花合わせ

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花合わせはなあわせ)は原則として3人で遊ぶ花札の遊戯のひとつ。

手札の花と場札の花を合わせてそれを自分の札とし、得点を競う。別名、ばかっ花。

歴史[編集]

「花合わせ」という言葉は江戸時代から見えるが、古くは花札一般を指したようである。そのひとつの「馬鹿っ花」が代表的な遊び方であったため、「花合わせ」といえば「ばかっ花」のことを指すようになった。

ただし、古い時代の「ばかっ花」のルールは今と異なって単に札の点数を競うものであり、役がないから「馬鹿花」と呼ばれた[1]。昭和以降に他のゲームの影響で役が追加されたが、札の点数と役の点数を両方計算する必要が生じたほか、地域によって役や役の札が違うなど細かい差異もあり(後述)、あまり簡単とはいえないルールになってしまった。

遊び方[編集]

  • 遊戯は反時計回りに進行する。
  • 初回の親はなんらかの方法で決める。順に札を切り、めくった月の一番大きい者に決める方法もある。
  • 親の右隣の人が札を切り、親に渡す。親は全員に手札を配る。手札は各7枚、場札は6枚。配り方は自分の右隣からはじめて反時計回りに4枚ずつまとめて配り、それから場札を3枚さらす。2回目は同様に手札を3枚ずつまとめて配り、場札を3枚さらす。残りは山札として伏せておいておく。
  • 手札を各5枚、場札を8枚として4人で遊ぶこともできる。場札8枚が多すぎる場合は、場札を4枚とし、手札がなくなった後、山札をめくるだけで一巡するローカルルールもある。
  • 手札を各9枚、場札を8枚として2人で遊ぶローカルルールもある。
  • 競技者は親から反時計回りに、順に以下の方法で札を出していく。
    1. 手札から1枚取り出して場に出す。このとき、同じ札種(植物、月)の札が場札にあれば、2枚は得点となり、自分の脇に置く。なければ場札に加えられる。
    2. 山札をめくって場に出す。同様に、めくった山札と同じ札種(植物、月)の札が場札にあれば、2枚は得点となり、自分の脇に置く。なければ場札に加えられる。
  • 手札がなくなったら遊戯終了となり、得点を集計する(役ができたらそこで終わりとするローカルルールもある。)
  • 柳(雨)のカス札をどの札とも合せられる(札のことを「鬼」と呼び、合せることを「咬む」と表現する)特殊な役割を与えるローカルルールがある。他の競技者に役ができないよう、阻止することができる。なお、この場合、残りの柳(雨)の札はどれか2枚を合せたものが自動的に3枚を得ることになる。山札から鬼が出てきた場合は場札の何れかを咬む必要がある(場札として加えてはいけない)。その際、場札がなければ場札に加えるが、次の人がめくった山札が自動的に咬まれる(手札を咬ませることはできない)。また柳(雨)の札は咬めない。

得点の計算方法[編集]

各々の札の得点(花札の項を参照)と、役の得点によって、以下の計算式で計算する。3人の得点を合計すると0になる。

自分の得点 = (札の得点の合計 - 88) + 自分の役の得点×2 - 他の2人の役の得点の合計

計算式が複雑だが、チップを使うと計算が楽になる。

  • 札の得点は、88を引いたあとにマイナスの人が2人あったら、2人は自分の負け分の点数を得点がプラスの人に支払う。マイナスの人が1人だけだったら、その人が残り2人にそれぞれの勝ち分の点数を支払う。
  • 役については、自分の役の得点を他の2人から受け取り、他の2人の役の点数を支払う。
  • カスを0点と数え、80点を基準に得点を計算することもある。
  • 競技者が4人の場合は66点を基準に計算する(カスを0点と数えた場合は60点)。

得点のもっとも多いものが勝ちになり、次の親になる。

ゲームの終了[編集]

何回か遊戯を行って、最終的にもっとも得点の多いものを勝ちとする。

[編集]

役は代表的なものに限る。点数もここに書かれているものとは異なる場合がある。

役名 説明 点数 組み合わせ
五光 20点札5枚 200点 Kintengu 01s.pngKintengu 03s.pngKintengu 08s.pngKintengu 11s.pngKintengu 12s.png
四光 20点札のうち柳に小野道風を除く4枚 60点 Kintengu 01s.pngKintengu 03s.pngKintengu 08s.pngKintengu 12s.png
赤短(裏菅原) 松・梅・桜の短冊3枚 40点 Kintengu 01h.pngKintengu 02h.pngKintengu 03h.png
青短 牡丹・菊・紅葉の短冊3枚 40点 Kintengu 06h.pngKintengu 09h.pngKintengu 10h.png
七短 柳を除く短冊9枚のうち任意の7枚 40点 Kintengu 01h.pngKintengu 02h.pngKintengu 04h.pngKintengu 05h.pngKintengu 06h.pngKintengu 07h.pngKintengu 10h.png(1例)
六短 柳を除く短冊9枚のうち任意の6枚 30点 Kintengu 02h.pngKintengu 04h.pngKintengu 05h.pngKintengu 07h.pngKintengu 06h.pngKintengu 10h.png(1例)
表菅原 松に鶴・梅に鶯・桜に幕の3枚 30点 Kintengu 01s.pngKintengu 02s.pngKintengu 03s.png
のみ(鉄砲) 桜に幕・芒に月・菊に盃の3枚 30点 Kintengu 03s.pngKintengu 08s.pngKintengu 09s.png
松桐坊主(三光) 松に鶴・芒に月・桐に鳳凰の3枚 20点 Kintengu 01s.pngKintengu 12s.pngKintengu 08s.png
猪鹿蝶 萩に猪・紅葉に鹿・牡丹に蝶の3枚 20点 Kintengu 07s.pngKintengu 10s.pngKintengu 06s.png
花見で一杯 桜に幕・菊に盃の2枚 20点 Kintengu 03s.pngKintengu 09s.png
月見で一杯 芒に月・菊に盃の2枚 20点 Kintengu 08s.pngKintengu 09s.png
くさ 藤・菖蒲・萩の短冊3枚 20点 Kintengu 04h.pngKintengu 05h.pngKintengu 07h.png
藤島 藤4枚 20点 Kintengu 04s.pngKintengu 04h.pngKintengu 04d.pngKintengu 04c.png
桐島 桐4枚 20点 Kintengu 12s.pngKintengu 12h.pngKintengu 12d.pngKintengu 12c.png
雨島 柳4枚 20点 Kintengu 11s.pngKintengu 11h.pngKintengu 11d.pngKintengu 11c.png

上記は基本的な点数と役であるが、地域によって役や点数・用語などにかなり差異が生じているほか、それらローカルルールが複合していたりする場合があり、このゲームの特徴ともなっている。以下に例を挙げる。

雨島を20点として数えるのではなく、雨島ができたらすべての役を無効にして札の点数のみを計算したり、場自体を流すというルールもある。

ほかに「フケ・雨入り四光」「カス13枚」など、地域によって異なる役を認めていることもある。

手札の中にカスが6枚または7枚あったときに、それを手役として公開するというローカルルールもある。さらに、そのときは公開したあと、場札かつ手札扱いになり他の人が取ってもよいというルールもある。

猪・鹿・蝶に似た、「猪・鹿・雁」の3枚で嵐というローカル役がある。嵐が揃うと3人の出来役が全て消え、嵐を揃えた本人に2人から70点が入る。しかし3人の手役だけは記録される。東海地方から関東地方にかけての一部に伝わる。またこれに類似するものとして中部地方などでは「牡丹に蝶」札ではなく「芒に雁」札を「猪・鹿・蝶」の役札としている地域もある。

点数計算の煩雑さを避けるため役を減らし、「ばかっ花」を基本に青短や猪・鹿・蝶など一部の役のみを認める遊び方もある。

脚注[編集]

  1. ^ 司法省調査課 『定型ある犯罪の調査(賭博編)(司法資料第一号)』、1921年、55頁。 のち 清水行恕 『賭博要覧』 東京区裁判検事局、1926年、35頁。

関連項目[編集]