気仙沼駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
気仙沼駅
駅舎(2023年10月)
けせんぬま
Kesennuma
地図
所在地 宮城県気仙沼市古町一丁目5-25
北緯38度54分35.09秒 東経141度33分32.95秒 / 北緯38.9097472度 東経141.5591528度 / 38.9097472; 141.5591528座標: 北緯38度54分35.09秒 東経141度33分32.95秒 / 北緯38.9097472度 東経141.5591528度 / 38.9097472; 141.5591528
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
電報略号 ケヌ
駅構造 地上駅
ホーム 2面4線
乗車人員
-統計年度-
(鉄道)-2022年-
136人/日(降車客含まず)
(気仙沼線BRT)-2022年-
74人/日(降車客含まず)
(大船渡線BRT)-2022年-
60人/日(降車客含まず)
開業年月日 1929年昭和4年)7月31日[1]
乗入路線 3 路線
所属路線 大船渡線
キロ程 62.0 km(一ノ関起点)
新月 (6.7 km)
所属路線 大船渡線BRT
キロ程 0.0 km(気仙沼起点)
所属路線 気仙沼線BRT
キロ程 72.8 km(前谷地起点)
東新城 (1.8 km)
備考
テンプレートを表示
気仙沼駅
けせんぬま
Kesennuma
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
廃止年月日 2020年令和2年)4月1日[* 1]
乗入路線 2 路線
所属路線 大船渡線
キロ程 0.0 km(気仙沼起点)
(2.2 km) 鹿折唐桑
所属路線 気仙沼線
キロ程 72.8 km(前谷地起点)
不動の沢 (3.2 km)
  1. ^ 東日本大震災により上記区間は2011年3月11日から休止。2012年8月20日より気仙沼線区間、2013年3月2日より大船渡線区間でBRT運行開始。
テンプレートを表示

気仙沼駅(けせんぬまえき)は、宮城県気仙沼市古町(ふるまち)一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)のならびにバス停留所である。

鉄道駅としては大船渡線の単独駅かつ終着駅。バス停留所としては気仙沼線BRT大船渡線BRTが乗り入れている。本項ではこれらを一括して扱う。 宮城県の鉄道駅としては最北端及び最東端に位置している。気仙沼市で唯一の鉄道駅である(2020年以降)。

歴史[編集]

駅構造[編集]

鉄道とBRTあわせて2面4線を有する地上駅。駅舎に接する単式ホーム1面1線(1番線)はBRTが使用し、島式ホーム1面3線(2 - 4番線)は鉄道2線、BRT1線で使用する。島式ホームの駅舎側で、鉄道とBRTの乗降場が前後に配置されている。木造駅舎を有する。

他に鉄道用の側線があるが、ホームでの夜間滞泊の運用も行われている。

1番線の東側に駅前ロータリーと接続するBRTの回送路が設けられており、さらに東側、専用道を盛駅方面に少し進んだ先に気仙沼線BRT用の回転場が設けられている[報道 4]

かつては単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線で、ホーム有効長は、1番線4両、2・3番線6両までとなっていた。一部の大船渡線の列車は、当駅で増解結を行っていた。

2014年(平成26年)に1番線と2番線の間の線路敷地をかさ上げし専用道化され、BRTが構内から発着するようになった[報道 3]。BRTはそれまで駅舎を出て左側にある観光案内所に隣接する乗り場で発着していた[3]。元の2番線は専用道部分が2番線で、一ノ関側にある線路部分が新たに3番線となった。元の3番線の線路上にホームを拡幅し、側線を新たに4番線とした。2015年(平成27年)には上鹿折方面(「気仙沼駅前」停留所から発着)を除く大船渡線BRTも乗り入れを開始した[報道 4]。これにより、改札口からすべてののりばへ階段なしで移動できるようになった。

東日本大震災後の三陸地区の活性化貢献を狙って、2012年(平成24年)に駅舎のリニューアルが行われた。駅のテーマは「漁港のまち」で、駅舎入口に三陸海岸の岩を模したアプローチゲートが設置されている。2008年(平成20年)の仙台・宮城デスティネーションキャンペーンに合わせて、地元の画家によってメカジキの突きん棒漁が屋根に描かれていたが、このリニューアルで同じ画家によるメカジキと漁民の格闘の絵に描き直された[新聞 2]

直営駅(営業総括助役配置)であり、管理駅として、大船渡線の千厩駅 - 盛駅間、気仙沼線の本吉駅 - 不動の沢駅間の各駅を管理している。また駅とBRT営業所が営業統括センターへ統合されたことに伴い、BRT関係の管理業務も担当している。

みどりの窓口自動券売機NewDaysが設置されている。

のりば[編集]

番線 路線 行先
1 気仙沼線BRT 本吉柳津方面[4]
大船渡線BRT 降車専用[4]
2 気仙沼線BRT 降車専用[4]
大船渡線BRT 陸前高田方面[4]
3・4 大船渡線(鉄道) 一ノ関方面[4]

利用状況[編集]

JR東日本によると、2022年度(令和4年度)の鉄道の1日平均乗車人員136人である[利用客数 1]。また、BRTにおける1日平均乗車人員は、気仙沼線が74人、大船渡線が60人である[BRT 1]

2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。なお、気仙沼線の柳津駅 - 当駅間と大船渡線の当駅 - 盛駅間は東日本大震災後にBRTによる復旧をしたため、2011年度(平成23年度)以前の統計は鉄道運行時のみのものとなっている。また、2012年度(平成24年度)については、BRTの利用状況は開示されていない。

1日平均乗車人員推移
年度 鉄道 BRT
気仙沼線 大船渡線
2000年(平成12年) 378[利用客数 2] 未開業
2001年(平成13年) 346[利用客数 3]
2002年(平成14年) 302[利用客数 4]
2003年(平成15年) 292[利用客数 5]
2004年(平成16年) 313[利用客数 6]
2005年(平成17年) 316[利用客数 7]
2006年(平成18年) 322[利用客数 8]
2007年(平成19年) 318[利用客数 9]
2008年(平成20年) 315[利用客数 10]
2009年(平成21年) 308[利用客数 11]
2010年(平成22年) 287[利用客数 12]
2011年(平成23年) 非公表
2012年(平成24年) 261[利用客数 13]
2013年(平成25年) 250[利用客数 14] 92[BRT 2] 65[BRT 2]
2014年(平成26年) 237[利用客数 15] 96[BRT 3] 77[BRT 3]
2015年(平成27年) 237[利用客数 16] 101[BRT 4] 79[BRT 4]
2016年(平成28年) 209[利用客数 17] 93[BRT 5] 69[BRT 5]
2017年(平成29年) 205[利用客数 18] 101[BRT 6] 67[BRT 6]
2018年(平成30年) 196[利用客数 19] 125[BRT 7] 73[BRT 7]
2019年(令和元年) 192[利用客数 20] 135[BRT 8] 86[BRT 8]
2020年(令和02年) 94[利用客数 21] 87[BRT 9] 58[BRT 9]
2021年(令和03年) 115[利用客数 22] 59[BRT 10] 54[BRT 10]
2022年(令和04年) 136[利用客数 1] 74[BRT 1] 60[BRT 1]

駅周辺[編集]

駅前(2016年11月)

当駅は気仙沼市の中心市街地の外れに位置しているため、街の中心駅としての機能を南気仙沼駅に譲っていた。2011年の東日本大震災による津波で南気仙沼駅周辺などが甚大な被害を受けた一方、高台にある当駅周辺はほぼ浸水せず、BRTへの移行後は気仙沼市で唯一営業している鉄道駅となった。

バス路線[編集]

駅前を通る気仙沼街道(旧国道284号)に「気仙沼駅前」停留所があり、発着する路線は以下の通りである[5]

その他[編集]

  • 「潮の香りがする素朴な駅」として、東北の駅百選に選定された。
  • 毎年、受験シーズンにはきっぷを購入した受験生に合格祈願の御守りとして、列車の運行で実際に使用されている空転防止用の砂が配られている。

隣の駅[編集]

東日本旅客鉄道(JR東日本)
大船渡線
普通
新月駅 - 気仙沼駅

かつて存在した路線[編集]

東日本旅客鉄道(JR東日本)
大船渡線
気仙沼駅 - 鹿折唐桑駅
気仙沼線
不動の沢駅 - 気仙沼駅

隣の停留所[編集]

東日本旅客鉄道(JR東日本)
大船渡線BRT
盛方面
快速・普通
気仙沼駅 - 内湾入口(八日町)駅
上鹿折方面*
気仙沼駅(気仙沼駅前) - (この間9停留所) - 鹿折唐桑駅(鹿折唐桑駅前)
*:ミヤコーバス鹿折金山線の一部区間を大船渡線BRTとして運行。
気仙沼線BRT
東新城駅 - 気仙沼駅

脚注[編集]

記事本文[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 委託契約期間ごとに入札によって事業者を決定する[6]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 石野 1998, p. 486.
  2. ^ a b c d 石野 1998, p. 484.
  3. ^ 気仙沼線BRT、4月から気仙沼駅構内乗り入れ…電気・観光バスも運行開始”. レスポンス. イード (2014年3月18日). 2014年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月26日閲覧。
  4. ^ a b c d e JR東日本:駅構内図・バリアフリー情報(気仙沼駅)”. 東日本旅客鉄道. 2023年12月24日閲覧。
  5. ^ 市内公共交通時刻表(JR・路線バス)”. 気仙沼市 (2021年4月1日). 2021年7月4日閲覧。
  6. ^ 次期市内循環バス・乗合タクシーの運行事業者について (令和4年度第4回気仙沼市地域公共交通会議)”. 気仙沼市 (2022年8月22日). 2022年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月5日閲覧。

報道発表資料[編集]

  1. ^ 気仙沼線における暫定的なサービス提供開始について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道仙台支社/東日本旅客鉄道盛岡支社、2012年7月18日。 オリジナルの2020年7月4日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200704165221/http://jr-sendai.com/upload-images/2012/08/press20120718-kesennumasen.pdf2024年1月5日閲覧 
  2. ^ 沿岸4駅リニューアル 完成記念式典ならびに物産市の開催について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道盛岡支社、2012年11月13日http://www.jr-morioka.com/pdf/press/pdf_1352780090_1.pdf2012年12月2日閲覧 [リンク切れ]
  3. ^ a b 気仙沼線BRTの専用道延伸に伴うダイヤ改正及び電気BRT・観光型BRTの運転開始について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道仙台支社/東日本旅客鉄道盛岡支社、2014年3月18日。 オリジナルの2014年7月22日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20140722111227/http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1395124590_1.pdf2014年3月26日閲覧 
  4. ^ a b c BRT ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道盛岡支社、2015年2月24日。 オリジナルの2020年1月30日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200130000659/https://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1424756333_1.pdf2015年3月13日閲覧 
  5. ^ 気仙沼線(柳津〜気仙沼間)及び大船渡線(気仙沼〜盛間)における鉄道事業の廃止の日の繰上げの届出について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年1月31日。 オリジナルの2020年2月4日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200204215535/https://www.jreast.co.jp/press/2019/20200131_ho01.pdf2020年2月6日閲覧 
  6. ^ 鉄道事業の廃止の届出に係る廃止の日の繰上げについて』(PDF)(プレスリリース)国土交通省東北運輸局、2020年1月29日。 オリジナルの2020年2月1日時点におけるアーカイブhttps://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11630437/wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/sm/topics/td-haishitodoke0129.pdf2020年2月6日閲覧 

新聞記事[編集]

  1. ^ 交通新聞(2012年12月13日)
  2. ^ 交通新聞(2013年1月18日)

利用状況[編集]

  1. ^ a b 各駅の乗車人員(2022年度)”. 東日本旅客鉄道. 2023年7月7日閲覧。
  2. ^ 各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  3. ^ 各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  4. ^ 各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  5. ^ 各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  6. ^ 各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  7. ^ 各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  8. ^ 各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  9. ^ 各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  10. ^ 各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  11. ^ 各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  12. ^ 各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  13. ^ 各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  14. ^ 各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  15. ^ 各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  16. ^ 各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  17. ^ 各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  18. ^ 各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  19. ^ 各駅の乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月20日閲覧。
  20. ^ 各駅の乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月13日閲覧。
  21. ^ 各駅の乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月10日閲覧。
  22. ^ 各駅の乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月13日閲覧。

BRT[編集]

  1. ^ a b c BRT駅別乗車人員(2022年度)”. 東日本旅客鉄道. 2023年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月7日閲覧。
  2. ^ a b BRT駅別乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  3. ^ a b BRT駅別乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  4. ^ a b BRT駅別乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  5. ^ a b BRT駅別乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  6. ^ a b BRT駅別乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2018年7月7日閲覧。
  7. ^ a b BRT駅別乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月20日閲覧。
  8. ^ a b BRT駅別乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月13日閲覧。
  9. ^ a b BRT駅別乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月13日閲覧。
  10. ^ a b BRT駅別乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月13日閲覧。

参考文献[編集]

  • 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日。ISBN 978-4-533-02980-6 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]