フェリーニのアマルコルド
| フェリーニのアマルコルド | |
|---|---|
| Amarcord | |
| 監督 | フェデリコ・フェリーニ |
| 脚本 |
フェデリコ・フェリーニ トニーノ・グエッラ |
| 原案 | トニーノ・グエッラ |
| 製作 | フランコ・クリスタルディ |
| 出演者 |
ブルーノ・ザニン マガリ・ノエル プペラ・マッジオ アルマンド・ブランチャ |
| 音楽 | ニーノ・ロータ |
| 撮影 | ジュゼッペ・ロトゥンノ |
| 編集 | ルッジェーロ・マストロヤンニ |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 | 124分 |
| 製作国 |
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| 言語 | イタリア語 |
『フェリーニのアマルコルド』(Amarcord)は、フェデリコ・フェリーニ監督による1973年のコメディ・ドラマ映画である。
第47回アカデミー賞外国語映画賞ではイタリア代表として出品され、受賞を果たした[1]。
あらすじ
[編集]イタリア北部のリミーニ近郊のボルゴ・サン・ジュリアーノの村では、風に乗ってふわふわと舞うポプラの綿毛が春の到来を告げる。3月18日の夜、住民たちは村の広場に集まり、セガヴェッキア(老女の張り子の人形)を燃やす伝統のかがり火祭「フォゲラッチャ」に参加する。15歳の少年ティッタも家族と共にこの祭りの輪の中にいる。村人たちは互いに悪戯を仕掛け、爆竹を鳴らし、尻の軽い女たちとはしゃぎ、土地の歴史を語る真面目な弁護士の話に下品な声を上げる。
イタリア全土にムッソリーニのファシズム旋風が吹き荒れており、ファシズム下の学校生活は、教師の熱心さや能力の差こそあれ、乾いた知識が延々と繰り返される退屈なものだ。ティッタと級友たちに出来るのは、指名されて数学の問題を解かされたり、歴史上の難解な出来事について説明を求められる時以外は、ふざけるか授業を抜け出すことくらいである。ティッタが教会に告解に行った際も、神父のバローザは教会内の花の飾り付けなどに気を取られており、ティッタは自慰のことや、年上の魅惑的な女性グラディスカにちょっかいを出したが全く相手にされなかったことなどを打ち明けずに済ませてしまう。
ファシストの視察団がやって来て、生徒たちは歓迎のために体操演技を披露することを求められる。ティッタの友人チッチョは、巨大なムッソリーニの張り子の顔の前で、思いを寄せるアルディナと結婚する空想にふける。町の教会の鐘楼に密かに仕掛けられた蓄音機から「インターナショナル」の録音が流れるが、銃を撃つことに取りつかれているファシスト隊員たちによって直ちに撃ち壊される。また、当局に少しでも反抗的な態度をとると、たちまち連行され拷問を受けるのである。無政府主義に共鳴していた過去のせいで、ティッタの父アウレリオは取り調べに連行され、ヒマシ油を飲まされる。さんざん痛めつけられた後に釈放されて帰宅した彼は、妻のミランダに体を洗ってもらう。
ある夏の午後、一家は精神病院に収容されているアウレリオの弟のテオ叔父のもとを訪ねる。外出許可の出たテオを家族は郊外へ連れ出すが、テオは逃げ出して高い木に登り、「女が欲しい!」と繰り返し叫び続ける。そんな叔父の姿を見たティッタは、欲望は誰しも同じはずなのに叶わない願い、そこに切なさと割り切れないものを感じる。降りてこさせようとすると、テオはポケットに入れていた石を投げつけて抵抗する。やがて小柄な修道女と2人の職員が到着する。修道女がはしごを登って叱りつけると、テオは素直に病院へと戻る。
秋が訪れる。町の人々は多くの小舟に分乗し、ムッソリーニ政権が誇る最新鋭客船レックス号が近くを通過するのを見に向かう。レックス号の勇姿はイタリアの誇りであり、町の人々にとっても誇りであるのだ。真夜中になる頃には船の到着を待ちながら皆眠り込んでしまう。汽笛で目を覚ますと、船の波で自分たちの小舟が転覆しそうになる中、巨大な船が目の前を通り過ぎるのをただただ見守るのであった。ティッタの祖父は、家や秋の景色を包み込むほど濃い霧の中で方向が分からなくなり、通りかかった知人に自宅の方向を尋ねるが、彼が立っていたのは自宅のすぐ前だった。ティッタと友人たちが町のグランド・ホテルへ行くと、ホテルは板で閉ざされている。霧に包まれたまま、彼らは空想の女性を相手に舞踏会のようにワルツを踊る。
恒例のカーレース「ミッレミリア」の時期になると、ティッタは優勝してグラディスカを自分のものにする空想に耽る。ある晩、彼は店じまい直前の、極めて豊満な肉体を持つタバコ屋の女主人を訪ねる。彼が彼女を持ち上げられるほど力があること示すと彼女は興奮するが、その巨乳に顔を強く押し当てられた彼が慌てふためいてしまうと機嫌を損ね、彼にタバコを1本渡し、冷たく家へ帰らせる。
冬になると記録的な大雪が降る。一羽の孔雀が雪上に見事な羽根を広げて見せるが、孔雀は不幸の前兆と言われている。ミランダは病気になったティッタを看病して回復させるが、再び春が来る頃、今度は自分が病気で死んでしまう。ティッタは深い悲しみに沈む。その後、村ではグラディスカとカラビニエーレ(国家憲兵隊)の隊員との結婚披露宴が開かれる。彼女が新郎と共に車で去っていく時、誰かがティッタの姿が見えないことに気づく。ティッタは最も大切な2人の女性を失い、生涯忘れ得ぬ1年となる。そんな体験を経て、ティッタは少しずつ大人への階段を昇り始めたのだった。
キャスト
[編集]| 役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
|---|---|---|
| フジテレビ版 | ||
| ティッタ | ブルーノ・ザニン | 三ツ矢雄二 |
| ティッタの父 | アルマンド・ブランチャ | 八奈見乗児 |
| ティッタの母 | プペラ・マッジオ | 高村章子 |
| ティッタの祖父 | ジュセッペ・イアニグロ | 千葉順二 |
| ラロ | ナンド・オルフェイ | 増岡弘 |
| テオ | チュチョ・イングラシア | 平林尚三 |
| オリバ | ステファノ・プロイエッティ | 筒井たか子 |
| ジーナ | ドナテッラ・ガンビーニ | 加川三起 |
| グラディスカ | マガリ・ノエル | 沢田敏子 |
| 弁護士 | ルイジ・ロッシ | 寺島幹夫 |
| ボルピナ | ジョジアン・タンフィッリ | 横尾まり |
| 不明 その他 |
広瀬正志 西村知道 鈴置洋孝 吉田理保子 小出和明 清川元夢 藤城裕士 巴菁子 西川幾雄 亀井三郎 | |
| 演出 | 小山悟 伊達渉 | |
| 翻訳 | 平田勝茂 | |
| 効果 | 芦田公雄 小島仁 | |
| 調整 | 横路正信 | |
| 制作 | 東北新社 | |
| 解説 | ||
| 初回放送 | 1979年7月7日 『夜のロードショウ』 25:10-27:00 | |
受賞とノミネート
[編集]| 賞・映画祭 | 部門 | 対象 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 1974年度 | |||
| アカデミー賞[1] | 外国語映画賞 | 『フェリーニのアマルコルド』( |
受賞 |
| ゴールデングローブ賞[2] | 外国語映画賞 | 『フェリーニのアマルコルド』( |
ノミネート |
| ニューヨーク映画批評家協会賞[3] | 作品賞 | 『フェリーニのアマルコルド』 | 受賞 |
| 監督賞 | フェデリコ・フェリーニ | 受賞 | |
| 1975年度 | |||
| アカデミー賞[4] | 監督賞 | フェデリコ・フェリーニ | ノミネート |
| 脚本賞 | フェデリコ・フェリーニ、トニーノ・グエッラ | ノミネート | |
参考文献
[編集]- ^ a b “The 47th Academy Awards (1975) Nominees and Winners”. 映画芸術科学アカデミー. 2013年3月21日閲覧。
- ^ “The 32nd Annual Golden Globe Awards (1975)”. ハリウッド外国人映画記者協会. 2013年3月21日閲覧。
- ^ “1974 Awards”. ニューヨーク映画批評家協会. 2013年3月21日閲覧。
- ^ “The 48th Academy Awards (1976) Nominees and Winners”. 映画芸術科学アカデミー. 2013年3月21日閲覧。