アサヒる問題
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アサヒる問題(アサヒるもんだい)とは、朝日新聞(2007年9月24日付)に掲載された安倍晋三に関する石原壮一郎のコラムをきっかけに、インターネット上で流行した「アサヒる」という言葉が朝日新聞への批判やパロディ化の一形態として使われるようになったことに関する一連の議論や論争を指す。本頁では「アサヒる」の語源・定義と、流行するに至った背景・経緯について解説する。
目次 |
[編集] 「アサヒる」の語義
2007年9月25日に放送された日本文化チャンネル桜の番組内の発言から発祥したものである(後述)。
[編集] 流行の背景
[編集] 本件前の朝日新聞の主な誤報・捏造
「朝日新聞#疑義が持たれた報道・スキャンダル」および「朝日新聞社#不祥事」も参照
[編集] 本件に前後する朝日新聞の報道姿勢
本件の前後には、次の事象が生じていた。
- 直前の第21回参議院議員通常選挙の報道で、朝日新聞が反安倍政権一色の報道に終始したとの指摘がなされたこと[3]。
- 直後の9月29日に沖縄県宜野湾市で開かれた教科用図書検定意見への反対集会で、県警幹部の証言で4万人強[4]とされる参加者数を、朝日新聞はじめ各紙[5]が主催者発表の「11万人」と伝え[6]、その後政府が訂正申請に応じる騒ぎが生じたため[7]、「11万人」という数字は虚偽報道ではないかと各方面から疑問が提示されたこと[8][9][10]。
インターネット上ではこれらの事象とともに、コラムに対する捏造疑惑を含めた朝日新聞批判として「アサヒる」という言葉が流行した。また朝日新聞が本来の報道機関としてあるべき「事実を正確に伝える」という原則から逸脱しているのではないか、或いは(かつての椿事件のような)「世論誘導」や「偏向報道」をしようとしているのではないかと議論となった。
[編集] 本件報道の経過
- 2007年9月12日 - 自民党の安倍晋三が所信表明演説直後に首相辞任を表明し、翌日慶應義塾大学病院へ入院した。
- 2007年9月24日 - 安倍は慶應義塾大学病院で記者会見を行い、自身の健康状態を理由に退陣した経緯を説明し、政府・国会関係者・日本国民に対して謝罪した。
- 2007年9月25日 - 朝日新聞の会見記事の中でコラムニスト石原壮一郎の談として「『アタシ、もうアベしちゃおうかな』という言葉があちこちで聞こえる。仕事も責任も放り投げてしまいたい心情の吐露だ。そんな大人げない流行語を首相が作ってしまったのがカナシイ 」という内容が紹介された[11]。
- 石原は、自身のブログで「『アベする』が雑誌の見出しとして使用されていたことがあり、朝日新聞社内以外で聞いたこともある」と主張している[12]。ただし、これをもって「流行語となっている」とする根拠については不明確である。J-CASTニュースの調査によると、石原の記事が掲載される以前にもインターネット上で流行語大賞候補として挙げる意見が存在したり、9月19日付朝日新聞(大阪本社版)の読者投稿欄で「アベする」が使用されていることから、全くの新語というわけではないが、石原の記事が掲載される以前は極めて露出が少なかった[12]。
- 2007年9月25日 - 日本文化チャンネル桜が番組内で上記の朝日新聞記事を取り上げ、キャスターの桜林美佐が「アサヒしちゃってるんですよ」と発言した。また同番組内でキャスターの三輪和雄は「アサヒする」を「病気な人だろうが何だろうが情け容赦なくぶっ叩く」意だとコメントした。
- 2007年9月26日 - 翌9月27日付の東京スポーツ紙で、石原からの情報として「安倍する」が紹介された。安倍の「大人力」の無さに言及しながらも、首相としての大きなプレッシャーに同情する内容であった。
- 2007年9月下旬 - ネット上の掲示板/ブログで「Googleで検索したが『アベする』という流行語はヒットしない」「『アベする』は捏造ではないのか?」「安倍・阿部等の姓をもった人に対していじめなどが起きかねない」との疑問が提示され、批判が続出した。逆に事実を捏造し、流布した疑惑が強いとして「アサヒる:捏造すること、事実でないことを事実のようにこしらえていうこと」という言葉が自然発生し、以後主に2ちゃんねるにおいて「アサヒる」という言葉が流行した[13]。
- 2007年10月4日 - この日に発売された週刊新潮の10月11日号にて、本件がインターネット上で話題となっている旨の記事が掲載された。
- 2007年10月30日 - 中日新聞(東京新聞)のコラム「一筆両談」において、中日新聞論説部員の川北隆雄が「アベするという語句は捏造だとネットで指摘されたが、コラムニストが紹介する以前から公の場で使用されていたことは明らかであり、捏造疑惑のほうが捏造である。この語は流行語大賞に推薦したい」という趣旨の記事を執筆した[14]。
- 2007年11月上旬 - 中日新聞(東京新聞)のコラムに対して、インターネット上で「論拠が示されていない」「論理の飛躍も甚だしい」といった批判が続出し「捏造語大賞に推薦したい」という皮肉も出た。この件について論説委員に論拠を尋ねたところ、「(回答は)勘弁して欲しい」旨の返答がよせられたとする出来事があった[15]。
- 2007年11月14日 - 「アサヒる」が新語辞典『現代用語の基礎知識2008』(自由国民社)に収録されると発表された[1]。
- 2007年11月15日 - 日本テレビの情報番組『おもいッきりイイ!!テレビ』において「アサヒる」が紹介された。番組の中では、「朝日新聞の政治などに対する厳しい論調から、『執拗に責め立てる』という意味で使われる」と説明されたが、これは先述の発生時の意味とは異なる解釈であり、「『アサヒる』の意味をアサヒった」とも言われた。その一方で「アベする」については石原の用例に沿った解釈で説明された。なお、この番組が参考とした『現代用語の基礎知識2008』に掲載予定のはてなダイアリーキーワードの「アサヒる」には、「捏造する」という意味のみが記述されており、由来の解説にも「朝日新聞社が“アベする”なる語句を創出し、『この言葉が流行している』と捏造としか考えられない記事を書いてまで、自らの論調に相容れない安倍首相(当時)を執拗に攻撃したことから」[16]とあり、文全体としては日本テレビの報じた「厳しい論調で執拗に責め立てている」というよりも「捏造してまで執拗に責め立てた」という意味合いになっていた。
- 2007年12月2日 - NHKの『未来観測 つながるテレビ@ヒューマン』内で、流行語として挙げられたが、解説はされなかった。
- 2ちゃんねる検索の運営母体である未来検索ブラジルが主催した『ネット流行語大賞2007』において、「アサヒる」が年間大賞金賞に選ばれた[17][18]。
- 2007年12月24日 - 日本テレビの『オジサンズ11』内で紹介された。
- 2010年4月6日 - 朝日新聞のコラム「天声人語」で「与謝野る」に仲間から抜けるという第2の意味が加わるかもしれないと元財務相の行動を揶揄したが、それに対して、そのような表現がはやっているとはいえず、第2のアサヒるではないか?という指摘がなされた[19]。
- 2010年6月16日 - DIAMOND online に石原壮一郎本人がコラム[20]を掲載し、当時を回顧したコラムを掲載した。その中で、自らこの言葉は「私の周囲の何人かが使ったので流行したと言ったら騒ぎになった」と記述していた。
[編集] 関連項目
- 朝日新聞
- 東京新聞
- 第21回参議院議員通常選挙
- 日本文化チャンネル桜 - 番組『報道ワイド日本』のキャスターの発言がアサヒる流行のきっかけとなった
- 三輪和雄 - 同番組で流行のきっかけを作ったキャスター
- 現代用語の基礎知識
- 2ちゃんねる
- マスゴミ - マスコミ全般を非難するインターネットスラング
- 偏向報道
- ネガティブキャンペーン
[編集] 脚注
- ^ http://trebian.livedoor.jp/archives/54910220.html livedoorトレビアンニュース 2007年12月14日[リンク切れ]
- ^ おもいッきりイイ!!テレビ:2007年11月15日
- ^ 産経新聞社 iZa!【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】朝日の反安倍偏向報道、目に余る(メディアで安倍バッシングを問題視した意見が語られた例)[リンク切れ]
- ^ “沖縄教科書抗議集会 参加者は「4万人強」 「11万人」独り歩き” (2007年10月7日). 2009年8月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 朝日新聞の該当記事には「参加者は主催者発表で11万人」と記載されており、これは読売・毎日も同様である(産経も当初は主催者発表の数字を注釈付きで紹介したが、後に撤回)。しかし当初から「11万人という数は不自然」「数字が誤りなのはすぐに気付くはず」との指摘が論拠を含め多数ネットに挙がったほか[要出典]、9月30日のANNスーパーJチャンネルが最初に報道した際には「1万人」と放送されていた。
- ^ “集団自決「強制」削除/沖縄11万人の抗議”. 朝日新聞 (2007年10月2日). 2007年11月17日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “「集団自決」検定、文科省が対応検討 沖縄県民大会受け”. 朝日新聞 (2007年10月1日). 2007年11月17日閲覧。
- ^ 2007年10月3日の産経新聞朝刊「産経抄」にて、「1面の見出しや記事に連日『沖縄11万人抗議』『県民大会に11万人が参加した』と書いているが記者は疑問を持たなかったのか」と朝日新聞に疑問を呈した。
- ^ “誤報を正す会 報道各社に質問状 沖縄県民大会「11万人」”. 産経新聞 (2007年11月9日). 2007年11月17日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “沖縄集団自決 禍根を残しかねない政治的訂正(11月3日付・読売社説)”. 読売新聞 (2007年11月3日). 2007年11月8日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 朝日新聞: 2007年9月25日
- ^ a b “「アベする」は流行語?騒動 コラムニストブログ「炎上」”. ジェイ・キャスト (2007年9月28日). 2007年10月8日閲覧。
- ^ 클릭、도쿄N‘아베’ 하니 ‘아사히’ 하네]」。2007年10月1日、京郷新聞(韓国語)。
- ^ 川北隆雄『「流行語大賞」はこれだ』 中日新聞 夕刊 p.11(E版 愛知・岐阜・三重版): 2007年10月30日
- ^ “「アベする」捏造疑惑こそ捏造? 東京新聞コラムの説明責任”. ジェイ・キャスト (2007年11月1日). 2007年11月17日閲覧。
- ^ 「はてなダイアリーキーワード「アサヒる」」: 2007年11月17日閲覧
- ^ livedoor トレビアンニュース ネット流行語大賞は朝日新聞社の「アサヒる」に決定!2007年12月14日
- ^ MSN 産経ニュース ネット流行語大賞、金賞は「アサヒる」2007年12月14日[リンク切れ]
- ^ 第2の“アサヒる”?天声人語に「与謝野る」登場も何? 夕刊フジ2010年4月8日
- ^ 「石原壮一郎「大人のネットマナー教室」【第10回】首相交代記念! 今だから語れる事件の真相 あの「アベする」騒動を振り返る ブログの炎上を体験して実感した大人のマナー」