e:HEV
e:HEV(イー エイチイーブイ)は、本田技研工業が開発したストロングハイブリッドシステムであり、同社のプラグイン・ハイブリッド車の基幹システムとしても用いられている。本項では旧称の「SPORT HYBRID i-MMD(スポーツ・ハイブリッド・アイエムエムディー)[1]」についても説明する。
概要
2013年1月、これまで使われていたHonda IMAシステムを代替する3つのハイブリッドシステムの1つとして、アメリカにて9代目アコードを基にしたアコードハイブリッドに搭載された。2基のモーターを組み合わせエネルギー効率を高める方式が最大の特徴であり、主にミドルクラス向けの立ち位置を担っている。将来的には下位クラスへの導入も示唆されていたが、2020年に4代目フィットへの搭載が実現している。また、EVドライブ、Engineドライブ、Hybridドライブを走行状況に応じて自動で切り替えて走行できるというのも特徴とされている。
特色
先代のハイブリッドシステムのIMA、1モーターのハイブリッドシステム・SPORT HYBRID i-DCDやその上位版ともいえる3モーターハイブリッドシステム・SPORT HYBRID SH-AWDと違い、通常時はモーターで駆動し、エンジンは発電を担当する。高速巡航時のみエンジンがモーターの駆動の支援に回る。
システムは、直列4気筒ミラーサイクルエンジンに2基のモーターを組み合わせたもので、モーターの間に設置されたクラッチを高速巡航時のみに繋いでモーターでの駆動を補助するという、モーターがエンジンの支援に回っていた他のホンダのハイブリッドとは逆の方式となっている。特に、エンジンでの駆動を高速巡航時のみに限定し複雑な多段トランスミッションを不要にした。シリーズ型[2]とパラレル型[3]の良い所を兼ね備えた低燃費ハイブリッドシステムとなっている。
アコード・ハイブリッドでは2リッター、3代目インサイトや4代目フィットでは、1.5リッターのエンジンと組み合わせている。
2020年より本方式をグローバル名称の「e:HEV(イーエイチイーブイ)」に改めることとなり、1月に5代目ステップワゴン、5月に3代目インサイト、6月に5代目CR-V、11月に5代目オデッセイが順次「e:HEV」に名称変更、2020年2月にフルモデルチェンジされた4代目フィットや10代目アコードでは「e:HEV」として搭載されている。
搭載車種
- SPORT HYBRID i-MMD
- アコード・ハイブリッド(2代目)
- スピリア・ハイブリッド(中国専売)
- e:HEV
脚注
- ^ i-MMDはIntelligent Multi Mode Drive(インテリジェント・マルチ・モード・ドライブ)の略。
- ^ エンジンの動力による直接駆動が出来ないが故に、長い登板や高速巡航が主体の運用だと効率が稼ぎ辛い。
- ^ モーター1基でも成立可能だが、多段変速機が必須な事とモーターの効率的運用がし辛いハンデがある。
関連項目
- ハイブリッドカー
- 運動エネルギー回生システム
- リチウムイオン二次電池
- 同期電動機
- Honda IMAシステム
- SPORT HYBRID i-DCD
- SPORT HYBRID SH-AWD
- プラグインハイブリッドカー
外部リンク
- Honda e:HEV
- ホンダ・プレスインフォメーション(平成25年06月 Accord Hybrid 発表時)
- ホンダ・アコード
- ホンダ・オデッセイ
- 本田技術研究所 論文公開サイト(閲覧には登録が必要)