安野モヨコ
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安野 モヨコ(あんの モヨコ、女性、1971年3月26日 - )は、日本の漫画家。株式会社カラー取締役。東京都杉並区出身、東京都多摩市育ち。血液型O型。関東高校(現・聖徳学園高校)卒業。別名義に安野 百葉子(読み同じ)。
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[編集] 来歴
幼少期より、『がきデカ』から少女漫画まで幅広く漫画に接し、小学校3年生で漫画家になることを決意。高校在学中の1989年、『別冊少女フレンドDXジュリエット』7月号に『まったくイカしたやつらだぜ!』が掲載されデビュー。
連載を持つまでは、岡崎京子のアシスタントをしていた。安野がファンレターを送り、返事が来たのがきっかけだった[2]。
1995年から『FEEL YOUNG』で『ハッピー・マニア』の連載を始め、一躍人気を集める。1998年7月にはフジテレビ系でドラマ化された。
同1998年5月より、『VoCE』にてイラスト&エッセイ作品『美人画報』の連載を開始。『美人画報』『美人画報ハイパー』『美人画報ワンダー』と刊行される人気シリーズとなる。安野自ら様々な化粧品や美容法を試みる体当たりの内容で、2001年に刊行した『美人画報ハイパー』には自らの写真も掲載した[3]。
2005年6月、少女漫画誌『なかよし』に連載された『シュガシュガルーン』で第29回講談社漫画賞児童部門を受賞。同年7月よりテレビ東京系でアニメ化され、その後ヨーロッパ、アジアなど世界各国にて放送されている。
2006年8月からは『週刊文春』にて、食べ物を題材としたエッセイ『くいいじ』を連載(2007年10月連載終了、2009年11月単行本化)。
同2006年10月より、『モーニング』にて連載中(2011年1月現在、休載中)の『働きマン』がフジテレビ系ノイタミナ枠でアニメ化。同作は2007年10月には、日本テレビ系でドラマ化された。
2007年2月には、『イブニング』で連載された『さくらん』が、蜷川実花監督により実写映画化を果たす。
同2007年4月より、朝日新聞日曜版にてショート漫画『オチビサン』連載開始。
2008年3月、体調不良による休養のため『オチビサン』以外の漫画連載を休業することを、自身のブログ(3月10日)と公式サイト(同11日)で発表。
1年半の休養を経て、2009年9月24日、ブログに活動再開のメッセージを寄せた。同日の新聞全国紙各紙に、安野の最新描き下ろしイラストをメインビジュアルとして起用した全段見開きの宝島社企業広告が掲載。
また、2009年は安野の漫画家生活20周年にあたり、様々な企画が催された(デビュー20周年記念活動の項参照)。
[編集] 人物
- ペンネームは夢野久作『ドグラ・マグラ』の登場人物「呉モヨ子」、および作家・安野光雅の名前から取って名付けられた[2]。
- 趣味は読書で、「今でも毎日必ず3回は読書の時間を作ります」と語っている[2]。好きな作家として、内田百閒、岡本綺堂、谷崎潤一郎、寺田寅彦[4]、永井荷風、夢野久作、澁澤龍彦ら大正・昭和の作家を挙げている。好きな漫画に『バジル氏の優雅な生活』、好きな小説に『流れる』、好きな映画に『股旅』を挙げたことがある。
- 子供の頃から甘い物が苦手で、駄菓子屋で買うのは「よっちゃんイカ」と「都こんぶ」だった。現在も自宅に砂糖を置いておらず、料理の際にはみりんや蜂蜜を使う。南瓜が食べられるようになったのは最近のことという[5]。
- 成田三樹夫を好きな俳優の一人に挙げており[2]、『働きマン』の主要キャラクターの名前は、成田を含む『仁義なき戦い』シリーズのキャストの名前に由来している。ただ、それについて特に意味は無いと語っている。
[編集] 関連人物
[編集] 庵野秀明
2002年3月26日、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の監督である庵野秀明と結婚。偶然、安野のペンネームと名字の読みが一緒であったため、「Wアンノ」の名が付きメディアの話題をさらった。
その結婚生活は『FEEL YOUNG』連載の『監督不行届』に描かれ、オタク趣味を持つカップルのバイブルとされた。また2人の関係は、以下のように、プライベートにとどまらない。
- 安野原作のアニメ『シュガシュガルーン』において、オープニングおよびエンディングの絵コンテと演出を庵野が担当(絵コンテは安野と共同担当)。
- 庵野秀明監督の実写映画『キューティーハニー』では、安野がスカーレット・クローのキャラクターデザインを務めた。
- 安野原作の実写映画『さくらん』において、「遊女とその客」として夫婦でカメオ出演。
- 松尾スズキ監督映画『恋の門』、樋口真嗣監督映画『日本沈没』においては劇中でも夫婦役として共演を果たした。
- フリーペーパー『R25』2005年10月6日配布号のインタビューにおいて、庵野は『シュガシュガルーン』のTシャツを着用。
- 庵野が設立したアニメスタジオ「カラー」の名付け親であり、同社のロゴも安野が手かげたものである[6]。また、同社の取締役にも就任している[6]。
『季刊プリンツ21』2005年秋号および2009年秋号の安野モヨコ特集や、『文藝別冊:総特集 安野モヨコ』などでは、庵野のインタビューやコメントを読むことができる。他方、『文藝別冊:総特集 庵野秀明』では安野のインタビューが読める(参考文献の項参照)。
結婚後、夫妻は鎌倉に転居[7]。鶴岡八幡宮のぼんぼり祭には夫婦揃って2007年より毎年参加し、描き下ろしイラスト雪洞の展示が話題を集めている。2009年には荏柄天神社のぼんぼり祭にも参加した。
ベジタリアンである庵野のために、安野は日々オリジナルの料理を考案している[5]。
また庵野家には、おでこに「M」の柄があることから庵野が命名した[2][7]「庵野・マイティ・ジャック」という飼い猫がいる。『マイティジャック』は1968年に放映された日本のSF特撮テレビ番組のタイトル。
安野は猫漫画アンソロジー『猫本2』にジャックを主役にした描き下ろし漫画『ねこ王子』を寄稿した。また、動物写真家・岩合光昭の写真集『ちょっとネコぼけ』[8]の帯に、写真集を読むジャックのイラストを寄せている。
ジャックが唯一話せる日本語は「ごはん」[5]。
[編集] その他
- 安野光雅
- 彼のファンであったことが「安野」というペンネームの由来となった。『季刊プリンツ21』2005年秋号[2]および『蔦と鸚鵡 -安野モヨコ紙版画集-』[9]にて2人の対談を読むことができる。
- 蜷川実花
- 実写映画『さくらん』の監督を務めた写真家。雑誌の特集号などで数多く対談している。『働きマン』第3巻[10]収録のVOL.20「いつか勝負をかけるぞマン」で、田中邦男が提出した企画のカメラマンが蜷川だった。
- 伊藤理佐
- 映画版『さくらん』に特別出演し、レポート漫画を描いている[11]。また安野も、伊藤の作品『おんなの窓』にコメントや描き下ろし漫画を寄せている。
- 曽田正人
- 講談社漫画賞の同期受賞者。『capeta』第20巻、『MOON -昴 ソリチュード スタンディング-』第4巻の帯に、イラストとコメントを寄せている。
- 江藤智
- 高校の同級生。『文藝春秋』2005年1月号の名物グラビア連載「同級生交歓」で対談を行った。
- その他
- 安野を特集した各誌(参考文献の項参照)において、羽海野チカ、ハロルド作石、タカノ綾、宮藤官九郎、寺田克也、PUFFY、野宮真貴、中川翔子ら、多種多様な各界著名人が安野にメッセージを寄せている。
[編集] デビュー20周年記念活動
2009年に様々なアーティスト活動が行われた。
- 5月 - 初の個展となる《安野モヨコ展》を大阪のギャラリー・センティニアルにて開催。
- 6月 - 『季刊Prints21 No.91 2009年秋号:安野モヨコ デビュー20周年記念号』が刊行。
- 7月 - 化粧品ブランド・シュウ ウエムラと安野のコラボレーションによるコレクション“Tokyo Kamon Girls”が全世界で発売[12]。表参道ヒルズにて特別展覧会も開催された[13]。また、“Tokyo Kamon Girls”の中のSAKURAKOという女の子をイメージした作品『夜の提灯』も制作された[14]。
- 同月 - デザインを一新した『ハッピー・マニア』新装版の刊行がスタート。
- 10月 - 東京初となる個展《安野モヨコ展 レトロモダンな世界》が弥生美術館3階にて開催。同美術館1、2階に展示された《『少女の友』展》との同時開催だった。安野は幼い頃から蕗谷虹児、中原淳一、松本かつぢらのファンであり、『少女の友 創刊100周年記念号』[15]には安野のインタビューが掲載されている。
- 同月 - 個展の展示作品を収録した『蔦と鸚鵡 -安野モヨコ紙版画集-』[9]が刊行。表題の通り、作品のところどころに鸚鵡のモチーフが描かれている。『VOGUE NIPPON』2009年6月号に掲載された作品にも『鸚鵡師 IA』というタイトルが付けられていた。
- 11月 - 『くいいじ』上下巻が発売。
[編集] 単行本リスト
[編集] 漫画
- 超感電少女モナ(1994年、講談社) 短編集。
- TRUMPS!(1994年、別冊少女フレンド、講談社)
- Peek a boo!(1995年、講談社) 短編集。
- ハッピーマニア(1995年、FEEL YOUNG、祥伝社) 1998年、フジテレビ系でテレビドラマ化。
- ジェリー イン ザ メリィゴーラウンド(1997年、CUTiE、宝島社) 1998年、テレビ東京系でテレビドラマ化。
- パトロール・QT(1997年、別冊少女フレンド、講談社)
- 脂肪と言う名の服を着て(1997年、週刊女性、主婦と生活社)
- チェイシング・エイミー(1998年、青山出版社)
- ラブ・マスターX(1998年、CUTiE comic、宝島社)
- エンジェリック・ハウス(1999年、Amie、講談社)
- カメレオン・アーミー(1999年、祥伝社) 短編集。
- ジェリービーンズ(1999年、CUTiE、宝島社) 後になかよしプレミアムKC(講談社)から単行本発売。
- ツンドラブルーアイス(2000年、YOUNG YOU、集英社)
- 花とみつばち(2000年、週刊ヤングマガジン、講談社)
- ベイビーG(2001年、CUTiE、飛鳥新社)
- さくらん(2001年、イブニング、講談社) 2007年、映画化(監督:蜷川実花、主演:土屋アンナ)。
- シュガシュガルーン(2003年、なかよし、講談社) 第29回講談社漫画賞児童部門受賞。2005年、テレビ東京系でアニメ化。
- 働きマン(2004年、モーニング、講談社) 2006年、フジテレビ系ノイタミナ枠でアニメ化。2007年、日本テレビ系でテレビドラマ化。
- 監督不行届(2005年、FEEL YOUNG、祥伝社)
- オチビサン(2008年、朝日新聞、朝日新聞出版)
[編集] エッセイなど
- 美人画報(1998年、VoCE、講談社)
- 日記書いてる場合じゃねぇよ(2001年、PARCO出版)
- 美人画報ハイパー(2001年、講談社)
- 安野モヨコ対談集 ロンパースルーム(2003年、ロッキング・オン)
- 美人画報ワンダー(2003年、講談社)
- 働きマン 明日をつくる言葉(2007年、講談社)
[編集] 参考文献
- 『文藝別冊 KAWADE夢ムック:総特集 安野モヨコ』河出書房新社、2003年、ISBN 430997659X
- 『文藝別冊 KAWADE夢ムック:総特集 庵野秀明』河出書房新社、2004年、ISBN 4309976794
- 『季刊Prints21 No.76 2005年秋号:特集 安野モヨコ』プリンツ21、2005年
- 中野渡純一『漫画家誕生 169人の漫画道』新潮社、2006年、ISBN 4103013516
- 『季刊Prints21 No.91 2009年秋号:安野モヨコ デビュー20周年記念号』プリンツ21、2009年
[編集] 脚注
- ^ 中野渡純一『漫画家誕生 169人の漫画道』(新潮社、2006年、ISBN 4103013516)246ページ参考。
- ^ a b c d e f 『季刊Prints21 No.76 2005年秋号』参考。
- ^ 安野モヨコ『美人画報ハイパー』(講談社文庫、2006年、ISBN 4062752824)12、13ページ参考。
- ^ 安野モヨコオフィシャルサイト内プロフィールページ参考。
- ^ a b c 安野モヨコ『くいいじ』(文藝春秋、2009年、ISBN 4163708707)参考。
- ^ a b 氷川竜介「スタジオカラーがめざすもの」『月刊ニュータイプ』27巻10号、角川書店、2011年5月10日、20頁。
- ^ a b 『監督不行届』(祥伝社、2005年、ISBN 4396763530)参考。
- ^ 『ちょっとネコぼけ』小学館、2005年、ISBN 4096818313
- ^ a b 『蔦と鸚鵡 -安野モヨコ紙版画集-』実業之日本社、2009年、ISBN 4408107816
- ^ 安野モヨコ『働きマン』単行本第3巻 講談社、2006年、ISBN 4063725502
- ^ 『さくらん オフィシャルガイドブック』(講談社、2007年、ISBN 4062138301)参考。
- ^ シュウ ウエムラ公式サイト内「アーティストコラボレーション シュウ ウエムラ×安野モヨコ」参考。
- ^ シュウ ウエムラ公式サイト内「Tokyo Kamon Girls特別展覧会」参考。
- ^ 『VoCE』2009年8月号に掲載。『蔦と鸚鵡 -安野モヨコ紙版画集-』に収録。
- ^ 『少女の友 創刊100周年記念号 明治・大正・昭和ベストセレクション』実業之日本社、2009年、ISBN 4408107565
