走した際には躊躇せずに攻撃し鎮圧した。オークション掃討戦ではピエロマスクと交戦。作戦終了後は上等捜査官へと昇任。班長であった平子が有馬班に異動になったため、彼の班員を引き継いだ伊東班の班長となる。月山家駆逐作戦では、クインクスらと共にノロと遭遇。交戦を開始するも自身と道端、武臣以外の班員を失い、赫子の直撃を受け肋骨を折り体外に露出する重傷を負う。作戦後、部下の大半を失ったことに酷く憔悴する様子が描かれている。
クインケは槍状の甲赫[センザ]。
半井 恵仁(なからい けいじん)
ジューゾー率いる鈴屋班の副班長を務める男性捜査官。初登場は一等捜査官。アカデミー次席卒業。白単翼賞を受勲している。鈴屋班に配属される以前は安浦班に所属しており、捜査技術の基礎を学んでいた。上司であるジューゾーに対しては慇懃な態度で接するが半兵衛や他の班員への対応は辛辣であることが多々あり、暴言を吐くこともしばしば。鳥類の観察を趣味とする。
オークション掃討戦では他の班員と共にビッグマダムに一斉攻撃を仕掛け、彼の討伐に成功。作戦後は特別功労者に認定され、上等捜査官に昇任。
クインケは甲赫[右][左]。
林村 直人(はやしむら なおと)[注 43]
『:re』から登場した男性捜査官。初登場時は一等捜査官。オークション掃討戦では上等捜査官率いる班に所属、管理棟にてナッツクラッカーと交戦。交戦開始直後に施設外に弾き飛ばされ転落するも階下の樹木がクッションとなったため、所属班内で唯一生き残った。その後ハイセやクインクスらと邂逅、合流するもタキザワの奇襲を受けシラズ・サイコと共に退避。和修政との通信により班の全滅を知り愕然とするもシラズを諌め、ナッツクラッカー討伐の任を受け再度管理棟へ向かう。管理棟ではシラズ、サイコらと連携。ナッツクラッカーの分離赫子の特性をシラズが見抜いたことにより彼女に攻撃を仕掛けトラップへ誘導。サイコの赫子で深手を負ったナッツクラッカーにシラズが止めを刺したことで討伐を果たす。作戦終了後は特別功労者に認定され、上等捜査官に昇進。ナッツクラッカーから作られたキメラクインケの所有権をシラズに譲った。
クインケは尾赫[セニング]。
伊丙 入(いへい はいる)
『:re』から登場した女性捜査官。宇井郡のパートナーであり、S1班副班長を務める。宇井の指揮の元、ロゼヴァルト家関連勢力捜査を担当、月山家殲滅戦にも参加する。愛称は「ハイル」。クインクス班員らと同い年であるが、アカデミーを経ずして16歳で入局しているため[注 44]、彼らにとっては先輩にあたる。柔和な雰囲気の人物であるが、非凡な戦闘能力を有し、若年ながら白単翼賞や金木犀賞を受勲。20区の梟討伐戦にも有馬班に所属し参戦していた経歴を持ち、ベテランの富良からも一目置かれている。囮捜査を用いて出現場所の特定に成功した「ロゼ」と戦闘を開始した際には驚異的な動体視力と反応速度を発揮し、対峙した松前の至近距離から繰り出された赫子を平然とかわし、彼女に反応する隙すら与えない速攻で負傷させた。その反面、若さ故か隙を突かれ不覚を取ることもあり、キジマの不意討ちに気を取られた間に松前らの逃走を許してしまい、捕縛されたユウマの所有権も得られなかった。 月山家殲滅戦ではキジマら先行隊を率い、内部の全喰種殲滅を掲げてルナ・エクリプスビルに突入。次々と喰種を駆逐し、屋上付近にて以前取り逃がした松前と再び交戦。彼女を圧倒するも、足を滑らせ体勢が崩れた所に赫子の直撃を受け、胸部に深手を負う。重体ながらも生存しており、[T-human]の遠距離射撃で松前に止めを刺さんとするも、マイロの介入によって阻まれる。彼に致命傷を負わせるも半身のみとなった彼の最期の特攻に対応出来ず、首と右腕を切断され殉職した。生前、同じく白日庭出身であるシャオとは親交があった模様であり、現在も彼女から慕われている。
クインケは太刀状の鱗赫[Aus]と[ナルカミ]に酷似した羽赫[T-human]。
穂木 あゆむ(ほぎ あゆむ)
梟討伐作戦から登場した女性捜査官。初登場時は一等捜査官。幼い子供のような容姿をしている。そばかすにコンプレックスを持ち、長く伸ばした頭髪で頭部全体を覆っている。小柄な体格を活かした俊敏かつ正確な攻撃を得意とし、その機動性は隻眼の梟の攻撃を回避できるほど。
『:re』では上等捜査官に昇進し、鉢川班の副班長となっている。調査のため流島へ赴いたところ、アオギリメンバーに見つかり交戦。タキザワや死堪によって班が壊滅したために、トオルと共に逃走を図ったが追ってきたトルソーによって海に投げ落とされる。その後帰還に成功し、班の壊滅とトオルの安否不明を報告した。
一等捜査官
瓜江 久生(うりえ くき)
#クインクス「Q's」を参照
六月 透(むつき とおる)
#クインクス「Q's」を参照
黒磐 武臣(くろいわ たけおみ)
『:re』から登場した男性捜査官。9月6日生まれのおとめ座。血液型B型。黒磐 巌の息子でウリエの同期であり、彼と同じくアカデミーを飛び級で卒業した特待生。愛称は「ブジン」。その経歴に違わず、若年ながらSSレート喰種の攻撃に対応する技量を持ち、倉元からは「特等の遺伝子」と呼ばれている。ハイセに憧れており、任務とはいえ刃を向けたことを悔いて謝罪を望んだり、彼のクインケ操術を「水のように流麗」と絶賛し手ほどきを受けたいと素直に告げるなど、無骨実直な性格は父親譲り。シラズやサイコ、トオルとも親交がある。オークション掃討戦ではピエロらと交戦。ガンボに[ツナギ]を折られ捕食されかけるが素手で拘束を解き、彼の首の骨を折り討伐する。掃討戦終結後は一等捜査官に昇任し、素手で喰種を駆逐した功績からウリエを上回る局内評価を得た。しかしハイセには何故か「喰種の首を捩じ切った」と誇張して伝わっている。小坂依子とは小学校時代の同級生であり、彼女の働くパン屋に訪れたことで再会を果たす。
月山家殲滅戦ではクインクスらと共にノロと交戦。捕食されかかったサイコを救出し、自身も果敢に立ち向かうもノロの戦闘能力と不死性に圧倒される。
クインケは尾赫[ツナギ〈hard〉]。
阿原 半兵衛(あばら はんべえ)
本編では『:re』から登場。13区所属鈴屋班の構成員。初登場時は二等捜査官。長身長髪の男性捜査官。ジューゾーのパートナーであり、常に右腕的存在でありたいと考えている。本編登場以前に[JOKER]に登場している。 [JOKER]では喰種相手に逃げ回る己の臆病さを情けなく思っていたが、ジューゾーの言動に勇気をもらい、捜査官としての一歩を踏み出す。
『:re』ではオークション掃討戦に参加、地下大倉庫にて先行してオークションに潜入していたジューゾーと合流。他の班員らと共にビッグマダムを追い詰め、赫子を切断する活躍を見せた。作戦終了後は特別功労者に認定され一等捜査官へと昇進。
クインケは羽赫[銀髑髏]。[注 45]
環 水郎(たまき みずろう)
本編では『JOKER』から登場。13区所属鈴屋班の構成員。オークション掃討戦に参加、地下大倉庫にて先行してオークションに潜入していたジューゾーと合流。他の班員らと共にビッグマダムを追い詰め、赫子を切断する活躍を見せた。作戦終了後は特別功労者に認定され一等捜査官へと昇進。
プリンを皿に移すことがうまくできない。
クインケは尾赫[beef]。
御影 三幸(みかげ みゆき)
『:re』から登場。13区所属鈴屋班の構成員。オークション掃討戦に参加、地下大倉庫にて先行してオークションに潜入していたジューゾーと合流。他の班員らと共にビッグマダムを追い詰め、赫子を切断する活躍を見せた。作戦終了後は特別功労者に認定され一等捜査官へと昇進。
宇宙に詳しく、普段の言動もそれらにまつわるものがほとんど。
クインケは尾赫[夢と宇宙]。
道端 信二(みちばた しんじ)
『:re』から登場。伊東班の副班長だが、伊東より年上。愛称は「ミッチー」。
月山家駆逐作戦ではノロと交戦。ノロからの攻撃で重傷を負った伊東に代わり伊東班、クインクス班を指揮し、[ナッツクラッカー]の攻撃で吹き飛んだノロの頭部に攻撃を加えるも、ノロの下半身から発生した赫子の不意討ちを受けて上半身と下半身が分断され、死亡した。
クインケは尾赫[アグレ]。
旧多 二福(ふるた にむら)
『:re』から登場した男性捜査官。2月29日生まれ。キジマのパートナー。本作第一部にも登場しており、上井大学で邂逅したトーカが喰種であることを見抜いていた。長身だが華奢な体格であり、言動からして一見気弱な性格のようである。
ロゼヴァルト家関連勢力捜査をキジマと共に担当。同捜査において囮役を務め、ロゼらを誘き寄せることに成功する。
月山家殲滅戦にもキジマと共に先行隊に所属、参加する。彼やハイルの殉職後に宇井に連絡を取り、援護を要請した後その本性を現した。今までの柔和な表情を捨て、口調も荒く人命をものともしない冷徹な姿を見せ、同僚である岡平を盾にして松前の攻撃を防ぎ、キジマのクインケ[ロッテンフォロウ]を用いて松前を駆逐、一部始終を目撃した捜査官も松前から剥いだ赫子で口封じに殺害し[注 46]、後からやって来た宇井に対しても虚偽報告を行い、凶行の真相を隠蔽した。月山家掃討戦後はハイセのパートナーとして活動し、高槻泉の喰種疑惑に関する調査を行う。その裏で有馬と共に「V」としての活動も並行しており、「V」の立場として、コクリアにいるエトと面会する中で、後述するような暗躍を行っていたことが発覚した。彼女によって和修家の一員であることも露呈したが公にはできないようであり、それを告げたエトに対して罵倒を繰り返し憔悴しきっていた。
実はピエロのメンバー、宗太その人である[注 47]。喰種のレストランにおいては「PG」と呼ばれ、亜美を食材として太らせレストランの解体ショーに誘い込んだ。月山とも面識があり、彼の会員名を用いて「MMさん」と呼ぶ[注 48]。リゼとカネキが遭遇した鉄骨落下事故を引き起こした張本人であり、このためにカネキは半喰種として生きることになってしまった。
ピエロとしての活動の他に、アオギリと通じ、死体護送車を襲撃させてシラズの死体を奪うように仕向けたり、そのアオギリの一員である嘉納個人へ喰種化の実験体を提供する、「V」の一員として活動するなど、人・喰種問わず多くの組織との繋がりを持ち、第一部より暗躍していた。リゼとは「V」に属する関係で古くから親交があり、それゆえに彼女は宗太として自分に鉄骨を落としてきたことに対し非常に驚いていた。
クインケは尾赫[ツナギ<custum>]。
馬淵 活也(まぶち かつや)
声 - 高橋伸也
対策Ⅱ課所属の男性捜査官。丸手の部下であり、軽口を挟んで丸手にたしなめられていることもある。またモニターを見ている時に涎を垂らす癖がある。戦況分析が得意らしく、梟討伐作戦では後方で各部隊の戦力配分の変更等を指示した。
『:re』では現時点では未登場。
車谷 東吾(くるまたに とうご)
嘉納の隠れ処への突入に参加した男性捜査官。篠原の指揮下で磯山と共に行動している。半赫者と化したカネキと戦った際には、初めて見る赫者に終始怖気づいていた。
クインケは羽赫[アブラガマ]。
岡平(おかひら)
『:re』から登場。ハイルの補佐官。
月山家駆逐作戦では、ハイル・キジマの死後に本性を現した旧多に松前への盾代わりにされて死亡。
里見 紫苑(さとみ しおん)[注 49]
『:re』から登場した女性捜査官。
月山家駆逐作戦では、下口班に配属されるがカナエに殺害される。
戸賀 美帆(とが みほ)[注 50]
『:re』から登場した女性捜査官。
月山家駆逐作戦では、下口班に配属されるがカナエに殺害される。
二等捜査官
滝澤 政道(たきざわ せいどう)
声 - 立花慎之介
20区担当の男性捜査官。9月10日生まれのおとめ座。血液型A型。法寺のパートナーで跳ねた前髪が特徴。アカデミーを次席で卒業しており、アキラとは同期。有馬と亜門に強く憧れており、彼らの関わった事件のスクラップ記事を全て集めている。局員補佐として働くヒデと親交がある。首席卒業のアキラや異例のスピードで自身と同じ階級に昇進したジューゾーには劣等感を感じており、特にジューゾーを疎んでいる。その為、両者に対して辛辣な態度で接することが多く、言い争いが絶えないが、梟討伐作戦でジューゾーの負傷を知った際には動揺しながら彼の容態を問い質していた。同作戦ではアキラと同じく第一隊に所属。 彼女や他の隊員らと共に喰種と交戦していたが、亜門の窮地を察するも班長補佐の任を負うために現場から動けないアキラに代わり、命令違反を承知の上で彼の救援に向かった。亜門および第四隊との合流には成功するものの、突如現れたタタラによって第四隊は壊滅。自身も亜門の制止を振り切り果敢に立ち向かうが、ノロに左腕を喰われた。その後提出された報告書では亜門と共に死亡扱いとなった。[注 51]
クインケは法寺から譲り受けた小型のクロスボウ状の羽赫[ドゥヒ]。
『√A』における梟討伐戦ではアキラが第四隊を援護するよう命を受けた為、原作とは逆に自らが現場を引き受け彼女を叱咤し、亜門の元へ向かわせた。その後、タタラとノロの急襲を受けて自身以外の隊員は全滅。壊滅的な状況下でタタラに立ち向かうも、圧倒され、ノロに捕食された模様。また、その現場を居合わせたヒデが目撃している。その後の消息は不明だが破損した[ドゥヒ]だけが法寺の元へ届けられたことから、亜門同様遺体は回収されていない可能性が高い。
梟討伐戦の後はアオギリに実験体として回収された模様であり、『:re』ではヨシムラベースの半喰種化施術における成功体「オウル成功体タキザワ」として登場。エトの指示を受けオークション掃討戦に参戦した。嘉納曰く「自信作」とのこと。かつて喰われた左腕は完全に再生しており、赫眼は左眼に発現。髪色が白髪となり、爪と唇は赤黒く変色している。[注 52]外見のみならず心理面も著しく変貌しており、人間性や倫理観を完全に喪失。捕食行為に対する抵抗を持たず、逡巡も一切見られない。対峙した相手を食物として捉え、捜査官の殺害を嬉々として行うなど、凄惨かつ狂気的な言動が散見される。喰種としての赫子は芳村同様羽赫であり、半赫者。戦闘時には左肩からブレード状の赫子を展開。赫子の刃による接近戦や羽赫の掃射による遠距離攻撃の双方に特化するが、基礎的な身体能力自体が並の喰種を遥かに上回っている[注 53]ため、赫子に頼らず近接格闘で相手を圧倒する場面も多い。治癒能力も極めて高く、ノロやエトの洗脳強化を受けたカナエ同様、欠損した四肢を傷口から発生した無数の赫子により瞬時に再生している。また痛覚が鈍化しており、回復の早さと相まって鱗赫の直撃を受けても平然と戦闘を続行できる[注 54]耐久性を獲得している。これらの特徴から攻防両面において絶大な能力を発揮、暫定SSレート以上と認定された。管理棟へ向かうクインクス班を急襲し、終始ハイセを圧倒するも、最終的に彼と相討ちとなり姿を消した。
掃討戦終結後はCCGに甚大な被害をもたらした「正体不明の喰種」として記憶され、流島へ調査に向かった鉢川らを襲撃する。
前述の通り、現在の容貌や性格から以前の面影は殆ど見受けられないが、人間時代及びに捜査官であった頃の記憶や縁の深かった人物に対する思いは未だ失われておらず、オークション相討戦においてもそれを裏付ける描写が多くなされている。また、前述のようにCCGからは「正体不明」とされてはいるものの、人間であった頃に親しかったアキラや法寺、更には関わりの描写のなかった鉢川でさえもその正体を看破していた。
五里 美郷(ごり みさと)
声 - 上田麗奈
13区担当の女性捜査官。背が高く不愛想な印象の女性。亜門に憧れているが、その裏返しとして彼に対して攻撃的に接してしまう。梟討伐作戦では第一隊に所属し、喰種と交戦した。作戦後に亜門が死亡扱いとなった際には涙を流し、彼の訃報を聞いても冷静さを失わないアキラに憤りを露わにする。
クインケは羽赫[エメリオ]。
『:re』では現時点では未登場。
不知 吟士(しらず ぎんし)
#クインクス「Q's」を参照
米林 才子(よねばやし さいこ)
#クインクス「Q's」を参照
梅野 雅巳(うめの まさみ)
『:re』から登場の男性捜査官。伊東班の班員。愛称は「ゴリみ」。
月山家駆逐作戦でノロに殺害される。
クインケは鱗赫[ブル]。
根津 安人(ねづ やすひと)
『:re』から登場の男性捜査官。伊東班の班員。
月山家駆逐作戦でノロに殺害される。
クインケは羽赫[メルト]。
階級不明
張間 トウコ(はりま トウコ)[注 55]
第一部開始時点で故人である為、亜門や篠原の回想にのみ登場する女性捜査官。亜門とはアカデミー同期にして友人であり、[ドウジマ1/2]は元来彼女の所有するクインケであった。亜門の回想から彼とは深い親交があったことが伺えるが、24区のモグラ叩きで殉職した。その後、彼女の遺品である[ドウジマ1/2]は亜門が所持する。篠原によれば正義感が強く、周囲への気配りを忘れない好人物であったようだ。
真戸(まど)
真戸 微の実父、真戸 呉緒の義父、真戸暁の祖父。呉緒の元・教官で、現在の状況は不明。
クインクス「Q's」

『:re』では彼ら視点で描かれることが多い。

瓜江 久生(うりえ くき)
一等捜査官。男性。2月12日生まれ。初登場時19歳。血液型O型。『:re』で狂言回しを務める。クインクス班現班長。愛称は「ウリエ」。初登場時は二等捜査官。
クインケは本来のものが破損した為、ブレード状の尾赫[ツナギ〈plain〉]を使用していたが、月山家殲滅戦後からはノロの赫包から造り出された尾赫[銀喰]を使用している。赫子は甲赫で右肩から腕全体を覆う形で発生し、赫眼は左眼に発現する。クインクスの中でも嗅覚に優れる。アカデミーを飛び級で卒業した特待生。感情表現の乏しい黒髪ショートの青年で、泣きほくろが特徴的。外出時にはヘッドレスイヤホンを付けている。毒舌家であり、台詞には()付きで本心で思っていることが描かれている。洞察力に優れ、トルソーがタクシー運転手である可能性が高いことを捜査初期から看破していた。過去に特等捜査官であった父親が部下を撤退させるために隻眼の梟と一人で対峙した結果殉職したことから、隻眼の梟を倒すために彼が所属していたS3班に昇進することに執着しており、特に同期の武臣に対しては自分と同じく特等捜査官であった父を持つ二世同士として、強い嫉妬心を抱いている。捜査官として高い能力を持つ反面、仲間意識が低く、対オロチ戦では他の班員を顧みず戦闘を続行しようとしたことを咎められ、ハイセから班長を外される。その後フレーム解放施術申請の許可をハイセに求めるが彼の了承を得られず、和修吉時局長に直訴。他のクインクス班がフレーム2であるのに対し、フレーム4にまで段階を引き上げた。オークション掃討戦では功績を得るために独断でマダム達を探し当て、トオル、ジューゾーとともに多数駆逐。単身ビッグマダムに挑むが一蹴され捕食されかかり、暴走状態に陥りながら再び突撃するも通用せず吹き飛ばされた。その後集結した鈴屋班に六月と共に助けられる。作戦後は特別功労者に認定され、木犀賞を受勲。一等捜査官に昇任したが、同じく一等捜査官となった武臣は自身を上回る局内評価を得た為、彼に対する嫉妬心を加速させることとなった。
オークション掃討戦でカナエや松前の逃走を許してしまった不覚や武臣への敵愾心からその後の半年間は単自の鍛錬に励み、体術やクインケ操術共に大きく力をつけている。カナエを筆頭としたアオギリ少数メンバーによる襲撃の際にもその手腕を遺憾なく発揮、その成長は再び対峙したカナエを驚愕させた。彼女を圧倒し負傷させた後はトオルの援護に駆けつけ、墓盗りとも互角に渡り合った。
月山家殲滅戦では伊東班と共にノロと交戦。クインクスらと連携するも彼の反撃を受けて負傷。しかし、攻撃を免れ奮戦しノロに渾身の一撃を叩き込んだシラズから後を託され、再生が完了する前に赫子の斬撃で完全にとどめを刺し、討伐に成功。度重なる交戦で仲間意識が改善されており、月山家殲滅戦ではそれが顕著となっている[注 56]。シラズの最期を看取り、彼の殉職に伴ってクインクス班班長に再び就任。殲滅戦終結後は強奪されたシラズの遺体を取り戻す決意を固め、新たな班員を迎えてアオギリの樹への対処に当たる。強く非難していた政に対しても遜った態度をとり、彼の後を追えばゆくゆくはS3班の班長になれると画策しているなど出世に対する執着は変わらない。しかしそれは以前のような復讐心のみに由来するものではなく、シラズの遺志に反すると承知しながらも、彼に代わり妹・ハルの治療費を支払い続けるという想いが含まれており、トオルやサイコらと共に「彼の死を忘れない」と明言している。
不知 吟士(しらず ぎんし)
二等捜査官。男性。3月8日生まれ。初登場時19歳。血液型A型。『:re』でウリエと同様狂言回しを務める。クインクス班元班長。愛称は「シラズ」。初登場時は三等捜査官。クインケはウリエと同じ尾赫[ツナギ<plain>]だったが、月山家殲滅戦では尾赫と甲赫のキメラクインケ[ナッツクラッカー]を使用。大型二輪と普通免許を所有する為、バイクを移動手段として使っており、捜査対象の追跡にも用いられる。赫子は羽赫でミサイルのような形状をしている。赫眼は右目に発現する。金髪で三白眼、鮫のような歯を持つ青年。その性格は良く言えば「素直」、悪く言えば「バカ」であり、ウリエの嘘を間に受けるなど抜けた一面がある。しかし、外見や粗暴な言動とは裏腹にクインクス班内で特に強い仲間意識を持ち、トルソー戦ではトオルを庇って班長であるウリエに撤退を進言するなど、任務の遂行よりも仲間の安全を優先する傾向にある。その一面をハイセに評価されクインクス班の新班長に任命された後は、引きこもっていたサイコに同行し捜査会議に参加させるなど、不慣れながらも班長としてメンバーを統率する姿勢を見せる。また、この性格からハイセやトオル、サイコとの関係は良好であるが、正反対の性格であるウリエとは互いに反目し合っている。度々金銭に対する執着を露わにしていたが、それは妹であるハルの罹患した難病に由来するものである。その治療費を捻出する為にクインクス施術を受けた経緯が明かされ、喰種の報酬金を気にする様子も見られた。オークション掃討戦では林村・サイコと連携してナッツクラッカーと交戦。分離赫子の特性を見抜き、聴覚をソナーとして仕掛けられた箇所を正確に把握。林村や自身の攻撃でナッツクラッカーをトラップまで誘導、自滅させ、サイコの援護もあり彼女の討伐に成功した。作戦後は特別功労者に認定され、二等捜査官に昇任した。掃討戦後からは、林村が所有権を譲ったこともあり、二種持ちであるナッツクラッカーから作られた天然のキメラクインケを所有する。しかし、彼女が初めて討伐した喰種であったことやその最期がトラウマとなり、支給された際もアタッシュケースを開けることすらままならず、アオギリ少数メンバーによる奇襲の際も使用できなかった。同事件においてはウリエと共にカナエと対峙。赫包を攻撃された為、赫子を封じられてしまい、対抗手段が無くなってしまう。その後はウリエの指示もあり、トオルの援護に駆けつけた。
月山家殲滅戦では、ハイセから班員らの統率を任され、ノロと交戦。トラウマを克服し[ナッツクラッカー]でノロの身体を爆散するが、再生した彼の猛攻により対峙した捜査官はほぼ壊滅。自身はそれを唯一回避する事に成功したため単独で奮戦。無意識の内に自力でフレーム開放を行い、羽赫の一斉射撃を叩き込むもとどめを刺すには至らず、致命傷を負いながらもウリエに討伐を託し、駆逐に貢献した。その後は肉体の再生こそ行われていたものの傷の深さや失血の多さから治癒が追いつかず、ハルの安楽死をウリエに頼み、彼とサイコに看取られながら息を引き取った。これにより、クインクス班班長は再びウリエとなった。戦後、その遺体はアオギリの樹に奪われ、嘉納により解剖された模様。
六月 透(むつき とおる)
一等捜査官。12月14日生まれ。初登場時19歳。血液型AB型。愛称は「トオル」。初登場時は三等捜査官。両利きである為、クインケはナイフ状の鱗赫[アブクソル]と[イフラフト]であり、戦闘時はこの二刀を同時併用する。赫子は尾赫。線の細い容姿をしており、褐色の肌と右眼の眼帯が特徴の女性。気が小さく血を見るのが嫌い。一人称は「俺」。両親と兄を喰種に殺されており、アカデミーに保護された過去がある。その時に「女としての存在」である自分を嫌悪していることを告白し、本人の希望もあって、「女性」としてではなく「男性」として生きていくことになった。アカデミー生時代、クインケ操術の講師として度々講義に訪れていたのが後の上官となるハイセであったことから、捜査官となった今も彼を「先生」と呼び、慕っている。赫眼を制御出来ておらず右目に常時発現しており、眼帯で隠している。またクインクス班内で最もRc値が低いためか筋力や俊敏性の強化は見られず、赫子を出すこともできない。
オークション掃討戦ではジューゾーとともに囮役を務める。その後瓜江と共に大量の喰種を発見。同時にジューゾーとも合流し、彼らと共に喰種達との戦闘を開始する。途中、駆逐対象であるビッグマダムを発見。しかしマダムの護衛に一蹴され、更に暴走したウリエからも誤って攻撃された。しかし、それを機に尾赫の赫子が覚醒。その後は瓜江と共に鈴屋班に救われる。作戦後は特別功労者に認定され、二階級特進を果たした。なお、オークション戦以降はコツを掴んだらしく自在に赫子を発現させることができるようになった。
アオギリ少数メンバーによる襲撃の際は、奇襲を受けたハイセの援護に回ろうとするも、彼の指示を受けウリエやシラズの元へ向かった。途中、トルソーと遭遇した為、戦闘能力の低いサイコを避難させ彼との交戦を開始。彼を負傷させ互角に渡り合うが墓盗りの援護により致命傷を与えるには至らなかった。彼女に対しては赫子を発現し応戦するも、尾赫同士の力比べに持ち込まれ、窮地に陥る。しかしウリエやシラズら増援が到着したため墓盗りは撤退。ハイセとも合流しサイコの救援に駆けつけた。
月山家駆逐作戦ではノロと交戦するも、ノロの反撃を受けて戦闘不能に陥る。作戦後は複数の班を転々としながら各班の補佐を行い、現在は鉢川班に配属されている。アオギリの樹の拠点として疑われる無人島・流島に調査隊として鉢川らに同行。クインケ操術が格段に上達しており穂木とのコンビネーションも抜群であったが、タキザワと死堪の猛攻に劣勢を強いられる。鉢川が殉職したことで敗北を悟り、穂木と共に逃走を図るが追ってきたトルソーによって拉致され、四肢を切断された拘束状態にある。
米林 才子(よねばやし さいこ)
二等捜査官。女性。9月4日生まれ。初登場時20歳(なりたて)。血液型B型。愛称は「サイコ」。クインクスのメンバーの中で心理描写が極端に少ない。初登場時は三等捜査官。クインケはハンマー状の甲赫[ぼくさつ2号]。赫子は鱗赫であり、その性質やクインクス適性の高さから班内随一の火力を持つ[注 57]が、日頃の鍛錬を怠っている為か体力の消耗が激しく、持続力に欠ける。ウリエ同様嗅覚が鋭く、赫眼は左眼に発現する。タイピング検定1級を所持。似た容姿の兄がいる。ダウナーな雰囲気とツインテールが特徴的なやや肥満気味の小柄な女性。経済難を抱えた母の元で育ち、学費が安いという理由でCCGアカデミーに通わされていたため、彼女自身に元来喰種捜査官になる意思は無かった。しかし、アカデミージュニアを対象に行われたクインクス施術適性テストにて候補者の中で最高の適性を示し、施術を受ければ多額の補償金が出ることを知った母の一存で自身の意思とは無関係に捜査官になったという過去を持つ。そのためか任務や捜査に対する意欲が見られず、非常に消極的である。面倒見の良いハイセを「ママン」と呼び、彼に懐いている。捜査官ながら半ニート状態で、ゲームをしながらお菓子を食べるという自堕落な生活を送っておりアニメ・漫画・イラスト・フィギュア収集・ネットサーフィン・地下アイドルなどのサブカル系趣味を持つオタクでもある。そのためか、会話の際にはネットスラングを多用する一人称の安定しない独特の口調を用いる。引きこもっていたのはウリエの班長命令を違う意味で解釈したからという理由もあったが、彼からの警告(実は嘘)を受け、危機感を感じ始めている。ナッツクラッカー調査任務以降は寝坊しながらもシラズに同行されて捜査会議に参加するようになり、ハイセとクインクス班による囮捜査の際も男性陣を女性に変装させるなど、引きこもっていた以前よりは多少の積極性を見せ始める。オークション掃討戦ではシラズの策により動きを止められたナッツクラッカーに対し赫子を用いた一撃で戦闘不能に至らしめ、彼女の討伐に貢献。管理棟の制圧にも成功し、同室モニターから管理棟付近のハイセが蹂躙される様を目撃。彼の元へ向かうが、現場の凄惨さに恐怖し、その場から動けず立ち竦むばかりだった。意を決してタキザワに立ち向かうハイセを涙ながらに制止するが振り切られ、後の死闘とその決着を見届けた。作戦後は特別功労者に認定され、二等捜査官に昇任した。
クインクス班がアオギリ少数メンバーによる襲撃を受けた際はトオルの指示もあり、建物裏に避難、待機していたが死堪と遭遇。身動きを封じられ捕食寸前まで追い詰められたが、突如現れた「ローブの大男」による奇襲で死堪は圧倒され負傷。撤退を余儀なくされた為、結果的に彼に窮地を救われる形となった。ハイセらが救援に駆けつけた際、その「恩人」は姿を消していたが、サイコは彼を「黒いおっきい人」と記憶。後にアキラから彼について聴取を受けた模様。
月山家殲滅戦では、ノロと戦う。強力な赫子の一撃によってノロを真っ二つにしたが再生されてしまい、鍛練不足による体力消耗で一時戦闘不能に陥った。シラズとウリエの連携でノロの討伐が成された後は致命傷を負ったシラズにウリエと共に寄り添い、彼の最期を号泣しながら看取った。殲滅戦終結後もそのショックは癒えず、シラズの墓前で悲嘆に暮れていた。シラズの死から半年後にはクインクス班の副班長となっており、ウリエの補佐を行いながら後輩らの手本としても活躍する。ツインテールはかなり短くなり、鍛練を重ねたのか赫子を使用した後も疲弊した様子は見られず、平時と変わらず軽口を叩ける程度には体力や赫子の持続性が向上している。また、髯丸とはゲーム仲間でもある模様。
髯丸 トウマ(ひげまる トウマ)
三等捜査官。月山家殲滅戦後より新たにクインクス班に参加した男性。血液型はO型。初登場時18歳。第一アカデミー特待生。赫子は尾赫で、クインケも同じく尾赫の[髭鬼丸]を使用。髪型は横分けで、ピンク色に染めている。調子のよい性格をしており、軽い言葉ながらも米林や瓜江を尊敬している旨を話す。髯丸家は名家である事に加え、その血筋には警察や消防隊など人命に関わる職種の者が多く、彼もその血を引いているためか正義感は強い。
小 静麗(シャオ ジンリー)
一等捜査官。月山家殲滅戦後より新たにクインクス班に参加した女性。血液型はB型。初登場時18歳。赫子は甲赫で、所持クインケは鱗赫[グアイ1/4号]。台湾出身で幼少期に日本へ渡り来た。英名「ジーニー・シャオ」[注 58]。ハイルと同じく白日庭で英才教育を受けた人物であり、彼女に次ぐ才能を持つと評される。特に体術に優れており、組み手で彼女の右に出る者はいなかったらしい。事実Sレート喰種を駆逐した証である白単翼章を受章している。瓜江の[銀喰]の威力を目の当たりにし、その性能を羨んでいた。生前のハイルとは親交があり、彼女を「姉さま」と呼び、慕っている。クールな言動とは裏腹に可愛いものには目がなく、甘えてくるサイコに対してハイルと重ね合わせ、日常的に耳かきを行っているようだ。
安浦 晋三平(あうら しんさんぺい)
二等捜査官。月山家殲滅戦後より新たにクインクス班に参加した男性。血液型AB型。初登場時18歳。赫子は羽赫で、クインケは尾赫[ツナギhard]を使用している。前髪が目を隠すほど長く、控え目な性格である。安浦 清子の甥であるものの、アカデミーを首席で卒業した彼女とは違い成績は振るわず戦闘力は高くないが、第七アカデミージュニアの特待生としてCCG入りをしている。彼女とは二人で食事に行ったりなど交流があり、親族としての関係は良好。釣りを嗜むが、餌をつけずに糸を垂らしているのを好むという一風変わった趣味を持つ。
局員捜査官
中島 康智(なかじま やすのり)
声 - 大黒和広
20区所属の男性捜査官。後輩の草場とパートナーを組んでいたが、彼の殉職後は亜門とコンビを組むことになる。
草場 一平(くさば いっぺい)
声 - 村田太志
20区所属の男性捜査官。三等捜査官で中島とコンビを組んでいた。亜門の正義感に触れ尊敬していたが、トーカに襲撃されて殉職する。
累沢 (るいさわ)
声 - 小堀友里絵
20区所属の女性捜査官。情報部所属でカネキとトーカが情報提供を偽装した際に彼らを担当した。人当たりのいい軽い性格であるが、カネキらにヒナミのような幼い「喰種」でも駆逐は当然と言うなど、捜査官としての使命感は亜門らと共通している。
捜査官補佐
永近 英良(ながちか ひでよし)
#民間人を参照
CCGアカデミー
戸影 豪正(とかげ ごうまさ)
第二アカデミー教官戦闘訓練担当。顔面の広範囲に大きな傷が広がっている。人差し指を親指で押して鳴らす癖があり、のちにこの癖はヤモリを通じてカネキ(ハイセ)やナキ、白スーツ等にも受け継がれている。
過去にコクリアの尋問官を務めており、ヤモリに長きに渡って拷問を行っていたが隙を突かれて反撃に遭い、逆に自分が拷問を受け、顔面に大怪我を負わされる。その後、CCGアカデミーに移籍し、陰で動物虐殺を行っていたが、その現場をジューゾーに目撃される。しかし、CCGの対面が悪くなることを恐れた他の職員達によりジューゾーに濡れ衣を着せ真相を隠蔽したため、ジューゾーと黒奈や奈白等の他の候補生との溝を深める原因となった。
『:re』にも登場。講師として第二アカデミーに来たハイセに闇があると思われる。また、トオルとの因縁が示唆されている。
その他の職員
地行 甲乙(ちぎょう こういつ)
声 - 川田紳司
CCGの主席研究員であり、ドイツの喰種研究機関、GFGに所属していた経歴を持つ。亜門の[ドウジマ]に修繕と強化を施すも、彼に対し設計を担当したのはアキラであることを伝え、彼女の能力を賞賛している。梟討伐作戦においては[ドウジマ・改]と[アラタ・弐proto]を携えて亜門の元へ駆けつけた。
『:re』にも登場し、シラズのクインケ[ナッツクラッカー]を作成。希少な天然のキメラクインケであることから普段以上に熱意を持って作成にあたり、シラズに[ナッツクラッカー]の能力を説明していた。
柴(しば)
『:re』から登場。CCGで勤務する医師。ハイセとクインクスの主治医。

喰種の協力者

嘉納 明博(かのう あきひろ)
声 - 乃村健次
嘉納総合病院の医師で教授を務めている初老の男性。瀕死の重傷を負ったカネキを手術した後、カネキの担当医としてしばらく診察をし、その後姿をくらましていたが東京郊外の地下のラボに潜伏していた。元CCG解剖医で、回収したリゼを利用して秘密裏に様々な実験を行っていた。カネキやシロ・クロを半喰種化させた張本人で、アオギリの樹の目的に必要な重要人物とされている。短期間で急成長したカネキを「最高傑作」として賛美し、彼に強い関心を示している。
後にカネキと再会し、ある目的のために一緒にアオギリの樹へ行くよう説くが拒否され単身アオギリへと向かう。
『:re』ではオークション掃討戦から登場、エトに半喰種となった滝澤の実戦投入を提案する。CCGの研究員・地行甲乙の技術力の高さを評価しており、「喰種研究における天才」と称賛する程。また自身の行っていた赫包の移植による半喰種化施術より簡単で成功率も高いクインクス施術に着眼し、構想を練っている模様。[注 59]オークション掃討戦によって駆逐されたナキの部下、ガギとグゲを解剖した結果、赫子不現症であることを突き止めた。それと同時にガギとグゲの潜在的なRc値の高さに興味を持ち、ナキにガギとグゲの赫包を用いたクインクス施術の話を持ちかけ、快諾を受ける。[注 60]

民間人

永近 英良(ながちか ひでよし)
声 - 豊永利行上田麗奈(子供時代)
カネキの親友。上井大学に通う男子学生で愛称は「ヒデ」。カネキが人間としての感情を持つ中で柱となっている人物。カネキとは正反対に活発な性格で、友好関係が幅広くなぜか周囲に喰種が多い。小学生時代にカネキに話しかけたのがきっかけで親友となる。あんていくの常連客で、トーカに興味を抱いている。陽気でおおざっぱな性格であるが他者の微かな機微に気付く鋭い洞察力を持ち、真戸の殉職の件もほぼ完全な推理で事件の本質に辿り着いている。
喰種の事件に興味を持ち、新聞の切り抜きを集めたり、小倉の著書を読んだり、ヤモリに発信機を付けてアオギリの樹のアジトの場所を特定するなどして独自に捜査を行っていた。CCGにアルバイトとして働いており局員補佐として採用されたが、アオギリのアジトの情報を匿名でCCGに提供をしたことが丸手に知られ、彼の判断で捜査官補佐となり、亜門とアキラのサポートを行った。
梟討伐作戦では丸手の補佐として参加。地下道で半赫者となったカネキと再会し、彼が喰種となったことに気づいていたことを明かし、もう一度だけ戦うよう励ました。その後は消息を絶ち、提出された作戦報告書でも行方不明となっている。
『√A』における梟討伐作戦では、滝澤の部隊がアオギリに襲われる現場に居合わせており、ノロに襲われて深手を負いながらも何とか逃げ延び、亜門との戦いで相討ちとなったカネキを救出するも、あんていくで彼と一時を過ごした後に息を引き取った。彼の遺体はカネキにより運ばれ、CCGの元に返された模様。
『:re』でも彼の所在は明らかになっていないが、前作で彼が金木研名義で入手した高槻泉のサイン色紙入りの本がクリスマスにハイセの元へ送られてきている。
小説版においてもカネキが喰種となったことに確信を抱いており、彼が他の生徒らに疑われないよう、人知れず守っていた。
小坂 依子(こさか よりこ)
声 - 赤﨑千夏
トーカの親友。清巳高校の女子生徒。トーカのことを常に心配しているが、彼女の正体には気付いていない。調理師を目指しており、たびたび料理をトーカに食べさせている。
『:re』ではパン屋の店員になっている。シラズ、サイコ、武臣と邂逅し、武臣と小学校時代の同級生であったことが明かされた。
西野 貴未(にしの きみ)
声 - 小堀友里絵
ニシキの恋人。上井大学医学部医学科二年生。10月1日生まれのてんびん座。血液型O型。家族が旅行中の事故で全員死亡し、精神的に追い詰められたところをニシキに話しかけられたのをきっかけに恋人になる。ニシキが喰種であることを知っており、必要があればニシキの食糧になる決断ができるほど献身的な愛情を持つ。しかし、あんていく掃討戦を切っ掛けに、ニシキは彼女と決別した模様。
『:re』では現時点では未登場。
田畑(たばた)
トーカと依子の高校の同級生。ネガティブな発言ばかりする。
田口(たぐち)
声 - 上田麗奈
入院していたカネキの担当をしていた看護師。嘉納の裏の顔を知っていたためにアオギリの樹に拉致され、タタラに拷問を受けた末に殺害された模様。
小倉 久志(おぐら ひさし)
喰種研究家の男性。他人を小馬鹿にするような態度を取っている。度々テレビに出演しており、喰種関連の著書も出版している。しかし、篠原からは「喰種の研究者ではなく、自分なりに掻き集めた情報を吹聴するだけの『喰種フリーク』であり、市井の人々に誤解を与える困った人」と評されており、実際彼の推理は外れているものが多い。
『:re』では月山家殲滅戦後に再登場。「王のビレイグ」発表の際に感想を求められていたが、上から圧力がかかっているらしくコメントを控えていた。喰種に対する興味から、保護団体として活動する側面も描かれている。
小鉢(こばち)
グルメ雑誌の編集者の男性。御手洗に騙され喰種のレストランに連れ込まれた。ハプニングレストランだと信じていたため、最初に食材としてタロちゃんに解体されるまでほぼ無抵抗だった。
亜美(あみ)
肥満体の女性。宗太に騙され喰種のレストランに連れて込まれた。本人曰くかつてインターハイにまで出たこともあるランナーだったらしい。身を挺して自身を庇おうとしたカネキを足蹴にして囮にしようとするが、結局自分が狙われてしまう。しぶとく逃げ回るも捕えられ、食材としてタロちゃんに熱した鉄板に押し付けられた。
カネキの母
声 - 高橋理恵子
夫を早くに亡くし、女手一つでカネキを育てていたが、姉からの金の無心に応じ続けていたこともあり過労死した。生前、カネキに自己犠牲を尊ぶように教えた。
『:re』ではハイセの中のカネキの回想にのみ登場。実はカネキに児童虐待を行っていた事が判明した。
浅岡(あさおか)
カネキの伯母。妹であったカネキの母が亡くなった後、間接的に死なせた償いからカネキを引き取るが、かねてから妹に対する劣等感を抱いておりカネキの成績が息子を越えたことをきっかけに敵愾心を向けるようになり、彼に対して心理的虐待ネグレクトを行うようになった。
佐藤(さとう)
中年の女性。霧嶋一家と滝澤一家が暮らしていた住宅街の近所に住んでおり、トーカとアヤトからは「佐藤のおばちゃん」と呼ばれていた。霧嶋一家とは友好的な関係を築いていたが、CCGから一家の正体を知らされ、駆逐に協力した。その後は喰種に殺害されており、このことが滝澤が捜査官を目指すきっかけとなった。
安久 七生(やすひさ ななお)
貿易会社「スフィンクス社」の社長だった資産家で、クロナとナシロの父親。外国からRc含有液の輸入を行い、CCGに売り捌いていた。喰種に殺害されたとされているが、亜門はその死にはCCGが関係していると推測している。
川上 雫(かわかみ しずく)
声 - 上田麗奈
CCGアカデミー候補生であった心優しい性格の少女。ジューゾーやクロナ、ナシロと同じ施設で局員捜査官を目指していたが、身体が弱かったため病死した。
憂那(うきな)
声 - 寿美菜子
かつて「功善」と名乗っていた頃の芳村が出会った女性。正体を知りながらも功善と愛を育み、エトを産むため妊娠中に人間の肉を食らうほど彼を愛していた。しかし彼女自身の正体は功善の所属していた組織を追うジャーナリストであり[注 61] 、それに気づいた組織の命令を受けた功善の手で殺害された。最期の時ですら功善を恨まず、それどころか「自分が死ぬことでまた功善が一人になることが心配」と気にかけていた[注 62]
『√A』では、功善と共に組織から逃亡する中で、組織の刺客に殺害された。
滝澤 聖奈(たきざわ せいな)
滝澤の妹。晴南学院大学1年。梟討伐作戦直前に母(声 - 川﨑芽衣子)と共に登場した。派手な身なりをしている。珍しく兄が帰宅していることに驚いていたが、自身も友人と外食することが多く、あまり家にはいない模様。
アキ
声 - 大久保瑠美
[JACK]に登場。富良の妻でありかつての不良仲間。少女時代にランタンによって襲撃され、殺されはしなかったものの片目を失明している。その後は富良と結婚し一児の母となっている。
リョウ
声 - 鈴木達央
[JACK]に登場。富良のかつての不良仲間。13区で暴走行為を続けていたが、ランタンに襲撃され殺害される。
痴漢の男
[JOKER]に登場。電車内で少女に痴漢行為をしていたところをジューゾーに止められる。少女の正体は鈴屋班が追跡していた喰種集団「スカルマスク」のリーダーであり、電車から降りた後、彼女に利き腕を切断され捕食されかけるが追跡していたジューゾー、半兵衛に発見され彼女が彼らと交戦、駆逐されたことで命を救われる。
掘 ちえ(ほり ちえ)
声 - 潘めぐみ
小説[日々][空白]に登場する、童顔で小柄な女性。月山と同じ高校に通っており、食事風景を撮影しているところを見つかってしまい、彼と共に行動するようになる。月山が喰種だと知っても全く驚かなかった。
本編では『:re』から登場。小説より数年経過しているため年齢は24歳だが、容姿はほとんど変わらない[注 63]。愛称は「ホリチエ」。飄々とした性格の変わり者で、写真を撮るのが好きな撮影マニアでもある。クインクスのウリエとシラズに接触し、ハイセの私物と引き換えにトルソーに関係する情報を渡した。月山の症状を回復させるために尽力するも、今までの不法行為がCCG側に露見し追われる立場となっている。
月山家殲滅戦後にはトーカ、ヨモの協力の下で捜査官に駆逐されそうになった月山を救った。
彼女の言動は自身の死への恐れからきており、自分が今死んでもいいと思える瞬間に死ねるよう常に楽しい時間を過ごしていたいという。喰種である月山と親しくなったのも一緒にいるのが楽しいからで、究極の美食を求める彼は掘を求道者と認め、種族間を超えた友情を育むこととなる。
塩野 瞬二(しおの しゅんじ)
高槻泉のマネージャー。見た目通りに気弱な性格で、奔放な高槻に振り回されている。
『:re』では月山家殲滅戦後に登場。高槻を喰種と知っていながら匿っていた容疑をハイセと旧多にかけられ、CCGに連行される。回想によると、わずか14歳で出版社に数百ページにも及ぶ原稿を持ってきたエトを、その年齢から軽んじてまともに取り合わず追い払うが、その原稿を見た上司に「逸材を逃がした」ことを激怒され、必死になって探し出し高槻泉としてデビューさせたようである。回想の終盤では高槻の自宅にて偶然食料である人肉を発見、その様子を彼女に見られたが特には気にも掛けられず、塩野本人も公にすることはなかった。度重なる事情聴取により精神が疲弊してしまい、その事実をCCGに打ち明けたことで高槻は喰種である可能性が濃厚になり、身柄を拘束されてしまう。
自身の供述によって高槻が喰種として拘束されたことへの罪悪感からか、彼女の最新作「王のビレイグ」出版のために奔走し、無事成功する。しかし、喰種の秘匿容疑及び、「王のビレイグ」の内容(喰種を正当化し、同時に和修家を暗に批判するもの)からCCG上層部の逆鱗に触れてしまい、旧多によって殺害され、遺体は高槻へ提供する食料として加工されるという凄惨な最期を遂げてしまった。
和修 伊予(わしゅう いよ)
政の妻。名家の出身だが、政には「仕事の話を理解できないつまらない女」として内心疎まれている。
小説のみ登場
木山(きやま)
[日々]に登場。上井大学のオカルト研究会の部長。気さくな性格をしたのっぽの男性。ヒデがカネキの異変に勘づいた頃に知り合い、強制的にヒデをオカルト研究会に勧誘した。独自に喰種の調査を行っている。カインに襲われるが、ヒデに助けられた。
三晃(さんこう)
[日々]に登場。上井大学のオカルト研究会の一員。陰気な性格をした長髪の女性。木山と共に行動しており、喰種疑惑のある人物のリストを作成していた。カインの襲撃に遭うが、ヒデに助けられた。
眉原 (まゆはら)
[日々]に登場。トーカと依子のクラスメイト。女子グループのリーダー格であり、自分よりも家庭的な依子が気に入らず絡んでいたが、ある一件を境に堪忍袋の緒が切れたトーカに顔スレスレに拳を叩きこまれ、怯えて地面に倒れ込む。

クインケ一覧

羽赫クインケ

エメリオ
五里美郷が所有するライフル型のクインケ。
ナルカミ
有馬貴将が所有するクインケ。S+レート。
雷撃を思わせる弾丸を発射する。ホーミング機能も持つ為、回避は至難の業。遠距離からの狙撃を得意とするクインケだが、モードチェンジによりレイピアのような形状に変形し、近接戦闘にも使用可能。
ホロウ
法寺項介が所有するクインケ。
着弾すると数秒後に爆発を起こすRc細胞の弾丸を発射する。
ドゥヒ
滝澤政道が所有する小型のクロスボウのような形状のクインケ。赤舌連所属のフェイと呼ばれる中国系喰種の赫包から造り出された模様。元々は法寺の所有していたクインケだが、滝澤に譲られた。
ハイアーマインド(高次精神次元)/天使の羽ばたき(エンジェルビート)
田中丸望元が所有するクインケ。
広範囲かつ高威力の衝撃波状の赫子を発生させ、対象の一挙殲滅が可能。羽赫クインケの中でもエネルギー消費が激しいようで、常に補給機が取り付けられている。モードチェンジにより近接戦闘にも使用でき、この状態であればクインケ内のエネルギーで稼動することが可能。
T-Human(ティー・ヒューマン)
伊丙入が所有するクインケ。S+レート。[ナルカミ]と外見が酷似しており、雷撃を思わせる赫子の形状もほぼ同一。
高威力であり、直撃すれば喰種の半身を分断する程。

甲赫クインケ

ドウジマ1/2
亜門鋼太朗が所有する金棒型クインケ。元々は彼の同期である張間が所有していたが、彼女の殉職後は亜門が使用している。初めてカネキと戦った際に破壊されたが、アキラのアイディアを基に修復と改良を施されたキメラクインケ[ドウジマ・改]となる。『√A』で描かれた梟討伐作戦では[ドウジマ]の形状がやや異なる。通常時は以前用いていた棍棒状のクインケであるが、ギミックを発動することで右腕に手甲を纏わせ、長大な槍に斧の刃が合わさったような形状に変化する。
フエグチ弐
真戸呉緒が所有する盾型クインケ。笛口リョーコの赫包から造り出された。
拡張性に特化し、高い防御性能も有する。
クラ
亜門鋼太朗が所有する大剣型クインケ。元々は真戸呉緒が所有していたが、彼の殉職後はその遺言に従い、亜門が使用している。
持ち手を分割して刀身に接続することで二刀流の剣に変形する。また、分割した[クラ]の一方を遠投しても意図的に形状を崩壊、再帰させることで瞬時に手元へ戻すことが出来る。
梟討伐作戦でカネキに破壊された。
アラタ
篠原幸紀、黒磐巌が所有する鎧型クインケ。SSレート。霧嶋新の赫包から造り出された。
極めて高い防御性能を持ち、並の喰種の攻撃ならば歯牙にかけない程の頑丈さを誇る。
アラタproto
赫者のクインケの試作品として開発されたもの。装甲が不揃いで全身を覆っていない。
使用者の肉をクインケに喰わせて身体能力をブーストさせる機能を持つが、制御が不完全な状態にある。
アラタβ 0.8
[アラタproto]がバージョンアップされたもの。
アラタ弐proto
[アラタ]の量産モデルとして開発されたもの。本来は篠原らの[アラタ]が破損した際の予備として用意されたクインケであったが、地行の判断でムカデと交戦する任を受けた亜門に渡され、使用される。
自動着脱式のクインケであり、身体能力のブースト機能が常時発動している。使用者の膂力や敏捷性を飛躍的に上昇させる反面、肉体にかかる負担も非常に大きく、肉体的に優れた亜門ですら全身から血を流して戦っていた。
梟討伐戦にてカネキに破壊された。『√A』では未登場。
ユキムラ1/3
サーベル型の3分割されたクインケ。Bレート。学生時代の有馬が使用していたもので、後に平子に受け継がれ、現在はハイセが使用している。
IXA(イグザ)
有馬貴将が所有するランス型クインケ。S+レート。
遠隔起動させることで地面から赫子を発生させて攻撃でき、トラップのように使用することも可能。モードチェンジにより強固な防御壁を形成して攻撃を防ぐことも可能。
梟討伐作戦で、ムカデの攻撃を受けて防御壁を損傷したが、『:re』時点では既に修理されている。
タルヒ
宇井郡が所有する槍型クインケ。A+レート。
内臓ギミックにより、刃を崩壊・変形させることで瞬間的に尾赫のようなしなやかな刃を形成し、中距離戦における変則的な攻撃を可能とする。
梟討伐作戦で、隻眼の梟の攻撃により破壊されたが、『:re』時点では既に修理されている。
赤舌(チーシャ)
法寺項介が所有する大剣型クインケ。SSレート。赤舌連のリーダーの喰種の赫包から造り出された模様。法寺が戦闘不能になった際には、宇井や平子が使用している。
重量級の多い甲赫クインケの中でも特に重く扱い辛いがその分絶大な威力を誇り、芳村に致命傷を負わせた。
ぼくさつ2号
米林才子が所有するハンマー型クインケ。Bレート。

鱗赫クインケ

フエグチ壱
真戸呉緒が所有する蛇腹剣型クインケ。笛口アサキの赫包から造り出された。真戸呉緒の死後、『:re』ではアキラが所有する。
伸縮性や柔軟性に優れ、中距離戦にも対応可能だが、大型ゆえ狭隘地や障害物の多い場所での戦闘には不向き。大きさや鱗赫の特性に違わず扱いが非常に難しく、アキラは熟練まで1年を要したという。
ナゴミ1/3
平子丈が所有する太刀型クインケ。Aレート。
クロイワSpecial
黒磐巌が所有する大剣型クインケ。Sレート。大瀬の赫包から造り出された。
13'sジェイソン(ジューゾーズ・ジェイソン)
鈴屋什造が所有する大鎌型クインケ。S+レート。大守八雲の赫包から造り出された。
攻撃時に鱗赫の赫子が飛び出すギミックが搭載されている。非常に高威力であり、カネキに再生が追いつかない程の深手を負わせ、芳村の左腕を切断した。
アブクソル、イフラフト
六月透が所有するナイフ型クインケ。いずれもBレート。
Aus(アウズ)
伊丙入が所有する太刀型クインケ。S+レート。
高威力であり、松前の分離赫子を瞬時に破壊した。
ロッテンフォロウ
キジマ式が所有するチェーンソー型クインケ。Sレート。凜央の兄の赫包から造り出された。
クインケ鋼を刃として用い、赫包をエンジンとして稼動する。

尾赫クインケ

サソリ1/56
鈴屋什造が所有するナイフ型クインケ。Bレート。元々は一本のみ支給されていたが、彼が勝手にCCGの倉庫から持ち出した為、現在は56本全てを所有している。他の捜査官の前でも複数本使用している為、後に所有が正式に認可された模様。
オニヤマダ
篠原幸紀が所有する鉈型クインケ。Sレート。オニヤマダの赫包から造り出された。
ランタン
富良太志が所有する鞭型クインケ。A+レート。三波麗花の赫包から造り出された。
ツナギ
ブレード型クインケ。Cレート。プレーンタイプ、ハードタイプ、カスタムタイプの3種類が存在し、プレーンタイプは瓜江久生と不知吟士の2人が、ハードタイプは黒磐武臣が、カスタムタイプは旧多二福が所有している。
テトロ
キジマ式が所有するネットガン型クインケ。A+レート。
殺傷力こそないものの、対象を生きたまま捕獲する事に特化している。
銀喰(ぎんくい)
瓜江久生が所有する大太刀型クインケ。SSレート。ノロの赫包から造り出された。
平時は背中に背負っており、使用時には鞭状に変形。赫子が持つ環形動物のような口で対象を“捕食”する。

キメラクインケ

アマツ
真戸暁が所有する鞭型クインケ。甲赫及び尾赫が組み合わされている。
鞭状の尾赫に加えて持ち手にクナイ状の甲赫の刃が仕込まれており、近距離及び中距離戦において隙の無い戦闘を行う事が可能。
ドウジマ・改
亜門鋼太朗が所有する馬上槍型クインケ。甲赫及び尾赫が組み合わされている。アキラの設計案を元に破損した[ドウジマ]を軸として瓶兄弟の赫子を組み込んで修復・改良を施したもの。
攻撃時に尾赫の赫子が飛び出すギミックが搭載されており、本来[ドウジマ]が苦手とする鱗赫の喰種に大きなダメージを与えることが出来る。設計段階から対ムカデ戦を想定しているものと思われる。
ナッツクラッカー
不知吟士が所有する投げ槍型クインケ。Sレート。甲赫及び尾赫が組み合わされている。ナッツクラッカーの赫包から造り出された。人工的に赫子を融合させた[アマツ]や[ドウジマ・改]とは異なり、二種持ちの喰種から生成された天然由来のキメラクインケ。
伸縮性に富む性質を持ち、 遠投後、接触した対象を感知して膨張・変形し、対象を放射線状に抉り取る。

用語

喰種(グール)

食性が人間のみに限定された肉食亜人種。反社会的な食性から公的に駆逐対象とされており、喰種対策局と呼ばれる専門の行政機関が設立されている。通常時は人間との外見的な差異が無く、条件付きで交配も可能であるなど限りなく人間に近い種として描かれている。その反面、身体能力は極めて高く数メートルを跳躍する脚力や素手で人体を貫く膂力を持ち、個体差はあるが成体ではヒトの4 - 7倍の筋力があるとされる。程度の軽い擦過傷や切傷であれば一瞬、骨折でも一晩程度で治癒する回復能力を有し、また銃弾や刃物などの一般武器では傷一つ付かないほど耐久性にも優れている。感覚器官も非常に鋭く、遠方から近づく人物の体臭を嗅ぎ分けられ、雑踏の中から足音を聞き分けることもできる。寿命は明言されていないが人間のように老化した喰種が登場しており、主要器官に致命傷を負えば死ぬことから不老不死ではない。捕食もしくは交戦時には赫眼という状態になり、身体から赫子が発現するため人間と見分けやすくなる。喰種対策法においてもこれらの確認を以て喰種と判断し、その対象をあらゆる法は保護しないと定めている。

赫眼(かくがん)
喰種が特殊能力を使う際に眼球を赤く変化させた状態の呼称。一般的には両眼が変化するが、ハイブリッドは片眼のみが変化する。また個体によっては自身の意思とは無関係に常時赫眼が発現している者[注 64]が存在し、また赫眼を発現させた際に瞳の周りに血管や痣が浮き出る喰種[注 65]もいる。
Rc細胞
喰種に特殊能力を与える架空の細胞。微量だが人間の体内に存在しており、喰種は人肉の摂取によってこれを蓄積する。喰種の体内の方が多く存在するため同族の肉を喰らうとより大量に摂取できるが、人肉に比べて味が劣ることから共喰いを行う喰種は少ない。Rc因子が定義されており、医学検査の項目にRc値が定められている。Rc値が一定以上の数値になると喰種と判断される。
赫包(かくほう)
喰種の体内にあるRc細胞を貯めこむ嚢胞。喰種は人肉を摂ることで血中にRc細胞を蓄え、最終的にはこの赫包に蓄えられる。蓄えられた細胞は意識的、あるいは精神の昂ぶりによって皮膚を突き破り放出される。これが赫子である。個体によっては複数の赫包を持つ。
赫包は喰種の持つ赫子の種類によって場所が異なる。羽赫は肩まわり、甲赫は肩甲骨の下、鱗赫は腰のあたり、尾赫は尾てい骨付近にあり、喰種の相性は、上から羽赫、甲赫、鱗赫、尾赫の順に並べて、赫包の位置が一つ上の種に強く一つ下の種に弱いという形になっている。
赫子(かぐね)
喰種の身体より発生する捕食器官。Rc細胞によって構成されており、硬化と軟化を繰り返しながら自在に動く。血液のように流れ、歯よりも頑丈なその特徴から捜査官からは「液状の筋肉」と例えられる。特性によって分類されており、強力な喰種ほど多く発生させる。大きさはRc細胞の数に、形は想像力による。基本的に一種類の発生に限定されるが、稀に複数種を持つ喰種が存在する。[注 66]これに当てはまる喰種は捜査官からは「二種持ち」とも呼称され、一般的な喰種よりも強力である場合が多く、戦闘の際にはより深い経験を必要とする。
治癒能力が高い喰種ではあるが、赫子によって受けた傷は治癒が遅れがちになる。特に相性の悪い赫子から受けた傷は特別に有効な毒となりさらに治癒が遅れ、致命傷になりやすい。
羽赫(うかく)
肩まわりからRc細胞が羽のように放出される赫子で、ガス状に出現する例が一般的。攻撃時には直接叩きつけたり固形化し遠距離射撃する例が確認されている。主にスピードを生かした瞬発系の攻撃を行う。Rc細胞を常に放出して戦うため持続時間が短く短期決戦型と見られている。また、不定形な形状から赫子痕が残りにくく、捜査対象としての追跡が難しい。作中ではトーカ、アヤト、ヨモ、バンジョー、芳村、エト、タキザワが持つ。
甲赫(こうかく)
肩甲骨の下あたりから現れる金属質の赫子。高密度のRc細胞の凝縮で赫子の中で随一の頑丈さを誇るが、重量のせいでスピードで劣り扱いづらい。その特性から盾のような形状で発現することが多い。作中ではカナエを除いた月山一族、ナキが持つ。
鱗赫(りんかく)
腰まわりから触手のような形状を持って現れる赫子。鱗のような独特の表面が生み出す一撃の威力はずば抜けて高く、Rc細胞が最も結合しやすい為、この赫子を持つ喰種は再生能力に特化する。同時に結合性の高さは結合力の弱さに繋がり、他の赫子に比べると脆く防御には不向き。主に打撃や刺突で攻撃する。作中ではカネキ、リゼ、安久姉妹、ヤモリ、トルソー、カナエが持つ。
尾赫(びかく)
尾てい骨あたりから爬虫類の尾のような形状を持って現れる万能型の赫子。総合能力が高く攻守共に水準以上でスピードもあり、特に弱点はないが、攻撃において決め手に欠けることが欠点。作中ではニシキ、ノロ、瓶兄弟、鯱、ミザ、墓盗りが持つ。
Rc細胞壁
Rc細胞によって造られた肉の壁。養分を与え続けていれば自己増殖、自己再生を繰り返す性質を持つ。クインケ同様、人工的に生み出された技術だがこちらは喰種由来のもの。24区で使用されている他、嘉納の研究室にも使用されていた。
赫子不現症
赫包付近のRc細胞管の閉塞によって引き起こされる症状。名の通りどれだけRc値が高く、潜在的には強力な赫子を持っていようとも自身の意思で発現することができない。作中で明らかにされているこの症状の該当者はアオギリの樹の喰種、ナキの子分である双子のガギとグゲ。[注 67]
食性と嗜好
水やコーヒーを除けば基本的に摂食できるのは人体のみであり、一度の摂食で数週間ないし1か月程の活動ができる。常人が摂食する食品を喰種が口に含むと味覚に嘔吐中枢が刺激されるほど不快に感じ、無理に摂食すれば体調を壊すなどの不調が発生する。飢餓状態になると激しい頭痛や判断力の低下に陥り、親しい友人であろうとも捕食することを躊躇しなくなる。経験者はこの苦痛を「地獄のような苦しみ」と表現している。なお、歯の生え揃っていない(捕食器官が未発達な)赤ん坊の場合は同種の母乳を飲むことで栄養を摂取できる。
精神的な特徴
生来の意識や感情は人間と変わらず、同じ社会性をもっているため、日常は人間社会に溶け込んで生活している。しかし、人間しか食べられない喰種としての苛烈な環境から、強弱はあるが心に闇をもつ傾向にある。大半は人間に対して複雑な感情を抱いたり、喰種である自分に苦しんだりする程度であるが、人間を単なる食べ物と考えるようになった喰種は気軽に捕食を行い、無秩序に起こす捕食殺人事件は社会問題に発展し、喰種対策局から注目を浴びることになる。反面、健全な人格を備えた喰種も少なからず存在し、人間が店舗で食材を買うように自殺者などを加工した食肉を入手して、人と変わらぬ生活を営んでいる。[注 68]
生活や文化
社会から追われる身分である為、多くの喰種が戸籍を持っていない[注 69]。同様の理由から定住は極めて困難であり、住所や姓名を頻繁に変えることも多々あるが、親からつけられた名前は綴りを変えつつも同じ読み仮名を使い続ける者が大半とされている。その為、リゼのように姓名を完全に変え、以前の身元が一切不明な喰種はかなり少数。幼少の頃から人間を装う訓練を受けるが、その中でも普通の食品を表面上は当たり障りなく摂取し、体内で消化される前に嘔吐する練習はかなり重要視されている。
喰場(くいば)
喰種が人間を捕食する場所。人通りのない裏路地などが好まれる。喰種にとってのテリトリーであり、他の喰種が無断で使用すればテリトリー荒らしとみなされて殺し合いに発展する場合がある。20区ではあんていくが管理しており、実力行使による奪い合いを避ける努力がなされている。
マスク
喰種が捕食行動の際に着用する仮面。身元を隠し日常生活を守るために使用する。喰種捜査官に遭遇する可能性がある場合は必須とされている。一般的には口元を露出させたドミノマスクが基本であるが、あんていくのメンバーは口元まで覆っているタイプを着用しているものが多い。本来の目的と矛盾した個性的なマスクが好まれており、喰種対策局でもマスクの目撃証言を元に捜査対象の呼称を付ける例も多く見られる。
飼いビト(かいビト)
人間を食料品のように考える喰種が同居する人間に対して使う呼称。タロちゃんはマダムAの飼いビトであり、[注 70]ジューゾーも少年時代、ビッグマダムの飼いビト兼解体屋を務めていた。
組織
喰種は社会的に存在が許されない立場から様々な目的で組織を形成し、人間とは異なる独自の社会を作り上げている。
あんていく
20区に暮らす喰種たちが集まる喫茶店。詳細は東京の20区を参照。
:re[注 71]
トーカが店長を務め、彼女とヨモが対外的に兄妹として営んでいる喫茶店。第二部のタイトルの由来となっており、あんていくの流れを汲んでいるが喰種の互助組織を兼任しているかどうかは不明。『:re』ではハイセがシラズ、トオルと共に来店するが、あくまでカネキが帰ってくるのを待つことをモットーとしているため、[注 72]捜査官として人間社会で生活しているハイセ=カネキには必要以上に干渉しないようにしている模様。
アオギリの樹
11区を中心として活動する[注 73]「隻眼の王」を首領とした大規模な喰種集団。非常に好戦的であり、「力によって弱い喰種や人間を支配する」という思想を持つ。白鳩(CCG)を壊滅させ、その裏に潜む「歪んだ鳥籠」を破壊し世界の均衡や天秤を水平にすることを目的としている。幹部等、上層部に位置する喰種には上位捜査官とも渡り合う強者も複数含まれる。CCGを11区に陽動させ、タタラ、エトを含む本隊と共に23区の喰種収容所・コクリアを襲撃。鯱を始めとする数多の喰種を脱走させ、傘下に引き入れた模様。
『:re』でもその勢力をどんどん増しており、一般市民にまで脅威が伝わっているほど。[注 74]大規模な組織であるからか、各幹部ごとに部下を率いているようだ。第一部終章以降、嘉納の手によって芳村の赫包を用い、拉致した喰種捜査官を素体とした喰種化実験が行われている模様。
反アオギリ
11区戦後、あんていくに戻らなかったカネキをリーダーとし、月山、ヒナミ、バンジョー一味で結成した反アオギリの組織。特に名称はついていない模様。かつてリゼがいたとされる6区を拠点に活動し、嘉納の研究所の潜入などを行っていたが、梟討伐作戦直前カネキがトーカに叱咤され自らの過ちに気づいた後解散する。
月山以外はアジトに住んでいた。[注 75]
喰種のレストラン(グールのれすとらん)
喰種専用の会員制レストラン。喰種の中でも特に深い闇に落ちた者たちが利用しており、人体を調理して提供している。生きた人間を惨殺する解体ショーを開催しており、解体したての食材を料理して会員たちに提供している。騙して連れてきた人間をシャワーや身だしなみを整えさせたのちに供するため、供されかけたカネキは「注文の多い料理店のようだ」と表現した。後にカネキの手によって壊滅した。
解体屋(スクラッパー)
喰種のレストランで行われる解体ショーの解体役。第一部4巻ではタロちゃんが担当していた。ジューゾーもCCGに保護されるまでその役目を担っていた。
月山家(つきやまけ)
政財界に多大な影響を及ぼす由緒ある名家で、ロゼヴァルト家やヨハネス家などの分家がある。月山習は現当主、月山観母の息子にあたる。情報の漏洩を避ける為か、代々近親婚を行っており、その為か体質的にRc細胞の干渉を受けやすく、一族の歴史の中で赫者になれた者はいないとされている。『:re』にてカネキの死による傷心から衰弱し、悪食を行うようになった月山習のために使用人たちが大量の人間を誘拐したことでCCGに警戒され、捜査が行われる。後にキジマに捕獲された使用人・アリザへの尋問によって喰種の一族であることがCCGに露見し、大規模な討伐作戦が実行される。同作戦においてほぼ全ての関係者が駆逐され、月山財閥は解体。人間によるクリーンな組織として再構成された。
ロゼヴァルト家
和修 政が率いるCCGに壊滅させられたドイツの喰種一族で月山家の分家に当たる。
道化師(ピエロ)
ピエロマスクの喰種集団。構成人数、活動区域、目的は一切不明。享楽主義者の集団で普段は団体行動をとらないが、ひとたび招集があれば無類の組織力を発揮する。過去にCCGによる掃討作戦が取られたが、有馬が参戦してなお厳しい状況であったとされる。カネキが半喰種化するきっかけとなった鉄骨落下事故をはじめとした様々な事件の裏で暗躍する。ハイセ(カネキ)に対しても何らかの思惑があるようである。イトリによると、アオギリの樹によるコクリア襲撃で脱走したSSレートの喰種のうち1人が所属している模様。
V(ヴィー)
かつて功善が所属していた巨大組織。詳細は明らかになっていないが、有馬や旧多との関連が示唆されている。隻眼の喰種を非常に危険視しており、また、リゼはVから逃走した喰種であることから彼女も追跡している模様。
ブラックドーベル
かつて「黒狗」と呼ばれていたカヤが率いていた黒いアヌビスのような仮面を付けた喰種集団。鉢川の上司や同期を殺害するなど猛威を振るっていたがカヤが芳村に声をかけられあんていくで働くようになってからは目立った活動をしていなかった。梟討伐作戦で捜査官と交戦、壊滅する。
猿(えん)
かつて「魔猿」と呼ばれていた古間が率いていた猿面の喰種集団。各区の優秀な捜査官を殺しまわっていたが古間が芳村に声をかけられあんていくで働くようになってからは目立った活動をしていなかった。梟討伐作戦でブラックドーベルと共に捜査官と交戦、壊滅する。
スカルマスク
[JOKER]に登場。13区で活動していた喰種集団。ジューゾーによりメンバーの大半が掃討され、半兵衛がリーダーを討伐したことで壊滅した模様。
赤舌連(チーシャーリェン)
法寺らに壊滅させられた中国の喰種集団。首領はタタラと血縁関係にあった。
刃(じん)
かつてミザが仕切っていた18区を拠点とした喰種集団。ミザがアオギリに加入したことにより合流した模様。ウリエ曰く「栄養不足の小型喰種の寄せ集め」。首領であるミザはかつて瓶兄弟と対立、縄張り争いをしていた。
亜種
半喰種(はんグール)
人間と喰種のハイブリッドの総称。主に交雑によって生まれる雑種が一般的であるが、異種族間の交雑は母体が妊娠する確率自体が低い上に、母親が喰種であれば母体が胎児を吸収してしまうので生まれることはなく、人間であれば母親の摂取した通常の食べ物からの栄養を胎児が摂取できずに餓死してしまうことから誕生する確率は無いに等しい。反面、それらの障害を乗り越えて誕生した個体は雑種強勢により、純血の喰種を上回る極めて強大な戦闘能力を持つといわれている。この他に、嘉納の施術によって赫包を移植され、後天的に半喰種化した元人間も存在する。赫包の定着に成功した者らは先天性の半喰種同様、総じて高い戦闘能力を有するが、施術の成功率は極めて低く、素体とされた人物の大半は拒絶反応と肉体の肥大化や知性の大幅な低下を引き起こしている。[注 76]赫子の制御も出来ないようで、死亡すると肉体を自らの赫子に捕食される。
片目のみに赫眼が発現することから、隻眼の喰種(せきがんのグール)とも呼称されている。喰種の社会ではその希少さと高い能力から都市伝説と考えられており、ハイブリッド故に人間は勿論、喰種の捕食も抵抗なく行うことから不吉な存在として忌避されている。かつて約百年前に出現した隻眼の喰種への対処のためにCCGの前身となる組織が設立されたことから、隻眼の出現は大きな変革の予兆とされている。
作中では先天性の雑種はエトが、半喰種化施術によって後天的に変化した元人間はカネキ(ハイセ)、安久姉妹、タキザワ、亜門が該当する。
リゼベース
リゼの赫包を移植された元人間の半喰種。1,200人に対して施術が為されたが、赫包の定着に成功したのはカネキと安久姉妹のみ。この内、安久姉妹は後述のフロッピーとして認識されている為、事実上リゼベースの成功体はカネキのみである。
ヨシムラベース
芳村(梟)の赫包を移植された元人間の半喰種。20区隻眼の梟討伐戦において消息不明となった喰種捜査官を素体として行われ、具体的な人数は明示されていないものの相当数の捜査官に移植された模様。定着に成功したのはタキザワのみとされるが、彼同様、梟討伐戦において死亡したとされた亜門も半喰種化して登場している。
フロッピー[注 77]
嘉納の半喰種化施術を受け、赫包の定着には成功しているもののカネキやタキザワに比べて性能で劣る[注 78]元人間の半喰種達を指す模様。作中ではリゼベースのフロッピーとして安久姉妹が該当し、亜門もヨシムラベースのフロッピーとして該当する可能性がある。
隻眼の王(せきがんのおう)
アオギリの樹の首領と言われている強大な力を持った喰種。多くの配下には隻眼の王と隻眼の梟が同一人物と思われていたが、エト自身によって否定され、彼女とは異なる人物であることが明らかになった。高槻泉の最新作「王のビレイグ」では、多くの喰種を率い、同胞を弾圧する世界に対して反旗を翻す英雄的存在として描かれている。また、この本を読んだ喰種に対して隻眼の喰種の出現を願うよう煽ることも高槻の狙いの一つであるようだ。
赫者(かくじゃ)
共喰いを繰り返した喰種の中から稀に発生する変態種。一般的な喰種に発生する捕食器官としての赫子とは別に体を鎧のように覆う特殊な赫子が生じる。また、この赫子で顔面を覆ってマスクの代替とすることも可能。総じて極めて高い戦闘能力を有し、後述する半赫者の時点で既にS~SSレートに認定されている者が多い。捕食した喰種から人肉とは比べ物にならない大量のRc細胞を取り込み、濃度が上がることで発生するといわれている。ただし、摂食によりRc細胞を取り込む過程で捕食者側の人格と被捕食者側との人格が混線し、精神異常を来たし易くなる。作中では芳村、エト、霧嶋 新が該当する。
半赫者(はんかくじゃ)
赫者への変態途上にある喰種の呼称。不完全かつ部分的ながら赫者同様、平時とは異なる特殊な赫子を展開させることが可能。作中ではヤモリ、カネキ、タキザワが該当する。[注 79]

喰種対策局(グールたいさくきょく)

喰種対策法を背景に活動する国の行政機関[3]。英語名「Commission of Counter Ghoul」の頭文字から通称「CCG」と呼ばれている。主な活動内容は喰種の捜索および駆逐であるが、捕食殺害事件で身寄りを失った児童の保護や教育も行っている。保護された児童はその生い立ちからか、18歳になると半数以上がアカデミーに入学するとされる。

CCG誕生以前は数ある喰種退治屋が喰種の駆逐を行っていた。しかし、100年程前に強大な力を持つ隻眼の喰種が現れ、人間側が組織立って対処せざるを得なくなったため、1890年に国家機関として退治屋の中でも随一の力を誇っていた和修家をトップとした「喰種対策院(CCGの前身)」が設立された。

喰種対策法(グールたいさくほう)
人命を脅かし反社会的な行動をとる喰種に対処するために作られた法律。同法では喰種を第I種特別警戒対象と定め「あらゆる法はその個人を保護しない」としている。
喰種と知っていながら匿った人間も処罰対象となっており、人間の犯罪者を匿うよりずっと重い厳罰が課される。死刑判決が下された判例もある。
喰種捜査官(グールそうさかん)
喰種対策局に所属し、喰種の捜査および駆逐を主任務とする国家公務員。作中では特定犯罪の取り締まりに従事する特別司法警察職員のように描かれており、銃器やクインケの所持も許されている。喰種たちからは鳩を模した胸章から通称「白鳩(ハト)」と呼ばれて恐れられている。
階級は上位から「特等捜査官」「准特等捜査官」「上等捜査官」「一等捜査官」「二等捜査官」「三等捜査官」の6階級に分かれており、上位3階級を「上位捜査官」、下位3階級を「下位捜査官」と呼ぶ。捜査官達は名前の下に官名をつけて呼び合っており、基本的に上位捜査官と下位捜査官がコンビでチームを組んで活動している。任務の内容によっては上位捜査官同士が組むこともあるが、下位捜査官同士でのコンビは原則認められていない[注 80]。また、上位捜査官らはパートナーを含めた捜査班を率いて活動しており、多くは班長の名を冠した班名である。[注 81]
なお、捜査官としての階級は年功序列ではなく完全な実力主義で決定する為、下位捜査官のまま定年を迎える者もいれば若年で准特等や特等捜査官まで上り詰める実力者なども存在する。故に年齢と階級は必ずしも比例する訳ではない。その特性上、上位の階級に名を連ねる者程、戦闘能力に優れる傾向にあり、最高階級である特等捜査官に至っては複数名での対処を必要とするSSレート以上の喰種と単独で渡り合える歴戦の捜査官が少なからず在籍している。強大な喰種を数多討伐した功績や他を圧倒する技量を指して他の捜査官から「人間側のバケモン連中」、喰種からも「同族でも慄く化け物みたいな捜査官達」とされ、脅威の存在として名が知れ渡っている者が多い。
その他、各区に勤務し事務処理やバックアップを担当する局員捜査官が存在するがクインケの所持を認められていない為、戦闘時は対喰種用の弾丸・Qバレットを使用する。
優秀な実績を残した捜査官には以下に挙げられる賞が贈呈される。
白翼賞(はくよくしょう)
特定レートの喰種を駆逐、あるいはその能力があると判断された捜査官に贈られる賞。Sレートなら「白単翼賞」、SSレートなら「白双翼賞」、SSSレートなら「白龍翼賞」となっており、贈られるバッジも上の賞ほど翼の意匠が増える。
木犀賞(もくせいしょう)
年間の喰種討伐記録数に応じて贈られる賞。30体/年なら「木犀賞」、50体/年なら「銀木犀賞」、100体/年なら「金木犀賞」となっている。バッジの中央に配置されているのはモクセイ科のオリーブで、平和の象徴でもある。
龍吉賞(りゅうきつしょう)
偉大な功績を収めた捜査官に特別に贈与される賞で贈与式はCCG最高権威である総議長によって執り行われる。故に捜査官にとって最高の名誉となる賞である。
レート
CCGが喰種の脅威度を示すためにつけるC〜SSSまでのランク。基本的に戦闘能力を基準としているが、能力評価のほかに実害評価があり、レートは実際に起こした捕食・殺害事件を加味して決定される。組織的な脅威度なども含めて認定されるが、基本的にはレートが高いほどより強力な喰種となる。〜(より)がつく場合はそのレートよりさらに上昇する可能性があることを示す。
SSSレート
CCGが定める最高位のレート。指定基準は不明。隻眼の梟、及び不殺の梟が指定されている。
SSレート
複数名の特等捜査官によって対処する必要があると判断された喰種が指定される。鯱やノロ、ムカデ、黒ラビット、オウルなどの強大な喰種が指定されている。
S+レート
平均的な特等捜査官と同等の能力を有すると判断された喰種が指定されている。
S-レート
平均的な準特等捜査官と同等の能力を有すると判断された喰種が指定されている。
Aレート
上等捜査官と同程度と判断された喰種が指定されている。
Bレート
下位捜査官(三等~一等捜査官)と同程度と判断された喰種が指定されている。
Cレート
下位捜査官以下と判断された能力の低い喰種が指定されている。
クインケ
喰種捜査官に支給される赫子を利用した対喰種用の武器。通常はアタッシュケースに収められており、戦闘時に展開変形して使用する。駆逐した喰種の赫包を加工して制作し、電気信号によって赫子を発生させる。その非人道的な製法から存在は公にされていない。喰種を素材としているため、クインケにも能力や性能を表すレートが存在し、基となった喰種が強力であれば高レートのクインケが製作される。分割した赫包から複数のクインケを製作することもあり、その場合は名称の後に「〜1/2」、「〜1/3」といった分割率が付けられる。赫子と異なり形状は固定されているが、試作品の中には限定的な形態変化が成功しているものもある。名称は材料となった喰種の名称を受け継ぐのが通例であるが黒磐や彼の流れをくむ捜査官は独自に命名している。
羽赫(うかく)
主に射撃武器として加工されているものが多く、エネルギーの消費は激しいが遠隔攻撃が可能なため俊敏性に優れた捜査官に好まれている。攻撃範囲の広さから羽赫を用いる捜査官はチーム内でも重要なポジションとされ、「羽赫使いの力量で戦死率が大きく左右される」というデータがあるほど。
甲赫(こうかく)
重く硬い特性から剣や金棒のような近接武器に加工されるのが一般的で、肉体派の捜査官に好まれている。一部の甲赫クインケには変形に特化したもの[注 82]がある為、使い方によれば鱗赫クインケのようにトリッキーな戦闘を行える。
鱗赫(りんかく)
殺傷力は高いがギミックの組み込まれた特殊な形状のものが多く、操作に熟練を求められることから技巧派の捜査官に好まれている。
尾赫(びかく)
万能型故に突出した点がないが、短所もなく扱いやすいために主に新人捜査官に支給されることが多い。
キメラクインケ
異種の赫子を組み合わせた特殊なクインケ。複数種の喰種に対して有効打となり得るが、技術的に結合が難しく試作品が存在するのみ。その中でも人為的に赫子を結合させたものがほとんどであるが、複数種の赫子を持つ喰種から作られる天然のキメラクインケもごく稀に存在する。
Qバレット
溶かした赫子を練り込んだ対喰種用の銃弾。クインケを支給されない局員捜査官が使用[注 83]する。喰種に対してある程度の効果はあるが材料が希少なこともあり表面上をコーティングしているに過ぎない為、決定的なダメージは与えづらい。故に遠距離での戦闘では羽赫クインケを使用するのが最良とされる。
クインクス
嘉納による喰種化被害者であるハイセを元に地行がクインケ製造を応用し、考案した施術。または、それにより喰種の能力を直接その身に得た喰種捜査官。赫包を直接的に入れられたカネキとは違い、クインケとして加工した赫包を体内にインプラントしている。体内の赫包には5段階のフレームが設けられている為、稼働率を調整することが可能。その為、嘉納による人造喰種であったカネキは食性が完全に喰種のものと化していたがクインクスの場合は食性が人間のままとなっている。フレームを解放し赫包の稼働率を上げれば赫子や身体能力を強化できるものの、食性の変化や暴走の危険性が高くなる。クインクス施術を受けた者には補償金の支給や身体的なサポートが為されており、退局したとしても後者は半永久的に持続する。
CCGアカデミー
正式名称は「喰種捜査官養成学校」。教育期間は2年で、18歳から入学できる。実際の捜査・捕獲を行う喰種捜査官を養成する学校で、捜査官は基本的にここを卒業し、最初は「二等捜査官」として職務に当たる。[注 84]
喰種対策教育所(グールたいさくきょういくじょ)
事務処理や捜査官のバックアップを担う局員捜査官を養成する学校。教育期間は1年。卒業者は「三等捜査官」から始まる。
CCGアカデミージュニア
18歳未満のアカデミー候補生を養成する学校。一般的な教育機関と比べると学費が安い。基礎教育に加えてアカデミー入学の為の予備訓練も行われている。捜査官を志すことは絶対ではないとされるが、大半の者はここを卒業後アカデミーへ進学する。また、ここを経ずしてアカデミーに入学する者もいる。[注 85]複数存在し、作中では第一から第七アカデミーまで確認されている。学校によって校風が違い、第一はエリート揃いとされ、第二は過去に問題があった者が、第五や第六は社交的な性格の者が多い傾向にある。現役の捜査官がアカデミーOBとして訪れ、講義やクインケ操術の指南を行うこともある。[注 86]
白日庭
略称は「庭」。アカデミーの基礎教育を取り入れておらず、優秀な子供達を集めて幼少期から英才教育を施す特別な教育機関。その特異性ゆえか、ウリエは存在を知らなかった模様。また、Vとの関連も示唆されている。主な出身者は伊丙入、旧多二福、小静麗。
和修家(わしゅうけ)
代々CCGの幹部を務める一族。和修家の権力は絶対であり、批判しただけで潰されると言われている。CCG設立前から喰種退治を生業とし、その中でも随一の実力を誇っていたが、エト曰く「『喰種の協力者』である」ようだ。
モグラ叩き(モグラたたき)
24区の地下探索任務の通称。優秀な新人捜査官を更に強化する目的でも行われるが、強力な喰種が数多く潜むことから殉職率も高い。ジューゾーや張間もこの任務に参加、張間は殉職した。
完塞(かんさい)
エリア内の喰種を排除し、再び入れないようにした状態。ジューゾーが13区の完塞を達成した。13区のほか、日本に数か所存在し、日本の全領域の完塞の達成がCCGの最終目的である。
Rc検査ゲート(アールシーけんさゲート)
CCGの入り口に設置されている、体内のRc値を計測することによって喰種を判別する機器。表向きは赫包を使用したクインケの誤反応を避けるためにある一定のRcパターンは検査から除外する機能が付けられているが、実はVに所属する喰種のRcパターンも同様に除外する仕組みになっている。[注 87]
コクリア
正式名称は「喰種収容所」で23区にある。駆逐されず生け捕りされた喰種を収容する施設。主に情報を聞きだす価値があると認められた喰種が収容されるが、いずれは廃棄処分することになっている。下の階ほど高レートの喰種が収容される模様。アオギリの樹による襲撃で多くの喰種が脱走した為、より厳重な警備が施されている。作中ではドナート、ヒナミ、エトが収容されている。
コルニクルム
簡易コクリアのようなもので、喰種被疑者や喰種関連の事件関係者が収容される。作中では観母が収容される予定だったが、護送中に脱走される。

東京

現実の東京と似ているが、裏路地には人肉を狙う喰種が潜み、地下には「地下道」と呼ばれる喰種によって築かれた広大な迷宮が広がる危険な都市である。区部は24区までが確認されており、区名は実世界でいうところの市町村コードで呼ばれている[4]

1区
千代田区に相当。第一部時点では喰種が多く暮らし、喰場の奪い合いが日常的に行われている危険な地区だったが、『:re』時点では白鳩の警備が非常に厚く、喰種が一人もいないようだ。
喰種対策局本部(グールたいさくきょくほんぶ)
各地にある喰種対策局の本部、内部では通称「本局」と呼ばれている。
2区
中央区に相当。1区と同様に喰種が多く暮らし、喰場の奪い合いが行われている危険な地区らしい。『:re』時点では1区と同様白鳩の警備が非常に厚いようだ。
3区
港区に相当。1区と同様に喰種が多く暮らし、喰場の奪い合いが行われている危険な地区らしい。
4区
新宿区に相当。1 - 3区と変わらぬ危険な地区であるが、かつてウタとヨモが抗争を繰り広げていた頃よりは落ち着いている。
HySy ArtMask Studio
マスクアーティストのウタが開いているオーダーメイドのマスク店。主に喰種が使うマスクを制作しているが、人間の客も訪れている。
5区
文京区に相当。喰種捜査官を育成するアカデミーがある。『:re』時点では詳細は不明なものの比較的穏やかだと言われている。
6区
台東区に相当。アオギリの騒乱後、リゼの足跡を辿ったカネキ達が拠点としている。かつてシャチが仕切っていた区である。『:re』時点ではバンジョー一味が仕切っている。また、キジマらが「ロゼ」と対峙した場所であり、居住する喰種が疑り深くなっていたためか後に覆面調査を試みたウリエとトオルは失敗に終わった。
7区
墨田区に相当。喰種レストランがあった場所。第一部時点では捜査官狩りが横行していた。『:re』では覆面捜査が行われる少し前に喰種と捜査官の間で抗争が行われていたようだ。
8区
江東区に相当。『:re』でシラズとサイコが覆面捜査をした場所。統治者は用心深いようである。
11区
大田区に相当。比較的に安定した地区であったが、かつてリゼが無差別に暴食を繰り返した影響で喰種対策局の活動が活発化し、喰種社会は混乱を極めている。その後、さらにアオギリの樹が進出し、喰種捜査官を全滅させた。そのため対策局では緊急対策をとっている。
13区
渋谷区に相当。喰種にとっては血の気が多くて怖い地区とされていた。『東京喰種トーキョーグール [JACK]』の舞台でもある。
かつてヤモリが活動拠点としていた場所で、「13区のジェイソン」と恐れられていた。
[JOKER]、『:re』では鈴屋班の活動拠点となっていて、完塞された。
14区
中野区に相当。共喰いが流行しており、衰弱していたニシキが襲われたことがある。
Helter Skelter
イトリが経営するバー。喰種の社交場を兼ねており、様々な情報が集まっている。
18区
荒川区に相当。ミザが仕切っていた地区で、ミザのアオギリ加入後はそのままアオギリの領地となっている。
20区
練馬区に相当。第一部の主な舞台となる地区で、主人公たちが暮らし、あんていくもここに存在する。あんていくが取り仕切っているため争いも少なく、喰種にとっては穏やかで暮らしやすい地区とされていた。
喰種対策局からは、捕食件数は他の区より低いものの、以前から単体で強力な喰種が多いことから指定危険区とされていた。「大喰い」「美食家」「ラビット」などが危険視されている。
『:re』では未登場、状況は不明である。
あんていく
芳村が経営している喫茶店の名称で、20区に暮らす喰種の自治組織、もしくは互助組織としての側面も持っている。知らずに利用している人間もいるが、暗黙の了解で客の捕食は控えられている。個人主義的な喰種からはよく思われていないが、喰場の管理や捕食の隠蔽、自殺者を利用した食材加工と分配などといった積極的な活動によって20区の喰種は目立たなくなっており、その甲斐あって20区は喰種対策局からも放置気味であった。
芳村が「梟」と判明したことで「隻眼の梟討伐作戦」のためにCCGに襲撃され、結果として解体されることとなった。
喰種対策局20区支部(グールたいさくきょく20くしぶ)
20区の喰種駆除を担当する支部。喰種の活動がおとなしい地区であったため活動も緩やかであったが、リゼ(大喰い)の大量捕食殺人事件で状況が変わり、トーカ(ラビット)の捜査官狩りで捜査官が命を落としたことで激変した。本局から重点地区と指定され、優秀な捜査官が派遣されている。
上井大学(かみいだいがく)
カネキやヒデ、ニシキ、キミなどが通っている大学。学部は文系から理系まであり、ニシキの通う薬学部は難関だといわれている。原作のキャンパスは青山学院大学の青山キャンパスがモデル。[注 88]
清巳高等学校(きよみこうとうがっこう)
トーカや依子が通っている共学の高校。生徒は男女ともにブレザーを着用。
21区
足立区に相当。『:re』時点では統治者争いが行われているようだ。
22区
葛飾区に相当。『:re』時点では21区と同じく統治者争いが行われているようだ。
23区
江戸川区に相当。喰種収容所(コクリア)がある。
コクリア
#喰種対策局(グールたいさくきょく)を参照
24区
正式な区名ではなく、東京の地下に広がる喰種が掘り拡げた大迷宮の最深部にあり大量の喰種が潜んでいると考えられている場所。CCGでも存在を掴みかねており、探索が続けられている。Rc細胞壁が使用されており、中でも入り口にあるものが捜査を困難にしている。
喰種にとっては糞溜めと評されるほどに過酷な環境ではあるが、追われている喰種が隠れるには最適な場所だと考えられている。功善が組織に追われていた際、赤ん坊だったエトを預けた場所である。
流島(るしま)
東京湾内にある無人島。『:re』におけるアオギリの樹のアジトとなっている。

書誌情報

漫画本編

特記のない限り著者は石田スイ、発行は全て集英社ヤングジャンプ・コミックスより。

番外編

  • 『東京喰種トーキョーグール [JACK]』(電子書籍版)、2013年10月18日発売

小説

その他

  • 『東京喰種トーキョーグール [zakki]』(カラーイラスト集)、2014年10月17日発売[集 24]
  • 『東京喰種トーキョーグール [anime]』(公式資料集)、2015年9月18日発売[集 25]
  • 『東京喰種トーキョーグール [JAIL]』(シナリオ&イラスト集)、2015年12月18日発売[集 26]

読切

連載版の原型となった作品。「第113回MANGAグランプリ」で準優秀賞を受賞し、『ミラクルジャンプ』のNo.2(2011年4/12号)に読み切り作品として掲載された。単行本には未掲載ではあるが、それらの要素は2巻から3巻にかけて再構成され、演出や台詞、テーマなども人物や場所を変えつつ再現されている。

ストーリーは、喰種の喫茶店員カネキと彼の正体を暴こうと来店する喰種捜査官の篠原を中心に繰り広げられる捜査劇で、正体を見ぬかれたカネキが篠原を捕食して決着をつけるなどピカレスク要素の強い作品であった。

登場人物は連載版と共通しているが、設定は著しく異なっていた。カネキは生来の喰種ではあるが食人本能に苦悩しているなど本作のトーカに近い描かれ方をしており、篠原は喰種を憎悪するなど真戸に近い人物として描かれていた。トーカもまた後輩店員として登場するが、天真爛漫に捕食殺人を繰り返すなどリゼに近い描かれ方をしていた。

テレビアニメ

2014年7月より9月までTOKYO MX他にて第1期が放送され、2015年1月より3月まで第2期『東京喰種トーキョーグール√A』(トーキョーグール ルートエー)が放送された。2期は原作者の石田がストーリー原案を手がけ、カネキが「アオギリの樹」に参加するという漫画とは異なる「もう一つの東京喰種」が描かれた。

キャスト

#登場キャラクターを参照

スタッフ

  • 原作・オリジナルストーリーネーム(第2期) - 石田スイ集英社週刊ヤングジャンプ」連載)
  • エグゼクティブプロデューサー - 中山晴喜、小野寺廉、本間道幸
  • 監督 - 森田修平
  • シリーズ構成・脚本 - 御笠ノ忠次
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 三輪和宏
  • 銃器デザイン - 柳瀬敬之
  • プロップデザイン - 関川成人
  • スタイルコンセプト - いさお
  • セットデザイン・美術設定 - 山田勝哉、曽野由大、Ryota-H
  • 美術監督 - 永井桂介、武藤正敏(第1期)
  • 色彩設計 - 濱岡幸治
  • 撮影監督 - 佐藤勝史
  • 編集 - 柳圭介
  • 音響監督 - 原口昇
  • 音楽 - やまだ豊
  • 音楽プロデューサー - 飯干紗妃(第1期) → 本多洋一(第2期)、千田耕平、Koyo Sonae
  • 音楽制作 - CURRENT,INC
  • プロデューサー - 丸山創 団野喜人 曽我秀忠 萩野賢
  • アニメーションプロデューサー - 堀田哲史
  • アニメーション制作 - studioぴえろ
  • 製作 - 東京喰種製作委員会(マーベラスTCエンタテインメント、ぴえろ)

主題歌

曲名後の( )内は、テレビ放送版で標準的な使用をされた放送回の話数。

第1期
オープニングテーマ「unravel」(第2話 - 第11話)
作詞・作曲・編曲 - TK / 歌 - TK from 凛として時雨
テレビ放送版は、オープニング曲パートの無い第1話と最終話(第12話)ではエンディングテーマとして使用。BD・DVD版は、第1話でもオープニング曲パートで使用。
第2期第12話ではアコースティックバージョンが挿入歌として使用。
エンディングテーマ「聖者たち」(第2話 - 第11話)
作詞 - Hirofumi Hatano / 作曲・編曲・歌 - People In The Box
テレビ放送版は、第1話と最終話(第12話)では不使用。BD・DVD版は、第1話でもエンディング曲パートで使用。
第2話 - 第11話にエンディングアニメーションは無く、原作者の石田スイによって描かれた静止画がスライドショー形式で流された。
第2期
オープニングテーマ「無能」(第1話 - 第11話)
作詞・作曲 - 高橋國光 / 歌 - österreich / ゲストボーカル - 鎌野愛
第12話では不使用。
エンディングテーマ「季節は次々死んでいく
作詞・作曲 - 秋田ひろむ / 歌 - amazarashi
挿入歌
全作曲・編曲 - やまだ豊
「ON MY OWN」(第1話)
作詞・歌 - Katherine Liner
「GLASSY SKY」(第2話、第5話、第8話)
作詞 - 胡麻本りさ、NORIO JOSEPH AONO / 歌 - ドナ・バーク[8]
「Wanderers」(第4話)
作詞 - 胡麻本りさ、NORIO JOSEPH AONO / 歌 - ルシュカ[9][10]
「Alone」(第7話)
作詞 - 胡麻本りさ、NORIO JOSEPH AONO / 歌 - JULIA SHORTREED
「Colour My World」(第8話)
作詞 - JULIA SHORTREED、HENRI OHARA / 歌 - JULIA SHORTREED

各話リスト

第1期
話数 サブタイトル 絵コンテ・演出 作画監督
第1話 悲劇 森田修平 三輪和宏
第2話 孵化 松尾慎 牙威格斗、阿部晃瑳詩
第3話 白鳩 嶌田惣一 今木宏明
第4話 晩餐 松林唯人 斉藤雅和
第5話 残痕 京極義昭 和田高明
第6話 驟雨 嶌田惣一 栗原学
第7話 幽囚 松林唯人 津幡佳明、矢吹智美
永川桃子
第8話 円環 松尾慎 清水厚貴
第9話 鳥籠 京極義昭 和田高明、金奉徳
第10話 青桐 松林唯人 丸藤広貴
佐藤寿子(原画)
第11話 衝天 松尾慎 今木宏明、栗原学
第12話 喰種 森田修平 清水厚貴、矢吹智美
第2期
話数 サブタイトル 絵コンテ・演出 作画監督
第1話 新洸 松尾慎 今木宏明、栗原学
第2話 舞花 松林唯人 永川桃子、渡部裕子
第3話 吊人 京極義昭 西野文那
第4話 深層 古川順康 小池裕樹、矢吹智美
第5話 裂目 末田宜史 今木宏明、栗原学
渡辺敬介
第6話 千路 松林唯人 金二星、許亨準
第7話 透過 嶌田惣一 永川桃子、渡部裕子
第8話 旧九 古川順康 清水厚貴
第9話 街望 京極義昭 近藤優次、松本朋之
小池裕樹、矢吹智美
和田高明
第10話 終雨 松尾慎 田中比呂人、鈴木陽子
窪詔之、夘野一郎
遠藤正明、遠藤裕一
松崎正
第11話 溢花 嶌田惣一 清水厚貴、永川桃子
栗原学
第12話 森田修平 今木宏明

放送局

テレビ放送
放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送系列 備考
第1期
東京都 TOKYO MX 2014年7月4日 - 9月19日 金曜 0:00 - 0:30(木曜深夜) 独立局
愛知県 テレビ愛知 2014年7月5日 - 9月20日 土曜 3:05 - 3:35(金曜深夜) テレビ東京系列
福岡県 TVQ九州放送 2014年7月6日 - 9月21日 日曜 2:25 - 2:55(土曜深夜)
大阪府 テレビ大阪 日曜 2:35 - 3:05(土曜深夜)
日本全域 AT-X 2014年7月7日 - 9月22日 月曜 23:00 - 23:30 CS放送 リピート放送あり
Dlife 2014年7月12日 - 9月27日 土曜 2:00 - 2:30(金曜深夜) BS放送 2012年の開局以来、初の深夜アニメ放送作品
石川県 北陸放送 2014年10月9日 - 2015年1月14日 木曜 1:43 - 2:13(水曜深夜) TBS系列
第2期
東京都 TOKYO MX 2015年1月9日 - 3月27日 金曜 0:00 - 0:30(木曜深夜) 独立局
愛知県 テレビ愛知 2015年1月10日 - 3月28日 土曜 3:05 - 3:35(金曜深夜) テレビ東京系列
福岡県 TVQ九州放送 2015年1月11日 - 3月29日 日曜 2:25 - 2:55(土曜深夜)
大阪府 テレビ大阪 日曜 2:35 - 3:05(土曜深夜)
日本全域 AT-X 2015年1月12日 - 3月30日 月曜 23:00 - 23:30 CS放送 リピート放送あり
Dlife 2015年1月17日 - 4月4日 土曜 2:00 - 2:30(金曜深夜) BS放送
石川県 北陸放送 2015年1月21日 - 4月9日 木曜 1:43 - 2:13(水曜深夜) TBS系列
インターネット放送
放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送系列 備考
第1期
日本全域 GyaO! 2014年7月6日 - 9月21日 日曜 12:00 更新 ネット配信
バンダイチャンネル 2014年7月8日 - 9月23日 火曜 12:00 更新
ニコニコ生放送 2014年7月10日 - 9月25日 木曜 0:00 - 0:30(水曜深夜)
ニコニコチャンネル 木曜 0:30(水曜深夜) 更新
第2期
日本全域 GyaO! 2015年1月11日 - 日曜 12:00 更新 ネット配信
バンダイチャンネル 2015年1月13日 - 火曜 0:00(月曜深夜) 更新
ニコニコチャンネル 2015年1月15日 - 木曜 0:00(水曜深夜) 更新

BD / DVD

発売日 収録話 規格品番
BD DVD
第1期
1 2014年9月26日 第1話 - 第3話 TCBD-0385 TCED-2340
2 2014年10月31日 第4話 - 第6話 TCBD-0386 TCED-2341
3 2014年11月28日 第7話 - 第9話 TCBD-0387 TCED-2342
4 2014年12月26日 第10話 - 第12話 TCBD-0388 TCED-2343
第2期
1 2015年3月27日 第1話 - 第2話 TCBD-0444 TCED-2586
2 2015年4月24日 第3話 - 第4話 TCBD-0445 TCED-2587
3 2015年5月29日 第5話 - 第6話 TCBD-0446 TCED-2588
4 2015年6月26日 第7話 - 第8話 TCBD-0447 TCED-2589
5 2015年7月31日 第9話 - 第10話 TCBD-0448 TCED-2590
6 2015年8月28日 第11話 - 第12話 TCBD-0449 TCED-2591

webラジオ

ラジオ『東京喰種トーキョーグール』-グルラジ-
2014年7月9日から2015年4月8日まで音泉にて配信されたWebラジオ番組。毎月第2、4水曜日更新。パーソナリティは花江夏樹(金木研 役)、豊永利行(永近英良 役)。
ゲスト

OVA

2015年9月30日にスピンオフコミックを原作とした『東京喰種トーキョーグール【JACK】』が発売された[11]。同年9月5日から9月18日に全国7地域の映画館で期間限定上映を実施。

同年12月25日には小説版『東京喰種トーキョーグール [日々]』にて描かれた、高校時代の月山習と掘ちえの出会いを映像化した『東京喰種トーキョーグール【PINTO】』(トーキョーグール ピント)が発売された[12]

スタッフ(OVA)

  • 原作 - 石田スイ、十和田シン(PINTO)
  • 脚本 - 御笠ノ忠次(JACK)、嶌田惣一(PINTO)
  • 監督 - 嶌田惣一(JACK)、松林唯人(PINTO)
  • アニメーション制作 - studioぴえろ
  • 製作 - 東京喰種製作委員会

舞台

2015年7月、舞台 『東京喰種トーキョーグール』と題し、AiiA 2.5 Theater Tokyo京都劇場で上演[13][14]

DVD、Blu-rayは、2015年11月27日に発売[14]

キャスト(舞台)

スタッフ(舞台)

ゲーム

東京喰種 carnaval(トーキョーグール カルナヴァル)
スマートフォン用ゲームアプリとして、バンダイナムコエンターテインメントより配信中。ジャンルは引っ張りアクション。
東京喰種 JAIL(トーキョーグール ジェイル)
PlayStation Vita用ソフトとして、バンダイナムコエンターテインメントより2015年10月1日に発売。

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ この時のことを未だ気に病んでいるようで、後にハイセが亜門の遺したレポートを発見した際には彼の意識に現れ、「自分が殺した」と苦悩する様子が描かれた。また、亜門の反撃で飢餓状態に陥った際にも朦朧とした意識で彼の安否を気遣う言葉を告げている。
  2. ^ 元々複数の赫包が発達しているのかリゼの人格が現れた為かは不明だが、平常時よりも長大な赫子を多数展開させた。
  3. ^ ハイセ(heiβe)はドイツ語で「〜という名前である」という動詞で、「佐々木という名前である」=「名無し」を意味し、作中でもカナエが言及している。
  4. ^ その為か、有馬と面識のある捜査官らから内面や体捌きの類似性を度々指摘されている。
  5. ^ 白単翼賞はSレート喰種を駆逐する能力を有する捜査官に贈られ、金木犀賞は年間で100体以上の喰種を討伐した捜査官に与えられる。
  6. ^ 右にも赫包はあるが、対月山戦でカネキを口にした後でさえ、少しだけ赫子が出る程度。
  7. ^ 店長はトーカ自身。
  8. ^ ただし、イトリ曰く「『神代利世』という喰種は存在しない」元々は全く違う名前だったが、ある時に元の姓名を捨てて改名した模様。
  9. ^ アニメ版当初は存命、6話で真戸に殺されている。
  10. ^ この際ノロのマスクにきわめて類似したマスクを着用している。
  11. ^ この際、エトがりんごを食べているシーンがある。そのため、元人間の半喰種と違い、純粋な半喰種のエトは人間の食事がとれる可能性がある。
  12. ^ 『:re』の月山家殲滅戦でエトが乱入したときに一節が引用されている。
  13. ^ この際、過去に功善がノロイという男性の喰種にまだ赤ん坊のエトを預けようとするシーンが描かれている。
  14. ^ その常軌を逸した再生力や赫子の形状、無言であることやタイマー付の時計を持ち歩いていたことから、作中でも「赫子のバケモノではないか」と言われるなどその正体に対しては多くの謎があり、読者の間でも「分離赫子」「既出の人物のいずれか」エトに洗脳強化されたカナエとマスクのデザインが似通っていることから「エトによって強化された喰種」など多くの考察がなされるほどであった。
  15. ^ ストーリー中でエトが「これはあなたがかわりに死ぬための物語」とストーリーの核心を突くような発言をしており、『JAIL』のシナリオブックでも作者の石田スイが「カネキの代わりに死ぬために生まれたキャラ」と言及している。
  16. ^ 合計3個持ち、そのうちの2つはカネキに喰われ、喰い残したもう一つはジューゾーのクインケにされた。
  17. ^ カネキがヤモリを共食いした噂は下層構成員にも広まっており、ナキ自身はこれを知っているかは不明。
  18. ^ 首のタトゥーはラテン語で彫られており、「私はあなたと共に生きてはいけない」「私はあなたなしでは生きていけない」という意味合いを持つ。
  19. ^ カネキのことを「白くて綺麗」と賛美する一方で、ハイセに対しては「『悲劇なんかに負けないぞ』といううすら寒いノリを感じる」と評している。
  20. ^ カナエと結託したアオギリ少数メンバーによるクインクス班襲撃の現場に現れたときには黒いローブを着ていたようで、サイコに「黒いおっきい人」と呼ばれている。
  21. ^ 完全な黒髪かどうかは断言できない。
  22. ^ この際、安久姉妹の名を呟いており、よく見ると首元に十字架のついたペンダントらしきものを下げているのが分かる。
  23. ^ 事実、梟討伐作戦において死亡扱いとなったある人物との類似性が非常に高い。
  24. ^ 名前はアニメのキャストにて判明した。
  25. ^ 厳密に言うと2巻収録#013[白鳩]と3巻のおまけに登場するが、本編の捜査資料にある写真とおまけに出てくる後ろ姿は似ていないため参考にならない。
  26. ^ これは第一部の主人公である金木研と同日である。
  27. ^ その為、原作ではカネキ戦で防御壁を損傷した為に梟との戦いで使用しなかった[IXA]を使用している。しかし、彼女の攻撃で破壊された為、途中からは[ナルカミ]のみを用いた戦闘となった。
  28. ^ 10年前に梟と交戦した頃も黒髪、平子とコンビを組んでいた頃(ヨモ、ウタと交戦した頃)は黒髪の入った白髪である。
  29. ^ 『√A』ではカネキに赫子で殴り倒されている。
  30. ^ 『√A』では隻眼の梟の攻撃による単純骨折に変更。
  31. ^ 1本は支給品だが、残り55本は曰く「くすねてきた」もの。
  32. ^ ちなみに22歳での特等就任は有馬以来の快挙。
  33. ^ カネキとの交戦で[ドウジマ1/2]を破壊された為、11区アオギリ戦の際は生前の真戸の遺言に従い、彼の遺品である[クラ]を使用した。また、当初使用していた[ドウジマ]も元々はアカデミー時代の友人の形見である。
  34. ^ 『√A』で描かれた梟討伐作戦では[ドウジマ]の形状がやや異なる。通常時は以前用いていた棍棒状のクインケであるが、ギミックを発動することで右腕に手甲を纏わせ、長大な槍に斧の刃が合わさったような形状に変化する。
  35. ^ 『JAIL』においては梟討伐戦から生還するルートも存在する。
  36. ^ カネキと亜門が初めて交戦した際、彼は亜門に自分から逃げるよう指示。「僕を人殺しにしないでくれ」と発言している。
  37. ^ 作中では主にハイセはクインクス班と行動し、アキラとは別行動をとっていることが多い。
  38. ^ 対抗馬とされる平子班の3分の1以下。
  39. ^ 呉緒が用いていた[フエグチ壱]と同一のクインケ。
  40. ^ 当時はI課に居た。
  41. ^ アキラは自身を気遣い、二人で過ごす時間を極力減らさない為に昇進を諦めたと推測している。
  42. ^ のちにアキは妻となる。
  43. ^ 集英社anとのコラボ企画である喰種捜査官募集によって登場したキャラクターであり、実在する人物を元に作られている。美容師を志していたという過去やクインケの名称が「セニング(セニングシザー、梳きバサミの意)」であるのは、当人の職業が美容師であることを反映したものである。
  44. ^ 4巻のプロフィールには白日庭出身と記述されており、宇井も作中で言及している。
  45. ^ 名称や赫子からして彼が討伐したスカルマスクからつくられたものだと思われる。
  46. ^ 本来ならば赫子の摘出はCCGの専門機関でなければ行うことは出来ないが、彼はそれを素手で行い、捜査官殺害時にも壁ごと頭部を破壊するほどの膂力を発揮している事などから、なまじただの人間ではないと思われるような描写がなされている。
  47. ^ 本人いわく「ピエロになってみた」とのことで、情報収集目的での潜入だった模様。現在も宗太として活動しているかは不明である。
  48. ^ ロゼ編にて松前を殺害する直前に「MMさん」と呟いたのはレストランで面識があり、月山との繋がりを事前に知っていたため。
  49. ^ 集英社anとのコラボ企画である喰種捜査官募集によって登場したキャラクターであり、実在する人物を元に作られている。
  50. ^ 集英社anとのコラボ企画である喰種捜査官募集によって登場したキャラクターであり、実在する人物を元に作られている。
  51. ^ 『JAIL』においては梟討伐戦から生還するルートも存在する。
  52. ^ 人間時代の髪色が原作とアニメで異なっており、原作は黒髪だがアニメでは明るい茶髪である。
  53. ^ オークション会場で遭遇した准特等捜査官を赫眼すら発現していない状態で殺害。その場にいた多数の捜査官も徒手空拳でほぼ全員を殉職させた。加えてハイセ曰く「手筋が出鱈目」である為、体術に精通した彼ですら行動の予測が全く出来なかった。
  54. ^ この際「慣れてる」と発言していることからジューゾーやカネキ同様、長期に渡る残虐行為に晒されていたか、あるいはそれに近しい過酷な環境下に置かれていた可能性がある。
  55. ^ フルネームは『√A』で描写された彼女の墓標で判明。原作では名字のみ言及されている。
  56. ^ ノロに捕食されかけたサイコの身を本心から案じ、致命傷を負ったシラズを無心で励まし続け、彼が息を引き取った瞬間は感情を爆発させた。また、現場に現れた政の冷徹さを非難し、隻眼討伐に向かう彼の指示を無視してシラズに寄り添い続ける。
  57. ^ ノロとの交戦の際には身の丈をはるかに超える巨大な赫子を出現させ、その威力はSレート喰種を戦闘不能に追いやる程。
  58. ^ 髯丸にはジーニー、瓜江にはシャオと呼ばれている。
  59. ^ リゼの赫包を移植した際は1200人の人間を利用したものの成功したのはカネキ、シロ、クロのみ。芳村のものでは具体的な数値は分からないものの相当数の喰種捜査官を用い、これも成功例は「タキザワのみ」だという。対してクインクス施術は適正テストさえパスしていれば確実かつ安全に赫包を定着させることができる。過去に行ったテストで6人の適正者がおり、内2人は施術を受けたか等は明らかにされていないが、4人は実際にクインクスとして活動している。
  60. ^ この際嘉納は難しい用語を交えつつも相当噛み砕いて内容を伝えたのだが、ナキは全く理解できておらず、分かったことは「ガギとグゲが蘇る」という誤解のみである。この会話で嘉納はナキの知能の低さを「喰種という種にありがちな、人間社会に出られずに教育機会に恵まれない結果」として興味を抱いている。
  61. ^ 功善が組織に所属していたことは知らなかった。
  62. ^ ちなみにこの言葉は「自分達に子供などいない」という暗示で組織への最後の抵抗ともとれる。
  63. ^ 運転免許証を見せるまでウリエ、シラズに小学生だと誤解された。
  64. ^ ウタ、トオルが該当する。また、常時発現している訳ではなかったが第一部初期のカネキも赫眼を自身の意思で制御できていなかった。
  65. ^ 痣が浮き出るのはトーカ、リオが該当する。
  66. ^ ヒナミ、ナッツクラッカー、死堪が該当する。
  67. ^ 他にもこの症状を罹患していた可能性のある人物として、元アオギリの樹のバンジョー、クインクスのトオルの2名が挙げられる。この両名はいずれも赫子を発現することができなかったが、身体を貫通する傷を負った後に発現できるようになっており、閉塞部を攻撃され再生されたことで症状が解消されたのではないかと推測される。
  68. ^ 作中ではあんていくメンバーや笛口親子が該当する。
  69. ^ そのため教育を受けられず、文字の読み書きに不自由がある喰種も珍しくない。
  70. ^ タロちゃんは嘉納の半喰種化施術で赫包の定着に失敗した元人間。
  71. ^ 作者曰く決まった読み方はなく、「リ」「レ」「アールイー」どれでもいいようだ。
  72. ^ 厳密にいうと万が一彼が記憶を取り戻し、喰種社会でも人間社会でも居場所をなくした場合に受け入れる場所としている。
  73. ^ 『:re』では流島を拠点としている。
  74. ^ 数千単位の喰種を擁するが、月山家殲滅戦後は勢力が弱まっているようだ。
  75. ^ カネキから信用されていなかった月山は同居させてもらえず、実家から通っていた模様。
  76. ^ 喰種レストランの解体屋、タロちゃんもこれに該当する。彼を始めとする拒絶反応に見舞われた被験体達は一様に前述の症状を起こし、外見も酷似している。
  77. ^ 失敗作の意味を込めた呼称であることが嘉納により言及された。故に個人ではなく複数名を示す呼び名である。
  78. ^ とはいえ安久姉妹は絶妙なコンビネーションでカネキを翻弄し、「ローブの大男」もアオギリ構成員複数名を単騎で殺害していることから、戦闘能力そのものは決して低くなく、並の喰種や捜査官を歯牙にもかけない実力者であることに違いはない。
  79. ^ 赫子の形態は不明だが「ローブの大男」も共喰いを行っている可能性があり、将来的に該当しうると考えられる。また、ゲーム版に登場するリオもルートによっては半赫者となっている。
  80. ^ ただし例外もあり、三等捜査官時代のハイセが一等捜査官であったアキラから指導を受けていたようにパートナーではなく指導者(メンター)という形で先達が後輩捜査官に捜査技術を指導するということもある。同様の形式で一等捜査官となったハイセはクインクスらを統率している。また、下位捜査官時代の真戸と篠原は伊庭とトリオを組んでいた。
  81. ^ 例外としては宇井率いるS1班、和修 政所属する(班長かどうかは不明)S2班、有馬率いるS3班、ハイセがメンターを担当し、シラズが班長を務めるクインクス班が挙げられる。
  82. ^ 宇井の[タルヒ]や亜門の[クラ]、有馬の[ⅨA]が該当。
  83. ^ 『√A』アニメネームにおいてクインケを破壊されたアキラがQバレットを使用する描写があることから、喰種捜査官も予備の攻撃手段として所持する場合もある模様。
  84. ^ 稀にここを経ずに特例で捜査官になる者もおり、彼らは「三等捜査官」から始まっている。作中では有馬、ジューゾー、ハイセが該当する。また、ウリエ以外のクインクスは19歳で入局、かつ「三等捜査官」から始まっていることからクインクス施術を受けた後にアカデミーを中退して特例入局したと考えられる。
  85. ^ 富良は一般の高校を卒業した後アカデミーに入学した模様。また、明言されていないが入局した年齢からアカデミー入学時の年齢を逆算すると亜門、アキラ、滝澤もアカデミージュニアを経ず直接アカデミーに入学したと思われる。
  86. ^ 作中では実際に亜門や滝澤、ハイセが講義を行っていた。また、真戸微や篠原も過去教官職を務めた経歴を持つ。
  87. ^ 該当するのは功善とその娘のエト、リゼとその赫子を移植されたカネキケンである。功善はかつてVに所属しており、リゼはVから逃走した喰種である。また、エトとカネキは実際にゲートをくぐったことがあるが反応しなかった。
  88. ^ 原作とアニメではキャンパスの描写が大きく異なる。
  89. ^ 番外編『東京喰種トーキョーグール [JOKER]』収録。

出典

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集英社BOOK NAVI

以下の出典は『集英社BOOK NAVI』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。

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外部リンク