ベルマーク運動
ベルマーク運動(ベルマークうんどう)とは、学校などの教育施設、公民館など生涯学習施設の教育環境整備の助成と、交通などでハンデのある僻地の学校やなどの特別支援学校、病院内学級や被災校、発展途上国の教育に対する援助を組み合わせて行われる運動で、朝日新聞社創立80周年記念事業として1960年に始まった。ベルの形は「国内外のお友達に“愛の鐘”を鳴り響かせよう」との意味合いがある。
目次 |
[編集] 沿革
- 1957年 - 福島県いわき市の教諭が朝日新聞社に「僻地などでも都市同等の義務教育を」と支援を依頼。
- 1960年10月24日 - 教育設備助成会が設立される。
- 1997年6月 - ベルマーク教育助成財団(略称・ベルマーク財団)に改称。
- 2006年-大学(専門学校も含む)や公民館などの生涯学習施設の参加も可能に。
- 2010年3月-ベルマーク預金での購入品の制限が撤廃、消耗品などもOKに。
- 2011年6月-公益財団法人に移行。
[編集] 概要
商品の包装紙やパッケージにつけられた「ベルマーク」を切取り、学校・団体ごとに集めて財団に送ることにより、1点あたり1円がそれぞれの団体のベルマーク預金になり、貯まった預金で自分の学校・団体の設備品などを購入することができる。貯まったポイントで商品と交換すると勘違いされることがあるが、あくまでも預金で購入するシステムである。さらに、この設備購入代金の1割がPTAからの寄付金となり、へき地学校などの援助に役立てられる。ベルマーク運動の変わらない仕組みである。
マークは協賛会社と呼ばれる企業の製品パッケージなどに印刷してあるが、使用済みインクカートリッジの回収やグリーンスタンプのように商品にマークがついているのではなく、「ベルマーク点数」と交換する仕組みのものもある。これらの商品には食品、文房具、日用品といった家庭品が多く、2000年以後は保険会社やエプソン、キヤノン、ブラザー販売が使用済みインクカートリッジ回収で協賛している。2011年には、紙容器のリサイクル回収で日本テトラパックが参加した。 ベルマーク運動への参加登録は、幼稚園、学校や公民館などに限られ、個人や企業での参加登録はできない。 学校・団体ごとにマークを集めてベルマーク教育助成財団に送付すると、1点1円換算で預金化され、それぞれの口座に貯まる。貯まった預金を利用して協力会社(≠協賛会社)から自分の学校などの設備や教材を購入することができる。 協力会社は楽器や自転車のメーカー・事務機器メーカー・書籍取次店・スポーツ用品メーカーなどで、参加学校・団体には年に2回、各社の主な取扱商品を掲載した「お買いものガイド」が送られる。以前は、消耗品が購入できないという規則があったが、今は協力会社が扱っている商品であれば何でも購入できる。
購入代金の10%が、協力会社からPTAなどに戻され、ベルマーク財団に寄付されるのもベルマーク運動の特徴である。これが「援助資金」としてプールされ、へき地学校や特別支援学校など、援助を必要としている子どもたちのために使われている。
1990年代後半から、バブルの崩壊に加え、教育施設の設備の充実や少子化が進んだことから、協賛会社の撤退が相次ぎ、運動は弱体化したが、2007年から再びマークの年間集票点数は増える傾向にある。2006年には大学や短期大学などこれまでPTAがなかったため参加できなかった学校や、公民館や生涯学習センターなどの社会教育施設にも参加資格が拡大された。また点数収集についても、リサイクル教育を兼ねた方法として、エプソンやキヤノンのプリンターの使用済みインクカートリッジ等と交換でマークを付与したり、web店舗での商品購入などネット販売でマークを提供するスマイルピース(イーイーアイ)が協賛し、広がりをみせている。 一方、援助の面では1998年からベルマーク預金を直接援助資金に寄付することができる友愛援助の制度ができ、海外や災害も対象になっている。東日本大震災では「緊急友愛援助」の寄付呼びかけが行われている。
- 参加校・団体
- 幼稚園・保育所(保育園)・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校(盲学校・聾学校・養護学校)・大学・公民館や福祉施設。当初は2263校であった参加校も現在は28400校前後で推移している。小学校の参加率は全国平均で68%、中学校で62%。
- 協賛会社
- 商品にベルマークを付ける権利を持つ会社。2011年4月現在62社。ただし協賛会社のすべての商品にマークがついているわけではない。協賛会社が脱退した場合は、契約により、脱退から6ヶ月間以内に財団に到着したマークのみ有効になる。価格競争の激化、互助意識の薄れ、不景気の影響などからマークを付ける商品を減らしたり、1960年の運動初期から参加していたライオンが2008年3月限りで撤退したりしている一方で、あいおいニッセイ同和損害保険を皮切りに保険業界から3社が参入、ファミリーマート、キリンビバレッジが2006年、住友スリーエムが2009年から参加するなど、新たな動きもある。
協賛のメリットとしては、まず、文部科学省お墨付きの教育助成活動に参加していることに意義を持ち、企業のブランド力、イメージを高められることが挙げられている。たとえば、創立当初から協賛している児童用シューズ製造の「ラッキーベル」などは、このベルマークが社名の由来となっているほどである。それから協賛企業の営業活動において、ベルマーク運動参加の参加団体から優先される点も大きい(それゆえ、学習用品の企業協賛が多かった)。また、市場調査費を計上することで、同時にマーケティングリサーチを行える点がある。これは設備の購入負担金を必要とする一方で、どのエリアからどれだけ購入、消費されたかを計る目安にもなる。 一方で、協賛会社は経費負担として分担金(運動の広報・宣伝費など)、市場調査費(自社の集票点数×1.25円)負担などが必要になる。市場調査費のうち、0.25円分が運動と財団の管理・運営費にあてられている。また万が一の時のための保証金などそれなりの金銭的費用を必要とする。
- 協力会社
- 設備品購入を取り扱う会社であって自社商品にベルマークを付ける協賛会社ではない(兼任もある)。協力会社が扱う商品は原則としてすべてベルマーク預金で「購入」することができる。2011年4月現在、15社。
- 個人による寄贈
- ベルマーク運動は、上記の通り学校や公民館などの団体以外は登録参加できないが、応援、支援はだれでもできる。最近は、個人や企業単位でマークや使用済みインクカートリッジを集めて、近くの運動参加校などに届けたり、ベルマーク財団に直接送ったりするケースも増えている。また地元の学校などの回収箱がスーパーや銀行に置いてあったり、朝日新聞販売所(ASA)の店舗では、個人で集めたマークを預かり、学校に届ける活動も広がっている。
朝日新聞の会員制サイト、「アスパラクラブ」では、個人で集めたベルマークを寄贈することも可能である。会員は専用サイトにログイン後、専用の送付用紙をダウンロードして集計を行い、ベルマークの実物と共に送付する。会員種別(朝日新聞の購読の有無によって3つに分かれている)は問われないが、送付用紙には会員番号を記入しなければならず、会員外はこの方法では寄贈することは出来ない。
[編集] 協賛会社の一覧(脱退企業も含む)
協賛会社には主として参加企業順に番号が付されるが、創立当初は3桁の番号であり(とはいえ、3桁も必要になるほど参加企業は多くない)、現在の番号順に振り直されたのは1970年代中期あたりである。この番号は各参加団体が収集したマークを企業ごとに整理、集計する際などに役立っている。なお、脱退企業は脱退より半年を経過すると収集しても無効である。
- 協賛会社の一覧(番号順)2011年4月現在
| 番号 | 協賛会社 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 欠番 | 元、河合楽器製作所 |
| 2 | 寺西化学工業 | |
| 3 | ラッキーベル | |
| 4 | 日本水産(ハム・ソーセージ) | |
| 5 | キョクトウ・アソシエイツ | |
| 6 | 三井製糖 | |
| 7 | キユーピー | |
| 8 | 東京ワンタン本舗 | 元、衛生材料販売(衛生用品製造) |
| 9 | エスビー食品 | |
| 10 | クレハ | 元、ジュジュ化粧品 |
| 11 | 欠番 | 元、大王製紙。初期は鐘紡(食品事業部、前身は渡辺製菓) |
| 12 | サンスター文具 | 元、鐘紡(菓子事業部、前身はハリス) |
| 13 | 欠番 | 元、旭硝子。初期は昭和産業 |
| 14 | 森永乳業 | |
| 15 | ジブラルタ生命保険 | 元、鐘紡(毛糸事業部)。現クリエイトベル |
| 16 | 欠番 | 元、ライオン(歯磨) |
| 17 | 日本テトラパック 紙容器回収としては初協賛。 |
元、ライオン(家庭衛生用品事業部)。初期はダイヤ毛糸 |
| 18 | 日清オイリオグループ | |
| 19 | キヤノンマーケティングジャパン | 元、セメダイン。後にセメダインは番号再編成で復帰 |
| 20 | 住友スリーエム(台所スポンジ) | 元、サンスター |
| 21 | 住友スリーエム(粘着フック・接着剤) | 元、プリマハム |
| 22 | ソントン食品工業 | |
| 23 | ファミリーマート | 元、セイコー(前身は服部時計店) |
| 24 | 日清フーズ | |
| 25 | 明治(旧・明治製菓) | |
| 26 | 森永製菓 | |
| 27 | 欠番 | 元、富士写真フイルム |
| 28 | ブラザー販売 | 元、富士写真フィルム(磁気製品事業部)、初期は宝酒造 |
| 29 | アサヒ飲料 | |
| 30 | クラレ | |
| 31 | 新学社 | 元、TDK |
| 32 | 欠番 | 元、味の素(味付け調味料) |
| 33 | ヤマハ | |
| 34 | 欠番 | 元、三菱鉛筆 |
| 35 | 日清食品 | |
| 36 | 成田食品 | 元、ハニーファイバー(寝具製造。旧おたふくハニーふとん) |
| 37 | 牛乳石鹸共進社 | |
| 38 | 欠番 | 元、山田養蜂場、初期は日本ペイント |
| 39 | ファインプラス | 元、トンボ鉛筆 |
| 40 | 欠番 | 元、資生堂(石鹸事業部) |
| 41 | 欠番 | 元、積水化学(家庭品) |
| 42 | 欠番 | 元、大洋漁業(現マルハニチロ食品) |
| 43 | 東芝 | |
| 44 | 欠番 | 元、コクヨ |
| 45 | 欠番 | 元、墨運堂 |
| 46 | 欠番 | 日本水産(冷凍食品) |
| 47 | キリン・トロピカーナ | 元、大東燐寸工業(後のダイドー工業。1978年に倒産。現、ダイドー) |
| 48 | ブルボン | 元、竹屋。タケヤは後に味噌工業協同組合で再加入していた |
| 49 | 欠番 | 元、シスコ(現、日清シスコ) |
| 50 | ナカバヤシ(ノート) | 元、東洋水産(調味料) |
| 51 | 旭松食品 | |
| 52 | 欠番 | 元、矢崎化工 |
| 53 | ショウワノート | |
| 54 | キリンビバレッジ | 元、ヤギ。アパレル製造及び商社 |
| 55 | クツワ | |
| 56 | グリーンスタンプ | |
| 57 | ロッテ商事(ガム、キャンディ類) | |
| 58 | ロッテアイス(アイスクリーム類) | |
| 59 | 欠番 | 元、浦島海苔 |
| 60 | 宮坂醸造 | |
| 61 | 欠番 | 元、レイメイ藤井 |
| 62 | 欠番 | 元、明治乳業(現・明治) |
| 63 | 欠番 | 元、ショウワグリム、初代はヤバネスポーツ(野球用品) |
| 64 | マルトモ | |
| 65 | フジッコ | |
| 66 | 欠番 | 元、アサヒコーポレーション(企業倒産により、脱退を余儀なくされるが同社名で存続) |
| 67 | 欠番 | 元、日東あられ→日東あられ新社(企業倒産により脱退、後に越後製菓に譲渡) |
| 68 | 欠番 | 元、サクマ製菓 |
| 69 | 欠番 | 元、中嶋製作所。現ナカジマコーポレーション(玩具製造) |
| 70 | スミフル | 元、河田(玩具製造) |
| 71 | 欠番 | 元、川鶴酒造 |
| 72 | 欠番 | 元、カルピス |
| 73 | エプソン販売 | 元、宮坂醸造(味噌事業部) |
| 74 | 欠番 | 元、白鶴酒造(一度脱退の後、番号再編成で復帰) |
| 75 | 欠番 | 元、王子製紙(現王子ネピア) |
| 76 | NGP日本自動車リサイクル事業協同組合(予定) | 元、エステー化学(現エステー) |
| 77 | 湖池屋 | |
| 78 | グンゼ | |
| 79 | ペットライン | |
| 80 | 日本デキシー | |
| 81 | 欠番 | 元、コクサイ。現、トップインターナショナル(スポーツ用品製造) |
| 82 | 欠番 | 元、日活、初期は全国味噌工業協同組合連合会 |
| 83 | 味の素(スープ) | |
| 84 | セメダイン | 復帰 |
| 85 | 小倉屋柳本 | 元、ムトウ(現スクロール) |
| 86 | 欠番 | 元、タカラトミー。初代はキング醸造 |
| 87 | 欠番 | 元、野崎産業(現川商フーズ) |
| 88 | 欠番 | 元、東洋水産(生麺事業部) |
| 89 | 白鶴酒造 | 復帰 |
| 90 | 欠番 | 元、ミヤタサイクル |
| 91 | トヤマ楽器製造 | |
| 92 | あいおいニッセイ同和損害保険 (旧・ニッセイ同和損害保険) 損保会社としては初協賛。 |
元、ネスレ日本 |
| 93 | 石井食品 | |
| 94 | 欠番 | |
| 95 | マルニ | |
| 96 | 欠番 | 元、カシオ計算機 |
| 97 | 損保ジャパンDIY生命保険 | 元、しゅんこう(和紙製造) |
| 98 | イーイーアイ | 元、アカデミー(英会話教材) |
| 99 | 欠番 | |
| 100 | 欠番 |
なお、新協賛企業は、過去の欠番を利用するようになっており、企業が任意の番号を指定できる。ただし混乱を避けるため、前の企業が脱退してから相当な期間が過ぎた番号に限られる。
[編集] 参考文献
[編集] 関連項目
- グリーンマーク
- キャンベル・スープ・カンパニー(アメリカ合衆国において、商品に添付のマークを集めることで教育支援を行う運動"Labels for Education"を行っている[1])。
- エコキャップ運動