劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕
劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕 | |
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Pokémon The Movie 2000 The Power of One | |
監督 | 湯山邦彦 |
脚本 | 首藤剛志 |
製作 |
吉川兆二 松追由香子 盛武源 |
製作総指揮 |
久保雅一 川口孝司 |
出演者 |
松本梨香 大谷育江 飯塚雅弓 関智一 こおろぎさとみ 山寺宏一 鹿賀丈史 浜田雅功 |
音楽 |
宮崎慎二 たなかひろかず |
主題歌 | 「toi et moi」安室奈美恵 |
編集 |
辺見俊夫 伊藤裕 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1999年7月17日 |
上映時間 | 81分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 63億6000万円 |
前作 | 劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 |
次作 | 劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 ENTEI |
『劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕』(げきじょうばんポケットモンスター まぼろしのポケモン ルギアばくたん)は、1999年7月17日から公開されたテレビアニメ『ポケットモンスター』の劇場版第2作である。同時上映作品は『ピカチュウたんけんたい』。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
概要
製作発表当初はルギアを謎のポケモン「X(エックス)」とし公表しておらず、初期の特報映像でも水面を移動する影のみの発表だった。また、当時はアニメでケンジが登場していないなかったため、『犬山犬子のポケモンアワー』などで「サトシとカスミと一緒にいる少年は誰?」などの質問が寄せられた。興行収入63.6億円、1999年邦画興行成績第1位を記録した。
前作同様、全米でも『Pokémon The Movie 2000』として2000年7月21日に全米2750館で公開された。公開週の興行成績は約2000万ドル[1]。興行収入は4375万ドルと前作の半分近くの成績となったが、アメリカで公開された日本映画の中で第2位の記録となっている。
キャッチコピーは「命をかけてかかってこい!!」。予告編でもルギアが同じ台詞を言っているが、本編の台詞にはなく、それを思わせる展開も存在しない。これについて、脚本家の首藤剛志は、「脚本完成前に映画宣伝用として作られたシーンであろう」と述べている[2]。なお、このセリフは後にポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊にて、ダンジョンのボスとして登場するルギアのセリフに使われている。
本作はほとんどのシーンに海が登場している上、ラストシーンでは豪快な海のスペクタクルが起きているが、作画は手書きが大半を占めていた。彩色作業がデジタル方式に移行されているのは本作からである(一部シーンのみ)。
作品全体としては、豪快なアクションシーンを多用した「分かりやすい」子供の視点から楽しめるものとして作られた。しかし根底には、「他者の共生」「大人たちの行き過ぎた個人主義の功罪」について取り上げた社会的命題の提示部分も存在するという、隠されたメッセージを探求する大人の視点にも対応した「全年齢対象」の映画であった。しかし、前作が「自分自身の存在に対する疑問」や「クローンの人権問題」をストレートに語ったのに対し、今作はアクティブな展開を重視したストーリー構成に飲み込まれてしまい、そうした命題が一見しただけでは受け取りにくく、前作より評価され辛かった。本作では深層海流が物語の重要な要素となっている。
また、パンフレットの付録として作中に登場するミュウのポケモンカードが付けられている。
あらすじ
サトシ達一行は女船長のみっちゃんの船に乗せてもらい、オレンジ諸島を巡っていた。しかし嵐に見舞われ、オレンジ諸島の海の果て「アーシア島」にたどり着く。島は年に1度の祭りの日であり、サトシ達は島民から歓迎を受ける。
時を同じくして、世界中の珍しい物を集めているコレクターのジラルダンが自らの飛行宮を使い、炎の神であるファイヤーを捕らえる。
それを察知した雷の神サンダーと氷の神フリーザーが現れるが、ジラルダンの真の目的は海の神「ルギア」を捕獲し、自分のコレクションに加えることであった。
登場人物・キャスト
レギュラーキャラクター
詳細は個別記事かアニメ版ポケットモンスターの登場人物を参照。
- サトシ
- 本作の主人公。アーシア島の伝承にある「あやつり人」(ポケモントレーナー)として選ばれ、世界の危機を救うために奔走する。
- ピカチュウ
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- 声 - 大谷育江
- サトシの最初のポケモン。
- カスミ
-
- 声 - 飯塚雅弓
- サトシと旅をする水ポケモントレーナーである少女。
- ケンジ
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- 声 - 関智一
- サトシと旅をするポケモンウォッチャーである少年。
- トゲピー
-
- 声 - こおろぎさとみ
- カスミが所持するポケモンの1体。
- マリル
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- 声 - かないみか
- ケンジが所持するポケモンの1体。
- ムサシ
-
- 声 - 林原めぐみ
- ロケット団の一員。サトシ達を追ってアーシア島までやってくる。テレビ版同様ピカチュウを奪おうとしていたが、後にジラルダンの野望を知り、物語後半でサトシが氷の島に向かった際にコジロウやニャースと共にサトシに力を貸す。
- コジロウ
-
- 声 - 三木眞一郎
- ロケット団の一員。
- ニャース
-
- 声 - 犬山犬子
- ロケット団の一員。2足歩行して人間の言葉を喋る珍しいポケモン。
- ナレーター
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- 声 - 石塚運昇
ゲストキャラクター
- フルーラ
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- 声 - 平松晶子
- アーシア島に住む巫女の少女。現代っ子で、初対面のサトシにいきなり歓迎のキスをしたり、巫女の仕事もほぼアルバイト感覚でやっているなど、かなりフランクな性格。しかし、嵐の中、宝を取りに行ったサトシを心配し自ら助けに行くなど責任感が強い。当初はカスミと仲違いしていたが、最後には心を通じ合わせる。
- ジラルダン
-
- 声 - 鹿賀丈史
- 巨大な飛行宮に身を構えるコレクター。自分が望むものはいかなる手段を使ってもコレクションに加えようとする人物であり、伝説の鳥ポケモンたち、そしてルギアの捕獲を企む。その自己中心的な行動が世界のバランスを崩してしまい、各地で異常気象を引き起こすことになる。飛行宮が崩壊した後、その跡地から「ミュウのポケモンカード」を拾っている。その後の消息は不明。『水の都の護神 ラティアスとラティオス』のエンディングにおいて雑誌の写真で登場しており、おそらく世界的なコレクターとして有名なことがうかがえる。
- コンピューター
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- 声 - 篠原恵美
- ジラルダンが操る飛行宮のメインシステムをコントロールするAI。
- ヨーデル
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- 声 - 久川綾
- フルーラの姉。巫女の座を妹に譲ったが、真剣に巫女としての役割を果たさないフルーラを心配していた。
- 船長
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- 声 - 三石琴乃
- サトシ達をアーシア島まで乗せてくれた女船長。嵐の海でも宝のある島までサトシ達を乗せていった度胸の持ち主。ヨーデルの友人で「みっちゃん」と呼ばれている。
- 長老
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- 声 - 大塚周夫
- アーシア島の長老。島に訪れたサトシに儀式の「あやつり人になってくれ」と頼む。
- リポーター
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- 声 - 掛川裕彦
- アナウンサー
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- 声 - 加賀谷純一
- オーキド博士と共に中継ヘリに搭乗していたTV局関係者。
ゲストポケモン
- ルギア
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- 声 - 山寺宏一
- アーシア島の伝説に登場する「海の神」。ファイヤー、サンダー、フリーザーの3体が争い始めたことで世界のバランスが崩れたのを察知し、海底から姿を現す。人語を話すことができ、男性の声で喋る。ちなみにフルーラが吹く笛の音階は彼の鳴き声を模したものである。
- ファイヤー
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- 声 - 愛河里花子
- アーシア島の伝説に登場する「火の神」。3つの島の1つ「火の島」に住む。ルギアをおびき出そうとしたジラルダンにより最初に捕えられる。その後、サトシ達によりサンダーと共に救出されるも、フリーザー及びサンダーと争い始める。
- フリーザー
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- 声 - 冬馬由美
- アーシア島の伝説に登場する「氷の神」。3つの島の1つ「氷の島」に住む。3体の「神」のうち唯一ジラルダンに捕まるのを免れたものの、ファイヤー及びサンダーと争い始めアーシア島近辺の海を全て凍らせてしまう。
- サンダー
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- 声 - 小西克幸
- アーシア島の伝説に登場する「雷の神」。3つの島の1つ「雷の島」に住む。ファイヤーがジラルダンに捕えられた直後、ファイヤーが住んでいた「火の島」を乗っ取ろうとするが、待ち伏せしていたジラルダンに捕らえられる。後にサトシ達によりファイヤーと共に救出されるも、ファイヤー及びフリーザーと争い始める。
- ヤドキング
- アーシア島の伝説を知る生き証人の1人。人間の言葉で会話することができ、サトシたちに破滅の回避方法を教える。映画公開後、このヤドキングを主役にした「ヤドキングのいちにち」というミニアニメがテレビスペシャルで放映された。
その他
- オーキド博士
-
- 声 - 石塚運昇
- ポケモン学会の権威。アーシア島を中心に起こっている世界変動の原因を突き止め、TVを通じて全世界に向けて警告する。ちなみに、深層海流についての解説を求められた際に説明するタンパク質(アミノ酸)形成の話は、ユーリー-ミラーの実験をもとにしている。
- ハナコ
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- 声 - 豊島まさみ
- サトシの母。世界の異変の中心にサトシがいることを不安に思い、オーキド博士と共にオレンジ諸島へ向かう。
- ウチキド博士
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- 声 - 潘恵子
- オーキド博士の研究仲間。オレンジ諸島の女性ポケモン研究者。
- タケシ
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- 声 - 上田祐司
- ウチキド博士の助手。本作ではテレビ電話越しに一瞬登場するのみ。
- バリヤード
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- 声 - 上田祐司
- ハナコと共に暮らしているポケモン。他のポケモン同様、世界の異変を察知する。
- カメックス、モルフォン、コイル、オニドリル
- 世界の危機を察知し、アーシア諸島の凍りついた海を渡ってきたポケモンたち。
スタッフ
- 原案 - 田尻智
- スーパーバイザー - 石原恒和
- アニメーション監修 - 小田部羊一
- エグゼクティブプロデューサー - 久保雅一、川口孝司
- プロデューサー - 吉川兆二、松迫由香子、盛武源
- アニメーションプロデューサー - 奥野敏聡、神田修吉
- アソシエイトプロデューサー - 沢辺伸政、石川博、山内克仁、鶴宏明、紀伊高明、吉田紀之
- アシスタントプロデューサー - 永田優子、福田剛士
- デスク - 藁科久美子
- 脚本 - 首藤剛志
- 演出 - 日高政光、須藤典彦
- キャラクター原案 - 杉森建、森本茂樹、藤原基史、西田敦子
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 一石小百合
- デザインワークス - ゴトウマサユキ、西中康弘、そうま竜也
- 作画監督 - 松原徳弘、増永計介、田口広一、宮田忠明、玉川明洋、福本勝、つなきあき
- 動画チェック - 榎本富士香、廣岡歳仁、手島典子、野崎真一、大原真琴、古沢英明
- 色彩設計 - 吉野記通
- 色指定 - 加瀬結記
- 検査 - 水巻みゆき、飛田ひろみ、飯山敦子、奥井恵美子、手嶋明美、米田真一
- 特殊効果 - 太田憲之
- 美術監督 - 金村勝義
- 撮影監督 - 白井久男
- 編集 - ジェイフィルム(辺見俊夫、伊藤裕)
- 現像 - イマジカ
- 音楽 - 宮崎慎二、たなかひろかず
- 音楽プロデューサー - 斎藤裕二
- 一部原曲・作曲 - 増田順一
- 音響監督 - 三間雅文
- 音響プロデューサー - 南沢直義、西名武
- 制作担当 - 太田昌二、小板橋司
- 制作デスク - 岩佐岳
- 制作進行 - 岡島隆敏、西村博昭、吉田啓介、熊谷真琴、吉田信宏、坪井葉子
- 設定管理 - 播間香織
- アニメーション協力 - 動画工房、ゆめ太カンパニー、スタジオコクピット
- アニメーション制作 - OLM
- 制作 - 小学館プロダクション
- 監督・絵コンテ - 湯山邦彦
- 製作 - 河井常吉、富山幹太郎、坂本健、宮川鑛一、福田年秀、八木正男、ピカチュウプロジェクト99
原画
- 須田正巳 増尾昭一 岩根雅明 仙北寛 石原美恵子
- 池田弘子 坂本守 沢井隆二 牛来隆行 中田雅夫
- 森悦史 伊藤嘉之 高橋英吉 後藤雅博 秋元勇一
- 村松尚雄 浜田敬介 小菅和久 山崎展義 小山和洋
- 小林利充 今野淑子 今野博司 藤岡真紀 金子利恵
- 吉田健二 中西麻実子 佐々木敦子 谷口淳一郎 真庭秀明
- 平塚知哉 杉浦涼子 興石暁 小村井修 岡穣次
- 向田隆 東美帆 堤弘子
主題歌・その他
- オープニングテーマ「ライバル!」
- エンディングテーマ「toi et moi」
イメージソング
『劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕』オリジナルミュージックコレクションに収録されている。
- 「我はコレクター」
- 「はてしない世界」
- 「みんながいたから」
- 作詞 - 吉川兆二 / 作曲 - 貴三優大 / 歌 - 松本梨香
映像ソフト化
受賞歴
- 1999年度(第17回)ゴールデングロス賞優秀銀賞
- 1999年度(第3回)文化庁メディア芸術祭デジタルアート(ノンインタラクティブ)部門優秀賞。[4](1999年)
関連項目
脚注
外部リンク
- 映画紹介ページ(ポケモン公式)
- シナリオえーだば創作術 - この映画について第185回 - 第208回に記載。