第45回世界遺産委員会

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第45回世界遺産委員会(だい45かいせかいいさんいいんかい)は、2022年6月19日から30日にロシアタタールスタン共和国カザンで開催される予定だったユネスコによる世界遺産委員会であるが[1]、2月24日に発生したロシアによるウクライナ侵攻により開催地変更の要望が高まり(「第44回世界遺産委員会#委員会終了後の動向」参照)、延期されることとなった[1]

その後、11月22日にロシアが開催を断念し[2]、2023年1月24・25日にパリのユネスコ本部で開催された第18回世界遺産委員会臨時会議においてサウジアラビアを議長国として同国で9月10~25日に開催することとなり、新規登録審査に関しては2022年と2023年の2年分をまとめて行う拡大会合とすることが決まった[3]

日程・開催地の変更について[編集]

ユネスコ加盟61ヶ国が動議提出して、19の執行委員国が招集要請、58ヶ国が出席し、3月15・16日にウクライナ問題に特化したユネスコ執行委員会の特別会合(年2回の定例総会とは別)が開催され[注 1]、3月2日に開催された第11回国際連合緊急特別総会ではロシア寄りの姿勢を示したキルギスや棄権した中国もユネスコ分野(教育や遺産事業)に関してはロシア非難に賛同し、武力紛争の際の文化財の保護に関する条約(ハーグ条約)に基づくウクライナの世界遺産の保護を確実に実施することや、第45回世界遺産委員会で緊急案件として議題とすることを決めたが(下記「ウクライナ問題」の節参照)、開催地の変更などについては世界遺産委員会に一任するとした[4]

開催地や日程の変更に関しては、ユネスコ世界遺産センターからの打診により、その年の委員国(下記「委員国」の節参照)の内、議長国・副議長国および報告担当国の発議により委員国が参集し、委員国を務める21ヶ国の内3分の2すなわち14ヶ国以上の賛同で変更が可能になるため[注 2]、議長国のロシアが自ら開催地変更を提案することはあり得ず、副議長国のイタリアアルゼンチンタイ南アフリカサウジアラビア、報告担当のインドの内、3月2日の第11回国連緊急特別総会でのロシア非難決議および3月24日の国連安全保障理事会での人道支援決議の際にロシアとインドが反対と棄権。非難決議では委員国のルワンダナイジェリアザンビアエジプトも棄権または欠席、人道支援決議でも委員国のエチオピアマリが棄権。ロシアに対する制裁措置に対してはサウジアラビア・アルゼンチンおよびメキシコが参加しないことを表明するなど、ロシア寄りの姿勢を示しており、委員会開催地変更議案が出されても反対する勢力が一定数存在することになる。なお、変更手続きは規程により60日前までに行わなければならず、期限は4月19日だった[5]

このような状況に対して、ウクライナとの遺産保全のためのパートナーシップ協定を結ぶ隣国ポーランド国立文化遺産研究所英語版[注 3]は、世界遺産条約に基づく運用制度ながら、ユネスコ自体が事務的官僚機構と化し裁量権がないことは問題であり、抜本的な制度の見直しや改革が必要になっていると痛烈な批判をした[6]

3月30日に始まった第214回ユネスコ総会(~4月13日)において、ロシアによるジェノサイドが明らかになったことをうけ、かつてソビエト連邦を構成していたリトアニアのユネスコ大使が開催地変更を公式に要求したことを皮切りに[7]、多数の国が賛同し、ロシア非難声明のノーベル賞受賞者からの公開書簡になぞらえ「Open letter from 46 countries party to the UNESCO World Heritage Convention(ユネスコ世界遺産条約46ヶ国からの公開書簡)」を取りまとめ、イギリスが代表して公開書簡として公表した[8]。一方でベネズエラのユネスコ大使はロシアでの開催に理解を示す姿勢を表した[9]

4月13日に終了したユネスコ総会後、オードレ・アズレユネスコ事務局長が調停役となり、直ちに委員会開催についての調整が水面下で進められた。連日、ユネスコ本部において委員国以外の各国ユネスコ大使も参集しての議論が行われ、ロシア非友好国の委員がロシア入りすることで拘束されるのではないかという懸念を表す国も現れたため、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によりオンラインミーティングとなった前回の第44回世界遺産委員会を参考にロシアで開催しつつテレビ会議併用案も出されたが否定され、最終的にはロシアのユネスコ大使Grigory Ordzhonikidzeが本国の文化省およびロシアユネスコ国内委員会英語版と協議し開催地の変更について言及しないことを条件に4月21日に開催延期を了承した。延期決定を伝える記者会見では、新型コロナウイルス感染症変異株への警戒感も残るといった付帯案件があることも付け加えられた[10]

4月22日にウクライナへ招聘されたポーランドPiotr Gliński副首相兼文化相とリトアニアのSimonas Kairys文化相が、リトアニア本国のガブリエリュス・ランズベルギス外相とともに、今回の戦争が終わったとしても委員会をロシアで開催すべきではないとの共同声明を出した[11]

11月22日になり議長を務める予定であったロシアのアレクサンダー・クズネツォフ英語版ロシア科学アカデミー教授)が世界遺産委員会に対し辞意を表明し、ロシアは事実上開催権を返上することになり、副議長国が持ち回りで議長役を務める輪番制で早急にユネスコ本部で開催すべきとの提案もあったが[2]、委員会の運営規則では議長国名の英語アルファベット順(政体名詞は除く)で次番の副議長国を任命することになっており(Russian Federation→Kingdom of Saudi Arabia→Republic of South Africa→Kingdom of Thailand→(一巡して)→Argentine Republic→Republic of Italy)、これに従いサウジアラビアが引き継ぐこととなった。現況では本会議および各種レセプション会場はリヤドのキング・アブドゥルアズィーズ国際会議場とキング・アブドゥルアズィーズ国際文化センター英語版を予定[3]

なお、2023年1月25日にユネスコ本部で開催された第18回世界遺産委員会臨時会議において、緊急案件が発議され3件の新規登録と危機遺産指定が行われた(下記「臨時会議での新規登録」および「臨時会議での緊急指定」を参照)[12]


開催日程および開催地の変更はこれまでにも、中国の蘇州市で開催予定だった2003年の第27回世界遺産委員会がSARSの影響で、バーレーンマナーマで開催予定だった2011年の第35回世界遺産委員会バーレーン騒乱により中止となり、ユネスコ本部で開催されたことはあった[注 4]

委員国[編集]

委員国は以下の通りである[1]。地域区分はユネスコ執行委員会委員国のグループ区分に準じている。国名の太文字は議長・副議長国。

議長国→辞退 ロシアの旗 ロシア 議長アレクサンダー・クズネツォフ辞任
※副議長国として残留
ヨーロッパ北アメリカ
(グループⅠ・Ⅱ)
イタリアの旗 イタリア 副議長国
ベルギーの旗 ベルギー
 ブルガリア
ギリシャの旗 ギリシャ
メキシコの旗 メキシコ
カリブラテンアメリカ
(グループⅢ)
アルゼンチンの旗 アルゼンチン 副議長国
セントビンセント・グレナディーンの旗 セントビンセント・グレナディーン
アジア太平洋
(グループⅣ)
タイ王国の旗 タイ 副議長国
インドの旗 インド 報告担当。担当者はShikha Jain(INTACH議長・元インド文化省英語版世界遺産諮問委員会委員)
日本の旗 日本
アフリカ
(グループⅤ-a)
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国 副議長国
エチオピアの旗 エチオピア
ルワンダの旗 ルワンダ
マリ共和国の旗 マリ
ナイジェリアの旗 ナイジェリア
ザンビアの旗 ザンビア
アラブ諸国
(グループⅤ-b)
サウジアラビアの旗 サウジアラビア 副議長国⇒議長国/議長ハイファ・アルモグリン王女英語版
 エジプト
オマーンの旗 オマーン
カタールの旗 カタール

臨時会議での新規登録[編集]

本会議に先駆け、2023年1月25日に開催された第18回世界遺産委員会臨時会議において例外的に新規登録が行われた。いずれも危機遺産指定のための緊急措置であった[12]。臨時会議で新規登録が行われたのは、1981年の第1回においてヨルダンの申請で登録されたエルサレムの旧市街とその城壁群以来のこと。

文化遺産
画像 登録名 推薦国 登録基準
Одесса. Центр..jpg オデーサ歴史地区  ウクライナ (2),(4)
The Historic Centre of Odesa
Le centre historique d’Odesa
「黒海の真珠」と形容される港湾都市。登録決定に際しオードレ・アズレユネスコ事務局長は「自由都市、世界都市、映画[注 5]、文学、芸術に足跡を残した伝説の港」と評価した。
TripoliLebanonFair OscarNiemeyer LebanonPavilion-RomanDeckert14102018.jpg トリポリのラシッド・カラミ国際見本市 レバノンの旗 レバノン (2),(4)
Rachid Karami International Fair-Tripoli
Foire internationale Rachid Karameh-Tripoli
レバノンの首相を務めたラシード・カラーミー英語版の名を冠した1962年に建てられた国際見本市会場。オスカー・ニーマイヤーによる設計。
Ancient Ma'rib 01.jpg 古代サバ王国のランドマーク、マリブ イエメンの旗 イエメン (3),(4)
Landmarks of the Ancient Kingdom of Saba, Marib
Hauts lieux de l'ancien royaume de Saba, Marib
紀元前1000年頃から前630年頃に地中海東アフリカとの交易拠点として繁栄したサバ王国の重要都市。

審議対象の推薦物件一覧[編集]

2022年分[編集]

2022年に開催予定だった第45回世界遺産委員会での審議を前提に、期日(2021年2月1日)までに推薦書を提出し、書類点検を経て受理された物件が対象。

2023年分[編集]

2023年に開催予定だった第46回世界遺産委員会での審議を前提に、期日(2022年2月1日)までに推薦書を提出し、書類点検を経て受理された物件が対象。

危機遺産[編集]

世界遺産センターが世界遺産委員会での危機遺産審議対象勧告として、オーストラリアグレートバリアリーフの名を上げた[13]。 グレートバリアリーフは前回の世界遺産委員会においても危機遺産に指定するかの協議が行われ、豪側の強い反発もあり保留となり、2023年の第46回世界遺産委員会において再検討するとしていたが、ユネスコが3月21日から10日間にわたり専門家を現地に派遣し実地調査を実施し[14]、対策が不十分だとする報告が委員会委員国へも送付されたことで環境意識が高いヨーロッパの委員国を中心に世界遺産センターへの意見提出が相次ぎ、ユネスコとしても対応せざるを得なくなった[15]

臨時会議での緊急指定[編集]

本会議に先駆け、2023年1月25日に開催された第18回世界遺産委員会臨時会議において緊急措置として指定が行われた[12]

画像 登録名 保有国 分類 世界遺産登録年 危機遺産登録年
Одеса, вул. Новомосковська, 24.02.2022.jpg オデーサ歴史地区  ウクライナ 文化 2023年 2023年 -
ロシアによる攻撃での損壊。
トリポリのラシッド・カラミ国際見本市 レバノンの旗 レバノン 文化 2023年 2023年 -
レバノン内戦で損壊した後、見本市会場として使われることも少なくなり、近年になり保全の動きが見られたが、2019年からの金融危機国家財政が破綻寸前となり保全費用が捻出できず、急激な劣化が進んでいた。
08 Marib (17).jpg 古代サバ王国のランドマーク、マリブ イエメンの旗 イエメン 文化 2023年 2023年 -
イスラム国による破壊と気候変動による環境悪化で、急激な劣化が進んでいた。

緊急案件[編集]

2023年2月6日に発生したトルコ・シリア地震により、トルコの世界遺産であるディヤルバクル城塞とヘヴセル庭園の文化的景観ギョベクリ・テペ、およびシリアの世界遺産である古代都市アレッポに甚大な被害が及んでいることを明らかにし、早急な対応策を講じる準備があるとした上で、既に危機遺産指定のアレッポを除き、トルコの2件を危機遺産にするかを委員会において協議する[16]

軽微な変更[編集]

保全措置報告[編集]

6年毎の定期的、あるいは委員会からの指示による登録遺産の保全措置報告(SOC)および、必要に応じ自発的に提出する遺産影響評価(HIA)の審査が行われる。

レクリエーション・グランド背後の丘陵地に世界遺産のバーススパがあり、競技場にも同じ源泉の選手用スパがある
磯新駅建設予定地

ウクライナ問題[編集]

ウクライナの世界遺産に係る現況・政局[編集]

エカテリーナ2世像
  • 暫定リストに掲載されているオデーサ(オデッサ)(港湾都市オデーサの歴史的中心地)が攻撃によって破壊された場合、オデーサ・オペラ・バレエ劇場だけでも緊急事案として優先的に登録を行い、同時に危機遺産にも指定すべきとの提言がイギリスから成された[28]。緊急案件による登録は近年では2017年のパレスチナヘブロンの事例がある(危機遺産同時指定)。その後、現実にオデーサに戦火が及んだことをうけ、8月になりユネスコが直接オデーサの世界遺産登録について言及し[29]、10月5日にウクライナが推薦を行う国内手続きを実施し[30]、同11日にはゼレンスキー大統領が開催中の第215回ユネスコ総会(10月5~19日)宛にオデーサを至急世界遺産および危機遺産にすることを要請するビデオメッセージを送り公開された[31]。この世界遺産推薦に際し、構成資産にロシアの足跡を含めるべきかが議題に浮上した。オデーサはエカチェリーナ2世の記念碑を中心に展開されており、ウクライナの文化財にも指定されているが、このモニュメントを取り壊し撤去するか残すかが焦点化し[32]、11月5日に実施された住民投票では撤去を求める声が圧倒的結果となり[33]、12月29日に撤去された(破壊はせず博物館が収蔵保管)[34]
↳ 2023年1月25日に開催された第18回世界遺産委員会臨時会議において「オデーサ歴史地区」として緊急登録と同時に危機遺産に指定された(上掲「臨時会議での新規登録」および「臨時会議での緊急指定」の節を参照)。登録審査はロシアを含む21の委員国の内、棄権14・賛成6・反対1という圧倒的少数での賛成多数で可決された[35](委員国である日本は賛成票を投じた[36])。推薦から3ヶ月という超短期間で登録に漕ぎ着けたのは異例で、ユネスコが視察団を派遣していたものの諮問機関による現地調査も行われなかった。オードレ・アズレユネスコ事務局長は「何があってもユネスコが守り抜く」と宣言。副議長国に降格して委員会に残っていたロシアのタチアナ・ドヴガレンコ委員(ロシアユネスコ代表部常任副代表)は「感情が先走り、世界遺産における科学的客観性によるエビデンスに裏打ちされた信用が失われた。今日は世界遺産条約の葬式の日だ」と痛烈な批判を述べた[37]。登録後にゲンナジー・トゥルハノフオデーサ市長が、推薦に際してユネスコが推薦書の作成に関して協力してくれたことを明らかにした[38]
破壊された世界遺産候補チェルニーヒウの街並み
  • 暫定リストに掲載されており、ロシアの攻撃により一部損壊したチェルニーヒウに関して、ユネスコが文化的景観として世界遺産とし同時に復興作業に全面的に協力することを明らかにした[39]
  • 上記、オデーサを推薦するに際し、条件として求められる完全性の内、法的保護根拠として2000年に制定した「Law of Ukraine on Cultural Heritage Protection(文化遺産保護に関するウクライナ法)」の改正を行った。同法により文化遺産と認定されたものに対し破壊工作が行われる場合には、防衛的に交戦することも認めた[40]
焼失の危機が迫る木造教会(リヴィウ
ガン飛来地の西コーカサス

その他の関連する話題[編集]

ユネスコが設置を急いだ文化財への攻撃対象除外を求めるブルーシールド
ウクライナのボルシチ
  • 2023年に無形文化遺産の登録を目指すウクライナ郷土料理ボルシチを委員会会場でふるまう計画がある[70]。なお、ユネスコは2022年7月1日に急遽ボルシチを無形文化遺産に指定することを決めた[71]
  • 6月5日、ウクライナの文化財を破壊するロシアに対し、ゼレンスキー大統領が「ユネスコにロシアの居場所はない」と除名を求めるコメントを発した[72]。同7日、ゼレンスキーの発言をうけ、自由民主党の外交部長・佐藤正久は「日本はユネスコの大きな分担金拠出国の一角を占め、現在世界遺産委員会のメンバーだ。日本がロシアの役職を停止するという議論をリードしないのはおかしい」とした[73]
  • 著書『A Future in Ruins: UNESCO, World Heritage, and the Dream of Peace』(2018年)がユネスコの世界遺産考古学遺跡の保存修復の指針に採用され、従軍調査で紛争地域の破壊された遺跡に赴くペンシルベニア大学研究機関Penn Integates Knowledgeのリン・メスケル英語版教授が、ウクライナの被災文化遺産の復興に関して、NATOの新しい任務として復旧支援に従事する案を提示し、世界遺産委員会にNATOの事務方を招聘して協議することを提案。NATOも前向きな関心を示した[74]


その他の議題・話題[編集]

2022年2月時点のノートルダム大聖堂の修復工事の様子
廃墟と化したモスル
  • 2019年に発生したノートルダム大聖堂の火災後の再建計画に伴う議論が同年の世界遺産委員会(「第43回世界遺産委員会#委員会に対する批評」参照)では行われず、世界遺産センターに勤務経験がある再建責任者が速やかな議論を行うべきと提言したこともあり(「第44回世界遺産委員会#順延開催決定をうけ」参照)、ようやく議論が始まる[76]
  • ISIL(イスラム国)によって破壊されたイラクのモスル(暫定リスト掲載)の再建が始まったことや、事前の準備作業として瓦礫の撤去と再利用可能な資材の選別に際してレンガに模した爆弾ブービートラップが仕掛けられていたこと、そして具体的な再建計画についてなど、ユネスコプロジェクト「Revive the Spirit of Mosul(モスルの精神の復活)[77]」について報告する[78]
  • 気候変動やそれに伴う自然災害による世界遺産の被災が顕在化していることをうけ、この数年の世界遺産委員会ではその対策協議が重大案件となっている中、昨年登録されたばかりのチリの「アリカ・イ・パリナコータ州チンチョーロ文化英語版の集落と人工ミイラ製法」(チンチョーロ遺跡)において、乾燥地帯の遺跡周辺で昨年来より異常な降雨量が観測されるようになり、表土が洗い流され土中のミイラが露出し、劣化腐蝕が急速に進行していることが報告される[79]
  • 気候変動と並び、人為的な環境破壊による世界遺産への影響も深刻で、ネパールカトマンズ盆地の症例が報告される。現在カトマンズは「最も汚染された都市」ランキング最上位にあり、住民の健康被害や飛行機の離着陸にも影響を及ぼしており、空気中の化学物質が世界遺産(スワヤンブナートなど)に付着することで急激な劣化を招いていることが確認されている。その原因は継続的な山火事自然発火煙害に加え、排気ガスや2015年に発生したネパール地震の際の集積された瓦礫が放置されていることなど、複合的なものとなっている。カトマンズ盆地は急激な都市化による開発と景観破壊が危惧され、2003年から4年間危機遺産に指定されていたが、今度は環境問題で再指定される可能性も孕んでいる(2019年にも危機遺産審査が行われ再指定は見送られた→「第43回世界遺産委員会#危機遺産」参照)[80]
指摘された佐渡・西三川砂金山の水路跡
  • 今委員会において新規登録を目指していた佐渡島の金山だったが、構成資産候補である西三川砂金山の水路跡が実際には一部途切れていながら推薦書添付地図上では一本の線で表記されており正確性に欠くと指摘され、2022年2月28日に推薦書の不受理が通達された(このことを日本政府が明らかにしたのは7月27日になってから)。これにより再開される本委員会での登録は不可能となった[81]。政府は9月29日に暫定版推薦書をユネスコへ再提出の上、2023年1月19日に正式な推薦書を提出し、2024年の第46回世界遺産委員会での登録審査を目指すことになった[82]
  • 第214回ユネスコ総会(2022年3月30日~4月13日)において、唯一どこの国にも属さずヨルダン管理物件扱いになっているエルサレムの旧市街とその城壁群イスラエルによる所有権主張を否決し、トンネル建設計画が推し進められていることに対しユネスコが監視派遣団を送り込むことを決め、その報告が行われる[83]
  • 4月21日に世界遺産委員会の延期が決定した直後、オードレ・アズレユネスコ事務局長がベネチアへの家族旅行を催行した。事務局長といえど休暇を取る権利はあるが、その決裁にユネスコの法人カードを使用したという公私混同スクープされた。議題が山積するユネスコの結束が求められる状況下にあって執行委員国からの批判が相次ぎ、混迷する世界遺産委員会運営のリーダーシップに疑問が呈され、今後の開催に暗雲が垂れ込めている[84]
  • 今委員会で持続可能な遺産の資源利用の新方針を発表する予定だった自然遺産の諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)が、早急な対策の実施が必要だと業を煮やし、独自に概要を公表した[85]。これをうけ急遽ユネスコも詳細を明らかにすることとなった[86]。これによると今後は開発に伴う遺産影響評価(HIA)に緩衝地帯やさらにその外側に至る広範囲まで言及しなければならず、その審査次第では間接的な余波であっても登録抹消や新規登録見送りが生じる可能性が高まり、保護の厳正化が進むことになる。
  • 上記、IUCNによる遺産の資源利用新方針をうけ、ユネスコの法人管理部門が世界遺産(主として稼働遺産)における企業活動に関する指針「UNESCO Guidance for the World Heritage ‘No-Go’ Commitment: Global standards for corporate sustainability(世界遺産'No-Go(禁止事項)'コミットメントのためのユネスコガイダンス:企業による持続可能性のための世界基準)」を策定し、企業の社会的責任を求めた。そこでは既に世界遺産となっている物件および今後世界遺産とすべき分野の産業鉱業石油ガス利水金融宝飾など)現場での施設の劣化防止管理などについて言及。世界遺産委員会において承認を得る[87]
  • ロシアが議長国を辞退し、サウジの議長国就任の可能性が高まると、前回の委員会開催国である中国が運営などについて支援する用意がある旨を、12月7日に習近平国家主席がサウジを訪問した際にサルマン国王に伝えた[88]
  • 2023年3月20~22日に習近平国家主席がロシアを訪問してプーチン大統領と会談し、多岐にわたる中露関係の協力について話し合うことが事前確約されており、その中には東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップに基づく渡り鳥飛行ルートの保護と自然遺産として共同推薦するための試行錯誤の協議案も含まれ、上掲「ウクライナの世界遺産に係る現況・政局」にあるように、中央アジアフライウェイにおけるロシアへの批判を拭うかのような提案を持ちかける[89]

ロシアの対応・反応[編集]

各種セレモニー会場を予定していた世界遺産のカザン・クレムリン
  • 2022年は委員会開催予定であったカザンが立地するタタールスタンの主要構成民族であるヴォルガ・タタール人チュヴァシ人の祖先にあたるヴォルガ・ブルガール人イスラム教へ改宗して1100年の節目にあたることから(922年にアッバース朝カリフがこの地域に使節団を派遣して布教)、世界遺産委員会の開催に合わせソボルナジャと呼ばれるイスラム聖堂と博物館・図書館などを併設する複合施設の建設を発表する予定でいた。カザン・ハン国はイスラム教国ながら、ロシア正教ロシア・ツァーリ国と友好関係にあったとして、ロシアによるイスラム融和(懐柔)政策を広くアピールする計画でいた[90]
  • カザンのカザン大学にある1838年に建てられた天文台を、ユネスコが推進しながら膠着状態となっている天文遺産に推挙し、それを足掛かりに世界遺産登録を目指す計画であり、委員会開催返上と引き換えに、2023年に世界遺産の推薦書を提出して2024年に審査をうける目標を立てた[91]
  • 元々委員会開催後にカザンで開催予定だったユネスコ国際フォーラムが12月5~8日に開催され、ロシアの友好10ヶ国の文化・科学・環境等の閣僚が参集し(ユネスコ関係者は欠席)、旧ソ連崩壊後の新生ロシア連邦成立時にタタールスタン共和国の初代大統領となったミンチメル・シャイミーエフ文化間対話ユネスコ親善大使)が「タタールスタンは引き続き世界遺産の保護に邁進する」との基調講演を行った[92]

ソ連~ロシアとユネスコ[編集]

1970年代よりユネスコは自身が標榜する平等科学社会文化的自由が社会主義にあると見出し、旧ソ連などの共産主義陣営に傾倒した。初期の世界遺産登録に東欧のソ連衛星国が多いことは、その実例を示している(ウクライナの世界遺産キーウはソ連邦構成国としてのウクライナ共和国時代に登録され、ソ連崩壊後に独立したウクライナの物件として再登録された)。ユネスコはその後もアフガニスタン侵攻などもありながら幻想を追い、結果としてこれに反発した米英がユネスコを脱退するという事態を招いた[93]

そうしたソ連時代にロシア人の歴史研究家でジャーナリストでもあったユーリー・カシレフが書いた著書にはソ連のユネスコを活用した文化戦略が述べられている[94]

ソ連が解体しロシア連邦が成立してもユネスコに対する姿勢に変わりはなく、むしろより積極的に利用する姿勢が鮮明となった[95]

その間にユネスコは第三世界などへの関心と支援に重心を移したが、国際連合安全保障理事会常任理事国であるロシアの影響力は強く、ユネスコも無視できない存在であった。こうした経緯からロシアは軍事侵攻に関してもユネスコは緩い対応を採るであろうという希望的観測でいたと分析される。

サウジの取り組み[編集]

イスラム教聖地を擁しアラブ諸国の盟主を自負するサウジアラビアは文化大国も標榜し、その範囲はユネスコ分野にも及び、ユネスコもその活動を高く評価している。特にウクライナとロシアの関係が混迷を極めてきた頃から、副議長国先頭位置であることを意識した行動が顕著になった。

世界遺産条約50周年[編集]

2022年11月17-18日にギリシャにおいて「世界遺産条約50周年記念会合」が開催された。当初は第45回世界遺産委員会での議題を反映させる予定であったが、委員会に先駆けるかたちでの開催となった[99]。2012年の条約40周年の際には京都で国際会議・シンポジウムが開催され、世界遺産を維持するためコミュニティの存在の重要性を確認し、地域コミュニティの関与が必要であるとする「世界遺産と持続可能な開発:地域社会の役割」(京都ビジョン)を採択。以後、新規登録の現地調査において、遺産そのものの価値の顕彰とは別に、地域住民への取り組みなどに関する質疑も行われるようになるなど、大きな影響を残した[100]

マスコミが火をつけた城ブームで観光客が押し寄せる姫路城

今回の50周年会合のタイトルは「The Next 50—The future of World Heritage in challenging times enhancing resilience and sustainability(次の50年へ - 困難な時代における世界遺産の未来 回復力と持続可能性を強化する)」で、世界遺産という制度が100年続くための試行錯誤。主たる議事は、第44回世界遺産委員会において気候変動による自然災害が世界遺産に及ぼす影響を新規推薦に際して遺産影響評価(HIA)として被害想定シミュレーションと対策案を盛り込むよう義務付けたこと[101]の再確認と徹底を求めたほか、アフターコロナにおける観光公害(オーバーツーリズム)再燃対策が話し合われた。特に世界遺産観光(ヘリテージツーリズム)での偏重傾向にはマスツーリズムの影響が強いと指摘。大衆の旅行動向を左右するメディアによる印象操作大衆誘導的な報道の中には誤ったものも含まれており、その結果として訪問者にとってツーリストトラップとなり、最終的には現地の印象を貶める悪循環を引き起こしていると厳しく糾弾した。ユネスコは遺産の商品化として、世界遺産を観光資源として一定の利用は容認している[99]

このことに関しては2021年よりユネスコや国連世界観光機関(UNWTO)が協賛して複数回の国際的なシンポジウムを開催しており、そこから導き出された方向性を今回の国際会合で公式に発表した。そこでは例えば長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産において大浦天主堂以外の教会建築物は厳密には世界遺産ではないが、イメージ画像として使われ続けていることも挙げられる[102]

2023年4月18日の記念物と遺跡の国際デー英語版(世界遺産の日)にユネスコが開催した国際会議では、世界遺産観光におけるサスティナブルツーリズムレジリエントツーリズムのさらなる奨励に加え、正しい遺産の解釈英語版を伝えなければならないことを確認し、SNSインフルエンサーによる遺産の価値英語版の発信協力要請やフェイクニュースの取り締りについても検討すべきとした[103]

40周年の京都ビジョンがその後の世界遺産に影響を与えたことを鑑みると、今回の議題も今後の世界遺産の在り方や方向性に影響する可能性がある。このことに関しては、再開された世界遺産委員会でも継続審議として取り上げられる。

COP15をうけて[編集]

2022年12月7~19日にカナダで開催された第15回生物多様性条約締約国会議英語版(COP15)において、生物多様性の確保に関し、世界遺産のような自然環境の厳正保護(要塞的保護英語版と揶揄される)も大切ではあると認めた上で、実は先住民族居住地や伝統的な暮らし(例えば日本の里山)がある文化的環境が伴う身近な自然に生物多様性が多く、従来のコミュニティベースの保全英語版から自然と人間の共生に転換し、世界遺産にも取り込むべきではとの意見集約が行われ、世界遺産委員会でも議題として取り上げることを検討[104]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 当初は15日のみの予定であったが、議論が紛糾し翌日にまで持ち越し議事となった。
  2. ^ 2020年に新型コロナウイルス感染症の影響で第44回世界遺産委員会の開催延期を判断した際にも同様の手続きがとられた。
  3. ^ ウクライナとポーランドはポーランドとウクライナのカルパティア地方の木造教会群を共同所有しており、傷みやすい木造建築の保全方法の均一化、修復の際の統一ルール策定や文化資材の共有管理を行っている。
  4. ^ 蘇州は翌年の第28回、マナーマは2018年に第42回として開催になった。
  5. ^ 戦艦ポチョムキン』で描かれたポチョムキンの階段のこと
  6. ^ 世界遺産委員会では近年、世界遺産とダムや水資源との関係について議題化している(第42回世界遺産委員会#その他の議題および第43回世界遺産委員会#その他の議題参照)。またタイは、タンザニアセルース猟獣保護区のダム建設による登録抹消審査の際に、メコン川上流の中国内で複数のダムが建設され下流に影響が出ていると報告している(第44回世界遺産委員会#登録抹消審査参照)。
  7. ^ この他、ウクライナが世界遺産登録を目指すチェルノブイリ原子力発電所があるチェルノブイリもチョルノービリに変更になった。
  8. ^ 場所の精神は21世紀になり人文科学などの分野に暗黙知的な解釈を導入する考えがヨーロッパを中心に広まり、無形文化遺産のような無形財民俗知を評価するようになり、それを世界遺産にも波及させようとするもの。
  9. ^ ヴェネツィア憲章および文化的意義を持つ「場所」の保存のためのオーストラリアイコモス憲章(ブーラ憲章)英語版に基づき、現地に残された原材料を極力再利用するアナスタイローシス英語版を推奨はする。
  10. ^ OurWorldHeritageは公式な綴りとして組織名を分かち書きしない(半角スペースを空けない)。

出典[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]