ブダペスト覚書

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ブダペスト覚書
ベラルーシ共和国/カザフスタン共和国/ウクライナの核不拡散条約加盟に関連した安全保障上の覚書
Memorandum on Security Assurances in connection with the Republic of Belarus'/Republic of Kazakhstan's/Ukraine's accession to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons
署名 1994年12月5日 (1994-12-05)
署名場所 ハンガリーブダペスト
当初の署名国
言語
  • 英語
  • ロシア語
  • ウクライナ語
  • Ukraine. Memorandum on Security Assurances - Wikisource

    ブダペスト覚書(ブダペストおぼえがき 英:Budapest Memorandum on Security Assurances)とは、1994年12月5日にハンガリーブダペストで開催された欧州安全保障協力機構(OSCE)会議で署名された政治協定書で、ベラルーシカザフスタンウクライナ核不拡散条約に加盟したことに関連して、協定署名国がこの3国に安全保障を提供するという内容。アメリカ合衆国ロシアイギリスの核保有3カ国がこの覚書に署名。また中国フランスは別々の書面で若干の個別保障をしている[1]

    概要[編集]

    この覚書には、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンの領土保全や政治的独立に対する脅威または軍事行使に対する安全保障が含まれていた。 その結果、1994年から1996年の間にこの3カ国は核兵器を放棄(正確にはロシアに移転)した。それ以前は、ウクライナが世界第3位の核兵器備蓄国であり[2][3]、運用管理はしていなかったもののウクライナが大量に物理保有していた[4][5]。なお、同兵器の運用はロシア管理による電子的行動許可伝達システム英語版(PAL)とロシアの指揮統制システム(CCS)に依存していたとされる[4][5] (旧ソビエト連邦の構成国であったベラルーシ、カザフスタン、ウクライナは、ソ連時代からの核をそのまま保有していた)。

    2014年のロシアによるクリミア併合が起きたことで、米国とカナダとイギリスさらに他の諸国も[6][7] [8] [9] [10] 、ロシアの関与はウクライナに対するブダペスト覚書の義務違反であり、ウクライナの主権と領土保全を侵害していると批判、しかも同覚書はセルゲイ・ラブロフほかの署名のもと国連へ伝達したものであった[11]

    2014年3月4日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はブダペスト覚書の違反に関する質問への回答として、ウクライナの現状は革命だとして「新たな国家が起ち上がった時で、しかしこの(新たな)国家との、この国家に関しての、義務的な文書には何ら署名していない」と述べた[12] 。ロシアは「ウクライナの民間人をその意思に反してもウクライナに強制滞在させる」ことまでは決して義務の下に含まれていないと主張した[注釈 1]。 ロシアは、米国がブダペスト覚書に違反していると言い出して、ユーロマイダンは米国が扇動したクーデターだと述べている[13]

    協定内容[編集]

    覚書によると[14] 、ロシアと米国と英国は、ベラルーシとカザフスタンとウクライナが核不拡散条約の加盟国になったことを認め、実際には核兵器をロシアに引き渡すことで、 彼らは次のようにする。

    1. ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナの独立と主権と既存の国境を尊重する[15]
    2. ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに対する脅威や武力行使を控える。
    3. ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに政治的影響を与える目的で、経済的圧力をかけることは控える。
    4. 「仮にベラルーシ/カザフスタン/ウクライナが侵略の犠牲者、または核兵器が使用される侵略脅威の対象になってしまう」場合、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに支援を差し伸べるため即座に国連安全保障理事会の行動を依頼する。
    5. ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに対する核兵器の使用を控える。
    6. これらの誓約事に関して疑義が生じた場合は、互いに協議を行う[11][16]

    分析[編集]

    この協定のもと、署名国は核不拡散条約の遵守と引き換えに「安全保障」をウクライナに提供した。 この覚書は、既にウクライナが欧州安全保障協力機構(OSCE)の最終法である国連憲章および核不拡散条約から保有している、一連の保障をまとめたものである[1]。そうだとしてもウクライナ政府は、これらの裏付けをウクライナ固有の文書で保有しておくことが有益だと分かっていた[17][18]

    ブダペスト覚書は政治レベルで交渉されたもので、法的規定が全く欠落しているかどうか完全には明らかではない。保障には言及しているが、当事者に対する軍事援助の法的義務を課すものではない[1][18]。国際関係学教授のステファン・マクファーレンによると、「もし行動を起こせば署名者に正統性を与えるが、それはウクライナで誰かに行動するよう強制はしない[17] 」という。 米国ではジョージ・H・W・ブッシュ政権もビル・クリントン政権もウクライナに軍事介入するための準備は行われておらず、どちらの政権も米国上院議会が国際条約を批准するとは信じていなかったので、この覚書はより限定された条件で採択された[18]。その覚書は「誓約事に関して質問を提起する状況が生じた場合に」当事者間での協議の必要性を示しており、同覚書に明記されている[19]。覚書が法的義務を明示しているかどうかに関わらず、ウクライナが2014年初頭から遭遇している難儀は、不拡散の誓約と引き換えに提供されている将来への安全保証[注釈 2]の信頼性に疑問が生じていると言えよう[20]

    中国とフランスは別々の書面でウクライナに安全保障を与えた。1994年12月4日の中国政府の声明は、疑義が発生した場合には「公正な協議」を要求するだけで義務的な協議ではなかった。1994年12月5日のフランスの宣言は協議に言及していない[1]

    合意違反[編集]

    2005年ガス紛争[編集]

    ほぼ無用の長物と化していた覚書だが、2005年に発生したロシア・ウクライナガス紛争にて、ロシア側に燃料供給を絶たれそうになったウクライナ側が、当時の安全保障を確約した覚書を楯にアメリカ、イギリスなどに介入を行うよう要請し、意外な形で陽の目をみることとなった(結果的には介入せずにロシアとウクライナが和解)。

    2014年ロシアによるクリミア占領[編集]

    米国務長官ジョン・ケリーと英国外務大臣ウィリアム・ヘイグとウクライナ外相アンドリ・デシュチシア英語版の3名が話す様子。2014年3月5日、ウクライナの危機に関するブダペスト覚書閣僚会議をパリで開催した後。

    2014年2月、ロシア軍はクリミア内のさまざまな空港や他の戦略的地点を奪取または封鎖した[21]。軍部隊はクリミアに駐留するロシアの黒海艦隊より派遣され[22]、ブダペスト覚書に違反してロシアの土地とした。ロシア外務省は、クリミアにいる黒海艦隊に派遣された装甲部隊の動きを確認したが、彼らは両国間の様々な合意の範囲内で行動していると主張した。別のロシア公式筋は、特にセヴァストポリ国際空港地域にいる部隊が黒海艦隊から派遣されたことを否定している[23]。ロシアは、クリミアがロシア連邦に加わるべきかどうかについての国民投票を支持して対処。ロシアはその国民投票が「現地軍隊」によって実施されたと発表した。3月16日に、ロシアはクリミアを併合した。ウクライナは、ブダペスト覚書の第1条に違反するとして、この行動に強く抗議した。

    この危機への対応として、ウクライナ議会は政治的合意の中に明記された誓約指針を再確認するよう覚書署名国に要請し、そのうえで緊張緩和のためにウクライナとの協議を行うよう依頼した[24]

    一時的占領地および国内避難民省(ウクライナ語: Міністерство з питань тимчасово окупованих територій та внутрішньо переміщених осіб України)は2016年4月20日に正式に設立されたウクライナの政府省庁で[25]、2014年のロシア軍事介入によって侵されたドネツクルハーンシククリミアの占領地域を管理するために創設されたものである。

    2014年3月24日、ハーグでの核セキュリティ・サミット期間中の臨時会合で、カナダの首相スティーヴン・ハーパーがロシアの資格を一時停止するため残りのG7首脳たちを導いており、部分的にロシアがブダペスト覚書に違反したからだと、ハーパーは(その理由を)述べた。彼は、ウクライナが「その領有権についての明確なロシアの保証に基づいて」核兵器を放棄しており、「その保証に違反することで、プーチン大統領が一連の武力行使について、既に取り決められた以上(の領土・権利)を要求しない他国からの非難を受けるのも当然のことだ」と語った。ハーパーはまた、自由貿易協定に向けて新ウクライナ政府と協力すると述べ、ウクライナ支持を表明した[26](ただしハーパーは翌2015年10月の連邦議会選挙で敗北、保守党党首を辞任している)。

    2016年2月、セルゲイ・ラブロフは「ロシアは決してブダペスト覚書に違反していない。覚書にある唯一の義務は、核兵器でウクライナを攻撃しないということだ」と主張した[27]。しかし、カナダ人ジャーナリストのマイケル・カルバーンは「実際はブダペスト覚書には6つの義務があり、その最初の項目が「ウクライナの独立と主権と既存の国境を尊重すること」である」と指摘した。カルバーンはまた、英国にあるロシア大使館のTwitterアカウント上でのラブロフの主張の放送が、実際に「ロシアが明白に違反しているものを含む、全6つの義務があるブダペスト覚書の文章へのリンクを提供していた。そこで誰もが見られるようになっている」とも指摘した。

    ブダペスト覚書の草案作成に携わった米国の外交官スティーブン・パイファー英語版は「グーグルの事実確認で30秒以内にデタラメだと判別できることを外務大臣が語るのなら、ロシア外交の不誠実と国際的意見に対する侮辱に関して何か言うことはあるのだろうか?」と後に語った[28]

    2013年ベラルーシ制裁[編集]

    ベラルーシ政府は、米国の制裁が覚書に違反していると主張した。米国政府は次のように回答した、法的拘束力のないものだが、その覚書は東欧の人権侵害に対する当方の取り組みと合致するものである。[29]

    2018年ケルチ海峡事件[編集]

    詳細はケルチ海峡事件英語版を参照

    2018年11月27日、ウクライナ外務省はブダペスト覚書の署名国に対し、誓約事の完全遵守およびウクライナに対するロシアの侵略行為を即時停止させるための緊急協議開催の要請を訴えた[30][31][32]

    関連項目[編集]

    脚注[編集]

    注釈
    1. ^ プーチン同様に言葉を選んだ詭弁。国際社会がクリミア占領を問題視していることには触れず、「(占領したクリミアからの)移転を望むウクライナ市民を、無理やり国内滞在させる義務なんて覚書にないよ」と言う主張。
    2. ^ この「安全保証」はsecurity guaranteesの訳語。将来にわたって安全保障(security assurances)が継続することを保証する、という意味。
    出典
    1. ^ a b c d Vasylenko, Volodymyr (2009年12月15日). “On assurances without guarantees in a 'shelved document'”. The Day. http://www.day.kiev.ua/en/article/close/assurances-without-guarantees-shelved-document 2014年3月18日閲覧。 
    2. ^ Kuzio, Taras (2010年11月). “The Crimea:Europe's Next Flashpoint (PDF)”. 2014年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月23日閲覧。
    3. ^ Budapest Memorandums on Security Assurances, 1994”. Council on Foreign Relations (1994年12月5日). 2014年3月2日閲覧。
    4. ^ a b Martel, William C. (1998). “Why Ukraine gave up nuclear weapons: nonproliferation incentives and disincentives”. Pulling Back from the Nuclear Brink: Reducing and Countering Nuclear Threats. Psychology Press. pp. 88-104. ISBN 9780714648569. https://books.google.com/books?id=MNanc3lYUsQC 2014年8月6日閲覧. "There are some reports that Ukraine had established effective custody, but not operational control, of the cruise missiles and gravity bombs. ... By early 1994 the only barrier to Ukraine's ability to exercise full operational control over the nuclear weapons on missiles and bombers deployed on its soil was its inability to circumvent Russian permissive action links (PALs)." 
    5. ^ a b Pikayev, Alexander A. (Spring?Summer 1994). “Post-Soviet Russia and Ukraine: Who can push the Button?” (PDF). The Nonproliferation Review 1 (3): 31. doi:10.1080/10736709408436550. http://cns.miis.edu/npr/pdfs/pikaye13.pdf 2014年8月6日閲覧。. 
    6. ^ “Readout of President Obama's Call with President Putin” (プレスリリース), The White House, (2014年3月1日), http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2014/03/01/readout-president-obama-s-call-president-putin 2014年3月26日閲覧。 
    7. ^ Editorial Board (2014年2月28日). “Condemnation isn’t enough for Russian actions in Crimea”. Washington Post. https://www.washingtonpost.com/opinions/condemnation-isnt-enough-for-russian-actions-in-crimea/2014/02/28/7b93b7c0-a09d-11e3-9ba6-800d1192d08b_story.html 
    8. ^ That, Corinne Ton; Commisso, Christina (2014年3月22日). “In Kyiv, Harper calls for 'complete reversal' of Crimea annexation”. CTV News. http://www.ctvnews.ca/politics/in-kyiv-harper-calls-for-complete-reversal-of-crimea-annexation-1.1740986 
    9. ^ Stevenson, Chris; Williams, Oscar (2014年3月1日). “Ukraine crisis: David Cameron joins Angela Merkel in expressing anxiety and warns that 'the world is watching'”. The Independent. https://www.independent.co.uk/news/uk/politics/ukraine-crisis-david-cameron-joins-angela-merkel-in-expressing-anxiety-and-warns-that-the-world-is-watching-9162830.html 
    10. ^ Fisher, Matthew (2014年3月24日). “Russia suspended from G8 over annexation of Crimea, Group of Seven nations says”. National Post. http://news.nationalpost.com/2014/03/24/there-is-no-g8-russia-suspended-from-exclusive-club-until-it-changes-course-group-of-seven-nations-says/ 2017年2月27日閲覧。 
    11. ^ a b Letter dated 94/12/07 from the Permanent Representative of the Russian Federation, Ukraine, the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland and the United States of America to the United Nations addressed to the Secretary-General (PDF)”. United Nations (1994年12月19日). 2017年2月27日閲覧。
    12. ^ Putin at a press conference, 4 March 2014 (in Russian)”. YouTube (2014年3月4日). 2016年12月15日閲覧。
    13. ^ (ロシア語). bbc.com. (2014年5月20日). http://www.bbc.com/russian/rolling_news/2014/05/140520_rn_medvedev_ukraine.shtml+2017年2月27日閲覧。 
    14. ^ Budapest Memorandums on Security Assurances, 1994 - Council on Foreign Relations”. Cfr.org (1994年12月5日). 2017年3月7日閲覧。
    15. ^ Joint Declaration of the Leaders of Ukraine, Russia, the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland, and the United States of America, as well as a Memorandum on Security Assurances in Connection with Ukraine’s Accession to the Non-Proliferation Treaty, signed in Budapest on 5 December 1994 (PDF)” (英語). undocs.org. United Nations (1994年12月21日). 2017年3月19日閲覧。
    16. ^ Philipp Bleek (2014年4月29日). “Why Ukraine wasn't a nuclear power in the early 1990s and the West has no legal obligation to come to its aid now”. Arms Control Wonk. http://lewis.armscontrolwonk.com/archive/7316/ukraine-and-the-1994-budapest-memorandum 2014年8月16日閲覧。 
    17. ^ a b Are the US and the UK bound to intervene in Ukraine?, france24, 3 March 2014
    18. ^ a b c Steven Pifer (2014年3月4日). “Ukraine crisis' impact on nuclear weapons”. CNN. http://edition.cnn.com/2014/03/04/opinion/pifer-ukraine-budapest-memorandum/ 2014年3月6日閲覧。 
    19. ^ Budapest Memorandum, paragraph 6.
    20. ^ Thomas D. Grant, "The Budapest Memorandum and Beyond: Have the Western Parties Breached a Legal Obligation?" http://www.ejiltalk.org/the-budapest-memorandum-and-beyond-have-the-western-parties-breached-a-legal-obligation/
    21. ^ POLITICAL LEGITIMACY AND INTERNATIONAL LAW IN CRIMEA: PUSHING THE U.S. AND RUSSIA APART”. Diplomatic Courier (2014年5月8日). 2014年5月9日閲覧。
    22. ^ Reports of Russian military activity in Crimea prompts stern warning from Obama”. The Washington Post (2014年2月28日). 2014年3月1日閲覧。
    23. ^ Movement of Russian armored vehicles in Crimea fully complies with agreements ? Foreign Ministry”. RT (2014年2月28日). 2014年3月1日閲覧。
    24. ^ Ukrainian parliament appeals to Budapest Memorandum signatories”. Interfax Ukraine (2014年2月28日). 2014年3月1日閲覧。
    25. ^ (ウクライナ語) The Cabinet decided to create the Ministry of temporarily occupied territories and internally displaced persons, Ukrayinska Pravda (20 April 2016)
    26. ^ Chase, Steven; Mark MacKinnon (2014年3月24日). “Harper leads charge to expel Russia from G8, ramp up sanctions”. The Globe and Mail. https://www.theglobeandmail.com/news/politics/harper-leads-charge-to-expel-russia-from-g8-ramp-up-sanctions/article17631725/ 2017年2月27日閲覧。 
    27. ^ Lavrov: Russia never violated Budapest memorandum”. Russian Embassy in United Kingdom (2016年1月27日). 2016年1月27日閲覧。
    28. ^ Michael Colborne: Russia’s bald-faced lies by Michael Colborne, National Post, February 4, 2016. 本文質問の答えとして、The answer: it says that, when it comes to the Kremlin, we’re dealing with a way of lying we’re not used to seeing.要は、ロシア政治家ならもっと見分けのつかない嘘をつくものだが、と皮肉っている。
    29. ^ Belarus: Budapest Memorandum, , U.S. Embassy in Minsk, (2013年4月12日), オリジナルの2014年4月19日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20140419030507/http://minsk.usembassy.gov/budapest_memorandum.html 2014年4月19日閲覧。 
    30. ^ Україна скликає зустріч ядерних держав”. uprom.info. National Industrial Portal (2018年12月5日). 2018年12月5日閲覧。
    31. ^ Україна скликає зустріч ядерних держав за механізмом Будапештського меморандуму”. www.eurointegration.com.ua. Ukrayinska Pravda (2018年12月5日). 2018年12月23日閲覧。
    32. ^ Заява МЗС України у зв’язку зі скликанням консультацій відповідно до Будапештського меморандуму”. mfa.gov.ua. Ministry of Foreign Affairs of Ukraine (2018年12月5日). 2018年12月23日閲覧。

    外部リンク[編集]