ポケットモンスター 赤・緑

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ポケットモンスター 赤・緑
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 ゲームボーイ
開発元 ゲームフリーク
クリーチャーズ
発売元 任天堂
プロデューサー 宮本茂、川口孝司、石原恒和
ディレクター 田尻智
デザイナー 田尻智
シナリオ 田尻智、たにぐち りょうすけ、野々村文宏陣内弘之
プログラマー おおた たけのり、森本茂樹、渡辺哲也、増田順一
音楽 増田順一
美術 杉森建にしだあつこ藤原基史、森本茂樹
シリーズ ポケットモンスター
人数 1人(通信時2人)
メディア ゲームボーイ専用カートリッジ(4Mbitロムカセット
発売日 日本の旗1996年2月27日
売上本数 日本の旗約822万本(赤は約418万本、緑が約404万本)
世界3137万本(青を含む)
その他 揮発性メモリコイン型リチウム電池によるセーブデータのバッテリーバックアップ機能搭載
通信ケーブル対応
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ポケットモンスター 赤・緑』(ポケットモンスター あか・みどり)は、1996年2月27日に任天堂から発売されたゲームボーイロールプレイングゲーム。本作の別バージョンである『ポケットモンスター 青』と『ポケットモンスター ピカチュウ』も本記事で扱う。

本作のリメイクについては、『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』を参照すること。

概要[編集]

『ポケットモンスター 赤』と『ポケットモンスター 緑』は、ポケットモンスターの1作目であり、カードゲームやアニメを含め『ポケットモンスター』と名の付くものの中で最初の作品である。

このゲームの主な目的は、すべてのポケモンを集めて「ポケモンずかん」を完成させることであり、それに付随するシナリオとして、同い年のライバルとの競い合い、悪の組織の撃滅、各地のポケモンジムにいるジムリーダーとの戦い、勝利の証であるバッジを8つ全部を手に入れる、全てのバッジを手に入れたものだけが進めるポケモンリーグで四天王との対決という、一連の流れがある。このシナリオのプロットはポケモン本編シリーズすべてにほぼ同じ形で共通しており、最初の作品でありながらも、すでに『赤・緑』の時点で基礎が出来上がっていたといえる。

『赤』と『緑』の主な違いは特定のポケモンの出現率、出現するポケモンの種類の2点で、シナリオやテキストに違いはない。パッケージのポケモンは、『赤』が炎タイプのリザードン、『緑』が草タイプのフシギバナ。後述の別バージョン『青』『ピカチュウ』も含め、NINTENDO64ポケモンスタジアムシリーズすべてに対応している。

『赤』『緑』という色は、主人公が最初の1匹を選ぶため提示される3種のポケモンがそれぞれ「ほのお」「みず」「くさ」タイプのポケモンであることから、その中の炎、草をイメージする赤と緑が選ばれた。選択の経緯について田尻智は寒色である青を外したと語っているが、書籍によっては任天堂のキャラクターであるマリオとルイージに因んでいるともされる。なお、この3タイプから1匹目を選ぶ導入は以降のシリーズに踏襲されている(後述の『ピカチュウ』版が唯一の例外)。最初のポケモンは、ヒトカゲゼニガメフシギダネ。なお、本作を『赤・緑』とバージョン分けしているのは最初に発売された日本だけであり、海外では『赤・青』の2バージョン(例えば英語版では『RED・BLUE』)で発売されている。海外版『BLUE』の内容は日本語版の『緑』に準じている。

「ポケモンの種類の多さをとるか」「ポケモンにニックネームを付けられるようにする方をとるか」という選択に関し、スタッフ達の間で意見を募集したところ、ニックネームを採用した方が良いと言う声が多く上がった。[1]そのため、ニックネームを付けられるシステムを採用したが、これが容量を圧迫することとなり、当初は登場するポケモンの数が100匹以下まで大幅に削減されてしまった。しかし、その後、容量の増加が確保され、151匹まで出せるようになった。[2]一方、容量が増加したことで、本来であれば300匹ほどまでポケモンの数を確保することも可能であったが、他の要素も拡張したいというスタッフの意向から、最終的には151匹に纏まった[3]

発売から数ヵ月後に、コロコロコミック誌上で公開された幻のポケモンミュウが話題を呼んだ。シナリオ上では、ミュウは名前しか明かされず、開発者の遊び心によって「データはあるがゲームには登場させない」ことにしたとされる(すでに開発時にイベントでプレゼントすることも視野に入れていたという説もある)。公式にはイベントなどで配られていたが、バグを利用した非公式な裏技、またはデータを編集する改造ツールを使うとデータを得る事ができてしまうこともある(バグの利用はセーブデータを破壊する危険性が高い)。以降のシリーズにも通常では入手が不可能な幻のポケモンが存在する。

非常にバグが多いことでも有名である。先述のミュウをバグを利用して入手する裏技のほか、「けつばん」(=欠番、ダミーデータ由来のバグポケモン)や「わざマシン0X タイプ:おねえさん(バグ発生時に見られるポケモンの技のひとつ)」など多種多様なバグとそれにまつわる裏技が広く浸透していた。非公表だが、後期にはバグが修正されたバージョンも出荷されており、バグの発生するものと、発生しないものが市場には混在している。

基本的な部分は同じながらも一部内容が違うゲームソフトを2バージョンに分けて発売するという手法を用いたのは、本作が初となる。2つのバージョンに分ける意味づけとして、「異なるバージョン同士で通信をしないと全てのキャラクターが手に入らない」「通信交換で姿が変わるするキャラクターがいる」という点などが挙げられる。ソフトの売り上げを伸ばす策略として、以後同じようなシステム、販売方法を採用したゲームが登場した。

発売初週の出荷数は『赤・緑』合計で23万本程度だったが、翌年以降からアニメなどのメディアミックス化の影響で長期的ブームとなりロールプレイングゲームにおいて、販売本数世界一を記録した。この圧倒的な売り上げにより、終わりに向かっていたゲームボーイ市場は上向きとなり、携帯ゲーム機市場そのものが復活した。また、これにより後のゲームボーイカラーゲームボーイアドバンスと新たなプラットフォームが誕生することになる。

ゲームシステム[編集]

基本的なゲームシステムについて、

登場するポケモンについて、

道具について、

ポケットモンスターシリーズの根幹を成す「収集・育成・交換・対戦」は、すでに本作の時点で完成しており、最新作『ポケットモンスター X・Y』まですべての本編シリーズに受け継がれている。

ゲーム自体は、オーソドックスなRPGのシステムを採用しており、フィールドでは、民家に出入りしたり、人物と話をしたりすることで、シナリオを攻略するための情報や、アイテムを入手することができる。また、丸い球状のオブジェクトはアイテムで、こられを拾い集めるのも攻略の一環である。

戦闘画面では、向かい側の自分と向こう側の相手のポケモンが斜めに対峙する形になっており、「たたかう」「どうぐ」「ポケモン(交代)」「にげる」のコマンドを駆使して切り抜けていく。フィールドの草むらや洞窟を歩いていると野生のポケモンとの戦闘が発生することがある。また、トレーナーに話しかけたり、彼らの視界に入ることでトレーナーとの戦闘が発生する。どちらも同じバトルではあるが、後者は「にげる」ことができず、勝利した場合には賞金が貰えるをいう特徴がある。野生ポケモンとの戦闘では、「どうぐ」コマンドからモンスターボールなどのボールを使うことで、野生ポケモンを捕獲し、自分の仲間にすることができる。仲間にしたポケモンは、ゲーム内イベントで人からもらったポケモンと同じように育成や交換が可能。

ポケモンの能力値[編集]

ポケモンの能力をあらわすパラメータは、「HP」「こうげき」「ぼうぎょ」「すばやさ」「とくしゅ」の5項目が存在する。「HP」は体力を表し、0になると瀕死状態(戦闘不能)となる。「こうげき」は物理攻撃力、「ぼうぎょ」は物理防御力を表す。「すばやさ」は行動順を決め、値が1でも上回っているほうが先に行動できる。「とくしゅ」は特殊攻撃力と特殊防御力の両方を兼ねている。

ステータス画面で実際に見ることができる前述の5つの能力値は、3つの要素とレベルから算出された最終的な数値で、3つの要素とはそれぞれ、「ポケモンの種類ごとの能力」「生まれつきの強さ(個体差)」「きそポイント(基礎ポイント)」を指す。

ポケモンの種類ごとの能力は、その名のとおりポケモン1種類ごとの能力を数値化したもので、例えばサイドンの「こうげき」が高く、「すばやさ」が低いのは、種類ごとの能力がこのように設定されているからである。ただし、これは能力の傾向とでもいうべきものであって、個体差と基礎ポイントにより実際にステータス画面で見られる能力値はさまざまである。

生まれつきの強さはポケモンの個体差を表す数値で、「こうげき」「ぼうぎょ」「すばやさ」「とくしゅ」の4項目それぞれに存在する。「HP」の生まれつきの強さは、前述の4項目の値から算出される値のため、独立した項目としては存在しない。ゲーム中でポケモンを入手したときのこの値はソフトウェアあるいはハードウェア内で使用されている擬似乱数によって決まるため、4項目すべての最高の素質を持ったポケモンもいれば、すべて最低の素質しかないポケモンもいる。例えば、オーキド博士からもらったばかりのレベル5のヒトカゲのステータス画面での数値が、HP:19 こうげき:10 ぼうぎょ:9 すばやさ:12 とくしゅ11の場合もあれば、HP:20 こうげき:11 ぼうぎょ:10 すばやさ:13 とくしゅ10の場合もあるのは、この値がそれぞれ違っているからである。隠しパラメータではあるが、ゲーム内で手に入れたばかりのポケモンであればレベルと現在の能力値を元に内部パラメータの計算式を利用することで間接的に確認することができる。

基礎ポイントは、ポケモンの5つの能力それぞれに独立して存在する能力ごとの経験値とでもいうべき要素。ゲーム内で人からもらったり捕まえたばかりのポケモンは5項目とも例外なく0だが、戦闘で相手のポケモンを倒して経験値をもらうたびに、その都度倒したポケモンの「種類ごとの能力」5項目それぞれと同じ値を自分の5つの能力にそれぞれ対応する基礎ポイントとして蓄積する。 例えば、種類ごとの能力が、HP:105 こうげき:130 ぼうぎょ:120 すばやさ:40 とくしゅ:45のあるポケモンを倒して経験値をもらった場合、自分のポケモンの基礎ポイントの5項目にもそれぞれ、HP:+105 こうげき:+130 ぼうぎょ:+120 すばやさ:+40 とくしゅ:+45のように同じ値を加算していく。基礎ポイントが蓄積されると、レベルが上がったときの能力の伸びが大きくなる。また、ポケモンをパソコンに預けるだけでも、基礎ポイントは能力値に反映される。

生まれつきの強さについては「同じ種類のポケモンでも捕まえるたびに能力が違う」というNPCの台詞で、基礎ポイントの効果については、「野生のポケモンよりも人が育てたポケモンのほうが強い」というNPCの台詞で存在が示唆されている。基礎ポイントという単語は本作の時点で説明書とゲーム中でも直接登場するが、具体的な定義までは後のシリーズの公式ガイドブックで解説されるまでは公式には公表されていなかった。当時でも、『赤・緑・青・ピカチュウ』や『ポケモンスタジアム』の任天堂公式ガイドブックでは、「同じレベルでも、そこに至るまでの戦闘回数が多ければ多いほど能力はよく伸びる」「ゆえに経験値の少ないレベルの低いポケモンを大量に倒し、対戦ルール規定のレベルまでに能力を高めたほうがいい」といった解説は見られた。

これらの能力に関する仕様は一部の変更がありつつも続編の『金・銀・クリスタルバージョン』まで採用されたが、その次のシリーズである『ルビー・サファイア・エメラルド』『ファイアレッド・リーフグリーン』では、全般的な仕様の変更が施されている。

IDNo.[編集]

IDNo.(アイディーナンバー)とはプレイヤーデータに割り振られる番号で、ゲームを「さいしょからはじめる」で新規にプレイしたときに、00000~65535の中からランダムで1つが割り振られる。これをゲーム中で変更する手段は一切ない。ポケモンすべてにもこのIDが記録されており、通信交換以外のゲーム中で自分で手に入れたポケモンにはこのプレイヤーのIDが記録される。このポケモンに記録されたIDがプレイヤーIDと同じ場合には自分で捕まえたポケモンと判別され、違っている場合には人からもらったポケモンと判別される。人からもらったポケモンは戦闘で得られる経験値が1.5倍になるメリットと、バッジ(後述)を持っていないということを聞かないというデメリットがある。

ジムリーダーとバッジ[編集]

舞台となるカントー地方を含め、ポケモンの世界の地方には、「ポケモンジム」と呼ばれるポケモントレーナーの修行場が8つあり、そこには「ジムリーダー」と呼ばれる強敵が存在する。「バッジ(ジムバッジとも呼ばれる)」は、ジムリーダーに勝利した証となるもので、入手するとさまざまな効果があり、特にシナリオ進行に深くかかわっている。「ひでんわざ(秘伝技)」と呼ばれるフィールドで使用可能なポケモンの技の使用条件を決めるのがこのバッジで、例えば、秘伝技「なみのり」で海の上を渡らないとシナリオを進めることができない状況であるにもかかわらず、「なみのり」のフィールドでの使用条件でもある「ピンクバッジ」を持っていない場合は、このバッジをもらうために特定のジムリーダーを倒さなければならない。また、バッジは通信交換で入手した「おや(そのポケモンを捕まえたトレーナーのIDNo.)」が違うポケモンに命令を聞かせるという効果があり、例えば、「交換したレベル30以上のポケモンが、必ずいうことを聞くようになる」という効果の「ブルーバッジ」を持っていない状況で、レベル30以上のポケモンを戦闘に出した場合、「そっぽを むいた」「ひるねを はじめた」をいった反応をして、命令に背き技を出さないで1ターンを無為に過ごすということが起こる。

ストーリー[編集]

ミュウを除いたすべて(150種類)のポケモンを捕まえてポケモン図鑑を完成させることを目指す、ひとりの少年とそのライバルの物語。続編全てに共通するこのストーリーについて石原恒和は、「少年のひと夏の冒険」という、いわゆる多感な思春期の冒険譚というコンセプトから生まれたものだと語っている。旅立ちは自宅から始まるが、このときテレビからは映画「スタンド・バイ・ミー」を連想させるような場面が流れており[4]、それを眺めた主人公は旅立ちへの決意を新たにする。やがて主な目標が「ポケモンリーグ」で勝ち進むことに定まっていき、旅の目的として8つのポケモンジムを巡りリーグ出場資格を得るということも兼ねるようになる。

登場人物[編集]

主人公とライバル、ポケモン博士、8人のジムリーダー、四天王、チャンピオン、悪の組織というキャラクターの枠組みは続編にも受け継がれている。

世界観[編集]

舞台となる「カントー地方」は日本の「関東地方」をモデルとしており、町の名称は色の名前である。「カントー地方」の語句は、ゲーム中では序盤の「タウンマップ」入手イベントに一度出てくるのみであり、地方という概念が広まったのは、続編の『金・銀』が発売されてからである。

音楽[編集]

メディアファクトリーより、このゲームのサウンドトラックCDが発売されている。

ポケットモンスター 青[編集]

ポケットモンスター 青
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 ゲームボーイ
開発元 ゲームフリーク
クリーチャーズ
発売元 任天堂
プロデューサー 宮本茂、川口孝司、石原恒和
ディレクター 田尻智
デザイナー 田尻智
シナリオ 田尻智、たにぐち りょうすけ、野々村文宏、陣内弘之
プログラマー おおた たけのり、森本茂樹、渡辺哲也、増田順一、玉田 荘介
音楽 増田順一
美術 杉森建、にしだあつこ、藤原基史、森本茂樹、おおた さとし、よしかわ れな
シリーズ ポケットモンスター
人数 1人(通信時2人)
メディア ゲームボーイ専用カートリッジ(4Mbitロムカセット)
発売日 日本の旗1996年10月15日(通信販売)
1999年10月10日(一般販売)
売上本数 日本の旗約201万本
その他 揮発性メモリとコイン型リチウム電池によるセーブデータのバッテリーバックアップ機能搭載
通信ケーブル対応
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『ポケットモンスター 青』は、『赤・緑』の別バージョンのひとつ。パッケージのポケモンは、水タイプのカメックス。『赤』と『緑』の違いと同じように、『青』もポケモンの出現率と出現するポケモンの種類が前述の2バージョンとは異なるが、それに加えてオープニングシーンの一部、図鑑のテキスト、ポケモンやフィールドのグラフィックデザイン、メッセージウィンドウ、NPCとのポケモン交換イベントが異なる。特に出現するポケモンの違いについては顕著で、『赤・緑』ではNPCとの交換でしか手に入らない、ルージュラベロリンガなどのポケモンが野生で出現する。また、捕獲が難しかったケンタロスは交換イベントで手に入るようになっており、能力の高い個体を手に入れる際には重宝する。上記以外の相違点として、クリア後に入れるダンジョン「ななしのどうくつ」の内部構造が独自のものになっている。

『青』は当初、一般販売はされず、2回にわたって小学館の『月刊コロコロコミック』『別冊コロコロコミック』『小学一年生』~『小学六年生』の計8誌の通信販売限定という形で販売された。価格は、送料、消費税込みで3,000円。1回目は、小学館側の想定をはるかに超える注文が殺到し、受注発送システムはパンクしたとされる。この人気を受け、2回目の通信販売を行う。前回の代金未収などのトラブルもあってか、今度は受け渡し場所がローソンにされた。これらの限定販売を経て、1999年10月10日に3,000円(税別)で一般販売が開始された。一般販売されたものには、パッケージ裏面にバーコードがあるが、通信販売されたものにはなく、代わりに「小学館」の文字が入っている。

ポケットモンスター ピカチュウ[編集]

ポケットモンスター ピカチュウ
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 ゲームボーイ
開発元 ゲームフリーク
クリーチャーズ
発売元 任天堂
プロデューサー 宮本茂、川口孝司、石原恒和
ディレクター 田尻智
デザイナー 田尻智
シナリオ 田尻智、たにぐち りょうすけ、野々村文宏、陣内弘之
プログラマー おおた たけのり、森本茂樹、渡辺哲也、増田順一
音楽 増田順一
美術 杉森建、にしだあつこ、藤原基史、森本茂樹
シリーズ ポケットモンスター
人数 1人(通信時2人)
メディア ゲームボーイ専用カートリッジ(8Mbitロムカセット)
発売日 日本の旗1998年9月12日
売上本数 日本の旗約316万本
世界 1464万本
その他 揮発性メモリとコイン型リチウム電池によるセーブデータのバッテリーバックアップ機能搭載
通信ケーブル対応
ポケットプリンタ対応
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『ポケットモンスター ピカチュウ』は、劇場版ポケットモンスター第1作『ミュウツーの逆襲』の公開記念として発売された、『赤・緑』の別バージョンのひとつ。それを表すようにパッケージの側面には「ピカチュウ・ザ・ムービー」のロゴがある。パッケージのポケモンは、タイトル通りピカチュウ。開発段階での仮称は『ポケットモンスター 黄』(英語版のタイトルは『Pokemon Yellow』。アニメ版からの逆輸入的要素がある、同シリーズでは異例の作品となっている。上記のように、一般には映画公開としての発売とされているが、記念当時のコロコロコミックに掲載された告知では、『ポケットモンスター 金・銀』延期のお詫びという側面も兼ねて製作されたとされている。

アニメ版に即し最初に貰えるポケモンがピカチュウになり、冒険の途中でフシギダネヒトカゲゼニガメも手に入る。また、ポケモン達のグラフィックが「アニメ塗り」調になったのを筆頭に、図鑑説明文、交換イベントなどが全て新しくなっている。登場人物の外見や台詞、手持ちポケモンはアニメ時のものであったり、それを意識した内容に変更された。さらに、ピカチュウをはじめ数種類のポケモンはレベルアップや技マシンで覚える技に追加や変更があり、多くは『金・銀』以降にも反映されている(例として、ピカチュウがレベルアップで「10まんボルト」を覚えるようになったり、リザードンが秘伝マシンで「そらをとぶ」を覚えられるようになったりしている)。また、『赤・緑・青』にあったバグの多くが修正されている。

ピカチュウ版の特徴[編集]

本作の冒頭で主人公の仲間になるピカチュウには以下のような特徴がある。 なお、これらの特徴があるのは、ゲーム冒頭でオーキド博士からもらったもののみ。通信で他のピカチュウを送り込んでも普通のポケモンと同じ扱いである。また、野生のピカチュウは出現せず[5]、通信交換せずにピカチュウを複数手に入れることはできない。

  • 主人公が手に入れたピカチュウはアニメ版と同様に、モンスターボールには入らず主人公の後ろに付いてくる
  • 移動中はいつでも話しかけられる。プレイヤーの行動次第で上下する「ごきげん」や「なつき度」、そのほかイベントによって表情が変化する。「なつき度」の要素が組み込まれた初めてのポケモンである。ちなみに『金・銀』からは、すべてのポケモンに対してなつき度が存在するようになった。
  • アニメ版のピカチュウの声優である大谷育江の声がゲーム内ピカチュウの鳴き声として用いられている。状況に応じて何種類もの声が聞ける(その他のポケモンは従来の作品同様である)。なお、図鑑では従来と同じ声になっている。
    • ポケモンスタジアム2』『ポケモンスタジアム金銀』でこのピカチュウを使用すると、同様に鳴き声が大谷の声になる。通常のピカチュウの場合は他のポケモン同様、リアルにアレンジされた従来通りの鳴き声となる。また、「なみのり」で使われるサーフボードのデザインも違う。
  • 「かみなりのいし」を使ってライチュウに進化させる事は出来ない。やはりアニメ版のエピソードに由来。
    • 通信で他のデータに転送すれば進化させる事は可能だが、その場合元のデータに戻してもそのライチュウは普通のポケモンと同じ扱いである。
  • 本作では表示・効果ともに無いが、「でんきだま」(ピカチュウの特殊攻撃力を2倍にするアイテム)を持っていることが『金・銀・クリスタル』バージョンに送ることで明らかになる。
  • 「なみのり」を覚えたピカチュウ (最初に貰ったピカチュウである必要はない) が手持ちにいれば、ミニゲーム『ピカチュウのサマービーチ』がプレイ出来る。また、水辺でなみのりを使用するとサーフボードに乗ったピカチュウのアイコンで水上を移動できる。通常、ピカチュウは「なみのり」を覚えられないが、キャンペーンで配布されていたり、『ポケモンスタジアム』のボーナスイベントで習得できる。
  • ライバル、ジムリーダーから一般トレーナーまで、一部ではあるが、手持ちや技構成が変わっている。特にジムリーダーや四天王のポケモンは技マシンで習得する技を多く覚えている。
  • 赤緑青では主人公が選んだポケモンに有利なタイプのポケモンを必ず選んだライバルだが、今回、最初のポケモンはイーブイであり、ライバルとのバトルの結果でどのポケモンに進化するかが決まる。
  • アニメ版のロケット団員「ムサシ」と「コジロウ」の姿をした団員が登場する。繰り出すポケモンもアニメの手持ちと同じものである。
  • 周辺機器「ポケットプリンタ」に接続して、ゲーム中のポケモン図鑑や手持ちポケモン、ミニゲームのハイスコアが印刷出来る。
  • 通信対戦のルールが追加され、通常の「コロシアム」の他に「コロシアム2」を選択することが可能で、『ポケモンスタジアム』のルールに即した対戦が行える。

その他[編集]

  • 小学館から発行された公式ガイドブックの表紙に、主人公、ライバルと並んで、黒いワンピースを着た長い茶髪の少女が描かれているが、彼女はゲーム本編には登場しない。この少女は没になった主人公の1人であるという噂があったが、杉森建はこれについて否定しており、「最初にもらえる3体に合わせて三つ巴になるとしたらこうだろうなと考えてこの表紙用に作ったキャラ」であると説明している[6]。漫画『ポケットモンスターSPECIAL』ではこの少女がモデルと思われるキャラクター「ブルー」が登場する。
  • 主人公の部屋にはファミリーコンピュータが置いてあり(外見はスーパーファミコン)、以後のシリーズでも主人公の部屋に任天堂製のハードが置かれることが定番となる。
  • 今作のみ、デパートに玩具売場が存在し任天堂のゲーム(主にマリオシリーズ)を思わせるセリフもあるが、次回作以降(リメイク含む)では採用されていない。
  • 『青』と『ピカチュウ』のポケモン図鑑に関しては必ず『赤』と『緑』と通信しなければ完成できないようになっている。これは『赤』や『緑』だけしか出現しない一部のポケモンが『青』と『ピカチュウ』両者とも共通して出現しないものがいるためである。そのため『青』と『ピカチュウ』だけの通信交換ではポケモン図鑑は完成できない。
  • 本作の国内版と海外版との通信交換は、データが破損する危険性があるため、公式で注意喚起されている。なお、ソフト側で制約がかけられていないため、データに不具合が出るにもかかわらず通信交換自体は成立してしまう。海外版との通信が正式に可能になったのはGBAの『ポケットモンスター ルビー・サファイア』以降である。

脚注[編集]

  1. ^ とみざわ昭仁「ゲームフリーク」104ページ
  2. ^ とみざわ昭仁「ゲームフリーク 遊びの世界標準を塗り替えるクリエイティブ集団」 115-118ページ
  3. ^ 「ゲームフリーク 遊びの世界標準を塗り替えるクリエイティブ集団」104ページ
  4. ^ スペシャル対談/4
  5. ^ ゲーム冒頭でオーキド博士が野生のピカチュウを捕まえるのは演出で、プレイヤーが野生と遭遇することはない。
  6. ^ 杉森の2012年11月18日 1:50(JST)における発言

関連項目[編集]

外部リンク[編集]