ストライク・ザ・ブラッド
ストライク・ザ・ブラッド | |
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ジャンル | 学園、SF、アクション、ファンタジー |
小説 | |
著者 | 三雲岳斗 |
イラスト | マニャ子 |
出版社 | KADOKAWA アスキー・メディアワークス |
レーベル | 電撃文庫 |
刊行期間 | 2011年5月 - |
巻数 | 既刊14巻 |
漫画 | |
原作・原案など | 三雲岳斗(原作) マニャ子(キャラクター原案) |
作画 | TATE |
出版社 | KADOKAWA アスキー・メディアワークス |
掲載誌 | 月刊コミック電撃大王 |
レーベル | 電撃コミックス |
発表号 | 2012年8月号 - |
巻数 | 既刊7巻(2015年9月現在) |
アニメ | |
原作 | 三雲岳斗 |
監督 | 山本秀世 |
シリーズディレクター | 佐野隆雄(チーフディレクター) |
シリーズ構成 | 吉野弘幸 |
キャラクターデザイン | 佐野恵一 |
メカニックデザイン | 明貴美加 |
音楽 | ASSUMED SOUNDS |
アニメーション制作 | SILVER LINK. / CONNECT |
製作 | PROJECT STB |
放送局 | #放送局を参照 |
放送期間 | 2013年10月 - 2014年3月 |
話数 | 全24話 |
OVA | |
原作 | 三雲岳斗 |
監督 | 山本秀世 |
シリーズ構成 | 吉野弘幸 |
キャラクターデザイン | 佐野恵一 |
メカニックデザイン | 明貴美加 |
アニメーション制作 | SILVER LINK. / CONNECT |
製作 | PROJECT STB OVA |
発表期間 | 2015年11月25日 - 12月23日 |
話数 | 全2話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・漫画・アニメ |
ポータル | 文学・漫画・アニメ |
『ストライク・ザ・ブラッド』 (STRIKE THE BLOOD) は、三雲岳斗による日本のライトノベル。イラストはマニャ子が手掛けている。ジャンルは「学園アクションファンタジー」。「学園アクションファンタジー」と「制御不能な怪物を受け入れて、それを救おうとする人々の物語」がコンセプト。公式略称は「ストブラ」など。
2013年3月にテレビアニメ化が発表され、同年10月より翌年3月まで放送された。 2015年11・12月に前後編で構成されるOVAが発売された
概要
『ダンタリアンの書架』を書き終えた三雲岳斗は、トリッキーな面ではやりたいことをひと通りやり尽くしたとして、本作では原点回帰かつ正統派を目指した。しかし、過去の吸血鬼もので吸血鬼がネガティブに描かれていることに着目して現在の読者の嗜好と照合した結果、本作では日差しの強い南国の人工島を舞台としたり、古典的な吸血鬼へのアンチテーゼとして青のイメージを採用するなど、吸血鬼ものとしては捻った作品になっている[1]。
一種のバディものであるとも定義している。メインヒロインの姫柊雪菜をはじめ女性陣が数多く登場するためにハーレムものと思われることも多いが、彼女と組む世界最強の吸血鬼である主人公の暁古城が仲間内では突出した孤高の存在ではないことに重点が置かれており、彼が世界を救うより先に身近な人を守りたいという欲求ゆえに戦う理由やヒロインたちとの絆に納得感が出るとしている[1]。
読者に無用なストレスを与えないことにも注力しており、過去のトラウマや人間関係の悪化、そして登場人物を苦しめるようなことをそれぞれ無意味に盛り込まないよう、意識しながら執筆している。また、大きな伏線の処理には苦労しており、読者をモヤモヤさせないように古城を困らせながら読者をワクワクさせるよう、情報開示の過程や状況のバランスには気を遣っている[2]。
第一部は15巻をもって完結予定、それ以降の物語はタイトルを若干変更する形で第二部を予定している[3]。
発行部数は、後述のテレビアニメ版の制作が発表された時点で第6巻までが計55万部[4]、放送が開始された後の時点で第9巻までが計150万部[5]である。
あらすじ
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
伝説の中にしか存在しないとされた世界最強の吸血鬼・「第四真祖」。日本に出現した第四真祖を監視・抹殺するために政府の獅子王機関は「剣巫」の見習いである姫柊雪菜を第四真祖のもとへと送り出す。分不相応な任務とその具体的な内容に戸惑いつつも、魔族特区「絃神島(いとがみじま)」を訪れる雪菜の監視対象の名は、暁古城。古城は絃神島内の私立高校に通う学生であるが、3か月前に先代の第四真祖から能力を受け継いだばかりの言わば新米の第四真祖であった。暁家の隣へ引っ越した雪菜は古城を警戒しつつもそのひととなりに触れていく中、彼と共に様々な相手と戦うことになる。その戦いの中で第四真祖という存在の意味、失われた過去、そしてその核心である聖殲を知っていく。
登場人物
主要人物
- 暁 古城(あかつき こじょう)
- 声 - 細谷佳正、田村睦心(幼少期)
- 本作の主人公にして、世界最強の吸血鬼“第四真祖”の少年。私立彩海学園高等部1年B組。
- 元は魔族と無関係のごく普通の人間だったが、本編の3か月と少し前に先代の“第四真祖”アヴローラからその能力を受け継ぐことになってしまった(その際の記憶は封じられており、思い出そうとすると激しい苦痛に襲われる)。だが、アヴローラに変装したジャーダとの戦闘やその直後に受けた監獄結界での魔導書“No.14”により、欠けている部分こそあるものの失われていた記憶をある程度まで取り戻した。その事件当時は相当殺気立っていたらしく、現在の性格はそれ以前の状態へ戻っていると言われている。バスケ部の後輩にあたる凪沙のクラスメイトたちからはギャップが良いとされて人気が高いが、雪菜や浅葱がいるからと諦められてもいる。
- 第四真祖となる4年前、「12番目の妖精の柩」の発掘に妹の凪沙と共に参加していたが、黒死皇派のテロリストたちの襲撃を受け、凪沙を助けるために自らの血を捧げてアヴローラを目覚めさせた。1年前の時点でそれに関わる記憶を消されていたとはいえ、アヴローラと互いの第四と第五の肋骨を交換しており、彼女が覚醒した後は第四真祖の“血の従者”となっていたが、“原初のアヴローラ”を倒した際に第四真祖のすべての力をアヴローラから与えられた。
- 第四真祖になったことについては、凪沙への配慮や発覚した後に与える影響を考慮し、隠している。また、吸血鬼としての体質のせいで遅刻や無断欠席の常習犯となっており、担任教師である那月のフォローによって追試や補習を抱えながら通学している。また、生来の体質としてわずかな性的興奮でも鼻血が出てしまうために誤解されることもあるが、これは自分の鼻血を飲むことで他人への吸血衝動を抑えるための対症療法でもある。
- 中学まではバスケ部に所属しており、高い身体能力を有していた。第四真祖になってからはそれが飛躍的に向上したことに加え、首を刎ねられた状態からも短時間で蘇るほどの再生能力[注 1]を獲得し、第四真祖の本来の力である12体の眷獣についても覚醒した個体に関しては短時間ながら連続・同時使役も行えるなど、制御能力も徐々に向上している。そういった第四真祖としての能力は各方面から注目と奪取の対象となっているため、古城は身柄どころか子種すら狙われる状況にある。
- 凪沙には及ばないまでも料理の腕は確かであるが、最近は彼女が台所に立つことが多いため、任せきりになっている。
- 自身を取り巻く様々な事件を通して複数の女性(特に雪菜と浅葱と紗矢華)から好意を寄せられているが、彼女らの気持ちに気づかない鈍感な面があるうえ、眷獣を覚醒させるための霊媒として(一部は不可抗力とはいえ)女性から直接吸血を行うため、そのせいで吸血対象以外の女性(主に雪菜)からの怒りを買っている。また、凪沙の異性交遊については過敏になるなど、若干シスコンの気がある。
- 決め台詞は敵と対峙する際に発する「ここから先は、第四真祖(オレ)の戦争(ケンカ)だ!」。
- 眷獣については以下のとおり。
- “神羊の金剛(メサルティム・アダマス)”
- 1番目の眷獣。金剛石で構成された大角羊。攻撃の反射能力を持ち、数千数万もの結晶を操ることで盾や散弾のように撒き散らすなど攻防一体の能力を持つ。霊媒は夏音。
- “牛頭王の琥珀(コルタウリ・スキヌム)”
- 2番目の眷獣。姿は10mを超える身長にそれを超える巨大な戦斧を持つ溶岩で構成された琥珀色の牛頭神。他の魔力で構成されている眷獣とは異なり、純粋な物理攻撃となっている。霊媒はグレンダ。
- “龍蛇の水銀(アル・メイサ・メルクーリ)”
- 3番目の眷獣。姿は前後に頭を持つ2体で1対の巨大な双頭龍。次元喰い(ディメンジョン・イーター)の能力を有し、龍の顎に喰われた空間自体を消滅させる。霊媒は雪菜とラ・フォリア。
- “甲殻の銀霧(ナトラ・シネレウス)”
- 4番目の眷獣。姿は銀色の霧を灰色の甲殻が覆っている甲殻類。周囲全体を霧に変える能力を持つ。ジャーダのように同格以上の相手には逆に霧となった状態でも掴まれてしまう。霊媒は優麻と紗矢華。
- “獅子の黄金(レグルス・アウルム)”
- 5番目の眷獣。姿は雷の魔力の身体を持つ獅子。霊媒は雪菜。古城が最初に掌握した眷獣でもある。ヴァトラー曰く、制御の難しい眷獣らしいが雪菜の霊媒の血がよかったらしい。古城や雪菜がピンチになった時は呼び出さずとも雷撃で守ってくれるが、威力を制御できていない。雪菜の血を吸う前の時でさえ絃神島の一部を破壊したほど、高い威力を持つ。
- “夜摩の黒剣(キファ・アーテル)”
- 7番目の眷獣。第三真祖の系譜にして“意思を持つ武器”であるが、その規模は桁違いとなっており、100mを超える刃渡りを持つ三鈷剣。遥か上空に召喚され、そこから目標に向かって落下し、さらに重力制御による加速も相まってその巨体と速度で落下してしまえば、数十kmが消し飛ぶほどの威力を持つ。霊媒は雪菜
- “双角の深緋(アルナスル・ミニウム)”
- 9番目の眷獣。姿は緋色の双角獣(バイコーン)。身体そのものが振動であるため、実体化中は常に高周波振動を撒き散らす傍迷惑な存在。霊媒は紗矢華。
- “麿羯の瞳晶(ダビ・クリュスタルス)”
- 10番目の眷獣。全身が銀水晶の鱗に覆われ水晶柱でできた山羊に似た角を有する魚竜の姿をしている。魅了を司る眷獣で、精神支配の能力を持つ。ディセンバーが使用した際には古城の他の眷獣をも支配するほどの力を発揮した。器であるディセンバー自ら降ったため、霊媒はなし。
- “水精の白鋼(サダルメリク・アルバス)”
- 11番目の眷獣。姿はヘビの下半身と髪を持つウンディーネ。回復能力を持つが、その本質はむしろ時間遡行というべき代物。妖姫の蒼氷によって強制的に目覚めさせられ、雪菜の血によって治まった。
- 姫柊 雪菜(ひめらぎ ゆきな)
- 声 - 種田梨沙
- 本作のメインヒロインにして、もう1人の主人公。第四真祖となった古城を「監視、場合によっては抹殺する」ために獅子王機関から派遣された、見習い“剣巫”の少女。古城を監視するために彼の住むマンションの隣室へ引っ越したうえ、彩海学園中等部3年に転入する。
- 幼い頃から高神の杜で訓練を受けてきたために剣巫としては優秀であり、物語開始当初ですでに高校卒業程度の学力を持つために古城を教えてあげられるほどだが、初めて見たゴルフクラブを武器と勘違いするなど少々世間知らずなところもあったり、マスコットや猫に目を輝かせるなど年相応の少女らしい面も覗かせる。また、機械系全般が苦手(飛行機が特に苦手で、機内から外を直視できないほど)。高神の杜ではずっと寮生活だったこともあり、マンションへの引っ越しを段ボール数箱で終えるほど私物が少なく、おしゃれなドレスはおろか普段の私服すらあまり持っていないため、出かける際も制服のままが多い。
- 古城に対しては数々の事件や日常生活を通して好意を寄せているものの、肝心の彼からは「監視役」「隣人」「妹のクラスメイト」としか見られておらず、それに加えて古城が浅葱をはじめとする複数の女性から好かれる、自分が目を離した隙に他の女性から吸血するなど自分の気を逆撫でする(雪菜の視点からはそう見えるが、古城はあくまでも状況に対処しているだけである)ため、その度に「いやらしい」と嫉妬と侮蔑に満ちた言葉を投げかけている。監視対象の古城へ嫉妬していることを自覚しきれていないが、危機に陥った際には真っ先に彼を思い浮かべるなど、信頼している部分はある。
- 幼少時、異邦の女神を信奉する集団によって神への生贄にされそうになったところを冬佳に救われ、高神の杜に保護された。そのため、冬佳に憧れて剣巫となり、知らないうちに彼女の武神具の銘だった雪霞狼を受け継ぐことになった。戦闘では槍術と格闘戦、未来視を用いる。
- 獅子王機関による派遣は雪菜を第四真祖の妃に据える(そのうえで第四真祖を獅子王機関の手中に収める)という目論見も含まれているが、彼女自身はそれを知らないまま絃神島を訪れている。
- 「タルタロスの薔薇」の阻止後、雪霞狼の過剰使用により模造天使に進化しつつあることが判明し、剣巫としても監視役としても再起不能寸前になる。周囲の心配を理解しつつも「古城の力になりたい」という想いを胸に冥駕との戦いに臨むが、縁が古城の肋骨を用いて制作した指輪型の呪具により、彼の擬似的な「血の従者」となることで模造天使化を回避し、「第四真祖の婚約者」として引き続き監視役を続けられるようになった。
- 決め台詞は古城に続けて発する「いいえ、先輩。私達の聖戦(ケンカ)です!」[注 2]。
- 身長156cm。3サイズはB76(C60)-W55-H78、誕生日は1月7日。[6]
- 藍羽 浅葱(あいば あさぎ)
- 声 - 瀬戸麻沙美
- 本作のヒロインの1人。古城の友人で、クラスメイトの少女。金髪とターコイズブルーのピアスが特徴の派手な風貌だが、金髪は地毛の黒髪を染めただけであり、那月には「見た目だけビッチの万年処女」と評されている。古城と出会った当時は髪を染める前の地味な印象であり(モグワイいわく「イケテない」)、古城の言葉がきっかけで今の外見になった(後に古城から、「普段から大人しくしていればモテそう」との旨を言われている)。
- 天才的な腕を持つプログラマーとして“電子の女帝”の異名を持つが、浅葱自身はそれを恥ずかしく思っており、自称することはない。人工島管理公社でアルバイトとしてその腕を発揮しており、有事の際にも駆り出されるため、かつては古城の秘密を知らないまま彼と同じ事件に巻き込まれる日々が続いていた。
- 中学時代のある出来事から古城に好意を抱いており、矢瀬をはじめとしたクラス内では周知の事実だが、男友達のような接し方から古城には長らく気づかれていなかった。後に古城にキスと告白までしたものの、それまでずっと友人として見ていた相手への意識の仕方に古城が悩んでいることもあり、恋愛方面についてはそれ以上大きく進展してはいない。後にジャーダによるMAR襲撃の折、古城が第四真祖になったことや雪菜の素性を打ち明けられるが、態度は変わらずそれまで通りに接している。
- そのあまりにも常軌を逸する電子戦能力は浅葱自身も気づいていないある秘密ゆえのものであり、それに気づいた冥駕らからは「カインの巫女」と呼ばれている。そのための儀式場でもある絃神島に留まっている限り、第四真祖の眷獣や雪霞狼などのどのような手段を用いられても死亡せず、ありとあらゆる要因で生き延び続ける[注 3]。
- 大食漢の自身は料理が大の苦手であり、古城を含めた周囲の人々からは料理を恐れられている(物怖じしない雪菜でさえ、浅葱の作ったサンドイッチ〈らしきもの〉から逃げ出そうとするほど)。小学生時代に作ったクッキーは、クラスメイトの男子14名を病院送りにするほどひどかったらしい。また、常人としての身体能力はそれなりに高く、100m走にスパイク無しで13秒台を出した実績を持つ。
- 幼少時から「魔族特区」で育ったためもあって魔族絡みの騒動には慣れきっており、イブリスベールのような常人なら恐れおののくような人外相手にも物怖じしない。
- 3サイズはB83-W57-H82。
- 煌坂 紗矢華(きらさか さやか)
- 声 - 葉山いくみ
- 本作のヒロインの1人。雪菜の元ルームメイトで、獅子王機関の“舞威媛”。16歳。茶髪をポニーテールにまとめた、スタイルの良い長身の少女であるが、本人はその長身を気にしている。いわゆる着痩せするタイプであり、乳房の大きさや張りは相当なものであることが、それを(不可抗力から)触った際の古城や、同性ゆえに知っている雪菜などの反応で示唆されている。制服時は赤いラインが入った黒のニーソックスを履いており、太腿には煌華麟の鏑矢のストックを忍ばせている。
- 勇ましい物腰だが、予想外の出来事に直面するとすぐ取り乱すなど、精神面は雪菜以上に脆い。それゆえ、ラ・フォリアや縁など奔放な者の相手も苦手としており、ラ・フォリアには後述の古城への好意やウブさを理由としてからかわれ、縁には任務の不手際を理由として罰ゲームと称したメイド服での奉仕を命じられるなど、損な役回りとなっている。
- 友人が少ないため、唯一身近な存在である雪菜のことを妹のように大切に思っている。それゆえ、雪菜の監視対象である古城を当初は「変態真祖」と激しく敵視し、殺意を抱くほど毛嫌いしていた。また、死別した父親が原因で男嫌いでもあったが、初対面時から自分を普通に女性として見てくれた古城に対しては黒死皇派の一件で認識を改め、信頼と好意を寄せるようになる。しかし、男嫌いが高じてのウブさも災いして古城への気持ちを素直に表現できず、周りの女性から好かれる彼を見ては雪菜と同様にやきもちを焼いている。古城へのアピールはラ・フォリアほど直球ではないものの積極的であり、2人きりになると吸血行為を建前として(多少ずれた性知識交じりの)かなり大胆な行動に出るが、彼次第ではそのまま一線を越えても良いと覚悟してしまうほどのそれは雪菜への後ろめたさと隣り合わせであり、行動中に彼女の姿を見るとしどろもどろになる傾向にある。
- 戦闘時は煌華麟による空間断裂による近接戦闘と防御、鳴り鏑矢で放つ呪術攻撃を行う。
- 暁 凪沙(あかつき なぎさ)
- 声 - 日高里菜
- 古城の妹で、雪菜のクラスメイト。父親の牙城は考古学者として各地の遺跡を転々としており、母親の深森は絃神市内の企業で研究主任をしていてほとんど家に帰らないため、実質2人暮らしである。そのため、家事をほぼ単独でこなしており、中学生という年頃の割に料理の腕は高い。父方の祖母が巫女でなおかつ母の深森が過適応者であり、その両方の特性を継いだ稀少とも言える過去霊視能力と霊媒の素養を併せ持つ、混成能力者でもある。人懐っこくとてもおしゃべりな性格で、気に入った相手に対しては感情が昂ぶると相手を圧倒するほどまくし立てる。兄や両親のことも「古城君」、「牙城君」、「深森ちゃん」と名前で呼ぶ。
- 4年前に魔族絡みの事件に巻き込まれ、永続的植物状態になりかねないほどの重傷を負った。絃神島で何らかの特殊な治療を受けて完治したが、魔族に対する恐怖は人一倍強く残っている。本人と古城はこの事件をローマでの列車事故と記憶していたが、実際はアヴローラを発掘した時に黒死皇派のテロリストに襲撃されて重傷を負ったという事件であった。その際、死亡した古城を蘇生させようとして第四真祖の本体である“原初”を覚醒させ、知らないうちにその身に宿すことになってしまう。憑依の影響で能力を常時使い続けたために衰弱し、“焔光の宴”で“原初”が覚醒して完全な第四真祖になりかけたが、古城とアヴローラによって“原初”は身体から追い出された。その後、死亡したアヴローラの意識をその能力によって回収したが、無意識の領域でしかこのことを思い出せない。グレンダの一件によって幽体離脱などで一時的に記憶を取り戻したことをきっかけに、その身に入れているアヴローラとの魂の境界が曖昧になりつつある。
- 矢瀬 基樹(やぜ もとき)
- 声 - 逢坂良太
- 古城の親友で、クラスメイト。浅葱とは幼馴染。念入りの手入れで逆立てた茶髪と、いつも首にかけているヘッドフォンが特徴の青年。矢瀬家は魔族特区の成立にも携わった大財閥で、様々なコネクションを持つ。
- 裏の顔は、人工島管理公社から密命を下された「第四真祖の真の監視者」。ヘッドフォンを耳に装着して音波や気流を操る過適応能力者であり、聴覚を拡張する技「音響結界(サウンドスケープ)」によって周囲で起こる出来事を把握している。ただしその役割上、島内で発生する事件への直接介入を禁じられているため、能力やモグワイを使って密かに支援している。また、古城の監視者という立場ゆえに自分も苦境に立たされたり負傷させられることがあるが、本人は前向きで受け流している。一族内では頭首である顕重の息子で、矢瀬という家系の真の意味である「禁忌四字(ヤゼ)」を継ぐ資格である過適応能力者ではあるが、妾腹の子であり、病弱の実母の安全のために一族の使い走りとなっている。
- 冥駕が引き起こした「聖殲」に紛れる形で、幾磨、那月、“静寂破り”と共に、死亡扱いで隠れ潜んでいた顕重を逮捕して失脚に追い込み、幾磨にかつがれる形で矢瀬家の頭首となった。
- 音響結界で周囲を把握できるものの、一度破壊されると修復まで74分ほどかかってしまい、その間を突かれて失態を犯すことが多い。また、カプセル剤「ケミカルドラッグ」を取り込むことで、本来は受信に使っている能力を発信に使い、トラックを走って追いかけるなど気流を操ることができるようになる。ただし、副作用として身体への負担も大きい。
絃神島
彩海学園
- 南宮 那月(みなみや なつき)
- 声 - 金元寿子
- 彩海学園の女性教師で、高等部1年B組担任。担当科目は英語。国家攻魔官の資格を持つ、自称26歳。幼女と見紛うほど若く小柄であるため、生徒たちからはよく”那月ちゃん”と呼ばれるが、その際は「教師を”ちゃん”付けで呼ぶな!」と閉じた扇や傘で頭を殴ったり、デコピンを噛ます。性格は傲岸不遜で、ヴァトラーやラ・フォリアといった権力者に対しても態度を崩さない。そのため、ヴァトラーを「蛇遣い」、ラ・フォリアを「腹黒王女」と侮蔑を込めて呼ぶ。そのファッションセンスには時と場所を弁えるという要素がまったくなく、周囲の気温に関係なくフリルまみれのドレスを平然と着ている。
- 空間制御魔術の使い手で、“空隙の魔女(くうげきのまじょ)”の異名を持つ。かつて15年前に師である千賀から教えられた魔術を駆使して、激情のままに欧州の魔族達を虐殺したことから欧州をはじめとした魔族からは畏怖されている。魔術面での商売敵に当たる獅子王機関とも折り合いが悪い。
- 監獄結界の番人でもあり、普段古城たちと接している那月は結界の中で眠り続けている彼女が生み出した「質量を持った幻」である。そのため、一般人と同様に他人との物理的接触が可能であることに加え、物理的な攻撃や魔術の干渉を受けても本体が無事である限り、即座に幻を復活させて行動を再開できる。
- 輪環王(ラインゴルト)
- 黄金の鎧に身を包んだ騎士の姿をした“守護者”。あまりもの強力さは、解き放てば絃神島に甚大な被害をもたらしかねないため、普段は封印して不完全な状態にさせている。
- サナ
- 声 - 金元寿子
- 那月が阿夜によって固有堆積時間を奪われ、幼児化した姿。記憶と魔力を喪失しており、最初に出会った浅葱を刷り込みによって「ママ」と認識している。名前は「幼い那月」という外見から浅葱に付けられた便宜上のもの。主人格が眠ると那月が記憶を失った場合に備え組み込んでいるバックアップ・プログラムの人格が代わりに目覚めるが、こちらは軽い性格をしており、語尾に「きゅん」が付いたりする。
- アスタルテ
- 声 - 井口裕香
- 青い髪を持つ少女の姿をした人工生命体(ホムンクルス)。無表情で、極めて機械的な口調で会話する。オイスタッハの目的を果たすために眷獣を身に宿しており、それゆえに余命2週間足らずという状態にまで陥っていたが、古城が負担を肩代わりすることによって延命した。事件解決後は保護観察処分を受け、身元引受人の那月の下でメイドとして働いているほか、所々で古城の手助けをしている。那月に引き取られてからは表情や口調は変わってないながらも感情を表現するようになり、古城に対しても爆弾発言などをたびたび発している。本来は医療用の人工生命体として製薬会社で作られていたため、医師免許保有者と同等程度の医療知識を持つ。
- 薔薇の指先(ロドダクテュロス)
- アスタルテが行使する人工眷獣。半透明の身体を持つ巨人の姿で、内部にアスタルテを取り込んで行動するほか、腕のみをアスタルテの肩から生やして攻撃することも可能である。魔力を吸収して成長する能力を持つほか、雪菜との戦闘データから神格振動波駆動術式をも獲得した。事件解決後は古城の魔力によって活動している。
- 叶瀬 夏音(かなせ かのん)
- 声 - 伊藤かな恵
- 中等部の生徒で凪沙の友人。「です」と言うべき語尾を「でした」と過去形で言う、独特の口調で会話する。自分が育った修道院跡地で野良猫たちを育てていたほどの優しさと雰囲気や美少女っぷりから、「中等部の聖女」などと呼ばれている。実はアルディギア前国王の隠し子、すなわちラ・フォリアの叔母にあたる人物であり、彼女と瓜二つの容姿(異なるのは髪の長さのみ)に強力な霊媒としての資質を持つ。小動物の世話が趣味で、アイスクリームやスウィーツなどの甘いものを食べるときも幸せそうな反応を見せる。
- 義父である賢生の手により「模造天使」へ変えられそうになるが、古城と雪菜、そしてラ・フォリアの尽力で回避された。事件後は那月が後見人となり、アルディギアからも「王妹殿下」として過保護に扱われ、護衛や監視衛星などを介して見守られている。なお、古城の正体については那月が適当に吹き込んだ「正義の味方」だと思い込んでおり、事件が解決した以降も「お兄さん」と呼び慕っている他、冬休みのザザラマギウ復活時には彼に好意を告げ、吸血を許した。同じく那月に引き取られているアスタルテとは、ルームメイトとして一緒に行動することが多い。那月が後見人になってからは、護衛の意味も含めて彼女のマンションの一室にニーナと共に住んでいる。
- 「模造天使」の処置を除けば本人の戦闘能力は皆無だが、霊媒として他人に霊力を供給することができるため、ニーナや古城に力を分け与えて支援している。
- 身長158cm。3サイズはB79-W56-H80。
- 築島 倫(つきしま りん)
- 声 - 持月玲依
- 古城のクラスメイトで、浅葱の友人。通称「お倫」。勘が鋭く、古城が常人でないことに若干気付いている節がある。浅葱の古城への好意についても知っており、基樹と組んでいろいろと画策している。
- 笹崎 岬(さささき みさき)
- 声 - 茅野愛衣
- 彩海学園中等部の女性教師で、雪菜たちのクラス担任。武術と仙術を高いレベルで極めた接近戦闘術「四拳仙」の達人の1人で、”仙姑(せんこ)”の異名を持つ。陽気かつ軽い性格で、語尾に「だったり」と付ける口癖がある。先輩である那月に対しては愛着を持って接するが、彼女からはそんな態度と並んだ時の体格差から疎まれている。しかし、本人にはまったく懲りた様子がないため、那月が苦手としている数少ない人物でもある。
- 内田 遼(うちだ りょう)
- 声 - 山下大輝
- 古城の同級生。女子生徒の棚原 夕歩(たなはら ゆうほ、声 - 千菅春香)と交際している。
- 高清水(たかしみず)
- 声 - 小林裕介
- 凪沙の同級生。夏音が修道院跡地で育てていた野良猫たちの里親探しを凪沙と一緒に手伝っていたが、彼女へ生徒名簿が入った封筒を渡していたところを目撃した古城には、ラブレターを渡していたのではと勘違いされた。
- 進藤 美波(しんどう みなみ)
- 声 - 田中真奈美
- 凪沙の同級生。クラスでの自己紹介で噛んだことをきっかけに、あだ名が「シンディ」となった。女子バスケ部に所属しているため、古城とはバスケ部の後輩にあたる。古城に好意を寄せているが、雪菜や浅葱の存在にほとんどあきらめ気味である。
- 甲島 桜(こうじま さくら)
- 声 - 石上静香
- 凪沙の同級生でクラスの委員長。真面目な性格だが、ノリのいい性格で周りからも「委員長」と呼び慕われている。
その他
- モグワイ
- 声 - 川田紳司
- 絃神島の都市機能を制御する5基のスーパーコンピュータのアバターである人工知能。誰に対しても砕けた態度で接し、仕事をサポートする浅葱のことも「嬢ちゃん」と呼んでいる。裏では人工島管理公社に属する矢瀬に従い、「監視者」の仕事も手伝っている。一方では、古城たちの行動の結果を見届けてはこっそりとほくそ笑む素振りを見せたり、冥駕から「我らが王」と呼ばれるなど、もう一つの裏の顔の存在を伺わせている。その本体であるスーパーコンピュータ5基がある潜水艇「咎神の棺桶」の内部は人類以外の者が残した文字・情報で埋め尽くされている。冥駕とアベルの巫女が聖殲を発動させた際には浅葱と共に制御権を奪われていた「咎神の棺桶」を奪回した。
- リディアーヌ・ディディエ
- 声 - 久野美咲
- 浅葱と同じく人工島管理公社に雇われているフリーランスのプログラマ。「戦車乗り」の通称を持つ外国人の少女であるが、コンピュータ越しに対話するときは中年男性の頭が乗った戦車のアバターを使用して音声も変えていたため、監獄結界の一件で対面した浅葱を驚愕させた。だが、その通称は伊達ではなく、本当に普段から有脚戦車(ロボットタンク)に乗って行動している。その戦車は彼女の故郷の軍需メーカーによる試作品であり、実証試験も兼ねて使用されている。言葉遣いは独特で、「拙者」「ござる」など、侍を思わせる。
- レヴィアタンの一件では太史局に協力するが、浅葱との電子戦に負け、最後は紗矢華の援護に回った。神縄湖の事件の際には、浅葱の絃神島脱出を手助けしてそのまま共に行動していた。
- 矢瀬 幾磨(やぜ かずま)
- 矢瀬基樹の10歳上の異母兄。人工島管理公社の人間で、弟に古城の監視を命じている。一族内では数少なく基樹と気が合い、同じく妾腹の子であるために、一族内からは見下されているが自らの実力で今の地位を勝ち取った。矢瀬家を継ぐための資格である過適応能力を有してない。
- 江口 結瞳(えぐち ゆめ)
- 「リリス」と呼ばれる世界最強の夢魔。小学校高学年の少女で、少々ませたところがある。それゆえ、凪沙からは妹のように可愛がられている。
- かつては夢魔の血筋を少し受け継いだだけの一般人だったが、突如リリスとして精神支配の力を受け継いだことが原因で親や友人から酷く扱われるようになり、身を守るために夢魔としての力を暴走させて昏睡状態へ陥らせてしまう。それゆえ、自分のことを激しく嫌悪している。夢魔としての力を安定させるため、リリスとして受け継いだ悪意などの感情からコンピュータによって人工的に作成した「莉琉(りる)」という人格を植え付けられている。レヴィアタンを制御するためにクスキエリゼに同行し、ブルーエリジアムを破壊することによってレヴィアタンの中でリリスの力ごと自分を消そうとするも、古城たちの説得によって回避される。その後、自らの夢魔の力によってレヴィアタンを鎮めた。
- 事件後は人工島管理公社の支援を受けて島内の名門校へ編入するが、助けられたときに古城が発した「俺が幸せにする」という言葉を拡大解釈してしまい、彼との結婚を本気で夢見ている。保護は矢瀬家が行っているが、自分を「結瞳坊」とやたら子供扱いする基樹には反感を抱いている。
- 藍羽 菫(あいば すみれ)
- 浅葱の継母。元は仙斎の運転手で、そのため現在でも車を運転したがる。浅葱に厳しいわけではないが、当の浅葱は苦手としている。
- 藍羽 仙斎(あいば せんさい)
- 浅葱の父親。絃神市の評議員を務めており、その都合上古城が第四真祖であること、浅葱が「カインの巫女」であること、そしてそれらがどのような未来を招くかもある程度知っている。古城と初めて会った際には、「浅葱が望んだとき、彼女のそばにいてやって欲しい」と頼んだ。また、古城のことは浅葱の交際相手として認めており、将来は藍羽家の婿養子に入り自分の地盤を引き継ぐことを望んでいる。
獅子王機関関係者
- 縁堂 縁(えんどう ゆかり)
- 声 - 斉藤貴美子
- 雪菜と紗矢華の師である長命種(エルフ)の女性。雪霞狼に付いた傷を見るだけで、雪菜の戦い方を見抜けるほどの凄腕。術者としても一流であり、日本本土から絃神市までの遠距離を介し、黒猫の姿をした使い魔や紗矢華の姿をした式神を遠隔操作(後者は半ば自立稼働)が可能なほどであると共に、雪菜と紗矢華の親代わりのようなそぶりを見せる茶目っ気も持ち合わせている。古城との初対面時には使い魔を介していたため、彼から「ニャンコ先生」もしくは「駄猫」と呼ばれている。
- アヴローラとは過去に何らかの件で関わりを持っているため、彼女を助けてくれた古城に対して感謝の言葉を述べていた。
- “静寂破り”(ペーパーノイズ) / 閑 古詠(しずか こよみ)/ 緋稲(ひいな)
- 声 - 植田佳奈
- 獅子王機関の長老“三聖”の長。18歳。世襲で“閑 古詠”の役職名を継ぎ、眼鏡をかけた三つ編み女子高生といった地味な容姿であるが、その実力は極めて高く、“旧き世代”のヴェルディアナを圧倒するペンプトスの腕を一瞬で切断したほどである。“焔光の宴”には“采配者(ブックメーカー)”として関わり、ルール違反者に対する処罰権限を持っていた。
- 雪菜に古城の監視を命じた1人でもある。雪菜を嫌っているらしいが、その理由は不明。ヴァトラーと面識がある一方で古城たちには“静寂破り”の素性を知られていないが、「矢瀬の年上の彼女」として認知されている。学生として過ごす際には、本名の「緋稲」を名乗っている。
- 家系として特殊能力“静寂破り”を継いでおり、存在しないはずの時間を現実に無理矢理挿入して改変する能力を持つ。そのため、真祖たちにすら警戒されている。
- 遠山 美和(とおやま みわ)
- 古城の回想の中で登場。第四真祖を日本に留め、災厄を抑えるために凪沙に取り憑いた“原初”を復活させ、交渉もしくは抹殺を試みた。MARと手を結び、ヴェルディアナの前では深森の秘書として振る舞っていた。実質的に、古城が最初に出会った獅子王機関の人物である。
- 羽波 唯里(はば ゆいり)
- 獅子王機関の“剣巫”。雪菜の1歳上で、彼女を「ゆっきー」と呼ぶ。天涯孤独の者が多い高神の杜育ちの攻魔師の中では珍しく両親が存命、かつ獅子王機関の職員として勤務している。古城の監視役候補にも挙がっていたが、雪霞狼を御しきれなかったことや家族持ちであったことから雪菜に任務を譲ることになった。
- 神縄湖の湖底に封印されていた“黒殻(アバロン)”封印の儀の執行のために神縄湖へ来訪し、聖殲派のテロに遭遇する。その際に出会ったグレンダに懐かれたほか、凪沙を助けに来た古城と雪菜の関係を見て、まるでカップルかのような関係の2人を羨んでいた。その後、助けられたことから古城に惹かれる。絃神島でのタルタロス・ラプスの一件で古城に吸血された際にはまんざらでも無い感じを見せた。
- 武器は“六式降魔剣・改”(ローゼンカヴァリエ・プラス)”。
- 斐川 志緒(ひかわ しお)
- 獅子王機関の“舞威媛”。雪菜の1歳上で、唯里とコンビを組む。紗矢華を同じ舞威媛としてライバル視しており、特に胸の大きさで差をつけられていることから喧嘩が絶えず、雪菜と唯里がその都度仲裁役になっている。
- 神縄湖の湖底に封印されていた“黒殻”封印の儀の執行のために神縄湖へ来訪し、聖殲派のテロに遭遇する。成り行きで行動を共にした牙城に助けられたことから、彼に好意を抱いている。
- 武器は“六式降魔弓・改(フライクーゲル・プラス)”プロトIII。複数の標的を一度に攻撃する「多重固定(マルチロック)」を得意とする。
- 闇 白奈(くらき しろな)
- 獅子王機関の長老“三聖”の1人。意識が2つあり、その1つは当代としてのもの、もう1つは千年単位もの昔から家系として継がれる意識で、アヴローラと同様の自らを「魔族であって魔族でなき者」と語る。自らと他者の任意の幽体離脱が可能であるうえ、霊糸によって数百人や数千人もの人間を完全に同期・統率して操る能力“神は女王を守り給う”(テオクラティア)を持つ。
- 藤坂 冬佳(ふじさか とうか)
- 本来ならば、古詠の代わりに彼女が三聖となるはずだった剣巫であり、かつての雪霞狼の使い手。異邦の女神を信奉する呪術集団の里へ潜入し、供物となるはずだった雪菜の命を救ったが、その代償として模造天使へと昇華し、死亡した。この出来事は古詠と冥駕に大きな影響を与えている。
黒死皇派
- クリストフ・ガルドシュ
- 声 - 津田英三
- 黒死皇派幹部の獣人。戦王領域出身の元軍人。ナラクヴェーラ事件の首謀者。ヴァトラーの協力で絃神島に密航し、ナラクヴェーラの起動コマンドを解いた浅葱を雪菜と凪沙諸共拉致するが、拘束から脱した雪菜との戦闘で片腕を切断される。ナラクヴェーラの女王に乗って抵抗したが、「双角の深緋」を掌握した古城に倒された。
- ゴラン・ハザーロフ
- “死皇弟”の異名を持つ黒死皇派の幹部。神獣化能力を持つ上位の獣人であり、黒死皇に並んで死霊魔術を扱う唯一の獣人。4年前に第四真祖の棺を破壊すべく発掘現場を襲撃し、牙城とリアナを退けるも目覚めたアヴローラに斃される。
アルディギア王国
- ラ・フォリア・リハヴァイン
- 声 - 大西沙織
- 本作のヒロインの1人。アルディギア王国の第一王女。17歳。「フレイヤの再来」と讃えられるほどの美貌や、王家由来の高い霊的資質の持ち主。古城と雪菜の正体を知りながら彼らを初対面時から振り回すほど奔放な性格に、王族としての責任感を持ち合わせている。王族の血を引く年下の叔母である夏音のことは常に気にかけており、有事に備えて秘密裏に護衛を就かせているほか、彼女の無事が確認されたときには素直に安堵している。
- 本来なら大型の精霊炉が必要となる疑似聖剣“ヴェルンド・システム”を単独で発動させるなど、並の攻魔師をしのぐ実力の持ち主でもある。戦闘時はその実力を発揮し、銃剣付きの呪式銃“アラード”[注 4]を使用する(ただし、これは祖父の書斎から勝手に持ち出したものである)。
- 天使炎上篇では夏音を救うために迷わず古城の吸血行為を誘って自分の血を与え、事件解決後には雪菜と紗矢華と浅葱の前で古城にキスしたうえ、蒼き魔女の迷宮篇では優麻の身体となった古城を見て「これでは跡継ぎを作れない」旨を口にしたほか、その後も夏音が古城に吸血されたことを知ると自分も含めて彼に「責任」を取ってもらおうとするなど、古城を愛する女性としての本気と冗談を交えた大胆な行動や言動をよく行う。そのため、雪菜と紗矢華と浅葱には嫉妬されており、古城にも困惑されているほか、那月には「腹黒王女」と称されている。
- 古城らを苦戦させたメイヤー姉妹やロウ・キリシマが相手でも構わず挑発するなど、度胸も座っている。蒼き魔女の迷宮篇では自身の霊媒能力のせいで動けないとわかると自身の護衛騎士団を使って事態の収拾を図る代わりに、賢生の一時釈放と制圧した魔女らから徴収した魔道書を引き取れるよう交渉するなど、したたかな一面も見せている。
- アニメ版では古城への性的な大胆さが強調されており、その影響で雪菜たちがより翻弄されているほか、OVA版では古城や雪菜たちだけでなく自分の両親も揃った場にて、一夫多妻制や愛人制度への寛容さすら見せている。
- ユスティナ・カタヤ
- 声 - 飯田友子
- アルディギア聖環騎士団所属の要撃騎士。極秘裏に夏音の護衛を務める。大の親日家だが、忍者を騎士の規範と考えたり語尾に「忍」(ニン)と付けるなど、日本文化の認識については若干ズレたところがある。魔術迷彩を仕込んだ白いローブをまとい、ラ・フォリアから与えられたアルディギア王族の霊気を借りる宝剣「ニダロス」を操る。剣術の腕は雪菜を上回る。
- ルーカス・リハヴァイン
- 声 - 稲田徹
- アルディギア王国の現国王で、ラ・フォリアの父親。アルディギアの全軍統帥権を持つ。原作では存在や権力が語られるのみであるが、OVA版には妻のポリフォニアと共に登場する[7]。婿養子で、アルディギア聖環騎士団を経て傭兵をしていたことがある。ヴァイキングが故郷の文化と謳い、筋骨隆々の身体に着ける衣装もそれに倣っている。ラ・フォリアのことを絶対に嫁へ出したがらないほど溺愛しているため、彼女から吸血した古城のことを良く思っていない。
- ポリフォニア・リハヴァイン
- 声 - 能登麻美子
- ラ・フォリアの母親。ルーカスと共にOVA版に登場する[7]。一同に見せたその容姿と言動から、ラ・フォリアのそれらはポリフォニア譲りであることが示唆されている。
メイガスクラフト関係者
- 叶瀬 賢生(かなせ けんせい)
- 声 - 青山穣
- 叶瀬夏音の養父(血縁上は伯父)にして、メイガスクラフトに勤める元アルディギア王宮宮廷魔導技師。何らかの理由により夏音を「模造天使」へ変えようと目論んだが、古城たちの妨害を受けて断念した。事件解決後は人工島管理公社の監察下に置かれており、監獄結界の一件ではラ・フォリアと公社の取引により一時釈放され、古城たちを監獄結界内へ送り込む任務に就いた。その後は公社が保有するセーフハウスに軟禁されていたが、天塚の襲撃を受けて意識不明の重体へ陥る。夏音に対しては強い愛情を持っており、天界に天使として送り込むことが娘の幸せという考えから夏音を「模造天使」にしようと目論むも失敗後は過ちを認め、天塚から重傷を負わされたときは彼女への懺悔を覗かせていた。後に模造天使化が進行する雪菜の検査を縁に依頼されており、その際は「古城に思いを寄せる娘を持つ者」同士として意気投合していた。
- ベアトリス・バスラー
- 声 - 新井里美
- メイガスクラフトに雇われた美貌の女吸血鬼。ロウからはBBと呼ばれる。第三真祖の「混沌の皇女」の末裔でもある。けだるげな態度で、相手を「メス豚」など汚い言葉で罵倒する性格。模造天使の素材とすべくラ・フォリアを狙ってアルディギアの飛行艇を襲撃し、賢生の目論みを半ば横取りする形で模造天使の兵器化を目論んだが、古城と雪菜によって阻まれ、ラ・フォリアによって断罪された。
- 眷獣は、先端が触手のように分解して敵を襲う長槍「蛇紅羅(ジャグラ)」。“意志を持つ武器”であるが、ベアトリス自身がその動きについていけないため、雪菜には簡単にあしらわれた。
- ロウ・キリシマ
- 声 - 早志勇紀
- メイガスクラフトに雇われた飛行機パイロット。漆黒の毛並みを持つ獣人で、「仮面憑き」について調べに来た古城と雪菜を無人島へ置き去りにする。翌日、賢生らと共に島を襲撃したが、ラ・フォリアに倒された。
LCO
- 仙都木 優麻(とこよぎ ゆうま)
- 声 - 内山夕実
- 本作のヒロインの1人。古城の10年来の幼馴染。ボーイッシュな少女で、一人称は「僕」。波朧院フェスタの見物に、絃神島を訪れる。
- 実は仙都木阿夜の娘で、空間制御の力を持つ魔女。阿夜が自分の脱獄のために単為生殖によって生み出した複製体として肉体の成長を制御されており、最初から6歳の外見で誕生した(つまり実年齢は10歳)。母の目論見のためだけに生きることを定められていたが、古城との出会いは偶然によるもので、自分にとって唯一の持ち物とも言える彼との関係に強く依存している。
- 本来は絃神島の住人約10万人を生贄にして監獄結界への道を開くための魔力を調達する予定だったが、古城が第四真祖になったことを知ったLCO上層部の意向で彼の魔力を利用することになり、魔術で自分と古城の身体を入れ替えて持ち去る(優麻自身は10万人を生贄にする必要が無くなったため、古城に感謝している)。監獄結界侵入後、追ってきた古城に肉体を奪還されて説得に応じ、脱獄幇助を断念したところで阿夜から用済みと見なされて切り捨てられたうえ、“蒼”を無理矢理引き剥がされて瀕死に陥る。しかし、負傷した古城を救うべく紗矢華と共に眷獣の覚醒を手伝ったことで、阿夜に一矢報いた。LCOの幹部であったことから事件後は公社の取り調べを受けることになるが、第四真祖の幼馴染という立場に沿った待遇が保障されている。那月に連行される前には古城へ再会の約束を兼ねたキスを行い、雪菜への宣戦布告を果たした。
- 蒼(ル・ブルー)
- 優麻に貸与されていた阿夜の“守護者”。青い甲冑を身にまとった顔のない騎士。
- 仙都木 阿夜(とこよぎ あや)
- 声 - 高橋美佳子
- 優麻の母親にして、LCOを統べる“書記(ノタリア)の魔女”。魔術や魔族の存在そのものを疑問視している。「娘」である優麻を道具として使い捨てたうえ、自分の組織であるLCOや同じ脱獄囚をも利用して切り捨てるなど、性格は狡猾で残忍。那月とは同じ魔女として唯一心を許した友人であったが、魔女を蔑む人間への復讐から闇誓書で世界の書き換えを行おうと目論み、決別する。決闘の末に監獄結界へ収監されたために那月へ憎悪を抱くも友情は捨てきれずにおり、脱獄の際にも彼女の時間を奪うのみで、戦うことは最後まで避けようとしていた。
- 那月の一瞬の隙を突いて監獄結界から脱獄し、彼女を囮に彩海学園で闇誓書を使う。絃神島から自分以外の異能の力を消し去ることで目論見を果たそうとしたが、記憶を取り戻した那月や古城たちとの激闘の末に監獄結界へ再収監された。
- 影(ル・オンブル)
- 元々の阿夜の“守護者”。支配権を無理やり奪い返された優麻の“蒼”が変質した姿。漆黒の鎧を纏う顔のない騎士。
- メイヤー姉妹
- 声 - 櫻井浩美(エマ)、浅倉杏美(オクタヴィア)
- 黒いドレスを纏う姉のエマ・メイヤー、赤いドレスを纏う妹のオクタヴィア・メイヤーら非血縁の姉妹にして、LCO第一隊“哲学(フィロソフィ)”に所属する北海帝国出身の魔女。どちらも残虐な性格であるが、エマは当初から歪んだプライドの持ち主だったオクタヴィアにそそのかされ、それまで真面目だった性格が魔導書による精神汚染を受けて現在の性格になった。
- 北欧のある森林を消し去り周辺の町を全滅させた事件「アッシュダウンの惨劇」の首謀者であり、絃神島へ潜入した後は破壊と暗躍を経て紗矢華とラ・フォリアを苦戦させるが、前述の森林を悪魔の眷族に変えた無数の木の蔦で構成される守護者を無力化されて逆転の憂き目に遭い、特区警備隊に捕縛された。なお、守護者は一部を破壊してもほぼ無限に出現するためにきりがないが、仕組みを見抜いた紗矢華の呪術攻撃で元の樹木へ戻されている。
- 『彩昴祭りの昼と夜』では、紗矢華とラ・フォリアに復讐すべく脱獄し、手に入れた「No.014」を使って2人と雪菜の時間を奪って幼児化させるが、霊力が暴走した雪菜と紗矢華に呼び寄せられた悪霊やその他諸々の前にあえなく捕まり、再び投獄された。
- テレビアニメ版では、古城たちに追い詰められた阿夜によって監獄結界の脱獄囚が再復活させられた際にメイヤー姉妹も再復活させられるが、全員とも特撮作品における再生怪人に例えられながら一蹴された。
監獄結界の脱獄囚
- キリガ・ギリカ
- 声 - 保村真
- 炎精霊(イフリート)を自身に宿らせて使役する、精霊召喚士の老人。6年前にテロ未遂で逮捕され、収監されていた。監獄結界の脱獄防止機構を解除するべく無力化された那月へ襲いかかるが、同行していた浅葱によって誘い出され、特区警備隊と共に待ち構えていたアスタルテによって叩きのめされた後、監獄結界へ再収監される。
- ジリオラ・ギラルティ
- 声 - 日笠陽子
- ”混沌の皇女”の系統に連なる、”旧き世代”の吸血鬼。高級娼婦として知られていたが、裏で様々な犯罪に手を染めていたことが発覚して逮捕され、当初は欧州の監獄に収監されていた。しかし、眷獣の能力によって囚人から看守まで自分の支配下に置いていたため、応援でやってきた那月によって監獄結界へ幽閉された。キリガに続いて現れ、支配下に置いた特区警備隊にアスタルテを攻撃させて戦闘不能へ追い込むが、脱獄囚狩りに来たヴァトラーによって倒され、監獄結界へ再収監される。
- 眷獣は、精神支配の力を持つ鞭「ロサ・ゾンビメイカー」と、無数の真紅の蜂の群れ「毒針たち(アグイホン)」。
- ブルード・ダンブルグラフ
- 声 - 浜田賢二
- 西欧教会に雇われていた元傭兵。龍殺しの一族の末裔であり、生身で眷獣を斬り伏せるなど、非常に高い戦闘力を持つ。
- ヴァトラーとの戦いで当初は彼を追い詰めるも、自分の力に溺れて単純に力を振るい知略を捨てたため、合成眷獣に対処できず敗北し、監獄結界へ再収監される。
- シュトラ・D
- 声 - 村田太志
- 念動力の刃を操る小柄なドレッドヘアの若者。”天部”の末裔で、背中から発生させた副腕から風の刃を放つ能力を持つ。自分にとって利用価値のない者は容赦なく切り捨てる性格。紗矢華との戦いで敗北し、阿夜に利用されていたことを知らされて激昂するも闇誓書によって力を奪われ、「影」で切り刻まれた。
- テレビアニメ版では紗矢華に負けた時点で監獄結界へ再収監されたため、阿夜に力を奪われていない。
- シルクハットの紳士
- 声 - 柳田淳一
- 本名不明の魔導師。他の囚人と同様に阿夜に便乗して脱獄した直後、脱獄防止システムの健在を実演しようと目論んだシュトラの不意討ちを受け、再収監される。
錬金術師
- ニーナ・アデラード
- 声 - 中原麻衣
- 270年以上前の時代に生きていた、錬金術師の女性。“賢者(ワイズマン)”の創造に関わった1人であり、その封印時に復活を阻止する監視役として意識を“錬核(ハードコア)”と呼ばれる一種の記憶媒体に移したうえ、“賢者の霊血”を肉体とすることで生き長らえてきた。なお、原作では黒髪であるが、テレビアニメ版では金髪。
- 絃神島で運営していたアデラード孤児院にて孤児だった夏音とは当時からの知己であり、「院長様」と呼ばれる。数年前に天塚が起こした事件以降は休眠状態だったが、“賢者”を蘇らせようとした天塚によって強制的に覚醒させられ、霊血の大半を奪われてしまう。その場に居合わせたために天塚の攻撃を受けて瀕死状態だった浅葱を治療し、一時的に彼女の身体を借りて天塚を追うべく古城と行動を共にする。“賢者”が倒された後はわずかに残った霊血で小型の身体を造り、夏音の元で暮らすこととなった。全盛期ほどの力は残っていないが、簡単な術であれば他人から霊力を借りて使用できる。
- 天塚 汞(あまつか こう)
- 声 - 梶裕貴
- “賢者”を復活させるために行動していた、錬金術師。ニーナの弟子であったが、現在は破門済み。全身を“賢者の霊血”で構成しているうえ、ニーナの“錬核”の劣化コピーとでもいうべき代物である“偽錬核(ダミーコア)”に意識を分割して記録させていたことにより、複数の肉体を使っての活動ができる。自身を人間と思い込み、身体を取り戻すべく“賢者”に協力していたが、その正体は“賢者”が造りだした人造生命体。自らの正体を頑なに否定するが、最後にはニーナと雪菜の言葉によって人間であるための何かを悟り、消滅した。
第四真祖
- アヴローラ・フロレスティーナ
- 声 - 石原夏織
- “焔光の夜伯”(カレイドブラッド)と呼ばれる先代の第四真祖。古城の記憶にわずかに残るその容貌は虹色の髪に焔光の瞳をした少女。遺体は現在まで、MARによって「眠り姫」という計画で秘匿されていた。「十二番目の“焔光の夜伯”」と称され、牙城たちに「十二番目の妖精の柩」として発掘された時には数字しか示すものが存在せず名前も無かったが、リアナによって「フロレスタン王の娘オーロラ」の意味を持つ名を付けられた。
- 正体は“原初のアヴローラ”の監視者の役割を帯びて共に封印されていた、“妖姫の蒼氷”の器「十二番目(ドゥデカトス)」。ヴェルディアナの手で覚醒し、彼女と古城に保護されていた。口調は尊大だが、非常に臆病で無邪気な性格。“原初”を倒す際にその魂を取り込んだ自身の肉体を古城に殺させ、それと同時に”原初”復活の儀式の余波でアヴローラに関する記憶は関わった人々の間から忘れ去られることとなった。しかし、アヴローラの意識は消滅寸前に凪沙へ拾われ、彼女の中に残っている。
- アヴローラ以外の眷獣の器たちはそれぞれ違う組織の管理下にあったが、ジャーダの下にいた六番目と十番目以外は“原初”復活の際に皆吸収され、消え去った。
- 一番目(ブローテ)
- “神羊の金剛”の器。ザハリアスの管理下に置かれており、彼に肋骨を奪われていた。
- 三番目(トリトス)、四番目(テタルトス)、五番目(ペンプトス)
- それぞれ“龍蛇の水銀”、“甲殻の銀霧”、“獅子の黄金”の器。ヴァトラーによって絃神島に解き放たれており、古城とアヴローラ、“原初”との戦いでは凪沙のために古城たちに手を貸した。
- 九番目(エナトス)
- “双角の深緋”の器。古城がアヴローラの次に会った“焔光の夜伯”。“原初”に取り込まれてなお、古城にアイスクリームをおごってもらった借りを返すため、“原初”に反抗した。
- 六番目(ヘクトス)
- ジャーダが“原初”との交渉のために連れて来ていたが古城とアヴローラ、“原初”の戦いに参戦しなかった二人の“焔光の夜伯”の一人。混沌界域の内乱を鎮めることに関与したヴァトラーの元へジャーダからの“贈り物”として絃神島へと来訪した。
- 十番目(デカトス)
- “磨羯の水晶”の器。#タルタロス・ラプスを参照。
- “原初(ルート)”
- 本来の第四真祖として生み出された人工の“呪われた魂”で、制御不能の怪物。伝説に伝えられる支配を望まず、人の血を啜り、殺戮し、破壊する冷酷非情な吸血鬼とは彼女のことを指す。監視者であるアヴローラと共に遺跡へ封印されていたが、黒死皇派襲撃事件の際には凪沙に憑依するという形で不完全ながら復活した。自身の力を分割する形で封じていた“焔光の夜伯”たちを数体吸収して本来の力を取り戻しかけるが、古城とアヴローラ、支配下に置いたはずの眷獣たちの反撃により、アヴローラの肉体に封じ込められた上で完全に生命を断たれた。扱った眷獣は、“神羊の金剛”、“夜摩の黒剣”、“牛頭王の琥珀”の他にも名称が不明な炎の人喰いなどがいる。
太史局
- 妃崎 霧葉(きさき きりは)
- 太史局の攻魔師“六刃(りくじん)”と称される黒髪の少女。“六刃”は獅子王機関の剣巫と源流が同じであるため、雪菜が習得している“八雷神法(やくさのいかづちのほう)”と同じ戦闘技法を扱う。冷静に見えるが、本性は好戦的な性格。
- 久須木や結瞳を利用してレヴィアタンを操り、太史局からの任務である浅葱の抹殺のため行動していたが、古城たちにレヴィアタンを鎮められたことにより失敗に終わる。凪沙が獅子王機関に身柄を拘束された際には、機関に対する先の事件の意趣返しとして古城たちに情報をリークし、彼らを支援する。
- 武器は乙型呪装双叉槍(リチェルカーレ)。魔力をコピーすることで、人間が扱えない魔力を用いた能力を模倣することが可能。
アメリカ連合国(CSA)
- アンジェリカ・ハーミダ
- CSA陸軍特殊部隊「ゼンフォース」の中隊長。階級は少佐。アンデス連邦の内戦で2千人近いゲリラを殺害したことから、「血塗れアンジェリカ」の異名で呼ばれる。
- 任務遂行のために合理的で無駄な感情を排除した性格。全身を機械化した「魔義化歩兵(ソーサリスソルジャー)」であり、左手には不可視の刃を放つ「斬首の左手」を、右手には触れたものを自分の肉体の一部として取り込む「抱擁の右手」を、そして体内には未来予知を行う魔具を仕込んでいる。
- 混沌界域の内戦で第三真祖を打倒するため、「ザザラマギウ」の花嫁であるセレスタを強奪すべく、絃神島へ侵入する。若い神官2人を買収して任務遂行を図るが、ザザラマギウ復活の儀が行われたことでその魔法空間へ乗り込み、セレスタを自らの体内に取り込むことで制御を果たす。しかし、そのためにザザラマギウの力を最小限にしか使えず、古城と雪菜に倒されたことにより、ザザラマギウも抹消された。その後は捕虜となり、混沌界域の内戦におけるアメリカ連合国関与の証拠として挙げられた。
- ブイエ、マティス、ボーランド
- ゼンフォースの構成員たち。アンジェリカと同様に魔義化歩兵である。ブイエとマティスは接近戦闘を、ボーランドは狙撃を担当する。マティスとボーランドはジャガンによって殺害され、ブイエは下半身を切断されたアンジェリカへ肉体を差し出した。
暁家
- 暁 牙城(あかつき がじょう)
- 古城と凪沙の父親。「聖殲」を専門的に研究している考古学者で、数々の危険な遺跡から単独で生還することにより、「死都帰り」の異名が付いた。生来の特殊能力は持たないが、上位の獣人と戦っても生還するほど洞察力と戦闘力は高く、古城が相手でも(第四真祖としての本気を出していないとはいえ)軽くねじ伏せる。4年前の事件以降は古城たちと離れて暮らしていたが、冬休みには凪沙を連れて帰省するために絃神島を来訪した。娘の凪沙を溺愛するが、息子の古城にはぞんざいな態度を取るため、古城からは「クソ親父」と疎まれている。古城と同様に女性から好かれて親しくなることが多いため、そのたびに深森を不機嫌にさせている。
- その肉体は20年ほど前に遺跡「死都」で調査隊が彼だけを残して壊滅した結果「死都」に半分だけ残ったままとなり、肉体が「こちら側」にいて「こちら側」にいない曖昧なものとなっている。その特性ゆえに物理的拘束を任意で透過できるほか、応用で「死都」に保管してある武器を自在に取り出すことが可能になっているが、何らかの代償がある模様。
- 暁 深森(あかつき みもり)
- 声 - 小林沙苗
- 古城と凪沙の母親。MAR医療部門の主任研究員。臨床魔導医師の資格を持ち、医療系の接触感応能力を用いた診療の腕は確かである一方、研究所のゲストハウスを私物化して散らかしたまま寝泊りしたり、堂々と同性へのセクハラ行為に及ぶなど、性格や生活能力には若干の問題を抱えている。古城は解剖されかねないとして第四真祖のことを隠してはいるが、実際は原初発掘の時点で知られている。
- アヴローラの遺体を使って関わっている「眠り姫」という計画は、獅子王機関にとってはジャーダの襲撃による損害を上回る大きな利益を上げているが、詳細は不明。
- 夫の牙城とは10歳以上の年齢差があり、16歳前後で古城を出産している。古城の鼻血が流れやすい体質は、深森から引き継がれた模様。また、牙城を「牙城くん」と呼んでいることから、凪沙の家族に対する呼称も深森から引き継がれた模様。
- 暁 緋紗乃(あかつき ひさの)
- 牙城の母親、つまり古城と凪沙の父方の祖母。モグリの攻魔師を務めているが、その腕は確かで獅子王機関の上層部にも伝手が多い。牙城曰く、深森とは不仲である模様。
戦王領域
- ディミトリエ・ヴァトラー
- 声 - 小野友樹
- 戦王領域を構成する自治領の1つ「アルデアル公国」の君主にして、第一真祖の臣下。外見は20代前半の青年であるが、正体は“旧き世代”の吸血鬼であり、実年齢は不明。これまでに“長老”を2人喰っているため、真祖に最も近い存在と評されているほか、同属喰らいの戦闘狂として欧州の魔族たちから恐れられている。先代の第四真祖であるアヴローラの血に惚れ込み、それを継いだ古城に何かにつけては迫ることに加え、強者と戦えるのであれば周囲がどんな迷惑を被ろうとも全く気にかけないため、古城らからは疎ましく思われている。
- ナラクヴェーラと戦いたいために黒死皇派と手を組み、特使として絃神島を訪れる。事件後も所有する豪華客船「オシアナス・グレイヴII」(強力な武装を内蔵しているため、実質上は戦艦に等しい)や島内に設置した大使館に居座り、地位と治外法権を後ろ盾にあらゆる事件へ介入している。
- 「蛇遣い」の異名を持ち、身に宿す9体の眷獣のうち第9巻現在で判明しているものは、全て蛇の姿をとる。荒ぶる海のような黒蛇「摩那斯(マナシ)」、凍り付いた水面のような青い蛇「優鉢羅(ウハツラ)」、瞳からの閃光で焼き払う緑色の蛇「徳叉迦(タクシャカ)」、超高圧水流で構成された海蛇「娑伽羅(シャカラ)」、鋼の刃で覆われた蛇「跋難陀(バツナンダ)」のほか、名称が不明な金色の蛇や何千もの蛇で構成された蛇の渦など。眷獣同士は合体させることが可能で、合成眷獣は真祖クラスの眷獣に匹敵する。
- トビアス・ジャガン
- 声 - 柳田淳一
- ヴァトラーの側近を務める貴族の吸血鬼。外見は他人に鋭利な刃物を連想させる10代の少年であるが、“旧き世代”ゆえに年齢は200を超える。古城の護衛のために彩海学園へ転入してきた。ヴァトラーを尊敬する一方、古城に対しては冷たい目を向けており、彼を好ましく思っていない(キラ曰く「ヴァトラーが古城を気にかけていることに嫉妬している」)。
- 眷獣は精神干渉能力を持つ「魔眼(ウェジェト)」の他、猛禽の姿をした炎「妖撃の暴王(イルリヒト)」や類人猿の姿をした鋼鉄のゴーレム「崩撃の鋼王(アルラウト)」などを操る。
- キラ・レーデベデフ・ヴォルティズロワ
- 声 - 松岡禎丞
- ヴァトラーの側近を務める貴族の吸血鬼。外見は他人に柔和な印象を与える10代の少年であるが、ヴァトラーやジャガンと同様に“旧き世代”である。そういった印象を持つが過去に親族内の争いで固有堆積時間が上のために格上であったはずの叔父たちを皆殺しにしたほどのかなりの武闘派。ジャガンと同じく古城の護衛のために彩海学園へ転入してきたが、古城に対してはジャガンと違って尊敬と好意を抱いている。ヴァトラーに対しては彼の奔放な振る舞いに振り回されてよく困らされているが、ヴァトラー本人はそれを楽しんでいる。
- 眷獣は溶岩の肉体を持ち溶岩の糸を張れる蜘蛛「炎網回廊(ネフィラ・イグニス)」と、宿主の身体を影に変えて他人に擬態する「幻網影楼(ディオニカ・ノクス)」があり、これによってヴァトラーの影武者を演じることもある。
- オシアナス・ガールズ
- 声 - 石上静香、荒浪和沙、大西沙織、三宅麻理恵、橋本ちなみ
- 戦王領域周辺諸国の王族や重臣を父に持ち、彼らからヴァトラーへ人質として献上された女性5人組。年齢は10代前半から20代程度で人種もそれぞれ異なるうえ、当初は名前が不明だったためもあって見分けるためにイメージカラーが設定されており、最年長らしい金髪が「赤」、黒の長髪の娘が「青」、褐色肌でツインテールが「黄」、茶髪の娘が「白」、黒髪でショートの娘が「黒」である(このうち、第12巻時点では「赤」がヴィカ、「青」がマルーシャという名前であることが判明している)。どんな時も、このイメージカラーに沿ったコスチュームを着用して行動する。なお、ヴァトラーから人質としての認識はともかく性的な興味は持たれていないため、ほぼ自由に振る舞える状態(美貌を活かしてネットアイドル紛いの活動を行う〈オシアナス・ガールズという総称もこの活動名に由来〉、武装して古城の助太刀を行う〈後述〉など)にある。
- 自分たちを売り捨てた祖国への仕返しやヴァトラーへの下剋上として、第四真祖である古城の子種か彼の「血の従者」の座を得ようと目論んでいる。そのため、オシアナス・グレイヴIIでは大浴場に入浴中の古城の前へ自分たちも彼と同様の姿で平然と現れたうえ、前述の目論見を卑猥に打ち明けながら関係を迫っている。その場は偶然居合わせた浅葱に譲って引き下がったものの諦めてはおらず、後にキラやジャガンと共に短期留学生の名目で彩海学園へ転入してくる。
- 見かけによらず相当の戦闘訓練を積んでいるらしく、第10巻ではアンジェリカらと一戦を交えたり証拠隠滅のハッキングを行ったりしていた。第12巻では神縄湖に向かう途中まで古城と雪菜を送り届けて戦闘にも参加し、聖孅派のゴーレムを撃破するなどの活躍をしている。
- リアナ・カルアナ
- 戦王領域出身の貴族の女性。4年前に日本政府と戦王領域共同による「十二番目の妖精の柩」の発掘に、牙城と共に護衛役として参加していた。ハザーロフの襲撃から「十二番目の妖精の柩」と古城と凪沙を命がけで守り通し、死亡した。
- ヴェルディアナ・カルアナ
- リアナの妹。“旧き世代”であるが、年齢は100年未満と若く少女の部類に入り、戦い方もほぼ素人同然である。ザハリアスに奪われた領地を取り戻すべく、1年前に「柩の鍵」をたずさえて絃神島へ入り、アヴローラを復活させて“焔光の宴”に参加しようと目論んだ。皆殺しにされた家族の復讐を果たすべく自身の崩壊にも構わず行動するが、古城とアヴローラを“原初”の元へ送る際に力尽き、霧と化した。アヴローラの死後、矢瀬が霧をかき集めたことで身体を再構築するが、元の姿より幼くなったうえ、“原初”による記憶搾取で第四真祖に根ざす家族と復讐の記憶を失った。
- 眷獣は炎の息を吐くケルベロスの形状の「ガングレト」と、氷の息を吐くオルトロスの形状の「ガングレティ」。
- ヴェレシュ・アラダール
- 声 - 古川慎
- 戦王領域帝国評議会議長を務める浅黒い肌をした長身の男性で、ヴァトラーと並ぶ力を持つ実力者。「焔光の宴」を起こそうとするヴァトラーに呼ばれ、絃神島を訪れる。
- 眷獣は闇色の大剣「暴食者(グーラ)」の他、複数の短剣を使役する。
- OVA版「ヴァルキュリアの王国篇」に登場。
- 第一真祖“忘却の戦王”(ロストウォーロード)
- 東欧の夜の帝国「戦王領域」を支配する真祖。72体の眷獣を従える吸血鬼の覇王。自身の血族の吸血鬼は「D種」と呼ばれるが、この呼び名は広義では他の血族のものもまとめて「吸血鬼全般」を指して用いられる。一般人が持つ「吸血鬼のイメージ」に最も近い血族である。
滅びの王朝
- “第二真祖”滅びの瞳(フォーゲイザー)
- 中東の夜の帝国「滅びの王朝」の皇帝の真祖。19体の眷獣を従える。公的に知られる3名の真祖の中でも最も謎が多く、自分の血族の貴族であっても正体を知る者はほとんどいない。自分の血族の吸血鬼はG種と呼ばれるが、現状ではG種固有の能力は不明。
- イブリスベール・アズィーズ
- 「滅びの王朝」の北方八州を統べる第二真祖直系の第二世代の吸血鬼である第九王子。外見は黒髪と褐色の肌、金色の瞳を有する10代前半の少年であるが、数百年は生きている。王族らしい尊大な態度をとるが、そんな自分を恐れず媚びへつらわない者に対しては、種族を問わず寛大に接する。
- 第二真祖の血族で真祖に匹敵する力を持つと言われており、焔光の宴では“七番目”と“十一番目”の焔光の夜伯を所有していたが、ザハリアスの襲撃を受けて奪取された。その後、ザハリアスを手引きした姉に復讐して喰らい、力を蓄えた。聖殲派の動きの活性化により日本へ来訪すると、そこで出会った浅葱たちと知己を交わす。
- 眷獣は固有の黄金のジャッカルの姿をした「ドゥアムトエフ」、竜巻を操る黄金のハヤブサの姿をした「ケベフセヌエフ」の他、姉から奪った「雷酸の王蛇(メルセゲル)」などを持つ。
混沌界域
- ジャーダ・ククルカン
- “第三真祖”混沌の皇女(ケイオスブライド)。中央アメリカの夜の帝国「混沌界域」を支配する。27体の眷獣を従え、ジャガーをはじめとした無数の化身へ姿を変えられる。外見は宝石のような淡い緑の髪に深い湖のような翡翠の瞳を持ち、アヴローラとほぼ同年代の外見の少女だが、豹を思わせる印象を漂わせる。配下の眷獣は、雷雲や噴火など自然現象を模した姿や骸骨といった生物離れした姿を持つ。吸血鬼の真祖ではあるものの獣人の属性も帯びており、眷獣を使わなくても雪菜を軽々とあしらうほど極めて高い身体能力を持つ。自分の血族の吸血鬼はT種と呼ばれており、現状では女性しか確認されていない。槍や鞭などの姿をした“意思を持つ武器(インテリジェント・ウェポン)”の眷獣を従えるT種たちのことを、血族(むすめ)と呼んでいる。性格は計算高いが茶目っ気のある人間臭いところがあると古城は感じている。混沌界域では普段から帝国内を視察したり(うろついたり)、平民が相手でも気さくに話しかけるため、彼らから熱狂的な支持を得ている。
- 絃神島へアヴローラの姿で侵入し、古城の記憶を取り戻させるためにMARを襲撃した後、古城に全ての記憶を取り戻すよう示唆して去った。
咎神とその関係者
- カイン
- ヴァトラーや「静寂破り」たちが度々「あの御方」と口にし、那月と矢瀬と賢生をはじめとした数多くの者たちが「聖殲」絡みで重大なまでに警戒している「咎神」。最初の人間にして、全ての魔族の祖、そして全ての人間と魔族の天敵たる存在であり、第四真祖が出現する必要があるとされる理由でもある。
- 「聖殲」の研究者である牙城の見解としては、過去に神々の一員だったが異境に追放された後に異境にいた人類へと知識と武器を与え現世への復讐を目論んだ神。彼が作り出した魔術「聖殲」によって殺害できなかった神々を、殺害できる魔族へと引きずり降ろすことで人間による魔族の大虐殺を行ったことが歴史上の「聖殲」と呼ばれる出来事の総称、そして唯一魔術「聖殲」を受けなかった神であったために多種多様な能力を持つ人造の吸血鬼である第四真祖に殺害されたとされている。冥駕とアベルの巫女が「聖殲」を引き起こしたがそれでも完全なものではなくカイン当人が起こせば「聖殲」の規模はこの惑星全土を覆う規模になると言われている。
- 絃神 冥駕(いとがみ めいが)
- 声 - 花江夏樹
- 眼鏡をかけた知的な風貌の青年で、元攻魔師。絃神市の製作者である絃神千羅の孫。
- かつては獅子王機関で武神具開発に携わっていたが、実験中の事故で死亡する。その後祖父の手により生前の人格と記憶を残した僵尸鬼として蘇生し、再び武神具開発に携わるようになった。しかし、近しい存在であった冬佳が模造天使に昇華し、そうなることを予期していながら彼女を助けなかった機関を憎み脱走、その過程で追手の攻魔師を次々に殺害し、監獄結界に収監された。
- 仙都木亜夜に便乗して脱獄すると、「零式突撃降魔双槍・冥餓狼」を盗んで島内に潜伏、人工島管理公社やMARに取り入り聖殲を起こそうとするが、古城と雪菜に敗れる。なんとか離脱したものの、ヴァトラーに聖殲に関する記憶を吸い出され塵となって消滅した。
- 絃神 千羅(いとがみ せんら)
- 絃神市の設計者にして咎神カインの復活を何十年も前から目論んでいた男。作中開始時点では故人。亡くなってはいるが矢瀬顕重をはじめとした彼の理想を継いだ者達が人工島管理公社の中に食い込んでいる。
- 矢瀬 顕重(やぜ あきしげ)
- 人工島管理公社の名誉理事で、矢瀬基樹の父親にして絃神千羅の盟友であった男。一族内の全てを見下しており、実の息子である基樹達からも恨まれている。自らも息子である基樹と同じく過適応能力者でその能力をもって幾度も暗殺をされても平然と生き延びてきた。千羅の死亡後はカインの復活の計画を進めている。タルタロス・ラプスの一件で自らを死亡扱いと偽装して姿を隠していたという事を突かれる形で幾磨と基樹、那月によって逮捕・解任される。
- “アベルの巫女(シビュラ)”
- 元々は死んでいたがその身を聖域条約未加盟国であるモスクワ皇国から絃神島へと密輸され、深森によって強制的に生き返らせられたもう一人の“巫女(シビュラ)”。かなり昔の存在だったらしく、その身は死体を無理矢理繋ぎ合せたかのような無残な肉体ながら整った顔立ちをしている黒髪の女。以前の「聖殲」を直接体験している。
- その実体は以前の「聖殲」から辛うじて肉体が残ったところに「聖殲」の犠牲者達の残留思念が宿った存在。この世の全てを憎み、冥駕と共に「聖殲」を起動したが正当なる「カインの巫女」である浅葱に「咎神の棺」の制御権を奪回される。
- 安座真 達己(あざま たつみ)
- 自衛隊に三等特佐として潜んでいた、咎神カインを奉じるテロリスト「聖殲派」の一員。グレンダが有していた「情報」を付け狙い、獅子王機関と凪沙を利用して封印を解く。正体を暴かれた後は実力行使でグレンダを拉致しようとするも古城らに阻まれ、最後のあがきとして異境(ノド)の遺産に己を融合させるが、“牛頭王の琥珀”を従えた古城に倒され、生存した部下ともども生け捕りにされた。
- グレンダ
- 鋼色の髪と瞳をした龍族の少女。本人の意志で鋼色の鬣を持つドラゴンに変身できる。神縄湖の湖底に「蜂蛇」が共生する形で眠っていたがアヴローラの「情報」を得ることで目覚めた。咎神の「情報」の「器」であると安座真からは呼ばれた。覚醒した後に出会った唯里と古城に懐き、見かけ相応の無邪気で幼い言動を見せる。異境の侵蝕に飲み込まれた古城を救い出し、咎神の「情報」を古城に与えた。神縄湖での事件の解決後は獅子王機関の保護下に入り、唯里と行動を共にしている。
タルタロス・ラプス
- ディセンバー
- バイク用のヘルメットを被った少女の姿をした吸血鬼で、現在の「タルタロス・ラプス」の実質的なリーダー。
- その正体は、“焔光の夜伯”の眷獣“麿羯の瞳晶”の封印体・十番目(デカトス)で、ディセンバーという名はローマ暦の上で12月が10番目にあたることに由来する。他の“焔光の夜伯”達よりもかなりの昔に目覚め、虐げられた魔族達を保護し「タルタロス・ラプス」の仲間としていくつもの魔族特区を滅ぼしてきた。その途中でジャーダに囚われ彼女の管理下にあったため、“焔光の宴”には巻き込まれず、ザザラマギウの騒動が済んだ後にジャーダに解放された。カインの復活を望む人工島管理公社の目論見を砕かんがために千賀ら仲間たちと合流、絃神島でテロ活動を行い、最後には魔導術式「タルタロスの薔薇」で召喚した四神の眷獣で島自体を沈めようとしたが、古城たちとの戦いの末に敗北、最後の手段として自らの眷獣の器としての封印を解いたために肉体が崩壊し、仲間たちの保護を頼んだ後、自ら古城に取り込まれた。
- ロギ
- 発火能力者の機能を違法に組み込まれた人工生命体。処分されそうになったところをディセンバーに救われ組織に入った。役割は発火能力を用いた爆破工作。
- テロ終盤、自分と同じような境遇を哀れんだアスタルテに倒された。
- ラーン
- ハッカー。情報操作やサイバーテロを担当する。神経を改造し膨大な情報処理を行うことができるが、生身ではその力に耐え切れないため、死霊魔術(ネクロマンシー)により活動する肉体(ディセンバー曰く「脳改造版フランケンシュタイン)になっている。
- 島中の魔族登録証をハッキングし眷獣暴走を引き起こすが、「C」に入った浅葱にウイルスを除去された上、逆に自らが「C」に汚染されそうになり、ディセンバーにより回線を強制切断され気絶した。
- カーリ
- 狙撃手担当の獣人の少女。人間にも獣にもなりきれない「最弱」の獣人であり、人間の姿のまま頭には獣耳が生えている。周囲から虐待され、両親からも見放されて野垂れ死ぬ寸前にディセンバーに拾われ、千賀に狙撃術を教わることになった。その際、皮肉にも最弱の獣人であることが最強の狙撃手の資質となった。「タルタロス・ラプス」の活動目的そのものには興味はなく、ただディセンバーとの絆を保つ意味で狙撃手で在り続けている。
- テロを阻止する可能性のある浅葱を始末するため襲撃するが、同行していた矢瀬の妨害に遭い敗れた。
- 千賀 毅人(せんが たけひと)
- 髪を無造作に伸ばした芸術家のような雰囲気をたたえた中年の男性。昔日には東洋の至宝と呼ばれ、欧州の魔術界に多大な影響を与えたほどの天才風水術師である。かつて、那月に魔女となる切っ掛けを与えたのも彼であった。「タルタロス・ラプス」においてはリーダーのディセンバーとは対等の関係である。ディセンバー以外のメンバーの教育役でもあり、彼らからは「先生」と呼ばれている。その風水術を駆使し、絃神島全体を巨大な八卦陣で覆うことで船舶や航空機の往来を妨害して島への物資供給を断とうとした。
- ディセンバー達が破壊工作を行う最中人工島管理公社に侵入するが、ロギの爆破工作をやり過ごしていた顕重に捕捉され、全ては彼の手の上だったことを知り失意のうちに止めを刺される。今際の際に駆けつけた那月に子供たちの保護を頼み、何らかのデータを託し息絶えた。
その他の人物
- ルードルフ・オイスタッハ
- 声 - 三宅健太
- ロタリンギアから絃神島へやってきた「殲教師(せんきょうし)」。物腰こそ丁寧だが冷酷な性格で、野望のためなら手段を選ばず、アスタルテを平気で手駒のように扱う。不当に奪われた聖遺物の奪還を目論み、その達成直前まで行き着くが、駆けつけた古城と雪菜により失敗に終わり、ロタリンギアへ強制送還された。
- バルタザール・ザハリアス
- カイゼル髭をした中年の男。ネラプシ暫定自治政府の議長を務めているが、正体は武器商人。若い頃に永遠の命を求めて“一番目”の肋骨を自身へ移植したために「血の従者」となっており、普段はそれを隠すために整形手術で実年齢に見合った老人の顔に変えている。ヴェルディアナにとっては、皆殺しにされた家族の仇でもある。
- 兵器としての第四真祖を求め、“焔光の夜伯”である九番目たちを引き連れて絃神島を訪れる。カルアナ伯が所有していた九番目だけでなく、第二真祖の領地にあった他の“焔光の夜伯”、その他の者たちが所有していた“焔光の夜伯”たちも強奪している。大半の“焔光の夜伯”たちが揃うと、かつてのカルアナ伯の領民を生贄に捧げることで“焔光の宴”を引き起こし、“原初”を目覚めさせる。しかし、兵器としての第四真祖を手に入れようとする思惑を“原初”に看破されて一番目を操られ、一番目の肋骨を奪い返されることで自らの固有時間堆積を奪われ、灰となって死亡した。自らの行動が獅子王機関の思惑に踊らされていることには、最期まで気づいていなかった。
- 久須木 和臣(くすき かずおみ)
- 魔獣産業の有名企業「クスキエリゼ」の会長。環境保護を名目としたテロリスト「トゥルーアーク」の出資者でもあり、過激な魔獣保護主義者である。太史局からリリスとレヴィアタンについて吹き込まれ、レヴィアタンを操って魔獣保護のためのテロを企てたが、太史局に利用されていただけであり、莉琉によってレヴィアタンの中で眠らされた。事件後には逮捕されてクスキエリゼを解体されたうえ、レヴィアタンの情報を隠蔽するために大海蛇を操ろうとしていたことにされた。
- セレスタ・シアーテ
- 古代都市「シアーテ」出身の褐色の少女。15歳だが、同い年の雪菜を上回るほどスタイルが良い。混沌界域に向かったヴァトラーから、箱詰めにされた仮死状態で古城の元へ送られてきた。性格は高圧的で辛辣な言葉を吐く。邪神ザザラマギウの“花嫁”として神殿にて獣人の神官に守られていたが、ザザラマギウの軍事利用を企むCSAによって狙われたところをヴァトラーによって助けられたことから、彼を「ヴァトラー様」と敬愛している。しかし、実際はザザラマギウを鎮めるために生贄として殺されることになっていたため、神官から呪術によって徐々に記憶を奪われていた。若い神官2人の裏切りによってヴァトラーと古城が倒されたのを目撃してザザラマギウの卵を召喚し、さらに残りの神官たちが邪神復活の儀を行ったことでザザラマギウの作り出した魔法空間へ取り込まれる。最後はザザラマギウの強奪を目的にアンジェリカによって体内へ吸収されたが、古城たちによって“花嫁”の役目から解放された。
原作文庫本未収録作品の登場人物
- 暁 零菜(あかつき れいな)[8][要ページ番号]
- 声 - 阿澄佳奈
- 電撃文庫公式海賊本収録の『雪菜√Before/After』『零菜ふたたび/法廷対決』とテレビアニメ版の「暁の帝国篇」で登場。青い瞳と胸が大きい点以外は雪菜に瓜二つの容姿をした、第2世代の吸血鬼の少女。15歳。その正体は古城と雪菜の間に生まれた娘であり、時間転移術式[注 5]を用いて20年後の世界からやってきた。お喋りな点や他人への呼称など叔母の凪沙に通じるところがあり、古城の鼻血が流れやすい体質も継いでいる。未来の雪菜とは反発し合っているようで[9]、作中でも軽く悪態をついている。
- 真祖譲りの不死の呪いを持ち、雪菜直伝の格闘術を扱う。眷獣は雪霞狼と酷似した形状を持ち、稲妻を操って魔力無効化能力を備える“意思を持つ武器”の槍「槍の黄金(ハスタ・アウルム)」と時空を超える能力「天球の蒼(エクリプティカ・サフィルス)」など。だが、「天球の蒼」の完全な制御はできておらず、萌葱の魔術的サポートを必要とする。
- 萌葱(もえぎ)
- 声 - 津田美波
- 『雪菜√Before/After』『零菜ふたたび/法廷対決』と「暁の帝国篇」で登場。零菜を20年後から送り込んだ第2世代の吸血鬼の少女で、浅葱の娘。16歳。他人への呼称は仲の良い零菜と同様で、母似の容姿をしている。未来の浅葱と同じく科学者で、彼女の助手を務めている。作中では父については不明であるが、アニメ雑誌『アニメディア』[10]『メガミマガジン』[8][要ページ番号](どちらも学研パブリッシング刊)での紹介文[注 6]から古城であることが示唆されているため、零菜にとっては異母姉でもある(その証拠か、零菜と同じく「古城君」と凪沙と同じ呼び方をしていた)。「暁の帝国編」では零菜の「天球の蒼」を魔術的にサポートしていた。
- ザカリー・多島・アンドレイド
- テレビアニメ版特典小説『続・聖者の右腕/人形師の遺産』で登場。酒瓶を持ち歩き酔っているような風貌で、オイスタッハに命じられて作り出したアスタルテの調整を行った、通称「人形師」の男性。聖域条約で禁じられている人工生命体を素体にした機械人形の製造を平然と行うなど、破綻した倫理観を持つ魔導犯罪者である。古城に敗北して不要となったスワニルダを取り込む新たな人工生命体を作ろうと目論んだが、最期はそれを乗っ取った彼女に殺害される。
- スワニルダ
- 『続・聖者の右腕/人形師の遺産』で登場。純白の髪に銀色のドレスを着た少女。アスタルテと同じく、アンドレイドによって作られた。本来は人工生命体であるが、アンドレイドによって機械化された体内にはマチェットなどの武器を仕込んでいる。アンドレイドに不要と断じられるが、自らを取り込んだ人工生命体を乗っ取って彼を殺害した後、アスタルテを取り込もうと絃神島を徘徊する異形の殺人人形と化す。
- トリーネ・ハルデン
- 声 - 高橋未奈美
- OVA『ヴァルキュリアの王国』に登場。アルディギア王国と戦王領域の調印式に現れた妖艶な服装をした女性。
用語
- 第四真祖(だいよんしんそ)
- 12体の眷獣を従え、災厄をもたらすという、世界最強の吸血鬼。伝説中の存在とされていたが、獅子王機関により日本・絃神市でその存在が確認された実体は、3人の真祖が“天部”と共に“聖殲”のために設計した、世界最強の吸血鬼という生体兵器。本体である“呪われた魂”と12体の眷獣の器である12人の“焔光の夜伯”に分割され、封印されていた。3人の真祖は固有堆積時間を圧倒的に有しているが、活動と休眠を繰り返してきた第四真祖にはそれがなく、他者から固有堆積時間を搾取することで力を得ている。この記憶搾取能力によって第四真祖に会った者たちから記憶を搾取しているため、記録にはほとんど残らず伝説の存在となっている。
- 以前は“焔光の夜伯”の名称で知られていたが、本編の約3か月前に絃神島で起きた焔光の宴により原初が目覚めたところ、12番目により上書きされる。その12番目が古城の手により倒され、12番目の名称だったアヴローラが先代・第四真祖を指し示す名称となった。現在は古城が第四真祖の能力等を受け継いでいることから、古城を指し示す名称となっている。アヴローラと古城を区別するため、前第四真祖はアヴローラ、現第四真祖は古城か第四真祖と呼び分けられている。
- 攻魔師(こうまし)
- 呪術・魔術・仙術などを用い、魔導犯罪者や魔獣の捕縛・殺傷を行う職業。資格取得が必要である。資格証は「Cカード」と呼ばれる。
- 過適応能力者(ハイパーアダプター)
- 魔力に頼らない天然の異能を先天的に得た者。矢瀬や深森が該当する。
- 魔女
- 己の魂を代償に悪魔と契約し、強大な魔力を得た女性のこと。「守護者」と呼ばれる悪魔の眷族を介して魔力供給を受けたり魔力の演算補助を受けることで、通常の魔術師を上回る能力を使用できるようになるが、守護者との繋がりが絶たれると魔力供給を受けられなくなり、生命活動に支障が発生する。なお、契約は雪霞狼により無効化できることが、阿夜による襲撃の際に実証された。
- 絃神島(いとがみじま)
- 東京の南方海上330キロメートル付近に浮かぶ人工島(ギガフロート)。「魔族特区」とも呼ばれ、絶滅の危機に瀕した魔族の保護とともに彼らの肉体組織や特殊能力に関する研究が行われている。人工島ゆえに食料自給率が限りなく低く、生活物資なども船により行われているために輸送コストもかかり、物価が高い。絃神島のカフェでチーズケーキ1切れの値段が、ヴェルディアナの故郷では1箱で買ってもお釣りが来るほどである。
- 電撃文庫公式海賊本収録の『雪菜√Before/After』とテレビアニメ版の「暁の帝国篇」で描かれた20年後の世界では開発が進み、島自体の面積も現在よりはるかに拡張されている。さらに第四の夜の帝国として認知されており、「暁の帝国(ライヒ・デア・モルゲンロート)」という名で呼ばれるようになっている。
- 私立彩海学園
- 絃神島に存在する中高一貫校。古城たちが通っているため、戦いの舞台となることもある。
- 生徒用の扉から校舎へ入ろうとした零菜が手で開けようとせずに頭をぶつけていたことから、20年後の世界では生徒用の扉にも自動ドアが導入されている模様。
- 監獄結界
- 絃神島に存在する極秘施設で、管理公社すら所在地等の詳細を知らず、一般市民には都市伝説となっている場所。他施設では手に負えない、凶悪な魔導犯罪者が収容されている。
- その正体は那月が10年前から眠り続けることで維持している魔術。那月の夢の中という仮想世界に構築されているため、収監された者はごく限られた手段を除いて外部への干渉が一切不可能になり、協力者が外部から突破するためにも膨大な力で空間の境界を破る必要がある。
- 焔光の宴
- 第四真祖に関わる何か。判明していることは何らかのルールがあり、五番目のペンプトスや十二番目のアヴローラといった複数の第四真祖を示す焔光の夜伯と呼ばれる者達に加え、彼らに対する派閥や支援者が存在していたことである。古城はこれを生き延びた末に第四真祖となった模様だが、その詳細は不明。
- その実体は第四真祖の完全なる復活の儀式。選帝者と呼ばれる儀式を執り行う者が自らの領地の人間達を生贄に捧げて彼らから得た魔力を得た本来の第四真祖が復活するためのものである。前述の五番目やアヴローラ達は本来の主である原初(ルート)の力である眷獣の器でしかない。古城が第四真祖となるきっかけであった焔光の宴では古城とアヴローラが原初から離反した眷獣や戦王領域の管轄であった器達から助力を得て原初を下した。この出来事で六番目で十番目以外の器達は原初に取り込まれたことと力の完全な開放で消滅、アヴローラはその身に封じた原初ごと自らを主と従者の関係をもって操った古城に殺害させて死亡し、六番目と十番目とアヴローラ以外の眷獣達が古城へと譲渡させられ古城が第四真祖となった。古城が第四真祖となったことで、新たなる宴を執り行う必要は本来は無いはずだがヴァトラーは自らが管轄している六番目、アヴローラを宿している凪沙、そして古城と自らをもって新たなる宴を始めようとしている。
- “聖殲”
- 世界各地に大量破壊と大量の虐殺が痕跡として遺され、第四真祖が引き起こしたと伝えられているそれは、原初の罪人にして全ての魔族の祖である彼の者との戦いであり、これによってかつて地上は幾度も滅んでいる。それだけではなく、第四真祖自体にも“聖殲”のことを知ろうとすれば即座に抹殺を起こそうとする論理爆弾が仕掛けられており、まだ知られていないことがある模様。カインの巫女である浅葱が、その引き金になると言われている。
- 「“聖殲”の遺産」と呼ばれるものは複数存在する。その1つが第四真祖であり、遺産は主に人間の始祖を滅ぼすためのものと、魔族の始祖を滅ぼすためのものの2種に分類される。
- “聖殲”は研究者である牙城によれば主に二つの定義で大別される。一つは殺害不可能であった神々を殺害可能な魔族へと引きずり降ろすカインによって作られた世界を変容させる魔術の名前、二つ目がカインによって魔術と知識を与えられた異境から侵攻してきた人類達によって魔術の“聖殲”をもって神から引きずり降ろされた魔族達への大虐殺という歴史上の出来事。以上の二つである。
組織・団体
- 獅子王機関(ししおうきかん)
- 政府の国家公安委員会内に設置された特務機関。魔導災害や魔導テロを阻止するための情報収集や工作を行っており、“メトセラの末裔”を主に集めて育てていることから一部では有名である。
- 黒死皇派(こくしこうは)
- 獣人優位主義を唱える過激派グループ。ヴァトラーによって指導者を暗殺されたが、残党が新たな主導者としてガルドシュを雇い入れた。その目的は、聖域条約の完全破棄と、戦王領域の支配権を第一真祖から奪うことである。目的達成のためには多大な犠牲も厭わない。4年前に起きた12番目のアヴローラ発掘現場でのテロにも関わっている。
- メイガスクラフト
- 産業用の機械人形(オートマタ)製造で知られる企業。経営状況が悪化したため、社運をかけて模造天使(エンジェル・フォウ)の兵器化を画策する。
- LCO(ライブラリ・オブ・クリミナル・オーガニゼーション) / “図書館“
- 数千人規模の高位魔導師や魔女で構成される巨大犯罪組織。無数の魔導書を収集・封印・分類・利用することのみを、目的としている。
- MAR(マグナ・アタラクシア・リサーチ)
- 世界有数の魔導産業複合体。食品から軍用兵器まで幅広く研究・開発を行っている絃神島有数の企業。医薬品も取り扱っており、不認可新薬を使った治療や最先端治療を行う付属病院と医療研究所がある。深森はそこの主任を務めている。ジャーダにアヴローラの姿で襲撃されて多大な損害を受けたが、深森の研究でお釣りが来るほどの利益を上げている。人工島管理公社からの依頼で氷漬けにされたアヴローラを預り、管理している。
- “天部”(てんぶ)
- 有史以前の遠い過去に滅びた亜神種族。「古代超人類」とも呼ばれる。3人の真祖と共に“焔光の夜伯”を作り上げた。カインによる魔術“聖殲”が行われるまでは実際には今の魔族と呼ばれる者達も“天部”の一員であった。
- 太史局(たいしきょく)
- 獅子王機関と同じく、政府の国家公安委員会内に設置された特務機関。人為的な魔導災害や魔導テロなどを専門とする獅子王機関に対し、こちらは自然発生的な魔導災害を専門としている。
- 六刃(りくじん)
- 剣巫とルーツが同様の技能者。対魔獣を専門とする。
- ゼンフォース
- アメリカ連合国(CSA)の特殊部隊。CSAの軍事介入の主力を担っているため、構成員は国家への強い忠誠心を持つ。全身を機械化した兵士「魔義化歩兵(ソーサリスソルジャー)」で構成される。
国家・夜の帝国(ドミニオン)
夜の帝国は真祖が名目上の統治者になっているが、直接国を治めているわけではなく、普通に議員選挙や官僚試験が行われている。第一真祖と第二真祖は何十年も国民の前に姿を現していない。資源は人間の国よりも夜の帝国の方が豊からしく、他国から狙われている。
- 戦王領域
- 第一真祖「忘却の戦王(ロストウォーロード)」が支配する東欧の夜の帝国。
- 滅びの王朝
- 第二真祖「滅びの瞳(フォーゲイザー)」が支配する中東の夜の帝国。
- 混沌界域
- 第三真祖「混沌の皇女(ケイオスブライド)」のジャーダ・ククルカンが支配する中央アメリカの夜の帝国。北米大陸の3つの大国の1つである。
- アルディギア王国
- 現国王のルーカス・リハヴァインが治める国家。精霊炉を利用した疑似聖剣(ヴェルンドシステム)の技術を持つ。王族の女性は強い霊媒体質を持つ。
- アメリカ連合国(CSA)
- 北米大陸の3つの大国の1つ。欧州北海帝国への独立戦争や北米連合への武力衝突によって成立した国家。人類純血政策を掲げ、魔族を淘汰されるべき下等な種族と見なした戦争を行っており、“聖域条約”にも調印していない。そのために国際的には孤立しており、国家存続の目的で軍備力の整備と各国への紛争へ常に介入し、軍事パワーバランスを取り続けている。
- 北米連合(NAU)
- 北米大陸の3つの大国の1つ。
魔族
吸血鬼や獣人、精霊などの種族の総称。現在では自然破壊や人類との戦いにより絶滅の危機に瀕している。
- 吸血鬼
- 不老不死の肉体を持つ種族。日差しに弱いという点は旧来の作品における吸血鬼と同様であるが、本作では不老不死や再生能力に特化されており、強烈な直射日光については避けるというだけで、浴びても死亡するわけではない。また、何百年生きていても精神年齢は外見年齢に比例する。
- なお、人間の血液しか摂取できないというわけではなく、常人と同じ食物や飲み物も摂取できる。
- 真祖(しんそ)
- 最も古く、最も強大な魔力を備えた始まりの吸血鬼。数千数万もの闇の軍勢を従え、各大陸にそれぞれの自治領である「夜の帝国(ドミニオン)」を築いている。存在が公認されている真祖は3名だけだが、第四真祖の存在が発覚したため、勢力間のパワーバランスの崩壊が危惧されている。
- 作中の描写から、真祖に吸血される相手は牙を突き立てられる際、物理的な痛みと並行して性的快感似の強烈な快感に包まれることが示唆されている。また、零菜やイブリスベールのように、真祖の子もその強力な力を一部受け継ぐ模様。
- 眷獣(けんじゅう)
- 宿主の寿命を代償に実体化する異界からの召喚獣。意思を持った魔力の塊であり、強大な戦闘力を持つ反面、その特性ゆえ基本的には不老不死の吸血鬼にしか扱えない。
- 長老(ワイズマン)
- 真祖から直接血を与えられた第二世代の吸血鬼。
- 血の従者
- 吸血鬼が自らの身体の一部を与えて作り出す、1代限りの擬似吸血鬼。主との相性次第ではかなり強力な従者と化し、主の眷獣を扱うことが可能である。それには血液や唾液なども含まれるため、月齢などの条件が重なったうえで吸血鬼が人間から血を吸えば、吸われた人間が血の従者と化す。肋骨のようなものの場合は確実にその人間が血の従者と化すが、与えた主の身体の一部は再生されずに欠落したままとなる。
- 匈鬼(きょうき)
- 眷獣召喚能力を持たない下等な吸血鬼。暴力的かつ略奪を繰り返してきた歴史ゆえ、純血の吸血鬼からは嫌悪と侮蔑の対象となっている。
- 獣人(じゅうじん)
- 獣人形態への変化能力と、それに伴う高い身体能力・再生能力を持つ種族。一部の上位種は高い身体能力とは別にその強大な魔力で魔術を扱い、天使や龍族に匹敵する神獣へ自らを変成させる、「神獣化」という能力を持つ。
- 巨人族(ギガス)
- 魔族全体の中でも希な種族。3メートルもの巨体を持ち、過酷な環境下に適応したために先天的な精霊使いである。それゆえ、作り出す武器は非常に高度なものであり、アルディギア王家の擬似聖剣はそれを参考にしている。
- 龍族(ドラゴン)
- 魔獣の中では最強の種族。魔獣と魔族の境界線上にいる種族で知能も高い。龍の姿から人の姿へと姿を変えることが可能。
兵器・武器
- 雪霞狼(せっかろう)
- 雪菜が古城監視の任務に就く際、獅子王機関から渡された武器。藤坂冬佳が使用していた武器と同じ銘を持つ。“神格振動波駆動術式”と呼ばれる魔力無効化術式を組み込まれた唯一の武装“七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)”の1つであり、対魔族戦(特に対吸血鬼戦)に真価を発揮する。古代の宝槍を核にした高度な金属精錬技術で造られているために生産が効かず、世界に3本しか存在しないといわれている。非使用時はギターケースに収納し、持ち歩いている。仙都木阿夜からは「本来あるべき世界に戻しているのではないか」と言われており、闇誓書で作られた魔力・呪力が無効化する世界で唯一使用できた。
- 使い手の霊力を神気へと変換する機能を持っており、過度の使用によって使い手を模造天使へと進化させてしまうという危険性を孕んでいる。
- 煌華麟(こうかりん)
- 紗矢華が使用している“六式重装降魔弓(デア・フライシュッツ)”。鳴り鏑矢を射ることで魔術を発動させる。畳むと剣になり、白兵戦の空間断裂による攻防が可能になる。ただし、扱いが極めて難しい代物であるため、機能を分割した簡易量産モデルである“六式降魔剣・改(ローゼンカヴァリエ・プラス)”と“六式降魔弓・改(フライクーゲル・プラス)”が作られている。非使用時はキーボードケースに収納し、持ち歩いている。
- 冥餓狼(めいがろう)
- 別名“零式突撃降魔双槍(ファングツァーン)”。冥駕が現在の雪霞狼よりも前に制作した武神具で、2本の短槍を無理やり接合したような奇妙な形の黒槍。使い手も含めた周囲の魔力・霊力を全て無効化するという強力かつ危険な能力を持つが、両方を同時に無効化することはできず「失敗作」の烙印を押されている。何らかの理由から絃神島から持ち出せずに保管されていたが、製作者である冥駕が脱獄時に盗んで自分の得物としている。最終的に古城らに破壊された。
- ナラクヴェーラ
- 先史時代の遺跡から発掘され、黒死皇派の残党が盗み出して利用した神々の兵器。外部から操作される無人機だが、「女王(マレカ)」と呼ばれる指揮官は有人機であり、他の機体を制御できる。眷獣に匹敵する攻撃力に加え、外部からの攻撃を学習しての自己進化機能、損傷しても周囲の物質を元素変換で取り込んで補填する自己修復機能により、非常に高い戦闘力を誇る。制御には非常に特殊な言語体系のコマンドを必要とするが、起動コマンド「はじまりの言葉」で一度動き出せば破壊活動を続け、停止コマンドを用いずに止めることはほぼ不可能。ただし、コマンド解析を行った浅葱が作った自己消滅コマンド「終わりの言葉」には抵抗できず、砂と化して消滅した。
- 模造天使(エンジェル・フォウ)
- 人間を人為的に霊的進化させた存在。その名の通り、天使に近しい姿で尋常ならざる力を振るえるが、不安定極まりない。
- “賢者”(ワイズマン)
- 声 - 武虎
- 錬金術師が神を創り出そうとして生み出された、“完全な人間”と称される存在。創造自体は成功したが、“完全”であり過ぎたために己以外の全てを必要とせず、他の生物が自分より“完全”な存在に進化することを恐れ、己以外の全てを滅ぼすために行動する。口から荷電粒子砲を放つ。第四真祖である古城を金属に変えられるほどの力を持つ。
- 天塚を操り海中の金属物質を吸い上げて復活を果たすが、古城との戦いで肉体を超再生により無に還される。
- “賢者の霊血”(ワイズマンズ・ブラッド)
- “賢者”の肉体を構成している液体金属。滅ぼすことのできない”賢者”を無力化するために全て抜き取られ、その封印に成功した。作成も可能だが、必要な量分の金や銀、希少金属各種の他に水銀900リットル、霊能力者が十数名必要だとニーナは語っているが、この時は浅葱の身体を借りて彼女の体重から分量を計算したものであるため、実際の正確な数字は不明。
- レヴィアタン
- 神々の時代の生体兵器である世界最強の魔獣。全長は約4キロメートルもあり、常に強力な魔力障壁に覆われ、全身に装備された魔砲に加え、おびただしい数の生体魚雷や対艦ミサイルなどの強力な武装を保有している。本来の気性はおとなしく、海底で何千年もひっそりと暮らしており、近づいてこない限りは害を与えず龍脈に沿って漂い続けていた。
- ザザラマギウ
- 都市国家「シアーテ」で信仰されていた邪神。正体は龍脈の要に位置するシアーテへ蓄積された、膨大なエネルギーの塊。吸血鬼の眷獣同様に膨大なエネルギー自体が意志を持っており、それを制御するためにシアーテの人々が神殿へ龍脈の力を実体化する魔法装置を組み込んだ。さらにザザラマギウの核である卵を体内に宿した“花嫁”と呼ばれる巫女が存在し、卵が力を蓄える前に花嫁を殺すことで龍脈の力の暴走を抑え込んできた。
その他の用語
- 錬金術師(れんきんじゅつし)
- 物質の組成を自在に操る術者。黄金を生み出すことをはじめ、不完全なものを完全なものにすることを目指しており、その究極の目的は人間の限界を超えて“神”に近づくこととされる。
- 固有堆積時間(パーソナルヒストリー)
- ある存在が生み出されてから現在まで経験してきた時間の総和。魔術的には個人の歴史そのものである。単なる経過時間とは異なり、感情を伴う思い出の蓄積であるため、冬眠のようにただ眠り続けるだけの時間は含まれない。魔術によって固有堆積時間を奪われると、対象はその時間の分だけ記憶と経験を失い、肉体も退行する。第四真祖以外の真祖が持つ強大な力は、まだ“天部”が存在していた有史以前からの圧倒的な固有堆積時間に起因する。
- 20年後の世界
- 電撃文庫公式海賊本収録の『雪菜√Before/After』『零菜ふたたび/法廷対決』とテレビアニメ版の「暁の帝国篇」で描かれた世界。本編が到達するとされる数ある未来の1つであり、零菜はここから時間転移術式を用いて現在へやってきた。
既刊一覧
タイトル | 初版発行日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1 | ストライク・ザ・ブラッド1 聖者の右腕 | 2011年5月10日 | ISBN 978-4-04-870267-6 |
2 | ストライク・ザ・ブラッド2 戦王の使者 | 2011年9月10日 | ISBN 978-4-04-870752-7 |
3 | ストライク・ザ・ブラッド3 天使炎上 | 2012年2月10日 | ISBN 978-4-04-886274-5 |
4 | ストライク・ザ・ブラッド4 蒼き魔女の迷宮 | 2012年6月10日 | ISBN 978-4-04-886633-0 |
5 | ストライク・ザ・ブラッド5 観測者たちの宴 | 2012年10月10日 | ISBN 978-4-04-886899-0 |
6 | ストライク・ザ・ブラッド6 錬金術師の帰還 | 2013年2月10日 | ISBN 978-4-04-891407-9 |
7 | ストライク・ザ・ブラッド7 焔光の夜伯 | 2013年4月10日 | ISBN 978-4-04-891555-7 |
8 | ストライク・ザ・ブラッド8 愚者と暴君 | 2013年7月10日 | ISBN 978-4-04-891750-6 |
9 | ストライク・ザ・ブラッド9 黒の剣巫 | 2013年10月10日 | ISBN 978-4-04-866023-5 |
10 | ストライク・ザ・ブラッド10 冥き神王の花嫁 | 2014年3月8日 | ISBN 978-4-04-866428-8 |
11 | ストライク・ザ・ブラッド11 逃亡の第四真祖 | 2014年9月10日 | ISBN 978-4-04-866865-1 |
12 | ストライク・ザ・ブラッド12 咎神の騎士 | 2015年2月10日 | ISBN 978-4-04-869254-0 |
13 | ストライク・ザ・ブラッド13 タルタロスの薔薇 | 2015年6月10日 | ISBN 978-4-04-865191-2 |
14 | ストライク・ザ・ブラッド14 黄金の日々 | 2015年11月10日 | ISBN 978-4-04-865503-3 |
漫画
『月刊コミック電撃大王』2012年8月号より、TATEの作画で連載中[11]。単行本は既刊7巻。
- 2012年12月15日発売 ISBN 978-4-04-891279-2
- 2013年5月27日発売 ISBN 978-4-04-891685-1
- 2013年10月26日発売 ISBN 978-4-04-866015-0
- 2014年3月27日発売 ISBN 978-4-04-866393-9
- 2014年9月27日発売 ISBN 978-4-04-866834-7
- 2015年3月27日発売 ISBN 978-4-04-869298-4
- 2015年9月26日発売 ISBN 978-4-04-865352-7
アニメ
原作・構成協力 | 三雲岳斗(電撃文庫刊) |
---|---|
原作イラスト | マニャ子 |
監督 | 山本秀世 |
チーフディレクター | 佐野隆雄 |
シリーズ構成 | 吉野弘幸 |
キャラクターデザイン | 佐野恵一 |
メカニカルデザイン | 明貴美加 |
プロップデザイン | 明珍宇作、井嶋けい子 枝松聖(第8話 - 第24話) |
美術監督 | 渡辺三千恵(テレビアニメ) 平良亜以子(OVA) |
色彩設計 | 但野ゆきこ |
撮影監督 | 廣岡岳 |
3D監督 | 熊倉ちあき |
編集 | 坪根健太郎 |
音響監督 | 明田川仁 |
音楽 | ASSUMED SOUNDS |
プロデュース | 川瀬浩平、和田敦 |
プロデューサー | 中山信宏、湯澤啓幸 福田順、金庭こず恵 |
山崎史紀、中川二郎、藤田敏 (以上すべてテレビアニメ) | |
深尾聡志(OVA) | |
アニメーションプロデューサー | 田部谷昌宏 |
アニメーションプロデュース | barnum studio |
アニメーション制作 | SILVER LINK. / CONNECT |
製作 | PROJECT STB(テレビアニメ)[注 7] PROJECT STB OVA(OVA)[注 8] |
2013年10月から2014年3月まで、AT-Xほかにて放送された。全24話。
原作の第1巻『聖者の右腕』から第6巻『錬金術師の帰還』までのアニメ化に加え、番外編『雪菜√Before/After』を元にしたアニメオリジナルエピソード『暁の帝国篇』で構成されている。
第12話と第13話の間の週には、特別番組『ストライク・ザ・ブラッドの秘密を監視せよ!』が放送された(中部日本放送を除く)。種田梨沙(雪菜役)と日高里菜(凪沙役)の声優2人が司会を担当し、主要人物やシリーズ前半の紹介、SILVER LINK.への突入取材や監督の山本へのインタビューなどが行われた。
2015年3月にOVA化が発表され、新規エピソード「ヴァルキュリアの王国篇」として11月25日に前篇、12月23日に後篇が発売された[12]。
製作
スタッフは、2012年放送のテレビアニメ『新テニスの王子様』の監督を務めた山本秀世による監督や、同年放送のテレビアニメ『ちとせげっちゅ!!』の監督を務めた佐野隆雄によるチーフディレクターのもと、アニメーション制作こそ後者のアニメーション制作を務めたSILVER LINK.が担当するものの、シリーズ構成に吉野弘幸、キャラクターデザインに佐野恵一、メカニカルデザインに明貴美加、プロデューサーに中山信宏や藤田敏や金庭こず恵など、本作と同じく電撃文庫作品を原作としたテレビアニメ版『とある魔術の禁書目録』シリーズや『とある科学の超電磁砲』シリーズへの参加者が多く名を連ねている[注 9]。
原作者の三雲岳斗は、脚本の打ち合わせへはなるべく参加するようにしているうえ、「原作ではこうなってましたよ」とツッコミを入れてくるほど原作を読み込んでいる山本や、「原作ファンのイメージを壊さないようにしよう」「雪菜をかわいく描こう」と原作らしさを意識している吉野を高く評価しており、安心して制作を任せている[2]。また、中山も雪菜については吉野と同様の意識を持っているうえ、彼女のアクションシーンにサービス[注 10]を入れるよう心がけたり、古城の強力な眷獣の派手さとのバランスを取ることに苦労している[13]。古城や雪菜への心がけは古城役の細谷佳正や雪菜役の種田梨沙ら主要声優陣も持っており、それぞれ演じる際に気を付けている[14]。
当然ながら尺が限られているために原作から削除されたり変更された箇所が存在するが、古城と第四真祖の設定に起因する描写については可能な限り削除や変更をされない形で盛り込まれている。そのため、女性陣のきわどい台詞や素肌の露出、そして人体の損壊といった過激な描写も存在するが、女性陣の素肌の露出については放送版では若干の修正が加えられている。
プロモーション
2013年3月17日に開催されたステージイベント「電撃文庫創刊20周年 大感謝プロジェクト」で、同じく電撃文庫作品である『ゴールデンタイム』と同時にテレビアニメ化が発表された[15]後、『電撃文庫MAGAZINE』2013年vol.32でスタッフが発表された。同年9月1日に開催されたキックオフイベントでは細谷ら主要声優陣が登壇し、それに先行してコミックマーケット84で上映されたPVも上映された[16]。
2013年12月4日には、朝の情報番組『ZIP!』(日テレ)のコーナー「チューモーク!」で本作が紹介され、主人公が吸血鬼という設定やアクションシーンなどの光の表現が注目された[5]。
2014年3月16日に開催されたステージイベント「電撃文庫 春の祭典2014」では細谷ら主要声優陣が登壇し、『暁の帝国篇』についてのトークが行われた後、同年秋口を目処に作品単独イベントを開催することが告知された[17]。その後、同年7月10日にはイベント期日が10月12日であることや、会場が品川インターシティホールであることが告知された[18]。
2015年10月4日に開催されたステージイベント「電撃文庫 秋の祭典2015」では姫柊雪菜役の種田梨沙、暁凪沙役の日高里菜、煌坂紗矢華役の葉山いくみ、矢瀬基樹役の逢坂良太、シークレットゲストとしてラ・フォリア・リハヴァイン役の大西沙織が登壇し、OVA版についてのトークが行われた後、その先行カットが初披露された[19]。
評価
イードが実施した「秋アニメ2013何を見ますか?」では男性で第6位[20]、「冬アニメ2014何を見ますか?」でも男性で第10位[21]をそれぞれ記録するなど、男性から評価されている。
テレビアニメ化を受け、原作第10巻は書泉ブックタワーのライトノベル売り上げランキングで2014年3月分の首位を獲得した[22]。
前述のようにサービスシーンが多いことから、ASCII.jpではたびたびAV機器やビデオカードの紹介に絡めてネタにされている[23][24]。
主題歌
- テレビアニメ
-
- オープニングテーマ
-
- 「ストライク・ザ・ブラッド」(第2話 - 第7話、第9話 - 第13話)
- 作詞・作曲 - 岸田 / 編曲・歌 - 岸田教団&THE明星ロケッツ
- 第1話ではエンディングテーマとして使用。第8話では未使用。第12話は挿入歌として使用。
- 「Fight 4 Real」(第14話 - 第23話)
- 作詞 - 黒崎真音 / Rap詞 - motsu / 作曲・編曲 - 八木沼悟志 / 歌 - ALTIMA
- BD/DVD版のオープニングアニメーションには、本放送版に無かった新規カットが追加されている。
- 第24話では未使用。
- エンディングテーマ
-
- 「Strike my soul」(第2話 - 第13話)
- 作詞 - 六ツ見純代 / 作曲 - 伊藤翼 / 編曲 - 渡辺拓也 / 歌 - 井口裕香
- 第1話では未使用。
- 「signal」(第14話 - 第24話)
- 作詞・作曲・歌 - 分島花音 / 編曲 - 千葉"naotyu-"直樹
- OVA
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- オープニングテーマ
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- 「リトルチャームファング」
- 作詞・作曲 - 渡辺翔 / 編曲 - 佐々木裕 / 歌 - 井口裕香
- エンディングテーマ
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- 「君はソレイユ」
- 作詞・作曲・歌 - 分島花音 / 編曲 - 古川貴浩
各話リスト
各話のサブタイトルは、アイキャッチに表示される。
テレビアニメ
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | |
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第1話 | 聖者の右腕篇 The Right Arm Of The Saint |
I | 吉野弘幸 | 山本秀世 | 滝本祥子、青木理恵 | 佐野恵一 | |
第2話 | II | 山本秀世 | 徳本善信 | 明珍宇作 | |||
第3話 | III | 立仙裕俊 | 小市由佳、佐々木幸恵 | 佐野恵一 | |||
第4話 | IV | 立仙裕俊 佐野隆雄 |
井嶋けい子、原友樹 氏家嘉宏 | ||||
第5話 | 戦王の使者篇 From The Warlord's Empire |
I | 花田十輝 | 佐野隆雄 | 平向智子 徳本善信 |
高井里沙、斉藤佳子 | 明珍宇作 |
第6話 | II | 宮尾佳和 | 秋田谷典昭 | 滝本祥子、今里佳子 原友樹 |
佐野恵一 | ||
第7話 | III | 佐々木忍 | 佐々木忍 宮西哲也 |
高井里沙、斉藤佳子 | 明珍宇作 | ||
第8話 | IV | 湖山禎崇 | 和泉志郎 | 萩原正人、宮井加奈 竹本佳子、倉谷亮多 |
佐野恵一 | ||
第9話 | 天使炎上篇 The Amphisbaena |
I | 吉野弘幸 | 徳本善信 | 奥野浩行、高井里沙 斉藤佳子 |
明珍宇作 | |
第10話 | II | 福田道生 | 立仙裕俊 | 佐々木幸恵、小市由佳 酒井智史 |
佐野恵一 | ||
第11話 | III | 神保昌登 | 山吉一幸、澤入祐樹 氏家嘉宏、高橋賢 平田和也 | ||||
第12話 | IV | 飯田崇 | 徳本善信 宮西哲也 平向智子 |
斉藤佳子、中西和也 竹森由加、渡辺奏 |
佐野恵一 明珍宇作 | ||
第13話 | 蒼き魔女の迷宮篇 Labyrinth Of The Blue Witch |
I | ヤスカワショウゴ | 宮尾佳和 | 立仙裕俊 | 佐野隆雄、原友樹 丹羽信礼 |
佐野恵一 |
第14話 | II | 徳本善信 | 明珍宇作、斉藤佳子 | 佐野恵一 明珍宇作 | |||
第15話 | III | 川田剛 | 和泉志郎 | 萩原正人、竹本佳子 倉谷亮多 |
- | ||
第16話 | 観測者たちの宴篇 Fiesta For The Observers |
I | 横谷昌宏 | 飯田崇 | 徳本善信 | 佐野隆雄、中西和也 竹森由佳、野道佳代 |
佐野恵一 明珍宇作 |
第17話 | II | KONAYUKI | 神保昌澄 | 佐野恵一、大塚舞 高橋賢、古屋けだま 荒木裕 |
佐野恵一 | ||
第18話 | III | 山本秀世 | 立仙裕俊 | 滝本祥子、原友樹 丹羽信礼、川口弘明 | |||
第19話 | IV | 徳本善信 | 斉藤佳子、竹森由加 | 佐野恵一 明珍宇作 | |||
第20話 | 錬金術師の帰還篇 Return Of The Alchemist |
I | 吉野弘幸 | 矢花馨 | 佐藤綾子、水野隆宏 斎藤雅和、吉田肇 小川浩司 |
佐野恵一 | |
第21話 | II | 和泉志郎 | 萩原正人、竹本佳子 倉谷亮多 |
- | |||
第22話 | III | 山本秀世 KONAYUKI |
佐野隆雄 木下ゆうき |
井本由紀、大塚舞 佐野隆雄、中西和也 橋本真希 |
佐野恵一 | ||
第23話 | 暁の帝国篇 Empire Of The Dawn |
I | 山本秀世 | 徳本善信 | 明珍宇作、斉藤佳子 | 明珍宇作 | |
第24話 | II | 立仙裕俊 | 佐野恵一、佐野隆雄 丹羽信礼、原友樹 井嶋けい子、橋本真希 井本由紀、明珍宇作 |
佐野恵一 |
OVA
タイトル サブタイトル | # | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 |
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ヴァルキュリアの王国篇
Kingdom of The Valkyria | 前篇 | 吉野弘幸 | 山本秀世 | 和泉志郎 | 萩原正人、竹本佳子、倉谷亮多、たなかみほ | 佐野恵一 |
絃神島での調印式典に参加するためにラ・フォリアと国王夫妻が来日し、暁古城と姫柊雪菜はひょんなことからラ・フォリアらと出会うことになる[25]。ファミレスで、予てから縁談を持ちかけられていたラ・フォリアは父・ルーカス(声 - 稲田徹)に対して、古城を結婚相手に希望するという[25]。この場を収めるため、母・ポリフォニア(声 - 能登麻美子)は古城と雪菜をパーティーに招待する[26]。パーティーには藍羽浅葱や矢瀬基樹をはじめとする古城や叶瀬夏音と関係がある者が呼ばれていた[25]。今回招いたほとんどの女性達は古城の愛人だとラ・フォリアが話すとルーカスは激昂する[25]。そんな中突然、謎の魔物が襲ってくるが、雪菜らの抗戦によって事態は収束する[25]。しかし、古城は謎の女による接触で様子がおかしくなってしまう。その後、ポリフォニアから宿泊することを勧められ、一行はホテルへ赴く[25]。古城の部屋に雪菜が見張るために入るが、いきなり古城は雪菜を誘惑する[26]。そこへ、ラ・フォリアが入室するが、古城はラ・フォリアを気絶させてしまう[26]。雪菜は古城の様子がいつもと違い、何者かに操られていることに気が付く[26]。 | ||||||
ヴァルキュリアの王国篇
Kingdom of The Valkyria II | 後篇 | 吉野弘幸 | 山本秀世 | 和泉志郎、山本秀世 | 萩原正人、竹本佳子、倉谷亮多 たなかみほ、井本由紀、山犬守 | 佐野恵一 |
雪菜とラ・フォリアが古城に誘拐され、テロリストのもとにいるという情報が入る[27]。テロリストはアルディギアに収監されている犯罪者の釈放を要求したが、ルーカスはそれに屈せず戦うことを決意した[27]。翌日、調印式は予定通り行われようとしていたが、その裏ではアルディギア王家が所有する装甲飛行船・ビフレスト[28]をテロリストが奪取し、調印式典会場をそれで攻撃することによって、アルディギアと戦王領域との関係を緊張状態ないしは戦争状態にしようという工作が進行していた[27]。潜入工作の班長を務めるトリーネ[29]はアイランド・ガードに抵抗するためにアルディギアが所有する軍用魔導兵器・ベルゲルミル[28]を投入するが、煌坂紗矢華とアスタルテの追撃で撃退される[27]。藍羽はビフレストのシステムにハッキングし、テロリストが発射したミサイルを自爆させることに成功した[27]。そんな中、式典は事なきを得て条約は締結されることとなった[27]。しかし、窮地に陥ったトリーネは古城を利用して式典会場を焼き払おうと試みるが、ラ・フォリアが用意した策により古城は目を覚ました[30]。さらにトリーネはアウルゲルミルを利用して強行突破しようとしたが、雪菜は雪霞狼(せっかろう)を手にしてトリーネを倒し、古城は獅子の黄金(レグルス・アウルム)でアウルゲルミル[28]を撃破したことによって一連の騒動は解決した[30]。 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
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日本全域 | AT-X | 2013年10月4日 - 2014年3月28日 | 金曜 23:30 - 土曜 0:00 | アニメ専門CS放送 | 製作委員会参加 リピート放送あり |
東京都 | TOKYO MX | 2013年10月5日 - 2014年3月29日 | 土曜 0:30 - 1:00(金曜深夜) | 独立局 | |
近畿広域圏 | 毎日放送 | 2013年10月6日 - 2014年3月30日 | 日曜 3:28 - 3:58(土曜深夜) | TBS系列 | アニメシャワー第4部 |
韓国全域 | ANIPLUS | 2013年10月9日 - 2014年4月2日 | 水曜 23:00 - 23:30 | CS放送 IP放送 ケーブルテレビ |
15歳以上視聴可 韓国語字幕あり ネット配信あり |
中京広域圏 | 中部日本放送[注 11] | 2013年10月10日 - 2014年4月3日 | 木曜 2:38 - 3:08(水曜深夜) | TBS系列 | |
日本全域 | BS11 | 2013年10月12日 - 2014年4月5日 | 土曜 0:30 - 1:00(金曜深夜) | BS放送 | ANIME+枠 |
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
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日本全域 | ニコニコ生放送 | 2013年10月10日 - 2014年4月3日 | 木曜 23:00 - 23:30 | ネット配信 | |
ニコニコチャンネル | 木曜 23:30 更新 | ||||
dアニメストア | 2013年10月11日 - 2014年4月4日 | 金曜 12:00 更新 | |||
バンダイチャンネル | 2013年10月24日 - 2014年4月17日 | 木曜 12:00 更新 | |||
楽天ShowTime | 2013年10月25日 - 2014年4月18日 | 金曜 12:00 更新 |
BD / DVD
巻 | 発売日 | 収録話 | 規格品番 | |
---|---|---|---|---|
BD限定版 | DVD限定版 | |||
テレビアニメ | ||||
1 | 2014年1月29日 | 第1話 - 第3話 | 1000451395 | 1000451396 |
2 | 2014年2月26日 | 第4話 - 第6話 | 1000450789 | 1000451390 |
3 | 2014年3月26日 | 第7話 - 第9話 | 1000450786 | 1000450787 |
4 | 2014年4月23日 | 第10話 - 第12話 | 1000450672 | 1000450673 |
5 | 2014年5月28日 | 第13話 - 第15話 | 1000450659 | 1000450670 |
6 | 2014年6月25日 | 第16話 - 第18話 | 1000450656 | 1000450657 |
7 | 2014年7月30日 | 第19話 - 第21話 | 1000450653 | 1000450654 |
8 | 2014年8月27日 | 第22話 - 第24話 | 1000450650 | 1000450651 |
OVA | ||||
前篇 | 2015年11月25日 | 前篇 | 1000584286 | 1000584287 |
後篇 | 2015年12月23日 | 後篇 | 1000584288 | 1000584289 |
WEBラジオ
『ストブらじお 雪菜と凪沙のおとなり放送局』のタイトルで、音泉、HiBiKi Radio Stationにて配信された。
- 配信日程
- 2013年9月11日に第1回が配信。
- 2013年9月25日(第2回)から2014年4月30日(第33回)まで、毎週水曜日に更新された。
- 第4回は、2013年10月6日に行われた公開録音『ストブらじお 雪菜と凪沙のおとなり放送局 公開録音』の音源を配信した。
- 2013年12月8日に公開録音『「ストブらじお 雪菜と凪沙のおとなり放送局」公開録音〜東京ジョイポリスでクリスマスパーティしちゃおうぜぃ〜』が行われ、ニコニコ生放送でも配信された。この音源は、同年12月25日に第15回として配信された。
- 2015年10月4日に行われた公開録音『ストブらじお 雪菜と凪沙のおとなり放送局 出張版!!』の音源が、同年10月7日に第34回として配信された。
- OVAの発売に合わせ、2015年11月11日に第35回が配信された。以後、同年12月23日(第38回)まで隔週水曜日に更新。
- 2015年11月24日・12月22日に配信されたニコニコ生放送『ストブらじお 雪菜と凪沙のおとなり放送局 〜ニコ生を監視せよ!〜』の音源が、翌日11月25日・12月23日に第36回・第38回として配信された。
- パーソナリティ
- ゲスト
- 第9回 - 細谷佳正(暁古城 役)
- 第10回 - 瀬戸麻沙美(藍羽浅葱 役)
- 第12回 - 金元寿子(南宮那月 役)
- 第15回 - 瀬戸麻沙美、金元寿子
- 第18回 - 葉山いくみ(煌坂紗矢華 役)
- 第20回 - 伊藤かな恵(叶瀬夏音 役)
- 第22回 - 久野美咲(リディアーヌ・ディディエ 役)
- 第24回 - 大西沙織(ラ・フォリア・リハヴァイン 役)
- 第26回 - 新井里美(ベアトリス・バスラー 役)
- 第28回 - 井口裕香(アスタルテ 役)
- 第34回 - 大西沙織
- 第35回 - 大西沙織
- 第36回 - 井口裕香
- 第37回 - 瀬戸麻沙美
- 第38回 - 葉山いくみ
- ラジオCD・DJCD
Vol. 発売日 新規録り下ろし特別版ゲスト 過去配信回 商品番号 ラジオCD「ストブらじお 雪菜と凪沙のおとなり放送局」 1 2014年1月29日 細谷佳正、瀬戸麻沙美 第1回 - 第12回 STBR-0001 2 2014年4月30日 金元寿子 第13回 - 第23回 STBR-0002 3 2014年6月25日 久野美咲 第24回 - 第33回 STBR-0003 DJCD「ストブらじお 雪菜と凪沙のおとなり放送局」 - 2015年12月29日 瀬戸麻沙美 - STBR-1001
ゲーム
- ストライク・ザ・ブラッド 新たなる真祖(ストライク・ザ・ブラッド あらたなるしんそ)
- 2013年11月26日から2015年2月27日までMobageにて配信されていた、スマートフォンとフィーチャーフォンに対応のソーシャルゲーム。gloopsがパブリッシング、ニジボックスが開発・運営をそれぞれ担当[31]。
- 「闇の機関によって作り出された『人造真祖』(プロトタイプ)であるプレイヤーは、能力の暴走によって闇の機関を消滅させたうえ、それによる記憶喪失状態で絃神島へ流れ着いたところを、古城たちの戦いに巻き込まれる」というシナリオのもと、各キャラクターの描かれたカードによるカードバトルを楽しめるようになっている。
- カードのグラフィックはテレビアニメ版に準拠しており、その本放送中には本編の映像を抜粋して台詞を本作の宣伝文句へ吹き替えたCMも数種放送されていた。
- 2014年8月27日にはゲーム用描き下ろしイラストやSPカードを収録したムック『ストライク・ザ・ブラッド 新たなる真祖 特典アイテム付きビジュアルブック』が、KADOKAWAから発売された[32]。
- 電撃文庫 FIGHTING CLIMAX
- 2014年3月18日から稼働しているセガのアーケード用対戦型格闘ゲーム。
- 2014夏に姫柊雪菜(プレイヤーキャラクター)、暁古城(サポートキャラクター)の追加参戦が発表されている[33]。
- ジーククローネ「ストライク・ザ・ブラッド」
- 2014年7月31日にグリーの子会社のグリーエンタテインメントプロダクツから開発・発売されたトレーディングカードゲーム[34]。
- スターターデッキとエクストラブースターパックがあり、それぞれに限定カードや描き下ろしカードがランダムで封入されている。
脚注
注釈
- ^ ただし、死亡へ至る際の肉体的苦痛は遮断されないため、首を刎ねられた際もそれ相応の苦痛を感じている。
- ^ 原作では「聖戦」が省略され「私達の…です!」と表記されることもあるが、テレビアニメ版では一貫して「私達のケンカです!」と発する。
- ^ 実際に暴走した“賢者の霊血”に致命傷を負わされた際は、「偶然近くにいた」ニーナに治癒されてすぐ回復している。
- ^ テレビアニメBD/DVD第4巻解説書より。
- ^ 魔法陣を介してタイムトラベルを実現させる術式であるが、時間を行き来できるのは零菜の精神と肉体のみであるため、転移完了直後は全裸となる。
- ^ 「古城には実は、零菜のほかに、浅葱との間に萌葱という子供がいる」という趣旨の記述がある。
- ^ ワーナー・ホーム・ビデオ&デジタル・ディストリビューション、KADOKAWA アスキー・メディアワークス、SILVER LINK.、ショウゲート、クロックワークス、AT-X、ムービック
- ^ ワーナー・ホーム・エンターテイメント、KADOKAWA アスキー・メディアワークス、SILVER LINK.、博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、クロックワークス、ムービック
- ^ 2クール目エンディングには、『とある科学の超電磁砲』シリーズで監督を務める長井龍雪が絵コンテ・演出で参加している。
- ^ ここでは明言されていないが、作中の描写からパンチラやブラチラなど、下着や素肌の露出であることがうかがえる。
- ^ 2014年4月1日よりCBCテレビ
出典
- ^ a b “「ストライク・ザ・ブラッド」原作者・三雲岳斗インタビュー “原点回帰、正統派で描く学園伝奇アクション”(1/2)”. アニメ!アニメ! (2013年10月11日). 2014年2月26日閲覧。
- ^ a b “「ストライク・ザ・ブラッド」原作者・三雲岳斗インタビュー “原点回帰、正統派で描く学園伝奇アクション”(2/2)”. アニメ!アニメ! (2013年10月11日). 2014年2月26日閲覧。
- ^ mikumoのツイート(669337305342222336)
- ^ “ストライク・ザ・ブラッド :「アスラクライン」作者の新作がアニメ化 13年に”. MANTANWEB(まんたんウェブ) (2013年3月17日). 2014年2月26日閲覧。
- ^ a b “アニメ『ストライク・ザ・ブラッド』”. ZIP!. 2014年2月27日閲覧。
- ^ “そうです!本日1月7日は姫柊雪菜の誕生日!雪菜ちゃんお誕生日おめでとう!”. TVアニメ「ストライク・ザ・ブラッド」Twitter公式アカウント. (2016年1月7日) 2016年1月8日閲覧。
- ^ a b “『ストライク・ザ・ブラッドOVA』主題歌アーティスト決定!”. アニメイトTV (2015年8月14日). 2015年8月15日閲覧。
- ^ a b 『メガミマガジン』2014年5月号、学研パブリッシング、2014年3月28日。
- ^ mikumoのツイート(449581553253773312)
- ^ 『アニメディア』2014年5月号、学研パブリッシング、31頁。
- ^ “三雲岳斗のラノベ「ストライク・ザ・ブラッド」マンガ化”. Natalie (2012年6月27日). 2014年8月6日閲覧。
- ^ “OVA『ストライク・ザ・ブラッド ヴァルキュリアの王国篇』のPVが公開! 発売日も明らかに”. 電撃オンライン (2015年8月14日). 2015年8月15日閲覧。
- ^ “アニメ質問状 :「ストライク・ザ・ブラッド」 雪菜は可愛く、りりしく、格好よく”. MANTANWEB(まんたんウェブ). 2014年2月27日閲覧。
- ^ “目指せジャパンエキスポ!? ストライク・ザ・ブラッド主演にインタビュー”. ASCII.jp. 2014年2月27日閲覧。
- ^ “【速報】電撃文庫『ストライク・ザ・ブラッド』&『ゴールデンタイム』のアニメ化が決定!”. 電撃オンライン (2013年3月17日). 2013年10月26日閲覧。
- ^ “TVアニメ『ストライク・ザ・ブラッド』のキックオフイベントが開催! 細谷佳正さんや種田梨沙さんなど声優陣がトーク”. 電撃オンライン (2013年9月2日). 2013年10月26日閲覧。
- ^ “『ストライク・ザ・ブラッド』のステージをレポ! 単独イベント開催決定などサプライズ発表が!?”. 電撃オンライン (2014年3月16日). 2014年3月18日閲覧。
- ^ “TVアニメ『ストライク・ザ・ブラッド』、10月12日に単独イベントを開催!”. リスアニ!WEB (2014年7月10日). 2014年7月10日閲覧。
- ^ “「ストライク・ザ・ブラッド」OVA発売記念SPステージレポ "電撃文庫 秋の祭典2015””. アニメ!アニメ! (2015年10月5日). 2015年10月30日閲覧。
- ^ “男性1位は「キルラキル」、女性1位は「黒子のバスケ」 アニメ!アニメ!秋アニメアンケート(男女別)(1/2)”. アニメ!アニメ! (2013年11月14日). 2014年2月26日閲覧。
- ^ “「鬼灯の冷徹」が女性1位 男性は「中二病」「ニセコイ」がツートップ アニメ!アニメ!冬アニメアンケート(男女別)(2/2)”. アニメ!アニメ! (2014年2月23日). 2014年2月26日閲覧。
- ^ “ラノベランキング : 3月は「ストライク・ザ・ブラッド」が初の首位 書泉ブックタワー”. MANTANWEB(まんたんウェブ) (2014年4月9日). 2014年4月10日閲覧。
- ^ “プロジェクター導入講座 BenQで体験する“6畳間でも大画面””. ASCII.jp (2013年12月24日). 2015年6月20日閲覧。
- ^ “先輩! 私たちのFluid Motionなら60fpsでぬるぬるです!!”. ASCII.jp (2015年6月18日). 2015年6月20日閲覧。
- ^ a b c d e f 特製ブックレット、前編 10頁。
- ^ a b c d 特製ブックレット、前編 11頁。
- ^ a b c d e f 特製ブックレット、後編 10頁。
- ^ a b c 特製ブックレット、後編 15頁。
- ^ 特製ブックレット、後編 12頁。
- ^ a b 特製ブックレット、後編 11頁。
- ^ “gloopsとニジボックス、『ストライク・ザ・ブラッド 新たなる真祖』を2013年冬に配信決定…事前登録も開始”. Social Game Info. 2014年2月27日閲覧。
- ^ “『ストライク・ザ・ブラッド 新たなる真祖』の特典付きビジュアルブックが発売! カバー&特典イラストは大胆ビキニ姿の雪菜!!”. 電撃App. 2016年1月8日閲覧。
- ^ “『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』に新キャラ追加! 『ストライク・ザ・ブラッド』雪菜と『ブラック・ブレット』蓮太郎が参戦”. 電撃オンライン. 2014年6月25日閲覧。
- ^ “「ストライク・ザ・ブラッド」商品情報公開!”. 「ジーククローネ」公式サイト. 2016年1月8日閲覧。
- ストライク・ザ・ブラッド OVA 前篇<初回生産限定版>付属 特製ブックレット. 『ストライク・ザ・ブラッド OVA』. KADOKAWA/アスキー・メディアワークス. (2015)
- ストライク・ザ・ブラッド OVA 後篇<初回生産限定版>付属 特製ブックレット. 『ストライク・ザ・ブラッド OVA』. KADOKAWA/アスキー・メディアワークス. (2015)