西村雄一

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西村 雄一
Yuichi Nishimura.jpg
個人情報
誕生日 1972年4月17日(42歳)
出身地 日本の旗 日本東京都
他職業 なし
国内
リーグ 役割
1999 - Jリーグ 主審
国際
リーグ 役割
2004 - FIFA選出 主審

西村 雄一(にしむら ゆういち、1972年4月17日 - )は、東京都出身のサッカー審判員

来歴[編集]

小学校からサッカーをはじめ、卒業アルバムにも「サッカーの会社か(有名)チームに入ること」と書くなどプロ選手を目指していた。駒沢サッカークラブ東京都立新宿高等学校を経て1994年に日本電子工学院専門学校(現・日本工学院専門学校)を卒業した。サラリーマン生活を送りながらアマチュアの試合で審判を続け1999年に1級審判員として登録され、さらに2004年からはスペシャルレフェリー(SR、現・プロフェッショナルレフェリー:PR)として登録され、Jリーグを含む国内試合の審判員および国際主審として活動している。2007年7月に行われたAFCアジアカップや8 - 9月に行われたU-17W杯に副審の相樂亨とともに派遣され、U-17W杯ではFIFA主催の大会としては日本人初となる決勝の主審を務めた。また、20062008年度の天皇杯決勝や、2006・2007年のJ1・J2入れ替え戦第2戦で主審を務めるなど、国内外でキャリアを重ねている。

国際試合での審判歴[編集]

2010年FIFAワールドカップ南アフリカ大会における審判に選出され[注 1]高田静夫1990年イタリア大会)、岡田正義1998年フランス大会)、上川徹2002年日韓大会・2006年ドイツ大会)に続き、ワールドカップで主審を務めた4人目の日本人となった[1]。同大会では以下の4試合を担当した。

ウルグアイ - フランス戦では判定のどれもが適切なものであったとされ世界各国のメディアにより高い評価を受け[2][3]、準々決勝の審判も高評価を受けた[4]。なお、ワールドカップで日本人審判が4試合の主審を務めたのは史上初である。

オランダ - ブラジル戦ではアリエン・ロッベンを踏みつけたフェリペ・メロを退場処分した[5]

このほか同大会では、7月7日の準決勝・ウルグアイの旗 ウルグアイ - オランダの旗 オランダ[6]7月11日決勝オランダの旗 オランダ - スペインの旗 スペイン[7]では、共に第4審判員を務めた。

なお同年の末にはFIFAクラブワールドカップ2010決勝(インテル×マゼンベ)の主審を務めた。この試合は副審の相樂亨名木利幸も含めた日本人3人でジャッジされた。2013年6月、コンフェデレーションズカップの審判にも選ばれ、グループリーグ:スペインの旗 スペイン - ウルグアイの旗 ウルグアイ戦の主審を務めた。

2014年FIFAワールドカップブラジル大会でも、副審の相樂・名木と共に審判団を務めることが発表され[1]、日本人で初めて開幕戦のブラジルの旗 ブラジル - クロアチアの旗 クロアチア戦(6月12日、アレーナ・デ・サンパウロ)の主審を務めた[8](この試合の判定で物議を醸すこととなる。後述)。次いでホンジュラスの旗 ホンジュラス - エクアドルの旗 エクアドル戦(6月20日)の第四審判をすることとなった[9]。最終的に3位決定戦のブラジルの旗 ブラジル - オランダの旗 オランダ戦の第4審を務め[10]、主審としての担当は1試合にとどまった。

エピソード[編集]

  • デイリーサッカーニュース Foot!に出演した際のインタビューで、自身のレフェリングの基準について「気持ちは攻撃側なんですけど、ファールを見極める目は実はディフェンスの(ディフェンスがどうするからファールになるのかという)行為を見ている」と語り、いわゆるファールの多い選手については「どうしてもカードが多くなる選手が中盤の選手でいるとします。でもその選手は監督の指示でチームの役割として、相手の動きを止めてくれと言われている。そういう指示のもとなので、その選手が悪いわけじゃなくて行為が悪いと」と語り、選手に対しては“性善説”で接するようにしているという[11]
  • 笛は自身も開発に関与したモルテンバルキーンを使用している[11]
  • Jリーグは選手が接触すると簡単に笛が鳴ると言われているが、ワールドカップでは「違う基準で笛を吹いたのか?」という問いかけに対して、「基準は変えていない、接触して選手が倒れたらルール上笛を吹くしかない、しかし海外では接触しても選手が簡単に倒れないので必然的に笛が鳴らないシーンが増えた」と答えている。
  • ワールドカップ決勝の第4の審判を務めたので純金の決勝審判記念メダルをFIFAより授与された。
  • 2011年には、国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)が選ぶ4半世紀の優秀な審判において、第83位に選ばれた[12]

物議を醸した判定[編集]

退場者取り違え[編集]

  • 東アジアサッカー選手権2005(7月31日)、韓国の旗 韓国 - 中華人民共和国の旗 中国
    この試合で主審を務めた西村は、中国の荒いプレーに対しカードを乱発、計3人を退場させたが、そのうち1人に関しては、カードを出すべき選手を別人と取り違え、この退場は後の記録で無効扱いとなっている[13]
  • 2008年J2第6節(4月6日)、ヴァンフォーレ甲府セレッソ大阪
    後半11分にペナルティーエリア内で大阪FWカレカが転倒した場面で、カレカに触れていなかった甲府DF池端陽介に対して「得点機会阻止」としてレッドカードを提示した[注 2]
    この試合の2日後に一旦、池端に対する1試合の出場停止処分が発表されたが[14]、その後、Jリーグ側は退場処分が人違いだったことを認め、池端に対する出場停止処分を取り消し、この処分を実際に反則を犯した甲府GK桜井繁に付け替えると発表した[15]。なお、「プレーに関する事実についての主審の決定は最終である」とするサッカー競技規則第5条により、公式記録は変更されていない。
    4月13日の第6節、浦和レッズ鹿島アントラーズ戦では主審を務める予定だったが、この誤審の影響で岡田正義に変更されている[16]、翌第7節まで短い休養を与えられている。

「死ね」発言騒動[編集]

2008年J1第9節(4月29日)のFC東京大分トリニータ戦、大分DF深谷友基と東京FW赤嶺真吾が競り合い、西村はこれを赤嶺のファウルと判定。ここで、先に赤嶺からファウルを受けていた大分DF上本大海が、「2度目の悪質なファウルなので、警告を出すべきだ」と西村に詰め寄ったが、これを退け、通常のファウルとして試合を再開させた。

ところがこの試合後、上本が西村から「上本うるせーぞ!テメェは黙ってプレーしておけ。死ね」という暴言を受けたと主張。大分はこの「死ね」発言について、日本サッカー協会審判委員会に抗議文を送付。Jリーグも強く問題視して、大分の抗議文を待たずに調査に乗り出す[17]

しかし西村は、「死ね」と発言したことについて、「そんなことは言っていない」と一貫して否定[18]。日本サッカー協会専務理事の田嶋幸三は、西村が「うるさい。黙ってプレーして」とは言ったことを認めた上で、私見として「プレー『して』と『死ね』を聞き間違えたのでは」と述べた[19]。最終的に、Jリーグは調査の結果、「当該選手(上本)以外に、『死ね』という発言を聞いた選手・審判員が一人もいない」「映像を調査しても、そのような発言が出る状況であったと思えない」と判断。この問題については「主審の主張を認めるものの、当該選手の主張も否定はしない」と結論づけ[20]、西村、上本のどちらにも処分はなされずに決着した。なお、西村と上本は騒動から1年後くらいに代理人を通じて話を行い、お互いに和解しているという[21]

2014年W杯開幕戦でのPK判定[編集]

ブラジルにPKを指示し、ファールを与えたロブレンにイエローカードを提示する西村。

2014年6月12日(現地時間)にアレーナ・デ・サンパウロで行われた2014 FIFAワールドカップ・グループAの初戦(開幕戦)、ブラジルの旗 ブラジル - クロアチアの旗 クロアチア戦の主審を務めたが、この試合の後半24分(69分)、ブラジルのFWフレッジがクロアチアDFデヤン・ロブレンを背負ってエリア内で倒れた。西村はこのプレーに対してPKを宣告、これをFWネイマールが決めてこの試合の決勝点となった。

この判定について、ロブレンの手がフレッジにかかって倒されたようにも、フレッジが自分から転んだよう(=シミュレーションの反則)にも見えたことから議論を呼ぶこととなり[22]、イタリアの新聞「ガゼッタ・デロ・スポルト」が2014年6月13日付の紙面で「2-1のPKをプレゼントしたことに議論がある」「主審のミスは大きかった」「このレベルの試合で許されないことが待っていた。ロブレンのフレッジへのPKはなかった」と報じ[23]、元イングランド代表ゲーリー・リネカーが自身のTwitterで「It's a tight call for Brazil's man of the match between Neymar and the Referee」(開幕戦のマン・オブ・ザ・マッチは、ネイマールと主審のどちらを選ぶのか難題だ)と皮肉めいたツイートを発信する[24][25]、かつてW杯で審判を務めたスイス人レフェリーのウルス・マイヤー英語版が、ドイツ・ZDFの番組内で「フレッジはボディコンタクトを待っていた。接触は本当にわずかだった。レフェリーの位置も悪く、良い角度に入ろうとしていなかった。彼はフレッジにイエローカードを出さなければいけなかった」と語る[26]など、批判が相次いだ。FIFAワールドカップ審判部責任者を務めるマッシモ・ブサッカは「(西村は)非常にいいポジションを取っていた」「(選手が)接触すれば、審判にどちらかに決める理由を与えることになる」とした上で「われわれは人間」「ミスを犯さない人間はいない」と語った[27][28]

出演[編集]

テレビ[編集]

脚注[編集]

注記
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  1. ^ 西村に加え、日本の相樂亨副審および韓国の鄭解相韓国語版副審を合わせた3人1組の審判団として選出された。FIFAワールドカップでは、2006年ドイツ大会以降、審判3名(主審+副審2名)を固定して担当試合を決定するようになっている[1]
  2. ^ この試合の週刊サッカーマガジン週刊サッカーダイジェストによる西村に対する採点はそれぞれ「5.0」「4.0」であった(採点は10点満点で、5.5 - 6.0が概ね及第点とされる)。
出典
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  1. ^ a b c “2014FIFA ワールドカップブラジル™の審判団に、西村雄一氏・相樂亨氏・名木利幸氏が選出” (プレスリリース), 日本サッカー協会, (2014年1月16日), http://www.jfa.or.jp/coach_referee/topics/2014/6.html 2014年1月18日閲覧。 
  2. ^ “西村主審&相楽副審に世界で高評価”. 日刊スポーツ. (2010年6月13日). http://southafrica2010.nikkansports.com/news/p-sc-tp2-20100613-640974.html 2014年1月18日閲覧。 
  3. ^ “Asian officials shine in spotlight”. Uzbekistan Daily. (2010年6月12日). http://www.uzdaily.com/articles-id-10449.htm 2014年1月18日閲覧。 
  4. ^ “ドイツTVが西村主審を絶賛「反則をよく見ていた」”. スポーツニッポン. (2010年7月3日). オリジナル2010年7月6日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20100706063203/http://www.sponichi.co.jp/soccer/flash/KFullFlash20100703031.html 2014年1月18日閲覧。 
  5. ^ “西村雄一”. (2014年6月14日). https://globe.asahi.com/breakthrough/100920/01_01.html 2014年6月14日閲覧。 
  6. ^ “W杯準決勝、西村氏が第4審判員に”. 読売新聞. (2010年7月6日). http://www.yomiuri.co.jp/wcup/2010/news/tournament/news/20100706-OYT1T00094.htm 2014年1月18日閲覧。 
  7. ^ “日本の西村雄一主審、W杯決勝戦に選出”. 読売新聞. (2010年7月9日). http://www.yomiuri.co.jp/wcup/2010/news/japan_2/news/20100709-OYT1T00208.htm 2014年1月18日閲覧。 
  8. ^ “W杯開幕戦「ブラジル―クロアチア」は西村主審ら日本審判団”. スポーツニッポン. (2014年6月10日). http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/06/10/kiji/K20140610008343380.html 2014年6月11日閲覧。 
  9. ^ FIFAWorldCup2014公式サイト
  10. ^ “W杯3位決定戦の審判団が決定、西村雄一氏が第4審判に選出”. サッカーキング. (2014年7月11日). http://www.soccer-king.jp/news/world/wc/20140711/210979.html?view=more 2014年7月24日閲覧。 
  11. ^ a b J SPORTS 編集部 (2014年5月17日). “西村雄一さんのレフェリー論!「ファールは選手ではなくその行為が悪いだけ」”. デイリーサッカーニュース Foot! FRIDAY“ESPECIAL”. J SPORTS. 2014年6月13日閲覧。
  12. ^ The World's best Referee of the Quarter of a Century(1987-2011)”. IFFFS. 2013年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月18日閲覧。
  13. ^ “W杯開幕戦、主審は日本人・西村雄一氏 “中国選手にレッドカード連発”の過去―中国メディア”. XINHUA.JP. (2014年6月13日). http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/385479/ 2014年6月14日閲覧。 
  14. ^ “J2 第6節 退場に伴う池端 陽介選手(甲府)の出場停止処分について” (プレスリリース), 日本プロサッカーリーグ, (2008年4月8日), http://www.j-league.or.jp/release/000/00002290.html 2014年6月14日閲覧。 
  15. ^ “J2 第6節 甲府vsC大阪 池端 陽介選手(甲府)の退場処分の取り扱いについて” (プレスリリース), 日本プロサッカーリーグ, (2008年4月11日), http://www.j-league.or.jp/release/000/00002298.html 2014年6月14日閲覧。 
  16. ^ “浦和―鹿島戦 主審急きょ変更…西村氏に協会「不適格」”. (2008年4月13日). オリジナル2008年4月19日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20080419133621/http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/jleague/news/20080413-OHT1T00017.htm 2014年6月14日閲覧。 
  17. ^ “主審の暴言問題で大分が抗議文提出へ”. スポーツニッポン. (2008年4月30日). オリジナル2008年6月29日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20080629224457/http://www.sponichi.co.jp/soccer/flash/KFullFlash20080430010.html 2014年6月14日閲覧。 
  18. ^ “「死ね」発言否定! 西村雄一主審、異議唱えた選手“侮辱””. サンケイスポーツ. (2008年5月1日). オリジナル2008年7月4日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20080704132103/http://www.sanspo.com/soccer/top/st200805/st2008050109.html 2014年6月14日閲覧。 
  19. ^ “「して」聞き間違い!?「死ね」審判不問へ」”. 日刊スポーツ. (2008年5月2日). http://www.nikkansports.com/soccer/news/p-sc-tp0-20080502-354882.html 2008年5月3日閲覧。 
  20. ^ “審判員の発言に関する見解” (プレスリリース), (2008年5月2日), http://www.j-league.or.jp/release/000/00002370.html 2008年5月3日閲覧。 
  21. ^ “【仙台】上本「Jと同じ吹き方」08年西村主審と“けんか””. スポーツ報知. (2014年6月14日). http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20140613-OHT1T50303.html 2014年6月14日閲覧。 
  22. ^ “西村主審、勝負分けた判定=初の大役、議論呼ぶPK-サッカー〔W杯〕”. 時事ドットコム. (2014年6月13日). http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2014061300297 2014年6月13日閲覧。 
  23. ^ 伊紙がW杯開幕戦のPK判定を「ミス」と報道 「このレベルの試合で許されないことが待っていた」”. サッカーマガジンZONE (2014年6月13日). 2014年6月13日閲覧。
  24. ^ 西村主審のPK判定に世界中で波紋 リネカー氏「MOMにネイマールか、レフリーかを選ぶのは難題だ」”. サッカーマガジンZONE (2014年6月13日). 2014年6月13日閲覧。
  25. ^ Gary Lineker (@GaryLineker) 2014年6月13日 6:44のツイート
  26. ^ 元W杯レフェリーが西村主審に苦言”. ゲキサカ (2014年6月13日). 2014年6月21日閲覧。
  27. ^ 共同通信社 (2014年6月14日). “W杯、FIFAは西村主審擁護 ブラジル決勝点のPK判定”. ニコニコニュース. http://news.nicovideo.jp/watch/nw1110096 2014年6月20日閲覧。 
  28. ^ “W杯=FIFAの審判部トップ、西村主審の判断を擁護”. ロイター. (2014年6月14日). http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0EP02K20140614 2014年6月14日閲覧。