スクール☆ウォーズ
『スクール☆ウォーズ』(School Wars)は、1984年10月6日から1985年4月6日まで、大映テレビ制作・TBS系で毎週土曜日21:00~21:54に放送された学園ドラマである。正式名称は『スクール☆ウォーズ 〜泣き虫先生の7年戦争〜』。続編は『スクール・ウォーズ2』。
概説
京都市立伏見工業高等学校ラグビー部とその監督で元日本代表フランカーの山口良治をモデルとして、作家・馬場信浩が執筆したフイクション『落ちこぼれ軍団の奇跡』を基に制作されたフィクションドラマである。
高校ラグビー界で全く無名の弱小チームが、ある一人の教師が赴任してから、わずか数年にして全国優勝を果たすまでの軌跡を描いた物語である。キャラクターは、(1)不良少年や落ちこぼれが何かを動機にして立ち直っていく姿、(2)出生の秘密や難病を持っているキャラクターに翻弄される生徒や教師、(3)教師が健全な生徒の育成に取り組もうと苦悩する姿を描いている。ドラマでは、実史で優勝までに要した7年ではなく、5年で全国制覇を成し遂げている(卒業式の回数及びキャプテンの代数(尾本ー玉川ー森田ー大木ー平山)を参照)。
「この物語は…」のナレーションで始まる、1980年代の大映ドラマを代表する作品の一つ。少女を主人公とした女性ドラマが多い大映ドラマの中で、本作は例外的で男性を主人公とした男性ドラマである。モデルとなった学校の所在地は京都市であるが、ドラマの舞台は神奈川県の「川浜市」(神奈川県で東京寄りの2市である川崎市と横浜市の頭文字を取っている)という架空の自治体になっている。制作会社であった大映テレビは当時、東京都府中市の中河原にスタジオを構えていたので、ロケは川崎市内に加えて府中市内と多摩市内が多かった。
初回放送年であった1984年は、非行や校内暴力が社会問題になっていた時期であり、学校内をバイクで走ってガラスを破るオープニング映像に象徴されるように、ドラマの舞台である川浜高校が、常に生徒の非行問題が絶えなかったという点も特徴である。又、非行や校内暴力が社会問題化する一方で、高学歴者になれば勝ち組になれるという信仰がまだ根強かった[1][2]、1984年当時の世相を反映した内容も盛り込まれている。
「お化け番組」と呼ばれたお笑い番組『8時だョ!全員集合』の後座という時間帯で放送され、初回の視聴率は6.9%と苦戦したが、その後は徐々に視聴率を上げ、後半では20%を超える事もあり、最終回の2日後(月曜日)に再放送(関東地区)が開始する程の人気ドラマに成長した。先輩番組の『Gメン'75』や後輩番組の『世界・ふしぎ発見!』と並んで、TBS土曜21時台を代表する番組の一つでもある。
制作経緯
大映テレビ取締役でプロデューサーでもある春日千春が、山下真司が演じた教師・滝沢賢治のモデルとなった山口良治の講演会をたまたまテレビで観た。当時は校内暴力が社会現象化しており、校内暴力を根絶しようという意図でドラマの制作を思い立ち、1週間で企画を書いてドラマ化に至った。
スクール☆ウォーズ 〜泣き虫先生の7年戦争〜
スクール☆ウォーズ | |
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ジャンル | 学園ドラマ |
原作 | 馬場信浩『落ちこぼれ軍団の奇跡』 |
脚本 |
長野洋 大原清秀 |
監督 |
山口和彦 江崎実生 岡本弘 合月勇 |
出演者 |
山下真司 岡田奈々 松村雄基 岩崎良美 宮田恭男 伊藤かずえ 梅宮辰夫 和田アキ子 坂上二郎 |
ナレーター | 芥川隆行 |
オープニング | 麻倉未稀「ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO」 |
製作 | |
プロデューサー |
春日千春(大映テレビ) 荒川洋 野村清(TBS) |
制作 |
大映テレビ TBS |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1984年10月6日 - 1985年4月6日 |
放送時間 | 土曜日21:00 - 21:54 |
放送枠 | TBS土曜9時枠の連続ドラマ |
放送分 | 54分 |
回数 | 26 |
特記事項: 1985年1月5日は総集編を放送 |
ドラマ |
テレビドラマの『スクール☆ウォーズ 〜泣き虫先生の7年戦争〜』は、1984年10月6日から1985年4月6日まで毎週土曜日21:00 - 21:54に放送された。主演は山下真司。なお、新聞のラテ欄では、「泣き虫先生の7年戦争」という副題は省略されている。
全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)が主催した第2回ATP賞テレビグランプリ(1985年5月30日)にて、ATP賞ベスト20番組にランクインされた[3]。
2001年以後には、テレビドラマ版DVDがキングレコードより発売されている[4]。
あらすじ
「負け犬根性をなくせ!無名のチームを高校ラグビー日本一に導いた青年監督の、信頼と愛に貫かれた教育の姿!」
(初回番組広告より。「毎日新聞」1984年10月6日付夕刊7頁に掲載)
「この物語は、ある学園の荒廃に闘いを挑んだ熱血教師たちの記録である。高校ラグビー界において全く無名の弱体チームが、荒廃の中から健全な精神を培い、わずか数年で全国優勝を成し遂げた軌跡を通じて、その原動力となった信頼と愛を、余す所なくドラマ化した物である。」
(オープニングナレーション。第3話以後)
東都体育大学出身元日本代表の名フランカーだった滝沢賢治は、現役引退すると川浜市教育委員会に勤務し、ラグビー指導などをしていた。それに目をつけた市立川浜高校の山城晋平校長から川浜高校体育教師の職にと懇願されたが、その悪いことなら県下一のワースト校が川浜高校であったため、妻・節子は反対した。しかし、一方では賢治の夢は教師になることで、悩み抜いた末、川浜高校に赴任した。
生徒たちの反乱と暴力、そして屈辱の大敗を経て、川浜高校ラグビー部として始動していき、全国大会の決勝戦に臨んだ。オープニングの主題歌「ヒーロー」の前奏では、モデルとなった伏見工業高校vs大阪工業大学高校の決勝戦(1981年1月7日)のキックオフ前後の映像が流れる。なお、大阪工業大学高校は、2008年に常翔学園高校に改名されている。
キャスト
滝沢家
- 滝沢 賢治(たきざわ けんじ)
- 演 - 山下真司
- 川浜高等学校体育教師で同校ラグビー部監督。東都体育大学2年生時からレギュラーに抜擢され大学ラグビー界で一世を風靡、その後もラグビーの全日本代表選手(ポジション:フランカー)として活躍するが、負傷のため引退。元々は教師を志望しており、引退後に川浜市教育委員会体育部に勤務をした後に、山城晋平の誘いで川浜高校に赴任した。
- ラグビーを通じて荒廃した高校生たちを更生させようと奮闘する熱血教師。曲がった事が大嫌いな性格であり、熱血の余り、生徒に手を上げることも度々で、当時の感覚でも脈絡を考えずに体罰として問題にされることもある。その一方で非常に涙脆く、短絡的に容易な処分に走ろうとする姿勢を嫌っており、教え子のために涙をこぼすことも度々。座右の銘は「信は力なり」。
- 下田大三郎・夕子夫妻が営むラーメン屋「新楽」の常連客で、下田夫妻に悩みを相談する事も度々ある。家庭の仲が比較的良く、ラーメン屋夫妻に頭を下げる立場である点で、本作に後続して放送された『親子ゲーム』の早川巡査とは正反対の立場となる人物である。
- 名言は「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE.(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」で、これは現在でも様々な分野で結束を求めるキャッチフレーズとして使用されている。[5]平尾誠二によれば、「all for one」の方のoneは、一人ではなく一つの目的、つまり「勝利」を指しているという。
- 名前の由来は滝沢馬琴と宮沢賢治から。ナレーションでは常に「賢治」と呼ばれる。
- 滝沢 節子(たきざわ せつこ)
- 演 - 岡田奈々
- 賢治の妻。大学生の時に賢治と運命的に出逢い、後に結婚。1女をもうける。当初は賢治を心配し、川浜高校赴任に反対。一時は娘より生徒を大事にする賢治の姿勢に失望して別居するが、後に彼に理解を示すようになる。時折、悩める賢治に的確な助言をし、偏った考えを諫めるなど、夫を陰で支える賢妻となる。また、大木大助の就職の世話もした。大学生の時は、女子バレーボール部に所属していた。
- 滝沢 ゆかり(たきざわ ゆかり)
- 演 - 間下このみ
- 賢治と節子の娘。幼稚園に通っている天真爛漫で純粋無垢な女の子で、その何気ない仕草や言葉が、賢治の悩みを解決させるきっかけになることも。大木に交通事故に遭う寸前に助けられたが、後には何かとウマが合うらしく、よくからかっている。
川浜高等学校
生徒
- 大木 大助(おおき だいすけ)
- 演 - 松村雄基
- 内田(兄)、尾本、水原の卒業と入れ替わりで川浜高校に入学。入学前から「川浜一のワル」とアダ名される不良生徒で、不満なことがあればすぐ暴力に出るほど皆から恐れられていたが、その実、母親想いで弱い者にも優しく、先代の不良たちとは一線を画していた。幼馴染の奥寺浩(イソップ)はそんな彼を慕い、彼に唆されたことがきっかけで川浜高校へ入り、後にラグビー部に加わることになる。
- 「名村グループ」の商売によって父を自殺に追い込まれ、母が苦労したことから、「名村グループ」総帥・名村謙三を「父親の仇」と恨んでおり、息子の名村直とは犬猿の仲だったが、加代の事故死後に両者と和解。卒業時は地元の「川浜電機」入社の内定を会社都合で取り消されるも、滝沢夫妻の尽力もあり、賢治が川浜高校赴任前にラグビー部監督就任を断った「東北製鉄」に見習い工として入社(後に正社員となり勤務先の仙台から千葉へ異動)する。その後、「2」で賢治と再会。自営で会社(運送業)を立ち上げていた。そして、コーチとして賢治をサポートするようになる。
- 「弥栄(やさか)の清悟(しんご)」「京都一のワル」と恐れられ、不良ながら高校選抜チームに選ばれ、後に教職の道へ進んだ奈良県立奈良朱雀高校ラグビー部監督の山本清悟がモデルと言われている。しかし、実際は山本、山田英明(山本の1年後輩で、3年時にキャプテンを務めた。後述「フーロー」の親友)、大八木淳史(山田と同期で、フーローとも親友)という、3人のキャラクターを合わせて作られた。
- 奥寺 浩(おくでら ひろし)
- 演 - 高野浩和
- 全日本代表時代の賢治のプレースタイルに感銘し、監督に着任した賢治を慕って川浜高校へ入学。ラグビーにはとても向いていない貧相な体格で、イソップ物語の痩せキリギリスから「イソップ」のニックネームがつく。川浜高校への入学時に、自分の弱さを克服するために敢えてラグビー部に入部した。彼のラグビーに対する直向きな姿勢は荒んだ大助の心をゆり動かす。大助とは幼馴染であり、皆が怖がる大助に唯一意見を述べられる人物でもある。同時に大助にとっての心の支えである。加代に恋心を抱いていた。
- 運動能力は低く、試合にも出られない補欠部員であったが、他の部員が嫌がる下準備やボール磨きに取り組み、賢治からも立派なラガーマンとして認められている。寛大で自由な雰囲気の家庭に生まれ育ち、ラグビー部でも屈指の人気者であった。ラグビー部のライジング・サン(賢治が命名)のマークと新ユニフォームは彼のデザイン。1年次に脳腫瘍にかかり、あと数か月の命であることを知ったため、自殺を考えたり、トルエンを吸ったりもした。相模一高との練習試合の前日に突然倒れ、緊急入院した末に死去。
- 誰よりもラグビーを愛し、誰よりもひたむきに短い人生を駆け抜けていったこの少年の名前は、川浜ラグビー部に関わったすべての人の心に刻まれている。
- ひ弱ななりの割には大木を庇って不良に掴みかかったり、大木から威嚇されても全くひるまないなど、意外と度胸が据わっているところがある。また、他の者には喧嘩しか出来ない大木も、奥寺に対してだけは自分の本当の胸の内を、腹を割って話せる唯一の心の友である。事実、大木は奥寺に手を出した事など一度もないのである。
- モデルとなった人物も実際に脳腫瘍で亡くなっており、当時のニックネームは似たような体格をしたフランスの名選手「フーロー」から。なお、演じた高野浩和はその後アートネイチャーの社員として、コマーシャルでタレントの乙葉と共演している。
- 尾本 輝政(おもと てるまさ)
- 演 - 鈴木秀一
- 賢治が川浜高校に赴任した年のラグビー部キャプテン。水原らと一緒に悪さをしていたが、後に改心して森田にラグビー部を任せ、卒業後は更生して消防士になる。不良であったがラグビー部に誇りを持っており、部が花園で優勝した際、涙を流していた。
- モデルとなった荒木邦彦(1977年卒業)は、中学校時代には番長として鳴らした人物であった。
- 清川 誠一(きよかわ せいいち)
- 演 - 森勇治
- 川浜高校ラグビー部の部員。家が貧しいために、朝早くから夜遅くまでバイトをしているが、いつも明るく振舞っていることで部のムードメーカーとして君臨。だが、彼の父親の作った借金でヤクザともめたことが、大三郎の命を奪ってしまった。平山とは中学時代からの盟友であり、多くを語らずとも意思を通じ合う仲。決勝では平山とのアイコンタクトだけで城南工大高を出し抜き、ディフェンス陣を攪乱して決勝トライへと導いた。
- モデルは、ポジションだけだが1998年~現在の伏見工業高校ラグビー部監督である高崎利明。
- 栗原 昭(くりはら あきら)
- 演 - 榊原晃
- 川浜高校ラグビー部の部員。学業成績は優秀だが、「勉強バカにはなりたくない」という思いでラグビーを始めた。チーム屈指の俊足で、全国大会決勝戦で決勝トライを上げた。学業と部活の両立にはかなり苦労していたようで、一度は退部を決意するも清美と明子に説得され思いとどまった。
- モデルとなった栗林彰は、千葉大学工学部を卒業して、建築系のエンジニアになっている。
- 平山 誠(ひらやま まこと)
- 演 - 四方堂亘
- 大助の1学年下。城南工大高の曽根にライバル意識を持つラグビー部のエース。少々独りよがりなところがあり、練習やプレーに集中したいからと主将になることを一度は辞退するものの、後に先輩らに説得されて引き受けた。当初は後輩の八木に嫉妬するなどキャプテンとして明らかに問題のある言動も見られたが、その後は主将としての自覚を持ち、チームを引っ張っていった。女子生徒から「ファンクラブ」的存在もできた。賢治からは「森田、大木に比べおとなしすぎる」と評されていたが、実際は国体と全国大会で優勝という、川浜ラグビー部の黄金期を築いた優秀なキャプテンでもある。
- 伏見工業高校 - 同志社大学 - 神戸製鋼で活躍した平尾誠二がモデル。
- 星 孝彦(ほし たかひこ)
- 演 - 武藤大助
- 大助、イソップと同学年。基礎体力とラグビーのセンスは高いが、自分さえスターになれば良いという性格の持ち主。イソップを寵愛する賢治に反発してラグビー部を去り、県大会での相模一高との敗戦を目にし、ラグビー部に戻ることを思いついてイソップに謝罪しつつ、再入部した。しかしその後も暴言癖は治っていなかったようで、入部間もない大木と一触即発の関係になったこともある。もともと中学時代からの名選手だけあって身体は鍛えこまれており、番長ですら叩きのめした大木の裏拳や膝蹴りを食らってもなお反撃するというタフさを持つ。
- 堀井 晴和(ほりい はるかず)
- 演 - 小林徹也
- 初期に登場した不良少年。賢治をバットで殴り倒そうとしたが、賢治に睨まれ撤収した。その後和解したらしく、卒業後はグラウンド整備にも協力した。
- 柏木 昇(かしわぎ のぼる)
- 演 - 那須政志
- 初期に登場した不良少年。バイクで校門に入ろうとしたところを、大三郎に妨害される。
- 沢(さわ)
- 水原たちが卒業して入れ替わりで番長になった。大木の暴行を受けて医務室に運ばれた。
- 丸茂 良三(まるも りょうぞう)
- 演 - 松本誠一
- 大助、イソップと同学年。メガネと巨漢がトレードマークの自称「川浜ラグビー部一のお調子者」。一度親に部を辞めさせられそうになったが、後に復帰。相模一高との練習試合で顔面チャージを受け、得点に結びつけた。全国大会優勝を決めた時、観客席で大助と抱き合っていた。
- 水原 亮(みずはら りょう)
- 演 - 小沢仁志
- 少年院上がりの不良。就任した賢治を暴力で激高させて即刻クビにさせるという作戦を企む。父を北海道の炭鉱での落盤事故で失っている。「乱世会」という暴力団まで背後に付け、賢治たちと乱闘を繰り広げた。しかし、賢治が彼を必死に更生させようと苦心する姿に徐々に心動かされ始め、賢治に武器を持って決闘を挑むが敗北し、終いには「俺、ラグビーやっときゃ、好かったかな…」と言って心が折れ、その後改心して期末試験を受ける気になった。卒業式の日には、賢治に感謝の気持ちと思われるブランデーを置いて去って行った。卒業後はトラックドライバーに。社会人ラグビーチーム「浜っ子クラブ」に入る。卒業後は温和な性格となっており、大三郎を刺した犯人に殴りかかった清川を制止している。12月11日生まれ。
- 森田 光男(もりた みつお)
- 演 - 宮田恭男
- 川浜高校ラグビー部員で、ポジションはフランカー。東都体育大学の四軍や、相模一高との練習試合でゴールキックを決めている。下田夕子の弟で、「新楽」に住む。富田圭子はガールフレンド。賢治赴任当時は2年生。平たく言うと「明るい弄られ屋」というキャラクター。当初は部内でも落ちこぼれで、先輩に反抗してしごきを受けるも、それも耐え抜き、賢治との出会いを機にラグビーに対する姿勢が変わった。しかし、学年末試験で致命的な落第点を取り、3年に進級できず留年。県大会にて相模一高に109-0で敗れ、賢治に叱咤された際、「悔しいです!」と叫んだことがラグビー部を奮起させる原動力となった。1年遅れで3年に進級後は主将を務めるが、県大会決勝で敗れ全国大会出場ならず。後輩が全国大会出場を果たしたら圭子と結婚することを決意。圭子と結婚するために1日も早く一人前の社会人になりたいと考えるようになり、卒業後は地元のホテルにフランス料理のコック見習いとして入社。
- モデルとなった小畑道弘は建設会社を経営しており、母校である伏見工業高校のグラウンドの施工をした。また、少年ラグビーチームのヘッドコーチを務めている。
- 矢木 純平(やぎ じゅんぺい)
- 演 - 近藤哲也
- 川浜高校ラグビー部の部員。相撲部から転部してラグビー部に入部する。平山が負傷で退場したかわりにリリーフで出場したとき、勝利に結びついたまではよかったが、平山からは敵意を持たれた。その頃、試合前に愛用のスパイクが盗難に遭ったことでさらに関係が悪化するが、その後和解。全国大会ではマークの進言により、フォワードに抜擢された。
- 名前のモデルは大八木淳史とされる。
- 山崎 加代(やまざき かよ)
- 演 - 岩崎良美
- 川浜高校ラグビー部初代マネージャー。賢治がラグビー部の指導者として就任したのを機にマネージャーに就任。部内では、選手のユニフォームの洗濯・修復、部費の会計、スコア等のグラウンド外の仕事を幅広くこなし、賢治だけでなく選手そして後輩マネージャーから絶大なる支持を得ていた。父親が蒸発し、病弱な母親と幼い弟や妹を抱えながらも明るく振舞う優しい生徒。川浜ラグビー部の基礎を築いた功労者の一人。2年間の休学があったが、無事に川浜高校を卒業。同校の事務職員として採用が内定していたが、父が帰ってきたことにより、母の療養を兼ねて和歌山へ引っ越すことになった。卒業後、大助と名村直の決闘の事実(以前、大助らが喧嘩沙汰を起こして校長の知るところとなり、部活動の休止を命ぜられ、廃部寸前に追い込まれる)を知り、大助らのもとへ駆けつける途中で交通事故に遭い命を落とす。練習日報は一日も欠かさず付けており、最後の日報(交通事故に遭った当日)には「このノートに書けなかったのは、それは"花園出場"という4文字です。」と綴られていた。山崎が死ぬ前に書き残したこの日報がきっかけで大助と直は和解した。賢治に恋心を抱き、卒業の頃には賢治に一分間の抱擁をした。
- モデルとなったマネージャーは実在するが事故死の事実はなく、本人自ら『プロジェクトX』2000年11月21日放送分のインタビューにも登場している。
- 杉本 清美(すぎもと きよみ)
- 演 - 諏佐理恵子 (山本理沙)
- 川浜高校ラグビー部のマネージャー。中学時代からの大助の後輩で、彼を慕って入学した。当初は不平を言いながら仕事をしていたが、加代のひたむきな姿に感化され立派に成長していった。明子とともにイソップがディスコでトルエンを所持していたところを目撃する。
- 西村 明子(にしむら あきこ)
- 演 - 坂上亜樹
- 川浜高校ラグビー部のマネージャー。清美同様、大助の後輩で彼を慕っている。加代亡き後は、清美とコンビでラグビー部を盛り立てた、影の功労者。
- 清美とともに大木からは邪険に扱われていたが、実際はお互いの窮地を救い合うなど信頼しあう仲である。もともと大木がラグビーを始めたのも、清美と明子が不良グループと交わした無謀な賭けの後始末をつけるためだった。
- 演じた坂上亜樹は坂上二郎の実娘であり、親子で共演している。
教職員
- 山城 晋平(やましろ しんぺい)
- 演 - 下川辰平
- 川浜高校の校長。荒廃した学校を立て直そうと賢治を川浜高校に誘う教育者。「不良は追い出せば良い」という短絡的で表面的な発想に真っ向から反駁し、「誰も初めは良い子だったんだよ」という因果的で根治的な教育観を持っている。多くの学園ドラマが、生徒の立場を理解している者が「賎しい平教員」となっているのに対して、「貴い校長」が生徒の立場を理解しているという、極めて珍しい例である。
- 滝沢賢治の良き理解者であり、滝沢賢治を招く為だけに、手段を問わず川浜市役所に通い続けては、教育長に怒られながらもあきらめることなく川浜高校へ誘ってきた。しかし必ずしも賢治を贔屓目に見ているわけではなく、賢治に非があると判断すれば職員会議で責任を問うたり生徒の面前でも容赦なく叱責したりするなど、公正な感覚の持ち主でもある。光男(留年のため二度目)と加代2年・大助1年次に定年退職。その後はマークを紹介したり、花園決勝当日は節子と一緒に見ているなど、最後まで賢治の理解者として活躍した。
- 岩佐 邦靖(いわさ くにやす)
- 演 - 名古屋章
- 山城の後任の学校長。「末は博士か大臣か」「高学歴者になって社会の指導者になれ」という発想の持ち主であり、学者や政治家といった社会の指導者のみを貴び、クラブ活動や恋愛といった庶民的な事物を賎しめる[6]、無味乾燥な人物で生徒から恐れられている(大助から「ゴリラ」のあだ名を付けられる)。『学生の本文は勉強であーる!』がモットー。賢治の教育方針と対立するが、「勝負事は勝たなければならない」という考えには共感する。本作に後続して放送された『親子ゲーム』の矢板保とは正反対の人物である。(※矢板の教育方針は、「勉強なんかできなくても、誰にも頭を下げないで生きているじゃないか」「ラーメンや餃子の作り方を覚えた方が、将来どこかで役に立つ」である。)
- 中間試験で彼がラグビー部存続の条件として出した平均点70点以上をラグビー部が達成したことなどで、賢治との対立は次第に収まっていった。その後、なぜか内田玄治といいペアに。平均点の低い部活動を停止したがってはいたが、平均点より上を維持していたラグビー部に対しては比較的長い目で見ていた。普段から冷淡で無表情であり、パイプタバコを咥えていることが多い。
- 一方で、校内に侵入した暴力団員を一喝して追い返したり、大三郎を「偉人」と褒めたり、大木を引き止めるために足の怪我を隠してハリー・マクガイヤーと競走して怪我を悪化させて歩行困難になった賢治を職員室にて罵り、表向きは一週間の謹慎処分を下す一方、賢治を休養させるための口実としたり、大木が名村直と喧嘩沙汰を起こしてラグビー部が廃部の危機にあった際、自らの非を認めて停学処分を申し出ても「停学も廃部も有りはしない」と、単純に憎まれ役とは言えない懐の深さも持ち合わせている。ラグビー部が全国大会へ出場した際の壮行会では、「人気投票では私は落選確実だな」と山城元校長を表に出し、自分は隅の方に居座った。なぜか岩佐の観戦したラグビー部の試合は敗けることが多く、勝手に「私が行くと負ける」というジンクスを作り上げてしまい、全国大会決勝では花園へは行かず職員室でテレビ観戦した。
- 竹村 司(たけむら つかさ)
- 演 - 佐原健二
- 川浜高校教頭。山城校長時代は日和見で自己保身的な立場だったが、ラグビー部が強くなるにつれ好意的になっていった。大助の学校外での態度について相談した母親が心臓発作を起こして倒れたことから、激昂した大助に暴力を振るわれたこともある。
- 甘利 信之(あまり のぶゆき)
- 演 - 三浦浩一
- 川浜高校数学教諭。生徒達からは「カッポレ(甘茶でかっぽれという意味)」と呼ばれている。やや気弱な性格を持っているが、賢治の良き理解者であり協力者でもある教師。大助と浩(イソップ)の1年時の学級担任。弓道をたしなむ経験から、賢治とマーク双方の指導方針に理解を示した。
- 尚、実史で「山口良治の協力者となった教師」としては、国語を担当した佐野幸夫(在籍:1972年~1978年)がおり、こちらは『プロジェクトX』のインタビューにも登場した。
- 江藤 桂一(えとう けいいち)
- 演 - 谷村昌彦
- 川浜高校歴史教諭。
- 柳 俊子(やなぎ としこ)
- 演 - 松井きみ江(現・松井紀美江)
- 川浜高校音楽教諭。コーラス部の顧問。
- 野田 文義(のだ ふみよし)
- 演 - 大石吾朗
- 川浜高校英語教諭。漫画部の顧問。水原たちの担任で一度試験をボイコットされている。
- 三上 謙介(みかみ けんすけ)
- 演 - 小川隆市
- 川浜高校理科教諭。卓球部の顧問。
コーチ
- マーク・ジョンソン
- 演 - チャールズ・モーガン
- 川浜高校ラグビー部のコーチ。元ウェールズ代表候補。平山主将体制になってから結果が出ず、厳しさ一辺倒の指導に行き詰まりを感じていた賢治に山城が紹介した。「エンジョイ・ラグビー」をスローガンに新たな風を吹き込み、賢治を補佐して川浜高校を日本一へと導く。ラグビーに「厳しさ」を求める賢治とは指導方針で対立するところもあり、夜を徹して激論を交わすこともあったが、ラグビーを愛する者としての価値観は共有しており、八木のコンバートを進言するなど終盤まで賢治の参謀として活躍した。全国大会決勝で放心状態にあった賢治に優勝の事実を伝えたのもマークである。浜っ子クラブのコーチも兼任している。「選手といえば、大学と実業団と自衛隊しかいない」日本のスポーツ環境には疑念を持っている。
- モデルは当時の伏見工業高校コーチで、後に静岡県立浜松工業高校ラグビー部ヘッドコーチなどを歴任したスティーブ・ジョンソン。
下田家
- 下田 大三郎(しもだ だいざぶろう)
- 演 - 梅宮辰夫
- 川浜高校前のラーメン屋「新楽」の店主(マスター)。夕子の夫で、森田光男の姉婿。若い頃は「関東一のワル」と恐れられた。元・暴走族だったこともあり、出前などでバイクを乗りこなしている。ラグビー部員たちを優しく見守る良き兄貴分であり、時には料理を御馳走したりもした。同時に、ラグビー部員からも慕われていた。就任早々惨敗してしまい、一時は部員たちとの衝突で空回りした賢治を励ましたりもした。相模一高との試合の前夜にイソップが死亡した際に、試合当日に彼の親友だった大木に対し、試合の闘志を妨げるイソップの感情を払拭させるべく拳骨をお見舞いした。教育観に関しては、「警察や校長や評論家の話は読んだことがあっても、肝腎の生徒の言い分を一度でも見たことがありますか?」と言うように、問答無用で生徒を軽んじる風潮に疑問を持っている。光男に対しては夕子と対照的にやや突き放した態度を取ることが多いが、これは光男を信頼しているためでもある。
- 清川誠一の家族の借金に絡むトラブルを仲裁しようとした賢治の代わりにヤクザに刺殺された。しかし、亡くなる前にそのヤクザの刑を軽くしてやるよう刑事に頼み込んだ。賢治の赴任を機にラグビーを好きになり、社会人ラグビーチーム「浜っ子クラブ」を立ち上げる。
- モデルとなった人物はお好み焼き屋の主人で、実際は癌で亡くなった。又、伏見工業高校の向かい側には「きらくどう」という名のたこ焼きの店があり、伏見工業高校の西隣には「ウィンドベル」という名の喫茶店がある[7]。
- 下田 夕子(しもだ ゆうこ)
- 演 - 和田アキ子
- 旧姓は森田。大三郎の妻で、森田光男の姉。「新楽」の女将でもある。大阪弁で口喧しいが、誰よりも光男を心配している。意外と涙脆いが、夫の葬儀では一滴の涙も見せなかった。その後、夫亡き後の店で1人号泣した。川浜高校ラグビー部が全国優勝を決めた瞬間、彼女の胸には夫の遺影があった。幼いときに両親を亡くし、親戚を頼って大阪から離れて弟の光男とともに川浜に住み着いた。両親は死んでいる筈だが大阪に祖父がいるらしく、看病のために一時川浜を離れたことがある[8]。
ちなみに梅宮辰夫と和田アキ子は続編の『スクール☆ウォーズⅡ』でも役柄を変えて再び夫婦役をしている。
富田圭子とその関係者
- 富田 圭子(とみた けいこ)
- 演 - 伊藤かずえ
- 森田光男の恋人。ラグビーボールに形が似ているという理由でレモンが好き。光男とはラグビーの日本選手権会場(秩父宮)で出会う。実は名村謙三の娘(第四子)であり、複雑な家庭環境から自殺を考えていた。そして、その遺書の封書を光男に見られたことから二人の交際が始まった。そんな境遇を想い、イソップを自殺の危機から救ったこともあった。親戚の農家や多数の高校を転々としたが、父親から見合い(後述)の話が出て、滝沢家と下田家に家出してきた。川浜高校ラグビー部マネージャーのお手伝いをすることもたびたびあった(一時は名村との確執から大木に睨まれたりもした)。弱い者いじめを決して許さず、賢治、及び川浜高校のラグビー部員が窮地に追い込まれた時に現れて、窮地を救うことがあった。この正義感の強さは、生みの母親・三好夏子(後述)譲りである。
- 富田 義道(とみた よしみち)
- 演 - 高野真二
- 名村謙三の部下で圭子の育ての父親。圭子を取り戻すためならヤクザを使うことも厭わないが、これは謙三に恩義を示すためだった。津並(つなみ)という顔も知らない実業家と見合いをさせるために第四秘書の影山らを遣わせた。のち謙三に諭され光男と圭子の交際を認める。
- 三好 夏子(みよし なつこ)
- 演 - 伊藤かずえ(2役)
- 富田圭子の生みの母。ヤンキーだが、一般人に手を出す人間は成敗するなどの正義感を持っている。圭子が出産したのを機に不良から足を洗うが、かつて自身が叩きのめした愚連隊と偶然再会し、その際に刺殺された。
名村家
- 名村 直(なむら ただし)
- 演 - 鶴見辰吾
- 名村謙三の三男で「黒騎士」というロックバンドのリーダー兼ボーカル。加代に一目惚れし、その場で求婚した。親を恨む大助とは犬猿の仲。大助との決闘のために加代は命を落とすことに。その後、加代の葬儀の場で大助と和解し、互いを認め合う存在となった。富田圭子とは異母兄妹の関係にあった。
- 名村 謙三(なむら けんぞう)
- 演 - 内藤武敏
- 圭子の実父。財閥系名村グループ総帥という身分でありながら驕らない人格者であり、ビジネスに忙殺されるばかりの生活に強い虚無感を抱いている。同グループが加担した店のために大助の実家で営んでいた店を廃業に追い込んでしまい、その為に大助から恨まれていた。実は自身もかつてはラガーマンであり、互いの素性を知らないままに出会い意気投合。その後、素性を知った大助からは憎悪の念を向けられるが、罪悪感を感じていた謙三が母の手術代を工面してくれたことから彼の人となりを知ってしまった大助は心底から憎むことができず、一発殴っただけで「ラガーマンらしくノーサイド」として禍根を水に流した。後に大助の良き協力者となった。
内田家
- 内田 玄治(うちだ げんじ)
- 演 - 坂上二郎
- 内田土木建設の社長であり、川浜市議会議員。自称ラグビー部後援会長の親ばか。ラグビーの経験はないが、練習に参加したこともある。当初は強権的な性格であり、賢治に対しては水原が絡むイザコザや対相模一高戦の惨敗(109-0の敗戦を時々引き合いに出したりする)などで嫌味を飛ばすも、部員への愛着や勝利数が増えたことでやがては心を開くようになる。大言壮語で何かと周りを顧みない言動が多いが、全く「場の雰囲気が読めない」人物というわけではなく、イソップに財布から一万円札を抜き取られた時は自分のことよりイソップの身を案じて事態の収拾に努めたり、「ミヨシナツオ」と名乗っていた謙三の素性が知れると黙って立ち去ったりという配慮を見せることもある。酒好きで、相模一高との対戦で負けが込んだ時にはやけ酒を呷っている。大三郎とは喧嘩友達であり、葬儀に際しては「これから誰と喧嘩すればいいんだ…」とその死を惜しんだ。賢治に対する最初の呼び名は「先生」。後期は「滝沢君」である。
- 内田 勝(うちだ まさる)
- 演 - 宮田州
- 内田玄治の長男。巨漢で強行。自作とされる「御意見無用」と書かれたラガーシャツがトレードマーク。賢治赴任当時3年生。水原や尾本らと共にラグビー部内の不良グループで悪さをしていたが、「お前は自分さえ無事に卒業できれば、後はどうなっても好いのか?」と賢治に諭され、更生の道を歩みつつ、学校への誇りを持つようになる。卒業後は父の建設会社に入り、その傍らで川浜ラグビー部に協力するようになる。
- 非常に弟想いで、治男がタックル恐怖症で部を退いた時には練習相手を買って出た。父の玄治と仲が良く行動を共にすることが多いが、とかく親バカぶりを発揮する玄治とは一線を画しており、治男の処遇を巡って賢治に干渉したことはない。自らが現役の時はレイトタックル(ボールを放した選手にタックルをする反則)も知らず、森田ら後輩をいじめていたが、更生してからは森田と和解した。以後、浜っ子クラブでも活動。
- 内田 治男(うちだ はるお)
- 演 - 岩本宗規
- 内田玄治の次男。兄に負けないほどの体格の持ち主で、その兄を見てラグビーを始める。大助の1学年下で、平山、栗原、清川らと同学年。恐怖心が強くてタックルができず、一度はラグビー部を退部するが[9]、兄の協力で克服。以後ラグビー部に復帰。全国大会決勝ではロックを務める。
奥寺家
- 奥寺 俊也(おくでら としや)
- 演 - 北村総一朗
- イソップこと、奥寺浩の父。残り少ない命の浩が好きなだけラグビーに打ち込めるよう、妻の康代と共に賢治に頼み込む。花園の決勝当日、甘利とともに亡き息子の墓前で雨の中ラジオを流していた。
- 奥寺 康代(おくでら やすよ)
- 演 - 久保田民絵
- イソップこと、奥寺浩の母。脳腫瘍にかかった息子の浩を救おうと、神頼みのため行者を呼んで祈祷を行っているところを浩は目撃してしまい、自殺に走ることになる。浩が息絶えた際号泣した。
他の高校関係者
- 勝又 欽吾(かつまた きんご)
- 演 - 倉石功
- 高校ラグビーの名門、相模一高監督。川浜高校ラグビー部を相手にワンサイドゲームで圧勝するものの、自らの部員が後半に手加減したと見抜き、手抜き行為は相手に無礼だとして部員たちを激怒しながら殴りつけるほどの短気な性格。この試合が川浜高校を目覚めさせる契機となる。
- 賢治とはライバルであると共に、互いにラガーマンとして尊敬しあっている。川浜高校が城南工業大学付属高校と対戦する際には川浜高の宿泊先を訪ね、賢治にアドバイスをしている。また川浜高校ラグビー部部員に対しても、奥寺が失踪した際には相模一高部員と共に捜索に加わったり、偵察に来た川浜高校ラグビー部部員に堂々と練習を公開する、などでラグビー以外でもフェアプレーの精神を貫いている。後にラグビー部内での部員同士の盗難事件の責任を取り、自ら辞任した。その後は実家のりんご農園を手伝う傍ら、花園の実況席で解説役を務めた。
- 勝又監督のモデルは川勝主一郎監督。
- 江川 恭司(えがわ きょうじ)
- 演 - 番哲也
- 城南工業大学付属高校ラグビー部監督。現役時代は無名の選手だったが、監督としては一流。
- モデルは当時の大阪工業大学高等学校ラグビー部監督の荒川博司。
- トレードマークの帽子にサングラスにダウンジャケットといういでたちが荒川にそっくりであった。
- 曽根
- 城南工大高フルバック。平山とはライバル関係にある。
- モデルは大工大高→専修大学の仲宗根弘明。
その他
- 川浜市教育長
- 演 - 塚本信夫
- 川浜市教育課の教育長。
- 明石 恵(あかし めぐみ)
- 演 - 森恵
- 「黒騎士」のメンバー。
- 大北 達之助(おおきた たつのすけ)
- 演 - 近藤洋介
- オールジャパン元監督。「信は力なり」「One for All, All for One.」を賢治に説いた。モデルはラグビー日本代表監督だった大西鐡之祐。
- 藤山 洋一(ふじやま よういち)
- 演 - 小笠原良智
- 賢治の南郷中学校野球部時代の顧問・監督。 当時、野球部主将でエラーを繰り返す部員たちに当たり散らしていた賢治に対し、藤山の「人の心を思いやると言うこと、それが愛と言うもんや。相手を信じ、待ち、許してやること」という教えが教師を志すきっかけとなった。
- 木村(きむら)
- 演 - 辻萬長
- 川浜育ちの新聞記者。賢治が暴力沙汰を起こしたり、イソップが練習中に倒れた時に記事にしようとした。後にイソップの話を聞いた上で、ゴシップにすることを自ら慎み、東都体育大学の第四軍との練習試合には費用の足しにと賢治に資金を提供した。
- ハリー・マクガイヤー
- 大木の不良仲間。賢治は昔の足の傷みをこらえつつ、大木を引き止めるためにハリーと徒競走をした。
- 吉村(よしむら)
- 演 - 小林尚臣
- クリーニング屋で、全国大会に備えたジャージ(かつてイソップがデザインしたもの)を火事(尾本が消火に携わった)を出してほとんどが焼失。賢治は代わりに部室で昔使っていた赤いジャージを見つけ、決勝に挑む。吉村もマネージャーたちとジャージの洗濯を手伝った。
- 海老名健三(えびな けんぞう)
- 演 - 武内文平
- 最終回に登場。花園グラウンドのグラウンドキーパーで、川浜高等学校と城南工大高等学校との決勝を見届けた人物。
スタッフ
- 原作 - 馬場信浩「落ちこぼれ軍団の奇跡」(光文社カッパ・ノベルス)
- 脚本 - 長野洋、大原清秀
- 音楽 - 菊池俊輔
- 監督 - 山口和彦[10]、江崎実生、岡本弘、合月勇
- 主題歌 - 麻倉未稀「ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO」(キングレコード)
- ナレーター - 芥川隆行
放送日程
各話 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1984年10月 | 6日それは涙で始まった | 長野洋 | 山口和彦 | 6.9% |
第2話 | 10月13日 | 泥まみれのニュースーツ | 江崎実生 | 9.8% | |
第3話 | 10月20日 | 謎の美少女 | 大原清秀 | 岡本弘 | 13.0% |
第4話 | 10月27日 | 開かれた戦端 | 江崎実生 | 11.8% | |
第5話 | 11月 | 3日最後の闘魂 | 長野洋 | 岡本弘 | 11.7% |
第6話 | 11月10日 | 涙の卒業式 | 山口和彦 | 14.3% | |
第7話 | 11月17日 | 嵐の新学期 | 大原清秀 | 合月勇 | 12.8% |
第8話 | 11月24日 | 愛すればこそ | 江崎実生 | 16.5% | |
第9話 | 12月 | 1日愛ってなんだ | 長野洋 | 岡本弘 | 14.1% |
第10話 | 12月 | 8日燃える太陽 | 山口和彦 | 14.6% | |
第11話 | 12月15日 | 死と友情と | 大原清秀 | 岡本弘 | 17.3% |
第12話 | 12月22日 | 愛は死線を越えて | 合月勇 | 17.5% | |
第13話 | 12月29日 | 力の限り生きた! | 長野洋 | 岡本弘 | 17.1% |
1985年 | 1月 5日スペシャル総集編(これが青春だ) | 12.8% | |||
第14話 | 1月12日 | 一年目の奇跡 | 長野洋 | 山口和彦 | 17.8% |
第15話 | 1月19日 | 不良教師 | 大原清秀 | 18.2% | |
第16話 | 1月26日 | 学校とはなんだ | 岡本弘 | 16.6% | |
第17話 | 2月 | 2日最後のグラウンド | 長野洋 | 合月勇 | 18.0% |
第18話 | 2月 | 9日去りゆく君へ | 山口和彦 | 19.2% | |
第19話 | 2月16日 | 友よ安らかに眠れ | 大原清秀 | 岡本弘 | 19.0% |
第20話 | 2月23日 | 我ら花園に立つ | 合月勇 | 21.8% | |
第21話 | 3月 | 2日勇気なき者は去れ | 長野洋 | 岡本弘 | 20.2% |
第22話 | 3月 | 9日勝ってから泣け | 合月勇 | 15.9% | |
第23話 | 3月16日 | 下町のヒーロー | 大原清秀 | 江崎実生 | 19.0% |
第24話 | 3月23日 | 花園へ飛べ千羽鶴 | 岡本弘 | 16.1% | |
第25話 | 3月30日 | 微笑む女神 | 長野洋 | 江崎実生 | 14.9% |
最終話 | 4月 | 6日花園よ永遠なれ | 15.5% | ||
平均視聴率 15.75%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
主な用語の説明
- 神奈川県川浜市
- 「川浜市」は「川崎市」と「横浜市」を組み合わせた同作品の架空都市であることは前述の通りだが、川崎・横浜周辺の他大映スタジオがあった府中市内の撮影が主としていた。また、作中で登場した「川浜バス」も川崎市営バスを借用の上で使用していた。川浜市は実際「川崎市中原区及び多摩区」に相当し、モデルは京都市伏見区である。なお、劇中で頻繁に登場する河原の名称は「伏見河原」(京都市伏見区と府中市中河原を掛け合わせた架空の名称)であることが大木と直の決闘前の会話で確認できる。
- 花園ラグビー場
- 東大阪市にあるラグビー場。 通称「花園」。最寄り駅は近鉄奈良線東花園駅。高校ラグビー全国大会が開催されるラグビー場であり、高校ラグビー選手が目指すラグビーの聖地。「花園」という語がそのまま全国大会の意味で使用されることも多く(この辺りは、「甲子園」という言葉が高校野球全国大会の意味で使用されるのと同義である)、本作でもそのような用法が見られる。
- 川浜ラグビー部は大木時代に初出場3回戦進出、平山時代に全国制覇を成し遂げ、本作では都合2回出場している。
- なお本作では触れられていないが、本作放映当時の花園には近鉄所有のグラウンドが2面、東大阪市所有のグラウンドが1面、計3面[11]の公式グラウンドがあり、短期間での日程消化が可能な構造となっている。花園の試合という設定上の撮影では実際、府中市内のラグビーグラウンドを使用していた。
- 第25話で花園ラグビー場の最寄り駅である近鉄奈良線の東花園駅のシーンが映るが、実際は京王線の東府中駅旧駅舎(現存せず)に「近鉄 東花園駅」の看板を付けて撮影された。
- 秩父宮ラグビー場
- 明治神宮外苑内にあるラグビー場。通称「秩父宮」。最寄り駅は営団地下鉄(現・東京メトロ)銀座線外苑前駅。「西の花園、東の秩父宮」と並び称される東日本のラグビーの中心地であり、大学、社会人、国際試合などに幅広く使用される。
- 賢治(史実上は山口良治)にとっては1971年9月28日の日本-イングランド戦において日本唯一の得点となるペナルティーゴールを決めた思い出のラグビー場であり、回想シーンでしばしば登場。また、光男と圭子の出会いの場でもある。山崎もかつて近所に住んでいた。
- 県営ラグビー場
- 神奈川県内にあるとされるラグビー場で、県大会が開催される。相模一高との試合で川浜高校が109-0で敗れた試合をはじめ、ドラマ中最も多く登場するラグビー場である。なお、このグラウンドは三井物産運動場(現在は野球グランドへ改修された)のラグビーグラウンドを借用した上での撮影だったので大映スタジオのあった同じ府中市内のため数多く使用していた。前述の花園ラグビー場の再現もこの場所である。
- 東都体育大学
- 賢治の母校。川浜とも練習試合を行っている。試合は川浜が敗れたものの、森田のペナルティーゴールで完封負けは脱している。
- モデルは山口良治の母校でもある日本体育大学(日体大)。なお、大木のモデルの一人となった山本清悟は、伏見工業卒業後山口の進言により日体大に進学している。
- 相模第一高等学校ラグビー部
- 通称「相模一高」。ジャージの色は青と水色のストライプ、または黄色。神奈川県下一の強豪チームであり、全国大会準優勝3回を誇る。150人以上の部員を有し、専用グラウンドやナイター設備も保有するなど恵まれたトレーニング環境が整備されており、賢治も羨ましがっていた。
- 意外にも全国優勝の経験はなく、これが勝又にとっての果たせぬ夢でもあった。
- 川浜にとっては最初のスローガンが「打倒相模一高」であり、宿敵であると同時に目標でもあったが、一方で同じ神奈川県代表の誼もあり、川浜ラグビー部員が花園で試合観戦した際には相模一高を応援していた。また、イソップが行方不明となった際には川浜と相模一高のラグビー部員が協力して捜索に当たった。
- 勝又退任後は嘗ての強豪の面影はなく、県大会決勝で川浜に68-12で敗れた。
- モデルは京都市の花園高校だが、同志社高校ラグビー部の要素も一部加味されている(森田時代の決勝での敗戦は伏見工業vs同志社戦がモチーフ)。なお、ドラマとは関係ないが、舞台となった神奈川県には、相模台工業高校という高校ラグビー界の古豪が存在していた。
- 城南工業大学附属高等学校ラグビー部
- 通称「城南工大高」。東京代表(第1話での実況解説より)。ジャージの色は濃紺に赤のライン、または緑と青のストライプ。全国に名を知られた強豪であり、森田時代、大木時代に花園で優勝、平山時代に川浜に破れるも準優勝を果たしている。
- 川浜とは花園で2回、国体で1回、計3回対戦しており、1勝1敗1分の対戦成績を残した。
- ちなみに原作によると、「城南工大高」のモデルは2つある。1つはここにも書かれた大工大高。もう一つは東京の國學院久我山高校である。
- 実史で伏見工業高校が初優勝した1981年の決勝相手は大工大高だが、1980年の準優勝と1979年の優勝は國學院久我山高校である。
- 新楽
- 川浜高等学校の近所にある中華料理店。下田大三郎と夕子で店を切り盛りしている。ラグビー部のオアシスと呼ばれる位出番が多い。夕子が父の看護で大阪に帰った時期は森田他部員たちがアルバイトで手伝ったこともある。
- 川浜市立総合病院
- 川浜市内の総合病院。イソップ、加代、大三郎の終焉の地となった他、大木の母の心臓手術もここで行われた。イソップが川浜の新ジャージとライジング・サンのマークをデザインしたのもここである。実際には、石油コンビナートが立ち並ぶ川崎市浮島周辺とされている。
- グランドキャバレー大東洋
- 川浜市の繁華街の風景としてたびたび登場。本編終盤では浜っ子クラブのミーティング開場としても使用された(場所柄上、ここに出入りしていた大三郎を見た賢治と大木は「マスターは浮気している」と当初思い込んでいた)。
- 放映当時、府中市に実在したキャバレーであり、同じ大映ドラマ『乳姉妹』にも登場。
- 浜っ子クラブ
- 大三郎が結成した社会人ラグビーチーム(実態は同好会に近い)。大三郎が川浜ラグビー部の真の理解者となるべく結成したチームであり、構成員は八百屋、電気工、左官、郵便配達員、タクシードライバーなど様々な職業や年齢の人々が集まっている。その中には、内田勝や水原もいる。
- 当初、水原は賢治にコーチ就任を要請したが、賢治は多忙のため受けられず、代わってマークを紹介した。大木も時折練習に参加している。
- 川浜電機
- 川浜市に本社を置く電気機器メーカー。当初大木の就職先となるはずであったが、ラグビー部の休部(事実上の解散)に伴い内定を取り消してしまう。この一件は節子からも激しく非難された。なお川浜電機は、府中市内にある東芝に相当し、ラグビー部も存在するためそこに加味できる。
- 東北製鉄
- 仙台市に本社を置く製鉄会社。日本有数の巨大産業であり、社会人ラグビーの強豪チームを有する。
- 東京支社長の永井は賢治の監督としての力量に惚れ込み、再三に渡って監督就任を要請していた。のち、大木の就職先となる。
- 勤務地「千葉」というのもモデルは蘇我付近のJFEスチールとされている。
- 川浜警察署
- 神奈川県警の警察署。大乱闘で大木が必ずと言っても過言ではないほど連行された場所である。パトカーはトヨタ・マークIIで、Gメン'75で使用したものとされる。
- 川浜消防署
- 川浜市内の消防署。川浜高校を卒業した尾本が活躍する消防署でもあり、全焼した川浜クリーニング店でも消火活動に当たった。
- 内田工務店
- 川浜市議会議員である内田玄治が経営する建築業。川浜市内をはじめ、川浜高校ラグビーグランドを改修施工をしたりもした。卒業した息子の勝も就職している。
- トラックはトヨタ・トヨエース。社用車はトヨタ・クラウンである。
- 名村財閥
- 日本全土屈指の大財閥で、土地開発など会社規模は五指に入るほどの大企業である。そのせいで父が経営していた雑貨店が廃業し、父が自殺を図り大木は長らく目の敵にしていたグループでもあった。
- モデルは三井・三菱・住友の3グループに相当し、川浜市内にオープンしたショッピングモールは今でいうイオン系列に加味できる。
TBS系 土曜21:00 - 21:02枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
ザ・サスペンス
(1982.4.10 - 1984.9.29) |
スクール☆ウォーズ
(1984.10.6 - 1985.4.6) |
スーパーポリス
(1985.4.13 - 1985.7.20) |
スクールウォーズ2
スクールウォーズ2 | |
---|---|
ジャンル |
スポーツ 学園ドラマ |
原作 | 軒上泊『八月の濡れたボール』 |
脚本 |
長野洋 大原清秀 |
監督 |
山口和彦 小島穹 皆川智之 |
出演者 | 山下真司 |
ナレーター |
芥川隆行(第1-4話) 城達也(第5-16話) |
オープニング | 丸山みゆき「FIRE」 |
製作 | |
プロデューサー |
春日千春 荒川洋 浜井誠 |
制作 |
大映テレビ TBS |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1990年9月4日 - 1991年1月8日 |
放送時間 | 火曜日20:00 - 20:54 |
放送枠 | TBS火曜8時枠の連続ドラマ |
放送分 | 54分 |
回数 | 16 |
『スクールウォーズ2』は、1990年9月4日から1991年1月8日まで毎週火曜日20:00 - 20:54に放送された。主演は山下真司。
『スクール☆ウォーズ』の続編。番組改編期でもない9月からの放送。
概要
茨城県下川市(架空の市名である)にある少年院の中に県立河北高校の分校(光成学園)が作られ、そのラグビー部監督として滝沢賢治が赴任、大木大助をコーチに迎え入れて花園出場を果たすというストーリーであったが、少年院が舞台というストーリーの設定上の問題と特番の乱発(TBS社員秋山豊寛の宇宙旅行の時期と重なる)と視聴率不振で年末年始の特番を挟んで翌年1月8日に終了した。サウンドトラックは第1話-7話まではそれぞれオリジナルを使用したが、最終話が近づくにつれて前作のものを流用してきた。なお劇伴音楽は前作に引き続き菊池俊輔が担当した。
『2』の原作は『スクール☆ウォーズ』とはまったく無関係の作品(軒上泊原作の小説「八月の濡れたボール」、しかも原作で扱われているのはラグビーではなく野球)なのだが、それを『スクール☆ウォーズ』の続編としてドラマ化したため、原作とドラマでは設定が大幅に異なるものになっている。
山下真司・岡田奈々・松村雄基・名古屋章・梅宮辰夫・和田アキ子・四方堂亘・倉石功・大石吾朗といった第1作のレギュラーメンバーの多くが引き続き出演したが、山下・岡田・松村以外は別の配役であった(梅宮・和田が夫婦役なのは同じ)。
前作『スクール☆ウォーズ』は既にDVD化されているが、本作はDVD化されていない。なお、TBSチャンネルでは本作も度々再放送された。
放送開始から1カ月が経過した1990年10月2日に第4話までナレーターを務めた芥川が他界し、第5話からは城達也がナレーターを務めた[12]。
なお、大映テレビのフィルム撮影によるテレビドラマは本作が最後となり、以降の作品はVTR→ハイビジョン撮影に移行している。
キャスト
滝沢家
- 滝沢 賢治(たきざわ けんじ)
- 演 - 山下真司
- 川浜高校でラグビー部を指導していたが、法務省官僚・小川勉と光星学園園長・上田晋太郎の熱心な誘いにより光成学園に転任、ラグビー部監督となった。
- 滝沢 節子(たきざわ せつこ)
- 演 - 岡田奈々
- 賢治の妻。当初は夫の光星学園への転任を猛反対していたが、夫の熱意を知り転任を受け入れる。
- 滝沢 ゆかり
- 演 - 仲さやか
- 賢治の一人娘。父の転任により転校したが、父の少年院勤務が原因でいじめられることもあった。
光成学園
生徒
- 吉川 静男(よしかわ しずお)
- 演 - 湯江健幸
- 光成学園ラグビー部キャプテンで、唯一のラグビー経験者。他のラグビー部員の財布を盗んで逃走し逮捕される。ラグビー部を存続させるために秋本らと共に、新田らの度重なる復讐行為に立ち向かう。背番号10。
- 秋本 剛(あきもと たけし)
- 演 - 咲輝(現・榊原利彦)
- 所属していたサッカー部のレギュラー選考の実態に反発しグレ始める。恋人の洋子を強姦した新田の友人、黒川の男性器をナイフで切断し少年院に送致される。ラグビー部を存続させるために吉川らと共に、新田らのたび重なる復讐行為に立ち向かう。退院後、洋子の墓の前で自殺しようとしたが、賢治に制止される。背番号7。
- 左山 集一(さやま しゅういち)
- 演 - 松下一矢
- 正確で超人的なキック力を持つサッカー少年。母(演:小川美那子)の不倫相手(演:渡辺哲)を殺害(走行中のトラックの荷台に座っていた被害者に対し、前述の正確なキック力でボールを当てて転落させたというもの)し、少年院へ送致される。秋本たちと仲がよい。練習中、新田のタックル(集一に怪我を負わせるのが目的でやったもの)で頚椎脱臼の重傷を負い、選手生命を絶たれてしまうが、やがて新田らと和解。背番号16。
- 水口 征二(みずぐち せいじ)
- 演 - 西村和彦
- 兵庫県出身で関西弁を話している。少年院に入る前は地元のパン屋で働きながら定時制高校に通い、その高校の野球部主将も務めた。野球部の全国大会出場が決まったものの、その全国大会が長雨の影響で全面中止になったことに激怒。甲子園球場に侵入し、優勝旗を燃やした罪で少年院に送致される。ラグビー部を存続させるために秋本らと共に、新田らのたび重なる復讐行為に立ち向かう。背番号15。
- 新田 明(にった あきら)
- 演 - 保坂尚輝
- 元不良グループ番長。元々は締め付けの厳しい学校生活に馴染めず自宅に引きこもる大人しい少年だったが、新田の辛い気持ちを全く考えない教師の行動に反発を強め、急速に非行化していった。ラグビー部員に対して不公平さを感じたことや、秋本に重傷を負わされた友人・黒川が交通事故で亡くなる直前まで恨みを持ち続けていたことから、秋本への復讐とラグビー部の廃部を企む。賢治にも敵対心を持っていたが、やがて左山を再起不能にした責任から賢治たちに謝罪し、左山に代わりキッカーの役割を受け継ぐ。背番号6。
- 名村 利幸(なむら としゆき)
- 演 - 水島新太郎
- 新田の手下。秋本らに敵対心を持っていたが、やがて新田のあらゆる手段に屈しない秋本の勇気に心を動かされ、新田のグループから最初に脱退。シンナー中毒者だった。1で登場した名村財閥とは関係はない。背番号14。
- 田中 敏男(たなか としお)
- 演 - 田中義訓
- ラグビー部一の巨漢。元々は新田の手下で、秋本らに敵対心を持っていたが、シンナーを使って寺山を利用した濡れ衣を新田に着せられ、後に便所でシンナーが発見される事件で腕立て伏せ200回・重謹慎1カ月の懲罰を受ける。その後新田のグループから脱退。背番号1。
- 森田 誠(もりた まこと)
- 演 - 宮下直紀
- 新田の手下で、秋本らに敵対心を持っていた。新田の一の子分を自称していたが、新田が改心したことを裏切りと捉え、河北高校との練習試合でやる気のなさを新田に指摘された際に毒づいた。その試合でかすり傷にもかかわらず途中で負傷退場したが、麗子に罵られて発奮し試合に復帰。新田とも和解した。背番号2。
- 寺山 隆(てらやま たかし)
- 演 - 矢野貴明
- 光成学園ラグビー部員。シンナー中毒者で、名村を自分のグループに戻そうと画策した新田に利用される。背番号8。
- 北田 透(きただ とおる)
- 演 - 石坂誠隆(現・志村東吾)
- 光成学園ラグビー部員。背番号9。
- 堂脇 正次(どうわき しょうじ)
- 演 - 板倉竜馬
- 光成学園ラグビー部員。背番号12。
- 中本 次郎(なかもと じろう)
- 演 - 松永博史
- 光成学園ラグビー部員。背番号13。
- 栗原 豊(くりはら ゆたか)
- 演 - 松井龍二
- 光成学園ラグビー部員。背番号11。
- 吉本 亮(よしもと りょう)
- 演 - 鬼頭光世
- 光成学園ラグビー部員。背番号3。
- 藤沢 保(ふじさわ たもつ)
- 演 - 土田一徳
- 光成学園ラグビー部員。背番号4。
- 大矢 和夫(おおや かずお)
- 演 - 蔵下輝美
- 光成学園ラグビー部員。背番号5。
教職員
- 上田 晋太郎(うえだ しんたろう)
- 演 - 名古屋章
- 河北高校の分校として少年院内に設けられた光成学園の園長。更生教育の一環として、ラグビー部創設を考え、賢治に監督就任を要請。
- 清水 登太(しみず とうた)
- 演 - 石橋正次
- 光成学園に勤務する法務教官。教育方針の違いから賢治とたびたび論争を起こしたが、根は良い人で物語が進むにつれラグビー部員たちを見る目が優しくなっていく。後半では練習試合でチームが勝ったり、リードしている時に満足そうな笑みを浮かべ、それを賢治に見られてあわてて元の仏頂面に戻るのがお約束となっていた。
コーチ
- 大木 大助(おおき だいすけ)
- 演 - 松村雄基
- 川浜高校ラグビー部OB。かつて「川浜一のワル」と恐れられていた賢治の教え子。現在は運送会社を立ち上げ、社長になっている。その社員は他に1名いる。賢治と偶然に再会した際に賢治からの依頼でラグビー部のコーチに就任する。生徒からは兄貴分のように慕われていた。選手を試合に輸送する際も大木の会社のトラックを使用した。
光成学園ラグビー部の関係者
- 篠原 由紀子(しのはら ゆきこ)
- 演 - 島崎和歌子
- ラグビー部員の財布を盗んで逃走中だった吉川と出会い、一夜を共にした(肉体関係はない)。その後吉川の恋人になる。
- 沢村 洋子(さわむら ようこ)
- 演 - 川越美和
- 剛の恋人で余命数カ月と宣告されていた。入院中にラグビー部のシンボルマークをデザイン。最終話直前に息を引き取る。
- 水口 圭子(みずぐち けいこ)
- 演 - 東恵子
- 水口の妹。幼少時に両親を失い(父は事故死、母は男を作り蒸発)、兄とともに親戚に預けられるが、その親戚から冷たい扱いを受ける。それでもたった一人の肉親というべき兄とともに力強く生きてきたが、その兄が少年院に送られたのを機に非行の道へ。少年院に入った兄に対し「死んでしまえばいい」と書かれた手紙を送りつけた。その後、兄と面会。ここで兄の気持ちを知り和解に至る。和解後はラグビー部入りした兄の試合をたびたび見に来るなどし、退院時には迎えにも来た。
- 清水 麗子(しみず れいこ)
- 演 - 安永亜衣
- 清水の娘。左山に思いを寄せる。
小川家
- 小川 勉(おがわ つとむ)
- 演 - 倉石功
- 法務省の官僚。上田とともに光成学園ラグビー部創設を考え、賢治に同学園赴任を最初に要請した。賢治赴任後も「相談役」という形で賢治をサポートするが、ラグビー部員の一人・秋本と彼の恋人・沢村洋子を院外で面会させたところを目撃した清水の密告により、法務省に辞表を提出(少年院生は家族以外の人物との面会が認められておらず、「院外作業」と称して密かに会わせていた)。法務省退職後、河北高校ラグビー部OBである縁から同校教師に赴任。同校ラグビー部監督として賢治とライバル関係になる。
- 小川 史江(おがわ ふみえ)
- 演 - 亜里香(現・佐藤ありか)
- 小川の娘。父の辞任を機に非行に走り、暴走族「凶士連合」のリーダー格に。
柴田家
- 柴田(夫)
- 演 - 梅宮辰夫
- 柴田(妻)
- 演 - 和田アキ子
- 光成学園に給食を提供している少年院指定の食品業者・柴田商店を営む夫妻。
その他
- 河北高校ラグビー部長
- 演 - 大石吾朗
- 柴田商店の従業員
- 演 - しのざき美知
- よう子
- 演 - 伊藤麻衣子
- 左山のリハビリを指導する理学療法士。大木が想いを寄せるようになって行ったが、作中ではあまり進展せず。
スタッフ
- 原作 - 軒上泊「八月の濡れたボール」
- 脚本 - 長野洋、大原清秀
- 音楽 - 菊池俊輔
- 監督 - 山口和彦、小島穹、皆川智之
- 主題歌 - 丸山みゆき「FIRE」
- 原曲はジム・スタインマンの1981年のアルバム「Bad for Good」に収録されている「Out of the Frying Pan (And into the Fire)」。その後1993年にミートローフがアルバム「地獄のロック・ライダーII〜地獄への帰還」でこの曲を取り上げている。
- ナレーター - 芥川隆行(第1-4話)、城達也(芥川の死去に伴い第5話から交代)
放送日程
各話 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|---|
第1話 | 1990年 | 9月 4日移送・12名の謎 | 長野洋 | 山口和彦 |
第2話 | 9月11日 | 絶対に逃げてやる | ||
第3話 | 9月18日 | 重謹慎がなんだ | ||
第4話 | 9月25日 | 私は死ぬのよ! | ||
第5話 | 10月 | 9日泣くな妹よ! | ||
第6話 | 10月16日 | ワル達が燃えた! | 小島穹 | |
第7話 | 10月23日 | 勇気とは何だ?! | 山口和彦 | |
第8話 | 10月30日 | 院に棲む悪魔 | 大原清秀 | 小島穹 |
第9話 | 11月 | 6日奇跡は起こるか? | 山口和彦 | |
第10話 | 11月13日 | 涙の誓い | ||
第11話 | 11月20日 | 勝ったぞ俺たち! | 長野洋 | 小島穹 |
第12話 | 11月27日 | サングラスの友情 | 皆川智之 | |
第13話 | 12月11日 | 新たなる闘志 | 大原清秀 | 小島穹 |
第14話 | 12月18日 | 黒眼鏡軍団の奇跡 | 長野洋 | 山口和彦 |
第15話 | 12月25日 | 安らかに眠れ | 大原清秀 | 小島穹 |
最終話 | 1991年 | 1月 8日我ら花園に立つ | 長野洋 | 山口和彦 |
TBS系 TBS火曜8時枠の連続ドラマ | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
愛してるよ!先生
(1990.7.10 - 1990.8.28) |
スクール・ウォーズ2
(1990.9.4 - 1991.1.8) |
ナースステーション
(1991.1.15 - 1991.3.18) |
映画版
スクールウォーズ・HERO | |
---|---|
監督 | 関本郁夫 |
脚本 |
佐伯俊道 山田立 |
原作 | 山口良治 |
製作 |
早河洋 迫本淳一 元村武 |
ナレーター | 柳澤愼一 |
出演者 |
照英 和久井映見 弓削智久 内田朝陽 SAYAKA |
音楽 | 本間勇輔 |
主題歌 | 大黒摩季「HERO」 |
配給 | 松竹 |
公開 | 2004年9月18日 |
上映時間 | 118分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
2004年9月18日には、映画版『スクールウォーズ・HERO』が公開された。こちらは主人公のモデルとなった山口良治自身の著書を原作としている。1984年のドラマ版とは繋がりはないが、主題歌はドラマ版で使用された「HERO」を大黒摩季がカバーしたものが使用されている。
ドラマ版では大映テレビとTBSが制作に関っていたが、映画版では松竹とテレビ朝日が制作に関っている。舞台も、ドラマ版では前述の通りモデルではない(京都市ではない)都市を舞台にしているが、こちら映画版ではモデルとなった京都市を舞台にしている。
キャスト
- 山上家
- 伏見第一工業高校 生徒
- 伏見第一工業高校 教職員
- その他
スタッフ
- 制作委員会メンバー - テレビ朝日・松竹・Gカンパニー・電通・吉本興業・ホリプロ・衛星劇場・エフエム東京・日本出版販売
- 制作者 - 早河洋、迫本淳一、元村武
- 企画 - 木村純一、宮島秀司
- プロデュース - 見留多佳城、橋口一成
- 原作 - 山口良治
- 監督 - 関本郁夫
- 脚本 - 佐伯俊道、山田立
- 主題歌 - 大黒摩季「HERO」
- 音楽 - 本間勇輔
- 協力 - 日本ラグビーフットボール協会
参考資料
- 「スクール★ウォーズ」を作った男(山中伊知郎、洋泉社、2004年、ISBN 4-8969-1792-8)
関連項目
関連番組・作品
- TBS土曜9時枠の連続ドラマ
- ポニーテールはふり向かない:『スクール☆ウォーズ』と同じく、TBS土曜21時台の大映ドラマ。
- 親子ゲーム:『スクール☆ウォーズ』の新楽と同じく、ラーメン屋を舞台にした設定になっている。
- 日立 世界・ふしぎ発見!:後輩番組で、1987年10月から現在まで『スクール☆ウォーズ』の枠で放送されているクイズ番組。オープニングナレーションの入れ方や、スーパーひとし君のデザインなど、所々で『スクール☆ウォーズ』の影響が見える番組である。
- 太陽にほえろ!:山下真司と下川辰平の出会いの動機になったドラマ。
- プロジェクトX〜挑戦者たち〜:番組内で『スクール☆ウォーズ』の影響を受けたと見られるナレーションが使用されている。又、モデルとなった京都市立伏見工業高校の話題も紹介された。
- いなり、こんこん、恋いろは。:魔法少女漫画で、『スクール☆ウォーズ』と同じく京都の伏見をモデルにしている。
- ロッテアイス・モナ王 : 2014年5月から放送のテレビCMで、第8話の試合終了後(悔しいです)の映像が使われている。このCMでは親子でその映像を視聴している父親役及び映像内での置き換えられた滝沢の台詞の声として山下真司が起用されている他に、映像内で森田光男が「悔しいです」と叫ぶ部分を「おいしいです」に置き換えた台詞を森田役の宮田恭男が声を当てている。なおメイキングには宮田本人も登場している。[13]
脚注・注釈
- ^ 『スクールウォーズ』のモデルになった時代背景は1974年から1981年までであるが、この1970年代後半から1980年代前半にかけての時代は、「詰め込み教育による落ち零れ」が社会問題化し、更に明治以来の軍国主義や反自由主義の余燼を引き摺る親や教師がまだ多かった時代であった。この為、「詰め込み教育による落ち零れ」が工業高校に流れて、工業高校が「不良少年の巣窟」になる例が目立っていた。
- ^ 高学歴プレカリアートやオーバードクターなどの「学歴難民」が増大して顕在化した時期は、冷戦が終わった後の長期不況時代である。
- ^ 全日本テレビ番組製作社連盟(ATP) 第2回ATP賞
- ^ キングレコード 『スクール☆ウォーズ』DVD案内
- ^ 感涙の”名セリフ&名シーン”50年秘史!「スクール☆ウォーズ・山下真司」
- ^ 現実世界における学者や政治家といった社会の指導者が、自身が賎しめている娯楽や恋愛を貴んでいるという現実を、岩佐自身は無視している。
- ^ 伏見工業高校の西隣の喫茶店「ウィンドベル」は、初回放送年である1984年以来立地している。リクルート社 ホットペッパー 「ウィンドベル」案内も参照。
- ^ 実際は、演者である和田アキ子のスケジュールの都合。
- ^ 城南戦での敗戦で責任を感じたことから
- ^ [http://www.jprime.jp/column/man/11006/ 『スクールウォーズ』監督、「イソップは演技が下手」
- ^ 2015年3月31日まで。現在は2019年ラグビーワールドカップに合わせてすべてのグラウンドが公営化されている。
- ^ 芥川と城は大映ドラマでは『ザ・ガードマン』のナレーターをそれぞれ務めた経験がある。
- ^ 出典・ロッテモナ王Xスクール☆ウォーズ コラボレーションサイト
外部リンク
- スクール・ウォーズ - TBSチャンネル
- スクール・ウォーズ2 - TBSチャンネル
- スクールウォーズ・HERO - 2004年12月31日時点のアーカイブ
- エラー: subst: がありません。Movielink ではなく subst:Movielink としてください。
- エラー: subst: がありません。Movielink ではなく subst:Movielink としてください。
- スクールウォーズ・HERO - Movie Walker
- スクールウォーズ・HERO - 映画.com