パルプ・フィクション
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| パルプ・フィクション | |
|---|---|
| Pulp Fiction | |
| 監督 | クエンティン・タランティーノ |
| 脚本 | クエンティン・タランティーノ |
| 原案 | クエンティン・タランティーノ ロジャー・エイヴァリー |
| 製作 | ローレンス・ベンダー |
| 製作総指揮 | ダニー・デヴィート マイケル・シャンバーグ ステイシー・シェア |
| 出演者 | ジョン・トラボルタ ユマ・サーマン サミュエル・L・ジャクソン ブルース・ウィリス ティム・ロス |
| 音楽 | カリン・ラクトマン |
| 撮影 | アンジェイ・セクラ |
| 編集 | サリー・メンケ |
| 配給 | |
| 公開 | |
| 上映時間 | 154分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $8,000,000[1] |
| 興行収入 | $107,928,762[1] $213,928,762[1] |
『パルプ・フィクション』(Pulp Fiction)は、1994年のアメリカ映画。クエンティン・タランティーノ監督による作品である。
1994年のアカデミー賞では7部門にノミネートされ、そのうち脚本賞を受賞した。カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを受賞した。その他にも多くの賞を獲得した。
おおまかなストーリーとしてはひとつのマフィアの話となっており、その中にいる人間の短編ストーリーとなっているが、時間的な順序とは異なった流れで構成されている。
ストーリー[編集]
基本的にオムニバスかつ、くだらない話(=パルプ・フィクション)の複合交差体であることに留意すること。プロローグとエピローグ以外の副題は、作中で表示されるものである。
- プロローグ
- あるレストランにて、柄の悪いいかにもチンピラとおぼしきカップルのパンプキンとハニー・バニーが話をしている。2人は強盗の常習犯で、今も強盗の計画をしている最中である。パンプキンは最近の強盗事情についてひとしきり語った後、今すぐこのレストランを襲おうと切り出す。ハニー・バニーはそのアイデアに賛成、2人はすぐに拳銃を抜き、店内に怒声を発する。
- マフィアの殺し屋のビンセントとジュールスは、くだらない話をしながら組織を裏切った青年らの部屋を訪ね、組織の取引の品である黒いアタッシュケースを取り戻す[2]。
- VINCENT VEGA & MARSELLUS WALLACE'S WIFE (ビンセント・ベガとマーセルス・ウォレスの妻)
- マフィアのボスから彼の愛妻ミアの世話を頼まれたビンセントは、彼女の望むまま食事に連れていったり、ダンスを踊ったりして時を過ごす。だが、帰り際にミアが薬物の過剰摂取で心臓停止に陥り、ビンセントは仕方なく知り合いの売人を頼る。売人の指示通りに注射を行ってミアは蘇生する。
- THE GOLD WATCH (金時計)
- 落ち目のボクサーであるブッチは、マフィアのボスのマーセルスから八百長試合を持ちかけられ、引き受けるが裏切り、本来負けるはずの試合に勝利。弟と共謀してノミで大きな利益を得る。試合後、マーセルスの報復を怖れたブッチは逃走し、恋人のファビアンと街を出ようとするが、父親の形見の金時計をファビアンがブッチのアパートに置き忘れてきたことが発覚する。ブッチはアパートに戻って金時計を回収し、居合わせたビンセントを射殺、その帰路で通りがかったマーセルスを車で轢き、反撃するマーセルスと格闘する過程で両人が質屋に監禁される。質屋の関係者から暴行されるマーセルスをブッチが助けたことにより、八百長の裏切りは免責される。ブッチはファビアンとともに街を出る。
- THE BONNIE SITUATION (ボニーの一件)
- 「プロローグ」で、組織を裏切った青年2人を殺害しアタッシュケースを取り戻したビンセントとジュールスは、トイレに隠れていた3人目の青年から至近距離で銃撃を受けるが全ての弾丸が外れる。ビンセントとジュールスは、その現場に居たジュールスの知人の男マーヴィンと共に現場を離れ、マーヴィンを後部座席に乗せて自動車で移動していたが、ビンセントがふざけて拳銃の銃口をマーヴィンにちらつかせる。ふとしたはずみでその銃が暴発し、弾はマーヴィンの頭部を直撃、マーヴィンが死亡する。ジュールスとヴィンセントは、ジュールスの友人のジミーのガレージに車を隠す。ジミーは状況を知って激怒。恐妻家であるジミーは、妻が帰ってくるまでに死体を処理しろと言う。ボスに連絡した結果、ザ・ウルフという男が解決のために送り込まれ、車はマーヴィンの遺体ごとスクラップ業者に引き取られる。
- エピローグ
- 場所は「プロローグ」と同じレストラン。「ボニーの一件」を終えたビンセントとジュールスがこのレストランで朝食を摂っていると、パンプキンとハニーバニーのカップルが店内で強盗を始める(ここからプロローグの続きとなる)。パンプキンはジュールスが持っている黒いアタッシュケースを奪おうとする。ジュールスは抵抗するうちにパンプキンの武器を奪い、旧約聖書の記述と絡めた身の上話を聞かせることでパンプキンらの強盗を中止させる。
キャスト[編集]
- ヴィンセント・ベガ ( Vincent Vega )
- 演 - ジョン・トラボルタ、日本語吹替 - 鈴置洋孝
- 本作の主人公。ギャングのボスであるマーセルスの部下の殺し屋。3年間いたアムステルダムから戻ってきた。短気で、人に命令される事が嫌い。マーセルスの命令で一晩だけミアの世話役をすることになる。裏設定では、ヴィンセント・ベガは『レザボア・ドッグス』のミスター・ブロンド(ヴィック・ベガ)の弟にあたるとされている。
- ジュールス・ウィンフィールド ( Jules Winnfield )
- 演 - サミュエル・L・ジャクソン、日本語吹替 - 大塚明夫
- マーセルスの部下で、人を殺す前に旧約聖書の一節を暗唱する殺し屋。相棒のヴィンセントと共に体験した出来事を奇跡と捉え、引退を考える。
- ミア・ウォレス ( Mia Wallace )
- 演 - ユマ・サーマン、日本語吹替 - 勝生真沙子
- マーセルスの妻。元女優。ヴィンセントと一緒に夜を過ごした時に、コカインと間違えてヘロインを吸い一時心停止状態になった。
- ブッチ・クリッジ ( Butch Coolidge )
- 演 - ブルース・ウィリス、日本語吹替 - 山寺宏一
- 本作のもう一人の主人公。プロボクサー。マーセルスに八百長試合を依頼される。
- ファビアン ( Fabianne )
- 演 - マリア・デ・メディロス、日本語吹替 - 伊藤美紀
- ブッチの恋人。
- マーセルス・ウォレス ( Marsellus Wallace )
- 演 - ヴィング・レイムス、日本語吹替 - 玄田哲章
- ビンセントらを取り仕切るギャングのボス。愛妻家で、妻のミアにマッサージをしたとされる男を部下を使いマンションから突き落としたという噂がある。大物だが、ファーストフード店に1人で出掛けたりもする。
- マーヴィン ( Marvin )
- 演 - フィル・ラマール
- ジュールスの知人の情報屋。
- パンプキン ( Pumpkin )
- 演 - ティム・ロス、日本語吹替 - 安原義人
- カップル強盗。食事をしているファミレスで強盗をしようと言い出す。イギリス訛りの英語を話す。
- ハニー・バニー ( Honey Bunny )
- 演 - アマンダ・プラマー、日本語吹替 - 安達忍
- パンプキンのガール・フレンド。本名はヨランダ。
- ランス ( Lance )
- 演 - エリック・ストルツ、日本語吹替 - 宮本充
- 麻薬の売人。ビンセントにオーバードースで危篤状態になったミアを家に連れ込まれ救命を強要された。
- ジョディ ( Jody )
- 演 - ロザンナ・アークエット、日本語吹替 - 田中敦子
- ランスの妻。体中にピアスを通している。
- ジミー ( Jimmie )
- 演 - クエンティン・タランティーノ、日本語吹替 - 立木文彦
- ジュールスの友人。ジュールスにやっかい事を持ち込まれた。黒人の看護師・ボニーを妻に持つ恐妻家。裏設定ではフルネームはジミー・ディミックで、『レザボア・ドッグス』の主人公であるミスター・ホワイト(ラリー・ディミック)と血縁関係。
- ザ・ウルフ ( The Wolf )
- 演 - ハーヴェイ・カイテル、日本語吹替 - 西村知道
- 冷静沈着で紳士的な掃除屋。仕事においては完璧な指示を行う。本名はウィンストン。
- クーンツ大尉 ( Captain Koons )
- 演 - クリストファー・ウォーケン、日本語吹替 - 菅生隆之
- 7年間ハノイに捕虜として抑留されていた軍人。ブッチの幼少時にブッチの父の形見で先祖代々受け継がれている金時計をブッチに手渡した。
- バディ・ホリー ( Buddy Holly )
- 演 - スティーヴ・ブシェミ、日本語吹替 - 梅津秀行
- 無愛想なウエイター。
作品解説[編集]
正式なタイトルが決定する前は「デンジャラス・デイズ」、「ゴッサム・シティ」と呼ばれていた。
劇中、クエンティン・タランティーノが個人的に愛好しているサーフィン・ホットロッドミュージックが全面的にフィーチャーされている。特にディック・デイル&デルトーンズのヒット曲"Misirlou"はこの映画によってリバイバルヒットとなった。
発生イベントの配列と時系列の違い[編集]
この作品の劇中で実際に起こったイベント(出来事)の配列の順序は、出来事の時系列上の順序とは下記のように異なっている。
| 映画での構成 | 実際の時系列 | シークエンスの内容 |
|---|---|---|
| 1 | 9 | ハニーバニーとパンプキンの会話、レストラン強盗開始。オープニングシーン |
| 2 | 2 | ヴィンセントとジュールスの車中の会話 |
| 3 | 3 | ヴィンセントとジュールス、アパートメント内移動、ミアについての会話 |
| 4 | 4 | ヴィンセントとジュールスによる3人の裏切り者(マーヴィン、ロジャー、ブレット)の追及、ブリーフケース回収、ロジャーとブレットの殺害 |
| 5 | 12 | ブッチとマーセルスがボクシング八百長密談(背景でヴィンセントとジュールスが帰還) |
| 6 | 13 | ヴィンセント、ランス宅にてランスの妻ジョディと会話、ヘロイン“マッドマン”購入、車輌荒しについて会話、ヘロイン注入 |
| 7 | 14 | ヴィンセント、ミアをピックアップ |
| 8 | 15 | ヴィンセントとミア、"ジャック ラビット スリムス"にて食事、後にダンス大会への飛び入り |
| 9 | 16 | ミア、自宅にてヘロインオーバードースによる意識不明に |
| 10 | 17 | ヴィンセント、意識不明のミアを連れてランス宅へ。ランス宅にてミアの治療 |
| 11 | 1 | ブッチ、少年時代の回想。金時計の由緒 |
| 12 | 18 | ブッチ、試合前~試合後の逃走、タクシー運転手エズメラルダとの車中の会話 |
| 13 | 19 | マーセルス、ブッチ逃亡後の選手控え室にて対戦相手の遺体を前にブッチの捜索を指令 |
| 14 | 20 | ブッチ、モーテルにてガールフレンドファビアンと邂逅 |
| 15 | 21 | ブッチ、起床後に金時計が無いことに気づく。自宅へ回収に向かう |
| 16 | 22 | ブッチ、金時計回収後に居合わせたヴィンセントを殺害 |
| 17 | 23 | ブッチ、自宅からファビアンの元へ向かう際にハンバーガーショップ帰りのマーセルスを路上で発見、ファビアンの白のホンダで轢くも殺害に至らず、ブッチも重傷を負う |
| 18 | 24 | ブッチ、近くの質屋へ避難するが、店主のメイナード、ゼッドによりマーセルス共々監禁、マーセルスは犯される。脱出したブッチによる復讐後、ブッチ、マーセルス休戦宣言。ブッチ、ゼッドのチョッパーにて街から逃亡 |
| 19 | 5 | "ボニー シチュエーション"(トイレに隠れていた第4の男、ボニーによる"奇跡"の弾丸6発) |
| 20 | 6 | ジュールス、車中にて引退を示唆、事故によりマーヴィン殺害 |
| 21 | 7 | ヴィンセントとジュールス、ジミー宅にてウルフの助けを得て事故処理 |
| 22 | 8 | ヴィンセントとジュールス、事故処理を終えて朝食を摂りにレストランへ |
| 23 | 10 | ヴィンセント、レストラン内にてジュールスの引退撤回要求。ハニーバニーとパンプキンによる強盗事件発生、ジュールスにより収束 |
| 24 | 11 | ヴィンセントとジュールス、レストランより退出 |
ジュールスが唱える聖書の一節[編集]
ジュールスが劇中で唱える聖書の一節はエゼキエル書25:17とされているが、セリフの後半部分しか合っていない。これは、タランティーノが独学で映画を学んだときに見た千葉真一の映画『ボディガード牙』に、アメリカの供給会社が勝手に付けた文を引用したものである。
受賞[編集]
その他[編集]
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この記事に雑多な内容を羅列した節があります。事項を箇条書きで列挙しただけの節は、本文として組み入れるか、または整理・除去する必要があります。(2012年4月) |
- 劇中でのfuckの使用回数は250回を超える。
- クエンティン・タランティーノは仁侠映画、主に深作欣二の作品の大ファンであり、その事は劇中ではブッチが日本刀を武器として使用する点に見て取れる。
- ビンセントとミアが訪れたレストランのメニューは、スターの名にちなんだ料理がある。
- 「ダグラス・サーク・ステーキ」
- 「ダーワード・カービイ・バーガー」 - テレビのトークショーのアシスタントの名。
- トラボルタが死体を処理し終わった後に着たTシャツは『カリフォルニア大学サンタクルーズ校』のもの。マスコットの『バナナスラッグ』(世界で2番目に大きいといわれるナメクジの種)と大学のロゴが入っている。監督のタランティーノは撮影当時、この大学の現役大学生と交際していた(サンタクルーズの名は同監督の映画『レザボア・ドッグス』にも登場する)。
- ブッチがバーで注文したタバコ、レッドアップルはキル・ビル劇中で看板として登場する。
- ミアが口笛で口ずさんでいた曲がキル・ビルでコットンマウスの登場シーンの曲になる。
- ジュールスが食べたハンバーガー、ビッグカフナバーガーが『デス・プルーフ』の会話の中で登場する。
- ミアが出演したTVシリーズのパイロット版「フォックス・フォース・ファイブ」の美女五人組は、キル・ビルでユマ・サーマンが演じたザ・ブライドが所属していた五人組「THE DiVAS」の元となっている。「フォックス・フォース・ファイブ」は正義のシークレット・エージェントだが,「THE DiVAS」は悪の殺し屋部隊であるため名前は変更されている[3]。
- パルム・ドール授賞式にて、タランティーノ監督は「(この作品がパルム・ドールとは)納得できない!」と叫んだ観客に向かって笑みを浮かべながら中指を立てた。
脚注[編集]
- ^ a b c “Pulp Fiction (1994)” (英語). Box Office Mojo. 2010年4月7日閲覧。
- ^ 黒いアタッシュケースは、開けると内部から金色の光を発する。それを見た者は驚嘆の表情を現すが、中身は最後まで明かされない。
- ^ 『「キル・ビル」&タランティーノ・ムービーインサイダー 『キル・ビル』とタランティーノに世界一詳しくなるガイドブック』
外部リンク[編集]
- パルプ・フィクション - allcinema
- パルプ・フィクション - KINENOTE
- Pulp Fiction - AllMovie(英語)
- Pulp Fiction - インターネット・ムービー・データベース(英語)
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