いぬやしき

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
いぬやしき
ジャンル 青年漫画SF
漫画
作者 奥浩哉
出版社 講談社
掲載誌 イブニング
レーベル イブニングKC
発表号 2014年4号 - 2017年16号
発表期間 2014年1月28日 - 2017年7月25日
巻数 全10巻
話数 全85話
アニメ
原作 奥浩哉
総監督 さとうけいいち
監督 籔田修平
シリーズ構成 瀬古浩司
脚本 瀬古浩司
キャラクターデザイン 恩田尚之
音楽 池頼広
アニメーション制作 MAPPA
製作 アニメ『いぬやしき』制作委員会
放送局 フジテレビほか
放送期間 2017年10月 - 12月
話数 全11話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

いぬやしき』は、奥浩哉による日本漫画講談社の漫画雑誌『イブニング』にて、2014年4号(2014年1月28日発売)から2017年16号まで連載された。宇宙人の手によって機械の身体となった初老の男性と高校生の活躍や苦悩、救済される人々や殺害される人々を描く。

概要[編集]

全85話で、2015年4月22日発売の『週刊少年マガジン』第21・22合併号には、作者初の少年誌掲載となる出張掲載もされている[1]

単行本は全10巻が出版され、第9巻は週刊少年マガジンに掲載された読み切りがフルカラーで収録された特装版が発売されている。2018年には講談社プラチナコミックスから章ごとに再編された『私は機械編』『慟哭の獅子神編』『宣戦布告編』『誰が為に編』が出版された。

2017年にアニメ化され10月から12月まで全11話が放送され、2018年4月には実写映画化され劇場公開された。

あらすじ[編集]

現代の日本。老人のような外見の冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は、会社や家庭からも疎外された生活を送っており、ようやく購入した一戸建てすらも家族の歓心を得ることができなかった。追い打ちをかけるように胃ガンだと診断され、余命3か月を宣告される。ガンのことを家族に打ち明けるタイミングが見つからず、打ち明けたとして家族が悲しんでくれるか思い悩む犬屋敷だったが、犬の散歩中に、高校生・獅子神皓と共に非常に小さな宇宙人による事故に巻き込まれ死亡してしまう。事故を隠蔽したい宇宙人によって、犬屋敷と獅子神は生前の記憶や精神を持った機械の身体となって蘇る。

日常における肉体との相違から、身体が機械となり本当の自分は死んだことを自覚した犬屋敷は、人でもなく犬屋敷壱郎でもない自分の存在意義を問い始める。そんな折、少年達からリンチされているホームレスを助けて感謝されたことをきっかけとして、人助けに存在意義を見出すようになる。さらに生物の命を助けることもできることに気付いた犬屋敷は、現代医療では助からない重病人の治癒も始め、ますますその能力を他人のために使おうと考える。

犬屋敷と同じく機械の身体となったことを自覚した獅子神は、イジメを受け引きこもりとなっていた幼馴染・安堂直行に自らの能力を披露し、再び登校するよう説得する。獅子神は母親や親友には有用に能力を使う一方で、生を実感するために民家に押し入っては無差別殺人を繰り返していた。獅子神の犯行に気づいた安堂は、犬屋敷と出会い共に獅子神を止めようと行動を起こす。やがて獅子神の犯行が世間に明るみになり逃亡の身となると、彼に想いを寄せ無実を信じるクラスメイトの渡辺しおんに匿われる。しおんに説得され、能力を人助けに使い始める獅子神だったが、特殊部隊の突入でしおんと彼女の祖母が銃撃されたのをきっかけに、日本に対して殺戮を行なうと宣言する。

大量虐殺を始めた獅子神と、それを止めるべく奔走する犬屋敷との戦いが始まる。都内上空で激しい攻防が繰り広げられ、やがて獅子神のエネルギー切れの隙を突いて犬屋敷が勝利する。引き続き犬屋敷は事故に巻き込まれていた娘・麻理の救出へ向かい、さらに大勢の人々を救出する。犬屋敷の姿はテレビやインターネットで公開され日本中に知れ渡る。翌朝、自宅に帰った犬屋敷は機械の身体であることを家族に明かした。本当の自分は死んで、ここにいる自分は偽物かもしれないと告げ、家から去ろうとする犬屋敷だったが、妻・万理江や麻理が受け入れてくれたことで涙ながらに喜ぶ。当初は困惑していた息子・剛史も後に受け入れ和解し、犬屋敷は大切な家族として扱われるようになった幸せな生活を過ごす。一方、獅子神は後頭部と両腕を失った状態で安堂の前に姿を現す。獅子神は再会の理由を説明するが安堂に全く信用してもらえず、安堂との友情が無くなったことを実感する。また、しおんに会うこともできず孤独となる。

家族団欒の日々を送る犬屋敷であったが、以前から危惧されていた巨大隕石が地球に衝突する危機を伝えるニュースが流れる。自身の能力で出来ることはないかと諦めきれない犬屋敷は、引き留める家族や安堂を諭し、一人で隕石の破壊へ向かう。犬屋敷は能力を使って様々な手段を試すが、隕石は破壊することも軌道を変えることもできない。そこへ獅子神が現れ、自分にも死んでほしくない人間がいることを打ち明け、巨大隕石を破壊できる方法を提案する。自爆能力によって巨大隕石は破壊され地球の危機は免れた。混乱は収まり平穏になった地球で、人々は再びそれぞれの日常を生き続ける。

登場人物[編集]

の項はテレビアニメ版のもの。の項は実写映画版のもの。

主人公[編集]

犬屋敷 壱郎(いぬやしき いちろう)
声 - 小日向文世 / 演 - 木梨憲武とんねるず
本作の主人公。妻と高校生の娘、中学生の息子がいる58歳だが、娘の友達に「おじいちゃん?」と聞かれるほど、白髪に皺だらけの老け顔の冴えないサラリーマン。なぜかほぼ常に小刻みに震えている。正義感は強いが温厚かつ内向的な性格で、やや卑屈な面もある。社会から疎外されたような人生を歩み、最愛の家族からも疎まれ、やるせない日々を過ごす。理不尽な目に遭っている人を見ると怒りに燃えるが、それと同時に自分が無力という現実に耐えるしかなかった。追い打ちをかけるかのように健康診断で胃ガンが発覚、余命3か月と宣告され絶望する。
愛犬・はな子との散歩中に非常に小さな宇宙人の事故に巻き込まれて死亡するが、兵器ユニットを搭載された機械の身体として蘇る。日常の中で自身の異常に気付き、機械の身体となったことを知ると自分の存在意義に悩むが、ホームレス狩りを行う少年達を撃退したことで、ホームレスに感謝され自分が生きている人間であることを実感する。そうして人助けに自分の存在意義を見出す。
現代医療では助からない重病人や怪我人を完治させる能力に気付いてからは、休日の病院に潜入して重病人を治して周り、ネットで「謎の奇跡の人」として評判になる。そのニュースを安堂が偶然知ることで彼と知り合う切っ掛けとなり、意気投合し安堂の友人となる。
機械としての自身の能力については、獅子神と比べてまだ未知の部分が多い。ホームレス狩りの少年やヤクザたちと戦闘した際には、途中で意識を失った後に兵器ユニットの自動モードのような状態に入り、気付いた際には全てが終わっていたといった具合であるが、対象を不殺で対処しながら相応の悪行の報いを受ける状態にしている。安堂と知り合ってからは、安堂が獅子神から知り得た情報をたよりに機能について特訓する。しかし機能を使いこなす獅子神の行動を追尾捕捉することができず、獅子神の暴走を許してしまう形となっている。
愛車はマツダ・デミオ
獅子神 皓(ししがみ ひろ)
声 - 村上虹郎藤田奈央(小学生) / 演 - 佐藤健
犬屋敷と同じく非常に小さな宇宙人の事故に巻き込まれ、兵器ユニットを搭載する機械の身体にされた高校生。家族や友人には気の優しい好青年だが、それ以外の人間には全くの無関心という極端な二面性を持つ。
機械の身体であることを自覚すると、イジメられて引きこもりとなっていた親友・安堂を救うために能力を使う。徐々にイタズラの限度を超え、安堂をイジメていた同級生を射殺、ATMの不正操作で大金を引き出すといった過激な行動をとりはじめる。さらには、駅のホームで目撃した飛び込み自殺をきっかけに、自分が生きている人間であることを実感するため、無関係の一家を惨殺する凶悪事件を起こすなど、犬屋敷とは対照的な手段で自分の存在意義を見出す。
母親が末期の膵臓ガンと知らされると母を失いたくない一心で能力によってガンを治し、殺人をやめようと思い直した矢先、連続殺人事件の犯人であることが警察に発覚。連続殺人事件の犯人として追われるようになってからは好意を持たれていた渡辺の家に身を寄せる。
渡辺に胸中を吐露した際には逆に渡辺に説得され、今まで殺してきた人数分の人助けをしていくことを約束する。数か月間は約束に従い、SNSを通して募った重病人の治癒を行い平穏な日々を過ごしていたが、渡辺の家にSATが投入され渡辺と渡辺の祖母が巻き込まれたことをきっかけに警察署を襲撃、さらに新宿で集団殺戮を行う。その際に犬屋敷と再び対面し、犬屋敷も自分と同じ機械の身体でありながら正反対の手段で生の実感を得ていたことを知る。やり場のない怒りを犬屋敷にぶつけるが、激闘の末に敗北し後頭部と両腕を失い、その後は安堂や渡辺とも疎遠になっていく。巨大隕石衝突の際には犬屋敷と同時に隕石上に現れ、犬屋敷に自らの本心を打ち明けると、身を挺して隕石を破壊した。

犬屋敷の家族[編集]

犬屋敷 万理江(いぬやしき まりえ)[2]
声 - 西宏子 / 演 - 濱田マリ
犬屋敷の妻。外見は典型的な中年女性。スーパーでパートをしている。気だるい風情で、夫婦仲は冷めているため非協力的である。何かと歯切れが悪い夫の性格もあり小言が多い。しかし、帰ってこない夫に対して「殺されてるんじゃないの?」という不謹慎な発言をした息子をたしなめる程度には気にかけている様子をみせている。夫が機械であることを打ち明けた際には、娘の麻理と共に涙ながらに大切な家族として受け入れた。
犬屋敷 麻理(いぬやしき まり)
声 - 上坂すみれ / 演 - 三吉彩花
犬屋敷の娘。容姿は両親に似ておらず美少女で友人も多く、典型的な今時の女子高生。獅子神と安堂のクラスメイトだが、特に接点はない。幼少期は父を慕っていたが、老けて冴えない外見になった父を疎ましく思っている。団地から一戸建てに引っ越した際に新居を見ても隣の有名漫画家の豪邸と比べて「こんなもんか」と不満を漏らし、犬を飼う際にも希望と違うはな子を見て「かわいくない」と文句を言うなど、ワガママな面を見せる。漫画家を志望しており、父のような平凡な人間には絶対になりたくないという思いと隣家の有名漫画家への敵愾心を密かに燃やしている。
ある日の帰宅時、父がクラスメイトの安堂と一緒にいるところを偶然目撃し尾行したことから父の秘密を知る。さらに進路相談でのやりとりをきっかけに父への態度が徐々に軟化し、父が機械であることを打ち明けた際には涙ながらに大切な家族として受け入れた。
作品中では数少ない美少女キャラであり、2016年8月23日発売の『イブニング』18号で表紙を飾った[3]
犬屋敷 剛史(いぬやしき たけし)
声 - 朝井彩加 / 演 - 福崎那由他
犬屋敷の息子。中学生。外見は父親似で、父親以上に内向的で卑屈な性格。不良グループからカツアゲされているが言い出せずにいる。友人と下校途中、牛丼店で一人で食事をしている父を見かけた際に友人から「ああいう親父って何が楽しくて生きてるんだろう。家族とかいないのかな」と言われてショックを受ける。弱者が不良達に絡まれ虐げられている現場を目撃した際には、警察を呼ぼうとする父に対して、「(自分達のような人間は)隠れて怯えてやり過ごすべき」と言って愕然とさせる。
父が機械であることを打ち明けた際には家族の中で唯一困惑していたが、父が交通事故に巻き込まれた負傷者を治療能力で救う様子を目の当たりにし、ようやく父を受け入れ、親子としても和解した。
はな子(はなこ)
犬屋敷が新居購入を機に動物愛護センターから譲り受けた柴犬系の犬。すでに成犬だが人懐っこく、機械の身体になった犬屋敷にも懐いており、犬屋敷の唯一の心の支え。犬屋敷と獅子神と共に宇宙人の事故に巻き込まれそうになったが、直前に逃げたためことなきを得る。本作で宇宙人の姿と犬屋敷と獅子神が宇宙人によって機械にされる過程を目撃した唯一の存在である。

獅子神の近親者[編集]

安堂 直行(あんどう なおゆき)
声 - 本郷奏多北川里奈(小学生) / 演 - 本郷奏多
獅子神の幼馴染。あだ名は名前を音読みした「チョッコー」。不良の同級生からのイジメが原因で引きこもっていたところ、獅子神に助けられる。当初は獅子神の超常的な力を目の当たりにしても興味本位から信頼感を持っていたが、やがて彼の異常性に困惑、彼が自分をイジメていた同級生たちを射殺したのを見せられるにいたり、連続一家惨殺事件の犯人であることも察知し、絶交する。
ネットで静かな話題になっていた「病院に潜入しては重病人を救う謎の奇跡の人」の記事を見つけたことが切っ掛けで、獅子神と同じ能力を持つ犬屋敷の存在に気付き、嘘の助けを求める叫びで彼を呼び出すと獅子神を止めるよう依頼。犬屋敷が獅子神と正反対の理由で生きている意義を見出していることに感動し、また能力を使いこなせていないことを知ると、獅子神の能力から知りえた情報を頼りに犬屋敷のアシスタント役を買って出るようになり、犬屋敷の友人となった。犬屋敷のことを「自分が会った中で誰よりも人間らしい人間」と本人に涙ながらに告げている。
渡辺 しおん(わたなべ しおん)
声 - 諸星すみれ / 演 - 二階堂ふみ
獅子神のクラスメイトの女子。クセ毛の髪の特徴から獅子神を含む男子生徒から「チンゲ」とあだ名されている。内向的だが優しい性格。両親はガンで他界しており、祖母と二人暮らし。
イジメにあっていた安堂を助けた姿に惚れて獅子神に告白した。獅子神が連続一家惨殺事件の犯人として追われているとは思っていなかったため自宅に匿う。獅子神に真実を明かされ、機械の身体と能力を見せつけられて激しく動揺するが、それ以上に彼がいなくなることに耐えられず傍にいてほしいと懇願。獅子神を説得して今まで殺してきた人数分人助けをしていくことを約束させる。その後、再び殺人を始めた獅子神に対しても懸命に説得し続けるが、自身と祖母のことのみ気遣う獅子神にその思いが届くことは無かった。後に安堂から獅子神がしおんを救うために隕石を破壊したことを告げられ、彼の真意を知る。
獅子神 優子(ししがみ ゆうこ)
声 - 加藤有生子 / 演 - 斉藤由貴
獅子神の母。夫とは離婚しており皓との二人暮し。皓の心の支え。一般的な道徳観を持っており、皓に自分が犯人ならどうするかという問いに対し、一緒に死ぬと答えた。その言葉が皓の人格に多少の変化をもたらすこととなる。
末期の膵臓ガンと診断されるが、皓の治癒能力によってガン細胞は消滅する。その後、束の間の幸せを手にするが、彼を追う警察が自宅に詰め寄せたことにより、自分の息子が連続一家惨殺事件の犯人であったことを知ってしまう。皓が逃亡した後はネット上での誹謗中傷や連日マスコミによる取材、そして何よりも凶悪犯の母となってしまった良心の呵責に耐えきれず、前述の発言通り自ら命を絶った。
獅子神の父
声 - 白熊寛嗣
名前は不明。離婚後は別の女性と再婚、2人の子供がいる。離婚後も皓とは釣りへ行く約束や自宅に招くなど親子水入らずの関係にある。実の息子が連続一家惨殺事件の犯人であると発覚し元妻の自殺に関して取材を受けていた最中、皓が取材をしていたマスコミを襲撃。その場で撃たないよう懇願し一命をとりとめる。
渡辺の祖母
声 - 谷育子
名前は不明。孫娘であるしおんと二人暮ししている。テレビをほとんど見ていないこともあり、獅子神がただの家出した少年だと思い、連続一家惨殺事件の犯人であったことを知らなかった。自宅にSATが獅子神を捕えるため投入された際に巻き込まれるが、獅子神によってしおんと共に助け出される。

その他[編集]

井上 ふみの(いのうえ ふみの)
声 - 金元寿子
弁当屋で働く美女。背が低いことを気にしている。鮫島に気に入られたことで拉致されてしまい、覚醒剤を注射された上に強姦されそうになるが、日本刀で鮫島の手を斬りつけ逃走。悟の待つ自宅に帰るが再び鮫島に拉致されてしまう。鮫島含め暴力団を壊滅させた犬屋敷に助けられ、無事に悟の元へ帰る。
悟(さとる)
声 - 阪口大助‏
ふみのの彼氏。美人のふみのとは対照的に冴えない見かけだが、誠実な性格。ふみのが拉致されそうになった際には非力ながらも逃げずに何とか活路を見出そうとするが、苛立った鮫島に首を絞められ心肺停止に陥る。その後、駆け付けた犬屋敷によって蘇生し、無事に助けられたふみのを迎え入れる。
鮫島(さめじま)
声 - 黒田崇矢‏
特定危険指定暴力団「講談会」系幹部。残忍非道な性格で、自らの欲求を満たすためなら手段を選ばない。目をつけた女性を拉致し薬漬けにし強姦、死亡したら遺棄を繰り返していた極悪人。ふみのに日本刀で事故で手首を斬られ大量出血を起こしても問題なく活動が可能なほど屈強な肉体を持つ。
逃げられたふみのに執着して再び拉致、悟を殺害した上、犬屋敷を銃で撃ち停止させる。その後、復帰し暴力団の会合に乗り込んできた犬屋敷を迎え撃つが、今度は銃でも刃が立たず、殴られて倒れる。さらに自動モードに入った犬屋敷の攻撃によって眼球と頸椎を破壊され、今までの非道を悔いながら生きるよう宣告される[注釈 1]。しかしそのような状態でもなぜ犬屋敷に自分が闘って負けたかを理解できず、自分のした悪事を反省した素振りは最後まで一切見せなかった。
仲尾(なかお)
声 - 渋谷はるか
ガンを患っている女性会社員。痛み止めの薬を飲みながら、生きることを渇望する日々を送っていた。SNSで治療希望者を募っていた獅子神のアカウントを見つけ、半信半疑ながらもメッセージを送る。
奈緒(なお)
声 - ブリドカットセーラ恵美
犬屋敷麻理の友人。麻理と放課後に出かけている最中、獅子神の大量虐殺に巻き込まれてしまう。
アニメ版ではフルネームが「バゲルザット奈緒」となっている。
ミヤノ
声 - 西脇保 / 演 - 生瀬勝久
ニュースキャスター。獅子神が乱射事件を起こした際にテレビ番組を通して避難を促していたが、生放送中に獅子神からの電話に出たことによって殺されてしまう。
大統領
声 - ビル・フレミング
合衆国大統領。獅子神を凶悪なテロリストとして名指しで批判し破壊を宣言。その後、目前に迫った巨大隕石の衝突を阻止することができず、緊急会見を開き非常事態宣言を行う。

兵器ユニット[編集]

事故により破壊された犬屋敷と獅子神を復元するために異星人が流用した機械兵器。素材や原理については不明だが、エネルギー源はであることが示唆されている。ビールや缶ジュース、さらには雨水や川の水など、水であれば成分に関わらずエネルギー源として利用可能。水以外の成分は摂取しても消化や吸収されず体内に残る。全身の表面は本物の人間の皮膚や毛髪との判別が非常に難しい組織で覆われ、レントゲン撮影では内部を可視化できない。注射針やカッターナイフの刃、空中からの落下、被弾や殴打による衝撃は伝わるものの対物ライフルにすら耐える耐久力を持つ。

銃撃能力
人差し指を向けた状態で「ばんっ」と叫ぶと、銃のような不可視攻撃が可能。さらに同じ状態で「だだだだだっ」と叫ぶとマシンガンのように連続発射することもできる。狙撃も可能で射程は10km以上に及ぶ。後述の能力と併用することで、体内に埋め込まれたカメラとあらゆる電子機器のディスプレイを経由して遠隔地にいる対象への攻撃も可能。
爆撃能力
両腕内部および背中に搭載された兵器から無数の光線を射出して攻撃する。照準は目視(内蔵カメラ)で行われ、自動モードの場合は威力が補正されピンポイントで着弾するものの、任意の場合は精度が落ちるうえに破壊規模が大きくなりがちである。腕からの射出の際は直前にプラズマが発生する。
ハッキング能力
テレビ放送や警察無線の傍受、ATMやSNSや監視カメラへのクラッキング、放送周波数帯を掌握することで街頭ビジョンや家庭用テレビやスマートフォンへの電波ジャックが可能。
遠隔操作能力
手をかざすだけで思いのままに機械を遠隔操作することが可能。テレビのチャンネル切り替えから、自動車の運転や大型旅客機の操縦、さらには宇宙ステーションの操作まで行える。
飛行能力
背中に内蔵されたロケットエンジンの噴射による飛行が可能。地球上での飛行はもちろん大気圏突入や宇宙空間での移動もできる。離陸時に大きな運動エネルギーが生じるため、離陸地点の箇所はクレーター状に減り込む。服を着用したまま飛ぶと服が破けてしまう欠点がある。
治癒能力
手をかざすだけで軽度の創傷から現代医学では治療が困難な病気まで治すことができる。ただし心肺停止からの蘇生はできないため、心臓マッサージが必要となる。
通話能力
人差し指の爪が開くようになっており、指先からスキャンした入出力ポートを再現し、そこへ接続するとスマートフォンの全機能を体内へ移し替えることができる。着信時には着信音が頭の中で流れ視界内に連絡相手の顔と電話番号が表示される。通話は体内通信で行う。
自動モード
意識を失うと体内の兵器ユニットマークが光り自動操縦状態に切り替わり、頭部から出現するカメラで視認した対象を無力化、または自身がエネルギー切れになるまで攻撃を継続する[注釈 2]。同じ自動モードでも、犬屋敷の場合は対象を戦意喪失に留めるのに対し、獅子神の場合は対象を全滅するまで攻撃し続ける。
シミュレーション能力
その場で視認した対象を瞬時に観測測定し、推論した行動の結果を確認することが出来る。
自爆能力
両目がスイッチになっており、両目を同時に押すとカウントが入り自爆する。

書誌情報[編集]

2018年4月18日発売[16]ISBN 978-4-06-511584-8
  • 奥浩哉『いぬやしき 慟哭の獅子神編』講談社〈講談社プラチナコミックス〉
2018年4月25日発売[17]ISBN 978-4-06-511585-5
  • 奥浩哉『いぬやしき 宣戦布告編』講談社〈講談社プラチナコミックス〉
2018年5月1日発売[18]ISBN 978-4-06-511586-2
  • 奥浩哉『いぬやしき 誰が為に編』講談社〈講談社プラチナコミックス〉
2018年5月9日発売[19]ISBN 978-4-06-511587-9

テレビアニメ[編集]

2017年10月より12月までフジテレビノイタミナ」ほかにて放送された[20]

TVアニメ「いぬやしき」第1弾アニメーションPV - YouTube
TVアニメ「いぬやしき」第2弾アニメーションPV - YouTube
TVアニメ「いぬやしき」本予告PV - YouTube

原作からの変更点

  • はな子は動物愛護センターに保護されていた犬ではなく、河川敷に放棄されていた捨て犬になっている。
  • 渡辺しおんの髪色が明るい色から黒髪に変更されている。
  • 犬屋敷家の自家用車は初代トヨタ・ヴィッツのようなクルマへ変更されている。
  • 兵器ユニットを組み立てるマニピュレーターのみが数秒描写され、宇宙人の姿は出てこない。
  • 犬屋敷が事故後の公園を調べるシーンは割愛されている。
  • アメリカ大統領が登場するのは、隕石墜落が避けようがなくなったと世界へ宣言するシーンのみである。
  • 犬屋敷到着以前に、人類が隕石墜落を阻止しようと破壊を試みていたことは割愛されている。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「My Hero」
作詞 - Kamikaze Boy, Jean-Ken Johhny / 作曲 - Kamikaze Boy / 編曲 - MAN WITH A MISSION, Kohsuke Oshima / 歌 - MAN WITH A MISSION
「MAN WITH A MISSION『My Hero』 TVアニメ『いぬやしき』スペシャルコラボPV」 - YouTube[22][23]
「MAN WITH A MISSION - My Hero」 - YouTube
エンディングテーマ「愛を教えてくれた君へ」
作詞 - 内田旭彦、森彩乃 / 作曲 - 内田旭彦 / 編曲 - 岸利至クアイフ / 歌 - クアイフ
「クアイフ 『愛を教えてくれた君へ』リリックビデオ」 - YouTube[24]
「クアイフ 『愛を教えてくれた君へ』Music Video」 - YouTube

各話リスト[編集]

話数サブタイトル絵コンテ演出作画監督総作画監督
#01犬屋敷壱郎 籔田修平鎌田晋平、近藤圭一鎌田晋平
#02獅子神皓 宍戸淳山田弘和青野厚司、杉野信子、長岡康史
児玉健二、奥田哲平
羽田浩二
#03安堂直行 山川ふかし相浦和也村山公輔、北山修一、杉野信子
恩田尚之
羽山賢二
#04鮫島 伊藤達文石田千夏、岩瀧智、恩田尚之
長岡康史、松本昌代
鎌田晋平
#05獅子神優子 サトウシンジ後藤康徳近藤圭一、加藤雅之、首藤武夫
長岡康史、石田千夏、児玉健二
羽田浩二
#062chの人たち[注釈 3] 山川ふかし山田弘和青野厚司、杉野信子、首藤武夫
川崎玲奈、松本昌代、加藤雅之
羽山賢二
#07渡辺しおん 西本由起夫下司泰弘松本昌代、近藤圭一、加藤雅之
長岡康史、石田千夏、北山修一
阿比留隆彦、青野厚司
恩田尚之
羽山賢二
羽田浩二
#08犬屋敷麻理 寺岡巌山田弘和
松田清
橋口淳一郎
首藤武夫
岩瀧智、恩田尚之、鎌田晋平
首藤武夫、長岡康史、杉野信子
鎌田晋平
#09新宿の人たち 相浦和也後藤康徳恩田尚之、松本昌代、近藤圭一
加藤雅之、長岡康史、石田千夏
青野厚司、長岡康史
羽山賢二
羽田浩二
鎌田晋平
#010東京の人たち 伊藤達文岩瀧智、首藤武夫、高田陽介
北山修一、青野厚司、近藤圭一
加藤雅之、長岡康史、児玉健二
#011地球の人たち 柴山智隆松田清青野厚司、秋田学、石田千夏
岩瀧智、加藤雅之、北山修一
近藤圭一、首藤武夫、杉野信子
高田陽介、長岡康史、松本昌代
恩田尚之
羽山賢二
羽田浩二
鎌田晋平

放送局[編集]

フジテレビ系列 / 放送期間および放送時間[25]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [26] 備考
2017年10月13日 - 12月22日 金曜 0:55 - 1:25(木曜深夜) フジテレビ 関東広域圏 製作参加
岩手めんこいテレビ 岩手県
さくらんぼテレビ 山形県
金曜 1:20 - 1:50(木曜深夜) 秋田テレビ 秋田県
金曜 1:30 - 2:00(木曜深夜) テレビ愛媛 愛媛県
長野放送 長野県
金曜 1:35 - 2:05(木曜深夜) テレビ静岡 静岡県
金曜 1:45 - 2:15(木曜深夜) 新潟総合テレビ 新潟県
テレビ熊本 熊本県
金曜 1:55 - 2:25(木曜深夜) 福島テレビ 福島県
関西テレビ 近畿広域圏
テレビ新広島 広島県
テレビ西日本 福岡県
金曜 2:00 - 2:30(木曜深夜) 鹿児島テレビ 鹿児島県
仙台放送 宮城県
金曜 2:10 - 2:40(木曜深夜) 東海テレビ 中京広域圏
2017年10月14日 - 12月23日 土曜 0:55 - 1:25(金曜深夜) サガテレビ 佐賀県
2017年10月16日 - 月曜 1:15 - 1:45(日曜深夜) 北海道文化放送 北海道
2017年11月14日 - 2018年1月30日 火曜 1:25 - 1:55(月曜深夜) 山陰中央テレビ 鳥取県島根県
2018年1月11日 - 木曜 1:55 - 2:25(水曜深夜) 高知さんさんテレビ 高知県
日本国内 インターネット配信 / 放送期間および放送時間[25]
配信期間 配信時間 配信サイト 備考
2017年10月13日 - 12月22日 金曜 1:55(木曜深夜)更新 Amazonプライム・ビデオ 第1話は10月12日(木)0:00から先行配信

Blu-ray & DVD[編集]

発売日[27] 収録話 規格品番
BD限定版/通常版 DVD限定版/通常版
上巻 2018年1月24日 第1話 - 第5話 ANZX-14211 - 14213 ANZB-14211 - 14216
下巻 2018年4月25日 第6話 - 第11話 ANZX-14214 - 14213 ANZB-14214 - 14216
フジテレビ ノイタミナ
前番組 番組名 次番組
いぬやしき

映画[編集]

いぬやしき
INUYASHIKI
監督 佐藤信介
脚本 橋本裕志
原作 奥浩哉「いぬやしき」
製作 梶本圭
甘木モリオ
製作総指揮 臼井裕詞
出演者 木梨憲武
佐藤健
本郷奏多
二階堂ふみ
三吉彩花
生瀬勝久
濱田マリ
斉藤由貴
伊勢谷友介
音楽 やまだ豊
主題歌 MAN WITH A MISSION「Take Me Under」
撮影 河津太郎
編集 今井剛
制作会社 シネバザール
製作会社 映画「いぬやしき」製作委員会
配給 東宝
公開 日本の旗 2018年4月20日
台湾の旗 2018年6月22日
上映時間 127分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

木梨憲武主演で映画化され、2018年4月20日に公開[20][28]

第36回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭で、インターナショナルコンペティション部門のグランプリにあたる、ゴールデン・レイヴン賞を受賞[29]

キャスト (映画)[編集]

スタッフ (映画)[編集]

主題歌 (映画)[編集]

MAN WITH A MISSION「Take Me Under」
作詞 - Jean-Ken Johhny / 作曲 - Jean-Ken Johhny (Sony Music Labels)
「MAN WITH A MISSION - Take Me Under」 - YouTube[30]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 組のトップをはじめ200人以上の構成員も一人残らず眼球と頸椎を破壊された。
  2. ^ 犬屋敷の気絶後すぐに鮫島たちが立ち去った時のように、反撃対象がその場で視認できない場合は何も起こらず元の状態に切り替わる[4]
  3. ^ この回に登場する「2ちゃんねらー」数名は、パーソルキャリア社が運営する「webサイトan」の企画「an超バイト」で募集をかけて選ばれた一般男性たちが演じた。

出典[編集]

  1. ^ 「GANTZ」の奥浩哉、少年誌に初登場!「いぬやしき」がマガジンに出張”. マイナビニュース (2015年4月22日). 2015年7月28日閲覧。
  2. ^ 『いぬやしき』8巻68話
  3. ^ 本日発売のイブニング18号表紙をチェック! イブニング公式サイト 2016年8月23日。
  4. ^ 『いぬやしき』3巻23話
  5. ^ 『いぬやしき(1)』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2016年5月8日閲覧。
  6. ^ 『いぬやしき(2)』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2016年5月8日閲覧。
  7. ^ 『いぬやしき(3)』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2016年5月8日閲覧。
  8. ^ 『いぬやしき(4)』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2016年5月8日閲覧。
  9. ^ 『いぬやしき(5)』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2016年5月8日閲覧。
  10. ^ 『いぬやしき(6)』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2016年5月8日閲覧。
  11. ^ 『いぬやしき(7)』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2016年8月23日閲覧。
  12. ^ 『いぬやしき(8)』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2017年1月23日閲覧。
  13. ^ 『いぬやしき(9)』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  14. ^ 『カラーコミック付き いぬやしき(9)特装版』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  15. ^ 『いぬやしき(10)』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2017年9月22日閲覧。
  16. ^ 『いぬやしき 私は機械編』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2018年4月19日閲覧。
  17. ^ 『いぬやしき 慟哭の獅子神編』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2018年4月26日閲覧。
  18. ^ 『いぬやしき 宣戦布告編』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2018年5月4日閲覧。
  19. ^ 『いぬやしき 誰が為に編』(奥浩哉)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2018年5月9日閲覧。
  20. ^ a b “奥浩哉の「いぬやしき」がTVアニメ化&実写映画化!アニメ制作はMAPPA”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2016年12月15日). http://natalie.mu/comic/news/213361 2016年12月16日閲覧。 
  21. ^ a b c d e f g “TVアニメ『いぬやしき』の主人公・犬屋敷壱郎、獅子神皓のアニメビジュアルが初公開! 豪華スタッフ陣からは熱い意気込みコメントが到着!”. アニメイトタイムズ (アニメイト). (2017年5月23日). http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1495436363 2017年5月23日閲覧。 
  22. ^ MAN WITH A MISSION、「いぬやしき」OPテーマのパフォーマンス映像公開”. 音楽ナタリー (2017年10月12日). 2017年10月13日閲覧。
  23. ^ いぬやしき×MAN WITH A MISSION、マッシュアップ動画公開”. コミックナタリー (2017年10月12日). 2017年10月13日閲覧。
  24. ^ クアイフ、メジャーデビュー後初のワンマンツアー開催” (2017年10月12日). 2017年10月13日閲覧。
  25. ^ a b オンエア”. いぬやしきニュース. ノイタミナニュース. 2017年10月5日閲覧。
  26. ^ テレビ放送対象地域の出典:
  27. ^ TVアニメ「いぬやしき」Blu-ray & DVD” (2017年10月13日). 2017年10月13日閲覧。
  28. ^ “実写版「いぬやしき」木梨憲武&佐藤健が出演!本郷奏多や二階堂ふみ、伊勢谷友介も”. 映画ナタリー (株式会社ナターシャ). (2017年3月17日). http://natalie.mu/eiga/news/224944 2017年4月27日閲覧。 
  29. ^ “木梨憲武、海外映画祭で初受賞 主演映画『いぬやしき』グランプリ受賞”. ORICON NEWS (oricon ME). (2018年4月16日). https://www.oricon.co.jp/news/2109616/full/ 2018年4月16日閲覧。 
  30. ^ MAN WITH A MISSION、狼と豚の戦い描いた「Take Me Under」MV”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2018年4月13日). 2018年4月15日閲覧。

関連項目[編集]

  • GANTZ - 奥浩哉が連載していた漫画。登場人物の安堂直行が大ファンで、部屋にポスターを多数飾っている。
  • ゴンドラの唄 - 犬屋敷が作中で口ずさんでいた歌。

外部リンク[編集]