地獄楽

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地獄楽
ジャンル 忍法浪漫活劇
漫画
作者 賀来ゆうじ
出版社 集英社
掲載サイト 少年ジャンプ+
レーベル ジャンプコミックス
発表期間 2018年1月22日 - 連載中
巻数 既刊10巻(2020年6月4日現在)
漫画:じごくらく ~最強の抜け忍 がまんの画眉丸~
原作・原案など 賀来ゆうじ
作画 おおはし
出版社 集英社
掲載誌 少年ジャンプ+
発表号 2020年1月20日 - 連載中
テンプレート - ノート

地獄楽』(じごくらく)は、賀来ゆうじによる日本漫画江戸時代後期、死罪人・画眉丸らが不老不死の仙薬を探しに向かう忍法浪漫。賀来にとって2作目の連載作品。ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』(集英社)2018年1月22日より毎週月曜更新で連載中。

江戸時代が舞台だが、英語などの外来語が使われることがある。これについて、賀来は「読者にとって漫画はラーメン待っている間の暇つぶし」という考えのもと、気軽に読めるようにするためだとしている[1]

単行本は新刊が出るたびに即重版出来になっており、2018年8月には『少年ジャンプ+』人気No.1作品とされた[2][注 1]。2019年には、「集英社PUSH3作品」に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されている『呪術廻戦』『アクタージュ act-age』と並び選出された[4]。同年11月には『SPY×FAMILY』に人気No.1を譲ったものの、依然として『少年ジャンプ+』の看板作品として扱われている[5]

2019年9月には小説版が発売された。『少年ジャンプ+』2020年1月20日よりスピンオフ『じごくらく ~最強の抜け忍 がまんの画眉丸~』が連載中。

制作[編集]

エピソード全体の流れ→印象的なシーン→キャラクターに言ってほしいセリフ、の順でネームが作られている。“気持ち良さ”に繋がるとして、フィクションの中にリアルな要素が「ほんのちょこっと」入れられている。賀来は、人間同士が出会うことで変わらざるをえない部分を描きたいとしている[6]

処刑人と死罪人が閉鎖空間にいるという所から物語が構想された。しかし、設定説明だけの漫画になりそうだったため、キャラクターを作って改めてストーリーとキャラをすり合わせられた[7]。賀来によると、過去作『FANTASMA』では他人に向けて描き続けていたが人気が出ず、『地獄楽』では自分の好きに描いたが、その方が好評だったという。そのため、本作で自分がまず楽しむことで、読者も感化されて楽しんでもらえるのではないかと述べている[6]

本作連載前、編集者から絵に課題点があると指摘されたため、賀来は『首斬り朝』など小池一夫劇画作品を研究し、特に連載初期は劇画タッチを意識して描いていた。また、他作品と差をつけるために、バンド・デシネフランスなどの漫画)を参考のひとつにした[6]

読者から「残酷だ」と言われることもある。賀来は『北斗の拳』・『覚悟のススメ』・『グラップラー刃牙』・『ベルセルク』・『寄生獣』などの影響を受けており、「熱い話を描こうとすると血みどろになっちゃうというのは普通」という感覚で描いているとしている。また本作の連載準備中、親戚の殺陣師から殺陣のレクチャーを受け、「基本的に刀は、一度抜いたからにはどちらかが死なない限り絶対に納めることはない」ということを学んだ。そのとき、刀を扱うからには残酷な描写は避けられないと思ったという[6]

あらすじ[編集]

時は江戸時代末期となる頃――。かつて最強の忍として畏れられた画眉丸は、死罪人として囚われていた。そんな中、打ち首執行人の山田浅ェ門佐切から極楽浄土と噂される島にあるとされる「不老不死の仙薬」を持ち帰ることを無罪放免の条件として告げられる。死罪人の監視のため同行する打ち首執行人・山田浅ェ門一族や無罪放免を求める他の死罪人達と、一見美しいが恐ろしい化物の住む謎の島で仙薬を奪い合うことになる。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

画眉丸(がびまる)
本作の主人公。「画眉丸」は石隠れの里の筆頭に与えられる屋号であり本名ではない。渾名は「がらんの画眉丸」。血も涙もない「がらんどう」な人間という事が由来。
一人称は「ワシ」。小柄な体と白髪が特徴。虚無的な性格だが、気になったことや愚痴を口にするときは多少粘着気質なこともある。
出生は岩隠れの里長に両親を殺され、忍者として育てられた。妻と共に里を抜けたいと考え、最後の仕事として請け負った任務で裏切られ捕縛された。死罪になるも、斬首しても刀が折れ、火刑でも燃えないなど、強靭な生命力によって殺すことはできず、派遣された佐切が斬首を担当する。死を受け入れているように見えて抵抗していることを佐切に指摘され、愛する妻と再び会うために佐切の提案を受け入れる。
火を扱う忍術に長ける。タオは「火」。
山田浅ェ門佐切(やまだあさえもん さぎり)
山田浅ェ門家の現当主の実娘。打ち首執行人。試一刀流十二位。一人称は「私」。
人の死と、死体を使った試し切りや副産物を生業とする家に生まれた業を見極めたいと、女性ながら御様御用(おためしごよう)の道を選んだ。様々な想いが彼女の太刀筋を鈍らせているが、迷いが消えたときの佐切の実力は周囲の浅ェ門達も高く評価している。彼女の気迫には画眉丸も死のイメージを見る。
当所は無表情且つ無愛想で頭が固く融通が効かなかったが、島で画眉丸達と戦い抜くなかで自分の強さも弱さも受け入れて成長していく。タオは「木」。

死罪人[編集]

杠(ゆずりは)
自称甲斐忍者のくのいち。「傾主の杠」の異名をもつ。
任務で潜入した鷺羽城で家臣を全員打ち倒した手練れ。奔放で自己中心的な言動が多く、茂籠牧耶を実験台に使う冷酷さもあるが、生死を共にする仲間たちに情がない訳ではない。何をしても生き抜くという姿勢は夭折した妹・小夜の分まで生きるという想いが元になっている。
監視役は仙汰。タオは「土」。
亜左弔兵衛(あざ ちょうべえ)
伊予で若くして大盗賊団を作り上げた賊王。
赤稿藩の武家出身だが、藩の改易、母の死、藩主仇討ちに参加した父の刑死など不幸が重なり盗賊へ落ちぶれた。判断力・分析力・対応力・人心掌握に優れる。唯一の身内である弟の桐馬を何より大切に思い、監視役も桐馬が務める。タオは「金」。
民谷厳鉄斎(たみや がんてつさい)
「剣龍」「八州無双」と讃えられる剣豪
藩主に気に入られたが、「は切れまい」との軽口に反発し、藩主邸の門を竜の扁額ごと一刀両断して死罪となる。寿命としての不老不死に興味がないが、伝説の剣豪として後世に名を遺す野望がある。島上陸直後、毒虫に左手を刺され、危険を感じ左手首を即座に切り落とした(切り落とされた手首は花に寄生された)。以後は付知に状の義手を付けてもらう。
監視役は付知。タオは「火」。
ヌルガイ
サンカ(山の民)の末裔。鍛えられた体と言動から少年に見えるが実は少女。
道に迷った侍を助けたため、山に隠れ住む一族の存在を知られ、虐殺された上まつろわぬ民として死罪人にされた。自分が村を滅ぼしたという自責の念に囚われ自暴自棄になっていたが、取り調べと監視を担当していた典坐に生き抜くよう説得される。タオは「水」。
陸郎太(ろくろうた)
備前の大巨人(だいだらぼっち)」の異名を持つ。
3m以上の異常な巨躯と怪力を持つが知能は低く、空腹になると泣きわめいて見境なく暴れる。その結果、意図せず両親を初め、周囲の人間を殺害してきた。暴走して監視役の衛善を殺害し、画眉丸達にも襲いかかって島の化け物にも劣らない脅威となる。
その異様な力は、無意識にタオを使っていたのではないかと後に推察される。
いがみの慶雲
「百本狩り」の異名をもつ。僧兵の修行中に武具の魅力に憑りつかれ、多くの寺社仏閣を破壊、武芸者から武器を奪い集めて死罪人となる。上陸後にライバルを減らそうと手縄をした画眉丸を襲うも、返り討ちに遭う。監視役は期聖。
あか絹(あかぎぬ)
「人喰い花魁」の異名をもつ美女。男性を誘惑しては殺す、男性専門の殺人鬼。コミックスの地獄楽装束指南では「赫絹」という字が当てられている。
島に上陸後、監視役の士遠を誘惑しようとしたが通じず、規律違反として処刑された。
茂籠牧耶(もろ まきや)
ころび伴天連」の異名をもつ。新興宗教教祖
信者を使って倒幕を目論んだ。杠に籠絡され、島の生物対策の実験台としてとことん使い潰されれた。監視役は源嗣。
法流坊(ほうるぼう)
多数の殺人強盗強姦のため死罪人となった。異様に長く柔らかい蛸のような手足をもつ。上陸前にライバルを減らそうと弔兵衛を襲うも、返り討ちにされる。監視役は十禾。

山田浅ェ門[編集]

士遠(しおん)
試一刀流四位。生まれつき盲目だが物質が放つ気配(=タオ。殊現により「波」と命名)を読むことができ、健常者以上の動きができる。
幼い頃はそれを利用して母と旅芸人をしていた。両目の大きな傷は、芸の口上に箔をつけるために母がつけた。弟子の典坐を可愛がる。
冷静怜悧な男だが、「目」「見える」に絡めた冗談を言うのが趣味。早くからヌルガイが少女ということも感知する。他の人間に旨いことを言われると悔しがる。タオは「木」。
付知(ふち)
試一刀流九位。腰にはいつも解剖道具を下げ、島の生物も解剖して大喜びするマッドサイエンティスト
処刑された遺体の解剖が得意で、身体の構造に通じる。新薬開発も担当する。小柄な体を活かし、俊敏な動きで剣を振るう。二振りの愛刀は先が大きく反り返ったような形とノコギリのような形で、背に背負う。この刀もまた解剖に向いた形になっている。タオは「金」。
桐馬(とうま)
弔兵衛の実弟。入門1ヶ月で代行免許を与えられた天才。位は未所持。
女性と見紛うような容貌。捕らえられた兄を助け出すため山田家に入門した。兄に全幅の信頼を置く。巌鉄斎に剣技が付け焼き刃であること、兄に頼りすぎていることを指摘され、頭を下げて教えを請う。タオの性質は「土」。
仙汰(せんた)
試一刀流五位。人が良そさそうな小肥りの眼鏡の男。
絵を描くことが好きだったが、実家のしきたりで山田家に入門した。救いを求めて様々な宗教を研究した。その他、蘭学植物学など様々な知識に明るい学者肌。浅ェ門達では珍しく、フェンシングのような突きを多用した剣技で戦う。しきたりに縛られていたため、杠の奔放な言動に憧れを感じる。ムーダンの弱点を見破り、勝利に貢献したが致命傷を負わされ、杠の腕の中で息絶える。
典坐(てんざ)
試一刀流十位。語尾に「~っす」とつけるのが口癖の体育会系青年。
街で無頼の日々を過ごしていたが、士遠に拾われ浅ェ門門弟になった。物事を深く考えるのは苦手だが、自分に正直で明るく前向きな性格は士遠やヌルガイの癒しとなる。サンカというだけでヌルガイが死罪とされることに納得できず、ヌルガイに生き抜くよう説得する。ヌルガイには「婿に来い」とプロポーズされている。士遠にヌルガイを託し、ヂュジンに殺された。
衛善(えいぜん)
試一刀流一位。浅エ門門弟をまとめ上げる優秀なリーダー。
右目に眼帯をしている。空腹で暴れだした陸郎太の力の異常さを見抜けず、一撃で殺害されてしまう。
源嗣(げんじ)
試一刀流八位。牧耶の担当。浅黒い肌の巨漢。
女性に弱く、所杠に籠絡される。。佐切が浅ェ門の道を進むことをよく思わず、厳しい態度をとる。しかし、暴走した陸郎太から佐切を庇って致命傷を負う。佐切に刀を渡し、陸郎太を斬るよう力付ける。
期聖(きしょう)
試一刀流十一位。
担当していた慶雲が画眉丸に敗れ、任務終了として島を離れるも、典坐とヌルガイにより船の中で花に寄生された無残な姿で発見される。
十禾(じっか)
試一刀流三位。
監視担当していた放流坊が弔兵衛に倒され、嬉々として帰路につく。飄々として何かとサボろうとするふざけた男に見えるが、実力と判断力は高い。帰路を阻む海の化け物を倒して江戸に生還するが、殊現らとともに再び島に送り込まれる。

追加組[編集]

殊現(しゅげん)
試一刀流二位。カリスマ性も高く、実践剣術でも一流の腕前を持つ。佐切達が島へ上陸してから3日後に追加として派遣される。付知・士遠から得ていた筋肉構造や波(=タオ)の知識を生かし、門神や下級道士の襲撃も初見で難なく撃退する。
山田家一門には情け深いが、親を殺されているため罪人に対しては非常に苛烈で独善的である。盗賊の尋問のために、その一族を乳児に至るまで百名以上惨殺したこともある。
威鈴(いすず)
殊現とともに追加派遣された浅ェ門。女性ながら双刃の剛剣を操り、別式(女性の指南役)を務める大柄な美女。源嗣の妹。
清丸(きよまる)
殊現とともに追加派遣された浅ェ門。若年者のため段位は得ていないが才能を認められている少年。無邪気で冷酷。

天仙[編集]

メイ
徐福によって作り出された天仙の一人。
仙薬(丹)製造に木人達を犠牲にし始めた蓮を諫めたが、彼に胚(力の中心)を破壊され力の大半を失う。さらに、道士達の房中術相手にされそうになったため、逃げ出して木人に拾われた。普段は幼女の姿だが、タオを消費すると元の大人の体に近づき、さらに使いすぎると体が樹化する。
画眉丸達の様子を見に来て捕らえられ、和解したあとは島の事やタオの事を教える。
蓮(リェン)/普賢上帝
徐福が産み出した最初の天仙の一人。天仙達のリーダー格。
不老不死の仙丹をつくる外丹法の研究を続ける。外丹花のタオを押さえ込んだ弔兵衛を研究し、不老不死の丹を作り出す神獣盤古」を完成させ、日本本土の住民を丹に変換しようと目論む。タオは「土」。
菊花(ジュファ)/ア閦大帝(あしゅくたいてい)
桃花のペア。彼女と房中術を修める。
桃花を守ることを第一に考える。気性が荒いが、外丹法研究に木人を犠牲にしていることや、そこまでしても不老不死になれないことを憂う。鬼尸解したときは桃花と合体し巨大な化け物となる。タオは「火」。
桃花(タオファ)/ラトナ大聖(らとなたいせい)
菊花のペア。彼と房中術を修める。
明るく天真爛漫に振うが、木人など生き物を丹として犠牲にしていることへの深い憂いを隠している。やがて心を磨り減らし、外の人間をおびき寄せる事を発案する。タオは「木」。
牡丹(ムーダン)/不空就君(ふくうじゅくん)
周天(気功法)を修める。
蓬莱に最初にたどり着いた佐切達の前に現れる。捕らえた人間を殭屍にして操る。木人の首をはね飛ばし、彼らの信仰を作り物と嘲笑うが、佐切らによって倒される。タオは「土」。
朱槿(ヂュジン)/如イ元君(にょいげんくん)
胎息(呼吸法)を修める。
よく体の性別を入れ換え、それによって体にタオを循環させる。典坐・ヌルガイの前に現れ、典坐を殺害。その後直後に画眉丸とも戦い、タオの大半を失って一時老人のような姿になる。タオは「水」
蘭(ラン)/准胝帝君(じゅんでいていくん)
導引(体操法)を修める。そのためかよくヨガのようなポーズを取る。
蓮を兄上、メイを姉上と呼ぶ。無機物を操ることが得意で、島の建物・石像の改修を担う。その力で蓬莱の建物を移動させ、煉丹宮の位置を偽装する。タオは「水」。
9巻のおまけでは意外に世話好きな一面が描かれる。
桂花(グイファ)/文殊公々(もんじゅこうこう)
守一(瞑想法)を修める。
タオは「金」。メイによると、いつも本などで顔を隠すのは、ひどい人見知りのため。常に雌雄同体を保ち、一人でタオを循環させる。
淡々とした性格で、敵意をみせず、侵入を謝罪し島を出るという佐切を攻撃することはなかった。

石隠れ衆の里[編集]

里長
石隠れ衆忍を支配する男で画眉丸の義父。
残忍な性格。不死と噂されている。里を抜けたいと申し出た画眉丸を罠にはめる。
結(ゆい)
石隠れ衆の里長の娘で画眉丸の妻。心優しく朗らかな女性。
父親によって顔の右半面に火傷を負わされた。冷酷な父親と対照的に画眉丸に人としての温かい心と暮らしを教え、彼が里を抜けるきっかけとなる。
杠に幻術で実在しないのではないかと指摘されているが、画眉丸は彼女の存在を感じている。
シジャ(次代画眉丸)
次代『画眉丸』として選ばれた青年。主人公の修行仲間だが、幼い頃から彼を崇拝し、彼を貶める者は影で惨殺していた。
画眉丸(主人公)を連れ戻したいと考え、彼を殺す使命を受けた今は「殺されてもいい、殺したい」と歪んだ愛情を持つ。
雲霧(くもきり)
画眉丸の修行仲間で元部下。左目の白目部分が黒いのが特徴。島に向かう船中で清丸に忠誠を問われ、その証しとして「とおりゃんせ」を歌いながらあっさりと自害して見せる。

その他の登場人物[編集]

徳川斉慶(とくがわ なりよし)
この世界の江戸幕府第11代征夷大将軍。あるかどうかもわからない仙薬を求めさせたり、罪人に殺しあいをさせて喜ぶなど驕慢な人物。
木人(ほうこ)
島の一般島民の最期の生き残り。木でできた化物のような姿をしているが元は人間の姿をしていた。
穏やかな人柄。メイに危害を加えないことを条件に、画眉丸一行に食事・休憩場所を提供し、知っている事もすべて教える。画眉丸らには特に敵意も好意もないが、手助けしたのは天仙に殺されてしまうだろうという憐みからである。幼くして樹化した娘と同じ年頃の姿をしていたメイを保護し、メイも父親として慕っている。
徐福(シューフゥ/じょふく)
不老不死を研究する伝説の方士。
始皇帝に仕え、不老不死の仙薬を得るため多くの人々を連れて海をわたり、日本で消息を絶ったとされる。メイによればこの島を作り上げたのは徐福だという。
彼はタオを直接改造する術にたどり着き、生物同士のタオを掛け合わせ分解し継ぎ直し、不死を目指した。その課程で天仙をはじめ、島に住む生物たちを作り出した。天仙達は宗師と呼ぶ。

用語[編集]

山田浅ェ門(やまだあさえもん)
斬首と試し切りを生業とする一門。モデルは実在する山田浅右衛門
当代当主は吉次。「山田浅ェ門」は当主が名乗る名で、家名でもある。流派は試(ためし)一刀流。位は実力のほか、次代当主としての適正で決まり、世襲制ではない。幕府から浪人扱いされ、公職でないため決まった俸禄は出ない。
本業の他、刀剣鑑定、死体売買、死体を材料とした製薬などの副業も行い、これで大きな収入を得る。
石隠れ衆(いわがくれしゅう)
伊州(伊賀)の忍び里のひとつ。石隠れ衆の里長は不死と言われる。
タオ
この世の万物に内在する力。生命とも言える。
生物は勿論、建物や大気のような無機物にも存在する。天仙たちは千年ものあいだこのタオを操る修行を続けていた。タオには五つの属性があり、五行相克に沿った相性がある。
生まれつき盲目だった士遠はタオを波動として感知しており、画眉丸や杠の異能の忍術はタオを利用したものだと思われる。佐切も画眉丸や陸郎太の発するタオを多少感知していた。
なお、杠の故郷では「氣(き)」と呼んでいたため、「タオ」にはこの字を当てている。
天仙
植物と徐福の気を掛け合わせて生み出された人造人間
雌雄同体で陰陽によるタオの増強が一人でできる。本来生物が生命活動や時間によって失うタオを千年間鍛練し続けている。傷を負ってもすぐ回復し、老いずにいつまでも若々しく美しいが、丹によるタオの補給があってこそで、本当の不老不死ではない。いつまで続くかわからない日々に内心飽いている者もいる。
人型の時はヘソの下(丹田)が弱点。「鬼尸解」すると植物と人が混ざったような化物になり、攻撃力も上がるが、タオを大量消費する。鬼尸解の姿では植物の胚殊にあたる部分が弱点で、ここを破壊され再生を止められると死に至る。
相克のタオなら一撃、相克でなくとも貫いたままにしておくなどすれば倒せる。
島(こたく)
琉球付近の南海に存在し、海岸線から島の中心部までは30㎞以上あると思われる大きな島。天仙や画眉丸達は単に「島」と呼ぶが、住民である木人は「こたく」と呼ぶ。
様々な花が咲き乱れ、が舞い、夢のように美しい神仙郷に見えるが、知識のある者からみれば人工的な不気味さを感じる。蝶は人の顔に似た頭部が付き、これに刺されると花に寄生され、燐粉には幻覚作用や毒がある。
幕府は調査団を計5回送るも、戻ってきた者は花に寄生される病になるか、全身がバラバラにされて花の苗床のような状態になっており、60名もの人間が消息不明となった。時の将軍・斉慶はこの不思議を見て「仙薬があるに違いない」と決めつけた。
島の形状は不明だが、同心円状の三つのエリアからなり、外側から門神や毒虫のいる瀛州(えいしゅう)木人や竈神がすまう方丈(ほうじょう)、天仙達が住まう蓬莱がある。1度島に上陸すると海流や海に潜む海神と呼ばれる化物に阻まれ脱出は難しい。
蓮によれば島は不死の命を作り出し観察するために徐福が作り上げた研究室実験場であるという。
木人(ほうこ)(種族としての木人)
島の「方丈」と呼ばれるエリアに住んでいた一般島民。天仙の試作品として生み出され、不死者がどう生活するかを観察するための存在。
人と同じ姿で寿命は長く、再生力も高く、死ぬときは次第に樹化する。年齢に関係なく、幼くして樹化する場合もある。
天仙を神と崇め、死後は天仙のすまう蓬莱へが行くと考える。樹化が進むと蓬莱の手前に座して念仏を唱えながら意識がなくなるのを待つ。この独特の宗教観は自然発生ではなく、天仙たちが植え付けた。
蓮が天仙達のタオを補うために丹の材料にしたこともあり、修業開始から200年後には村は崩壊した。画眉丸らの上陸時点では、メイを保護していた木人しか残っていなかった。それぞれ個別名があるかは不明。
丹(たん)
仙薬。木人や人間に外丹花(ワイタンファ)を寄生させ、タオを抽出して作られる。
タオは通常の生命活動でも日々消費されるため、天仙たちはこれを飲んでタオを補う。普通の人間が口にすれば花化するという。特に人間の持つタオからは上質な丹が得られるとしている。
道士
天仙達の弟子。メイを連れ戻しに来た道士によると、性別は男のみ。
やはり人間と別の生物を掛け合わせたような奇怪な姿だが、竈神達とは違い人間サイズで知性もある。天仙達にタオを学び、修行の手伝いや身の回りの世話、島の警備や雑事を行う。階級があり、上から神仙→上仙→地仙→道士となっている。
門神
島の外縁部を守る化物。目から掌が生え、舌の長い巨大な生物。
二足歩行・四足走行ができる。錫杖のようなものが体に取り付けられている。「馬笛」と呼ばれる特殊な笛で操ることができる。
竈神(そうしん)
人に似た形のもの、魚や虫と人が融合したようなものなど、色々な形がある化物たち。
その奇妙な醜怪さを仙汰は「できそこないの神様」と表現する。数珠・錫杖を持ち、「殺しは罪です」など殺生を戒めるような事を喋り続け、逆らった者を攻撃する。島の中域を徘徊する。
元は不死に近いため命の概念が薄い木人達への道徳教育用に作られた生物だった。
海神
島の周りの海域に巣くう化物。島から出ようとする者を阻む。
十禾はこれを倒したうえ、江戸に持ち帰る。

書誌情報[編集]

漫画[編集]

  • 賀来ゆうじ 『地獄楽』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉、既刊10巻(2020年6月4日現在)
    1. 2018年4月4日発売[8]ISBN 978-4-08-881471-1
    2. 2018年6月4日発売[9]ISBN 978-4-08-881502-2
    3. 2018年8月3日発売[10]ISBN 978-4-08-881546-6
    4. 2018年11月2日発売[11]ISBN 978-4-08-881601-2
    5. 2019年3月4日発売[12]ISBN 978-4-08-881697-5
    6. 2019年6月4日発売[13]ISBN 978-4-08-881803-0
    7. 2019年9月4日発売[14]ISBN 978-4-08-882056-9
    8. 2019年12月4日発売[15]ISBN 978-4-08-882148-1
    9. 2020年3月4日発売[16]ISBN 978-4-08-882230-3
    10. 2020年6月4日発売[17]ISBN 978-4-08-882338-6

小説[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 本作以前には『カラダ探し』・『終末のハーレム』・『ファイアパンチ』が「歴代TOP3」として挙げられていた[3]

出典[編集]

  1. ^ 賀来ゆうじTitter 2019年3月19日”. 2019年5月6日閲覧。
  2. ^ "「ジャンプ+」人気No.1作品『地獄楽』、ジャンプ出張掲載が大好評!". 2020年3月2日閲覧
  3. ^ "億ヒット連発しなければ、業界として失敗『少年ジャンプ+』編集長のマンガ論". 2019年8月2日閲覧
  4. ^ 公式Titter 2019年2月27日”. 2019年5月6日閲覧。
  5. ^ 『ジャンプ+』無料デジタル雑誌創刊 『左ききのエレン』『花のち晴れ』ら12作品掲載 2019年12月22日閲覧
  6. ^ a b c d 賀来ゆうじ×三浦建太郎 対談”. 2019年5月6日閲覧。
  7. ^ サクライタケシすすめ!ジャンプへっぽこ探検隊!【20話】持ち込め!新人作家!持ち込みの極意!!”. 2019年5月6日閲覧。
  8. ^ 地獄楽 1”. 集英社マンガネット S-MANGA.net. 集英社. 2019年9月4日閲覧。
  9. ^ 地獄楽 2”. 集英社マンガネット S-MANGA.net. 集英社. 2019年9月4日閲覧。
  10. ^ 地獄楽 3”. 集英社マンガネット S-MANGA.net. 集英社. 2019年9月4日閲覧。
  11. ^ 地獄楽 4”. 集英社マンガネット S-MANGA.net. 集英社. 2019年9月4日閲覧。
  12. ^ 地獄楽 5”. 集英社マンガネット S-MANGA.net. 集英社. 2019年9月4日閲覧。
  13. ^ 地獄楽 6”. 集英社マンガネット S-MANGA.net. 集英社. 2019年9月4日閲覧。
  14. ^ 地獄楽 7”. 集英社マンガネット S-MANGA.net. 集英社. 2019年9月4日閲覧。
  15. ^ 地獄楽 8/賀来 ゆうじ”. 集英社コミック公式 S-MANGA. 2020年1月20日閲覧。
  16. ^ 地獄楽 9/賀来 ゆうじ”. 集英社コミック公式 S-MANGA. 2020年3月4日閲覧。
  17. ^ 地獄楽 10/賀来 ゆうじ”. 集英社コミック公式 S-MANGA. 2020年6月4日閲覧。
  18. ^ 地獄楽 うたかたの夢|賀来ゆうじ / 菱川さかく|JUMP jBOOKS|”. 2019年9月4日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]