King & Queen

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King & Queen
布袋寅泰スタジオ・アルバム
リリース
録音 IRc2 STUDIOS, TOKYO
INN STUDIOS, TOKYO
ABBEY ROAD STUDIO, LONDON
AIR STUDIOS, LONDON
ジャンル ロック
ポップ・ロック
時間
レーベル 東芝EMI/イーストワールド
プロデュース 布袋寅泰
布袋寅泰、マイケル・ケイメン(13曲目のみ)
チャート最高順位
布袋寅泰 年表
GUITARHYTHM FOREVER Vol.2
1995年
King & Queen
(1996年)
SPACE COWBOY SHOW
1997年
『』収録のシングル
  1. スリル
    リリース: 1995年10月18日
  2. ラストシーン
    リリース: 1996年1月24日
  3. 命は燃やしつくすためのもの
    リリース: 1996年5月24日
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King & Queen』(キング・アンド・クイーン)は、日本ミュージシャンである布袋寅泰の5枚目のアルバムである。

解説[編集]

ソロデビュー時から銘打っていた『GUITARHYTHMシリーズ』を一旦終了させ、2枚のベスト盤をリリースした後の作品。「King & Queen」というフレーズ自体は、既に1995年初頭から布袋の頭の中にあったという。[1]

『GUITARHYTHM』シリーズとは違い、明確なコンセプトがないアルバムとなっており、様々なタイプの楽曲が収録されている。このような作品となった背景には「今までプロとして何十枚という作品を作ってきたから、もうレコードを作る前にほとんど完成形が見えてしまっていた。それがつまらなくて今回はそんなものを壊したかった」という草案があった[1]。また『GUITARHYTHM』時代には敢えて抑えていたというメロディアスな要素を前面に押し出し[2]、全体的にポップな世界観となっている。

また本作について布袋は「『GUITARHYTHM』という作品群は、俺が自分と向かい合って自分自身の扉を開いてきたという世界。でも今回は相手がいる音楽。伝えたい相手と言葉がある。これがまったくもって違うところ」としており、「ひとりひとりにそれぞれキングとクイーンの椅子があると思う。課せられた運命やまっとうすべきものがあって、何かを貫いた者だけが手に入れることができる椅子があるんだと」「お前の自信が主役なんだ、お前がワン&オンリーなんだってことを言いたい」といった想いも語っている。[1]

憧れのギタリストであるブライアン・セッツァーと初の共演を果たした。当初セッツァーはスケジュールの関係でレコーディングには参加できない可能性が濃厚だったとされるが、布袋の「いま俺と一緒に演らなかったら後悔するぞ」という強気の言葉に後押しされて来日が実現したというエピソードがある[1]。最終的にはセッツァーが「今度のストレイ・キャッツのアルバムは布袋にプロデュースして欲しい」とオファーをするまでに意気投合した[3]

現在のところ、オリジナルのスタジオアルバムでは最大のヒットを記録している。

録音[編集]

前述の通り、本作はこれまでの作品と構想が一変したこともあり、レコーディングはストリングスなど一部を除いてほぼ全ての楽曲が国内でレコーディングされ、布袋の個人事務所「IRc2 CORPORATION」が所有するIRc2スタジオがメインで使用された。

レコーディングに当たり、知人の画伯に「スタジオの内装を芸術的空間に変えてほしい」と依頼し、ブース内に様々な色の布を張り巡らせるなどのインスピレーション・アートで飾り付けを行なった。完成後は「白の部屋はギターの部屋」「青の部屋は作詞の部屋」「赤の部屋は歌う部屋」といった具合でレコーディングが進められた。[1]

収録曲は13曲だが、デモの段階では20曲近くが用意されており、それぞれの楽曲1つ1つに4つほどのバージョンが存在した。[1]

リリース[編集]

1996年2月28日東芝EMIのイーストワールドレーベルよりリリースされた。その際、初回生産分のみでピンク・青の布製BOX、またピンク・青のビニールケースの4種類の仕様があり、またCDのカラーケースも赤・青・黄の3種類の仕様でリリースされた。

アルバムリリース後に「命は燃やしつくすためのもの」をシングルカットしており、先行シングルの「スリル」と「ラストシーン」と合せ、これらすべてのシングルにPVが制作されている。

なお、「GUITARHYTHM」シリーズのスタジオアルバムは必ずLP盤がリリースされていたが、本作はCD盤のみとなっている。

リリース履歴[編集]

No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1996年2月28日 東芝EMI/イーストワールド CD TOCT-9350 1位
2 2000年12月13日 東芝EMI/アストロノーツスター CD AJCH-30010 - デジタルリマスタリング
3 2012年2月1日 EMIミュージック・ジャパン/ヴァージン SHM-CD TOCT-95126 23位 2000年デジタルリマスタリング盤、『MEMORIAL SUPER BOX』でのリリース

ツアー[編集]

本作に伴っての全国ツアーは『King & Queen TOUR』と題し、1996年3月9日神奈川県民ホールを皮切りに22都市46公演を行っている。全公演がホール規模の会場にて開催された。5月13日の仙台公演リハーサル中に右鎖骨を骨折した為、9公演を延期、4公演を中止している。

ツアーメンバーは前年行った『TOKYO Inter-Live サイバーシティーは眠らない』に引き続き、辻剛HIROSHI中幸一郎、そして新たに富樫春生が参加している。

本ツアーのライブ・ビデオ及びライブ・アルバムはリリースされておらず、ビデオクリップ集『H』[4]PlayStationソフト『STOLEN SONG[5]に数曲が収録されているのみである。

エピソード[編集]

本作のレコーディングでブライアン・セッツァーと初対面する日に髪を緑に染めていった。するとスタジオに現れたブライアンも髪を紫に染めてきており、その場で大笑いし意気投合してしまった[6]。以後ブライアンとは2007年にジョイント・ツアー『HOTEI presents "SUPER SOUL SESSIONS" BRIAN SETZER vs HOTEI vs CHAR』を開催するなど、今日まで交流が続いている。

収録曲[編集]

全作曲: 布袋寅泰。
# タイトル 作詞 作曲・編曲 時間
1. 「RUNAWAY! JOHNNY!!!」 布袋寅泰 布袋寅泰
2. スリル 森雪之丞 布袋寅泰
3. 「TWO OF US」 森雪之丞 布袋寅泰
4. 「King & Queen」 森雪之丞 布袋寅泰
5. 「GHETTO BLASTER」 布袋寅泰 布袋寅泰
6. 「BOYS BE AMBITIOUS」 布袋寅泰 布袋寅泰
7. 命は燃やしつくすためのもの 布袋寅泰 布袋寅泰
8. 「SPACE COWBOY」   布袋寅泰
9. 「CAPTAIN ROCK」 森雪之丞 布袋寅泰
10. ラストシーン 布袋寅泰 布袋寅泰
11. 「FULL MOON PARTY」 布袋寅泰 布袋寅泰
12. 「VELVET KISS」   布袋寅泰
13. 「DEAR MY LOVE」 布袋寅泰 布袋寅泰
合計時間:

曲解説[編集]

  1. RUNAWAY! JOHNNY!!!
    ブライアン・セッツァーがギターで参加。
  2. スリル
    詳細は「スリル」の項を参照。
  3. TWO OF US
    デモの段階では歌詞が5パターンほど存在した。
  4. King & Queen
    全ギターパートをブライアン・セッツァーが担当。現在のところ、第三者に全ギターパートを委ねた唯一の楽曲である。
  5. GHETTO BLASTER
    間奏にアルバム『GUITARHYTHM』(1988年)収録曲「C'MON EVERYBODY」、アルバム『GUITARHYTHM IV』(1994年)収録曲「TIME HAS COME」のイントロ部分、シングル「POISON」(1995年)がサンプリングされている。
  6. BOYS BE AMBITIOUS
    COMPLEX時代に制作された楽曲。
  7. 命は燃やしつくすためのもの
    詳細は「命は燃やしつくすためのもの」の項を参照。
  8. SPACE COWBOY
    インストナンバー。後に発売された『ELECTRIC SAMURAI』にはリマスタリングされ収録された。
    1996年11月から12月にかけて、この楽曲タイトルから派生した『SPACE COWBOY TOUR』が開催されている。
  9. CAPTAIN ROCK
  10. ラストシーン
    詳細は「ラストシーン」の項を参照。
  11. FULL MOON PARTY
    ギターソロはブライアン・セッツァーが担当。
  12. VELVET KISS
  13. DEAR MY LOVE
    マイケル・ケイメンとの共同プロデュース。
    イントロと間奏にエレクトリック・シタールを使用している。

参加ミュージシャン[編集]

  • JEFF PATTERSON - ラップ(5曲目)、バッキングボーカル(5,12曲目)
  • JOHN MILES - バッキングボーカル(5,12曲目)
  • LENNY ZAKATEK - バッキングボーカル(5,12曲目)
  • DANIELES - バッキングボーカル(9曲目)
  • CHRIS RAINBOW - バッキングボーカル(10曲目)
  • JILL - バッキングボーカル(6,9曲目)
  • 藤井フミヤ - バッキングボーカル(2曲目)
  • 花田裕之 - バッキングボーカル(2曲目)
  • 今井美樹 - バッキングボーカル(10曲目)
  • 藤神敬也 - バッキングボーカル(2,6,9曲目)

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f 「PATi PATi」 1996年4月号インタビューより
  2. ^ DOBERMANツアーパンフレット 『THE BIBLE 別有天地非世俗』より
  3. ^ 結果的にこの話は布袋のスケジュールの関係で実現しなかったものの、セッツァーとは後年『SOUL SESSIONS』や2007年のライブ『HOTEI presents "SUPER SOUL SESSIONS" BRIAN SETZER vs HOTEI vs CHAR』でも競演を果たしている。
  4. ^ 『H』収録分は映像のみライブのものであり、音源はアルバムのものが使用されている。
  5. ^ こちらもライブ音源ではなく、アルバムからの音源が使用されている。
  6. ^ 「PATi PATi」1996年4月号インタビューより