ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE.
監督 庵野秀明(総監督)
摩砂雪
鶴巻和哉
脚本 庵野秀明
製作 カラー
製作総指揮 大月俊倫
出演者 緒方恵美
林原めぐみ
三石琴乃
音楽 鷺巣詩郎
主題歌 宇多田ヒカル
Beautiful World
編集 奥田浩史
配給 日本の旗クロックワークスカラー
公開 日本の旗2007年9月1日
大韓民国の旗2008年1月24日
シンガポールの旗2008年3月13日
香港の旗2008年4月3日
中華民国の旗2008年4月18日
マレーシアの旗2008年7月1日
ドイツの旗2008年8月上旬
スペインの旗2009年1月30日
フランスの旗2009年3月4日
アメリカ合衆国の旗2009年7月3日
カナダの旗2009年7月3日
上映時間 98分
101分(1.11 ver.)
製作国 日本の旗
言語 日本語
興行収入 20.0億円[1]
次作 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(エヴァンゲリオン しんげきじょうばん:じょ / EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE.)は、2007年9月1日に公開された日本のアニメーション映画である。

概要

大災害「セカンドインパクト」後の世界を舞台に、人型兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった少年少女たちと、第3新東京市に襲来する謎の敵「使徒」との戦いを描いたTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を、新たな設定とストーリーで「リビルド(再構築)」したものが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズである。本作はその第1作目であり、スタジオカラー設立第1回作品でもある。タイトルの『序』は、雅楽の用語「序破急」に由来する。1998年3月に公開された『REVIVAL OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に』以来、約10年ぶりとなる『新世紀エヴァンゲリオン』の映画である。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ第1作目として制作された本作は、基本的にTVシリーズの第壱話から第六話までのストーリーを踏襲しているが、製作サイドは新劇場版に関して「リメイク」という言葉は用いず、ガイドブック等[2]で「リビルド(再構築)」であると解説している。また、『新世紀エヴァンゲリオン』の制作母体であったGAINAXは原作協力としてクレジットされるのみにとどまり、同作の監督であった庵野秀明によって新たに興されたスタジオカラーによって制作された。ただしGAINAXのスタッフをはじめとする前作の主要スタッフは、今作でも引き続き制作に関わっている。

TVシリーズの原画、動画やタイムシートを素材として再利用しているものの[3]、絵は全て新たに描き直され、そのままの絵は1枚たりとも使っていない[4]。また全編にわたってデジタル撮影や3DCGが使われて、映像の再構築が行われている。エヴァや使徒の形態、渚カヲルの早い段階での登場など、設定や演出の変更もみられる。また、登場人物の立場や性格の描写にもわずかな変更が加えられている。

エンドクレジットの後に、TVシリーズ予告パートを模した、次作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の予告編が上映された。

本作品は、近年のアニメ製作に多い製作委員会方式ではなく、スタジオカラーが資金を直接調達する自社製作を行っている。また配給・宣伝も大手の配給会社や広告代理店に依頼せず、小規模な会社と組んだ上でこれも自社で行っている。このため、作品の知名度に比べると公開前の宣伝は小規模であり、公開館も封切り段階では85[5]に留まった。しかし、前売り券の売れ行きなどから、公開前に東京・新宿でのメイン上映館が224席の「シネマスクウェアとうきゅう」から、日本最大級である1024席の「新宿ミラノ1」に変更された経緯がある[6]

公開日の2007年9月1日は、新宿ミラノ1をはじめとして最終上映まで満席となる映画館も多く、公開後2日間の週末興行で観客動員数23万6158人、興行収入2億8000万円を記録し、初登場1位となった。この公開規模の映画が週間興行収入成績で1位を獲得するのは本作が初で[7]、最終的には公開105館で観客動員150万人、興行収入20.0億円をあげ[1][8]パンフレットも25万部の売上を記録した[9]。これは2007年に公開された邦画中、15位の興行成績にあたる[1]

なお2008年4月26日から5月16日までDVD特装版の発売を記念して、都内2か所の映画館において特別上映が行われた[10]

地上波(日本テレビ金曜ロードショー)で初めて放送されたエヴァンゲリオンの劇場版作品でもある(旧劇場版のテレビ放送はWOWOW等の衛星放送のみ)。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ストーリー

舞台は、総人口の半分が失われたという地球規模の大災害「セカンドインパクト」から15年後の世界。主人公の碇シンジは、3年間会っていなかった父ゲンドウに呼び出され第3新東京市にやって来るが、その途中、巨大な謎の生命体「使徒」(第4使徒)と国連軍との戦闘に巻き込まれる。第3新東京市の地下空間「ジオフロント」にある国連直属の特務機関「ネルフ」の総司令であるゲンドウは、本部に到着したシンジに、ネルフが開発した汎用ヒト型決戦兵器・人造人間「エヴァンゲリオン」の一体、初号機を見せ、それに乗って使徒と戦うことを強いる。シンジは出来るわけがないと拒むが、もう一人のパイロット・綾波レイの重傷を目にし、エヴァに乗ることを決める。シンジは、エヴァ初号機を歩かせることに成功するが、2歩目で転び、そこを第4使徒に捕まえられ、腕と頭部を破壊される。しかし初号機は暴走を起こし、使徒を圧倒、最後は使徒が自爆する。

シンジは、上司の葛城ミサトの家に同居することになった。中学校では鈴原トウジから、先の戦闘で妹が怪我をしたという理由で殴られ、乗りたくて乗っているわけではないシンジは、自分がパイロットである理由を自問する。まもなく第5使徒が現れ、シンジは初号機で迎撃するも、ビルをも容易く切断する使徒の触手に追われ、補給電線のアンビリカルケーブルをも切断される。さらに山の中腹へと投げ飛ばされるが、そこにはシェルターを抜け出し、戦闘を見物に来ていたクラスメイトのトウジと相田ケンスケがいた。エントリープラグへと二人を避難させたシンジはミサトの退避命令を無視し、ナイフを持って使徒へと突撃する。初号機は腹を使徒の触手で貫かれつつも、ナイフを使徒のコアに突き立てその殲滅に成功する。命令無視をミサトに咎められたシンジはミサトの家を出るが、追跡していたネルフの保安部によりネルフ本部へと連行される。「誰のためでもなく自分の意志で乗るのかどうか決めなさい」とミサトに言われたシンジは、改めてその意味を考える。

第3新東京市に第6使徒が襲来。シンジは初号機で出撃するが、遠距離から使徒が放つ光線により負傷する。破損した初号機が回収された後、使徒は地表装甲盤の掘削を始める。攻防ともに強力で守備範囲の広大な使徒に対し、ミサトは遠距離からエヴァの陽電子砲による狙撃作戦「ヤシマ作戦」を立案・実行するが、死ぬ思いをしたシンジはエヴァに乗ることを拒む。ミサトはシンジにジオフロント深部におかれている第2の使徒「リリス」を見せ、リリスと使徒との接触による「サードインパクト」を防ぐため、職員全員が使徒と刺し違える(最悪の場合は本部ごと自爆する)覚悟でいると言い、シンジは再びエヴァに乗ることを了解する。囮として使徒への集中砲撃が行われる中、日本全土の電力を接収しての陽電子砲の一撃は、使徒に命中するが、致命傷とはならず反撃される。シンジは恐怖に震え、ゲンドウはシンジが役に立たないと判断、砲手をレイに変えようとするが、ミサトは彼を信じ託すべきと主張しそれが認められる。2射目の準備を始めるシンジを、再度使徒の光線が襲うが、レイの乗る零号機が盾をもってこれを防ぎ、初号機の撃った陽電子砲の2射目によって第6使徒は殲滅された。

作品設定

登場人物

エヴァンゲリオンのパイロット
特務機関NERVのメンバー
シンジらのクラスメイト
その他
  • 渚カヲル(声:石田彰) - 本編中では詳細が明らかにされていないが、本作最後にある次作『破』の予告では「エヴァ6号機のパイロット」と明かされている。
  • キール・ローレンツ(声:麦人) - ゼーレの中心的人物、人類補完委員会の議長。(DVD/BDの「SCRIPT」において「キール」と名前が確認できる)

エヴァンゲリオン

使徒」に対抗すべく建造された人型兵器。特務機関NERVが保有・運用する。パイロットは円筒形のコックピット「エントリープラグ」に乗り、主に神経接続によって機体を操縦する。背中のアンビリカルケーブルからの電力供給により活動し、内蔵電源では最大5分間のみ活動が可能。使徒と同じくA.T.フィールドを持ち、使徒のそれを中和・侵食・破壊することができる。

本作に登場する機体は以下の2機のみ。両機とも旧世紀版から塗装が若干変更されているが、これはテレビ版における山下いくとの初期設定に回帰し、それを発展させたものである。スタッフロール後の『破』の予告編では2号機(新劇場版より表記変更)・3号機・4号機のほか、旧世紀版の量産型とは異なる仮設5号機・6号機が登場する。

初号機
  • 肩部武器コンテナの形状が変更され、プログレッシブナイフが中折れ式になった。対第5使徒戦ではパレットライフルに代わり新デザインのガトリング砲を使った(従来のパレットライフルも登場している)。ヤシマ作戦時には右肩にG型装備(自動照準装置)が追加され、陽電子砲のデザインも変更されている。3DCGモデルも製作され、発進場面などに使われている。
  • テレビ版ではサキエルの攻撃でネルフ本部が損傷を受けた際、無人の初号機が自らシンジを落下物から庇う描写があったが削られた。
  • 第4使徒との戦闘時、初号機の緑・オレンジのストライプ部分が夜光塗料(蓄光塗料)風に発光している。
零号機
  • ヤシマ作戦で使った盾は前作のSSTOの底部を流用したものから、新デザインのエヴァ本体に近い意匠のものに変更された。

使徒

第3新東京市」に来襲する謎の敵。形状や能力はそれぞれ異なるが、必ず「コア」と呼ばれる部位があり(通常は赤色の球体)、それを破壊されると活動を停止。新劇場版ではその際に全身が血のような液体に変化(形象崩壊)し、コアを含め使徒の組織は一切消滅するが、第5使徒のみ触手を残した。A.T.フィールドを持ち、エヴァンゲリオン以外の通常兵器はほとんど意味をなさない。

テレビ版では天使の名前が付されていたが、本作ではリリスを除き全て「第○使徒」あるいは「第○の使徒」とのみ呼ばれる。また数字も1ずつ繰り下げられている。本作の第6使徒出現時にゲンドウが「残り8体の使徒を倒さねばならない」と発言しているが、その場面の時点で未殲滅である第6の使徒、そして次作『破』で登場する第3の使徒を数に入れているのか不明である。

第4の使徒
  • テレビ版の第3使徒サキエルと同じデザイン。能力・形状ともほぼ変わらない。戦闘のあらすじもほぼ前作と同様。ただし、国連軍部隊との戦いで大型ミサイルを手で受け止める場面や、学習してビーム兵器を身に付ける描写が削られた。
  • 冒頭の国連軍による爆撃の場面で、ミサイルをA.T.フィールドで防御する描写がこの度の劇場版で加えられた。
  • この使徒のみ3DCGで描かれていない。ただしシンジがインダクションモードの訓練を受けた際のシミュレーション画面ではCGで描かれている。
第5の使徒
  • テレビ版の第4使徒シャムシエルと同じデザインだが、腕の長さが若干長くなっており、また腹部に脚が追加されている。主に3DCGのトゥーンレンダリングで描かれており、背面には第4の使徒と同じ顔が付いている。腹部が半透明になっており、うっすらと奥にある背景が見える。攻撃に使うわけではないが、腹部の脚を盛んに動かす。なお、顔面に相当する部位にも短い触覚のような足が2脚存在する。
  • 戦闘時のストーリーは前作とほぼ同様だが、プログレッシブナイフでコアを破壊された後、2本の触手を残して消失した。このため、戦闘後にリツコが遺骸を分析して使徒と人間、エヴァとの遺伝子的類似性を指摘する場面は登場しない。ただし、パターン分析は行われている。
第6の使徒
  • テレビ版の第5使徒ラミエルと同じデザイン。全身が水晶のようになっており、薄らと奥にある背景が見える。テレビ版から描写が大きく変更されており、3DCGで描かれた正八面体の基本形態から、攻撃や防御時に様々な幾何的形態(4次元立体を3次元に投影した立体図形を基にしている)に目まぐるしく変化するように変更された(この際は中央にコアが見える)。また、ジオフロントへの掘削攻撃に用いるドリルも、正八面体の下部がソフトクリームのように伸びてドリルを形成するものに変更された。攻撃力も強化されており、加粒子ビームの連射や掃射も可能となった。攻撃のバリエーションも増えており、初号機との初接触においては防壁(防護アーマー)で加粒子ビーム攻撃を防がれた後、より大出力のビームを射ち込んで防壁を吹き飛ばした。
  • ヤシマ作戦では、序盤に囮として発射されたミサイル群を円周状に照射したビームで撃破するも、陽電子砲による1回目の狙撃で負傷。全身をウニのような棘皮状に変化させ、血を噴き出して叫び声を上げるが、致命傷とはならず反撃する。しかし、零号機の盾に阻まれ、陽電子砲の2射目で殲滅される。なお、その際にはジオフロントまで到達したドリル部も破裂し、ネルフ本部に血の雨を降らせた。
第2の使徒・リリス
  • ネルフ本部の地下、L-EEE(レベルトリプルE:扉にセントラルドグマとの表記)に安置されている白い巨人。最後まで使徒とは断言されなかった旧版と異なり、当初より第2使徒として、そして「リリス」として紹介されており、また「地球の生命の始まりであり、終息の要である」という旧版では劇場版で初めて明かされた真実もこの段階でミサトからシンジに告げられている。デザインは前作とほぼ同様だが、仮面は第4の使徒の顔と似たもの。胸には人類が調査をした跡である傷があり、ロンギヌスの槍の他にも複数の十字架が刺さっている。

その他(変更点等)

  • テレビ版冒頭の「時に、2015年」のテロップが消え、年代が明示されていない。宣伝協力の氷川竜介は、パンフレットに「時に、2015年」の一節を引用しようとしたところ削除されたと証言している[11]
  • ネルフとゼーレのシンボルマークが変更になったほか(ネルフマークは4種類を併用)、各種画面やゼーレのモノリスのデザインも変更になった。
  • キールらが人類補完委員会としてでなく、当初からゼーレとしてモノリスの姿で登場している。また、ゼーレの人数が7名に減っている。
  • 前作の「○th Children」という特徴的な表現が消え、「第○の少女(少年)」「○番目の子供」などと表現されている。
  • ミサトとシンジが立ち寄ったコンビニがローソンに変更されている。
  • 「プラグ深度」(正確にはエントリープラグ内におけるコクピット・インテリアの深度位置)がエヴァ本体の状態に関係している事が示されている(零号機の暴走時にはエヴァ側に引き込まれようとしていた)。
  • ミサト達はネルフ本部地下の使徒がリリスである事を最初から知っており(TV版では、ネルフ本部地下の使徒をアダムとしていたが、登場人物たちがそれを見破る設定になっている。また、そもそも「アダム」とされたリリスの存在そのものが秘匿されていた)、ヤシマ作戦前にミサトがシンジにリリスを見せて、使徒のセントラルドグマへの到達の際は、ネルフ職員全員がリリスもろとも自爆する覚悟を決めている事を伝える場面が加えられている。
  • 本作の世界では海の色が血のように赤い[12]。また、月面には血痕のような赤い染みが存在する。
  • 作品冒頭、廃墟と思しきビル群の中に、巨大な人型の跡が存在するシーンが加えられた。
  • また、シンジが国連軍の攻撃に遭遇する街は、廃墟のようになっていたり、垂直に立てられた船や電車が存在する。
  • 本作時点でゲンドウがダミープラグに言及したり、ゼーレや渚カヲルが登場するなど、TV版では後半まで登場しなかったものが本作では物語序盤に登場している。
  • スタッフロール後の『破』の予告編では、新キャラクター[13]と新たなエヴァ5号機・6号機の登場が示唆されている。

スタッフ

主題歌

前売券

第一弾前売券
「新ネルフマーク」ストラップ付き前売り鑑賞券。2007年4月28日より全国の公開劇場窓口で販売された[15][16]
第二弾前売券
「EVA初号機」3Dカードチケット前売り鑑賞券。6月9日より全国の公開劇場窓口で販売された[17]
第三弾前売券
「綾波レイ」イラストチケット前売り鑑賞券。「綾波レイマウスパッド」付き。7月7日より全国の公開劇場窓口で販売された[18]
アニメイト限定前売券
クリアファイルセット付き前売り鑑賞券。6月15日より全国アニメイト各店舗で販売された[19]
トートバッグ付き前売り鑑賞券。7月12日より全国アニメイト各店舗で販売された[20]
ローソン限定前売券
「ぷちえう゛ぁ 綾波レイ」フィギュア付き前売り鑑賞券。7月1日よりローソンホームページで販売された[21]
「ぷちえう゛ぁ ペンペン」ストラップ付き前売り鑑賞券。7月1日よりローソンホームページで販売された[21]
通常前売券
6月9日より全国の公開劇場窓口にて販売された[22]

その他

日本国内でのリリース

DVD・BD

  • 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.01 YOU ARE (NOT) ALONE.』特装版DVD - 2008年4月25日
  • 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.01 YOU ARE (NOT) ALONE.』通常版DVD - 2008年5月21日
  • 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.11 YOU ARE (NOT) ALONE.』BD - 2009年5月27日
  • 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.11 YOU ARE (NOT) ALONE.』DVD - 2009年5月27日

DVD化においては、庵野総監督によってDVDとして鑑賞する上で最適化した映像・音声の微調整が加えられており、『EVANGELION:1.01』とマイナーバージョンが変更されているが、ストーリーや設定での追加変更はない。また特装版には解説テロップ付きバージョン『Explanation of EVANGELION:1.01』とヤシマ作戦場面BGM『Angelof Doom』PVを収めた特典ディスク、解説ブックレットと劇場上映生フィルムコマが封入されており、一部の生フィルムがネットオークションで高値で取引されて話題となった[27][28][29]。『1.01』の特装版DVDはオリコン調べで発売第1週で21.9万枚を売り上げ[30][31]、オリコン2008年年間総合DVDランキングでは29.7万枚で3位となった[32]

『破』の公式サイトによる発表では国内DVDセールスは60万枚以上[33]で、ジーエフケーマーケティングサービスジャパン(GfKジャパン)による調査において、2008年に販売されたDVDソフトの最高販売枚数を記録した[34]

2009年、続編『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の公開日発表と同時に、新作カットを含むデジタルマスター版『EVANGELION:1.11』の発売が発表された[35]。こちらはBDとDVDの両メディアで発売され、BDはソニーが開発した映像用階調補完技術「Super Bit Mapping for Video(SBMV)」の採用事例第一弾ソフトとなる[36]。『1.11』では新作カットが追加された事で、本編時間も101分(1.01は98分)に増えており、映像特典として『1.01』の特装版に加え『破』の特報が収められている[37]

『1.11』のBDはオリコン調べで発売第1週で4.9万枚を売り上げ、それまでBDの国内最多セールスだった『ダークナイト』の初週2.9万枚という記録を塗り替えたほか[38]、3週目には合計6.3万枚を販売しこちらも『ダークナイト』の5.6万枚の記録を塗り替えて国内史上最高を記録した[39]。初週及び累計売上枚数は2010年2月に『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』が記録更新するまで歴代首位を維持し続けた。

TV放映

『破』の公開に合わせての初オンエア。TV版と銘打って放送された。内容はver.1.01をベースにしており、本編はノーカットだがエンディングロールがカットされ、冒頭にメインキャスト・スタッフ表記が追加された。また、ラストの『破』予告は本編映像を編集したものに変更されている。視聴率は12.7%を記録した。

CD

書籍

  • 『公式ガイドブック ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 ENTRY FILE 1』(角川書店)ISBN 978-4-048541190 - 2007年10月31日
  • 『「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」アニメーション原画集』ISBN 978-4-903713-18-2 - 2008年4月25日
  • 『「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」全記録全集』ISBN 978-4-903713-17-5 - 2008年5月15日

ゲーム

日本国外でのリリース

映画祭

海外では第12回釜山国際映画祭に招待され、クロージング作品として上映された[40][41]。またアメリカ合衆国では、2008シアトル国際映画祭[42]Anime Expo 2008にて英語字幕にて上映され、フランスではアヌシー国際アニメーション映画祭2008にてフランス語字幕にて、スペインでは2008年10月2日から12日にかけて開催されるシッチェス・カタロニア国際映画祭[43]にて、 カナダでは2008年11月13日から16日にかけて開催されたWaterloo Festival for Animated Cinemaにて、インドネシアでは2008年11月下旬に開催されたIndonesia International Fantastic Film Festival 2008[44]にて上映された。

劇場公開

  • 韓国 - 2008年1月24日公開(一部劇場では1月19日)から3月2日までで517,159ドル[45]。「SS501」が宣伝大使となりプロモーションが行われ、20スクリーン以下ながらも5日で4万人を動員した[46]
  • シンガポール - 2008年3月13日公開。
  • 香港 - 2008年4月3日公開[47]から4月27日までで139,527ドル[48]
  • 台湾 - 2008年4月18日公開から5月11日までで50,720ドル[49]
  • マレーシア - 2008年7月1日公開から7月20日までで5,976ドル[50]
  • スペイン - 2009年1月30日公開[51]から2月8日までで8,834ドル[52]
  • フランス - 2009年3月4日公開[53](一部劇場では2月25日)から3月15日までで11,592ドル[54]
  • アメリカ合衆国・カナダ - 2009年7月3日公開予定。

DVD

  • オーストラリア - Red Ant Enterprisesによる配給で、2008年11月12日発売[55]
  • フランス - Dybexによる配給[56]
  • イタリア - Dynitによる配給で、2008年10月30日発売[57]
  • ドイツ - Ufa Animeによる配給で2008年10月20日発売
  • スペイン - 2009年2月25日からDVDのレンタル開始。同年5月20日にDVD発売。
  • アメリカ合衆国 - ファニメーションによる配給で[58]、2009年11月10日発売予定。
  • カナダ - 2009年11月17日発売予定。
  • ブラジル - 2009年12月1日発売予定。

受賞歴

脚注

  1. ^ a b c 2007年(平成19年) 興行収入10億円以上番組、社団法人日本映画製作者連盟
  2. ^ 『エヴァンゲリヲン新劇場版:序 ENTRYFILE 1』(角川書店
  3. ^ ここがみどころ 公式サイト
  4. ^ 2007年フィギュア王114号 大月俊倫コラムより
  5. ^ ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』劇場用配布広告より。
  6. ^ 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」週末興行1位で登場、アニメ!アニメ! 2007年9月3日
  7. ^ 国内映画ランキング : 2007年9月1日~2007年9月2日 トップ10速報、eiga.com、2007年9月4日
  8. ^ 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」パンフレット www.evastore.jp
  9. ^ ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 序 特装版_期間限定生産、Neowing
  10. ^ DVD発売記念特別上映、公式サイト
  11. ^ 2007年9月21日の文化放送アニメ文化通信』より
  12. ^ 次作の『破』において「セカンドインパクトの影響で生物の住めない死の海になった」と説明される。
  13. ^ 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の公開直前に「真希波・マリ・イラストリアス」の名前が発表された。
  14. ^ 週刊プレイボーイ」(集英社)2006.6/5(Vol.23)号の特集記事「エヴァンゲリオン10年目の真実」
  15. ^ 完全数量限定チケット第一弾 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』公式サイト
  16. ^ 前売り劇場鑑賞券第一弾発売延期のお知らせ 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』公式サイト
  17. ^ 完全数量限定特別鑑賞券第二弾 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』公式サイト
  18. ^ 完全数量限定特別鑑賞券第3弾の特典は「綾波レイマウスパッド」に決定 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』公式サイト
  19. ^ アニメイト限定特典クリアファイルセット付き 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』公式サイト
  20. ^ アニメイト限定特典トートバッグ付き前売券 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』公式サイト
  21. ^ a b ローソン限定『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』公開記念 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』公式サイト
  22. ^ 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』前売り劇場鑑賞券 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』公式サイト
  23. ^ ニュースリリース ピザハット 2007年8月22日
  24. ^ ヱヴァ缶キャンペーンサイト、2009年現在は第2弾の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のキャンペーンを紹介している。
  25. ^ ヱヴァンゲリヲン ドリトス フリトレー特製グッズプレゼント ジャパンフリトレー
  26. ^ エヴァンゲリヲン新劇場版制作日記、Yahoo! JAPAN - 新世紀エヴァンゲリオン 電脳補完計画 第二章、2007年2月12日
  27. ^ ヱヴァンゲリヲン:「おまけ」生フィルムに1万円超 オークションでプレミア化(まんたんウェブ )、毎日jp、2008年4月28日
  28. ^ 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」のDVD特典フィルムに3万円以上のプレミア、GIGAZINE、2008年4月28日
  29. ^ 特典「生フィルム」がプレミア化 綾波レイは20万円突破、まんたんウェブ、2008年5月2日
  30. ^ 新世紀エヴァが過去最高の売上を記録!、ORICON STYLE、2008年4月29日
  31. ^ ヱヴァンゲリヲン:DVD22万枚で今年トップ オリコンランキング(まんたんウェブ)、毎日jp、2008年4月29日
  32. ^ 2008年年間総合DVDランキング、 ORICON STYLE、2008年12月19日
  33. ^ EVANGELION.CO.JP、イントロダクション
  34. ^ 「GfK Certified DVDソフト 2008 発表」(PDFファイル)
  35. ^ 「ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序」が5月27日にBlu-ray/DVD化、AV Watch、2009年2月20日
  36. ^ BD版「ヱヴァ新劇場版」に、ソニーのSBMV技術導入、AV Watch、2009年5月12日
  37. ^ 公式サイト
  38. ^ ヱヴァンゲリヲン新劇場版:第1部「序」BDが史上最高の初週4.9万枚売り上げ オリコン(まんたんウェブ)、毎日jp、2009年6月3日
  39. ^ ヱヴァンゲリヲン新劇場版:第1部「序」BDがV3 6万枚突破、史上最高売り上げに オリコン(まんたんウェブ)、毎日jp、2009年6月17日
  40. ^ 日本アニメ『ヱヴァンゲリヲン』、釜山国際映画祭の閉幕作に選定、innolife.net、2007年8月29日
  41. ^ 帰ってきた『エヴァ』シリーズ、伝説復活なるか、朝鮮日報、2007年10月14日
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  58. ^ ファニメーション公式サイト

外部リンク

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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
2007年日本週末興行収入1位
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
2007年9月2日
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HERO