証城寺の狸囃子

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証城寺の狸囃子(しょうじょうじのたぬきばやし)は、日本の童謡である。作詞:野口雨情、作曲:中山晋平。千葉県木更津市の證誠寺に伝わる「狸囃子伝説」に想を得たもので、曲は1925年(大正14年)に発表された。

曲の概要[編集]

證誠寺境内にある童謡記念碑

詩人で童謡作詞家であった野口雨情千葉県木更津市を訪れた際、童謡の題材にと木更津市内の證誠寺に伝わる「狸囃子伝説」を提供されたことを契機に作詞を行い児童雑誌「金の星1924年(大正13年)12月号で発表。その後、中山晋平がその歌詞を元に改作し曲を付けて児童雑誌「金の星」1925年(大正14年)1月号で発表した。なおこの際、野口は旅行中で連絡がつかず掲載は「金の星」主宰・齋藤佐次郎の独断であった[1]

證 證 證城寺

證城寺の庭は

ツ ツ 月夜だ

皆(みんな)出て 來い來い來い

己等(おいら)の友達ァ

ぽんぽこ ぽんの ぽん


負けるな 負けるな

和尚さんに 負けるな

來い 來い 來い

來い 來い 來い

皆出て 來い來い來い


證 證 證城寺

證城寺の萩は

ツ ツ 月夜に 花盛り

己等は浮かれて

ぽんぽこ ぽんの ぽん — 

(すでに著作権失効)

中山の詞は最初の出だし「しょ、しょ、しょうじょうじ〜♪」に見られるように、同じ音の繰り返しを多用する事でリズミカルで軽快な音楽になっている。野口の表記は漢字表記で「証城寺の狸囃子」としているが、児童向けの童謡であることから「しょうじょうじの狸ばやし」とひらがな表記にしている場合もある。

「証城寺」という表記について[編集]

  • 本曲は木更津市富士見に実在する寺「證(証)誠寺」の狸囃子伝説を元としているが、じょうの表記に正規のではなくの字を用いているのには諸説ある[2]
    1. 野口が作詞の際に参考にした文献『君不去』でしょうじょうじの表記が間違っており、それに気付かずそのまま紹介してしまったため。
    2. 歌詞を読んだ寺の関係者から「住職がタヌキと一緒に踊るなんてことがあるはずがなく不敬である」という抗議があったため。
    3. 最初から意図的にの字を使ったことによる。証城寺と表記し歌に登場する寺を架空の場所であると位置づけることで、特定の地域の単なる民謡とするのではなく全国の子供たちに歌ってほしいという意図から。

カバー曲[編集]

  • 1946年(昭和21年)から放送された東京中央放送局(のちのNHK)のラジオ番組「英語会話」(講師は平川唯一)では、テーマソングとして『証城寺の狸囃子』の替え歌『Come Come EveryBody』(カムカム エブリボディ)が使用された。[3]このラジオ番組はその主題歌から「カムカム英語」とも呼ばれた。
    • 1964年(昭和39年)に東京少年少女合唱隊がアメリカで録音したLP「The "Little Singers Of Tokyo"...On Tour」[4]において、前半は原曲の詞だが、後半は『Come Come Everybody』の詞で歌われた。
  • 1955年(昭和30年)、アメリカ人エンターテイナーのアーサー・キットEartha Kitt)が『証城寺の狸囃子』を『Sho-Jo-Ji (The Hungry Raccoon)』という題名でカバー(英詞:Bill Walsh)。
  • 歌手・小柳ルミ子がライヴで歌った際の歌唱が音源化されている。「小柳ルミ子 CD-BOX」(2002年(平成14年)5月21日)に収録。
  • 2012年6月30日フジテレビ系列の『土曜プレミアム』で放送されたスペシャルドラマ『一休さん』で、テーマソング「みんなの一休さん」としてカバーされた。作詞はうえのけいこ。歌は一休を演じた鈴木福
  • 台湾では同じ旋律を流用して、『小白兎愛跳舞』という童謡に改編された。また張琍敏によるカバー『喜歡你』もあるが、その編曲はアーサー・キット版の『Sho-Jo-Ji (The Hungry Raccoon)』に酷似しており、そちらからのカバーと解釈することも出来る。
  • 朝鮮民主主義人民共和国でも同旋律を流用し、『北岳山の歌(북악산의 노래)』という童謡に改編されている。朝鮮版の「北岳山の歌」は北朝鮮の楽団普天堡電子楽団によってカバーされている。
  • クレイジー・キャッツが営業用のネタとして演奏を披露し途中で能に変わったり石橋エータローとハナが口の「ポン」で争ったり、谷啓が犬塚弘に嫌味をしつこく言ったりハナがドラムギャグを披露したりというアレンジを加えている。
  • 電気グルーヴが「フラッシュ・パ パ」に収録されている「ラガモン」で曲のサビを歌っている。

使用された作品等[編集]

木更津市のマンホールの蓋

木更津市関連[編集]

その他[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 藍川由美 『これでいいのか、にっぽんのうた』 文藝春秋、1998年、143-148頁。ISBN 9784166600144
  2. ^ 「読売新聞」1989年11月9日 ニュース追跡より
  3. ^ 英語会話 -NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
  4. ^ http://www.discogs.com
  5. ^ エフケイバ木更津 新規会員募集中

関連項目[編集]

  • 證誠寺 - モチーフとなった寺。境内には童謡の記念碑がある。
  • きさポン - 本曲と同様に狸伝説をモチーフとした木更津市のマスコットキャラクター。
  • 中尾彬 - 木更津市出身の俳優。証城寺の狸囃子を題材にしたふるさと切手のデザインを行う。

外部リンク[編集]