国立大学法人
国立大学法人(こくりつだいがくほうじん、英語: national university corporation)とは、国立大学およびその附属学校を設置・運営する法人。
日本の国立大学を設置することを目的として、2003年(平成15年)制定の国立大学法人法の規定により設立されている。
業務
[編集]国立大学法人の業務の範囲は、国立大学法人法第二十二条により、次のように規定されている。
- 国立大学を設置し、これを運営すること。
- 学生に対し、修学、進路選択及び心身の健康等に関する相談その他の援助を行うこと。
- 当該国立大学法人以外の者から委託を受け、又はこれと共同して行う研究の実施その他の当該国立大学法人以外の者との連携による教育研究活動を行うこと。
- 公開講座の開設その他の学生以外の者に対する学習の機会を提供すること。
- 当該国立大学における研究の成果を普及し、及びその活用を促進すること。
- 当該国立大学における技術に関する研究の成果の活用を促進する事業であって政令で定めるものを実施する者に出資すること。
- これらの業務に附帯する業務を行うこと。
ただし、「研究の成果の活用を促進する事業」に出資する際には、文部科学大臣の認可を受けなければならない。
特徴
[編集]国立大学法人法には、業務の公共性、透明性及び自主性、評価および終了時の検討、財務および会計の三領域にまたがる独立行政法人通則法の多数の規定が準用される。すなわち、国立大学法人は独立行政法人の一形態であり、政府の施策においても国立大学法人は独立行政法人と同様に扱われている。2009年12月25日の閣議決定「独立行政法人の抜本的な見直しについて」では、全ての独立行政法人の全ての事務・事業について、聖域無く厳格な見直しを行い、見直しの結果、独立行政法人の廃止、民営化、移管等を行うこととされたが、国立大学法人もこの見直しの対象とされている。このほか、中期目標・計画とかかわりなく運営費交付金が定率削減されたり、評価結果とかかわりなく文部科学大臣が「組織及び業務全般の見直し」の方針について指示を下していることなどから、法人化以前に比べて、政府の統制は格段に強まっていると指摘される。国立大学法人法第三条において、「国は、この法律の運用に当たっては、国立大学及び大学共同利用機関における教育研究の特性に常に配慮しなければならない」とされているが、この条項は事実上、有名無実にされていると言ってよい。
法人化によって役員・職員は公務員ではなくなり、みなし公務員[1]となった。そのため国家公務員法や人事院規則等の規定が適用されなくなり(非公務員化)、労働基準法、労働安全衛生法等に基づいて各国立大学法人が自主的に就業規則を定めることとなった。このことにより、例えば、国家公務員法等による兼業規制が緩和されたり、産学連携等を容易に行うことが可能となった。
職員(臨時的任用職員やポスドクを除く)の宿舎は、従来どおり国家公務員宿舎の文部科学省割り当てを利用する事が可能である。健康保険、年金保険については、国家公務員共済組合法第124条の3の規定により、職員(国家公務員共済組合法の対象となる)[要校閲]とみなされるため、文部科学省共済組合に加入する(臨時的任用職員やポスドクは、常時勤務を要する職員でないため対象外)。雇用保険については、雇用保険法第6条第6号の「国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者であつて、厚生労働省令で定めるもの」として厚生労働省令で指定されれば適用除外になったが、雇用保険法施行規則第4条で、国立大学法人職員は指定されなかった。つまり厚生労働大臣が諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認めなかったわけである。このため、雇用保険の加入が義務付けられた分、経済的負担は増加した(ただし退職時には失業等給付が受けられるようになった)。海外出張については、従来は公用旅券の発給が受けられたが、国立大学法人化以降は、政府(各省庁)や国際機関の依頼、もしくは旅費が支給される出張等に限定された。
また資源エネルギー庁によるエネルギー管理指定工場にも85法人が指定されている[2]。
指定国立大学法人
[編集]2016年の第190回国会で、国立大学法人法が改正され、指定国立大学法人制度が制定された[3][4]。指定を受ける国立大学法人は国立大学法人法の本文には盛り込まれず、文部科学大臣が指定する制度となっている。この点は同時期に制定され、法文内に機関が指定されている特定国立研究開発法人制度と異なる。
第3期中期目標期間(2016年度~2021年度)における申請要件は、「研究力」に関する2つの国内ランキング、「社会との連携」に関する3つの国内ランキング、「国際協働」に関する3つの国内ランキングが提示され、それら3つの領域において各々1つ以上が国内10位以内に位置している国立大学法人が申請できるとされた[5]。ここでは東北大学、東京大学、京都大学、東京工業大学、名古屋大学、大阪大学、一橋大学の7大学法人が申請した。結局、2017年6月30日に東北大学、東京大学、京都大学の3大学法人のみが指定され、残る4法人は指定候補とされた[6]。指定候補のうち東京工業大学、名古屋大学の2大学法人が再審査を申請し、2018年3月20日に追加指定された[6]。その後、大阪大学が再審査を申請し、2018年10月23日に追加指定された[6]。2019年9月5日には残っていた一橋大学も指定された。2020年10月15日には新たに東京医科歯科大学、筑波大学の2大学法人が指定された。2021年11月22日には、九州大学が追加指定された[7]。2021年11月現在、旧帝国大学の内北海道大学のみが指定国立大学法人に申請しなかったため不認定状態である。
《表の注記》
- ^ 2020年4月1日、国立大学法人名古屋大学は、 国立大学法人岐阜大学と統合して「国立大学法人東海国立大学機構」となった(国立大学法人名古屋大学が国立大学法人東海国立大学機構となり、同機構が国立大学法人岐阜大学の一切の権利及び義務を承継して、国立大学法人岐阜大学は解散)。国立大学法人東海国立大学機構が設置する名古屋大学は、国立大学法人法第三十四条の九(二以上の国立大学を設置する国立大学法人に関する特例)および同法附則(令和元年五月二四日法律第一一号)第七条の規定により、「指定国立大学」に指定された。
特定国立大学法人
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
2023年の国立大学法人法の改正で、国によって「特定国立大学法人」と指定された大学には、学長選考・監察会議と学長が協議の上、文部科学大臣の承認を得て学長が任命する委員からなる「運営方針会議」を設置することが義務付けられた[8]。
同改正法では、学長は運営方針会議に大学法人の運営状況について報告する必要があるほか、運営方針会議は学長に解任の必要があると認められた場合、学長選考・監察会議に報告する必要があることが定められている[9]。
2024年時点で、特定国立大学法人には東北大、東京大、東海国立大学機構(岐阜大、名古屋大)、京都大、大阪大が指定されている[8]。
同時期に制定された国際卓越研究大学法による国際卓越研究大学とは異なる。こちらは公立大学や私立大学も対象である[10]。
法人統合
[編集]国立大学法人の統合にあたって、国立大学法人法の中で具体的に設置者の国立大学法人名とその設置する国立大学名を規定している別表第一を改正することが必要になる[注釈 1]。
同法が施行された当初は、国立大学法人は1つの国立大学しか運営できなかったために、国立大学法人の統合は、存続する法人(新設合併の場合は新設法人)が設置する大学以外の大学を消滅させることを伴うものであった。
統合年月日 | 統合前の国立大学法人 | 統合前の国立大学 | 統合後の国立大学法人 | 統合後の国立大学 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2005年10月1日 | 国立大学法人富山大学 | 富山大学 | (新) 国立大学法人富山大学 |
富山大学 | 新設合併 |
国立大学法人富山医科薬科大学 | 富山医科薬科大学 | ||||
2007年10月1日 | 国立大学法人大阪大学 | 大阪大学 | 国立大学法人大阪大学 | 大阪大学 | 吸収合併 |
国立大学法人大阪外国語大学 | 大阪外国語大学 |
- 国立大学の1法人複数大学制[11](アンブレラ方式)の導入後
2019年5月17日の通常国会で国立大学法人法の一部改正を規定した「学校教育法等の一部を改正する法律(令和元年5月24日法律第11号)」(文部科学省)の成立に伴い、「国立大学の1法人複数大学制」(アンブレラ方式)が導入された。これにより、統合後の国立大学を1つに限られる制約が無くなった。これまで下記の通り国立大学法人の統合が協議されており[12]、その中から1法人が複数の国立大学を設置運営する形式の統合が実現している。
統合年月日 | 統合前の国立大学法人 | 統合前の国立大学 | 統合後の国立大学法人 | 統合後の国立大学 |
---|---|---|---|---|
2020年4月1日 | 国立大学法人岐阜大学 | 岐阜大学 | 国立大学法人東海国立大学機構 [注 1] |
岐阜大学 |
国立大学法人名古屋大学 | 名古屋大学 | 名古屋大学 | ||
2022年4月1日 | 国立大学法人小樽商科大学 | 小樽商科大学 | 国立大学法人北海道国立大学機構 [注 2] |
小樽商科大学 |
国立大学法人帯広畜産大学 | 帯広畜産大学 | 帯広畜産大学 | ||
国立大学法人北見工業大学 | 北見工業大学 | 北見工業大学 | ||
2022年4月1日 | 国立大学法人奈良教育大学 | 奈良教育大学 | 国立大学法人奈良国立大学機構 [注 3] |
奈良教育大学 |
国立大学法人奈良女子大学 | 奈良女子大学 | 奈良女子大学 |
《表の注記》
- 2018年12月25日、名古屋大学と岐阜大学の国立2大学法人は、両法人を統合することについて、合意書を締結[13][14]。2020年度にも「国立大学法人東海国立大学機構」を新設し、傘下に両大学が入ることで、経営の効率化と研究・教育分野の強化を目指すことが発表された[15][16]。2020年4月1日、名古屋大学と岐阜大学の国立2大学法人を統合することを規定した「学校教育法等の一部を改正する法律(令和元年5月24日法律第11号)」が施行され、「国立大学法人東海国立大学機構」が設置された。
- 2018年5月29日、小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学の国立3大学法人は、2022年4月に「国立大学法人北海道連合大学機構(仮称)」を新設し統合することについて、基本合意書を締結[17][18][19]。その後、2020年3月4日に3大学が法人統合に関してまとめた中間報告により、新法人名を「国立大学法人北海道国立大学機構」とし、その本部を帯広市内に置くことが決まった[20]。この統合のための法案は、奈良教育大学と奈良女子大学の統合と合わせ、2021年3月2日に「国立大学法人法の一部を改正する法律案」として閣議決定[21]。この法案は2021年4月22日に衆議院で、5月14日に参議院で可決[22]され、5月21日に法律第41号として公布された。施行は2022年4月1日。
- 2018年7月27日、奈良教育大学と奈良女子大学の国立2大学法人は、2021年度に「国立大学法人奈良(仮称)」を新設し、統合することについて、合意書を締結[23][24]。また、2021年3月2日に国立大学法人法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、両大学を置く統合新法人を「国立大学法人奈良国立大学機構」とすることが決まった[25]。法案の審議経緯、公布施行は上記、小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学の法人統合を参照。
- 2019年3月29日、静岡大学と浜松医科大学の国立2大学法人は、2022年度に「国立大学法人静岡国立大学機構(仮称)」を新設すること、並びに新法人の傘下となる両大学を静岡地区大学、浜松地区大学の2大学に再編することについて、合意書を締結[26][27]。
- 両大学の統合再編には、強い反対の動きもある。統合再編が他の統合事例とは異なり、法人統合のみならず大学(特に静岡大学の2分割)を伴い、地元(静岡市)の理解を得られる前に推進している事から、静岡地区の教員・学生を中心に強い反対運動が起きている。ただし、静岡大学においても法人の統合自体には反対の動きはない。両大学の法人統合は、具体的には、(1) 浜松市にある静岡大学浜松キャンパス(工学部、情報学部)と浜松医科大学を浜松地区大学、(2) 静岡市にある静岡大学静岡キャンパス(人文社会科学部、教育学部、農学部、理学部)を静岡地区大学、と名称することである。
- しかしながら、この大学機構(アンブレラ方式)発足については大学内部からの教職員の反対署名・請願が多数出された[28]ほか、2019年8月に学生から合意の説明を求める1000名を超える署名が出された[29]。また、2019年8月には静岡市議会が超党派で反対を文部科学省に申し入れる[30]など、反対の動きが活発化しており、今後、波乱が予想されるとの指摘もある[31]。
- 反対の動きは、静岡大学の静岡キャンパスを中心としたものだが、同大の浜松キャンパスでは、新大学の大学名称をめぐって、対立がある。大学名として有力とされる「浜松医工学科大学」が採用された場合、静岡大学情報学部は、情報学部の存在感が薄れてしまうことを懸念し、「もし決定されるようなことがあれば、大学統合への参加を見直すことも辞さない覚悟」として、2019年7月に情報学部情報社会学科が反対決議を出したほか、情報学部の学生有志も438名の反対署名を同大学長に提出した[32][33][34][35]。
- さらに、2019年9月30日の静岡市議会本会議では、両大学の法人統合・再編について、静岡市の田辺信宏市長が、「大学の統合再編については、地元自治体の十分な理解を得て進めることが最も重要」という文部科学省の通知(2019年7月12日)を根拠として、「静大の取り組みは不十分な状況にあるといわざるを得ない」と答弁し、大学の説明不足を批判した。田辺市長は、同答弁で、静岡大の石井潔学長から、「(市に)ゼロベースでの議論をお願いしたいと申し出があった」とも明らかにした[36][37]。
- 2022年8月9日、東京医科歯科大学と東京工業大学の国立2大学法人は、統合に向けて協議を開始することを発表した[38]。実現すれば、初めての指定国立大学同士の統合となる[39]。同年10月14日、両法人は、それぞれの法人及び大学を統合して(アンブレラ方式の統合でなく)1法人1大学とする点で合意に達し、2024(令和6)年度中を目途として可能な限り早期の法人統合及び大学統合を目指すこと、そのために合同の「統合準備委員会」(委員長は両法人の長が共同で就任)を設置することなどを内容とする基本合意書を締結した[40]。国立大学間における1法人1大学とする統合は、実現すれば2007年の国立大学法人大阪大学と国立大学法人大阪外国語大学の統合以来のこととなる。
- 2023年1月19日、統合後の新大学名称を「東京科学大学」とすることが公表された[41]。これにより2024年10月1日より新法人の名称は「国立大学法人東京科学大学」とすることとなった。なお、統合の形式については、国立大学法人東京工業大学を国立大学法人東京科学大学に改称し、国立大学法人東京医科歯科大学を吸収合併する形で行われる。
法人化の問題点
[編集]国立大学の法人化に際して国からの支援が縮小されることや、運営に国の管理が行き届かなくなることが懸念された。
平成27年に国立大学協会がまとめた国立大学法人の直面する問題点としては、運営費交付金、附属病院、施設整備費補助金、寄付金税制、競争的資金、制度・規制の6項目が取り上げられている。
運営費交付金が法人化後11年間で12%減少した一方、消費税、電気料金、電子ジャーナル料などで諸経費が高騰し、常勤教職員の減少、教員の多忙化による論文数の停滞、学長裁量経費の確保も困難となる悪影響が顕著に出たこと、私立大学とは異なる税制上の扱いのため、寄付金額が伸び悩んでいること、競争的資金の使い勝手の向上が必要といったことが示された[42]。
佐和隆光は滋賀大学学長時に、科学・学術研究の国際競争力が低下したこと、運営費交付金が毎年1%減額されるために、教員人件費の徹底的な節約を実施したことにより、教育の質の低下が起きたこと、外部資金の獲得競争では東京大学の一人勝ちが続くなど、大学間格差が拡大したことを指摘している[43]。
学研の2013年の「国立大学法人化」特集記事は、入試ではこれまで国立大学協会の決定が尊重されていたが、法人化により各大学の裁量が増えた後は、京都大学の入試で後期日程が廃止されたことや、国立大学協会の通知にもかかわらずセンター試験の「地歴・公民」での4単位科目の選択指定が一部大学に留まったことなどを挙げ、受験生にとっては法人化が入試の複雑化・混乱を生じたというマイナス面を指摘している[44]。同記事は、少子化を背景に国立大学の統廃合が避けられないことと相俟って、将来的には法人化を通じて大学は数種の類型に機能分化(種別化)していくと予想する。
- 研究費調達は各大学の自助努力が求められるようになったため、寄付を募るなど運営が私立大学に近いものになってきている。
- 毎年政府から交付される運営費交付金は、毎年、前年度比1%削減という効率化係数が適用されて、漸減することとなっている(右のグラフも参照)。したがって、必要な人数の教員や職員を確保できない事態が発生している[注釈 2]。これは、国立大学の特徴である少人数教育を年々困難にしつつある(例えば教職・学芸員科目以外における非常勤講師の一斉採用停止など)。このため大学によっては、特に文科系において教員が抜けた場合に補充が行われないという事態が起こり、大学カリキュラムに歪みが発生している。これに伴い、一部では専攻閉鎖等も危ぶまれている。
- 法人化により一斉に新設された「理事」に、ほぼ例外なく文部科学省の職員が出向している。したがって、法人化は文科官僚のポジション増設になっているとの批判があるうえ、国立大学の理事から理事へとわたりが行われていることも指摘された[45][46][47]。また、中期目標の作成、評価制度の施行により、むしろ文部科学省による各大学への関与は増大しているとの見方もある。
時間外労働未払い問題
[編集]平成18年度「国立大学法人等財務管理等に関する協議会」
[編集]- 独立行政法人国立大学財務・経営センター主催の平成18年度「国立大学法人等財務管理等に関する協議会」において、「国立大学法人化後の人事管理上の諸課題について」の中で、「5.労働基準法上の時間外労働について」と題して、文部科学省大臣官房人事課給与班 高比良主査より説明[48]。
- 使用者が法定労働時間を超えて労働を命じるためには、あらかじめ労使協定を締結することが必要であり、また、時間外労働を命じた場合は、割増賃金を支払わなければならない。
- 労働基準監督官による臨検の結果、超過勤務手当の不払いについて是正勧告を受けた場合には、遡って超過勤務手当等を追給することとなる。
- 最近では、過去6ヶ月間の1日ごとのパソコンのログ履歴を調べられ、1億3千万円強の追給を行った例もある。
- また、明確な命令があった場合だけでなく、使用者の黙示の指示があったと認められる場合も超過勤務手当の支払いが必要であることとされているので、労働時間管理については適切にお願いしたい。
- 労働基準法等の遵守を当然の前提に、柔軟かつ機動的な組織編成や人員配置、多様な勤務形態の活用や教職員の意識改革を通じた効率化等により超過勤務の縮減に努力願いたい。
京都大学
[編集]- 京都大学発表の「賃金不払残業への賃金の支払いについて」も参照のこと。
- 2005年年明け - 京都上労働基準監督署へ投書(匿名)があった。
- 同年2月7日 - 監督官の調査を受け、京都大学は時間外労働の管理及び把握方法を説明。
大阪大学
[編集]- 2007年12月 - 茨木労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受ける。
- 2008年3月 - 在職職員に対しての残業代の不払いが発覚。教職員229人に計1億619万円(44867時間分)を支払う。
- 2008年5月23日 - さらに教職員47人に対して、2293万円(10095時間分)を追加支給する[49]。
広島大学
[編集]- 2004年8月 - 是正勧告により、職員281人に対して、未払いの残業代約3635万円を追加支給。
- 2007年12月 - 広島中央労働基準監督署が広島大学医学部附属病院を立ち入り調査。
- 2008年2月中旬 - 同監督署から労働基準法違反で是正勧告を受ける。これを受け、現役職員1619人と退職者469人を対象とする勤務実態調査に着手。
- 2008年4月4日 - 是正勧告を受けていたことが判明[50]。
教職員の意向と異なる学長選出
[編集]法人化前に行われて来た学長選挙と異なり2012年時点で全体の9割ほどの国立大学法人が学長選出に際して教員(一部の大学では教職員)による意向投票が行われているが、これまでに滋賀医科大学、岡山大学、新潟大学、大阪教育大学、山形大学、高知大学、九州大学、富山大学、香川大学、東京海洋大学、京都工芸繊維大学、北海道教育大学で学長選考会議によって意向投票で2位または3位となった候補を学長に選出しており、滋賀医科大学、新潟大学、高知大学、北海道教育大学では訴訟も起きた。2005年から2007年まで文部科学省事務次官を務めた結城章夫が2007年に山形大学の学長に選出されている[51]。
その他
[編集]- 銀行振込の際の略称は「ダイ」とされている。
- 国立大学法人に勤務する職員の数は、2010年度時点でおよそ65,000人である[52]。
- 法人化以降、職員の採用は全国において同日程で行われる一次試験の後、各地方ブロック毎に行われる。
紺綬褒章の申請対象となる公益団体の認定
[編集]- 国立大学法人に対し、公益のために私財(例:個人の場合500万円以上)を寄附した者・法人を対象とした「褒章条例に関する内規第2条に基づく公益団体」として内閣府賞勲局より各国立大学法人ごとに認定を受けている[53][54]。寄附を受けた各大学が対象者・法人に対して紺綬褒章の授与申請を文部科学省を通じて行える。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 国立大学法人法第19条「国立大学法人の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。」
- ^ “国立大学法人等の省エネ対策への取組について”. 文部科学省 (2009年5月). 2010年7月18日閲覧。
- ^ 指定国立大学(仮称)について2016年4月7日閲覧
- ^ 議案名「国立大学法人法の一部を改正する法律案」の審議経過情報
- ^ 第3期中期目標期間における指定国立大学法人の公募について(通知) (PDF) (文部科学省 2016年11月30日)
- ^ a b c 第3期中期目標期間における指定国立大学法人の追加指定について(文部科学省 2018年10月23日)
- ^ 第4期中期目標期間における指定国立大学法人の指定について文部科学省
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- ^ 文部科学省『統合に向けた各国立大学法人における検討状況』を参照
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- ^ 広島大病院で残業代不払い-労基署が是正勧告
- ^ 朝日新聞2009年3月2日版
- ^ 内閣府ホームページ
- ^ 内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 日本の勲章・褒章 > 勲章・褒章制度の概要 内閣府HP
- ^ 紺綬褒章「公益団体」として認定する団体⼀覧(令和3年2月26日現在)内閣府HP (PDF)