片渕須直

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かたぶち すなお
片渕 須直
生年月日 (1960-08-10) 1960年8月10日(56歳)
出生地 日本の旗 日本 大阪府枚方市
国籍 日本の旗 日本
職業 映画監督
アニメーション演出家
脚本家
ジャンル アニメーション映画
テレビアニメ
配偶者 浦谷千恵
事務所 クロブルエ
主な作品

片渕 須直(かたぶち すなお、男性、1960年8月10日 - )は、日本アニメーション監督脚本家日本大学芸術学部映画学科卒業[1]。日本大学芸術学部映画学科講師、国立東京芸術大学大学院講師。大阪府枚方市生まれ。

経歴[編集]

1960年大阪府枚方市で出生。母方の祖父は枚方で映画館を営んでおり、子どもの頃からアニメ映画などをよく観ていたという[2][3]。2歳7か月で、東映動画の『わんぱく王子の大蛇退治』を観たことを覚えており、特に名アニメーターの大塚康生月岡貞夫が作画したクライマックスシーンが印象に残っていたが、月岡貞夫には大学で学び、業界では先輩に大塚康生がいて、「自分の人生は、線路が敷かれた一本の電車道なのか」と不思議な縁を感じたという[4][5]

千葉県立船橋高等学校在学時から視聴覚委員長として日夜8ミリカメラで撮影していた。高校3年の後半からアニメーションを作り出す。卒業後、日本大学芸術学部映画学科映像コースにて、アニメーションを専攻する。この時期『未来少年コナン・愛蔵版』を手にし絵コンテと宮﨑駿の存在を知る。アニメーションの授業は4年間に2コマ、2年で「アニメーションI」、3年で「アニメーションII」があるだけだったが担当講師が池田宏月岡貞夫だった。月岡には1年間を費やして、東映動画時代の話を聞き、アニメーションの作り方は日本アニメーションまでときどき出向いては絵コンテを売ってもらいそれで勉強していた。[6]

1980年10月、池田ゼミで新ルパン三世最終回を授業が行われており、その関連で開催された特別講義で宮﨑駿と初対面する。その授業の中身は、「津和野は旅行案内の写真に紹介されたとおりの風景ではない。写真とは適宜フレームで切り取ったものだ」というような話だった。その後、ゼミの2、3年生だけでゼミ室に宮崎さんを招いて延長戦も行った。今度は「スター・ウォーズの主人公側の戦闘機が尖っているのは、フロイト的な理由があって……」という話だった。学生生活は安達瑶と映画を撮ったりしていた。在学中より片山雅博はらひろし角銅博之飯田馬之介ふくやまけいこ山村浩二らと共にアニメーション・サークル「グループえびせん」に参加。

1981年9月、池田から電話で宮﨑駿の新作のシナリオライターのテストの受けないかと誘われる。シナリオを書いたことがなかったが、脚本コースの学生4、5人に便乗して高円寺のテレコムを訪れ、『名探偵ホームズ』の話を考えるという課題を受け、後日『青いルビー』として採用。採用には丹内司の推薦もあったという。[7]他にも翼手竜型飛行機のスケッチも描き、それがそのままイメージボード、ストーリーボードのスクラップブックに貼り込まれ、あとでアニメージュ文庫の『青い紅玉』の裏表紙に使われた。さらに2本目の『海底の財宝』の脚本も書く。3年の冬休みから演出助手・脚本としてテレコムに通うようになる。[8]『青い紅玉』の撮出しも行う。1982年の書家には宮﨑たちと屋久島へ旅行に行く。「ソベリン金貨の行方」では原画とセル彩色も行う。[9] 1982年の中頃、『名探偵ホームズ』が消滅してしまったとき、自分はまだ大学4年生だったが、『ホームズ』の仕事がなくなってもそのままテレコムのスタジオ内に居続けていた。[10]学生だった間にはアニドウのイベントの手伝いもいろいろとやった。

テレコム・アニメーションフィルム藤岡豊)によるアニメーション映画『リトル・ニモ』(NEMO)の制作過程では、高畑勲監督版の演出助手、近藤喜文友永和秀共同監督版の演出補佐、大塚康生監督版の共同監督(ストーリーとレイアウトを担当予定だった)を務める。

1989年、『魔女の宅急便』では当初監督として準備班を指揮した後、宮崎の現場復帰に伴い演出補に退いた。虫プロダクションで劇場用アニメ映画『うしろの正面だあれ』画面構成を務めた後、『魔女の宅急便』の参加スタッフで結成されたSTUDIO 4℃の設立に参画。『アリーテ姫』は「構想8年、製作3年」といわれており、『魔女の宅急便』直後から構想され始めていたことになる。[8]

1983年4月に正社員になる。宮﨑に『風の谷のナウシカ』の脚本に誘うわれるも断ることになる。[11]

STUDIO 4℃で代表作『アリーテ姫』などを監督した後はマッドハウスに、さらにMAPPAに活動の拠点を移している。[11]

1998年、『この星の上に』はザグレブ国際アニメーション映画祭に入選、1999年のアヌシー国際アニメーション映画祭で特別上映。2002年、『アリーテ姫』は東京国際アニメフェア長編部門優秀作品賞を受ける。

2007年11月、フランス・リール市で回顧展上映が行われ、『名探偵ホームズ』、『アリーテ姫』、『この星の上に』、『BLACK LAGOON』(双子編)、『エースコンバット04』(ゲーム中からサイドストーリー部分だけを抜粋して短編映画としたもの)、『魔女の宅急便』、および当時製作公表前の『マイマイ新子と千年の魔法』のメイキング映像が上映された[12]

2009年『マイマイ新子と千年の魔法』がオタワ国際アニメーション映画祭で長編部門入選。

2016年11月13日、『この世界の片隅に』が広島国際映画祭2016で第1回ヒロシマ平和映画賞を受賞。また、第90回キネマ旬報ベスト・テンで監督賞を受賞[13]

航空史の研究家として執筆も行っている。特に第二次世界大戦前の日本の航空機メーカー史、航空機用塗料について造詣が深い。航空ジャーナリスト協会会員。

ノルシュテイン大賞審査員、飛騨メルヘン・アニメ映像祭審査員、文化庁アニメーションブートキャンプ講師、あにめたまご(文化庁若手アニメーター育成プロジェクト)講師を歴任。

主な作品リスト[編集]

テレビアニメ[編集]

アニメ映画[編集]

OVA[編集]

ゲーム[編集]

その他[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ “(各駅停話)江古田駅 アニメ支える人材育てる”. 朝日新聞. (2016年6月16日). http://www.asahi.com/articles/ASJ5R3WJVJ5RUTIL01P.html 2016年11月29日閲覧。 
  2. ^ 悲しみの中でつかまえていく人生の実り 『この世界の片隅に』片渕須直監督の情熱”. エンタメステーション (2016年11月16日). 2016年11月29日閲覧。
  3. ^ 戦争の怖さの中で、ごく普通の日常が輝きだす『この世界の片隅に』片渕監督インタビュー”. ウルトラ18 (2016年11月12日). 2016年11月29日閲覧。
  4. ^ アニメは今、何を描き得るのか? 片渕・神山・瀬下監督がシンポジウムで語ったこと”. KAI-YOU (2016年11月8日). 2016年11月29日閲覧。
  5. ^ 「劇場アニメ最前線」片渕須直、神山健治、瀬下寛之が今後の挑戦を明かす”. アニメ!アニメ! (2016年11月4日). 2016年11月29日閲覧。
  6. ^ http://style.fm/as/05_column/katabuchi/katabuchi_006.shtml
  7. ^ http://style.fm/as/05_column/katabuchi/katabuchi_008.shtml
  8. ^ a b http://style.fm/as/05_column/katabuchi/katabuchi_009.shtml
  9. ^ http://style.fm/as/05_column/katabuchi/katabuchi_014.shtml
  10. ^ http://style.fm/as/05_column/katabuchi/katabuchi_015.shtml
  11. ^ a b http://style.fm/as/05_column/katabuchi/katabuchi_030.shtml
  12. ^ Sunao Katabuchi à Lille”. MANGA SANCTUARY (2007年11月6日). 2016年11月29日閲覧。
  13. ^ “キネマ旬報ベスト・テン決定、「この世界の片隅に」「ハドソン川の奇跡」が1位に”. 映画ナタリー. (2017年1月10日). http://natalie.mu/eiga/news/216247 2017年1月10日閲覧。 
  14. ^ The Blinkins: The Bear and the Blizzard (1986)”. IMDb.com, Inc.. 2016年11月22日閲覧。
  15. ^ 作品紹介 のたり松太郎”. 虫プロダクション. 2016年11月29日閲覧。
  16. ^ 『エースコンバット7』開発陣インタビュー完全版!「3つの軸を追求します」”. ファミ通.com (2015年12月17日). 2016年11月29日閲覧。
  17. ^ mishmash*第3弾ミュージックビデオは、クラウドファンディングで3,600万円集め話題の片渕須直監督によるアニメーション!”. UtaTen (2015年6月12日). 2016年11月29日閲覧。
  18. ^ mishmash*Aimee Isobe、片渕須直監督によるアニメMV公開”. M-ON!Press (2015年7月15日). 2016年11月29日閲覧。

外部リンク[編集]