ポケットモンスター 金・銀

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ポケットモンスター 金・銀』は1999年11月21日任天堂より発売されたゲームボーイ用ゲームソフト。ジャンルはRPG。ポケットモンスターシリーズ本編の第2作である。マイナーチェンジ版である『ポケットモンスター クリスタルバージョン』もこの項で扱う。

この項ではこれら3つのバージョンについて扱い、リメイク版である『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』は別項で解説する。

評価
ゲームレビュー
評価者 点数
All Game
4.5 out of 5 stars(金)[1]
4.5 out of 5 stars(銀)[2]
3.5 out of 5 stars(クリスタル)[3]

ポケットモンスター 金・銀[編集]

ポケットモンスター 金・銀
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 ゲームボーイカラー共通
開発元 ゲームフリーク
クリーチャーズ
発売元 任天堂
人数 1 - 2人(対戦・交換など)
メディア ロムカセット
バックアップおよび内部時計電池搭載
発売日 日本の旗 1999年11月21日
オーストラリアの旗 2000年9月4日
アメリカ合衆国の旗 2000年10月14日
欧州連合の旗 2001年4月6日
売上本数 日本の旗 約730万本
:約353万本+:約364万本)
世界 約2310万本
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概要[編集]

ジョウト地方を舞台にしたポケモントレーナーの冒険と闘いを扱った物語。前作『ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ』から3年後の設定となっており、前作と関連したエピソードも多く語られる。

本作では新たに100種類のポケモンが追加され、幻のポケモンも含めて計251種類が登場するようになったほか、新たなわざも追加された。パッケージのポケモンは『金』がホウオウで『銀』がルギア。最初に選ぶ3匹のポケモンはチコリータヒノアラシワニノコであり、幻のポケモンはセレビィ。本作に登場するポケモンのリストはジョウト順のポケモン一覧を参照。

博士やライバルといったシリーズ定番のキャラも個性的で、多少頼りなさげな若い博士とポケモンを盗むという非行少年的アウトローなライバルが主人公の冒険を盛り上げる。

本作はジョウト地方カントー地方の、2つの地方を相互的に行き来できる。シリーズ中2つの地方を舞台にしているのは本作だけである。このためバッジの合計数が16個と多く、ストーリー展開もあらゆるバージョンの中で最も長い。

ジョウト地方の建物などのグラフィックは前作とは異なっているが、カントー地方の建物などのグラフィックは、マップチップが金銀の絵柄になった[4]ものの、前作に準じたものになっている。また、カントー地方の街、道路、洞窟などのBGMは、前作のものをアレンジしたものとなっている。

前作(『赤・緑・青・ピカチュウ』)と通信して、ポケモンを「交換」することも可能である(但しバグ技などを使用した不正なデータは受け付けない)。旧作から新作へといった、一方的な互換性を持つゲームは多いが、相互に通信可能なものは稀である。また、本作は後に発売するポケモンにも通じるシステムの基礎を作り上げている[5]

『金・銀』のポケモンはそれぞれ(一部を除き)グラフィック・図鑑の説明が異なる。図鑑の説明が異なる点はその後のシリーズにも継続されるが、同時発売の2作でグラフィックが異なっていたのは本作のみである。

主な新システム[編集]

  • 前作のニドラン以外にも大部分のポケモンに「性別」の要素が加わった。
  • バトル画面に、経験値を表す青いバーを表示する機能が追加された。
  • 新タイプに「あく」「はがね」が追加され、タイプ間の相性が若干修正された。また、一部の技のタイプや威力、命中率、(相性以外の観点での)効果なども一部修正されている。
  • 前作の能力のステータスにあった「とくしゅ」は、「とくこう」と「とくぼう」に分かれた[6]
  • ポケモンに道具を1つだけ持たせることが可能になった。
  • ポケモン全体に「なつき度」のシステムが導入された。
  • 普段は野生で出現せずにランダムで特定の時間帯のみ大量出現するポケモンがいる。
  • 勝負を挑んでくるトレーナーは、前作では「肩書き」のみが表示されたが、今作では「肩書き+名前」で表示されるようになった。なお、「ロケットだんいん」の個人名は「したっぱ」または「かんぶ」の2種類となっている。
  • 電話登録イベントが登場し、一般トレーナーとのバトルが複数回可能になった。また、上記の特定のポケモンが大量出現した際に電話連絡をしてくれるイベントがある。
  • きのみ」が登場した。
  • ゲームボーイカラーの赤外線ポートを利用した手軽な通信「ふしぎなおくりもの」ができる[7]。なお赤外線通信が使われているのは、本作と本作リメイクのハートゴールド・ソウルシルバー以降のシリーズのみ。
  • ゲーム内における多くの非売品を、きのみやふしぎなおくりものなどの各種イベントにより、条件付きながらも入手することが可能となった。
  • 前作ではひでんわざを忘れさせることが出来ないという欠点があったが、技を忘れさせてくれる「わすれオヤジ」が登場した事でこの問題は解消された。
  • 前作では主人公の持ち物は統一されていたが、今作から導入された「リュック」により、道具が分類されるようになった。これにより、「たいせつなもの」やモンスターボールや技マシンなどは持ち物の限度がなくなった。
  • セレクトを1度押すことで「たいせつなもの」を即使用できる、便利ボタン機能が追加された。
  • 道具の表示機能やポケモンの技を表示する機能が改善された[8]
  • 本作から色違いのポケモンが導入された。これについては、出現時に光らせるという配慮がなされている[9]
  • ポケルスと呼ばれる状態変化が登場した。

時計機能[編集]

本作の最大の特徴となるのが、カートリッジ内に内蔵された「内蔵式電池」の搭載による時計機能である。これによって現実と連動した時間や曜日の概念が存在するようになり、特定の時間帯や曜日にしか出現しないポケモンがいたり、発生しないイベントがある。この機能は『ルビー・サファイア』以降にも継承された。

ポケットモンスター クリスタルバージョン[編集]

ポケットモンスター クリスタルバージョン
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 ゲームボーイカラー専用
開発元 ゲームフリーク
クリーチャーズ
発売元 任天堂
人数 1 - 2人(対戦・交換など)
メディア ロムカセット
バックアップおよび内部時計電池搭載
発売日 日本の旗 2000年12月14日
アメリカ合衆国の旗 2001年7月29日
欧州連合の旗 2001年11月1日
売上本数 日本の旗 約187万本
その他 モバイルアダプタGB対応
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概要(クリスタルバージョン)[編集]

『金・銀』のマイナーチェンジ版で、モバイルシステムGBの戦略商品として発売された。『赤・緑・青・ピカチュウ』や『金・銀』とも通信可能であるが、ゲームボーイカラー専用となったので、旧式のゲームボーイでは利用できない。カートリッジは半透明の水色となっており、基板の裏にはクリスタル模様の印刷がされている。ポケモンの覚える技などが一部変更されていたり、野生ポケモンの分布も大きく変更された。特に夜間は水上以外のフィールドにみずタイプのポケモンが多く出現する。

基本的なストーリーは『金・銀』と同様だが、パッケージを飾る伝説のポケモン・スイクンを巡る物語とその他サブイベントが新たに追加される。その他に、シリーズで初めて主人公に女の子を選ぶことができるようになり、バトル画面で(相手トレーナーがポケモンをボールから出した時や、野生ポケモンとのエンカウント時などに)ポケモンに動作が加わり、エリアが変わると、画面上に移動後のエリア名が表示されるなど、随所において『金・銀』からの変更が加わっている。また、『金・銀』ではゲーム中のグラフィックと公式イラストとで色・デザインが異なっていたポケモンのグラフィックが公式イラスト準拠となった(グラフィックの全体的なデザインは、一部金銀版と共通しているものが多い)。

現在は既に終了しているサービスとして、モバイルアダプタGBと携帯電話を接続して専用サーバにアクセスすると、ポケモン交換の仲介機能を利用できたり、全国のポケモンバトルトーナメントの優勝決定戦などのハイレベルなバトルの再現データや、月刊の「ポケモンニュース」などのデータをダウンロードできるというものがあった。また、「バトルタワー」の敵データに至ってはプレイヤー側からアップロードすることもできた。さらに期間限定で「GSボール」というアイテムを貰うことにより、幻のポケモンセレビィをゲットする機会を得られた。このようなネットワークサービスは2世代後の『ダイヤモンド・パール』にも採用されているが、それまではポケモンシリーズ中でも本作が唯一であった。通信ケーブルを利用してのポケモン交換や通信対戦は、サーバを介さないため現在でも利用が可能。

その他の金・銀バージョンとの相違点[編集]

  • ゲーム開始時に男女選択が出来るほか、主人公の家やウツギ博士の研究所で起こるイベントも多少変更されている。
  • 町から道路へ移動するなどマップ上における場所が切り替わったとき、進入した場所の名前がポップアップで画面下部に表示されるようになった。ただし建物の中など一部では表示されない。
  • エンテイ、ライコウ、スイクンに関するイベントや画面上における処理の変更[10]。特定のポケモン専用BGMが作られたのは本作が初めて。
  • アルフの遺跡のパズルの小部屋の奥にアンノーンで文字が書かれている。文字をヒントに特定のアクションを起こすと扉が開き、隠し部屋に進めるようになっている。
  • 曜日によっては、コガネシティのゲームコーナーに「おしえオヤジ」が登場し、コインと引き換えにポケモンに技を覚えさせることの出来るイベントがある。
  • エンジュシティ内にある焼けた塔のデザイン変更と関連イベントの追加・変更、スズの塔関連のイベント大幅追加。
  • ポケモン1匹を記録される情報に主人公の性別も記録されるようになった。
  • 電話機能の大幅な改善と関連イベントの追加。金銀版ではバトル後に没個性化していた電話登録可能トレーナーの性格設定が明確化された(初バトル時の性格設定を電話応答の性格設定に反映させた)ほか、再バトル発生条件や登録プロセスが一部変化している。また、電話登録を行った後にランダムでのイベント発生を教えてくれたり、非買アイテムを提供してくれるイベントなども追加された。
  • ガンテツイベントの仕様変更[11]
  • ポケモンがアクションをするようになった。後の『エメラルド』などとは異なり、動くのは敵ポケモンのみで味方ポケモンは前作までと同様動かないが、ポケモンが進化した時や、「つよさをみる」のステータス画面などでのみ見られる特定の動作も用意されているなど、細かく設定されている。

ゲームシステム[編集]

道具[編集]

ポケギア[編集]

主人公や他のトレーナーが持っている携帯端末。正式名称はポケモンギア。電話や時計、ラジオ機能などといった機能を持っている。入手した当初は全ての機能を使う事ができないが、拡張カードを読み込ませることで使える機能が増える。アニメで金・銀編が放送された当初、トミー(現:タカラトミー)でもアニメのキャラの声による時報機能と電話帳機能とAMラジオ機能を搭載して実際に商品化されたこともある。

なお、金・銀がリリースされた1999年頃は、携帯電話PHSが一般的に普及し始めた時代であり、それらをポケギアで反映させたものとみられ、「アンテナレベル表示」・「圏外となる場所がある」等、実際の携帯電話の特徴を採り入れている。

登場人物[編集]

世界観[編集]

本作はジョウト地方、カントー地方が舞台となっている。

バッテリーバックアップに由来する諸問題[編集]

バッテリーバックアップ機能を持つGBカートリッジの例に漏れず、本作も内蔵のリチウムコイン電池が切れるとデータが消えてしまい、セーブもできなくなる。さらに、この電池は時計機能の維持にも使用されているため、通常のバッテリーバックアップ機能付きソフトよりも消耗が激しい。任天堂が有料で電池交換を行っていたが、2007年10月31日をもってGB専用およびGB・GBC共通ソフト向けのサービスは終了した。現在では『クリスタル』のみが対象となっている。

その他[編集]

  • 前作の発売から間もない1996年の春に『ポケットモンスター2』として発表され、当初発売日は1998年の春とされていた。しかし開発が大幅に遅れ、1997年夏の公式イベントで体験版が出展されてから2年近く、新情報が全くと言っていい程公開されない期間があった。1998年の『月刊コロコロコミック』に『ピカチュウ』版の紹介記事と共に載せられた発売延期のお詫び文には、「『金・銀』は本当に発売します」と記載される。結果として発売されたのはさらにその1年以上後、『赤・緑』の発売から3年半以上が経過した時期であったが、それが本作の「前作の3年後の物語」という舞台設定とリンクしている。
    • 同様の理由で完成まで作り直しが多々あったらしく、発売前に公開されたスクリーンショットと、製品版におけるゲーム画面がかなりの差異がある(前述のスクリーンショット同士の画像はほぼ共通)。
    • 発表初期には、スピードアップアイテムの変更として自転車スケートボード(アイテム名は『スケボー』)になると幾つかの雑誌で発表され、公式イラストも登場したが、結局変更されず、自転車のままだった。また同時に「相手トレーナーのポケモンを捕獲できるようになる」というシステムも発表されたが、こちらも廃案となった(このアイデアは後年『ポケモンコロシアム』の「スナッチ」として採用された)。
  • 1999年9月に発売が予定されていたが、直前で11月へ延期となった影響でアニメ版が金銀編のストーリーを先行する形となった。
  • 当時任天堂はゲームボーイ用ロムカセットを台湾で製造していたが、発売同年9月に起こった921大地震で製造工場は大打撃を受けた。そのため、同年11月1日に予定していたニンテンドウパワー用GBメモリカートリッジの発売を翌年3月1日に延期し、全製造ラインを本作に回すという緊急の処置を取った。だが、需要に対して供給は全く追いつかず、発売1ヶ月ほどは深刻な品薄状況が続いた。しかし、そのような事態に見舞われながらも本作は1999年ゲーム売り上げ本数1位となった。
  • レアアイテムながら効果が薄かったり、あるいは何の効果もないものが多い。森にあるほこらや滝にある建物など、意味ありげだが実は何もないオブジェクトも多い(ただしクリスタル版では追加されたイベントがある)。低確率でしか入手できないものはもとより、前作を始めとした他のソフトとの連動を駆使しなければ揃えられないなど、ポケモンのコンプリートよりハードルは高いと言える。
  • この作品から模様替えのシステムが導入された。この作品では自分の部屋をぬいぐるみ・鉢植え・じゅうたん等で飾り付けることが可能。グッズが大半が前述の「ふしぎなおくりもの」でしか手に入れられない[12]。リメイク版を除いた以降の作品にも標準装備されている。なお前作と違いゲーム開始時点では主人公の部屋にゲーム機が無いが、「ふしぎなおくりもの」によって手に入るファミリーコンピュータスーパーファミコンNINTENDO64バーチャルボーイを任意で置くことが可能。
  • 本作で流れる一部の曲が、『ファイアレッド・リーフグリーン』において「ナナシマ」の曲としてリメイクされている。
  • 本作はゲーム発売当時にサウンドトラックCDが発売されなかった唯一の作品である。後にリメイク版『ハートゴールド・ソウルシルバー』のBGM集『ポケモン「ハートゴールド&ソウルシルバー」ミュージック・スーパーコンプリート』が2009年10月28日に発売され、同時に原作版BGMの一部が収録された(これは『ハートゴールド・ソウルシルバー』にて原作版BGMを聞ける機能があるためでもある)。ただし、原作版BGMは移植ではないため、若干異なる部分がある。
  • 本作のみ母親に頼んで賞金を貯金しておくことが可能であるが、第三世代以後にはこのシステムが継承されなかった。この貯金を利用して母親が道具や模様替えグッズを購入してくれる事もあり、貯金を行わないと模様替えグッズコンプリートは不可能になっている。また本作のみの道具も多く登場する。
  • スーパーゲームボーイ使用時の画面表示も前作から進化しており、特にポケモンの画像表示はゲームボーイカラー使用時と遜色の無いレベルにまで進歩した。
  • シンガポール航空の一部の便では、座席モニターで『ピカチュウ』版と共に、『金・銀』版がプレイできる。
  • 今作のセキチクシティにはサファリゾーンが用意されていないが(物語上、閉園となっている)、データ上には小さいマップとして存在している。マップの特徴は第4世代に登場するパルパークに若干似ているが、何らかのイベント用に作られたのが、お蔵入りとなったものとみられる。また、『ブラック・ホワイト』が発売されるまでは、シリーズで唯一サファリゾーンが存在しない作品だった。

脚注[編集]

  1. ^ Pokémon: Gold Version”. All Game (2000年10月14日). 2012年8月23日18:12閲覧。
  2. ^ Pokémon: Silver Version”. All Game (2000年10月14日). 2012年8月23日18:14閲覧。
  3. ^ Pokémon: Crystal Version”. All Game (2001年7月31日). 2012年8月23日18:16閲覧。
  4. ^ 洞窟などにおける岩のグラフィックなど。
  5. ^ ゲームボーイアドバンス版とニンテンドーDS版の相互通信機能など。この文中の『継承されているもの』参照。
  6. ^ 「特殊攻撃」と「特殊防御」。この2つは以後のシリーズにも継承されている。
  7. ^ 歩数計ゲーム『ポケットピカチュウカラー』とも連動させることができる。
  8. ^ 道具を表示する際にその説明が表示される、ポケモンの技を確認する画面では技の威力と効果が表示されるようになったなど。
  9. ^ このソフトがゲームボーイゲームボーイカラー共通なので、画面がモノクロでとなる旧式でプレイすると、判断が窮めて困難になる為に導入された機能。
  10. ^ フィールド上でそれと分かるように描画されるほか、戦闘BGMが通常時と異なる。
  11. ^ 金銀版では1日に作ってもらえるボールの数が1個までだったが、クリスタル版ではぼんぐりを用意した数だけ、その種類のボールを作ってもらえる。
  12. ^ 一部、64ソフトとの通信により手に入れられるものがある。