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恋のアドバイス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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「恋のアドバイス」
ビートルズシングル
初出アルバム『ヘルプ!
B面 テル・ミー・ホワット・ユー・シー
リリース
規格 7インチシングル
録音
ジャンル ロック
時間
レーベル 日本の旗 オデオン / 東芝音楽工業
作詞・作曲 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン
チャート最高順位
  • 月間10位(日本、ミュージック・マンスリー洋楽チャート)[1]
ビートルズ シングル 日本 年表
  • 恋のアドバイス
  • (1965年)
ヘルプ! 収録曲
アナザー・ガール
(A-5)
恋のアドバイス
(A-6)
涙の乗車券
(A-7)
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恋のアドバイス 」(こいのアドバイス、原題 : You're Going to Lose That Girl[注釈 1])は、ビートルズの楽曲である。1965年に公開されたビートルズの主演映画『ヘルプ!4人はアイドル』で使用され、同年に発売された5作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ヘルプ!』に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、主にジョン・レノンによって書かれた楽曲で、一部ポール・マッカートニーが手伝っている。

日本では、B面に「テル・ミー・ホワット・ユー・シー」を収録したシングル盤としても発売され、洋楽チャートで最高位10位を獲得した[1]

背景

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本作はレノン=マッカートニー名義[3]で発売されたが、ウォルター・エヴェレット英語版イアン・マクドナルド英語版は共にレノンが書いた曲としている[4][3]。マッカートニーも、1997年に出版された自伝『Many Years from Now』で、本作の作曲について「60対40で、ジョンの曲」としている[5][6]。1965年1月16日に行なわれた『メロディー・メイカー英語版』誌のレイ・コールマン英語版とのインタビューで、レノンはビートルズの次回作のために「『半分の曲』しか書いていない」と説明している[7]

同年1月25日から2月7日にかけて、レノンと当時の妻であるシンシア・レノンは、ビートルズのプロデューサーであるジョージ・マーティンと、その妻ジュディー・ロックハート=スミスと共に、オーストリア・アルプス英語版で休暇を過ごした。この休暇を用いて、レノンとマッカートニー、ジョージ・ハリスンは本作を含む11の新曲を書き、2月15日から20日にかけて録音した[7]

レコーディング

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「恋のアドバイス」のレコーディングは、1965年2月19日にEMIレコーディング・スタジオで行なわれた午後のセッションで開始され、2テイク録音されたのち、オーバー・ダビングが行なわれた。翌日、マーティンはエンジニアのノーマン・スミスケン・スコット英語版の協力のもと、モノラル・ミックスを作成[8]。2月23日、ビートルズがバハマで映画『ヘルプ!4人はアイドル』の撮影をしている間に[9]、エンジニアのスミスとマルコム・デイヴィースはステレオ・ミックスを2種類作成[10]。その結果、2つ目のミックスが選ばれた[10]

3月30日、ビートルズは本作に対してさらなるオーバー・ダビングを行なった[10]。なお、オリジナルのテープには、エレクトリックピアノとハリスンのギターソロが含まれていた[11]が、この2つのパートはカットされた[12][注釈 2]。ハリスンは新しいギターソロを録音し、リンゴ・スターボンゴ、マッカートニーはピアノを演奏した[3][12]

4月2日、マーティンはスミスの協力のもと、3月30日のオーバー・ダブを使用して、再度ステレオ・ミックスを作成した[13]。このステレオ・ミックスは、イギリスで発売された『ヘルプ!』とアメリカで発売された『ヘルプ(四人はアイドル)』に収録された[14]

リリース・評価

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1965年8月6日にパーロフォンから『ヘルプ!』が発売され[15]、「恋のアドバイス」は「アナザー・ガール」と「涙の乗車券」の間の7曲目に収録された[16]キャピトル・レコードは、イギリスで発売された『ヘルプ!』と収録曲を変更したサウンドトラック・アルバム『ヘルプ(四人はアイドル)』を8月13日にアメリカで発売し、「You're Gonna Lose That Girl」と表記を変更して[2]2つのオーケストラ曲の間の11曲目に収録した[17]。本作は、1965年のアメリカツアー中にレノンとハリスンに贈られたソニックブルーのフェンダー・ストラトキャスターが使用された初の楽曲となっている[18]。このギターは、後の活動でもハリスンのお気に入りの一本であり[18]、次のアルバム『ラバー・ソウル』でも使用されている[19]。同年に公開された映画『ヘルプ!4人はアイドル』では、スタジオ[注釈 3]でのレコーディングのシーン[注釈 4]で使用された[20]

作家のジャクリーン・ワーウィックは、本作を「シー・ラヴズ・ユー」や活動初期にカバーしていたガール・グループの楽曲に匹敵する「アドバイス」ソングと表現している[22]。エヴェレットは、「マッカートニーとハリスンのリード・ボーカルに応えるバッキング・ボーカルは、モータウンに大きく影響している」[4]とし、本作のコード進行について「ぎょっとするほど独創的」と評している[23]

ビル・ワイマンは、ラモーンズの楽曲「キル・ザット・ガール」(原題 : You're Gonna Kill That Girl)について本作のパロディソングと解釈している[24]

クレジット

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※出典[3](特記を除く)

カバー・バージョン

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脚注

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注釈

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  1. ^ キャピトル・レコードからの発表時は「You're Gonna Lose That Girl」と表記されていた[2]
  2. ^ エレクトリックピアノのパートとカットされたギターソロが含まれたバージョンのアセテートは、海賊盤で流通している[11]
  3. ^ 映画に登場するレコーディング・スタジオはセットであり[20]、実際にはトゥイッケナム・スタジオで撮影された[21]
  4. ^ 演奏はリップシンク[21]

出典

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  1. ^ a b 『日経BPムック 大人のロック!特別編集 ザ・ビートルズ 世界制覇50年』日経BP、2015年、33頁。ISBN 978-4-8222-7834-2 
  2. ^ a b Sawyers 2006, p. 339.
  3. ^ a b c d MacDonald 2007, p. 150.
  4. ^ a b c Everett 2001, p. 291.
  5. ^ Miles 1997, p. 195.
  6. ^ MacDonald 2007, p. 150n2.
  7. ^ a b Everett 2001, p. 280.
  8. ^ Lewisohn 1988, p. 56.
  9. ^ Lewisohn 2000, pp. 184–185.
  10. ^ a b c Lewisohn 2000, p. 187.
  11. ^ a b Winn 2008, p. 300.
  12. ^ a b Winn 2008, p. 309.
  13. ^ Lewisohn 1988, p. 57.
  14. ^ Winn 2008, pp. 309–310.
  15. ^ Miles 2007, p. 167.
  16. ^ Lewisohn 1988, p. 62.
  17. ^ Miles 2007, p. 168.
  18. ^ a b MacDonald 2007, p. 150n3.
  19. ^ Everett 2001, p. 406n43.
  20. ^ a b Halpin 2017, p. 115.
  21. ^ a b Guesdon & Margotin 2014, p. 280.
  22. ^ Everett 2001, p. 141.
  23. ^ Everett 2001, p. 292.
  24. ^ Wyman, Bill. “Joey Ramone, R.I.P.”. salon.com. 2021年7月13日閲覧。
  25. ^ Unterberger, Richie. Sugar & Spice - The Cryan' Shames | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年7月13日閲覧。
  26. ^ Deming, Mark. Half Past Midnight: The Staccatos and Beyond - Five Man Electrical Band | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年7月13日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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