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こいこい

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

こいこいは、日本のかるたゲームカード)の一種である花札ゲームの一つで、2人で競技するものである。手札の花と場札の花を合わせてそれを自分の札とし、獲得した札で出来役を成立させて得られる得点を競う、「めくり」系のゲームであるが、札の点数を計算しないこと、「こいこい」による競技継続の選択があることなどに特徴がある。

「こいこい」をした場合、得点の上積みが期待される反面、新たに得点が増えない限り競技を止めることができないため、先に相手に役が成立し、相手に点数を与えてしまう場合もある。「こいこい」をするかしないかの駆け引きが、この競技の醍醐味である。

歴史

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他の花札ゲームに比べると、歴史はそう古くなく、井出英雅の著書『やくざ事典』[1]には、1925年(大正14年)から東京で流行しはじめたと書かれている。戦前に神奈川県警刑事として、賭博捜査にあたっていた半澤寅吉の著書『賭博:花札・さいころ・イカサマ手口』[2]には、こいこいの発祥は福島県会津地方で、発祥から数十年経った1928年(昭和3年)頃には東京方面に伝わったり、鉄火場(賭場)で「バッタ撒き」のような本勝負を行う前の気付賭博して行われたと書かれている。

一般に知られるようになるのは、1950年(昭和25年)頃になってからであり、現在は花札のもっとも代表的な遊び方になっている。初めて書籍にルールが解説されたのは、1958年(昭和33年)に出版された『トランプと花札 その遊び方五十種』[3]である。

1994年(平成6年)頃から、任天堂八々花に「現代のこいこい」のリーフレットが付属されるようになった。

競技の流れ

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こいこい競技開始時の札の配置。中央に表向きで並ぶ8枚が場札、左右のそれぞれ8枚が手札、奥に重ねられているのが山札である。
  1. 競技を始める前に、最初の親と子を決定する。2人で札を引き、札種の月が早い札を引いた者が親、もう一方が子となる。なお、札種の月が同じ場合は得点の高い方が親、もう一方が子となる。
  2. 場に8枚、手札が親子それぞれ8枚となるように札を配り、残りは山札として伏せておく。最初に同じ月の札が場に4枚でたときは、配りなおす。
  3. 競技者は、親から交互に次の行動を繰り返す。
    1. 手札から1枚取り出して場に出す。この時、同じ札種(同じ月、植物)の札が場札にあれば、2枚は自分が獲得した札となり、自分の脇に表向きに置く。なければ場札に加えられる。
    2. 山札をめくって場に出す。同様に、めくった山札と同じ札種の札が場札にあれば、2枚は自分が獲得した札となり、自分の脇に表向きに置く。なければ場札に加えられる。
  4. 自分の番が終了した時点で獲得した札によって役が成立していれば、競技を継続するかしないかを決めなければならない。競技を継続する場合は「こいこい」(または「こい」)と宣言する。競技を継続しない場合(または最後の手番)は「勝負」または「あがり」と宣言する。
  5. 競技を止めた場合、止めた者に成立した役によって得点が入る。もう一方の者は、自分に役が成立しているかいないかに関わらず0点となる。
  6. 一つの競技が終わったら札を混ぜて札を配り直し、次の競技を始める。最終的な勝敗が決まるまでこれを繰り返す。

ルール

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  • 役や得点についてはローカルルールがあるため、競技の前に競技者同士でルールを確認する必要がある。
  • 2回戦以降の親と子については、前の競技で得点を挙げた者を親とする方法と、前の競技の結果に関係なく親と子を交互に繰り返す方法がある。また、前の競技が引き分けだった場合、親を交代する方法と、親を継続する方法がある。
  • 最終的な勝敗の決め方は、あらかじめ決められた得点以上を挙げた者を勝者とする方法と、競技を12回戦(または任意の回数)まで行い、得点の多い者を勝者とする方法がある。
  • 最初に同じ月の札が場に3枚でているときは、残り1枚で全部取ることができる。

役と点数

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出来役

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こいこいで一般的に採用される出来役は、以下の通り。点数はルールにより異なる場合もある。点数の単位は「文」とすることもある。

役名 説明 点数 組み合わせ
五光光札5枚。四光・雨四光・三光とは複合しない。10点[4][5](15点[6][7]

四光光札のうち「柳に小野道風」を除く4枚。三光とは複合しない。8点[4][5](10点[6][7]

雨四光(柳入り四光)光札のうち「柳に小野道風」を含む4枚。三光とは複合しない。採用しないルールもある。7点[4][5](8点[6]

(1例)

三光光札のうち「柳に小野道風」を除く3枚。5点[4][5][7](6点[6]

(1例)

のみ「桜に幕」「芒に月」「菊に盃」の3枚。花見で一杯・月見で一杯とは複合しない。採用しないルールもある。10点[5](6点)

花見で一杯(花見酒)「桜に幕」「菊に盃」の2枚。採用しないルールもある。5点[4][5][6](3点[6]

月見で一杯(月見酒)「芒に月」「菊に盃」の2枚。採用しないルールもある。5点[4][5][6](3点[6]

猪鹿蝶「萩に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」の3枚。5点[4][6][7](6点[5]

ぶっく松・梅・桜・牡丹・菊・紅葉の短冊札6枚。赤短・青短とは複合しない。10点[4](12点[5]・15点[6]

赤短松・梅・桜の短冊札3枚。5点[4][7](6点[5][6]

青短牡丹・菊・紅葉の短冊札3枚。5点[4][7](6点[5][6]

たね種札9枚のうち任意の5枚。1点[4][5][6][7]

(1例)

たん短冊札10枚のうち任意の5枚。1点[4][5][6][7]

(1例)

かすかす札24枚のうち任意の10枚。1点[4][5][6][7]

(1例)

  • 「菊に盃」の札は特殊で、かす札の枚数に算入することができる。(算入しないルールもある)
  • たね・たん・かすは、それぞれ種札・短冊札・かす札が1枚増えるごとに1点増しとなる。「こいこい」の宣言後に枚数が増えた場合、そこで新たな役が成立したとみなし競技を止めることができる。
  • 猪鹿蝶は、種札が1枚増えるごとに1点増しとなるルールもある。
  • 赤短・青短は、短冊札が1枚増えるごとに1点増しとなるルールもある。
  • 以下の条件を満たす場合は得点を倍にする。(採用しないルールもある)
    • 出来役の合計得点が7点以上の場合
    • 相手が「こいこい」を宣言している場合(さらに前記の条件を満たす場合には、両方適用されて得点が4倍となる)
  • 「こいこい」1回で得点が2倍、2回で4倍、3回で8倍(n回で2のn乗)という「こい倍」のルールもある[6][7]
  • 親と子がすべての手札を出し終えても出来役を得られなかった場合は、引き分けになり、点数は計算されないのが一般的である。「こいこい」を宣言したまま追加の役ができずに終わった場合も同様である。
  • 引き分けを採用せず、子の勝ちとして子に得点を与えるルール(つかず)、親の勝ちとして親に得点を与えるルール(親権)もある。

手役

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最初に配られた手札の中で成立した場合に得点となる手役は、以下の通り。採用しないルールもあり、その場合は配り直しとすることが多い。

役名 説明 点数 組み合わせ
手四同じ月の札が4枚ある。6点[4][5][6][7]

(1例)

くっつき同じ月の札が2枚ずつ4組ある。6点[4][5][6][7]

(1例)

  • 最初に配られた手札の中に手役ができていたときは、手役を宣言して得点を加算し、次の競技に移る。ただし、2人同時に成立した場合は、どちらにも得点は入らず、次の競技に移る。

こいこいを題材とした作品

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役や点数計算のわかりやすさから、コンピュータの花札ゲームとしてよく用いられている。アーケードゲームでの花札は、ほとんどがこいこいのルールである。

コンピュータゲーム

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映画作品

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  • サマーウォーズ - 2009年の日本のアニメ映画。作中のカジノゲームのひとつとしてこいこいが登場する。

脚注

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関連項目

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  • 花札
  • ゴーストップ (花札) - 韓国の花札ゲーム。ルールはこいこいと同様だが、3人で遊ぶ。1960年代末には知られ始め、1970年代半ば以降に普及したと考えられている。

外部リンク

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