グッドフェローズ
グッドフェローズ | |
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Goodfellas | |
監督 | マーティン・スコセッシ |
脚本 |
ニコラス・ピレッジ マーティン・スコセッシ |
製作 | アーウィン・ウィンクラー |
製作総指揮 | バーバラ・デフィーナ |
出演者 |
レイ・リオッタ ロバート・デ・ニーロ ジョー・ペシ |
撮影 | ミヒャエル・バルハウス |
編集 | セルマ・スクーンメイカー |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 |
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上映時間 | 145分 |
製作国 |
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言語 |
英語 イタリア語 |
製作費 | $25,000,000 |
興行収入 |
$46,836,394[1] ![]() |
『グッドフェローズ』(Goodfellas)は、1990年のアメリカ映画。ニコラス・ピレッジのノンフィクション『Wiseguy』を原作として、マーティン・スコセッシ監督により撮影された。
概要[編集]
1955年から80年のニューヨーク・マフィア界で生きたヘンリー・ヒルという実在の男を題材とした作品。主人公を演じたレイ・リオッタにとっても本作は出世作となった。
原題の単数形"Goodfella"は直訳で「気の置けない友達」といった意味だが、マフィア界の隠語では「自分と同じ組織の所属にある者」という意味である。"Good fellow"は後者の意味で用いられる事はなく、また劇中にも登場しない語だが、単語のくだけた形を使用しないという日本映画界の慣行からつけられたものである。
本作の成功を受け、同じくスコセッシ監督、デ・ニーロ及びペシ出演、ピレッジ原作で『カジノ』が1995年に製作された。スコセッシは同じく「モブ・マフィアもの」の『ディパーテッド』を2006年に製作している。また、2012年現在、本作のTVドラマ化の企画が進んでいるという[2]。
あらすじ[編集]
ヘンリー・ヒルはアイルランド系の父とシチリア系の母を持ち、物心がついた子供が野球選手や消防士に憧れるように、マフィアの一員になる事を夢見ていた。彼は11歳でニューヨーク・ブルックリンのタクシー配車センターでマフィアの使い走りとなり、やがて闇煙草の密売や、偽造クレジットカードの使用などを皮切りに、トラックの荷物強奪や違法賭博・ノミ行為・八百長試合の設定といった犯罪に手を広げていく。彼の一味はポール・ヴァリオ(劇中ではポール・シセロ)を長とし、トラック強奪を得意としたジミー・バーク(同じくジミー・コンウェイ)や武装強盗と殺人に秀でたトミー・デシモネ(同じくトミー・デヴィート)が同僚であった。
ジミー・バークを首謀者とした彼ら3人は共謀し、1968年に近傍のクイーンズ区・ジョン・F・ケネディ国際空港でエア・フランス現金強奪事件を成功させ、42万ドルを手に入れる。一味は1978年に同じくケネディ国際空港でルフトハンザ航空現金強奪事件を起こし、600万ドルと桁違いの成功を収めた。しかしこれが終わりの始まりとなった。バークとはデモシネは証拠物件の処分に失敗した人物を皮切りに、関わった人物を口封じのために次々と殺害していく。ヒルはルフトハンザには直接関わった訳ではないが、計画立案段階からの詳細を知る人物であった。また、ヒルはヴァリオの組織ではタブーとされていた麻薬密売に関わった事が発覚し、たった3,000ドルの退職金をもらい受けて「破門」状態となっていた。
ヒルは自身を消そうとするかつての同僚の追求を逃れるため、アメリカ合衆国証人保護プログラムの保護下に入り、検察側の証人となり司法取引を行う。これによりヴァリオとバークは逮捕。デシモネは他組織からの報復で殺害されていた。ヒルは1980年以降、ヘンリー・ヒルという名前で存在することを辞め、全く新しい名前で「カモになる側」の人生を始める事となってしまった。
これら劇中の出来事の後、ヒルは1990年代前半に度重なる犯罪の為保護プログラムから外れる事となった。2002年以降も主に麻薬取引の罪で幾度も収監された。2012年6月12日に心臓疾患で死亡した。
キャスト[編集]
ジミー・バークなど、一部の人物は変名となっている。
※括弧内は日本語吹替
- ヘンリー・ヒル - レイ・リオッタ(安原義人)
- ジェームズ・“ジミー”・コンウェイ - ロバート・デ・ニーロ(野沢那智)
- トミー・デヴィート - ジョー・ペシ(山下啓介)
- カレン・ヒル - ロレイン・ブラッコ(平野文)
- ポール・“ポーリー”・シセロ - ポール・ソルヴィノ(小林修)
- フランキー・カーボーン - フランク・シベロ(石井敏郎)
- フレンチー - マイク・スター(筈見純)
- ビリー・バッツ - フランク・ヴィンセント(筈見純)
- モリス・“モーリー”・ケスラー - チャック・ロー(原田一夫)
- タディ・シセロ - フランク・ディレオ(安西正弘)
- スタックス・エドワーズ - サミュエル・L・ジャクソン
- 少年時代のヘンリー - クリストファー・セロン(鳥海勝美)
- カレンの母 - スザンヌ・シェパード
- トミーの母 - キャサリン・スコセッシ
- ヴィニー - チャールズ・スコセッシ
- サンディ - デビ・メイザー
- ロージー - イリーナ・ダグラス
- スパイダー - マイケル・インペリオリ
- 保護観察官 - トビン・ベル
- エキストラ - ヴィンセント・ギャロ
- ファット・アンディ - ルイス・エッポリト[3](元ニューヨーク市警の組織犯罪担当。2005年、ヒルらと同様にルッケーゼ一家のヒットマンだったことが判明し、終身刑の判決を受けて現在も服役中)
評価[編集]
マーティン・スコセッシは本作でヴェネツィア映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞した(銀獅子賞は1990年から始まった賞なので、スコセッシは受賞者第1号である)。1991年のアカデミー賞でアカデミー作品賞、アカデミー監督賞(スコセッシ)、アカデミー助演女優賞(ロレイン・ブラッコ)にノミネートされた他、トミー・デヴィートを演じたジョー・ペシがアカデミー助演男優賞を獲得している。
アカデミー作品賞の受賞は逃したものの評価は極めて高く、Rotten Tomatoesでは97%の支持を得ている他、ロジャー・イーバートとピーター・トラヴァースの双方から1990年の映画ベスト1位に選ばれていた。アメリカ映画協会(AFI)が2008年に発表した、アメリカ映画名作ランキング・ギャング映画編では『ゴッドファーザー』に次ぐ第2位に選ばれている。
原作[編集]
- 『ワイズガイ-わが憧れのマフィア人生-』ニコラス・ピレッジ著、平尾圭吾訳 徳間書店(ハードカバー) ISBN 978-4193440942
- 改題『グッドフェローズ』 徳間文庫 1990年 ISBN 978-4195991787
- 原著名 Wiseguy: Life in a Mafia Family 1986
脚注[編集]
- ^ “Goodfellas (1990)” (英語). Box Office Mojo. 2010年4月4日閲覧。
- ^ スコセッシ監督「グッドフェローズ」がTVドラマ化
- ^ Fat Andy (Character), IMDb
関連項目[編集]
- 最も多くFUCKという言葉が使われた映画一覧
- 映画『マラヴィータ』 - 本作『グッドフェローズ』が取り扱われる。
外部リンク[編集]
- Goodfellas - TCM Movie Database(英語)
- Goodfellas - Rotten Tomatoes(英語)
- Goodfellas - Metacritic(英語)
- Goodfellas - Box Office Mojo(英語)
- グッドフェローズ - allcinema
- グッドフェローズ - KINENOTE
- Goodfellas - オールムービー(英語)
- Goodfellas - インターネット・ムービー・データベース(英語)
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