ロシア陸軍
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ロシア陸軍(ロシアりくぐん、ロシア語: Сухопутные войска)は、ロシア連邦軍における陸軍である。
目次
概要[編集]
冷戦時代のソ連地上軍に倣い、ロシア地上軍(ロシアちじょうぐん)と呼ばれることもある。2016年現在、約27万人の兵力と戦車を約2,700両(その他保管約17,500両)保有している[1](国境警備隊や内務省軍などの準軍事組織を含まない)。
ソビエト連邦軍では、陸軍の軍令機関がそのまま全軍の参謀本部に発展した経緯から、陸軍自身の軍令機関が設置されなかった(つまり、軍種としての陸軍が存在しなかった)時代がある(共産圏の軍隊も、ソ連軍の例に倣っている場合が多い)。このことから、西側では共産圏の陸軍組織を陸軍 (army) とは呼ばず、地上軍(ground force又はland force)と呼び、自衛隊や韓国軍(ソ連軍に倣って建設された北朝鮮の陸軍を地上軍と呼称している)では地上軍と呼称している。
一方、ロシア語での正式名称Сухопутные войскаの直訳は飽くまで陸軍である。ロシア語では、地上軍はНаземные войскаというまったく別の単語で表されるのが普通である。「сухопутный」は「陸」を意味する「суша」に関連する形容詞、「наземный」は「地球」も意味する「земля」に関連する形容詞であり、字義的にも「Сухопутные войска」を「地上軍」と訳すことには厳密には無理がある。[要出典]
歴史[編集]
第二次世界大戦中に赤軍の総数は膨大なものとなり、日々指導が困難となったことから独立の指揮機関が必要とされ、1946年3月、最初の陸軍総司令部が設置された。
召集兵の復員が進み、陸軍の総数が減少したことから、1950年3月、総司令部は解散された。
1955年3月、再び総司令部が設置されたが、1964年3月には再び解散された。1967年11月、三度目の総司令部が設置された。
ソ連崩壊後、1997年11月~12月、総司令部は、陸軍総局(Главное управление Сухопутных войск)として参謀本部の一部署に改編された。
2008年、ドミートリー・メドヴェージェフ大統領が承認した「ロシア連邦軍の将来の姿」に従い、「軍管区-軍-師団-連隊」の4層構造から「軍管区-作戦コマンド-旅団」の3層構造への改編が行われ、2009年までに完了したとされていたが、2013年の戦勝記念パレードに親衛タマン自動車化狙撃師団と親衛カンテミロフカ戦車師団が参加しており一部では師団が復活している[2]。
機構[編集]
陸軍総司令部[編集]
ロシア陸軍は、陸軍総司令部(Главное командование Сухопутных войск)によって指揮統率される。
部隊建制[編集]
- 軍管区(военный округ)
- 軍(армия):諸兵科連合軍と戦車軍の2種類がある。
- 軍団(армейский корпус):現在は部隊が存在しない単位である。
- 師団(дивизия):詳細はロシア陸軍の師団・旅団等一覧を参照のこと。
- 軍事基地(военная база):師団級の部隊。
- 旅団(бригада):自動車化狙撃旅団、戦車旅団、砲兵旅団、特殊任務旅団などがある。
- 連隊(полк)
- 大隊(батальон)、砲兵大隊(дивизион)
- 中隊(рота)、砲兵中隊(батарея)
- 小隊(взвод)
- 分隊(отделение)
軍管区[編集]
ロシア陸軍は、ロシア連邦軍の6つの軍管区(Военный округ)に区分されて配備されていたが、軍管区は2010年までに東部、西部、南部、中央の4個に統合された。
現在の軍管区
- 西部軍管区(旧レニングラード軍管区およびモスクワ軍管区)
- 南部軍管区(旧北カフカス軍管区)
- 中央軍管区(沿ヴォルガ=ウラル軍管区と旧シベリア軍管区西部)
- 東部軍管区(旧シベリア軍管区東部と極東軍管区)
2010年以前の軍管区
- モスクワ軍管区(Московский военный округ;МВО)
- レニングラード軍管区(Ленинградский военный округ;ЛенВО)
- 沿ヴォルガ・ウラル軍管区(Приволжско-уральский военный округ;ПруВО)
- 北カフカーズ軍管区(Северо-кавказский военный округ;СКВО)
- シベリア軍管区(Сибирский военный округ;СибВО)
- 極東軍管区(Дальневосточный военный округ;ДВО)
直轄部隊[編集]
- 第83地上軍暗号情報センター:モスクワ
- 地上軍軍事教育・科学センター:モスクワ
- 第631ロケット・砲兵戦闘使用地域教育センター:サラトフ
- 第681ロケット・砲兵戦闘使用地域教育センター:ムリノ
- 第1000ロケット・砲兵戦闘使用教育センター:コロムナ
- 第60ロケット・砲兵戦闘使用教育センター:ズナメンスク-6
- 第106地上軍防空兵教育センター第745高射ミサイル連隊:オレンブルク
- 第222ロシア連邦軍防空兵教育プロセス保障高射ミサイル連隊:スモレンスク
- 第726地上軍防空兵教育センター:エイスク
- 第68教育プロセス・戦闘射撃保障高射ミサイル旅団
- 第317独立親衛工兵旅団:ナハビノ
- 第66親衛架橋連隊:ムロム
- 第45偽装工兵連隊:ニコロ・ウリュピノ
- 第1機動放射線・化学・生物学防護旅団:シハヌィ
- 第9爆破測定連隊:シハヌィ
兵科[編集]
ロシア陸軍の兵科は、兵科、支援兵科、後方部隊・施設に分かれる。
兵科[編集]
兵科(рода войск)とは、戦闘に直接参加するいわゆる戦闘職種である。
- 自動車化狙撃兵(Мотострелковые войска):歩兵
- 戦車兵(Танковые войска)
- ロケット・砲兵(Ракетные войска и артиллерия):砲兵
- 防空兵(Войсковая ПВО):高射砲兵
- 陸軍航空隊(Армейская авиация):現在はロシア空軍の兵科
支援兵科[編集]
支援兵科(специальные войска;直訳だと特殊部隊となるが、ここでは支援兵科と訳す)とは、陸軍の任務遂行を保障するための兵科である。
- 偵察兵(разведывательные войска):情報職域。ロシア連邦軍参謀本部情報総局 (GRU) の管轄
- 通信兵(войска связи)
- 電波電子戦兵(войска радиоэлектронной борьбы)
- 工兵(инженерные войска)
- 放射線・化学・生物学防護兵(войска радиационной, химической и биологической защиты)
- 技術保障兵(войска технического обеспечения)
- 自動車兵(автомобильные войска):輸送兵
- 後方警備兵(войска охраны тыла)
後方部隊・施設[編集]
後方部隊・施設(воинские части и учреждения тыла)は、全軍共通であり、ロシア連邦軍後方部が一元管理している(元々陸軍の組織から発展したため、海軍所属の後方部隊・施設勤務者でも陸軍式の制服と階級呼称を帯びる)。
装備品[編集]
火器[編集]
歴代総司令官[編集]
| 氏名 | 階級 | 在任期間 | 出身校 | 前職 |
|---|---|---|---|---|
| ニコライ・コルミリツェフ | 上級大将 | 2001-2004.11 | オムスク高等諸兵科共通指揮学校 | シベリア軍管区司令官 |
| アレクセイ・マスロフ | 2004.11-2008.8 | ハリコフ高等戦車指揮学校 | 北カフカーズ軍管区参謀長 | |
| ウラジーミル・ボルドゥイレフ | 2008.8-2010.1 | モスクワ高等諸兵科共通指揮学校 | 沿ヴォルガ・ウラル軍管区司令官 | |
| アレクサンドル・ポストニコフ | 大将 | 2010.1-2012 | キエフ高等諸兵科共通指揮学校 | シベリア軍管区司令官 |
脚注[編集]
関連項目[編集]
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