近鉄南大阪線

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近畿日本鉄道 南大阪線
26000系特急「さくらライナー」 (尺土駅 - 高田市駅間)
26000系特急「さくらライナー」
(尺土駅 - 高田市駅間)
26000系特急「さくらライナー」
(尺土駅 - 高田市駅間)
路線総延長39.7 km
軌間1067 mm
電圧1500 V(直流
最高速度110 km/h

南大阪線(みなみおおさかせん)は、大阪府大阪市阿倍野区大阪阿部野橋駅から奈良県橿原市橿原神宮前駅までを結ぶ近畿日本鉄道(近鉄)の鉄道路線

概要

大阪府南東部(南河内地域)の通勤通学および橿原飛鳥吉野方面への観光の足となっている。藤井寺駅 - 古市駅間は数多くの古墳を避けながら通る。上ノ太子駅周辺ではブドウの栽培が盛んで、同駅付近では車窓にブドウ畑が見られる。

大阪電気軌道(大軌)が敷設した多くの近鉄線(1435mmの標準軌)とは異なり、南大阪線系(南大阪線、道明寺線長野線御所線吉野線)では1067mmの狭軌が採用されている。これは、元々同線と道明寺線と長野線が大阪鉄道(大鉄)によって敷設されたが、その当初の目的が道明寺線柏原駅において接続する関西本線と提携して貨物輸送を行うことであったためである。

また、全線がほぼ大阪線と並行しているが、当線のほうは前述のように古墳や山岳地帯を避ける形で敷設されたためにカーブが多いこと、それに建設費の都合で規格が低く抑えられたため、最高速度は大阪線の120km/hよりも低い110km/hに抑えられている。

大阪市内の大阪阿部野橋駅から、矢田駅 - 河内天美駅間にある大和川橋梁までは高架橋となっているが、このうち河堀口駅 - 矢田駅間に関しては、高架化の際に仮線を設けず在来線の地上線の真上にそのまま高架線を建設する「直上高架方式」で施工された。

スルッとKANSAI対応カードおよびJスルーカード自動券売機での乗車券引き換えのみ)、ICカードPiTaPaICOCAが使用できる。

路線データ

  • 路線距離(営業キロ):39.7km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:28駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線電化(直流1500V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 最高速度:110km/h(特急)、100km/h(一般車両)
  • 運転指令所:近鉄天王寺指令

全線、大阪輸送統括部(旧天王寺営業局)の管轄である。

運行形態

大阪阿部野橋駅から長野線吉野線と直通運転を行っている。御所線とも古市折り返しおよび大阪阿部野橋行のみだが直通運転がある。大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間には急行などのほか、「さくらライナー」などの特急が運転されている。ダイヤは基本的に大阪阿部野橋発ではわかりやすく、できるだけ等間隔にそろえられている。

列車種別

急行

終日運転されている。基本的には吉野線に直通し、昼間時には大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間で毎時2本運転されている。南大阪線内の特急の停車駅に古市駅を追加したもので、吉野線内は各駅に停車する。したがって南大阪線における長距離の料金不要優等種別であるうえ、事実上の吉野線の鈍行列車でもある。春の土休日には当麻寺駅二上神社口駅に、秋の土休日には上ノ太子駅に臨時停車する列車がある。

平日の朝夕ラッシュ時には大阪阿部野橋駅 - 長野線河内長野駅間の列車(長野線内は各駅に停車)が、平日の朝と晩には橿原神宮前発大阪阿部野橋行が、平日の早朝には下り古市発橿原神宮前行が運転されている(下り古市発橿原神宮前行は2012年3月20日のダイヤ変更以前は平日の夕方ラッシュにも運転された。これは大阪阿部野橋発古市行準急が古市駅で種別変更されたものだった)。また2011年3月16日のダイヤ変更では新たに平日夕ラッシュ時に長野線富田林駅発大阪阿部野橋行が運転されるようになった。

平日朝8時台には下りに大阪阿部野橋発古市行急行も運転されていたが、2011年3月16日のダイヤ変更で廃止された。これは古市検車区への入庫を兼ねた列車だった。しかしこのダイヤ変更で上り平日深夜22時台に古市発大阪阿部野橋行き急行が運転を開始した。これらは急行停車駅1駅間のみの運行となっている。

5月上旬から中旬の土休日には御所線近鉄御所駅まで直通する臨時急行「葛城高原号」も運転されている。

定期列車は、近鉄他線区の急行とは違って特急を待避しない(1990年以降)。大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間の急行の所要時間は90分強で、特急と急行の所要時間差は約15分強である。このため下りについては、急行が大阪阿部野橋駅を発車してから20分後に発車する特急より2 - 3分早く吉野駅へ到着し、上りは特急の3分後に急行が発車して約20分後に大阪阿部野橋駅へ到着するダイヤが基本パターンとなっている。南大阪線内では最長8両編成で、吉野線では最長4両編成。

区間急行

上りは橿原神宮前発大阪阿部野橋行が平日の朝に1本、下りは大阪阿部野橋発橿原神宮前行が深夜に平日3本、土休日1本運転されている。急行の停車駅に浮孔駅坊城駅橿原神宮西口駅が追加され、尺土駅以東は各駅に停車する。下りの深夜の一部列車は橿原神宮前駅で種別を変更して吉野行きの普通として運転する列車もある(種別変更運転の理由は吉野線の項を参照のこと)。最長編成は大阪阿部野橋駅 - 古市駅間は8両、古市駅 - 橿原神宮前駅間は6両。

1972年以前の急行は尺土駅以東は各駅に停車し、現在の区間急行と同じ停車駅であった。この時に、従来の停車駅の列車を朝ラッシュ時の橿原神宮前発大阪阿部野橋行に残して区間急行が設定された。1980年代前半までは朝の大阪阿部野橋行のみの設定であったが、現行ダイヤへの過渡期である1989年から1990年にかけては、昼間にも毎時1本運転されていたことがあった。また2011年3月13日までは、土休日のみであったが吉野線吉野発も運転していた。2010年3月19日のダイヤ変更で平日朝の大阪阿部野橋行は廃止されたが、2011年3月16日のダイヤ変更で1本のみ復活している。

2011年3月16日現在、近鉄全体ではこの区間のみに設定されている列車種別であり、英文表記は Suburban Express (方向幕における表示は「 SUB. EXP. 」)である。

準急

終日、大阪阿部野橋駅 - 橿原神宮前駅・長野線河内長野駅間で運転されている。大阪近郊における短距離の優等種別という位置づけで、昼間時は橿原神宮前駅発着が毎時2本、長野線直通河内長野駅発着が毎時4本、合計6本運転される。つまり大阪阿部野橋駅には急行の3倍の数の準急が発着することになり、古市駅以西では準急主体のダイヤとなっているといえる。

途中駅で乗降客数が最も多いクラスにある藤井寺駅河内松原駅の両駅を急行が通過し、代わりに準急を頻繁に運転させるダイヤが組まれているが、これは大阪阿部野橋駅から比較的近く、かつ乗降客数の多い駅の利便性を向上させることよりも、むしろ急行を中長距離の乗客の輸送に特化させて乗客の遠近分離を図った方が、ターミナルを離れるにつれ急激に利用客が減少する沿線事情に適しているという理由である。近鉄のほとんどの主要幹線の急行と準急は、始発駅付近でこうした停車駅パターンを採用している。

普通が激減する藤井寺駅以東での各駅停車としての役割を担っており、長野線直通準急の約半数が古市駅で吉野駅発着の急行と、橿原神宮前駅発着の大半の列車が尺土駅で特急と、それぞれ緩急接続を行っている。

朝ラッシュ時には御所線近鉄御所発大阪阿部野橋行が、吉野線直通としては土休日に下りが1本上りが2本の吉野駅発着便が運転されているほか、下り朝夕ラッシュ時には古市駅で橿原神宮前行と富田林行に分割される列車や、平日の夕ラッシュ時の下りや平日の深夜の上りに古市駅を発着する列車、朝ラッシュ終わり・夕ラッシュ・深夜時間帯には古市駅で河内長野行と橿原神宮前行または御所行普通列車に分割される列車もある。また橿原神宮前駅発着の大半の準急は古市駅で増解結作業を行う。

1965年改正までは土師ノ里駅は通過していた。現在は普通が一部をのぞき藤井寺までの運転となったこともあり停車している。また、1990年までは日中にも吉野線・御所線直通の列車がそれぞれ片道毎時1本の割合で運転されていた。2012年3月20日ダイヤ改正では夕方ラッシュ時に古市駅から橿原神宮前行急行に種別変更する列車が橿原神宮前行準急に変更され、種別変更を行わなくなった。

普通(各駅停車)

終日運転されているが、全線を通しで運転するのは早朝・深夜のごく僅かのみ(このうち平日の早朝の下りと深夜の上りは吉野線直通もあり)で、事実上古市駅を境に運転系統が分かれている。古市駅以西では大阪阿部野橋駅 - 藤井寺駅(昼間時などの一部は古市駅)間での運転が基本で、昼間時は藤井寺駅折返しが毎時4本、古市駅折返しが毎時2本運転されている。また河内天美駅の隣に古市検車区天美車庫がある関係で、早朝に河内天美発大阪阿部野橋行きが、深夜には大阪阿部野橋発河内天美行きがある。1980年頃までは針中野駅の乗降客が非常に多かったことからラッシュ時を中心に河内天美駅折り返しの普通列車も多く運転されていたが、同年11月27日大阪市営地下鉄谷町線八尾南駅延伸に伴う駒川中野駅の開業により針中野駅の利用客が激減し、現在は早朝に上り1本と深夜に下りが平日に3本、土休日に2本が残るのみとなっている。

朝および深夜をのぞく大阪阿部野橋駅 - 藤井寺駅間の運用においては、通常今川駅で準急(上りの一部列車をのぞく)、河内天美駅で特急または急行(一部列車をのぞく)を通過待避し、河内松原駅で、下りはさらにもう1本後、上りはさらにもう1本前の準急と緩急接続する。河内松原駅で緩急接続する列車は、下りは大阪阿部野橋駅を2本後(13分後)に出発、上りは大阪阿部野橋駅に13分前に到着する準急となり、優等列車と普通列車の所要時間差が大きいダイヤが組まれている。最長6両編成。

藤井寺駅 - 古市駅間は概ね11 - 15時台のみである(土・休日は9 - 10時台・16 - 17時台にも一部運転あり)。

古市駅以東では古市駅 - 橿原神宮前駅間での運転が基本(早朝上下線・深夜上りには吉野線直通もあり)で、一部列車は2両編成のワンマン運転となっている。この区間では準急も各駅に停車し、準急の多くが長野線直通としているため、普通を運転することで運転本数を確保している。昼間時は毎時2本で、大阪阿部野橋駅発着の準急と交互に運転している。また平日の上りは朝は古市駅 - 御所線近鉄御所駅間の直通列車が運転主体となるため、尺土駅 - 橿原神宮前駅間の区間運転列車が運転される。夕ラッシュには終点の橿原神宮前駅にて、吉野線橿原神宮前駅 - 吉野口駅間の普通に系統変更して引き続き運転されたり、古市行の普通が御所行に行き先変更をして実質大阪阿部野橋発御所行として運転されている列車もある。2012年3月20日のダイヤ改正では夕方ラッシュ時の古市駅で急行に種別変更を行う準急が全区間準急として運転される(藤井寺駅以東は各駅に停車)ために同時間帯は古市 - 橿原神宮前駅間は全列車準急として運転されるようになった。これにより御所線への直通運転や尺土駅 - 橿原神宮前駅間の区間運転列車はなくなった。最長4両編成。

深夜には長野線から直通する河内長野発大阪阿部野橋行も運転されている。また土休日の早朝には長野線へ直通する大阪阿部野橋発河内長野行も運転されている。

快速急行

行楽シーズンに臨時列車として運転されている。停車駅は南大阪線内は急行、吉野線内は特急と同じである(つまり特急の停車駅に古市駅を加えたもの)。最長4両編成(南大阪線内は最長8両編成)。

急行は特急待避をしないが、快速急行については橿原神宮前駅で特急待避および時刻調整を行うため、橿原神宮前駅で最長12分停車する。このため大阪阿部野橋駅 - 吉野間の所要時間は1時間45分前後と同時間帯の急行より10分程度所要時間が長くかかっている。吉野線区間においても52 - 53分と、同区間を各駅に停車する急行とほぼ同じ所要時間である。

その他

かつては快速も運転されていた。

運転本数

種別
\駅名
大阪阿部野橋 藤井寺 古市 橿原神宮前
運行本数 特急 1 - 2本
急行 2本
準急 6本 2本
普通 6本 2本

日中の1時間毎の運転本数をまとめると、右図の通り。このうち、特急1 - 2本、急行2本が吉野線に、準急4本が長野線に乗り入れる。

臨機応変な車両運用

南大阪線の特色として、大阪阿部野橋駅 - 古市駅の間に利用客が集中しており、古市駅を境に利用客が激減することや電気などの付帯設備の省エネ化をしている関係で、主に古市駅を境に終日、車両の切り離し(下り列車)・増結(上り列車)を行ったり、切り離された車両を使っての運用や、古市行または橿原神宮前行の列車を到着時に種別変更をして運転を続行させる等、関西大手私鉄の路線の中では、かなりの臨機応変な列車運用を行っている。都市から放射状に延びる路線はターミナル駅を離れるにつれ、利用客が減少していくのが通常であり、途中の駅で二つの行き先に分割して運転される例はあるが、南大阪線のように臨機応変な列車運用をしている路線は珍しい。近鉄の他の路線では、奈良線京都線橿原線大和西大寺行き、名古屋線四日市行き、伊勢中川行きの一部の列車で終点到着後に種別・行先を変えて運用を行っている。

時間帯別においては次の通り。

朝夕ラッシュ時 3 - 4両⇔5 - 8両

  • 急行・区間急行 …橿原神宮前駅・古市駅・尺土駅・長野線富田林駅での切り離し・増結を行う。切り離した車両を橿原神宮前行や御所行普通に種別変更して運転される列車もある。休日においても一部の列車が5両以上で運転され、切り離し・増結を行う。
  • 準急 …古市駅・長野線富田林駅で切り離し・増結を行う。一部列車は古市駅で橿原神宮前行と富田林行に切り離しされる列車や、古市駅で切り離した後一部の車両を、橿原神宮前行急行に種別変更して運転される列車、及び後部車両を御所行き普通に種別変更するものもある。

日中 2・3両⇔4・5両

  • 急行 …日中は基本的に全線4両編成で運転するため、切り離し・増結は行わない。これ以外の列車においては朝は7 - 8両、夕方以降は6両で運転するため、途中駅での切り離しを行う。夕ラッシュ時には、橿原神宮前 → 古市間を2両編成で運転する急行もある。
  • 準急 …日中においても、古市で大阪阿部野橋駅 - 橿原神宮前駅間運転の準急の切り離し・増結を行う(4両編成で運転される一部の列車をのぞく)。これは大阪阿部野橋駅 - 古市駅間の準急・普通の日中の基本編成が4 - 5両であるのに対し、駒ヶ谷駅 - 磐城駅間の各駅のホームの有効長が4両編成までしか対応していないためである。大阪阿部野橋駅での折り返し時に普通と準急の車両を入れ替える運用があるため、橿原神宮前行の準急に5両編成の列車が当たる場合があり、このときに切り離しが行われる。ちなみに長野線富田林以南の駅は5両編成まで対応できるため、大阪阿部野橋駅 - 河内長野駅間で運転される準急の切り離し・増結運転は行われない。

深夜 3 - 4両⇔5 - 8両

  • 準急…一部の列車が8両編成で運転しており、古市駅で前5両河内長野行、後3両御所行普通にそれぞれ切り離される。

その他

  • 特急にも、朝夕のラッシュ時に橿原神宮前で切り離し・増結を行う列車がある(2・4両⇔4・6・8両)。
  • 一部の橿原神宮前行の普通列車も、橿原神宮前駅で吉野口行の普通列車(この逆もあり)に行先を変更して運転されることもある。
  • 列車により編成がバラバラであり、何両編成の列車が来るかはその列車に乗り慣れた者にしかわからない。

臨時列車・愛称列車

南大阪線は近鉄他線区とは違い、季節に応じて臨時列車(愛称付き列車)を多彩に運行している。愛称列車については小型の愛称板が掲出される。

  • ※印の列車は2008年度に愛称板を掲出して運転している列車。
  • 運転本数は2008年度のもの。愛称を付けていない列車については直近の本数。

通年

バファローズ号
大阪ドーム大阪近鉄バファローズ主催試合が行われていた際、試合開始時間に合わせて河内長野駅・橿原神宮前駅→大阪阿部野橋駅間の準急および吉野駅→大阪阿部野橋駅間の急行に愛称板が取り付けられていた。
本拠地を藤井寺球場としていた時には、臨時列車なども運転されており、急行・区間急行などが藤井寺駅に臨時停車していた。また大阪阿部野橋駅発着の臨時準急(河内松原のみ停車)と臨時快速急行(無停車)も試合開始前と試合終了後に設定されていた。

春季

さくら号

(4月 - 6月中旬)

※さくら号
吉野山の開花に合わせ、臨時快速急行が大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間で毎日運転され、愛称板を掲出して最大8往復設定されている。桜の見頃が平年よりも早い時期には愛称板を掲出せず運転されていたこともあった。
ぼたん号
「さくら号」の運転終了後からゴールデンウィークまでの土休日に大阪阿部野橋駅 - 橿原神宮前駅で運転されていた。定期の急行2往復に愛称板が取り付けられ、ボタンで有名な石光寺・當麻寺への参拝者のため二上神社口駅・当麻寺駅に臨時停車していた。このため「ぼたん号」は4両編成で運転する。
※葛城高原号
大和葛城山ツツジが群生しており、見頃のシーズンとなる5月上旬から中旬の土休日に大阪阿部野橋駅 - 近鉄御所駅間で臨時急行として2往復、愛称板を掲出して運転されている。
大阪阿部野橋駅 - 近鉄御所駅間では「つつじ号」として愛称板を取り付けて運転されていたが、これがなくなり、2001年から再び運転されるようになった。
あすか・みよしの号
「さくら号」の運転終了後からゴールデンウィークまでの土休日に大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間で運転され、定期急行の2往復に愛称板を取り付けていた。1989年頃までは快速急行として運転し、二上神社口駅・当麻寺駅に臨時停車していた。
新緑号
「あすか・みよしの号」の掲出終了後から6月前半までの土休日に、大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間で運転され、定期急行の2往復に愛称板を取り付けていた。
あじさい号
大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間の定期急行2往復のうち、大阪阿部野橋駅 - 橿原神宮前駅間に愛称板が取り付けられ、「新緑号」の掲出終了後から6月中旬までの土休日まで運転されていた。大阪阿部野橋駅 - 橿原神宮前駅間で定期急行が設定されていた時期には、その列車に愛称板が掲出されていた。

そのほか5月14日の當麻寺練供養の際には、4両編成で運転のごく一部の急行が当麻寺駅に臨時停車する。

夏季

臨時列車の富田林行準急
2005年まで運転されていた富田林行急行
PL花火
毎年、8月1日に富田林市で行われるPL花火芸術の観覧客輸送のため、当日12時以降は特別ダイヤで運転されている。愛称板を掲出していた時期もあったが、現在は掲出されていない。
特急
もともと、長野線発着となる特急列車の設定がなく、PL花火臨時においても特急列車の設定は皆無であったが、2010年は従来の臨時列車のほか、26000系「さくらライナー」を2本連結した8両編成で大阪阿部野橋発富田林行きの臨時特急(往路のみ)が運転された。この列車には「PL花火芸術号」という愛称付ヘッドマークが運転室内より掲出された。
急行
通常の吉野・橿原神宮前発着の急行に加え、以下の列車が運転された。
2005年まで:定期列車にない大阪阿部野橋発富田林行き急行を運転(通常の河内長野行きを富田林行きに変更)。
2006年:河内長野発大阪阿部野橋行きのみ、5両編成で運転。
2007年:設定無し。
2008年:古市発大阪阿部野橋行きを運転。
2009年:河内長野発大阪阿部野橋行きと富田林発大阪阿部野橋行きを運転。
2010年:送り込みを兼ねた古市発大阪阿部野橋行きを運転。
2011年:送り込みを兼ねた富田林発大阪阿部野橋行きを運転。
準急
大阪阿部野橋駅 - 富田林駅間(夜間の下り列車は大阪阿部野橋駅 - 古市駅間)で最多で5分おきに頻発される、近鉄の臨時列車の中で最も本数の多い列車で花火観客輸送の主役を担う。土休日にも編成が6 - 8両とラッシュ時並みの運行となる。また2008年は折り返し上り普通の送り込み運用目的または花火輸送と夕ラッシュ時の通勤輸送を区別するためか、大阪阿部野橋発藤井寺行きが運転された(2009年は土曜日また2010年は日曜日なので運転されていない)。
大半の列車が富田林駅まで8両編成で運転されるために通常の橿原神宮前駅・河内長野駅発着の列車は運転されない。前者は古市駅 - 橿原神宮前駅間の普通となり、後者は大阪阿部野橋駅発着の普通で運転される。これに伴い後述の夕方以降の吉野行き急行が通常6両編成が4両編成に減車される。2009年からは20時以降河内長野発大阪阿部野橋行き準急も運転されている。また2010年以降は深夜に大阪阿部野橋発河内長野行きも運転されている。近年は富田林駅発着となる列車が8両、河内長野駅発着となる列車は折り返し普通列車となる場合もあることから、古市駅での連結作業を行わず5両で運転される(一部、富田林駅発着となる運用に回る場合は古市で連結作業を行う)。
普通
終日、大阪阿部野橋駅から発車する普通列車は基本的に藤井寺駅・古市駅までの運転となるが、これに加え、年次により以下のような列車が設定された。
2005年まで:古市駅 - 富田林駅・河内長野駅間の区間列車を運転(これに加え、2004年には大阪阿部野橋駅 - 橿原神宮前駅間直通の普通列車も運転)。
2006年以降:大阪阿部野橋駅 - 河内長野駅間直通の普通列車を運転(これに加え、2006年は一部古市駅 - 河内長野駅間の区間列車を運転)。
2010年:大阪阿部野橋駅 - 河内長野駅間直通列車のほか、深夜時間帯に大阪阿部野橋発富田林行き直通列車を運転(当日の富田林行き最終列車)。
このほか、大阪阿部野橋駅から橿原神宮前行き・古市行き準急として運転し、古市駅で種別・行先変更して運転されることもあった(橿原神宮前行きは古市駅で切り離した車両をそのまま長野線普通として運転)。花火観客輸送列車の車両確保のため、通常5 - 6両で運転されている夕ラッシュ時の普通の大半が4両編成に変更して運転されていたが、近年は大阪阿部野橋-河内長野間運転の列車が増えたことで、輸送力確保のためか5両編成で運転される列車が増加傾向にあり、古市駅 - 橿原神宮前駅間の区間列車も通常は2両の列車も4両で運転される列車が設定された。ただし夕方以降の吉野発着の急行の大部分が4両(通常は平日6両)に減車され通勤客の混雑を招いている。
ぶどう号
1958年9月に臨時準急として大阪阿部野橋駅 - 駒ヶ谷駅回送二上山駅)間で運転され、1962年からは8月・9月の休日に2往復が運転されていたが、1969年以後は3 - 4往復運転されていた。1980年代頃まで、7月下旬から9月上旬の期間、朝夕の急行の一部が駒ヶ谷駅に臨時停車していた。

秋季

(9月 - 11月)

なし狩号
9月の土休日に、大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間の定期急行1往復に愛称が名付けられ、の形をあしらった愛称板を掲出して運転していた。定期特急に愛称を名付けていたり、快速急行を運転して、大阿太駅に臨時停車していた時期もあった。福神駅・大阿太駅周辺は、奈良県内で梨の産地で有名である。
なし狩り号は、その前身となる「20世紀号」という名称で、快速急行として1970年から運転を開始し、その後1979年からは大阪阿部野橋駅 - 下市口駅間で特急列車として運転し、大阿太駅に臨時停車していた。
特急列車に愛称板を掲出する場合の車種ごとの取り扱いは以下の通り。
  • 16000系:通常使用している行先方向板の代わりに愛称板を掲出。
  • 16010系:貫通扉の行先方向幕に加え、サボ受けに愛称板を掲出。
  • 16400系:車外に愛称板を掲出するサボ受けがないため、愛称板は未掲出の状態で運転。
大台号
大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間の定期特急1往復に名付けられていた愛称で、10月から11月中旬に運転されていた。大台ヶ原山をイメージした愛称板が取り付けられていた。愛称板の掲出については、なし狩号と同様の取り扱いであった。
あすか・みよしの号
大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間の定期急行2往復に愛称が付けられ、10月から11月中旬の土休日に愛称板を掲出して運転していた。

このほか10月下旬から11月上旬の土休日に近鉄指定の観光農園で行われるみかん狩りに行く旅客の利便性向上のため、上ノ太子駅に臨時停車する定期急行がある。

冬季

開運号
6820系の開運号

(12月 - 3月)

※越年号
大晦日から元旦にかけての終夜運転実施時に、古市駅に停車する特急に名付けられる愛称であった。現在でも終夜運転の特急は古市駅に停車するものの、愛称は廃止されており、このため愛称板は掲出されていない。
※開運号
橿原神宮へ参拝する旅客の利便性向上のため、大阪阿部野橋駅 - 橿原神宮前駅間で臨時急行が11往復運転されている。愛称板も掲出し、基本的に正月三が日の運転であるが、曜日配列によっては4日にも運転されている。なお、6820系のみ臨時急行の表示はなく急行と表示して運転する。
臨時急行により三が日の日中は、大阪阿部野橋駅 - 橿原神宮前駅間は急行が毎時4本となる。1990年代前半頃までは急行とは異なる「臨時急行 EXP.(EXTRA)」という種別の列車であり、河内松原駅・藤井寺駅・土師ノ里駅・道明寺駅にも停車していたが、現在ではこの4駅を通過している。特に1990年頃までは、正月三が日は定期列車も含めて大幅なダイヤ変更が行われていた。この名残で、方向幕に「臨時急行」の表示が用意されている(車両のアイデントラ設定機にも開運号が使用する「K急」が残されている)。また現在でも平日の夕ラッシュ時に古市駅以西準急・古市駅以東急行という列車があるためこの列車の停車駅はかつての臨時急行と同じである。
建国号
2月11日(建国記念の日)に橿原神宮で行われる紀元祭にあわせて、大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間の定期急行2本のうち、橿原神宮前までの区間に愛称が名付けられ、愛称板も掲出していた。
終夜運転

橿原神宮への初詣客などに利用されており、2010年12月31日から2011年1月1日にかけての終夜運転は、大阪阿部野橋駅 - 橿原神宮前駅間で特急は60分間隔(3時、4時代の運転はなし)、普通がそれぞれ30分間隔で運転し、一部列車は吉野駅まで運転されている。 なお、2009年度は南大阪線系統全体で30分間隔に縮小されている。これ以前は特急も普通も20分間隔で、1990年代後半までは特急も普通も15分間隔で運転されており、長期的には縮小傾向にある。

その他

吉野線沿線には飛鳥や吉野などの観光地があり、春や秋のシーズンにはラジオ番組や新聞社主催のハイキングが開催されている。それに合わせた臨時列車も多く運転されている。また、ラジオウォークなど沿線で行われるイベントにあわせて取り付けられるヘッドマークも多い。

乗務員

乗務員は特急のみ通し乗務で、それ以外は古市駅で交替する。ただし、長野線直通列車(準急)は古市駅で乗務交代を行わずそのまま河内長野駅まで乗務する場合もある。

車両

南大阪線系統では、1980年代後半から1990年代前半にかけて6400系列を一挙に投入して世代交代が一気にすすめられたことや、2000年代後半には阪神電気鉄道との相互直通運転に備えて奈良・京都線系統へ優先的に新車を投入したことなどから、2002年(平成14年)に6820系が2本投入されて以来、特急用車両を含めて新車が投入されない状況が続いていたが、2010年(平成22年)になって新型特急車両16600系が製造され、同年6月19日より営業運転を開始した[1]

なお、南大阪線系統各車両は全車が古市車庫の所属となっており、列車検査(JRでいう仕業検査)・月検査(同じく交番検査)は同所で行われるものの(列車検査は同所のほか天美車庫・六田車庫でも行われる)、要部検査・全般検査は五位堂検修車庫で行われることになっている。入場の際には橿原神宮前駅の東側にある台車振替場で標準軌用の仮台車に交換され、電動貨車モト90形(モト97・98)に牽引されて八木西口駅から大阪線への短絡線を経由して五位堂検修車庫へ輸送されることになっている。台車振替場で外された当該車両の正台車は輸送時にモト97・98の荷台に積まれる。

当線は府県境の上ノ太子駅 - 二上山駅間(穴虫峠)に33.3‰の連続勾配が存在するが、大阪線と異なり曲線を伴う勾配で通過速度が75km/h程度のため、勾配抑速ブレーキを使用するのは特急形車両のみで(その分通過速度が10km/h高い)、通勤形車両は(抑速ブレーキ付きの6422系以降も含め)通常のブレーキを用いて勾配を下る。

現有車両

6400系による普通(河内天美)

過去の車両

名古屋線が狭軌だった頃は、南大阪線と名古屋線でも車両の転属がある程度行われていた。また同様に狭軌である養老線(今の養老鉄道)へ車両自体・または台車のみでも転用されたケースが多い。

歴史

柏原駅 - 河内長野駅間(現在の道明寺線・長野線)を営業していた河南鉄道が、大阪鉄道と名を改め、自社路線で大阪に直通するべく建設した。河南鉄道創立当初は、柏原駅から関西本線へ乗り入れる計画であった。大阪天王寺駅(翌年に大阪阿部野橋駅と改称)まで開通し大阪進出を果たしたのは1923年のことである。次いで大和延長線を計画し、古市駅 - 久米寺駅(現在の橿原神宮前駅)間を1929年に全通させ、吉野鉄道線(後に大阪電気軌道吉野線となる)と直通運転を始めた。

なお大阪電気軌道(大軌)は、1925年までに現在の近鉄大阪線・橿原線に当たる路線の大阪上本町駅 - 八木西口駅 - 橿原神宮前駅(旧駅、後に現在の橿原神宮前駅に統合されて廃止)間の路線を開業させており、大阪鉄道のこの路線とは競合することになった。それでも吉野鉄道を買収した大軌が、自社線となった吉野線と大阪鉄道線の直通運転を開始したのは、大軌本来の路線の軌間は1435mm、大軌吉野線と大阪鉄道のそれは1067mmと、吉野線が大軌本来の路線とは軌間が合わず、大阪鉄道線とは合っていたからだとされる。

また大阪鉄道は、この大和延長線の建設が大きな負担となって経営難に陥り、久米寺駅開業の年には大軌の社長である金森又一郎が取締役に就任するなど、大軌の傘下に置かれることになった。その後1943年に、大阪鉄道は大軌を改めた関西急行鉄道(関急)に統合され、1944年には再編で近畿日本鉄道となった。

年表

  • 1898年(明治31年)3月24日河陽鉄道が道明寺駅 - 古市駅間を開業。
  • 1899年(明治32年)5月11日:河南鉄道が河陽鉄道の路線を継承し、河陽鉄道は解散。
  • 1911年(明治44年)8月15日:誉田駅(後の誉田八幡駅)開業[2]
  • 1919年(大正8年)3月8日:河南鉄道が大阪鉄道に社名変更。
  • 1922年(大正11年)4月18日:布忍駅 - 道明寺駅間が開業。
  • 1923年(大正12年)
    • 4月13日:大阪天王寺駅(現在の大阪阿部野橋駅) - 布忍駅間が開業。大阪天王寺駅 - 道明寺駅間が1500V電化。
    • 10月16日:道明寺駅 - 古市駅間が電化。河堀口駅開業。
    • 12月28日:北田辺駅開業。
  • 1924年(大正13年)
    • 6月:大阪天王寺駅を大阪阿部野橋駅に改称。
    • 6月1日:恵我ノ荘駅・御陵前駅・土師ノ里駅開業。
  • 1929年(昭和4年)3月29日:古市駅 - 久米寺駅(現在の橿原神宮前駅)間が開業し全通。吉野鉄道(現在の近鉄吉野線)と直通運転開始。
  • 1931年(昭和6年)6月1日:駒川駅(現在の今川駅)開業。
  • 1932年(昭和7年)9月1日:高見ノ里駅開業。
  • 1933年(昭和8年)4月1日:駒川駅を今川駅に、天美車庫前駅を河内天美駅に、御陵前駅を応神御陵前駅に、誉田駅を誉田八幡駅に改称。
  • 1936年(昭和11年)8月:大阪阿部野橋駅が移転し大阪阿部野橋駅 - 河堀口駅間0.1km延長。
  • 1937年(昭和12年)頃:(臨)屯鶴峰駅開業。
  • 1939年(昭和14年)8月15日:大和池尻駅(現在の橿原神宮西口駅) - 久米寺駅間の橿原神宮駅廃止。
  • 1940年(昭和15年)4月1日:久米寺駅を橿原神宮駅駅と改称し大軌の橿原神宮駅駅と統合。大和池尻駅を橿原神宮西口駅に改称。
  • 1943年(昭和18年)2月1日:関西急行鉄道が大阪鉄道を合併。同社の天王寺線となる。
  • 1944年(昭和19年)6月1日:関西急行鉄道が南海鉄道を合併し近畿日本鉄道に社名変更。同時に南大阪線と改称。
  • 1945年(昭和20年)
    • 2月11日:尺土駅 - 橿原神宮駅駅間単線化。
    • 6月1日:河堀口駅・応神御陵前駅・誉田八幡駅・橿原神宮西口駅休止。
  • 年月日不明 電車のドア開閉が手動から自動に。大阪市内へ乗り入れている路線では最も遅かった(路面電車を除く)。
  • 1946年(昭和21年)
    • 2月8日:尺土駅 - 高田町駅(現在の高田市駅)間再複線化。
    • 6月1日:河堀口駅営業再開。
    • 12月25日:橿原神宮西口駅営業再開。
  • 1948年(昭和23年)1月1日:高田町駅を高田市駅に改称。
  • 1965年(昭和40年)3月18日:大阪阿部野橋駅 - 吉野駅間に定期特急の運転開始。
  • 1967年(昭和42年)2月25日:高田市駅 - 橿原神宮駅駅間再複線化。
  • 1968年(昭和43年)9月26日ATS使用開始。
  • 1970年(昭和45年)3月1日:橿原神宮駅駅を橿原神宮前駅に改称。
  • 1974年(昭和49年)7月20日:応神御陵前駅・誉田八幡駅・(臨)屯鶴峰駅廃止。
  • 1975年(昭和50年)7月1日:針中野駅 - (大和川橋梁)間下り線立体交差化。
  • 1976年(昭和51年)2月21日:針中野駅 - (大和川橋梁)間上り線立体交差化。
  • 1986年(昭和61年)8月10日:大阪阿部野橋駅 - (あびこ筋東側)間の一部が立体交差化。
  • 1987年(昭和62年)12月6日:(あびこ筋東側) - 針中野駅間立体交差化。大阪市内全区間の連続立体交差完成。
  • 1990年(平成2年)3月15日26000系(さくらライナー)の営業運転開始。吉野特急の30分ヘッド運転開始。昼間の区間急行を急行に格上げして毎時2本とし、準急・普通を増発して毎時各6本とするなど、現在に至るダイヤの原型ができあがる(この時までは、1時間周期のダイヤが組まれていた。昼間時においても、平日と休日では行先などが多少異なるダイヤを使用していた)。
  • 1996年(平成8年)
    • 3月15日:尺土・高田市・橿原神宮前の各駅でホームの8両対応工事が完了、特急・急行が大阪阿部野橋駅 - 橿原神宮前駅間で最大8両運転となり、平日朝の上りに26000系2本併結の特急も運転開始(近鉄では珍しい非貫通編成の重連となる)。
    • 6月1日:16400系 (ACE) の営業運転開始。
  • 1997年(平成9年)
    • 3月18日:大阪阿部野橋駅 - 古市駅間で多層立て列車(朝夕の準急が大阪阿部野橋駅 - 古市駅間で橿原神宮前行と富田林行を併結など)の運転開始。
    • 10月1日:大阪阿部野橋駅 - 古市駅間にご乗降確認システム「フェアシステムK」導入。
  • 1999年(平成11年)3月16日:吉野特急の停車駅に尺土駅を追加。
  • 2000年(平成12年)3月21日:古市駅 - 橿原神宮前駅間に「フェアシステムK」導入。
  • 2001年(平成13年)
  • 2002年(平成14年)
    • 3月20日:古市駅 - 橿原神宮前駅間一部普通列車ワンマン化。
    • :シリーズ21(6820系)の営業運転開始。
    • 12月1日:列車運行管理システムKOSMOS稼働開始。
  • 2007年(平成19年)4月1日:各駅でPiTaPaICOCAの取り扱い開始。
  • 2008年(平成20年)6月14日:大阪阿部野橋駅 - 今川駅間で車上速度パターン照査式ATS (ATS-SP) 使用開始。
  • 2009年(平成21年)
    • 3月1日:Jスルーカードの自動改札機・のりこし精算機での取り扱いを終了[3]
    • 3月20日:大阪阿部野橋駅の西口改札移設により、大阪阿部野橋駅 - 河堀口駅間0.1km短縮。
  • 2010年(平成22年)6月19日:新型特急車両16600系 (Ace) が営業運転を開始[1]

駅一覧

  • 停車駅
    • 普通:各駅に停車(表中省略)
    • 準急・区間急行・急行…●:停車、|:通過 
    • 特急は「近鉄特急」を参照
  • #印の駅は列車待避可能駅
駅名 駅間キロ 営業キロ 準急 区間急行 急行 接続路線 所在地
大阪阿部野橋駅 - 0.0 西日本旅客鉄道:大阪環状線関西本線大和路線)・阪和線天王寺駅
大阪市営地下鉄:■ 御堂筋線■ 谷町線…天王寺駅
阪堺電気軌道:上町線天王寺駅前駅
大阪府 大阪市
阿倍野区
河堀口駅 1.0 1.0  
北田辺駅 1.1 2.1   大阪市
東住吉区
今川駅# 0.6 2.7  
針中野駅 1.1 3.8  
矢田駅 1.3 5.1  
河内天美駅# 2.2 7.3   松原市
布忍駅 1.0 8.3  
高見ノ里駅 0.8 9.1  
河内松原駅# 0.9 10.0  
恵我ノ荘駅 1.6 11.6   羽曳野市
高鷲駅 1.0 12.6  
藤井寺駅# 1.1 13.7   藤井寺市
土師ノ里駅 1.9 15.6  
道明寺駅 0.7 16.3 近畿日本鉄道:道明寺線
古市駅# 2.0 18.3 近畿日本鉄道:長野線 羽曳野市
駒ヶ谷駅 1.7 20.0  
上ノ太子駅 2.0 22.0  
二上山駅 5.3 27.3   奈良県 香芝市
二上神社口駅 1.1 28.4   葛城市
当麻寺駅 2.0 30.4  
磐城駅 0.7 31.1  
尺土駅# 1.2 32.3 近畿日本鉄道:御所線
高田市駅 1.9 34.2   大和高田市
浮孔駅 1.4 35.6  
坊城駅 1.2 36.8   橿原市
橿原神宮西口駅 1.7 38.5  
橿原神宮前駅# 1.2 39.7 近畿日本鉄道:吉野線橿原線

阿部野橋ターミナルビル整備計画に伴い、大阪阿部野橋駅のホームが一部を除き約28m延伸されており、2009年3月20日に大阪阿部野橋駅西改札口が東側(ホーム側)に約35m移設され、同時に大阪阿部野橋駅からの営業キロの変更が行われた[4]

かつて存在した駅

  • 応神御陵前駅(藤井寺駅 - 土師ノ里駅間、1924年6月1日開業、1945年6月1日休止、1974年7月20日廃止)
  • 誉田八幡駅(道明寺駅 - 古市駅間、1911年8月15日開業[2]、1945年6月1日休止、1974年7月20日廃止)
  • (臨)屯鶴峰駅(上ノ太子駅 - 二上山駅間、1937年頃開業、1952年-1962年頃休止、1974年7月20日廃止)
  • 橿原神宮駅(橿原神宮西口駅 - 橿原神宮前駅間、1929年3月29日開業、1939年8月15日廃止)

主要駅の乗降客数

2008年11月18日調査による主要駅の乗降者数は次の通り[5]

  • 大阪阿部野橋 175,002人
  • 河内天美 16,437人
  • 河内松原 29,033人
  • 藤井寺 40,354人
  • 道明寺 7,458人
  • 古市 21,725人
  • 尺土 4,725人
  • 高田市 8,927人
  • 橿原神宮前 20,615人

脚注

  1. ^ a b 近鉄16600系が営業運転を開始 - 『鉄道ファン交友社 railf.jp鉄道ニュース 2010年6月20日
  2. ^ a b 鉄道省『鉄道停車場一覧』鉄道教育会、1926年、p.286(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  3. ^ Jスルーカードの利用終了について (PDF) - 近畿日本鉄道ほか 2008年12月2日
  4. ^ 3月20日から大阪阿部野橋駅西改札口が移設オープンします (PDF) - 近畿日本鉄道プレスリリース、2009年1月19日
  5. ^ 駅別乗降人員 南大阪線 吉野線 - 近畿日本鉄道

参考文献

関連項目