キーウの戦い (2022年)
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キーウの戦い(キーウのたたかい)は、2022年ロシアのウクライナ侵攻において、ロシア連邦軍によるキーウ攻勢の一環としてウクライナの首都キーウ(キエフ)および周辺で行われた軍事戦闘である。
ロシアの陸軍や特殊部隊、工作員は緒戦において、キーウ占領やウクライナ政府の無力化、ゼレンスキー大統領の暗殺に失敗。ウクライナは首都防衛と政府の機能維持に成功し、各地における抗戦や反撃を継続した。ロシア地上部隊撤退後も、キーウに対しては、ミサイル攻撃を含む空襲が継続している。

戦闘経過[編集]
2月24日[編集]
開戦初日、キーウは空襲を受け始めた[6]。
2月25日[編集]
午前中、ウクライナの兵士に扮した3人のロシアの妨害工作員が、キーウ北部のヴェルホーヴナ・ラーダ議事堂から約10kmの位置にあるオボロン区に入ったが[7][8]、ウクライナ軍によって全員殺害された[9][10]。一日中、市内のいくつかの区で銃撃が聞こえた。ウクライナ当局は、銃撃はロシア軍との衝突から生じたものであると説明した[11][12]。
キーウ市長のビタリ・クリチコは、武器を取って戦うことを誓った。彼の兄弟ウラジミールは、数ヶ月前に予備軍に加わったことで、同じ感情を表明した[13]。
ロシア陸軍は、キーウ郊外のホストメリにあるアントノフ空港に進撃し、激しい戦闘の後に占領した[14](アントノフ国際空港の戦い)。ウクライナのゼレンスキー大統領は、キーウの人々に火炎瓶でロシアからの侵略に対抗するよう要請し[15][16]、18,000丁の銃が市民に配布された。通常は予備として待機しているウクライナ領土防衛隊も行動を始めた[17]。
夜にキーウで激しい銃撃があったとの報告を受けた後、ウクライナ軍は約60人のロシアの妨害工作員を殺害したと主張した[18]。
2月26日[編集]
早朝、ロシアの主要部隊がキーウへの攻撃を開始した。ロシアの砲兵は30分以上都市を砲撃した[19]。同時に、ウクライナ軍は、トロイエシチナの北東地区にある発電所に対するロシアの攻撃を撃退し、BBCは、攻撃が「都市の電力を奪うため」であった可能性があることを報じた[20]。中央シェウチェンコ区のキーウ動物園の近くでも激しい戦闘が発生し、ウクライナ軍はプロスペクト・ペレモヒー通り(通称「勝利通り」)でロシア軍から軍基地を守った[21]。キーウ中の他の街路でも戦闘が行われ、住民に対して窓やバルコニーを避けるよう警告した[20]。
2月28日[編集]
ウクライナ軍はロシアによるキーウの占領工作は失敗したと発表した[22]。
4月3日[編集]
ウクライナはキーウ市及びキーウ州全域の奪還を果たし、ウクライナ軍の勝利に終わった[23]。
ロシア軍撤退後[編集]
ロシア軍は地上部隊を撤退させた後もキーウへの空襲を続けており、市内や周辺ではウクライナ側による防空戦闘や核シェルター建設が行なわれている[24]。
ロシア軍とウクライナ軍の誤算[編集]
キーウの戦いでは双方に誤算があった。ロシア・ウクライナ危機において、ロシアはキーウを窺うヨーロッパロシア南西部だけでなく、同盟国ベラルーシに軍部隊を配置していた。英国王立防衛安全保障研究所がウクライナ軍からの聞き取りなどからまとめた報告書によると、ロシア連邦軍参謀本部は奇襲効果を高める狙いから秘密保持を徹底したため、部隊への詳細な命令伝達は侵攻開始のわずか24時間前で、作戦への理解と兵站が不十分なまま戦闘を開始しており、ウクライナ軍も、西側諸国からキーウ侵攻について警告されていたにもかかわらずドンバス戦争以来の戦場であった東部に兵力を振り向けてしまったことから、首都防衛は手薄になっていたという[25]。
脚注[編集]
- ^ “Mine warfare on Kyiv's eastern front(キーウ東部での地雷戦)”France 24,Issued on:03/03/2022
- ^ グルヒフの人々は、倒れた英雄オレクサンドル・マクシモフの最後の旅を指揮した ショスカ・オンライン
- ^ “Regular Kyivans get ready to help repel Russian attack”. Kyiv Independent (2022年2月21日). 2022年2月26日閲覧。
- ^ “ロシア軍が首都キエフのテレビ塔をミサイル攻撃 通行人ら5人死亡、5人負傷 爆撃対象が無差別に拡大”. 東京新聞 TOKYO Web (2022年3月2日). 2022年10月22日閲覧。
- ^ “キエフのテレビ塔に砲撃、5人が死亡 ウクライナ当局が発表”. 朝日新聞デジタル (2022年3月2日). 2022年10月22日閲覧。
- ^ マルタ・ショカロBBCウクライナ語編集長(キーウ)「安全な場所はもうどこにもない」BBCウクライナ語編集長が侵攻初日を振り返る BBC(2022年2月25日)2022年12月11日閲覧
- ^ Roscoe, Matthew (2022年2月25日). “BREAKING: Fighting has erupted in the Obolon district in Kyiv” (英語). Euro Weekly News Spain. 2022年2月25日閲覧。
- ^ “Ukraine crisis: Russians have entered Kyiv, gunfire in gov't district” (英語). The Jerusalem Post. 2022年2月25日閲覧。
- ^ Bengali, Shashank; Santora, Marc (2022年2月25日). “Russian troops enter the outskirts of Kyiv”. The New York Times 2022年2月25日閲覧。
- ^ Rayner, Gordon (2022年2月25日). “Watch: Russian saboteur plot in Kyiv ends in a deadly hail of bullets” (英語). The Telegraph. ISSN 0307-1235 2022年2月25日閲覧。
- ^ Trifonov, Yaroslav; Forrest, Brett (2022年2月25日). “Russian Forces Close In on Ukraine's Capital, Bombing Intensifies”. The Wall Street Journal
- ^ Cecil, Nicholas; Burford, Rachel; Bond, David; Stewart, Will (2022年2月25日). “Vladimir Putin’s bloody invasion brings terror to Ukraine capital Kyiv”. London Evening Standard
- ^ Wilson, Jeremy (2022年2月25日). “Wladimir and Vitali Klitschko to take up arms in Ukraine army and fight Russian invaders” (英語). The Telegraph. ISSN 0307-1235 2022年2月25日閲覧。
- ^ “Ukraine's capital under threat as Russia presses invasion” (英語). AP NEWS (2022年2月25日). 2022年2月25日閲覧。
- ^ “Putin tells Ukrainian military to overthrow Zelensky – follow live” (英語). The Independent (2022年2月25日). 2022年2月25日閲覧。
- ^ “Ukraine-Russia news live: Troops enter Kyiv as Putin makes offer of Minsk peace talks” (英語). Sky News. 2022年2月25日閲覧。
- ^ “Kyiv residents take up arms as Russia advances” (英語). BBC News (2022年2月25日). 2022年2月25日閲覧。
- ^ “У Києві вбили близько 60 диверсантів – радник глави МВС” (ウクライナ語). Українська правда. 2022年2月26日閲覧。
- ^ Siobhán O'Grady; Meryl Kornfield (2022年2月25日). “Multiple explosions rock Kyiv as Russian forces target city” (英語). ワシントン・ポスト 2022年2月26日閲覧。
- ^ a b “Ukraine live updates: Heavy fighting reported around Kyiv” (英語). BBC News. 2022年2月26日閲覧。
- ^ Reuters (2022年2月26日). “Ukraine military says it repels Russian troops' attack on Kyiv base” (英語). Reuters 2022年2月26日閲覧。
- ^ “【速報】「ロシア軍の首都キエフ占領工作は失敗」 ウクライナ軍が声明発表”. テレビ朝日 (2022年2月28日). 2022年5月21日閲覧。
- ^ “ウクライナ“キーウ州全域奪還” ロシア 来月勝利宣言意向か”. NHK (2022年4月3日). 2022年5月21日閲覧。
- ^ 「核シェルター425カ所準備 キーウ」『産経新聞』朝刊2022年11月27日(国際面)2022年12月11日閲覧
- ^ ロシア「10日で制圧」失敗 ウクライナにも誤認―英報告書 時事通信(2022年12月4日)2022年12月11日閲覧
関連項目[編集]
- キーウのロシア軍車列
- キエフの幽霊
- キエフの戦い:中世以降の戦闘の一覧
- 市街戦
- マルヌ会戦、コルバラの戦い、ワルシャワの戦い (1920年)、モスクワの戦い、サラエヴォ包囲、イラクでの戦い (2013–2017)、2021年11月ティグレ軍攻勢:近現代において首都防衛に成功した例