自由ロシア軍団
自由ロシア軍団 | |
---|---|
ロシア語: Легион «Свобода России» ウクライナ語: Легіон «Свобода Росії» 英語: Freedom of Russia Legion | |
![]() 自由ロシア軍団のエンブレム | |
創設 | 2022年3月10日 |
国籍 | ![]() |
軍種 | 外国人義勇兵(外人部隊) |
規模 | 500人以上 |
上級部隊 | ![]() |
モットー | ロシアのために!自由のために! (ロシア語: За Россию! За свободу!) |
彩色 | 白、アジュール |
主な戦歴 | 2022年ロシアのウクライナ侵攻 |
ウェブサイト | 自由ロシア軍団 - Telegram |
識別 | |
旗 | ![]() |
自由ロシア軍団(じゆうロシアぐんだん、ロシア語: Легион «Свобода России»、ウクライナ語: Легіон «Свобода Росії»、英語: Freedom of Russia Legion)またはロシア自由軍団[1][2]は、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、ウクライナを防衛するため2022年3月に結成されたウクライナ軍の軍団である。ロシア軍からの離反者の他、元々軍隊に所属していなかったロシア人やベラルーシ人の義勇兵で構成されている[3]。
この軍団は袖章としてロシア国旗ではなく、白青白旗を使用している[1][2][3]。
概要[編集]
自由ロシア軍団は、自発的にウクライナ側へ離反したロシア軍の中隊(500人以上)から結成された。 中隊長によれば「本物のファシストからウクライナ人を守るため」に、ウクライナ保安庁の協力を得て2022年2月27日にウクライナ側に加わった。また彼はプーチン軍の兵士である同胞に対し、祖国と国民を「屈辱と破滅」から救うため自由ロシア軍団に加わるよう呼びかけた[4]。
軍団の最初の志願兵は、2022年3月下旬に個別の予備訓練を開始した。志願兵たちはウクライナ軍の教官の指導の元、スウェーデンとイギリスが共同開発した携行式対戦車ミサイルNLAWの特性や使用方法について学んだ[1]。部隊の指揮官は前線の詳細な作戦状況を受け取った[5]。軍団の目標はロシア軍をウクライナから退け、最終的にはウラジーミル・プーチンを退陣させることである[6]。
2022年6月9日時点、軍団はウクライナ東部攻勢の中、ドンバスにおいてウクライナ軍と共に戦っている。さらにロシア国内にて、放火などの破壊工作活動を組織しているとも伝えられている[7]。
6月11日、ガスプロムバンク元副社長のイーゴリ・ヴォロブーイェフが軍団に加わったとTelegram上で発表した[8]。ヴォロブーイェフはウクライナ北部のスーミィ州アフトゥイルカ出身であり[9]、3月2日には故郷をロシアから守るためウクライナに到着していた[10][11]。
2023年1月24日、ロシアの独立系メディア「エージェンシー」は、自由ロシア軍団の代表を自称する「シーザー(Цезарь)」というコールサインの戦闘員が2010年代前半にロシア帝国運動(RID)の過激派組織と繋がっていたという分析を明らかにした。2011年9月にサンクトペテルブルクで行われた「ロシアン ラン」というイベントに参加している写真が発見されている。写真には隣にロシア帝国運動の創設者デニス・ガリエフが写っている。
シーザーの古い知人の話によると、2010年代初頭にRIDに所属していたシーザーは、軍団が「何かを変え、ロシアを大帝国にすることができる」と信じられなくなり、体制に幻滅。2014年にウクライナとの戦争が始まると、シーザーはその紛争において、自由のために戦う覚悟のある国として、すぐにキーウの味方をしたという。2022年8月31日、キーウ近郊のイルペンにダリア・ドゥギナ殺害を行ったと主張する国民共和国軍(NRA)と自由ロシア軍団が政治センターを設立している。その代表であるイリヤ・ポノマリョフはエージェンシーに対し、シーザーは以前、ロシアの右翼愛国主義組織や、2005年3月のアナトリー・チュバイス暗殺未遂で逮捕され、その後無罪となったロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)大佐ウラジミール・クヴァチコフと関係があったことを明らかにしている[12][13]。
2023年3月16日、ロシア最高裁は自由ロシア軍団を「テロ組織」に指定した[14]。
メンバーの証言によれば、2023年5月までにバフムートの戦いに参加[15]。また同月22日には、ロシア南部ベルゴロド州に武装組織が侵入し破壊活動が行われたが、自由ロシア軍団はSNSを通じて自らの活動である旨の声明を出している[16]。
関連項目[編集]
![]() | 関連項目が多すぎます。 |
- ロシア反乱軍
- ジョハル・ドゥダエフ大隊
- シェイク・マンスール大隊
- カストゥーシュ・カリノーウスキ連隊
- 戦術群「ベラルーシ」
- ジョージア人軍団
- ロシア義勇軍団
- ウクライナ領土防衛部隊外国人軍団
- 東方部隊
- 第15SSコサック騎兵軍団
- 白ロシア地域防衛隊
- ウクライナ解放軍
- 浅野部隊
出典[編集]
- ^ a b c “ウクライナ国際義勇軍に露兵も合流 「無法プーチン政権と戦う」|ニフティニュース”. ニフティニュース. 2022年6月9日閲覧。
- ^ a b Coles, Isabel; Trofimov, Yaroslav (2022年4月7日). “Belarusians, Russians Join Ukraine's Military, Hoping for Freedom at Home”. Wall Street Journal. オリジナルの2022年4月10日時点におけるアーカイブ。 2022年4月10日閲覧. "While the Belarusian opposition has long been inspired by Ukraine’s resistance to Russia and attempts to impose authoritarian rule, the arrival of Russians willing to fight against their own compatriots is relatively new. The uniforms of the Freedom for Russia unit have the white-blue-white patch, in the colors of a new Russian flag favored by some opponents of Mr. Putin."
- ^ a b “Охочих вступити до легіону "Свобода Росії" багато — представник легіону” [Many people want to join the Freedom of Russia Legion - a representative of the Legion] (ウクライナ語). Інтерфакс-Україна (Interfax-Ukraine). 2022年4月6日閲覧。
- ^ “Російські військові з легіону "Вільна Росія", які воюють за Україну, дали брифінг (відео)” [Russian servicemen from the Free Russia Legion, who are fighting for Ukraine, gave a briefing (video)] (ウクライナ語). www.unian.ua. 2022年4月6日閲覧。
- ^ “Добровольці легіону «Вільна Росія» воюватимуть за Україну: триває підготовка” [Volunteers of the Free Russia Legion will fight for Ukraine: preparations are underway] (ウクライナ語). Волинські новини (Volyn news). 2022年4月6日閲覧。
- ^ “The Russians Fighting Putin in Ukraine”. Time. (2022). オリジナルの2022-04-08時点におけるアーカイブ。 2022年4月10日閲覧。.
- ^ “Russische Soldaten gegen Putin: im Donbass kämpfen, in Moskau Feuer legen”. Berliner Zeitung (2022年5月4日). 2022年5月30日閲覧。
- ^ “Former Gazprombank executive Igor Volobuev joins the Freedom to Russia Legion within the Ukrainian Armed Forces”. Новая газета. Европа (1654973100000). 2022年6月13日閲覧。
- ^ “Gazprombank executive Igor Volobuev leaves for Ukraine to join territorial defense, says his colleague’s “suicide” was murder” (ロシア語). The Insider. 2022年6月13日閲覧。
- ^ Balmforth, Tom; Zemaryalai, Parniyan (2022年4月28日). “'I'm not afraid', says ex-Gazprombank executive who defected to Ukraine” (英語). Reuters 2022年6月13日閲覧。
- ^ “Интервью | "Я участвовал в войне". История вице-президента Газпромбанка, который сбежал из России”. Liga.net (2022年4月26日). 2022年8月1日閲覧。
- ^ “В воюющем за Украину легионе «Свобода России» оказался выходец из «Российского имперского движения», которое связали с ГРУ и взрывами в Испании • «Агентство»” (ロシア語). «Агентство» (2023年1月24日). 2023年1月26日閲覧。
- ^ 2023年1月22日、ニューヨークタイムズは2022年11月に発生したスペインでの郵便爆弾事件を起こしたのはGRUであると報道している。また、ロシア軍情報部がロシア帝国運動を使って活動していた可能性があるという。
- ^ “ウクライナ側で戦うロシア人部隊、テロ組織に指定 ロシア”. www.afpbb.com. 2023年3月18日閲覧。
- ^ “自由ロシア軍団とは何か、「ロシアを自由にする」ため自国と戦うロシア人志願兵たち”. CNN (2023年5月23日). 2023年5月23日閲覧。
- ^ “ロシア領内で戦闘、反政権ロシア人部隊が侵入か ウクライナは否定”. 朝日新聞DIGITAL (2023年5月23日). 2023年5月23日閲覧。