北の国から

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Ethan Hunt (会話 | 投稿記録) による 2013年5月29日 (水) 08:58個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎'92巣立ち~)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ロケーション撮影に使用された主人公黒板五郎の家 初代丸太小屋(上) 3番目に建てられた家(下) いずれも麓郷の森に移築
ロケーション撮影に使用された主人公黒板五郎の家
初代丸太小屋(上)
3番目に建てられた家(下)
いずれも麓郷の森に移築

北の国から』(きたのくにから)は、北海道富良野市(主に麓郷地区)を舞台にしたテレビドラマフジテレビ系列で1981年から2002年にかけて放送。

概要

東京から故郷の北海道に帰郷して、大自然の中で暮らす一家の姿を描く。脚本倉本聰。北海道の雄大な自然の中で繰り広げられる。連続ドラマ放送後、8編に及ぶスペシャルドラマが放映された。主題歌の作曲・スキャットは、さだまさし

映画『キタキツネ物語』と『アドベンチャーファミリー』の大ヒットにより、似たようなものができないかとフジテレビから倉本に話が持ち込まれた事から企画が始まる[1]。コンセプトは、アメリカ合衆国のテレビドラマシリーズ『大草原の小さな家』をヒントにしたものと言われる。最初の放送からスペシャルドラマが21年間に渡って放送されたが、制作スタッフの高齢化による定年退職や、長期ロケによる高額な制作費により、続編の制作が困難になった事から、『2002遺言』をもって制作を終了した。

フジテレビ系列局である北海道文化放送が連続ドラマ版を開局10周年記念番組として位置付けて番組制作に協力し、その後のスペシャルドラマ版でも制作協力をしており、毎回長期に渡る北海道ロケによって制作された。美しい自然や祭りなど、富良野市は日本中に知られるようになり、過疎の村だった麓郷地区には第1作放送直後から、休日になると数百人の観光客が見物に訪れることとなった。最終作が放送された2002年度には249万人が訪れている[2]。富良野は北海道の観光名所となり、ドラマに使われた丸太小屋が再現された他、富良野市農業協同組合駅前4号倉庫を改造した「北の国から資料館」が設けられた。連続ドラマ第1話、黒板親子が降り立った布部駅の入口脇には、倉本の筆による「北の国 此処に始る」と書かれた碑が建てられるなどした。

協力者

舞台を麓郷とする着想は、富良野に移住した倉本が麓郷で林業を営んでいた人物と出会ったことがその始まりであった。ドラマに登場する中畑和夫はこの人物をモチーフとしたキャラクターである。この人物は妻とともにロケ地の提供や撮影への協力を献身的におこないドラマを支えた。倉本は彼を「『北の国から』の全作品を通しての最大の功労者」「彼がいなかったら出来ていない」と記している[3]。また、彼をはじめとする富良野で出会った人々についてはエッセイ『北の人名録』(新潮文庫)に詳しく記されている。

作品

連続ドラマ

1981年10月9日 - 1982年3月26日金曜日22時からの放送。全24話。テレビ大賞受賞作品。異例の1年2か月間に及ぶ長期ロケを敢行。スタート当初は視聴率も一時は1桁台に落ちたものの尻上がりに上昇し最終回には20%を突破、平均視聴率は14.8%を記録した。また最終回放送日には各新聞朝刊にお礼広告を出稿。視聴者から寄せられた投書も1万通を超えた。

主役の黒板五郎役は高倉健藤竜也中村雅俊緒形拳西田敏行などの候補者がいたが、田中邦衛を抜擢した[4]

純による東京のガールフレンドに語りかけるナレーションが、物語の語り手となっている。「今日僕は…なわけで」「…しており」「…と思われ」などの特徴的な口調は、同じ倉本脚本のドラマ『前略おふくろ様』で主役を演じる萩原健一によるナレーション手法を転用したものである[5]。倉本は『前略おふくろ様』で初めてこの手法を使用した際に口調は山下清から流用したが、本作でもそのまま使われる形になった[5]。後のスペシャル化後はガールフレンドに語りかける設定はなくなったが、このスタイルは踏襲された。

制作費予算は総額約6億円で1話あたり約2,500万円[6]。ただし、倉本によると実際には1話あたり5,000万円近くかかり、放送前の時点で赤字が積み上がったため中村敏夫プロデューサーが心痛から急病で入院することになったという[7]。連続ドラマでは東京の場面が多いが、これは東京と地方の対比を描きたかったことと前述の番組予算問題のためである[4]

スペシャルドラマ

連続ドラマの好評を受け、10年単位で子役の成長を追う大河ドラマというコンセプトで、当初から長期シリーズとする予定で開始。スペシャルドラマでは常時視聴率20%超えを記録した。全ての作品がビデオ化されている。

放送日・視聴率
  1. 北の国から'83冬(1983年3月24日放送)- 26.4%
  2. 北の国から'84夏(1984年9月27日放送) - 24.3%
  3. 北の国から'87初恋(1987年3月27日放送) - 20.5%
    シリーズ完結前の「シリーズにおける最高の名場面は?」というアンケートにおいて、「純が汚れたお札を見ながら富良野を旅立っていく」というラストシーンが1位に選ばれている。
  4. 北の国から'89帰郷(1989年3月31日放送) - 33.3%
  5. 北の国から'92巣立ち(1992年5月22日・23日放送) - 32.2%・31.7%
    『'87初恋』、『'92巣立ち』が、文化庁芸術祭作品賞受賞。
  6. 北の国から'95秘密(1995年6月9日放送) - 30.8%
    『'95秘密』以降、ハイビジョンで撮影。
  7. 北の国から'98時代(1998年7月10日・11日放送) - 25.9%・24.8%
    「フジテレビ開局40周年記念番組」として制作された。
  8. 北の国から2002遺言(2002年9月6日・7日放送) - 38.4%・33.6%
    「uhb(北海道文化放送)開局30周年記念番組」として放送。
    前編は、『2002FIFAワールドカップ』、『第53回NHK紅白歌合戦』を除き2002年の最高視聴率番組。
    中嶋朋子の実子が息子役で出演。倉本は、この脚本で第21回向田邦子賞受賞。吉岡と恋人役の内田有紀は共演をきっかけに2002年12月結婚した[8]

番外編

ゆく年くる年(1982年 - 1983年)
フジテレビ制作回。田中邦衛・吉岡秀隆・中嶋朋子の3人が出演。
北の国から 記憶
2002年8月23日・30日放送。最終章「2002 遺言」の放送前に制作された総集編。2週にわたって「金曜エンタテイメント」枠にて放送。前編の「1980~1987」は、連続ドラマから「'87 初恋」まで、後編の「1989~1998」は、「'89 帰郷」から「'98 時代」までとなっている。この作品で大凡のストーリーが理解できるものの、前後編4時間弱という時間の関係上、細かなストーリーは省略されている。
ドキュメンタリー“北の国から”
2002年9月9日放送。「2002遺言」の舞台裏を中心としたドキュメンタリー番組。語りは中嶋朋子。

本作終了後

5夜連続!アンコールドラマスペシャル「北の国から」
2003年12月16日~20日放送。ハイビジョン撮影がされていた「'95秘密」、「'98時代」、「2002遺言」を地上デジタル放送開始を記念して、初のハイビジョン版での放送。なお編成上の都合で時間枠が足りなかった「2002遺言・前編」については、冒頭で22年間を振り返る回想シーンが追加されている。
北の国から2005 純と結の家
2004年、富良野市麓郷『拾って来た家』の一角に新たに「純と結の家」が作られた事を記念した倉本の書き下ろし短編。純の語りだけで構成されており、完成式で倉本自身によって朗読された。純と結の新婚生活と2人の拾って来た家が作られるまでの物語。「季刊 富良野塾」に掲載された他、麓郷の拾って来た家では直筆原稿を読むことができる。
カルトQ2005~誇り~(北の国から)編
2005年10月17日(月)深夜1:19 - 2:14の登龍門ニューカマーズ枠で放送。
司会:伊藤利尋(フジテレビアナウンサー)・有村実樹
出演者:勝俣州和増田英彦ますだおかだ)・ビビる大木

登場人物

第1話~

黒板五郎:田中邦衛
本作の主人公。東京のガソリンスタンドで働きながら一家4人で暮らしていたが、妻・令子の不倫をきっかけに純と蛍を連れて郷里の富良野へ帰ってくる。その後、令子とは正式に離婚。富良野では、中畑木材の仕事を手伝ったり、小規模の農業や炭焼きなどで生計を立てる。かなりの行動力があり、沢から水道を引いたり風力発電を作ったり、果ては井戸まで独力で掘ったりした。性格は基本的に温厚だが、頑固なところもあり一度ヘソを曲げると手が付けられなくなることもある。また、初期には内弁慶なところもあり、外で面白くないことがあると家に帰ってから子供たちに当たることもあった。「'83冬」では内地(本州)へ出稼ぎへ行く様子も伺える。みどりの借金を被せられ土地を追われる危機に瀕するも、村の仲間たちの助けもあり危機を逃れる。「'84夏」では出稼ぎから帰った当日に丸太小屋が焼失する事件が起き、心身が疲弊する様子が描かれた。「'89」で再び丸太小屋の制作に着工するが、「'92」で純の起こしたトラブルから断念し、かわりに石の家を建設する。「'92」以降、「アキナ」という柴犬を飼っている。
なお、倉本聰によると、「黒板」という姓は倉本が若い頃に片思いした女性に由来するという[9]
黒板令子:いしだあゆみ
五郎の妻で、純と蛍の。美容院「ローズ」(第7話より「ビューティーサロンRei」)を経営している。学生時代の友人だった吉野信次と不倫したため、夫婦は離婚。その後まもなく、かねてから患う病のために他界。
黒板純:吉岡秀隆
五郎の長男。第一話の時点では小学4年生。典型的な都会っ子で、当初は東京に帰りたがっていたが、徐々に富良野の生活に馴染むようになる。性格は気弱で傷付きやすく、おしゃべり。言わなくてもいいことを言ったり、自らの責任を回避しようとして嘘をついて事態を悪化させることもしばしばある。「'87」では機械を見るとすぐに分解する趣味を持ったため、周囲からはペンチという愛称で呼ばれる。れいと出会い初恋をし、彼女に東京の定時制へ行くのはどうかと吹き込まれる。一緒に行くはずだったが、彼女は父親に連れられ夜逃げしてしまい、結局純一人で行くことになる。中学卒業後は上京し、井関と雪子のところへ身を寄せて働きながら定時制高校へ通う。「'89」では髪を染めたりバイクに乗ったりと東京を楽しもうとするが、盗品のバイクを買わされ、さらに泥の付いたピン札をめぐり警察沙汰を起こしてしまう。すっかり疲れ果て、富良野に戻りたいと考えるが、五郎にそれを諭される。「'92」ではガソリンスタンドなどへ務めるが、タマコの妊娠、五郎の事故などを通し富良野へ戻ることを決め、それからは市の臨時職員としてごみ収集の仕事に従事する。「'98」では草太の牧場を引き継ぐが、経営に失敗。正吉と半分ずつ借金を受け持ち、返済のために富良野を出て羅臼で廃棄物処理の仕事に就く事になる。スペシャル以降はあだ名[10]で呼ばれることが多い。
語尾に「〜な訳で」で話すことがあり、「トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜」の「トリビアの種」で実際に計測したところ、52回言った。
黒板(笠松)蛍:中嶋朋子
五郎の長女で、純の妹。第一話の時点では小学2年生。令子の不倫現場を目撃してしまったこともあり、当初から五郎を気遣っていた。幼い頃は五郎に対し従順だったが、その反動か、成長するにつれて五郎の意思と異なった自分の道を歩み始める。中学卒業後に看護学校へ通い、「'89」では看護学校へ通う電車の中で出会った和久井勇次と恋に堕ちる。しかし彼も受験勉強のため東京へと去ってしまう。遠くの病院へ通わなくてはならないため、父親を一人残すことにためらいつつも富良野を離れる。その後、勤務していた札幌の医師・黒木光彦と不倫し、根室市落石に駆け落ちする。その後別れるが、黒木の子を身ごもっていた。彼には知らせず一人で産むつもりで札幌に引っ越すが、草太の計らいで笠松正吉と結婚。正吉が借金返済のために離道した後は富良野市内の病院に看護師として勤務する。
北村草太:岩城滉一
北村清吉の四男で共同牧場で働いており、純や蛍には「草太兄ちゃん」と呼ばれている。3人の兄は全員富良野を離れ、東京・札幌仙台でそれぞれ暮らしている。趣味はボクシングとバイク。女グセが悪く、吉本つららと交際していたのにもかかわらず雪子に横恋慕してしまうものの、結局雪子との恋が実ることはなく、後に飯田アイコと結婚する。清吉の死後は牧場の規模拡大に勤しむが、半ば強引なやり方は純たちの反感を買うようになった。蛍の結婚を自分の事のように大喜びするが、その直後、作業中の事故(1人でトラクターをトラックの荷台に乗せようとした所、トラクターが転倒してその下敷きになる)で死亡。「2002」では純の夢の中に現れるようになる。
吉本つらら:熊谷美由紀(現・松田美由紀
草太の恋人だったが、草太が雪子に出会ってからはないがしろにされる。それが元で家出し、札幌で風俗嬢になってしまった。アイコによると、「'87」では結婚して子供も産むなど幸せに暮らしているようである。
中畑和夫:地井武男
五郎の同級生で、「中畑木材」や「中畑畜産」を経営している。さまざまなことにつけ五郎たちの世話をしており、家族ぐるみの付き合いである。スナックでは、自分を悲劇の主人公にして架空の話をするという一面も。そのせいで、こごみには「悲劇サン」と呼ばれていた。「2002」で妻を癌で亡くす[11]
中畑みずえ:清水まゆみ
中畑の妻。料理がうまいが、しつけには厳しい。「2002」で癌が再発し他界する。
北村清吉:大滝秀治
五郎の父方の伯母の子で、五郎とは従兄に当たる。草太の父。八幡丘で共同牧場を経営している。5人の男子をもうけるが、草太と末っ子を除いてみんな出て行ってしまった。普段は寡黙であまり喋らないが、時折みんなを黙らせてしまうほど説得力のあることを言う。1997年に他界した。
北村正子:今井和子
清吉の妻で、草太の母。経営していた牧場を倒産させた後、アイコとともに富良野を去る。
松下豪介(クマさん):南雲佑介
中畑木材で働いている若い衆。五郎の作業もよく手伝っている。もじゃで、まるで熊のような外見をしている。宮沢賢治が好き。
中川:尾上和
中畑木材で働いている若い衆。
山本恵子:永浜三千子
純の東京時代の同級生。純のナレーションで「拝啓、恵子ちゃん」という語り出しからも分かるように彼女へ向けて話されている。連続シリーズの終盤で家族揃って渡米してしまい、その後は純と会うことはなかった。
宮前(井関)雪子:竹下景子
純と蛍の母方の叔母で、令子とは腹違いの妹。純と蛍には「雪子おばさん」と呼ばれている。不倫相手の井関利彦との交際に悩み、富良野で純たちと同居するようになった。草太に好かれいったんは草太との結婚を決意するが、同時期に井関から離婚成立の知らせを受けたことで気持ちが揺らぎ、「'84夏」にて結局は井関と結婚して東京に帰る。井関との間に長男・大介をもうけるが、井関が再び不倫したことで離婚し、また富良野へやってきた。富良野へ来てからは、ニングルテラスにある「森のろうそく屋」で働いている。

第2話~

木谷(水谷)凉子:原田美枝子(第2話~)
純と蛍が通う、中の沢分校の教師。通称凉子先生。以前は東京で教師をしていたが、児童にある問題を起こされたことで東京にはいられなくなり、富良野へやってきた。しかし富良野でもその事件が取沙汰されてしまう。UFOとの通信ができるらしく、蛍を連れて山へUFO見物に出かけるが、帰りが遅くなり警察沙汰になる。五郎らは凉子の身を案じて皆に黙っているよう頼むが、純が雑誌記者にそのことを話したことから、テレビにも取り上げられる問題にまで発展してしまい、そのことが元で再び転勤を余儀なくされてしまう。富良野を離れる際、純とUFOを観に行く約束をするが、純は熱を出してしまい約束を果たせず、そのままいなくなってしまった。スペシャルでは、「'83冬」で赴任した女満別から年賀状が届く他、「2002 遺言」では、羅臼で鮭の遡上を見に来た純と再会し、純と結が付き合うきっかけを作る。
中畑(清水)すみえ:塩月徳子(第2話~)- 「2002 遺言」では中島ひろ子
中畑家の一人娘で、純・正吉とは同級生。札幌で保育士をやっていたが、結婚を機に富良野へ帰ってくる。
笠松正吉:中澤佳仁(第2話~)
純の同級生で、無二の親友。何度か確執はあったが、かけがえのない存在である。母・みどりが旭川で水商売をしていて普段は不在のため、祖父・杵次と一緒に暮らしていた。杵次の死後はみどりと一緒に富良野を離れるが、「'83冬」で家出。みどりが借金から逃れるために奔走している間、黒板家に居候するようになる。純と共に五郎を迎えに行ったときに火の不始末が原因で丸太小屋を全焼させてしまい、事情聴取の際純は何も話さなかったため一人罪を被ることとなってしまう。「'84夏」で黒板家を去ったあとはしばらく登場しなかったが、「'92」で自衛官となって再登場。純や蛍と会えていない五郎を訪ね、「自分も息子だと思ってますから」と伝えた。自衛隊退官後は富良野の土木業者に勤め、純と共同でアパートを借りて暮らす。「'98」で不倫相手の子を身ごもったことを承知の上で蛍にプロポーズし、結婚する。「2002」では借金返済のため出稼ぎに出ており、声のみの出演となった[12]
吉本辰巳:塔崎健二(第2話~)
つららの兄。五郎に出稼ぎで麓郷を離れる際に留守中の事を頼まれるなど、五郎の信頼できる友人。
吉本友子:今野照子(第2話~)
辰巳の妻。
本田好子:宮本信子(第4話~)
令子の友人で、弁護士。五郎と令子の離婚調停のため、富良野を訪れる。
笠松杵次:大友柳太朗(第5話~)
正吉の祖父。かつては「仏の杵次」と呼ばれるほど温厚な人柄だったが、妻の死後は偏屈になっていた。よく嘘を吐いていることから「へなまずるい」と後ろ指を指されており、五郎にも「五郎の父親に金を貸し、そのカタに今五郎達が住んでいるあたりの土地を譲り受けた」などと言っていた。古い考えの持ち主で周囲からの評判は悪く、そのことで気まずくなる正吉の姿もよく描かれた。麓郷でも少なくなった馬を飼っていることも「お金の無駄」などと悪口を言われていたが、純と雪子が吹雪で遭難しかけたときには救出に一役買うことになる。経済的に苦しくなってその馬を手放すが、その夜に酔ったまま自転車を運転して橋から転落し、死亡。
川島竹次:小松政夫(第6話~)
草太の友人。つららの件で草太を叱り飛ばす。
井関利彦:村井国夫(第6話~)
雪子のかつての不倫相手。一度は雪子と別れるも、結局妻と離婚し雪子と結婚する。しかし数年後には再び不倫に走り、雪子とも離婚。
笠松みどり:林美智子(第8話~)
五郎の幼馴染みで正吉の母。水商売をしている。金にだらしなく、「'83冬」ではギャンブルで作った借金を保証人の五郎にかぶせて逃亡。五郎はそのせいで家を失いかけるハメになるが、一貫してみどりのことはかばい続けた。「'98」では札幌に自分の店を持っていた。
刑事:蟹江敬三(第11話)
人を殴った草太を取り調べた刑事。草太とは高校時代から喧嘩していた間柄だった。この取調べの最中、つららが家出したとの一報が入る。
吉野信次:伊丹十三(第13話~)
令子の学生時代の友人で、不倫相手。令子が五郎と離婚した後は、本気で令子との再婚を考えていた。前妻とは死別していて、子供が2人いる。
こごみ:児島美ゆき(第18話~)
富良野市街にあるスナック「駒草」のホステス。いかだ下り大会で五郎と出会い、懇意になる。過去には中畑とも関係があった。連続シリーズ終了後は、「'84」、「'92」にのみ登場。
成田新吉:ガッツ石松(第19話~)
草太が通っているボクシングジムの会長。「2002」で五郎に遺言を書くことを勧める。
前田:梅野泰靖(第23話)
令子と雪子の伯父。令子の葬式にあまり滞在しなかった五郎に文句をつける。
小山:小野武彦(第23話)
吉野の友人。お葬式のエキスパート。
警察官:平田満(第23話)
純と蛍が捨てられた靴を靴屋の店頭で探している時に声を掛け、一緒に探す。

'83冬~

沢田松吉:笠智衆
かつて、豆の栽培で大成功し「豆大尽」と呼ばれたほどの名士。上京して事業をやっていたが、ふらりと富良野へ帰ってくる。五郎の借金の返済に自分の山を売ってお金にしようなどと気前のいいことを言うが、実はボケており、都合のいいことだけを覚えていただけだった。上京時には家族皆を放り投げ苦労をかけるなど、ひどいことをしていたらしい。
沢田妙子:風吹ジュン
沢田松吉の孫娘、ラーメン屋で働いている。一時は草太が懇意にしていた。
時夫:笹野高史
草太の友人で、青年団の「農村花嫁対策委員」。「2002」では草太の意思を継ぎ、蛍たちの結婚式を盛大に行おうとした。
水沼什介:木田三千雄
「豆大尽」時代の松吉を知る幼馴染で、帰郷時には世話役をした。歓迎会ではバイオリンを弾いて持て成す。
和泉会長:奥村公延
麓郷振興会会長。五郎が背負った借金の解決策を決めて報告に訪れる。

'84夏~

中畑努:六浦誠
中畑の甥っ子。夏休みに、母と一緒に富良野へ遊びにやってくる。持ってきたパソコンの自慢をしたり、五郎の悪口を言ったりと、嫌味ったらしい性格をしている。純と正吉とともに、空知川で草太のいかだを勝手に動かして遊んでいるうちに、転落して溺れてしまう。助けられるが、濡れた服を乾かしている際に、正吉がパソコンの本を盗んだことを指摘したため、逆上した純と正吉に全裸にされ、河原に放置される。その際に雨に打たれ、軽い肺炎に罹った。
中畑ゆり子:立石凉子
中畑の妹で、努の母。夫とは死別している。
ラーメン屋の店員:伊佐山ひろ子
駅で正吉を見送った後、五郎たちが閉店間際に入ったラーメン屋の店員。店を早く閉めたくてイライラしており、五郎が代金を払うなり食べかけのラーメンを下げようとする。五郎の名台詞「子供がまだ食ってる途中でしょうが!!」は、彼女に対して向けられた言葉。

'87初恋~

大里れい:横山めぐみ
純の初恋の相手。純たちとは違う富良野市内中心部の中学校に越境通学している。純と同じく尾崎豊のファン。純と親密になり、一緒に東京の高校に進学することを約束するが、父親が農業に失敗したため夜逃げしてしまう。純とは「'89」で再会し遠距離恋愛を続けるが、次第にすれ違っていき、「'95」で別の男性と結婚してしまう。
飯田(北村)アイコ:美保純
広介の姉で、つららの友人。全国を転々とした後に富良野へ戻り、農協の作業場で働いていた。後に草太の妻となる。
飯田広介:古本新之輔
純の同級生。おちゃらけた性格。「'95」以降は実家で農業をして働いているが、アイコが結婚してからは北村牧場へも手伝いに行っていた。
中津チンタ:永堀剛敏
純の同級生。れいはチンタの片思いの相手だったが、純に略奪愛されてしまった。「'95」では農業を継がず、警察官になる。
中津:レオナルド熊
チンタと完次の父。農業を営んでいたが、農薬と化学肥料の使い過ぎで土地を痩せさせ、荒天による豪雨で作物もろとも畑を流失し、多大な損害を出してしまう。
宮田寛次(シンジュク):布施博
富良野で電気屋を経営。かつて、東京の新宿で悪名を馳せたことがあるため、「シンジュク」というあだ名で呼ばれている。機械を見ると何でも分解してしまう純には辟易している。
大里政吉:坂本長利
れいの父親。純が風力発電を造る手助けをする。小豆を冷害から守るために燃やす古タイヤを運搬する際に、後方確認が不十分なままトラックをバックさせ、誤って妻を死なせてしまう。結局、冷害によって栽培していた小豆が全滅。チンタの父が損害を負ったとき、借金の連帯保証人になることを拒否するなど、偏屈で農協仲間とはそりが合わなかったこともあり、夜逃げを余儀なくされる。
先生:鶴田忍
トラック運転手:古尾谷雅人
純が上京する際、便乗させてもらった長距離トラックの運転手。五郎が謝礼として支払った「泥のついた壱万円札」2枚を「記念にとっとけ」と純に返す。

'89帰郷~

和久井勇次:緒形直人
蛍の初恋の相手。蛍と同じ通学列車に乗っていてお互い気になっていたが、勇次が痔を患って蛍が働く肛門科を訪れたことをきっかけに交際することになる。初登場時は浪人生だったが、その後帯広の大学に合格する。蛍に准看ではなく正看になることを勧める。
エリ:洞口依子
純に盗難バイクを売りつけたヤンキーを紹介した少女。不良っぽい外見をしているが、純が宝物にしていた「泥のついた壱万円札」を紛失した際には一緒になって探す。兄は暴走族の幹部で、ヤクザともつながりのある模様。
勇次の伯母:正司照枝
列車の中で偶然勇次と会い、「早く東京へ行かなきゃダメよ」とお節介を焼く。
赤塚満治:矢野泰二
純の定時制高校の同級生で、同じ自動車整備工場で働いている。通称「アカマン」。水谷に借金したせいで、酷い目に遭う。
竹内先生:井川比佐志
蛍が働いていた肛門科の医師。
水谷:水上功治
自動車整備工場で働く純の先輩。後輩社員に対して高利貸しのような真似をし、アカマンを追い詰めていた。紛失した「泥のついた壱万円札」を探すために勝手に彼のロッカーを開けた純をボコボコにするが、キレた純にバールで殴られ、大怪我を負う。純はその事によって工場をクビになる。

'92巣立ち~

松田タマコ:裕木奈江
通称トロ子。ピザ屋で配達のアルバイトをしていた際、駐禁を取られそうになったところを純の機転で助けてもらい、純と親密になる。純は彼女のことが特に好きなわけではなかったが、軽い気持ちで付き合い、果ては妊娠させてしまう。
タマコの叔父:菅原文太
豆腐屋を営みながら、鹿児島から上京してきたタマコを預かっている。道路開通のための区画整理を拒むなど頑固者。タマコを妊娠させたことで謝りに来た純を殴る。謝りにきた五郎に「誠意って、何かね?」と問いかける場面は名シーン。
財津医師:北村和夫
富良野市街にある「財津医院」の医師。五郎は蛍をここで働かせたく承諾も得るが、蛍は札幌の病院で働くために断る。
加納金治:大地康雄
五郎が弟子入りする大工の棟梁。五郎が屋根から転落して死にかけた際、パニックに陥る蛍を叱責した。
井関大介:いしいすぐる - 「2002 遺言」では沢木哲
雪子の一人息子。雪子に連れられて五郎の元へ遊びにやってくる。雪子の離婚後は夫側に引き取られた。幼い頃は明るい性格だったが、「2002」で久しぶり富良野を訪れたときは、ほとんど口をきかず出会い系で知り合った顔も知らない彼女とメールばかりしていた。
高木:渡部篤郎
純の東京時代の同級生。
ビデオ屋の男:石丸謙二郎
純がタマコに勧められた映画のビデオを借りに行ったビデオ屋の店員。その後、純の悪夢に登場する。

'95秘密~

小沼シュウ:宮沢りえ
間違って捨ててしまった柱時計を純が返しに行ったのをきっかけで知り合い、その後純と交際するようになる。かつてアダルトビデオに出演したことがあり、そのことで一時は純と確執もあった。「'98」では純を父親らに紹介するが、その直後に上砂川の実家に帰ることになったため疎遠になり、「2002」では神戸在住の男性と結婚を五郎に報告。五郎は彼女のことをいたく気に入っていて、純に内緒で一緒に露天風呂に入ってしまったこともある。
黒木夫人:大竹しのぶ
蛍の不倫相手、黒木光彦の妻。蛍が働いていた病院の看護婦長。夫と蛍の所在を聞くため、五郎の元を訪れる。
黒木久:井筒森介
黒木光彦の息子。父親を探しに、友人を連れて純が住むアパートを訪ねる。
久の友人:野村祐人
小心者の久とは正反対で血の気が多く、純たちに食って掛かる。

'98時代~

シュウの次兄:上杉祥三
中津完次:小野田良
チンタの兄。五郎の影響で、有機農業を始める。チンタの片思いの相手だったツヤ子と結婚。後に畑に疫病を発生させてしまい、草太に農薬を撒かれたことで自殺未遂をする。そして、離農して富良野から出て行った。
中津ツヤ子:小池美枝
完次の妻。元々はチン太と付き合っていた。
小沼周吉:室田日出男
シュウの父親。上砂川在住の元炭鉱夫。口下手だが、カラオケが好き。
スナックの男:平泉成
完次の件で、草太に絡んできた男性。

2002遺言

高村結:内田有紀
羅臼で働く女性で、戸籍上は弘の妻。吾平の工場で働く一方、町内のコンビニでも勤務している。涼子先生を通して純と知り合い、シリーズ上では純の最後の彼女。
高村吾平:唐十郎
結の義父で、弘の父。通称トド。弘と事実上離婚状態になった後も、結を我が子のように可愛がっている。冬の海で遭難しても、流氷の上を歩いて帰ってきてしまうほど生命力の強い男。
高村弘:岸谷五朗
結の夫。女を作り、結を残して勝手に家を出ていたが、ある日フラリと戻ってくる。凶暴な性格で、自分の留守中に結と交際していた純を襲撃する。
笠松快:西村成忠
蛍の長男。父親は正吉ではなく、黒木光彦である。演じている西村成忠は、中嶋朋子の実の息子。
清水正彦:柳葉敏郎
すみえの夫で、中畑木材の跡継ぎになる予定の人物。北海道大学出のインテリで、口癖は「いい質問です!」。捨ててあるもので家を作った五郎を尊敬している。
佐久間拓郎:平賀雅臣
熊倉寅次:春海四方
木本医師:佐戸井けん太
みずえの主治医。
三沢老人:高橋昌也
純と正吉が継いだ牧場の借金を肩代わりしてくれた恩人。寝たきりの状態になっている。通称三沢のじいさん
三沢夫人:根岸季衣
純からの借金返済が滞っていることで、蛍を責める。
山下先生:杉浦直樹
五郎や成田が書く遺言の添削をしてくれる先生である一方、家造りでは五郎に弟子入りする。元・布礼別中学校校長。

スタッフ

原作・脚本
  • 倉本聰
音楽
  • さだまさし
演出
  • 富永卓ニ・杉田成道・山田良明(連続ドラマ)
  • 杉田成道(SPドラマ)
プロデューサー
  • 中村敏夫・富永卓二(連続ドラマ)
  • 中村敏夫(『'83冬』~『'84夏』・『2002遺言』)
    『2002遺言』では、フジクリエイティブコーポレーションのプロデューサーとして参加
  • 山田良明(『'87初恋』~『'98時代』)
    『2002遺言』では、アドバイザリースタッフとして参加
  • 清野豊(『'92巣立ち』~『'95秘密』)
  • 笹本泉(『'95秘密』~『'98時代』)
  • 杉田成道(『2002遺言』)
アソシエイトプロデューサー
アシスタントプロデューサー
  • 笹本泉(『'92巣立ち』)・塚田洋子(『'95秘密』~『2002遺言』)・玉田祐美子(『記憶』)
演出補
  • 阿部久(連続ドラマ)・笹本泉(連続ドラマ~『'87初恋』)・花田深(『'84夏』)・小椋久雄(『'87 帰郷』)・本間欧彦(『'87 帰郷』)・石田周(『'87 帰郷』『'92巣立ち』)・田島大輔(『'92巣立ち』)・臼井裕詞(『'92巣立ち』)・佐々部清(『'95秘密』~『'98時代』)・武内英樹(『'95秘密』)・梅原紀且(『'98時代』)・小林和宏(『'95秘密』~『2002遺言』)・平井秀樹(『2002遺言』)
記録
  • 石塚多恵子(連続ドラマ)・赤星元子(『'92巣立ち』~『2002遺言』)
技術
  • 佐藤実・堀田満之・杉野有充
撮影
  • 竹越由幸(「2002遺言」では慢性腎不全で入院し森田が代わった)・森田修・白戸義之・河野敬麿・下門照幸・小野亮
映像
  • 五十嵐万治・橋本和司・小沢健二・皆川慶助・金森健彦
VTR
  • 森田繁夫・中田安優・小幡成樹
照明
  • 本間利明・河島美晃・高橋次男・菅原昇
編集
  • 小泉義明(連続ドラマ~『2002遺言』)・小池克己(『記憶』)・奥村克利(『2002遺言』)
MA
  • 高橋誠一郎(『記憶』~『2002遺言』)
音声
  • 西田貞夫
音響効果
  • 篠沢紀雄・辻田昇司
視覚効果
  • 中山信夫・伊藤勝雄
スチール
  • 島田和之
ハイビジョンアドバイザー
  • 皆川慶助・森武司(『'95秘密』)
美術
  • 藤森信之・根本研ニ・梅田正則
美術制作
  • 的場忠
美術進行
  • 一色隆弘・内村和裕
タイトル
  • 川崎利治・山形憲一
大道具
  • 山県昭三・小林正
装飾
  • 相馬徹・田原真二
持道具
大里誠一・梅沢博
衣裳
  • 萱田典弘・本間邦仁
メイク
  • 大田修・佐藤宏恵
車輌
  • 佐藤忠幸
広報
  • 石田卓子(『'87初恋』~『2002遺言』)

制作協力

音楽

主題歌

北の国から〜遥かなる大地より〜』(作曲:さだまさし

この主題歌や劇中BGM『純のテーマ』等のサウンドトラックは、バラエティ番組等で北海道でのシーンのBGMや北海道日本ハムファイターズの応援団に使用されるなど、北海道を象徴する楽曲となっている。 当初さだまさしはこの曲に歌詞をつけようとしたが、倉本聰からこの曲には言葉はいらないですと言われたことをうけて、スキャットに変更してほぼ即興で完成に至った。

その他楽曲

メインテーマ以外にもドラマで使用されたギターサウンドは、当時さだまさしツアーのメンバーだったギタリストの坂元昭二が手掛けている[13]

さだ担当のサウンドトラックとは別に多数の楽曲が使用された。ジャンルは、クラシック音楽フュージョンJ-POP演歌と幅広い。

  • 『'87初恋』では、尾崎豊の楽曲が多用されている。倉本が吉岡秀隆に「最近の若者に人気のある歌手を教えろ」とリサーチしたところ、吉岡から強く勧められたのが尾崎であった。倉本は尾崎の存在を知らなかったが、吉岡に贈られた尾崎のカセットテープを聞いて楽曲を気に入り、本作での採用が決まった[14]。特に、「I LOVE YOU」はその後何度も使われ、純の恋愛を描く上で象徴的な挿入歌として、『北の国から』と切り離せない存在である。

『'89帰郷』で、勇次(緒形直人)と螢(中嶋朋子)が富良野駅で別れるシーンにおいて、長渕剛[15]の「乾杯」(1980年レコーディングのオリジナルバージョン)が使用されている。さらに『'92巣立ち』で、五郎(田中邦衛)が「やるなら今しかねえ」と歌った歌は、長渕のアルバム『JEEP』に収録されている『西新宿の親父の歌』である。


その後(倉本構想)

あくまでもドラマが続いた場合の倉本聰の構想であり、映像化並びに活字出版化されている訳ではないので注意が必要。

  • 純と結は結婚し、富良野市内に居住。麓郷で一緒に暮らして欲しいという五郎と、町で暮らしたいという純は意見が対立しているが、結と五郎は懇意であるという[16]
  • その後、正吉と蛍、純と結は離婚[17]
  • 純は同じく離婚している初恋の相手れいと再婚。快を主人公にして、ドラマを展開する構想[18]がある。

倉本は2011年に刊行した『獨白 2011年3月』において、新作を最近書かないかと言われたが、諸般の事情で流れたと述べている[19]。倉本がそのとき考えかけたプランでは、純は東京で仕事をしながら五郎のことは思っているが、仕送りなどはしていない(離婚はしているが、再婚しているかどうかは言及されていない)。蛍は正吉と関東におり、五郎にも仕送りはするが滅多に富良野に顔は出さない。五郎はほぼ「無縁社会の独居老人」となり、税金をずっと払っていないため年金も受け取っておらず、「国の世話にならず、自然の世話になっている」毅然とした独居老人の姿を書いてみようとちょっと思ってやめたと倉本は述べている。

2012年2月に発売された雑誌『文藝春秋』2012年3月号に、倉本は「頭の中の『北の国から』」と題した現時点での登場人物の「その後」について触れた文章を寄稿した。この中では以下のような内容が記されている。

  • 純は結と離婚したあと、ごみ収集職員として働きながら借金を返済していたが、相手が2007年に死去し、返済から解放される。ごみ収集職員としての日常をブログに綴っていたところ、読者の一人がれいだと判明。東京で暮らすれい(すでに離婚)と再会する。そこで東北太平洋沖地震に遭遇。福島県に赴き、正吉の消息を求めているところで蛍と再会する

参考資料

シナリオ本

全作品のシナリオが理論社から刊行されている。倉本聰が執筆したベースのものであるため、実際の放送内容と異なる点もある。倉本は、連続ドラマの小説化を理論社から依頼されるが、これを断り、当時としては異例のシナリオ本として上下巻2巻で全話シナリオを収録、路傍の石文学賞小学館児童出版文化賞を受賞。発行部数40万部と成功し、本作のシナリオ本が契機となり、山田太一や向田邦子ら脚本家のシナリオが書籍化される様になった。

以後、本作のシナリオ本の刊行は慣例となり、小説誌『小説新潮』に『'83冬』のシナリオが掲載された事もある。1994年現在、SPドラマのシナリオ本と合計し90万部を記録している。

1993年、中学2年生の国語教科書(光村図書)にシナリオが掲載された。

その他
  • 読売新聞社芸能部編集『テレビ番組の40年』日本放送出版協会1994年
  • 倉本聰『愚者の旅 わがドラマ放浪』理論社、2002年
  • 倉本聰『獨白 2011年3月』フラノ・クリエイティブ・シンジケート、2011年
  • 志賀信夫『映像の先駆者125人の肖像』日本放送出版協会、2003年
  • 引田惣弥『全記録テレビ視聴率50年戦争』講談社2004年

脚注

  1. ^ 倉本聰『獨白 2011年3月』フラノ・クリエイティブ・シンジケート、2011年、p20
  2. ^ (2006年9月19日付朝日新聞 webページ版
  3. ^ 『獨白 2011年3月』p230
  4. ^ a b TBSラジオ ニュース探究ラジオ Dig 倉本さんに聴く 2012年1月6日放送より
  5. ^ a b 『獨白 2011年3月』p51 - 53。倉本は日活で契約ライター時代に「ナレーションと回想は卑怯な手法」という考えを叩き込まれ長くそれを守っていたが、1973年に制作された山田太一脚本のドラマ『それぞれの秋』で普通にナレーションを使用しているのを見て「こういう手もありだな」と考え『前略おふくろ様』で使用に踏み切ったという。
  6. ^ オフィス・マツナガ『なぜフジテレビだけが伸びたのか』こう書房 1990年 p129
  7. ^ 『獨白 2011年3月』p184 - 185
  8. ^ 2005年に離婚している。NARINARI.COM 吉岡秀隆と内田有紀夫妻、3年の結婚生活にピリオド。
  9. ^ 『獨白 2011年3月』p24
  10. ^ 「'87」ではいつもペンチを持ち歩いて機械と見るや何でも分解してしまうから「ペンチ」。「'92」ではいつもダルそうにしているから「ダル」。「'95」ではアイルトン・セナが死んだときに泣いてしまったためにセナで泣いている唐獅子牡丹から「唐獅子」と呼ばれていた。
  11. ^ 演じた地井も「2002」の撮影中、自身の妻が癌闘病中であった(後に死去)。
  12. ^ 中澤は芸能界を退き、一般企業に勤める会社員となっていたが本シリーズだけは特別に出演を続けていた。しかし「2002」では仕事との両立が困難となったことでこのような扱いとなった。
  13. ^ 『さだまさし ギター・ソロ・インストゥルメンツ』(ドレミ楽譜出版社、2007年)ISBN 978-4-285-11135-4
  14. ^ 倉本聰『冬眠の森 北の人名録PART2』新潮社より
  15. ^ 長渕と倉本聰には交友関係がある。詳細なエピソードはこちらを参照のこと。
  16. ^ 2003年「倉本聰・富良野からの風を」での倉本聡と竹下恵子の対談より。
  17. ^ 2007年1月の朝日新聞日曜版、倉本インタビューより。
  18. ^ ASAHI.com、倉本インタビューより。
  19. ^ 『獨白 2011年3月』p97 - 98

関連項目

外部リンク

フジテレビ系 金曜劇場(金曜22時台)
前番組 番組名 次番組
北の国から
(1981年10月~1982年3月)