「ヒア・カムズ・ザ・サン」の版間の差分

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{{Infobox Song
{{Infobox Song
| Name = ヒア・カムズ・ザ・サン
| Name = ヒア・カムズ・ザ・サン
| English_title = Here Comes The Sun
| Artist = [[ビートルズ]]
| from Album = [[イ・ロ]]
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* {{Start date|1969|7|7}} - 8月19日{{Sfn|Abbey Road|2019|p=9}}
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* [[アビー・ロード・スタジオ]]{{Sfn|Abbey Road|2019|p=9}}
| Producer = [[ジョージ・マーティン]]
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{{Extra chronology 2
| Genre = [[ポップ・フォーク]]<ref>{{Cite web |title=500 Greatest Albums of All Time |url=https://www.rollingstone.com/music/music-lists/500-greatest-albums-of-all-time-156826/the-beatles-abbey-road-51200/ |website=[[ローリング・ストーン|Rolling Stone]] |publisher=Penske Media Corporation |date=2012-05-31 |accessdate=2020-08-30 }}</ref>
| Artist = [[ビートルズ]] 日本
| Length = 3分05秒
| Type = single
| Writer = [[ジョージ・ハリスン]]
| Last single = [[レット・イット・ビー (曲)|レット・イット・ビー]]<br />b/w<br />[[ユー・ノウ・マイ・ネーム]]<br />([[1970年]])
| Composer = ジョージ・ハリスン
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| Producer = [[ジョージ・マーティン]]
| Misc = {{Extra track listing
| Album = [[イ・ロ]]
| Chart position = [[#ビートルズ版|下記]]を参照
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| Type = studio
| Artist = [[ビートルズ]] シングル 日本
| Tracks = ;A面
| Type = single
# 「[[カム・トゥゲザー]]」
| Last single = {{Unbulleted list|[[レット・イット・ビー (曲)|レット・イット・ビー]] b/w [[ユー・ノウ・マイ・ネーム]]|({{Start date|1970}})}}
# 「[[サムシング]]」
| This single = {{Unbulleted list|[[オー!ダーリン]] b/w '''ヒア・カムズ・ザ・サン'''|({{Start date|1970}})}}
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# 「[[オクトパス・ガーデン]]」
{{Extra track listing
# 「[[アイ・ウォント・ユー]]」
| Album = [[アビイ・ロード]]
;B面
| Type = studio
# 「'''ヒア・カムズ・ザ・サン'''」
| prev_track = [[アイ・ウォント・ユー]]
# 「[[ビコーズ]]」
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# 「[[ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー]]」
| this_track = '''ヒア・カムズ・ザ・サン'''
# 「[[サン・キング]]」
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# 「[[ミーン・ミスター・マスタード]]」
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# 「[[シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー]]」
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# 「[[ゴールデン・スランバー]]」
{{External music video|{{YouTube|KQetemT1sWc|「Here Comes The Sun (2019 Mix)」}}
# 「[[キャリー・ザット・ウェイト]]」
# 「[[ジ・エンド (ビートルズの曲)|ジ・エンド]]」
# 「[[ハー・マジェスティー]]」}}
{{External music video|{{YouTube|KQetemT1sWc|「Here Comes The Sun」}}
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| Type = Single
}}
}}
}}
}}


「'''ヒア・カムズ・ザ・サン'''」(''Here Comes The Sun'')は、[[ジョージ・ハリスン]]作のフォーク・ロック・バラード。1969年に発表された[[ビートルズ]]のアルバム『[[アビイロード]]』に収録された。「[[ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス]]」や「[[サムシング]]」と並ぶジョ作の作ナバーである
「'''ヒア・カムズ・ザ・サン'''」({{Lang-en|''Here Comes The Sun''}})は、[[ビートルズ]]の楽曲。作詞作曲は[[ジョージハリスン]]で、「[[ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス]]」や「[[サムシング]]」と共にハリスンが[[レノン=マッカトニー]]の品と同等評価を得た楽曲となっている。1969年に発売された11目のイギリス盤公式オリジル・アルム『[[アビイ・ロド]]』に収録された


1969年夏に[[アビー・ロード・スタジオ]]でレコーディングが行われた。[[アコースティック・ギター]]を主体とした本作では、当時は珍しかった[[モーグ・シンセサイザー]]が導入されているほか、[[インドの伝統音楽|インド音楽]]の影響がいくつか見られる。
== 解説 ==
この曲は、[[アップル・レコード|アップル]]での打ち合わせに疲れていたジョージが、そこを抜け出して親友の[[エリック・クラプトン]]の家へ遊びに出掛けた際、その年初めての春らしい日差しを感じていたら自然に歌詞とメロディラインが生まれ、エリックの[[アコースティック・ギター]]を使用して庭を歩きまわりながら作ったとされている<ref>{{cite book|last=Harrison|first=George|authorlink=ジョージ・ハリスン|title=I, Me, Mine|publisher=Chronicle Books|location=San Francisco, CA|year=2002|origyear=1980|isbn=978-0-8118-5900-4|page=144}}</ref>。


楽曲の発表後、多数のアーティストによってカバー・バージョンが発売された。
ジョージはこのアルバムで当時は珍しかった[[モーグ・シンセサイザー]]を演奏披露した。次曲の「[[ビコーズ]]」と共にモーグ・シンセサイザーの特徴が生かされた曲といえる。


== 背景・曲の構成 ==
[[ボイジャーのゴールデンレコード]]に収録される予定であったが、EMIが許可を出さなかった<ref>{{cite magazine|last=Klosterman|first=Chuck |url=https://www.nytimes.com/2016/05/29/magazine/which-rock-star-will-historians-of-the-future-remember.html |title=Which Rock Star Will Historians of the Future Remember?|magazine=[[ニューヨーク・タイムズ|The New York Times Magazine]]|date=2016-05-23|accessdate=2018-10-14}}</ref>。
1969年4月、[[アップル・レコード]]での打ち合わせに疲れていたハリスンは、打ち合わせをキャンセルしてロンドンにある親友の[[エリック・クラプトン]]の家へ遊びに出掛けていた{{Sfn|Abbey Road|2019|p=9}}。当時についてハリスンは「会議に出てあのまぬけな会計士たちの顔を見なくてすむと思うとホッとした。銀行家や弁護士と契約やら株式やらで、会議のオンパレードだったから。あれは本当に最悪だったから。」と振り返っている{{Sfn|Abbey Road|2019|p=9}}。


ハリスンは、クラプトンの[[アコースティック・ギター]]を借りて庭を歩きまわっている中で、その年初めての春らしい日差しを感じて本作の歌詞とメロディが頭に浮かんだとし{{Sfn|Harrison|2002|p=144}}{{Sfn|Abbey Road|2019|p=9}}、6月に歌詞を完成させた{{Sfn|Spizer|2003|p=168}}。このことについて、ハリスンは「ただ単にこれまで僕の中で高まっていた緊張をほぐしただけ。ギターを弾くのも2週間ぶりで、とにかく忙しかったから。ごく自然に曲が降りてきて、サルデーニャで休暇を取ったときに仕上げた。」と語っている{{Sfn|Abbey Road|2019|p=9}}。
[[2019年]][[9月27日]]に『アビイ・ロード』発売50周年を記念した[[ミュージック・ビデオ]]が公開された。映像は、曲名の示すとおりにアビー・ロード・スタジオの第2スタジオを朝日が照らすところからスタートし、[[アップル・コア]]が所有していたアーカイブ映像やポールによって提供された写真(元妻の[[リンダ・マッカートニー]]が撮影)などが使用されている。音源は、同日に発売された『アビイ・ロード (50周年記念エディション)』に収録の2019年最新ステレオ・ミックスが使用された<ref>{{Cite news|title=ビートルズ、『アビイ・ロード』の50周年を祝して“Here Comes The Sun”の新たなビデオが公開|url=https://nme-jp.com/news/79238/|work=NME Japan|publisher=[[ニュー・ミュージカル・エクスプレス]]|date=2019-09-27|accessdate=2019-09-29}}</ref>。

歌詞はレコーディング時に、ヴァースの順番が入れ替えられており、ハリスンの手書きの歌詞では2番のヴァース「the smiles returning to their faces(みんなの顔に戻っていく微笑み)」が、3番のヴァースとされていた。ミドル・セクションには、下降するリフが含まれており、[[ジョン・レノン]]は1969年9月のインタビューで「ジョージはありとあらゆるタイプの曲を書いていて、一度扉が開いたら、もう止めどなくなってしまう。」「この曲はただ単にジョージが進歩している証拠だろう。僕はある意味[[バディ・ホリー]]を思い出したよ。」と語っている{{Sfn|Abbey Road|2019|p=9}}。

ハリスンは「[[恋をするなら]]」と同様に、ギターの7フレットに[[カポタスト]]を付け、Dのポジションで演奏している{{Sfn|Abbey Road|2019|p=9}}。コーラス部分が終わった後に入るインストゥルメンタルのセクションには、[[インドの伝統音楽|インド音楽]]の影響が見られ、スターは「『7拍子半みたいな感じの新曲がある』と言われて、僕はなんとかそれを毎回ちゃんと演奏できるように、あらゆる手を考えた。あれはインド音楽のわざのひとつだ。」と語り{{Sfn|Abbey Road|2019|p=9}}、ジョージ・ハリスンの息子である[[ダーニ・ハリスン]]も「ほとんどティハイのようだ」と評している{{Sfn|Abbey Road|2019|p=9}}。


== レコーディング ==
== レコーディング ==
「ヒア・カムズ・ザ・サン」のレコーディングは、1969年[[7月7日]]に開始された。この曲のレコーディングにおいて、[[ジョン・レノン]]は自動車事故で負傷していたため欠席しており<ref name="ian356">{{cite book| last=MacDonald| first=Ian| year=2005| authorlink=:en:Ian MacDonald| title=Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties| publisher=Pimlico (Rand)| location=London| edition=Second Revised| isbn=1-84413-828-3|page=356}}</ref><ref name="miles347">{{cite book|last=Miles|first=Barry|authorlink=:en:Miles Barry|title=The Beatles Diary Volume 1: The Beatles Years|year=2001|publisher=Omnibus Press|location=London|isbn=0-7119-8308-9|page=347}}</ref>[[ジョージ・ハリスン]]([[アコースティック・ギター]]ガイド・ボーカル)、[[ポール・マッカートニー]][[エレクトリックス|ベース]])[[リンゴ・スター]]([[ドラムセット|ドラムス]])の編成でズム・トラックが13テ録音された<ref>{{cite book|first=Mark|last=Lewisohn|authorlink=:en:Mark Lewisohn|title=The Complete Beatles Recording Sessions: The Official Story of the Abbey Road Years 1962–1970|publisher=Bounty Books|location=London|year=2005|origyear=1988|isbn=978-0-7537-2545-0|page=178}}</ref>。この日のセッションの終盤で、ジョージはアコースティック・ギターのパートの再録音に1時間を要した。
「ヒア・カムズ・ザ・サン」のレコーディングは、1969年7月7日に開始された{{Sfn|Abbey Road|2019|p=10}}本作のレコーディングの開始時、[[ジョン・レノン]]は自動車事故で負傷していたため欠席しており{{Sfn|MacDonald|2005|p=356}}{{Sfn|Miles|2001|p=347}}、ハリスンと[[ポール・マッカートニー]][[リンゴ・スター]]の3人でセッションが行われた{{Sfn|Abbey Road|2019|p=10}}。リズム・ラックが13テイク録音され{{Sfn|Lewisohn|2005|p=178}}、ズム・トラックの8トラック・レコダーのトラック1にマッカートニーのベース、トラック2にスター[[ドラムセット|ドラムス]]、トラック3にハスンの[[アコースティックギター]]、トラック8にハリスンのガド・ボーカルが録音された{{Sfn|Abbey Road|2019|p=10}}。[[ジョージ・マーティン]]はテイク9がオーバー・ダビング用に使用できると判断したが、3人は作業が続けられて最終テイクとなるテイク13が採用された{{Sfn|Abbey Road|2019|p=10}}。この日のセッションの終盤で、ハリスンはアコースティック・ギターのパートの再録音に1時間を要した。


[[7月8日]]にジョの[[ボーカル|リード・ボーカル]]ジョージの[[コーラス (ポピュラー音楽)|バッキング・ボーカル]]が録音された<ref name="everett258">{{cite book| last=Everett| first=Walter| year=1999| authorlink=:en:Walter Everett| title=The Beatles as Musicians: Revolver Through the Anthology| publisher=Oxford University Press| location=New York, NY| isbn=0-19-512941-5| page=258}}</ref>。この時点でトラック数がいっぱいになったため、リダクションが行なわれた。
7月8日、トラック5にハリスンの[[ロータリースピーカー|レスリースピーカー]]を通した[[エレクトリック・ギタ]]とスターの追加の[[フィルイン|ドラム・フィル]]{{Sfn|Abbey Road|2019|p=10}}、トラック6にハリスンの[[ボーカル|リード・ボーカル]]、トラック78にハリスンとマッカートニーの[[コーラス (ポピュラー音楽)|バッキング・ボーカル]]が録音され{{Sfn|Everett|1999|p=258}}{{Sfn|Abbey Road|2019|p=10}}、前日のガイド・ボーカルを消去{{Sfn|Abbey Road|2019|p=10}}。これによりトラック数がいっぱいになったため、2種類のリダクション・ミックス別のテープに移し替えられた{{Sfn|Abbey Road|2019|p=10}}。この作業を経て、アコースティック・ギターとエレクトリック・ギター、ドラム・フィルをトラック3にまとめたテイク15がベストとされた{{Sfn|Abbey Road|2019|p=10}}


[[7月16日]]に[[ハーモニウム]][[拍手|ハンドクラップ]]<ref>{{cite book|first=Mark|last=Lewisohn|title=The Complete Beatles Recording Sessions: The Official Story of the Abbey Road Years 1962–1970|publisher=Bounty Books|location=London|year=2005|origyear=1988|isbn=978-0-7537-2545-0|page=180}}</ref>[[8月6日]][[8月11日|11日]][[レスリースピーカー]]を通した[[エレクトリック・ギター]][[8月15日]]に[[オーケストラ]]<ref group="注釈">編成は[[ヴィオラ]]4本、[[チェロ]]4本、[[コントラバス|ダブルベース]]、[[ピッコロ]]2本、[[フルート]]2本、[[アルトフルート]]2本、[[クラリネット]]2本</ref><ref name="everett258" />[[8月19日]]に[[モーグ・シンセサイザー]]がオーバー・ダビングされて完成となった<ref>{{cite book|first=Mark|last=Lewisohn|title=The Complete Beatles Recording Sessions: The Official Story of the Abbey Road Years 1962–1970|publisher=Bounty Books|location=London|year=2005|origyear=1988|isbn=978-0-7537-2545-0|page=190}}</ref><ref>{{cite book|last=Winn|first=John C.|year=2009|title=That Magic Feeling: The Beatles' Recorded Legacy, Volume Two, 1966–1970|publisher=Three Rivers Press|location=New York, NY|isbn=978-0-307-45239-9|page=317}}</ref>
7月16日に[[グリン・ジョンズ]]のプロデュースのもとで{{Sfn|Abbey Road|2019|p=10}}、トラック5に[[ハーモニウム]]、トラック8に[[拍手|ハンドクラップ]]がオーバー・ダビングされ{{Sfn|Lewisohn|2005|p=180}}{{Sfn|Abbey Road|2019|p=10}}、8月6日と11日にギター、8月15日に[[オーケストラ]]<ref group="注釈">編成は[[ヴィオラ]]4本、[[チェロ]]4本、[[コントラバス|ダブルベース]]、[[ピッコロ]]2本、[[フルート]]2本、[[アルトフルート]]2本、[[クラリネット]]2本</ref>{{Sfn|Everett|1999|p=258}}、8月19日に[[モーグ・シンセサイザー]]がオーバー・ダビングされて完成となった{{Sfn|Lewisohn|2005|p=190}}{{Sfn|Winn|2009|p=317}}{{Sfn|Abbey Road|2019|p=10}}。


なお、本作の最終ミックスにおいて使用されなかったギターソロが後に発見されている<ref>{{cite web| publisher=andpop.com| year=2012| title=The Beatles 'Here Comes The Sun': Lost Solo Discovered| url=http://www.andpop.com/2012/01/28/the-beatles-here-comes-the-sun-lost-solo-discovered/| accessdate=2019-10-01| archiveurl=https://web.archive.org/web/20120130121904/http://www.andpop.com/2012/01/28/the-beatles-here-comes-the-sun-lost-solo-discovered/| archivedate=2012-01-30| url-status=dead}}</ref><ref>{{cite news|url=https://www.theguardian.com/music/2012/mar/28/new-george-harrison-guitar-solo|title=New George Harrison guitar solo uncovered|first=Sean|last=Michaels|date=2012-03-28|work=[[ガーディアン|The Guardian]]|accessdate=2019-10-01|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140223005157/http://www.theguardian.com/music/2012/mar/28/new-george-harrison-guitar-solo|archivedate=2014-02-23}}</ref>。
なお、本作の最終ミックスにおいて使用されなかったギターソロが後に発見されている<ref>{{cite web| publisher=andpop.com| year=2012| title=The Beatles 'Here Comes The Sun': Lost Solo Discovered| url=http://www.andpop.com/2012/01/28/the-beatles-here-comes-the-sun-lost-solo-discovered/| accessdate=2019-10-01| archiveurl=https://web.archive.org/web/20120130121904/http://www.andpop.com/2012/01/28/the-beatles-here-comes-the-sun-lost-solo-discovered/| archivedate=2012-01-30| url-status=dead}}</ref><ref>{{cite news|url=https://www.theguardian.com/music/2012/mar/28/new-george-harrison-guitar-solo|title=New George Harrison guitar solo uncovered|first=Sean|last=Michaels|date=2012-03-28|work=[[ガーディアン|The Guardian]]|accessdate=2019-10-01|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140223005157/http://www.theguardian.com/music/2012/mar/28/new-george-harrison-guitar-solo|archivedate=2014-02-23}}</ref>。


== リリース ==
== リリース ==
「ヒア・カムズ・ザ・サン」は、1969年[[9月26日]]にリリースされた11作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『[[アビイ・ロード]]』のB面1曲目に収録された。アルバムからシングル・カットされた「[[サムシング]]」と共に、ジョージが[[レノン=マッカートニー]]と肩を並べる作曲家とさせた作品となっている<ref>{{cite book|last=Hertsgaard|first=Mark|title=A Day in the Life: The Music and Artistry of the Beatles|publisher= Pan Books|location=London|year=1996|isbn=0-330-33891-9|page=297,300}}</ref><ref>{{cite book|last=Woffinden|first=Bob|title=The Beatles Apart|publisher=Proteus|location=London|year=1981|isbn=0-906071-89-5|page=26}}</ref><ref>{{cite book|last=Miles|first=Barry|title=The Beatles Diary Volume 1: The Beatles Years|year=2001|publisher=Omnibus Press|location=London|isbn=0-7119-8308-9 |page=355-56}}</ref>。10年後の[[1979年]]に発売されたジョージのソロ・アルバム『[[慈愛の輝き]]』には、本作の続編である「ヒア・カムズ・ザ・ムーン」が収録されている。
「ヒア・カムズ・ザ・サン」は、1969年9月26日にリリースされた11作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『[[アビイ・ロード]]』のB面1曲目に収録された。アルバムからシングル・カットされた「[[サムシング]]」と共に、ジョージが[[レノン=マッカートニー]]と肩を並べる作曲家とさせた作品となっている{{Sfn|Hertsgaard|1996|p=297,300}}{{Sfn|Woffinden|1981|p=26}}{{Sfn|Miles|2001|p=355-356}}。10年後の1979年に発売されたジョージのソロ・アルバム『[[慈愛の輝き]]』には、本作の続編である「ヒア・カムズ・ザ・ムーン」が収録されている。


[[1970年]]に日本・[[ポルトガル]][[アンゴラ]]でシングル[[オー!ダーリン]]のB面曲としてシングル・カットされた<ref>{{cite book|last= Womack |first= Kenneth |year= 2014 |title=The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four|publisher=ABC-CLIO|location=Santa Barbara, CA |isbn= 978-0-3133-9171-2 |page=385, 690}}</ref>
1970年に日本・ポルトガル・アンゴラでシングル[[オー!ダーリン]]のB面曲としてシングル・カットされた{{Sfn|Womack|2014|p=385, 690}}。


イギリスではシングル・カットされたことはないが、[[2007年]]に[[全英シングルチャート]]のルールが改訂され、ダウンロード販売された楽曲もチャート・インするようになった。2010年に[[iTunes Store]]においてビートルズの全楽曲がダウンロードできるようになり、本作を含めたビートルズの数曲がチャートインを果たした。アメリカでも[[2017年]][[9月9日]]付の[[Billboard|Billboard Hot Rock Song]]にて最高14位を獲得した<ref>{{Cite web|title=The Beatles Chart History|url=https://www.billboard.com/music/the-beatles/chart-history/rock-songs|publisher=[[ビルボード|Billboard]]|accessdate=2019-10-01|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180511105550/https://www.billboard.com/music/the-beatles/chart-history/rock-songs|archivedate=2018-05-11}}</ref>。
イギリスではシングル・カットされたことはないが、2007年に[[全英シングルチャート]]のルールが改訂され、ダウンロード販売された楽曲もチャート・インするようになった。2010年に[[iTunes Store]]においてビートルズの全楽曲がダウンロードできるようになり、本作を含めたビートルズの数曲がチャートインを果たし、本作は2010年11月27日付の全英シングルチャートで64位を獲得し<ref name="UKchart" />、2012年4月15日付の同チャートで最高位58位を獲得した<ref name="UKchart2" />。アメリカでも2017年9月9日付の[[Billboard|Billboard Hot Rock Song]]にて最高14位を獲得した<ref>{{Cite web|title=The Beatles Chart History|url=https://www.billboard.com/music/the-beatles/chart-history/rock-songs|publisher=[[ビルボード|Billboard]]|accessdate=2019-10-01|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180511105550/https://www.billboard.com/music/the-beatles/chart-history/rock-songs|archivedate=2018-05-11}}</ref>。


[[2006年]]に[[シルク・ドゥ・ソレイユ]]の公演のサウンドトラック盤として制作された『[[LOVE (ビートルズのアルバム)|LOVE]]』には、「[[ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー]]」の[[タブラ]]、「[[オー!ダーリン]]」のコーラス、「[[アイ・ウォント・ユー]]」のベース、終盤に「[[ジ・インナー・ライト]]」がコラージュされた音源が、「'''ヒア・カムズ・ザ・サン/ジ・インナー・ライト'''(''Here Cemes The Sun/The Inner Light (Transition)'')」というタイトルで収録されている。
2006年に[[シルク・ドゥ・ソレイユ]]の公演のサウンドトラック盤として制作された『[[LOVE (ビートルズのアルバム)|LOVE]]』には<ref name="Willman/EW">{{Cite journal |url=http://www.ew.com/ew/article/review/music/0,6115,1560886_4_0_,00.html |title=Love: Music Review |first=Chris |last=Willman |date=17 November 2006 |journal=[[エンターテインメント・ウィークリー|Entertainment Weekly]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20081204224125/http://www.ew.com/ew/article/review/music/0,6115,1560886_4_0_,00.html|archivedate=2008-12-04 |accessdate=2020-08-30 |deadlinkdate=2020-08 }}</ref>、「[[ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー]]」の[[タブラ]]<ref>{{Cite web |url=http://www.okayplayer.com/reviews/index.php/weblog/more/love/ |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070309012259/http://www.okayplayer.com/reviews/index.php/weblog/more/love/ |title=The Beatles ''Love'' |date=9 March 2007 |archivedate=9 March 2007|accessdate=27 September 2015|last=Book|first=John |publisher=[[:en:Okayplayer|Okayplayer]]}}</ref>、「[[オー!ダーリン]]」のコーラス、「[[アイ・ウォント・ユー]]」のベース、終盤に「[[ジ・インナー・ライト]]」がコラージュされた音源が、「'''ヒア・カムズ・ザ・サン/ジ・インナー・ライト'''(''Here Cemes The Sun/The Inner Light (Transition)'')」というタイトルで収録されている。


[[2019年]]に発売された『アビイ・ロード (50周年記念エディション)』の「2CD」及び「スーパー・デラックス・エディション」のDISC2には、本作の第9テイクが収録された<ref>{{Cite news|title=ザ・ビートルズ、『アビイ・ロード』50周年記念エディション登場|url=https://www.barks.jp/news/?id=1000170470|work=[[BARKS]]|publisher=ジャパンミュージックネットワーク株式会社|date=2019-08-09|accessdate=2019-10-02}}</ref>。
2019年に発売された『アビイ・ロード (50周年記念エディション)』の「2CD」及び「スーパー・デラックス・エディション」のDISC2には、本作の第9テイクが収録された<ref>{{Cite news|title=ザ・ビートルズ、『アビイ・ロード』50周年記念エディション登場|url=https://www.barks.jp/news/?id=1000170470|work=[[BARKS]]|publisher=ジャパンミュージックネットワーク株式会社|date=2019-08-09|accessdate=2019-10-02}}</ref>。また、『アビイ・ロード』発売50周年を記念した[[ミュージック・ビデオ]]が公開された。映像は、曲名の示すとおりにアビー・ロード・スタジオの第2スタジオを朝日が照らすところからスタートし、[[アップル・コア]]が所有していたアーカイブ映像やマッカートニーによって提供された写真(元妻の[[リンダ・マッカートニー]]が撮影)などが使用されている。音源は、2019年最新ステレオ・ミックスが使用された<ref>{{Cite news |title=ビートルズ、『アビイ・ロード』の50周年を祝して“Here Comes The Sun”の新たなビデオが公開 |url=https://nme-jp.com/news/79238/ |newspaper=[[ニュー・ミュージカル・エクスプレス|NME Japan]] |publisher=BandLab UK Limited |date=2019-09-27 |accessdate=2020-08-30 }}</ref>。


== 演奏 ==
== 演奏 ==
※出典{{Sfn|MacDonald|2005|p=356}}{{Sfn|Abbey Road|2019|p=9}}
クレジットは[[:en:Ian MacDonald|イアン・マクドナルド]]によるもの<ref name="ian356" />。


'''ビートルズ'''
'''ビートルズ'''
90行目: 91行目:
'''その他'''
'''その他'''
* 演奏者不明 - [[ヴィオラ]]4本、[[チェロ]]4本、[[コントラバス|ダブルベース]]、[[ピッコロ]]2本、[[フルート]]2本、[[アルトフルート]]2本、[[クラリネット]]2本
* 演奏者不明 - [[ヴィオラ]]4本、[[チェロ]]4本、[[コントラバス|ダブルベース]]、[[ピッコロ]]2本、[[フルート]]2本、[[アルトフルート]]2本、[[クラリネット]]2本
* [[ジョージ・マーティン]] - [[オーケストラ]][[編曲]]、[[指揮者]]<ref>{{cite book|last=Winn|first=John C.|year=2009|title=That Magic Feeling: The Beatles' Recorded Legacy, Volume Two, 1966–1970|publisher=Three Rivers Press|location=New York, NY|isbn=978-0-307-45239-9|page=317}}</ref>
* [[ジョージ・マーティン]] - [[オーケストラ]][[編曲]]、[[指揮者]]{{Sfn|Winn|2009|p=317}}


== 主なカバー・バージョン ==
== 主なカバー・バージョン ==
* [[ブッカー・T&ザ・MG's]] - 1970年アルバム『[[:en:McLemore Avenue|McLemore Avenue]]』に収録。
* [[ブッカー・T&ザ・MG's]] - 1970年に発売されたアルバム『[[:en:McLemore Avenue|McLemore Avenue]]』に収録。
* [[ピーター・トッシュ]] - 1970年シングル。
* [[ピーター・トッシュ]] - 1970年シングル盤として発売
* ウィ・ファイヴ - 1970年アルバム『Catch the Wind』に収録。
* ウィ・ファイヴ - 1970年に発売されたアルバム『Catch the Wind』に収録。
* [[ニーナ・シモン]] - 1971年アルバム『[[ヒア・カムズ・ザ・サン (アルバム)|ヒア・カムズ・ザ・サン]]』に収録。
* [[ニーナ・シモン]] - 1971年に発売されたアルバム『[[ヒア・カムズ・ザ・サン (アルバム)|ヒア・カムズ・ザ・サン]]』に収録。
* [[リッチー・ヘブンス]] - 1971年アルバム『[[:en:Alarm Clock (album)|Alarm Clock]]』に収録。シングルカットされ、ビルボード誌最高位16位を記録
* [[リッチー・ヘブンス]] - 1971年に発売されたアルバム『[[:en:Alarm Clock (album)|Alarm Clock]]』に収録。シングルカットされ、[[Billboard Hot 100]]で最高位16位を獲得<ref name="Havens/Billboard">{{Cite web |title=The Hot 100 Chart |url=https://www.billboard.com/charts/hot-100/1971-05-22 |publisher=Billboard |date=1971-05-22 |accessdate=2020-08-30 }}</ref>
* チャーリー・バード - 1971年アルバム『For All We Know』に収録。
* チャーリー・バード - 1971年に発売されたアルバム『For All We Know』に収録。
* スティーヴ・ハーレー - 1976年シングル。全英最高位10位を記録
* [[スティーヴ・ハーレイ&コックニ・レベル]] - 1976年シングル盤として発売。全英シングルチャートで最高位10位を獲得<ref name="UKchart3" />
* [[ザ・ランナウェイズ]] - 1980年コンピレーションアルバム『[[:en:Flaming Schoolgirls|Flaming Schoolgirls]]』に収録。
* [[ザ・ランナウェイズ]] - 1980年に発売されたコンピレーションアルバム『[[:en:Flaming Schoolgirls|Flaming Schoolgirls]]』に収録。
* [[ジョージ・ハリスン]] - 1971年12月20日発売ライブ・アルバム『[[バングラデシュ・コンサート]]』に収録。ジョージの歌とギターに[[ピート・ハム]]がギターで加わった。
* [[ジョージ・ハリスン]] - 1971年発売されたライブ・アルバム『[[バングラデシュ・コンサート]]』に収録。ジョージの歌とギターに[[ピート・ハム]]がギターで加わった。
* ジョージ・ハリスン&[[ポール・サイモン]] - 1976年11月20日放送『[[サタデー・ナイト・ライブ]]』の中で披露<ref>[http://ultimateclassicrock.com/george-harrison-lorne-michaels-snl/ 40 Years Ago: George Harrison Tries to Collect from Lorne Michaels on 'SNL']</ref>。
* ジョージ・ハリスン&[[ポール・サイモン]] - 1976年11月20日放送された『[[サタデー・ナイト・ライブ]]』の中で披露<ref>{{Cite web |first=Bryan |last=Wawzenek |title=40 Years Ago: George Harrison Tries to Collect from Lorne Michaels on 'SNL' |url=https://ultimateclassicrock.com/george-harrison-lorne-michaels-snl/ |website=Ultimate Classic Rock |publisher=Townsquare Media |date=2016-11-20 |accessdate=2020-08-30 }}</ref>。
* ジョージ・ハリスンwith[[エリック・クラプトン]]&ヒズ・バンド - [[1992年]][[7月10日]]発売アルバム『[[ライヴ・イン・ジャパン (ジョージ・ハリスンのアルバム)|ライヴ・イン・ジャパン]]』に収録。
* ジョージ・ハリスン with [[エリック・クラプトン]]&ヒズ・バンド - 1992年発売されたアルバム『[[ライヴ・イン・ジャパン (ジョージ・ハリスンのアルバム)|ライヴ・イン・ジャパン]]』に収録。
* [[森高千里]] - 1996年アルバム『[[TAIYO (森高千里のアルバム)|TAIYO]]』に収録。
* [[森高千里]] - 1996年に発売されたアルバム『[[TAIYO (森高千里のアルバム)|TAIYO]]』に収録。
* [[シェリル・クロウ]] - 2007年公開アニメーション映画『[[ビー・ムービー]]』の中で歌った。
* [[シェリル・クロウ]] - 2007年公開されたアニメーション映画『[[ビー・ムービー]]』の中で歌った。日本では、[[テレビ朝日]]『[[じゅん散歩]]』のオープニングテーマ(2020年2月14日放送回 - 2月28日放送回)としても使用された。
* [[ゲイリー・バーロウ]] & ザ・コモンウェルス・バンド - 2012年に発売されたアルバム『Sing』に収録<ref>{{Cite web |title=Gary Barlow & The Commonwealth Band - Sing |url=https://www.discogs.com/ja/Gary-Barlow-The-Commonwealth-Band-Sing/master/1493553 |website=Discogs |publisher=Zink Media |accessdate=2020-08-30 }}</ref>。全英シングルチャートで初登場59位を獲得<ref>{{Cite web |title=Official Singles Chart Top 100 |url=https://www.officialcharts.com/charts/singles-chart/20120603/7501/ |publisher=Official Charts Company |date=2012-04-15 |accessdate=2020-08-30 }}</ref>。
* [[ヒメーシュ・パテル]] - 2019年に公開された映画『[[イエスタデイ (2019年の映画)|イエスタデイ]]』で演奏。[[イエスタデイ (2019年の映画)#サウンドトラック|映画のサウンドトラック盤]]にも収録された<ref>{{AllMusic |title=Yesterday <nowiki>[Original Motion Picture Soundtrack]</nowiki> - Original Motion Picture Soundtrack {{!}} Songs, Reviews, Credits |class=album |id=yesterday-original-motion-picture-soundtrack-mw0003284780 |accessdate=2020-08-29 }}</ref>。


== チャート成績・認定 ==
==その他==
=== ビートルズ版 ===
*日本の幼児番組『[[ひらけ!ポンキッキ]]』([[フジテレビジョン|フジテレビ系]])のBGMに、この曲の旋律が一部用いられていた。
==== 週間チャート ====
*[[エマーソン・フィッティパルディ]]を称える歌として、セルフ・カヴァー(替歌)を披露していた。
{|class="wikitable sortable plainrowheaders" style="text-align:left"
*2001年12月に行われた『[[Act Against Aids]]2001 [[桑田佳祐]]・クワガタムシVSカブトムシ』では、開催直前にジョージ・ハリスンが亡くなったため、桑田が「天国のジョージに黙祷。」と言った後にこの曲をワンフレーズ流して黙祷を捧げた。
!年
*年越しフェスティバル『[[COUNTDOWN JAPAN]]』のエンディングでは、初日の出にかけて毎年流されている。
!チャート(2010年 - 2019年)
*ペーテルブレイナーがこの曲をバロック風に編曲している。
!最高位
*1980年代~90年代にかけて、[[テレビ宮崎]](UMK)の番宣番組『UMKハイライト』のオープニングで、この曲の一部が用いられていた。
|-
*『[[おかずのクッキング]]』([[テレビ朝日]])のエンディングで暫く使われてた時期があった。
|2010
*『[[じゅん散歩]]』(テレビ朝日)のオープニングで、2020年2月14日 - 2月28日の期間、シェリル・クロウによるカバーが使用された。
{{singlechart|Dutch100|52|artist=The Beatles|song=Here Comes the Sun|accessdate=2020-08-30}}
|-
|2010
{{singlechart|UK|64|refname="UKchart"|date=20111121|accessdate=2020-08-30}}
|-
|2012
{{singlechart|UK|58|refname="UKchart2"|date=20120415|accessdate=2020-08-30}}
|-
|2016
{{singlechart|Portugal|96|artist=The Beatles|song=Here Comes the Sun|accessdate=2020-08-30}}
|-
|2016
{{singlechart|Sweden|49|artist=The Beatles|song=Here Comes the Sun|accessdate=2020-08-30}}
|-
|2017
|scope="row"|US [[:en:Hot Rock Songs|''Billboard'' Hot Rock Songs]]<ref>{{Cite web | url=http://www.billboard.com/music/the-beatles/chart-history/rock-songs |title=The Beatles, Hot Rock Songs Chart History |publisher=[[ビルボード]] |accessdate=2020-08-30 }}</ref>
|align="center"|14
|-
|2019
|scope="row"|US ''Billboard'' Hot Rock Songs<ref>{{Cite web | url=http://www.billboard.com/music/the-beatles/chart-history/rock-songs |title=The Beatles, Hot 100 Chart History |publisher=Billboard |accessdate=2020-08-30 }}</ref>
|align="center"|3
|-
|}

==== 認定 ====
{{Certification Table Top}}
{{Certification Table Entry|region=Denmark|artist=The Beatles|title=Here Comes the Sun|type=single|award=Gold|relyear=2010|certyear=2018|id=7671|accessdate=2020-08-30}}
{{Certification Table Entry|region=United Kingdom|artist=The Beatles|title=Here Comes the Sun|type=single|award=Platinum|relyear=2010|certyear=2019|accessdate=2020-08-30}}
{{Certification Table Bottom|streaming=true|noshipments=true|nosales=true}}

=== リッチー・ヘブン版 ===
{|class="wikitable sortable" style="clear: left;"
! scope="col"|チャート(1971年)
! scope="col" align="center"|最高位
|-
| scope="row"|カナダ [[:en:Canadian Singles Chart#History|MLS]] Singles<ref>{{Cite journal |author=Tomko, Andy (charts dir.) |title=Billboard Hits of the World |url=https://books.google.com.au/books?id=1wgEAAAAMBAJ&pg=PA29&dq=Richie+Havens&hl=en&sa=X&ved=0CDQQ6AEwBjiOAmoVChMI7d_QvM_SyAIVI9qmCh2hzgAx#v=onepage&q=Maple%20Leaf&f=false |journal=Billboard |date=5 June 1971 |page=52 |accessdate=2020-08-30 }}</ref>
| style="text-align:center;"|6
|-
| scope="row"|カナダ [[RPM (カナダの音楽雑誌)|''RPM'' 100]] Singles<ref>{{Cite web |title=RPM 100 Singles, for June 5, 1971 |url=https://www.bac-lac.gc.ca/eng/discover/films-videos-sound-recordings/rpm/Pages/image.aspx?Image=nlc008388.5385&URLjpg=http%3a%2f%2fwww.collectionscanada.gc.ca%2fobj%2f028020%2ff4%2fnlc008388.5385.gif&Ecopy=nlc008388.5385 |work=[[RPM (カナダの音楽雑誌)|RPM]] |publisher=[[カナダ国立図書館・文書館|Library and Archives Canada]] |accessdate=2020-08-30 }}</ref>
| style="text-align:center;"|12
|-
| scope="row"|US [[Billboard Hot 100|''Billboard'' Hot 100]]<ref name="Havens/Billboard" />
| style="text-align:center;"|16
|-
| scope="row"|US ''[[キャッシュボックス|Cash Box]]'' Top 100<ref>{{Cite journal |title=Cash Box Top 100 |journal=[[キャッシュボックス|Cash Box]] |date=29 May 1971 |page=4 }}</ref>
| style="text-align:center;"|15
|-
| scope="row"|US ''[[:en:Record World|Record World]]'' Singles Chart<ref>{{Cite journal |author=Goodman, Fred (charts ed.) |title=The Singles Chart |journal=[[:en:Record World|Record World]] |date=29 May 1971 |page=29 }}</ref>
| style="text-align:center;"|14
|-
|}

=== スティーヴ・ハーレイ&コックニー・レベル版 ===
{|class="wikitable sortable" style="clear: left;"
! scope="col"|チャート(1976年)
! scope="col" align="center"|最高位
|-
{{singlechart|Wallonia|49|song=Here Comes the Sun|artist=Steve Harley and Cockney Rebel|accessdate=2020-08-30}}
|-
{{singlechart|Dutch100|21|artist=Steve Harley and Cockney Rebel|song=Here Comes the Sun|accessdate=2020-08-30}}
|-
{{singlechart|Ireland2|7|artist=Steve Harley and Cockney Rebel|song=Here Comes the Sun|accessdate=2019-11-09}}
|-
{{singlechart|UK|10|refname="UKchart3"|date=19760815|accessdate=2020-08-30}}
|-
|}

== 文化的影響やメディアでの使用 ==
=== 文化的影響 ===
1977年に発売された『[[ボイジャーのゴールデンレコード]]』に収録される予定であったが、EMIが許可を出さなかったことにより未収録となった<ref>{{Cite journal |last=Klosterman |first=Chuck |url=https://www.nytimes.com/2016/05/29/magazine/which-rock-star-will-historians-of-the-future-remember.html |title=Which Rock Star Will Historians of the Future Remember? |journal=[[ニューヨーク・タイムズ|The New York Times Magazine]] |publisher=The New York Times Company |date=2016-05-23 |accessdate=2018-10-14 }}</ref>。

ハリスンが死去した翌日にあたる2001年11月30日に、ニューヨークの[[セントラル・パーク]]内にある[[ストロベリー・フィールズ (記念碑)|ストロベリー・フィールズ]]に集まったビートルズのファンが本作を合唱し{{Sfn|Tillery|2011|p=148}}、12月に行われた『[[Act Against Aids]]2001 [[桑田佳祐]]・クワガタムシVSカブトムシ』では、開催直前にハリスンが死去したため、桑田が「天国のジョージに黙祷。」と言った後にこの曲をワンフレーズ流して黙祷を捧げた。

[[2012年ロンドンオリンピックの閉会式]]のパフォーマンスで使用された<ref>{{Cite web |first=David |last=Renshaw |url=https://www.gigwise.com/news/75414/ |title=Olympic Games Closing Ceremony – The Full Set List |website=[[:en:Gigwise|Gigwise]] |date=2012-08-13 |accessdate=2020-08-30 }}</ref>{{sfn|Tzanelli|2013}}。

2015年に[[ニュー・ミュージカル・エクスプレス|NME]]誌が発表した「The 50 Greatest Ever Beatles Songs」で4位にランクインした<ref>{{Cite web |first=Emily |last=Barker |title=The 50 Greatest Ever Beatles Songs - Picked By Johnny Marr, Royal Blood, Brian Wilson And More |url=https://www.nme.com/photos/the-50-greatest-ever-beatles-songs-picked-by-johnny-marr-royal-blood-brian-wilson-and-more-1418732 |website=[[ニュー・ミュージカル・エクスプレス|NME]] |publisher=BandLab UK Limited |date=2015-12-23 |accessdate=2020-08-30 }}</ref>。

2016年7月に行われた[[共和党全国大会]]で本作が使用された。これに対してハリスンの遺産管理団体は「無断使用されたことは不快であり、遺産管理団体の意に反する」と抗議し.<ref>{{Cite news |first1=Paul |last1=Owen |first2=Scott |last2=Bixby |title='The greatest asset Trump has': Ivanka gets rave reviews for Cleveland speech |url=https://www.theguardian.com/us-news/2016/jul/22/ivanka-trump-republican-national-convention-speech |newspaper=[[ガーディアン|The Guardian]] |publisher=[[ガーディアン・メディア・グループ|Guardian Media Group]] |date=2016-07-23 |accessdate=2020-08-30 }}</ref>、「「ビウェア・オブ・ダークネス」だったら許可したかも知れない。」と皮肉を込めたコメントを残した<ref>{{Cite news |title=ジョージ・ハリスンの遺産管理団体、ドナルド・トランプ氏の曲使用に「不快」 |url=https://www.barks.jp/news/?id=1000129238 |newspaper=BARKS |publisher=ジャパンミュージックネットワーク |date=2016-07-23 |accessdate=2020-08-30 }}</ref><ref>{{Cite web |title=George Harrison Estate Addresses RNC's Use Of 'Here Comes The Sun' To Introduce Ivanka Trump |first=Chris |last=DeVille |url=http://www.stereogum.com/1889649/george-harrison-estate-addresses-rncs-use-of-here-comes-the-sun-to-introduce-ivanka-trump/wheres-the-beef/ |website=[[ステレオガム|Stereogum]] |publisher=Scott Lapatine |date=2016-07-23 |accessdate=2020-08-30 }}</ref>。

=== メディアでの使用 ===
<!-- カバー・バージョンについては、「カバー・バージョン」の節に記載してください。 -->
* 1980年代から90年代にかけて、[[テレビ宮崎]](UMK)の番宣番組『UMKハイライト』のオープニングで、この曲の一部が用いられていた。
* 年越しフェスティバル『[[COUNTDOWN JAPAN]]』のエンディングでは、初日の出にかけて毎年流されている。
* 日本の幼児番組『[[ひらけ!ポンキッキ]]』([[フジテレビジョン|フジテレビ系]])のBGMに、この曲の旋律が一部用いられていた。
* 『[[おかずのクッキング]]』([[テレビ朝日]])のエンディングで暫く使われてた時期があった。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
125行目: 213行目:
{{Reflist|2}}
{{Reflist|2}}


==外部リンク==
== 参考文献 ==
* {{Cite book| last=Everett| first=Walter| year=1999| authorlink=:en:Walter Everett (musicologist)| title=The Beatles as Musicians: Revolver Through the Anthology| publisher=Oxford University Press| location=New York, NY| isbn=0-19-512941-5| ref={{SfnRef|Everett|1999}}}}
*[http://www.beatlefans.com/lyrics/here_comes_the_sun.htm Lyrics]{{リンク切れ|date=2017年9月 |bot=InternetArchiveBot }}
* {{Cite book| last=Harrison| first=George| authorlink=ジョージ・ハリスン| title=I, Me, Mine| publisher=Chronicle Books| location=San Francisco, CA| year=2002| origyear=1980| isbn=978-0-8118-5900-4| ref={{SfnRef|Harrison|2002}}}}
*[http://www.allmusic.com/song/here-comes-the-sun-mt0011882860 Review] from AllMusic
* {{Cite book| last=Hertsgaard| first=Mark| title=A Day in the Life: The Music and Artistry of the Beatles| publisher= Pan Books| location=London| year=1996| isbn=0-330-33891-9| ref={{SfnRef|Hertsgaard|1996}}}}
*[http://www.icce.rug.nl/~soundscapes/DATABASES/AWP/hcts.html Alan W. Pollack's analysis] of ''Here Comes The Sun''
* {{Cite book |last=ハウレット |first=ケヴィン |title=[[アビイ・ロード#50周年記念アニバーサリー・エディション|アビイ・ロード (スーパー・デラックス・エディション)]] |year=2019 |publisher=[[アップル・レコード]] |format=楽曲解説 |ref={{SfnRef|Abbey Road|2019}} }}
* {{Cite book| first=Mark| last=Lewisohn| authorlink=:en:Mark Lewisohn| title=The Complete Beatles Recording Sessions: The Official Story of the Abbey Road Years 1962-1970| publisher=Bounty Books| location=London| year=2005| origyear=1988| isbn=978-0-7537-2545-0| ref={{SfnRef|Lewisohn|2005}}}}
* {{Cite book| last=MacDonald| first=Ian| year=2005| authorlink=:en:Ian MacDonald| title=Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties| publisher=Pimlico (Rand)| location=London| edition=Second Revised| isbn=1-84413-828-3| ref={{SfnRef|MacDonald|2005}}}}
* {{Cite book| last=Miles| first=Barry| authorlink=:en:Miles Barry| title=The Beatles Diary Volume 1: The Beatles Years| year=2001| publisher=Omnibus Press| location=London| isbn=0-7119-8308-9| ref={{SfnRef|Miles|2001}}}}
* {{Cite book|last=Spizer|first=Bruce|authorlink=:en:Bruce Spizer|title=The Beatles on Apple Records|publisher=498 Productions|location=New Orleans, LA|year=2003|isbn=0-9662649-4-0|ref={{SfnRef|Spizer|2003}}}}
* {{Cite book |last=Tillery |first=Gary |authorlink=:en:Gary Tillery |title=Working Class Mystic: A Spiritual Biography of George Harrison |publisher=Quest Books |location=Wheaton, IL |year=2011 |isbn=978-0-8356-0900-5 |ref={{SfnRef|Tillery|2011}} }}
* {{Cite book |last=Tzanelli |first=Rodanthi |title=Olympic Ceremonialism and the Performance of National Character: From London 2012 to Rio 2016 |publisher=Palgrave Macmillan |location=Basingstoke, UK |year=2013 |isbn=978-1-137-33632-3 |ref={{SfnRef|Tzanelli|2013}} |url=https://books.google.com.au/books?id=Sv2KkeAwNQwC&dq=%22Here+Comes+the+Sun%22+Carl+Sagan+Voyager+Gold+Record&q=%22Here+Comes+the+Sun%22#v=snippet&q=%22Here%20Comes%20the%20Sun%22&f=false}}
* {{Cite book| last=Winn| first=John C.| year=2009| title=That Magic Feeling: The Beatles' Recorded Legacy, Volume Two, 1966-1970| publisher=Three Rivers Press| location=New York, NY| isbn=978-0-307-45239-9| ref={{SfnRef|Winn|2009}}}}
* {{Cite book| last=Woffinden| first=Bob| title=The Beatles Apart| publisher=Proteus| location=London| year=1981| isbn=0-906071-89-5| ref={{SfnRef|Woffinden|1981}}}}
* {{Cite book|last= Womack |first= Kenneth |year= 2014 |title=The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four|publisher=ABC-CLIO|location=Santa Barbara, CA |isbn= 978-0-3133-9171-2 |ref={{SfnRef|Womack|2014}} }}

== 外部リンク ==
* {{URL|https://www.thebeatles.com/song/here-comes-sun|Here Comes The Sun {{!}} The Beatles}}


{{ビートルズのシングル}}
{{ビートルズのシングル}}

2020年8月30日 (日) 08:40時点における版

ビートルズ > ビートルズの作品 > ヒア・カムズ・ザ・サン
ビートルズ > ビートルズの曲名一覧 > ヒア・カムズ・ザ・サン
ヒア・カムズ・ザ・サン
ビートルズ楽曲
収録アルバムアビイ・ロード
英語名Here Comes The Sun
リリース
  • 1969年9月26日 (1969-09-26) (Album)
  • 1970年4月5日 (1970-04-05) (Japan single)
録音
ジャンルポップ・フォーク[2]
時間3分05秒
レーベルアップル・レコード
作詞者ジョージ・ハリスン
作曲者ジョージ・ハリスン
プロデュースジョージ・マーティン
チャート順位
下記を参照
ビートルズ シングル 日本 年表
アビイ・ロード 収録曲
アイ・ウォント・ユー
(A-6)
ヒア・カムズ・ザ・サン
(B-1)
ビコーズ
(B-2)
ミュージックビデオ
「Here Comes The Sun (2019 Mix)」 - YouTube

ヒア・カムズ・ザ・サン」(英語: Here Comes The Sun)は、ビートルズの楽曲。作詞作曲はジョージ・ハリスンで、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」や「サムシング」と共に、ハリスンがレノン=マッカートニーの作品と同等の評価を得た楽曲となっている。1969年に発売された11作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『アビイ・ロード』に収録された。

1969年夏にアビー・ロード・スタジオでレコーディングが行われた。アコースティック・ギターを主体とした本作では、当時は珍しかったモーグ・シンセサイザーが導入されているほか、インド音楽の影響がいくつか見られる。

楽曲の発表後、多数のアーティストによってカバー・バージョンが発売された。

背景・曲の構成

1969年4月、アップル・レコードでの打ち合わせに疲れていたハリスンは、打ち合わせをキャンセルしてロンドンにある親友のエリック・クラプトンの家へ遊びに出掛けていた[1]。当時についてハリスンは「会議に出てあのまぬけな会計士たちの顔を見なくてすむと思うとホッとした。銀行家や弁護士と契約やら株式やらで、会議のオンパレードだったから。あれは本当に最悪だったから。」と振り返っている[1]

ハリスンは、クラプトンのアコースティック・ギターを借りて庭を歩きまわっている中で、その年初めての春らしい日差しを感じて本作の歌詞とメロディが頭に浮かんだとし[3][1]、6月に歌詞を完成させた[4]。このことについて、ハリスンは「ただ単にこれまで僕の中で高まっていた緊張をほぐしただけ。ギターを弾くのも2週間ぶりで、とにかく忙しかったから。ごく自然に曲が降りてきて、サルデーニャで休暇を取ったときに仕上げた。」と語っている[1]

歌詞はレコーディング時に、ヴァースの順番が入れ替えられており、ハリスンの手書きの歌詞では2番のヴァース「the smiles returning to their faces(みんなの顔に戻っていく微笑み)」が、3番のヴァースとされていた。ミドル・セクションには、下降するリフが含まれており、ジョン・レノンは1969年9月のインタビューで「ジョージはありとあらゆるタイプの曲を書いていて、一度扉が開いたら、もう止めどなくなってしまう。」「この曲はただ単にジョージが進歩している証拠だろう。僕はある意味バディ・ホリーを思い出したよ。」と語っている[1]

ハリスンは「恋をするなら」と同様に、ギターの7フレットにカポタストを付け、Dのポジションで演奏している[1]。コーラス部分が終わった後に入るインストゥルメンタルのセクションには、インド音楽の影響が見られ、スターは「『7拍子半みたいな感じの新曲がある』と言われて、僕はなんとかそれを毎回ちゃんと演奏できるように、あらゆる手を考えた。あれはインド音楽のわざのひとつだ。」と語り[1]、ジョージ・ハリスンの息子であるダーニ・ハリスンも「ほとんどティハイのようだ」と評している[1]

レコーディング

「ヒア・カムズ・ザ・サン」のレコーディングは、1969年7月7日に開始された[5]。本作のレコーディングの開始時、ジョン・レノンは自動車事故で負傷していたため欠席しており[6][7]、ハリスンとポール・マッカートニーリンゴ・スターの3人でセッションが行われた[5]。リズム・トラックが13テイク録音され[8]、リズム・トラックの8トラック・レコーダーのトラック1にマッカートニーのベース、トラック2にスターのドラムス、トラック3にハリスンのアコースティック・ギター、トラック8にハリスンのガイド・ボーカルが録音された[5]ジョージ・マーティンはテイク9がオーバー・ダビング用に使用できると判断したが、3人は作業が続けられて最終テイクとなるテイク13が採用された[5]。この日のセッションの終盤で、ハリスンはアコースティック・ギターのパートの再録音に1時間を要した。

7月8日、トラック5にハリスンのレスリースピーカーを通したエレクトリック・ギターとスターの追加のドラム・フィル[5]、トラック6にハリスンのリード・ボーカル、トラック7と8にハリスンとマッカートニーのバッキング・ボーカルが録音され[9][5]、前日のガイド・ボーカルを消去[5]。これによりトラック数がいっぱいになったため、2種類のリダクション・ミックスが別のテープに移し替えられた[5]。この作業を経て、アコースティック・ギターとエレクトリック・ギター、ドラム・フィルをトラック3にまとめたテイク15がベストとされた[5]

7月16日にグリン・ジョンズのプロデュースのもとで[5]、トラック5にハーモニウム、トラック8にハンドクラップがオーバー・ダビングされ[10][5]、8月6日と11日にギター、8月15日にオーケストラ[注釈 1][9]、8月19日にモーグ・シンセサイザーがオーバー・ダビングされて完成となった[11][12][5]

なお、本作の最終ミックスにおいて使用されなかったギターソロが後に発見されている[13][14]

リリース

「ヒア・カムズ・ザ・サン」は、1969年9月26日にリリースされた11作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『アビイ・ロード』のB面1曲目に収録された。アルバムからシングル・カットされた「サムシング」と共に、ジョージがレノン=マッカートニーと肩を並べる作曲家とさせた作品となっている[15][16][17]。10年後の1979年に発売されたジョージのソロ・アルバム『慈愛の輝き』には、本作の続編である「ヒア・カムズ・ザ・ムーン」が収録されている。

1970年に日本・ポルトガル・アンゴラでシングル『オー!ダーリン』のB面曲としてシングル・カットされた[18]

イギリスではシングル・カットされたことはないが、2007年に全英シングルチャートのルールが改訂され、ダウンロード販売された楽曲もチャート・インするようになった。2010年にiTunes Storeにおいてビートルズの全楽曲がダウンロードできるようになり、本作を含めたビートルズの数曲がチャートインを果たし、本作は2010年11月27日付の全英シングルチャートで64位を獲得し[19]、2012年4月15日付の同チャートで最高位58位を獲得した[20]。アメリカでも2017年9月9日付のBillboard Hot Rock Songにて最高14位を獲得した[21]

2006年にシルク・ドゥ・ソレイユの公演のサウンドトラック盤として制作された『LOVE』には[22]、「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」のタブラ[23]、「オー!ダーリン」のコーラス、「アイ・ウォント・ユー」のベース、終盤に「ジ・インナー・ライト」がコラージュされた音源が、「ヒア・カムズ・ザ・サン/ジ・インナー・ライトHere Cemes The Sun/The Inner Light (Transition))」というタイトルで収録されている。

2019年に発売された『アビイ・ロード (50周年記念エディション)』の「2CD」及び「スーパー・デラックス・エディション」のDISC2には、本作の第9テイクが収録された[24]。また、『アビイ・ロード』発売50周年を記念したミュージック・ビデオが公開された。映像は、曲名の示すとおりにアビー・ロード・スタジオの第2スタジオを朝日が照らすところからスタートし、アップル・コアが所有していたアーカイブ映像やマッカートニーによって提供された写真(元妻のリンダ・マッカートニーが撮影)などが使用されている。音源は、2019年最新ステレオ・ミックスが使用された[25]

演奏

※出典[6][1]

ビートルズ

その他

主なカバー・バージョン

チャート成績・認定

ビートルズ版

週間チャート

チャート(2010年 - 2019年) 最高位
2010 オランダ (Single Top 100)[32] 52
2010 UK シングルス (Official Charts Company)[19] 64
2012 UK シングルス (Official Charts Company)[20] 58
2016 ポルトガル (AFP)[33] 96
2016 スウェーデン (Sverigetopplistan)[34] 49
2017 US Billboard Hot Rock Songs[35] 14
2019 US Billboard Hot Rock Songs[36] 3

認定

国/地域 認定 認定/売上数
デンマーク (IFPI Danmark)[37] Gold 45,000double-dagger
イギリス (BPI)[38] Platinum 600,000double-dagger

double-dagger 認定のみに基づく売上数と再生回数

リッチー・ヘブン版

チャート(1971年) 最高位
カナダ MLS Singles[39] 6
カナダ RPM 100 Singles[40] 12
US Billboard Hot 100[26] 16
US Cash Box Top 100[41] 15
US Record World Singles Chart[42] 14

スティーヴ・ハーレイ&コックニー・レベル版

チャート(1976年) 最高位
ベルギー (Ultratop 50 Wallonia)[43] 49
オランダ (Single Top 100)[44] 21
アイルランド (IRMA)[45] 7
UK シングルス (Official Charts Company)[27] 10

文化的影響やメディアでの使用

文化的影響

1977年に発売された『ボイジャーのゴールデンレコード』に収録される予定であったが、EMIが許可を出さなかったことにより未収録となった[46]

ハリスンが死去した翌日にあたる2001年11月30日に、ニューヨークのセントラル・パーク内にあるストロベリー・フィールズに集まったビートルズのファンが本作を合唱し[47]、12月に行われた『Act Against Aids2001 桑田佳祐・クワガタムシVSカブトムシ』では、開催直前にハリスンが死去したため、桑田が「天国のジョージに黙祷。」と言った後にこの曲をワンフレーズ流して黙祷を捧げた。

2012年ロンドンオリンピックの閉会式のパフォーマンスで使用された[48][49]

2015年にNME誌が発表した「The 50 Greatest Ever Beatles Songs」で4位にランクインした[50]

2016年7月に行われた共和党全国大会で本作が使用された。これに対してハリスンの遺産管理団体は「無断使用されたことは不快であり、遺産管理団体の意に反する」と抗議し.[51]、「「ビウェア・オブ・ダークネス」だったら許可したかも知れない。」と皮肉を込めたコメントを残した[52][53]

メディアでの使用

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k Abbey Road 2019, p. 9.
  2. ^ 500 Greatest Albums of All Time”. Rolling Stone. Penske Media Corporation (2012年5月31日). 2020年8月30日閲覧。
  3. ^ Harrison 2002, p. 144.
  4. ^ Spizer 2003, p. 168.
  5. ^ a b c d e f g h i j k l Abbey Road 2019, p. 10.
  6. ^ a b MacDonald 2005, p. 356.
  7. ^ Miles 2001, p. 347.
  8. ^ Lewisohn 2005, p. 178.
  9. ^ a b Everett 1999, p. 258.
  10. ^ Lewisohn 2005, p. 180.
  11. ^ Lewisohn 2005, p. 190.
  12. ^ a b Winn 2009, p. 317.
  13. ^ The Beatles 'Here Comes The Sun': Lost Solo Discovered”. andpop.com (2012年). 2012年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月1日閲覧。
  14. ^ Michaels, Sean (2012年3月28日). “New George Harrison guitar solo uncovered”. The Guardian. オリジナルの2014年2月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140223005157/http://www.theguardian.com/music/2012/mar/28/new-george-harrison-guitar-solo 2019年10月1日閲覧。 
  15. ^ Hertsgaard 1996, p. 297,300.
  16. ^ Woffinden 1981, p. 26.
  17. ^ Miles 2001, p. 355-356.
  18. ^ Womack 2014, p. 385, 690.
  19. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年8月30日閲覧。
  20. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年8月30日閲覧。
  21. ^ The Beatles Chart History”. Billboard. 2018年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月1日閲覧。
  22. ^ Willman, Chris (17 November 2006). “Love: Music Review”. Entertainment Weekly. オリジナルの2008-12-04時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20081204224125/http://www.ew.com/ew/article/review/music/0,6115,1560886_4_0_,00.html 2020年8月30日閲覧。. 
  23. ^ Book, John (2007年3月9日). “The Beatles Love”. Okayplayer. 2007年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月27日閲覧。
  24. ^ “ザ・ビートルズ、『アビイ・ロード』50周年記念エディション登場”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2019年8月9日). https://www.barks.jp/news/?id=1000170470 2019年10月2日閲覧。 
  25. ^ “ビートルズ、『アビイ・ロード』の50周年を祝して“Here Comes The Sun”の新たなビデオが公開”. NME Japan (BandLab UK Limited). (2019年9月27日). https://nme-jp.com/news/79238/ 2020年8月30日閲覧。 
  26. ^ a b The Hot 100 Chart”. Billboard (1971年5月22日). 2020年8月30日閲覧。
  27. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年8月30日閲覧。
  28. ^ Wawzenek, Bryan (2016年11月20日). “40 Years Ago: George Harrison Tries to Collect from Lorne Michaels on 'SNL'”. Ultimate Classic Rock. Townsquare Media. 2020年8月30日閲覧。
  29. ^ Gary Barlow & The Commonwealth Band - Sing”. Discogs. Zink Media. 2020年8月30日閲覧。
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  38. ^ "British single certifications – The Beatles – Here Comes the Sun". British Phonographic Industry. 2020年8月30日閲覧 Select singles in the Format field. Select Platinum in the Certification field. Type Here Comes the Sun in the "Search BPI Awards" field and then press Enter.
  39. ^ Tomko, Andy (charts dir.) (5 June 1971). “Billboard Hits of the World”. Billboard: 52. https://books.google.com.au/books?id=1wgEAAAAMBAJ&pg=PA29&dq=Richie+Havens&hl=en&sa=X&ved=0CDQQ6AEwBjiOAmoVChMI7d_QvM_SyAIVI9qmCh2hzgAx#v=onepage&q=Maple%20Leaf&f=false 2020年8月30日閲覧。. 
  40. ^ RPM 100 Singles, for June 5, 1971”. RPM. Library and Archives Canada. 2020年8月30日閲覧。
  41. ^ “Cash Box Top 100”. Cash Box: 4. (29 May 1971). 
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  47. ^ Tillery 2011, p. 148.
  48. ^ Renshaw, David (2012年8月13日). “Olympic Games Closing Ceremony – The Full Set List”. Gigwise. 2020年8月30日閲覧。
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  51. ^ Owen, Paul; Bixby, Scott (2016年7月23日). “'The greatest asset Trump has': Ivanka gets rave reviews for Cleveland speech”. The Guardian (Guardian Media Group). https://www.theguardian.com/us-news/2016/jul/22/ivanka-trump-republican-national-convention-speech 2020年8月30日閲覧。 
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  53. ^ DeVille, Chris (2016年7月23日). “George Harrison Estate Addresses RNC's Use Of 'Here Comes The Sun' To Introduce Ivanka Trump”. Stereogum. Scott Lapatine. 2020年8月30日閲覧。

参考文献

外部リンク