メタンフェタミン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
| メタンフェタミン | |
|---|---|
| IUPAC名 | (S)-N-メチル-1-フェニルプロパン-2-アミン |
| 別名 | N-メチルアンフェタミン |
| 分子式 | C10H15N |
| 分子量 | 149.24 g/mol |
| CAS登録番号 | [537-46-2] |
| 沸点 | 212 °C[1] |
メタンフェタミン(Methamphetamine)はアンフェタミンの窒素原子上にメチル基が置換した構造の有機化合物である。
目次 |
[編集] 概要
アンフェタミンより強い中枢神経興奮作用をもつ覚醒剤であり、日本では覚せい剤取締法により規制されている。医療の現場においては現在、ナルコレプシーに対して施用されているだけである。
21世紀初頭の近年、世界各国においてその蔓延の急速な進行が確認されており、一例としてアメリカ合衆国では、『最も危険なドラッグ』として語られるものとなっている。
日本語における俗称、シャブ、エス(S)、スピード(Speed)、英語における俗称、Ice(アイス)、Meth(メス)、Crystal meth(クリスタル・メス)、諸言語における俗称、冰毒(中国語)、Tina(フランス語)、Shaboo(イタリア語)、Tik(南アフリカ)異称、The queen of ice(氷の女王)。
日本の化学者・長井長義により1893年にエフェドリンから合成されて生まれ、1919年に緒方章がその結晶化に成功した。
[編集] ヒロポン
日本ではヒロポン(大日本住友製薬の登録商標、第364236号の1)という薬品名で知られる。当時は、アンプル剤と錠剤があったという。語源は、「疲労をポンと取る」という説があるが、ギリシア語の「労働を愛する(philoponus)」という意味という説が有力である。綴りも「Philopon」である。
日本では太平洋戦争以前より製造され、軍・民で使用されていた。現在でこそ覚せい剤の代名詞であるヒロポンだが、当時は副作用についてまだ知られていなかったために規制が必要であるという考え方自体なく、ゆえに取締法も存在しなかったため、一種の強壮剤のような形で利用されていた。しかし、終戦直後に軍の備蓄品が一気に市場に流入し、人々が精神を昂揚させる手軽な薬品として蔓延、依存者が大量に発生し、一時中毒患者が50万人を超えるなど社会問題となったことから、政府は1951年に覚せい剤取締法を施行、これに伴い、同法により規定された、研究・医療機関への販売や一部の医療用途での使用といった項目を除き、一切の使用や製造・所持が禁止されている。

