リトル・グリーンメン (ウクライナ危機)

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シンフェローポリ国際空港での徽章が無い武装兵(リトル・グリーンメン) (2014年2月28日)。画像右側のAK-74Mはマガジンが挿入されていない。
 AK-74Msを装備し、シンフェロポリ南25kmにあるペレヴァリノエの軍基地を封鎖している「リトル・グリーンメン」(2014年3月9日)

リトル・グリーンメンは、2014年ウクライナ危機の際に現れたロシア軍の武器と装備品を装備した徽章を付けていない覆面兵士を指す。この用語はロシアによるクリミア・セヴァストポリの編入の最中に最初に使われ、覆面兵士らはシンフェローポリ国際空港やクリミアの大半の軍事基地、 及びシンフェロポリの議会を占領・封鎖した。平和的に行動し、実質的に住民の日常活動に干渉しなかったため彼らは「誠実な人々」 (ロシア語: вежливые люди vezhlivye lyudi, ウクライナ語: ввічливі люди vvichlyvi lyudy)としても知られている[1][2]

2015年4月、退役したロシア提督イーゴリ・カサトノフは「リトル・グリーンメン」はロシアの特殊部隊スペツナズ」のメンバーだったと述べた。彼の情報によれば、クリミアに配備されたロシア軍はヘリコプター6機とIl-76 3機で送られた計500人が含まれる [3]

2015年12月17日、ロシアウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナの軍事的範囲を含む特定の任務に従事していたロシア人の存在を簡潔ではあるが認めており、それはウクライナにおけるロシア正規軍の存在を意味するものではないと付け加えた [4]

武器と装備分析[編集]

2014年3月、フィンランド誌『Suomen Sotilas』 (フィンランドの兵士) は「リトル・グリーンメン」の写真で見られる装備と武器の分析記事を出した。

記事では様々な武器及び装備の一部がロシア連邦軍のみに提供されていると主張している:

  • New EMR カモフラージュ戦闘服
  • New 6Sh112 戦術ベスト
  • New 6B27, 6B7-1M 複合ヘルメット
  • New 7.62 mm PKPマシンガン
  • 6B26 複合ヘルメット (ロシア連邦空挺軍のみ使用)
  • 6Sh92-5 戦術ベスト (ロシア連邦空挺軍のみ使用)
  • Gorka-3 戦闘服 (ロシア特殊部隊と山岳部隊のみ使用)
  • Smersh AK/VOG 戦術ベスト (ロシア特殊部隊のみ使用)

記事では「これらの軍は(モスクワのクビンカに拠点を置く)ロシア空挺軍第45独立親衛特殊任務連隊」の蓋然性がかなり高いと結論付けた[5]

他のメディアはロシア特殊部隊の配備の証拠として撮影されたVSS ヴィントレスを装備した徽章がないロシア兵の写真を公開した[6]

ロシアの公式反応[編集]

 ウラジーミル・プーチン大統領は当初グリーンメンはロシア軍ではないが、地元民兵組織がウクライナ軍から武器を奪ったと述べた[7] 。NATO欧州連合軍最高司令部作戦連合軍のフィリップ・ブリードラブ大将は「グリーンメン」は実際にロシア軍だったと述べた[8]

2014年3月、プーチン大統領は事前に計画された介入がなかったと主張し続けた[9] が、「重装備で統率のとれたグループが侵略開始時にクリミアの空港と港を乗っ取った。ー彼らは単なる「自警団」であり、地元の軍用ショップからロシア風の制服を購入したのかもしれない」と述べた[10]。ウクライナ銃所有者協会によれば、ウクライナの法律では狩猟目的以外での火器の販売や持ち運びは禁止されているという[11]

4月17日、プーチン大統領は初めてロシアの特殊部隊が地元の人々の保護や国民投票に向けての状況をつくるためにクリミアの出来事に関与していると公に認めた[12]。その後、出来事の最中のクリミアでロシア軍がウクライナ軍をブロックしていることを認めた[13]

クリミアでのロシア軍の存在についての質問への答えで、ロシア国防相のセルゲイ・ショイグは「ウクライナの出来事でのロシア特殊部隊の使用に関しての声明に関して私は一つだけ言える。ー暗い部屋で黒猫を探すのは大変だ、特に猫がそこにいないのなら」と述べ、もし猫が「知的で勇敢で誠実」であればの捜索は「馬鹿らしいものになる」と謎めかして付け加えた[14]

ドンバスでの再出現[編集]

ウクライナ内戦中の2014年8月26日に、ロイター通信の特派員によるドネツィク州コロスキーからの報告では数十人のロシア訛りの重装備兵が週末に現れ道路を封鎖した(ロシア国境から約10キロメートル)とされた[15]。白いバンドをつけ、同一の識別マークをつけた10人の兵士がDzerkalne村付近でウクライナ軍により拘束された。火曜日に公開された映像の中で拘束された兵士はロシア軍の空挺兵だと述べた[16][15]BBCの報道で、ドンバスの徽章無しのロシア軍を「幽霊軍」と述べた[17]

2015年1月13日、ウクライナの報道機関「censor.net」はルハーンシクにいるロシアの特殊部隊について、緑の軍服を着た兵士8人(一部の兵士はロシア軍のみ使用するAS Valを装備)が街頭をパトロールしている映像と共に報じた[18]

参考文献[編集]

  1. ^ Shevchenko, Vitaly (2014年3月11日). “"Little green men" or "Russian invaders"?”. BBC News. 2015年11月18日閲覧。
  2. ^ Oliphant, Roland (2014年3月2日). “Ukraine crisis: 'Polite people' leading the silent invasion of the Crimea”. The Daily Telegraph. http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/ukraine/10670547/Ukraine-crisis-Polite-people-leading-the-silent-invasion-of-the-Crimea.html 2015年11月18日閲覧。 
  3. ^ NATO Recon Missed Everything: Admiral Reveals Details of Crimea Operation”. Sputnik (2015年3月13日). 2015年3月13日閲覧。
  4. ^ Nadia Khomami (2015年12月17日). “Vladimir Putin press conference: 'Russian military personnel were in Ukraine' - as it happened”. 2015年12月17日閲覧。
  5. ^ Pulkki, Arto (3 March 2014). “Crimea Invaded By High Readiness Forces of the Russian Federation”. Suomen Sotilas (Soldier of Finland) (Helsinki). オリジナルの30 March 2015時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150330124704/http://www.suomensotilas.fi/en/artikkelit/crimea-invaded-high-readiness-forces-russian-federation 2015年9月21日閲覧。. 
  6. ^ Vaux, Pierre. “Ukraine Presents Russian Sniper Rifle Taken From Captured Soldiers, Will Charge Them With 'Terrorism'”. https://pressimus.com/Interpreter_Mag/press/8401 2017年4月19日閲覧。 
  7. ^ Путін: В Криму діють не війська РФ, а "загони самооборони", які забрали зброю в українців”. еспресо tv (2014年3月4日). 2014年3月31日閲覧。
  8. ^ Головнокомандувач НАТО у Європі вважає, що всі воєнізовані формування у Криму є армією РФ” [Chief of NATO in Europe believes that all the militia armies in Crimea are from Russia] (Russian). РБК Україна (2014年3月12日). 2014年3月31日閲覧。
  9. ^ Fernández, Rodrigo (2014年3月4日). “Putin no descarta una intervención si el caos se apodera de Ucrania” [Putin does not rule out intervention if chaos seizes Ukraine] (Spanish). El País. 2015年11月19日閲覧。
  10. ^ Borger, Julian (2014年3月4日). “Putin offers Ukraine olive branches delivered by Russian tanks”. The Guardian. 2015年11月19日閲覧。
  11. ^ вільні люди носять зброю, раби - ні”. Ukrainian Association of Gun Owners (2015年). 2015年11月19日閲覧。
  12. ^ Путин: в Крыму действовали российские военные” [Putin: the Russian military operated in the Crimea] (Russian). Radio Svoboda (2014年4月17日). 2015年11月19日閲覧。
  13. ^ Путин: Украинских военных в Крыму блокировали российские войска” [Putin: Russian troops blocked Ukrainian troops in the Crimea] (Russian). liga.net (2014年11月17日). 2015年11月19日閲覧。
  14. ^ “Шойгу о "зелёных человечках" на Украине: глупо искать чёрную вежливую кошку в тёмной комнате” (Russian). Московский комсомолец. (2014年4月17日). オリジナルの2014年4月25日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140425213633/http://www.mk.ru/politics/russia/article/2014/04/17/1016052-shoygu-o-quotzelenyih-chelovechkahquot-na-ukraine-glupo-iskat-chernuyu-vezhlivuyu-koshku-v-temnoy-komnate.html 2015年4月10日閲覧。 
  15. ^ a b Tsvetkova, Maria (2014年8月26日). “'Men in green' raise suspicions of east Ukrainian villagers”. Reuters. 2015年11月19日閲覧。
  16. ^ ウクライナ、拘束した「ロシア兵」の映像公開 AFP通信
  17. ^ Sweeney, John (2014年9月8日). “MH17 disaster: Russians 'controlled BUK missile system'”. BBC News. http://www.bbc.com/news/world-europe-29109398 2014年9月8日閲覧。 
  18. ^ “Russian special forces in Luhansk: so called insurgents armed with AS "Val" assault rifles - the weapon used by the Russian Federation Army only. VIDEO”. Censor.net. (2015年1月13日). http://en.censor.net.ua/video_news/319732/russian_special_forces_in_luhansk_so_called_insurgents_armed_with_as_val_assault_rifles_the_weapon_used 2015年2月5日閲覧。 

外部リンク[編集]